JP3160514B2 - 溶接金属の超音波探傷検査性改善方法 - Google Patents
溶接金属の超音波探傷検査性改善方法Info
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- JP3160514B2 JP3160514B2 JP33109395A JP33109395A JP3160514B2 JP 3160514 B2 JP3160514 B2 JP 3160514B2 JP 33109395 A JP33109395 A JP 33109395A JP 33109395 A JP33109395 A JP 33109395A JP 3160514 B2 JP3160514 B2 JP 3160514B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ステンレス鋼の溶
接金属の検査に適用される溶接金属の超音波探傷検査性
改善方法に関する。
接金属の検査に適用される溶接金属の超音波探傷検査性
改善方法に関する。
【0002】
【従来の技術】通常、SUS304,SUS316等ス
テンレス鋼の溶接金属は、図7溶接金属のミクロ組織
(×50)写真に示すように、母材の結晶に比べて大き
い柱状晶が底面から上方へ成長し、多層溶接してもエピ
タキシー成長にて柱状晶が成長するので、超音波探傷検
査の際に超音波が柱状晶で屈折し、ノイズを生じたり透
過性を損なう。従って溶接欠陥などがあっても、柱状晶
に起因するノイズ発生や透過性の低下のため、超音波探
傷検査性が低下する。
テンレス鋼の溶接金属は、図7溶接金属のミクロ組織
(×50)写真に示すように、母材の結晶に比べて大き
い柱状晶が底面から上方へ成長し、多層溶接してもエピ
タキシー成長にて柱状晶が成長するので、超音波探傷検
査の際に超音波が柱状晶で屈折し、ノイズを生じたり透
過性を損なう。従って溶接欠陥などがあっても、柱状晶
に起因するノイズ発生や透過性の低下のため、超音波探
傷検査性が低下する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情に鑑みて提案されたもので、ステンレス鋼の溶接金
属の柱状晶を消失させ、それにより超音波探傷検査性を
母材と同等に向上させる溶接金属の超音波探傷検査性改
善方法を提供することを目的とする。
事情に鑑みて提案されたもので、ステンレス鋼の溶接金
属の柱状晶を消失させ、それにより超音波探傷検査性を
母材と同等に向上させる溶接金属の超音波探傷検査性改
善方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】そのために本発明は、ス
テンレス鋼の溶接金属に、溶接中各層ごとにチッピング
ハンマーを開先内に挿入してピーニングを行ない塑性歪
を加えたうえで、全層 の溶接終了後に約800〜125
0℃に1〜30分加熱する溶体化処理を施こし、結晶を
微細化することを特徴とする。
テンレス鋼の溶接金属に、溶接中各層ごとにチッピング
ハンマーを開先内に挿入してピーニングを行ない塑性歪
を加えたうえで、全層 の溶接終了後に約800〜125
0℃に1〜30分加熱する溶体化処理を施こし、結晶を
微細化することを特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明溶接金属の超音波探傷検査
性改善方法の実施形態を図1工程説明図について説明す
ると、まず、ステンレス鋼1の開先2の中を各層ティグ
溶接した後、溶接金属3をピーニングする。ピーニング
は、先端半径を1.5 〜3.0 mmRにしたチッピングハン
マー4を開先2内に挿入し、空気圧で1分間に数100
0回たたいて、塑性歪を与える。次いで全層溶接後、再
結晶温度で1分以上加熱し、溶接金属3を再結晶させ
る。この加熱温度は、再結晶が始まる最低温度約800
℃から粗粒を生じ始める約1250℃の間が望ましい。
このとき溶接金属3を再結晶させるためには、温度が低
い場合には加熱時間を長くし、高い場合には短くする必
要があり、その加熱時間は、1分以上から効果がある。
ただし長くなると1100℃以上の高温では結晶が動き
易く微細化したものが集まって粗粒化するので、板の厚
さに応じて30分までが望ましい。
性改善方法の実施形態を図1工程説明図について説明す
ると、まず、ステンレス鋼1の開先2の中を各層ティグ
溶接した後、溶接金属3をピーニングする。ピーニング
は、先端半径を1.5 〜3.0 mmRにしたチッピングハン
マー4を開先2内に挿入し、空気圧で1分間に数100
0回たたいて、塑性歪を与える。次いで全層溶接後、再
結晶温度で1分以上加熱し、溶接金属3を再結晶させ
る。この加熱温度は、再結晶が始まる最低温度約800
℃から粗粒を生じ始める約1250℃の間が望ましい。
このとき溶接金属3を再結晶させるためには、温度が低
い場合には加熱時間を長くし、高い場合には短くする必
要があり、その加熱時間は、1分以上から効果がある。
ただし長くなると1100℃以上の高温では結晶が動き
易く微細化したものが集まって粗粒化するので、板の厚
さに応じて30分までが望ましい。
【0006】
【実施例】次に図2〜図4溶接金属のミクロ組織(×5
0)写真及び図5,図6溶接部の硬さ分布図について、
実施例を説明すると、図2は、1.5 Rハンマーで150
0回/分のピーニング後に、1100℃×1分の溶体化
処理を行ったものの溶接金属のミクロ組織を示し、微細
組織が得られている。また図3は、同様なピーニング
後、1100℃×5分の溶体化処理を行ったものの溶接
金属のミクロ組織を示し、微細組織が得られている。更
に図4は、同様なピーニング後、1100℃×10分の
溶体化処理を行ったものの溶接金属のミクロ組織を示
し、微細組織が得られている。
0)写真及び図5,図6溶接部の硬さ分布図について、
実施例を説明すると、図2は、1.5 Rハンマーで150
0回/分のピーニング後に、1100℃×1分の溶体化
処理を行ったものの溶接金属のミクロ組織を示し、微細
組織が得られている。また図3は、同様なピーニング
後、1100℃×5分の溶体化処理を行ったものの溶接
金属のミクロ組織を示し、微細組織が得られている。更
に図4は、同様なピーニング後、1100℃×10分の
溶体化処理を行ったものの溶接金属のミクロ組織を示
し、微細組織が得られている。
【0007】しかして一般に溶接金属はピーニングによ
って硬くなるが、溶体化処理でまた軟化することを図
5,図6について説明すると、図5は、ピーニングのま
まの硬さ分布であり、溶接金属はピーニングなしでは硬
さ150〜170Hvであるが、ピーニングを行うこと
で200〜270Hvに硬化する。ところが、図6に示
すように、ピーニング後1100℃×1分の溶体化処理
したものは、硬さは初期レベルにでき問題はない。なお
1100℃×5分,1100℃×10分の溶体化処理を
行ったものも同様である。
って硬くなるが、溶体化処理でまた軟化することを図
5,図6について説明すると、図5は、ピーニングのま
まの硬さ分布であり、溶接金属はピーニングなしでは硬
さ150〜170Hvであるが、ピーニングを行うこと
で200〜270Hvに硬化する。ところが、図6に示
すように、ピーニング後1100℃×1分の溶体化処理
したものは、硬さは初期レベルにでき問題はない。なお
1100℃×5分,1100℃×10分の溶体化処理を
行ったものも同様である。
【0008】かくして、このような溶接金属の処理方法
によれば、ステンレス鋼の溶接金属は母材と同レベルの
微細な組織に再結晶でき、柱状晶が消失して、従来のス
テンレス鋼の溶接金属で悪化していた超音波探傷検査性
を母材並みに改善することができる。
によれば、ステンレス鋼の溶接金属は母材と同レベルの
微細な組織に再結晶でき、柱状晶が消失して、従来のス
テンレス鋼の溶接金属で悪化していた超音波探傷検査性
を母材並みに改善することができる。
【0009】
【発明の効果】要するに本発明によれば、ステンレス鋼
の溶接金属に、溶接中各層ごとにチッピングハンマーを
開先内に挿入してピーニングを行ない塑性歪を加えたう
えで、全層の溶接終了後に約800〜1250℃に1〜
30分加熱する溶体化処理を施こし、結晶を微細化する
ことにより、ステンレス鋼の溶接金属の柱状晶を消失さ
せ、それにより超音波探傷検査性を母材と同等に向上さ
せる溶接金属の超音波探傷検査性改善方法を得るから、
本発明は産業上極めて有益なものである。
の溶接金属に、溶接中各層ごとにチッピングハンマーを
開先内に挿入してピーニングを行ない塑性歪を加えたう
えで、全層の溶接終了後に約800〜1250℃に1〜
30分加熱する溶体化処理を施こし、結晶を微細化する
ことにより、ステンレス鋼の溶接金属の柱状晶を消失さ
せ、それにより超音波探傷検査性を母材と同等に向上さ
せる溶接金属の超音波探傷検査性改善方法を得るから、
本発明は産業上極めて有益なものである。
【図1】本発明溶接金属の超音波探傷検査性改善方法の
実施形態の工程説明図である。
実施形態の工程説明図である。
【図2】本発明方法の実施例における溶接金属のミクロ
組織(×50)写真である。
組織(×50)写真である。
【図3】他の実施例における溶接金属のミクロ組織(×
50)写真である。
50)写真である。
【図4】更に他の実施例における溶接金属のミクロ組織
(×50)写真である。
(×50)写真である。
【図5】本発明の実施例におけるピーニングのままの溶
接部の硬さ分布図である。
接部の硬さ分布図である。
【図6】同上における溶体化処理後の溶接部の硬さ分布
図である。
図である。
【図7】従来の溶接金属のミクロ組織(×50)写真で
ある。
ある。
【符号の説明】
1 ステンレス鋼
2 開先
3 溶接金属
4 チッピングハンマー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // G01N 29/04 G01N 29/04 (72)発明者 中森 信夫 神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番1号 三菱重工業株式会社 神戸造船所内 (56)参考文献 特開 昭61−207514(JP,A) 特開 昭62−45439(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21D 9/00 - 9/44 C21D 9/50 C21D 7/06 B23K 9/23 B23K 31/00 B23P 9/04 G01N 29/04
Claims (1)
- 【請求項1】 ステンレス鋼の溶接金属に、溶接中各層
ごとにチッピングハンマーを開先内に挿入してピーニン
グを行ない塑性歪を加えたうえで、全層の溶接終了後に
約800〜1250℃に1〜30分加熱する溶体化処理
を施こし、結晶を微細化することを特徴とする溶接金属
の超音波探傷検査性改善方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33109395A JP3160514B2 (ja) | 1995-11-27 | 1995-11-27 | 溶接金属の超音波探傷検査性改善方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33109395A JP3160514B2 (ja) | 1995-11-27 | 1995-11-27 | 溶接金属の超音波探傷検査性改善方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09143573A JPH09143573A (ja) | 1997-06-03 |
JP3160514B2 true JP3160514B2 (ja) | 2001-04-25 |
Family
ID=18239782
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33109395A Expired - Fee Related JP3160514B2 (ja) | 1995-11-27 | 1995-11-27 | 溶接金属の超音波探傷検査性改善方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3160514B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR200480088Y1 (ko) * | 2015-05-29 | 2016-04-11 | 박춘배 | 농작물 지지구 |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
NO324010B1 (no) * | 2005-04-19 | 2007-07-30 | Aibel As | Fremgangsmåte for å oppnå forhøyet utmattingsstyrke i sveisede metallforbindelser og hammerhode til bruk ved kaldbearbeidelse |
CN103273256B (zh) * | 2013-05-06 | 2015-11-11 | 赵显华 | 一种金属表面超声毛化处理方法 |
CN106808063B (zh) * | 2017-02-22 | 2018-04-03 | 重庆理工大学 | 一种基于电弧声发射信号传感监测电弧弧长的方法 |
CN106881516B (zh) * | 2017-02-22 | 2018-05-01 | 重庆理工大学 | 一种利用电弧电压信号监测电弧弧长的方法 |
CN106695072B (zh) * | 2017-02-22 | 2018-03-13 | 重庆理工大学 | 一种基于电弧声波信号传感监测电弧弧长的方法 |
-
1995
- 1995-11-27 JP JP33109395A patent/JP3160514B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR200480088Y1 (ko) * | 2015-05-29 | 2016-04-11 | 박춘배 | 농작물 지지구 |
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---|---|
JPH09143573A (ja) | 1997-06-03 |
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