JP3159725B2 - 二次電池用電極 - Google Patents

二次電池用電極

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光孝 宮林
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    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高容量で充放電特性に優
れた二次電池電極に関する。さらに詳しくは、可撓性が
あり、渦巻状電極として円筒形二次電池を構成し、又は
薄型のシート状電極としてシート形二次電池を構成する
ことのできる二次電池用電極に関する。とくに活物質が
リチウムないしリチウムを主体とするアルカリ金属であ
るリチウム二次電池用電極に関する。
【0002】さらに本発明は、固体電解質を用いた全固
体電池を構成しうる二次電池用電極に関する。
【0003】
【従来の技術】リチウム二次電池用電極として、ポリア
セチレンなどの導電性高分子を用いることが提案されて
いる。しかし、導電性高分子はLiイオンを多量にドー
プすることができず、電極容量が小さく、安定な充放電
特性に欠けている。
【0004】また、リチウム金属をリチウム二次電池の
負極電極に用いることも試みられているが、この場合に
は充放電サイクル特性が極めて悪い。すなわち、電池の
放電時には負極体からリチウムがLiイオンとなって電
解液中に移動し、充電時にはこのLiイオンが金属リチ
ウムとなって再び負極体に電折するが、この充放電サイ
クルを反復させると、それに伴って電折する金属リチウ
ムはデンドライト状となる。このデンドライト状の金属
リチウムは極めて活性な物質であるため、電解液を分解
し、その結果、電池の充放電サイクル特性が劣化すると
いう不都合が生ずる。さらにこれが成長していくと、最
後には、このデンドライト状の金属リチウム電折物がセ
パレーターを貫通して正極体に達し、短絡現象を起こす
という問題を生ずる。換言すれば、充放電サイクル寿命
が短い。
【0005】このような問題を回避するために、負極電
極として有機化合物を焼成した炭素質物を担持体とし、
これにアルカリ金属、特にリチウムを活物質として担持
せしめて構成することが試みられている。このような負
極体を用いることにより、負極の充放電サイクル特性は
飛躍的に改良された。しかし一方では、この炭素質物を
用いた電極成形体は可撓性に乏しく、シート状や渦巻状
の電極としては、満足できるものは得られなかった。
【0006】また、このような炭素質物を用い、ポリエ
チレンなどの絶縁物をバインダーとして多量に用いた電
極は、可撓性に優れてはいるものの、電気抵抗が極端に
大きくなり、電極容量及び出力を十分に得ることができ
ない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる技術
的背景の下に、電極容量が大きく、電気抵抗が小さく、
出力が大きく、充放電サイクル寿命に優れ、かつ可撓性
を有し、任意の形状に賦形できるリチウム二次電池用負
極電極を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の問題
を解決すべく、負極電極に関して鋭意研究を重ねた結
果、後述の炭素質物と、リチウムないしリチウムを主体
とするアルカリ金属のイオン伝導性を有する高分子組成
物との混合物からなる電極は、上述の目的達成のために
極めて有効であることを見出して、本発明に到達した。
【0009】すなわち本発明は、(A)水素/炭素の原
子比が0.15未満で、X線広角回析法による(00
2)面の面間隔d002 が3.37Å以上の炭素質物;及
び(B)主として高分子マトリックスとリチウムイオン
化合物とからなるイオン伝導性固体電解質であって、該
高分子マトリックスが、平均重合度が3以上のポリグリ
セリンを主鎖とし、オキシアルキレン単位の数が5以上
のポリエーテル鎖を有する三次元架橋体;の混合物から
なる二次電池用電極に関する。
【0010】本発明において、電極体を構成する炭素質
物は、(イ)水素/炭素の原子比(H/C)が0.15
未満であり;かつ、(ロ)X線広角回析法により(00
2)面の面間隔(d002)が3.37Å以上;という特性
を有する。この炭素質物には、他の原子、たとえば窒
素、酸素、ハロゲン等の原子が好ましくは7モル%以
下、さらに好ましくは4モル%以下、とくに好ましくは
2モル%以下の割合で存在していてもよい。
【0011】H/Cは好ましくは0.13未満、さらに
好ましくは0.10未満、特に好ましくは0.01〜
0.10である。
【0012】(002)面の面間隔(d002)は好ましく
は3.39〜3.75Å、さらに好ましくは3.41〜
3.70Å、とくに好ましくは3.45〜3.70Åで
ある。
【0013】これらのパラメータ、すなわちH/C及び
002 いずれかが上記の範囲から逸脱している場合は、
電極体における充放電時の過電圧が大きくなり、その結
果、電極体からガスが発生して電池の安全性が著しく損
なわれるばかりでなく、充放電サイクル特性も低下す
る。
【0014】さらに、本発明にかかる電極体に用いる炭
素質物は、次に述べる特性を有することが好ましい。
【0015】すなわち、c軸方向の結晶子の大きさ(L
c)は好ましくは220Å以下、より好ましくは5〜1
50Å、更に好ましくは10〜80Å、とくに好ましく
は12〜70Åである。
【0016】さらに、この炭素質物は、好ましくは体積
平均粒径が200μm以下、より好ましくは0.5〜1
00μm 、さらに好ましくは1〜80μm 、特に好まし
くは5〜50μm 、最も好ましくは10〜30μm の粒
子である。
【0017】また、本発明に用いる炭素質物は、比表面
積(BET法)が好ましくは1〜200m2/g 以上、よ
り好ましくは2〜100m2/g 、さらに好ましくは3〜
50m2/g 、とくに好ましくは4〜30m2/g である。
【0018】さらに、本発明に用いる炭素質物は、内部
に細孔を有し、その細孔容積が1.5×10-3ml/g 以
上であることが好ましい。より好ましくは全細孔容積が
2.0×10-3ml/g 以上、さらに好ましくは3.0×
10-3〜8×10-2ml/g 、とくに好ましくは4.0×
10-3〜3×10-2ml/g である。
【0019】全細孔容積及び後述の平均細孔半径は、定
容法を用いて、いくつかの平衡圧力下で試料への吸着ガ
ス量又は脱離ガス量を測定し、試料に吸着しているガス
量より求める。
【0020】全細孔容積は、細孔が液体窒素により充填
されていると仮定して、相対圧力P/P0 =0.995
で吸着したガスの全量から求める。ここで、 P :吸着ガスの蒸気圧(mmHg) P0 :冷却温度での吸着ガスの飽和蒸気圧(mmHg)
【0021】さらに吸着した窒素ガス量(Vads)より、
下記(1)式を用いて細孔中に充填されている液体窒素
量(Vliq)に換算して、全細孔容積を求める。 Vliq =Patmadsm /RT (1)
【0022】ここで、Patm とTはそれぞれ大気圧力(k
gf/cm2)と温度 (絶対温度) であり、Rは気体常数であ
る。Vm は吸着したガスの分子容積(窒素では34.7
cm3/mol)である。
【0023】また、窒素ガスの吸着から求めた該炭素質
物の平均細孔半径(γp)は8〜100Åであることが好
ましい。より好ましくは10〜80Å、さらに好ましく
は12〜60Å、とくに好ましくは14〜40Åであ
る。
【0024】平均細孔半径(γp)は、上述の(1)式よ
り求めたVliq と、BET比表面積Sから、下記(2)
式を用いて計算することで求める。 γp =2Vliq /S (2) ここで細孔は円筒状であると仮定する。
【0025】また、本発明に用いる炭素質物は、水銀ポ
ロシメーターによる細孔容積が、好ましくは0.05ml
/g 以上、より好ましくは0.10ml/g 以上、さらに
好ましくは0.15〜2.0ml/g 、とくに好ましくは
0.20〜1.5ml/g である。
【0026】さらに、本発明に用いる炭素質材料は、真
密度が好ましくは1.70g /ml以上、より好ましくは
1.73〜2.25g /ml、さらに好ましくは1.75
〜2.15g /ml、とくに好ましくは1.78〜2.1
0g /mlである。
【0027】本発明に用いる炭素質材料は、波長5,1
45Åのアルゴンイオンレーザー光を用いたラマンスベ
クトル分析において、下記のようなスペクトルの特徴を
有することが好ましい。
【0028】すなわち、1,585〜1,620cm-1
範囲にピークを有する。このピークは、芳香環網面の広
がりが積層して成長、形成される結晶構造によるもので
ある。完全な結晶構造を有する黒鉛では、該ピークは
1,580cm-1に位置している。結晶構造が黒鉛に近い
ほど、ピークの位置は1,580cm-1に近い。
【0029】それに対して、本発明に用いる炭素質材料
のスペクトルは、上述のように、好ましくは1,585
〜1,620cm-1の範囲にピーク(PA )を有する。ピ
ークの位置は1,590〜1,620cm-1がより好まし
く、1,595〜1,615cm-1がさらに好ましく、
1,600〜1,610cm-1がとくに好ましい。
【0030】一方、本発明に用いる炭素質材料は、上記
と同じ条件でラマンスペクトル分析を行ったとき、1,
350〜1,370cm-1の範囲にピーク(PB)を有する
ことが好ましい。この領域に生ずるピークは、前述の芳
香環網面の広がりの積層による結晶構造に対して、乱れ
た非晶構造に対応したピークであり、通常は1,360
cm-1に位置する。
【0031】そして、本発明に用いる炭素質材料は、前
述のピークPA の強度IA と、ピークPB の強度IB
比R(すなわち、R=1B /IA)が0.5〜1.5であ
ることが好ましく、0.75〜1.3がより好ましい。
【0032】このような炭素質物は、たとえば有機化合
物を通常の不活性ガス流下に、300〜3,000℃、
好ましくは500〜2,000℃の温度で加熱・分解
し、炭素化させて得ることができる。
【0033】出発源となる有機化合物としては、具体的
には、ナフタレン、フェナントレン、アントラセン、ト
リフェニレン、ピレン、クリセン、ナフタセン、ピセ
ン、ピリレン、ペンタフェン、ペンタセンのような3員
環以上の単環炭化水素化合物が互いに2個以上縮合して
なる縮合環式炭化水素化合物;又は上記化合物のカルボ
ン酸、カルボン酸無水物、カルボン酸イミドのような誘
導体;及びインドール、イソインドール、キノリン、イ
ソキノリン、キノキサリン、フタラジン、カルバゾー
ル、アクリジン、フェナジン、フェナントリジンのよう
な3員環以上の複素単環化合物が互いに少なくとも2個
以上結合するか、または1個以上の3員環以上の単環炭
化水素化合物と結合してなる縮合複素環化合物;上記各
化合物のカルボン酸、カルボン酸無水物、カルボン酸イ
ミドのような誘導体;さらにベンゼンもしくはそのカル
ボン酸、カルボン酸無水物、カルボン酸イミドのような
誘導体、例えば1,2,4,5−テトラカルボン酸、そ
の二無水物又はそのジイミドなどの誘導体を挙げること
ができる。
【0034】また、主としてこれらの化合物の混合物か
らなる各種のピッチ、たとえば原油ピッチ、エチレンヘ
ビーエンドピッチ、アスファルト分解ピッチ、コールタ
ールピッチなども、同様に用いることができる。
【0035】また、ベンゼン、トルエン、キシレンなど
の単環式芳香族炭化水素;これらのカルボン酸、カルボ
ン酸イミドのような誘導体;プロパンのような脂肪族飽
和炭化水素;ブタジエンのような脂肪族不飽和炭化水素
も、原料として用いることができる。
【0036】さらに、セルロース;フェノール樹脂;ポ
リアクリルニトリル、ポリ(α−ハロゲン化アクリルニ
トリル)などのアクリル系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ
塩化ビニリデン、塩素化ポリ塩化ビニルなどのハロゲン
化ビニル樹脂;ポリアミドイミド樹脂;ポリアミド樹
脂;ポリアセチレン、ポリ(p−フェニレン)などの共
役系樹脂のような任意の有機高分子化合物も用いられ
る。
【0037】これらに加えて、出発源としてカーボンブ
ラック、コークス等の炭素質物をそのまま、あるいはこ
れをさらに加熱して炭素化を適当に進めて、本発明に用
いる炭素質材料とすることもできる。
【0038】本発明で用いられる、リチウムイオンない
しリチウムを主体とするアルカリ金属イオンの伝導性を
有するイオン伝導性固体電解質は、主として高分子マト
リックス及びリチウムイオン性化合物からなる。
【0039】高分子マトリックスは、ポリグリセリンを
主鎖とし、ポリエーテル鎖を側鎖として有するグラフト
共重合体を架橋させて得られた三次元架橋体である。
【0040】ポリグリセリンは、平均重合度、すなわち
平均繰返し単位数が3以上、好ましくは5以上である。
平均重合度が3未満では、得られる高分子マトリックス
のイオン伝導率が低く(たとえばグリセリンのエチレン
オキシド付加物で10-5S /cm)、10程度を越えると
工業的に入手しにくい。
【0041】このようなポリグリセリンは、グリセリン
をアルカリ触媒により脱水縮合する方法、エピクロロヒ
ドリンを水酸化ナトリウムにより縮合する方法、又はグ
リシドールを通常の付加重合触媒、たとえば水酸化ナト
リウムを用いて付加重合する方法によって、容易に得る
ことができる。
【0042】上記のポリグリセリンの水酸基にアルキレ
ンオキシド等を付加させて、ポリエーテル鎖を導入す
る。ポリエーテル鎖のオキシアルキレン(後述の置換オ
キシアルキレンであってもよい。以下同様)の繰返し単
位の数は5以上であり、好ましくは5〜2,000、さ
らに好ましくは10〜1,000である。5未満では得
られる高分子マトリックスのイオン伝導性が低く、また
架橋して得られたフィルムの可撓性が不十分である。
【0043】ポリエーテル鎖を構成するオキシアルキレ
ンの繰返し単位としては、高分子マトリックスに高いイ
オン伝導性を与えることから、オキシエチレン単位が好
ましい。この場合、オキシエチレン単位の数はポリエー
テル鎖あたり5〜2,000である。5未満では得られ
る高分子マトリックスのイオン伝導度が低く、2,00
0を越えるとオキシアルキレン付加物の粘度が高くなっ
て工業的に取扱いにくい。
【0044】このようなポリエーテル鎖は、オキシエチ
レン単位のほかに、ポリエーテル鎖付加ポリグリセリン
の低温における結晶化を防ぐために、式(I)のオキシ
アルキレン単位を導入してなる共重合ポリエーテル鎖で
あることが好ましい。
【0045】
【化2】
【0046】(式中、Rはアルキル基、アルケニル基、
ハロゲン化アルキル基又はアルコキシアルキル基を表
す。)
【0047】このような式(I)のオキシアルキレン単
位は、側鎖Rが、メチル、エチル、プロピルのようなア
ルキル基;ビニルのようなアルケニル基;クロロメチル
のようなハロゲン化アルキル基;ならびにメトキシメチ
ルのようなアルコキシアルキル基から選ばれ、1種でも
2種以上でも差支えない。このようなオキシアルキレン
単位としては、オキシプロピレン単位、オキシブチレン
単位、オキシ(クロロメチル)エチレン単位、オキシ
(メトキシメチル)エチレン単位が例示され、オキシエ
チレン単位と組み合わせて優れたイオン電導性が得られ
ることから、オキシプロピレン単位が好ましい。また、
このようなオキシアルキレン単位の数は、ポリエーテル
鎖あたり好ましくは1〜1,000、さらに好ましくは
1〜500である。この数が1,000を越すと、高温
における高分子マトリックスのイオン伝導率が低下す
る。
【0048】このような共重合ポリエーテル鎖は、オキ
シエチレン単位と式(I)のオキシアルキレン単位と
が、ランダム共重合体鎖又は交互共重合体鎖を形成して
なるものであることが好ましい。ブロック共重合体鎖の
ように、前述の後者の単位が集合してセグメントを形成
してなるポリエーテル鎖からは、イオン伝導率の高い高
分子マトリックスが得られない。
【0049】ポリグリセリンにこのようなポリエーテル
鎖を導入するには、ポリエーテル鎖を形成するオキシア
ルキレン単位に対応するアルキレンオキシドないしその
誘導体を、ポリグリセリン中に送入して反応させること
によって可能である。反応は、アルカリ触媒の存在下
に、たとえば温度50〜200℃、加圧下のような、通
常のアルキレンオキシド付加反応の条件によって進行さ
せることができる。アルキレンオキシドないしその誘導
体としては、エチレンオキシドのほか、式(II)で示さ
れる化合物、すなわちプロピレンオキシド、ブチレンオ
キシド、ペンテンオキシドのようなアルキレンオキシ
ド;及びビニルエチレンオキシド、エピクロロヒドリ
ン、メチルグリシジルエーテルのようなアルキレンオキ
シド誘導体が例示され、前述の理由により、エチレンオ
キシド単独、ならびにエチレンオキシドと式(II)のア
ルキレンオキシドとの混合物が好ましく、エチレンオキ
シド単独又はエチレンオキシドとプロピレンオキシドと
の混合物がとくに好ましい。
【0050】
【化3】
【0051】(式中、Rは式(I)で定義されたものと
同じである。)
【0052】高分子マトリックスに組み合わせるリチウ
ムイオン化合物はとくに限定されるものではないが、L
iClO4 、LiBF4 、LiAsF6 、LiPF6
どを用いることができる。リチウムイオン化合物の濃度
は、高分子マトリックス中に存在するエーテル酸素原子
/リチウムのモル比が5〜100の範囲になるのが好ま
しい。このモル比が5未満、又は100を越えると、イ
オン伝導率が低くなる。
【0053】このようなイオン性化合物は、架橋前の高
分子マトリックス、すなわちポリエーテル鎖含有ポリグ
リセリンに、直接又は適当な溶媒に溶解して添加する。
溶媒としては、アセトン、アセトニトリル及び後述の可
塑剤などを用いることができる。また、イオン性化合物
を、後述の架橋剤と同時に添加しても差支えない。
【0054】イオン性化合物を添加したポリエーテル鎖
含有ポリグリセリンを、化学的方法で架橋して、イオン
伝導性固体電解質とする。架橋剤としては、m−フェニ
レンジイソシアナート、2,4−トリレンジイソシアナ
ート、2,6−トリレンジイソシアナート、4,4´−
ジイソシアナト−3,3´−ジメチル−1,1´−ビフ
ェニル、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアナー
ト、p−シクロヘキシレンジイソシアナート、イソホロ
ンジイソシアナート、4,4´−ジシクロヘキシルメタ
ンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナー
ト、p−キシリレンジイソシアナート、テトラメチル−
m−キシリレンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイ
ソシアナート、及びこれらの縮合体、ならびにこれらの
混合物のような、2個又はそれ以上のイソシアナト基を
もつイソシアネート化合物が用いられる。
【0055】また別の種類の架橋剤として、アルミニウ
ム、ケイ素、チタン、カドミウム、マグネシウム又はス
ズを含み、2個又はそれ以上の加水分解性基を含む有機
金属化合物が用いられる。このような有機金属化合物と
しては、トリエチルアルミニウム、トリブチルアルミニ
ウム、ジエチルアルミニウムエトキシド;エチルアルミ
ニウムジエトキシド、アルミニウムプロポキシド、アル
ミニウムイソプロポキシド、アルミニウムブトキシドの
ようなアルミニウム化合物;テトラメトキシシラン、テ
トラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラ
(メトキシエトキシ)シランのようなケイ素化合物;イ
ソプロピルチタネート、ブチルチタネートのようなチタ
ン化合物;ならびにこれらの縮合体が例示される。
【0056】さらに、本発明に用いられるイオン伝導性
固体電解質に、可塑剤として、活性水素原子を含まない
高誘電率有機溶媒などを添加してもよい。このような可
塑剤としては、γ−ブチロラクトン、プロピレンカーボ
ネート、ポリエチレングリコールジメチルエーテルなど
が例示される。
【0057】本発明の二次電池用電極成形体は、前述の
炭素質物と、前述のイオン伝導性固体電解質との混合物
からなる。混合物中、炭素質物の割合は好ましくは70
重量%以上、より好ましくは80重量%以上、さらに好
ましくは90重量%以上、とくに好ましくは95%以上
である。混合物中のイオン伝導性固体電解質の割合は、
好ましくは30重量%以下、より好ましくは20重量%
以下、さらに好ましくは10重量%以下、とくに好まし
くは5重量%以下である。
【0058】本発明の二次電池用電極成形体は、次のよ
うにして作成される。すなわち、前述の炭素質物、イオ
ン伝導性固体電解質の主剤である前述のポリエーテル鎖
含有ポリグリセリン、リチウムイオン性化合物及び架橋
剤を混合し、さらにトルエン、キシレンのような揮発性
有機溶剤を加えて、十分に混練する。これに、場合によ
ってはプロピレンカーボネート、1,3−ジオキソラ
ン、1,2−ジメトキシエタンなどの非プロトン性有機
溶剤を共存させてもよい。
【0059】このようにして得られた混合物を、すみや
かに集電体シートの上に流延し、高分子マトリックスを
硬化させ、減圧乾燥して、シート状の電極を得る。ここ
に用いられる集電体シートの材質は、とくに限定される
ものではないが、集電体としての特性のほかに、上記の
混合物となじみやすい性質のものが好ましい。このよう
な材質としては、金、銀、銅、ニッケルなどの金属箔
や、SUSなどの合金箔が例示される。また、導電性炭
素粉を固着した高分子フィルムを用いることもできる。
【0060】また、上述の混合物を集電体シートの吹き
付け、塗布などの方法によって、同様な電極とすること
ができる。
【0061】あるいは、集電体シートの代わりに適当な
シート又は基板を用いて、前述の高分子マトリックスを
硬化させ、減圧乾燥した後に、該シート又は基板から剥
離させて、シート状の電極成形体を作成することができ
る。
【0062】この電極成形体は、これに活物質であるリ
チウム又はリチウムを主体とするアルカリ金属を、電池
の組立てに先立って、または組立ての際に担持させるこ
とができる。
【0063】活物質を担持させる方法としては、化学的
方法、電気化学的方法、物理的方法などがある。たとえ
ばリチウムを含浸させる場合、所定の濃度のLiイオン
を含む電解液中に電極成形体を浸漬し、対極としてリチ
ウムを用いて、この電極成形体を陽極にしてリチウムを
電解含浸させる方法、リチウムと電極成形体を電気的に
接触させる方法などがある。後者の場合、リチウムイオ
ン伝導性高分子組成物を介して、リチウムと電極成形体
中の炭素質物とを接触させることが好ましい。
【0064】このようにしてあらかじめ電極成形体に担
持させるリチウムの量は、担持体1重量部あたり、好ま
しくは0.030〜0.250重量部、より好ましくは
0.060〜0.200重量部、さらに好ましくは0.
070〜0.150重量部、とくに好ましくは0.07
5〜0.120重量部、最も好ましくは0.080〜
0.100重量部である。
【0065】本発明の二次電池用電極は、通常負極とし
て用いられ、セパレーターを介して正極と対峙される。
【0066】正極体の材料は、とくに限定されないが、
例えば、Liイオン等のアルカリ金属カチオンを充放電
反応に伴って放出もしくは獲得する金属カルコゲン化合
物からなることが好ましい。そのような金属カルコゲン
化合物としてはバナジウムの酸化物、バナジウムの硫化
物、モリブデンの酸化物、モリブデンの硫化物、マンガ
ンの酸化物、クロムの酸化物、チタンの酸化物、チタン
の硫化物及びこれらの複合酸化物、複合硫化物等が挙げ
られる。好ましくはCr38 、V25 、V613
VO2 、Cr25 、MnO2 、TiO2 、MoV2
8 、TiS2、V25 、MoS2 、MoS3 、VS
2 、Cr0.250.752 、Cr0.50.52 等であ
る。また、LiCoO2 、WO3 等の酸化物、CuS,
Fe0.250. 752 、Na0.1 CrS2 等の硫化物、N
iPS3 、FePS3 等のリン、イオウ化合物、VSe
2 、NbSe3 等のセレン化合物などを用いることもで
きる。
【0067】また、ポリアニリン、ポリピロールなどの
導電性ポリマーを用いることができる。
【0068】電解液を保持するセパレーターは、保液性
に優れた材料、例えば、ポリオレフィン系樹脂の不織布
よりなる。そして、このセパレーターには、プロピレン
カーボネート、1,3−ジオキソラン、1,2−ジメト
キシエタン等の非プロトン性有機溶剤に、LiClO
4 、LiBF4 、LiAsF6 、LiPF6 等の電解質
を溶解させた所定濃度の非水電解液を含浸させる。
【0069】また、Liイオン等のアルカリ金属カチオ
ンの電導体である固体電解質を、正極体と負極体との間
に介在させることもできる。
【0070】
【作用】このようにして構成された二次電池では、負極
電極においては充電時に担持体に活物質イオンが担持さ
れ、放電時には担持体中の活物質イオンが放出されるこ
とによって、充放電の電極反応が進行する。
【0071】一方、正極において、金属カルコゲン化合
物では、充電時に正極体の活物質イオンが放出され、放
電時に活物質が担持されて、充放電の電極反応が進行す
る。
【0072】また、正極にポリアニリンなどの導電性ポ
リマーを用いた場合には、充電時に活物質イオンの対イ
オンが正極体に担持され、放電時に活物質イオンの対イ
オンが正極体から放出されることで、電極反応が進行す
る。
【0073】このような、正極体、負極体の電極反応の
組み合わせで、電池としての充放電に伴なう電池反応が
進行する。
【0074】
【発明の効果】本発明の二次電池用電極は、シート状電
極の形状に賦形でき、そのシートは柔軟性と曲げ強さが
きわめて優れていることから、これを渦巻状にして円筒
形二次電池へ適用することができ、また薄形のシート状
電池、角形の電池の電極などとして適用することもでき
る。したがって本発明は、容量、出力が大きく、充放電
サイクル寿命に優れた二次電池を可能とする電極を提供
するものである。
【0075】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例によって説
明する。なお、本発明はこの実施例に限定されるもので
はない。
【0076】本発明において、元素分析及びX線広角回
折の測定には、下記の方法を用いた。
【0077】「元素分析」 サンプルを120℃で約15時間減圧乾燥し、その後ド
ライボックス内のホットプレート上で100℃において
1時間乾燥した。ついで、アルゴン雰囲気中でアルミニ
ウムカップにサンプリングし、燃焼により発生するCO
2 ガスの重量から炭素含有量を、また、発生するH2
の重量から水素含有量を求めた。なお、後述する本発明
の実施例では、パーキンエルマー240C型元素分析計
を使用して測定した。
【0078】「X線広角回析」 (1)(002)面の面間隔(d002) 炭素質材料が粉末の場合はそのまま、微小片状の場合に
はメノウ乳鉢で粉末化し、試料に対して約15重量%の
X線標準用高純度シリコン粉末を内部標準物質として加
えて混合し、試料セルにつめ、グラファイトモノクロメ
ーターで単色化したCuKα線を線源とし、反射式ディ
フラクトメーター法によって広角X線回折曲線を測定し
た。曲線の補正には、いわゆるローレンツ、偏向因子、
吸収因子、原子散乱因子等に関する補正は行なわず、次
の簡便法を用いた。すなわち(002)回折に相当する
曲線のベースラインを引き、ベースラインからの実質強
度をプロットし直して(002)面の補正曲線を得た。
この曲線のピーク高さの3分の2の高さに引いた角度軸
に平行な線が回折曲線と交わる線分の中点を求め、中点
の角度を内部標準で補正し、これを回折角の2倍とし、
CuKα線の波長λから次式のブラッグ式によってd
002 を求めた。 d002 =λ/2sinθ [Å] ただし λ:1.5418Å θ:d002110 に相当する回折角
【0079】(2)c軸方向の結晶子の大きさ(Lc) 前項で得た補正回折曲線において、ピーク高さの半分の
位置におけるいわゆる半値幅βを用いて、c軸方向の結
晶子の大きさを次式より求めた。 Lc=K・λ/(β・cosθ) [Å]
【0080】形状因子Kには0.90を用いた。λ及び
θについては前項と同じ意味である。
【0081】実施例1 (1)炭素質物の合成 ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水
物を、窒素気流中に600℃/h の昇温速度で400℃
まで昇温し、その温度に30分保持した。室温まで冷却
し、再び窒素気流中に500℃/h の昇温速度で1,0
00℃まで昇温し、1,000℃で30分保持して、炭
素質物を得た。
【0082】得られた炭素質物の元素分析及びX線広角
回折の結果、ならびに体積平均粒径は、次のとおりであ
った。 水素/炭素(原子比):0.07 d002 :3.50Å Lc :28Å 体積平均粒径 :15.2μm
【0083】(2)ポリエーテル鎖含有ポリグリセリン
の合成 平均重合度10のポリグリセリン480g を内容積5,
000mlのオートクレーブに仕込んだ。20%水酸化カ
リウム水溶液20g を加えて撹はん混合した後、減圧に
して脱水した。常温で水が留出しなくなってから徐々に
昇温して100℃まで加熱し、完全に脱水を行った。つ
いで、オートクレーブを密閉してエチレンオキシドボン
ベにつなぎ、温度120℃で、圧力が4kg/cm2 以下に
なるように流量を調節しながら、2時間かけて3,34
3g のエキレンオキシドをボンベより送入した。導入
後、120℃に1時間保って反応を完結させた。
【0084】オートクレーブを常圧にし、内容物のうち
1,914g を抜き取って、ポリマーAとした。ポリマ
ーAは、原料として用いたポリグリセリンの水酸基1モ
ルに対して平均10モルのエチレンオキシドが付加した
グラフト共重合体であった。
【0085】残余のポリマーを収容しているオートクレ
ーブを再び密閉してエチレンオキシドボンベにつなぎ、
上記と同様の反応条件でさらに1,672g のエチレン
オキシドを送入し、反応を完結させて、ポリマーBを得
た。ポリマーBは、原料として用いたポリグリセリンの
水酸基1モルに対して平均20モルのエチレンオキシド
が付加したグラフト共重合体であった。
【0086】(3)シート状電極の調製 (1)で得られた炭素質物220g に、(2)で合成し
たポリマーA10g 、過塩素酸リチウム0.45g 及び
トリレンジイソシアナート(以下、TDIという)1.
73g を加え、さらにトルエン300g を加えて混練
し、均一なスラリー状にした。これを 箔上に塗布し、
24時間放置してトルエンを揮発させるとともにポリマ
ーAを架橋硬化させ、さらに減圧で乾燥して、厚さ18
0μm のシート状電極を得た。
【0087】このシート状電極は柔軟性と曲げ強度の優
れたものであった。
【0088】(4)電極の性能評価 (3)で得られたシート状電極を直径2cmの円盤状に打
ち抜き、円形の電極成形体を得た。直径2cmの円柱状ガ
ラスセルの底に、上述の電極成形体をセットして負極と
した。濃度1モル/リットルの過塩素酸リチウムのプロ
ピレンカーボネート溶液を含浸させたポリプロピレン製
セパレーターをこの上に置き、さらにその上にリチウム
金属シートを置いて正極とし、その上からガラス棒で押
さえて簡易セルを形成した。
【0089】この簡易セルの両極間に、2mAの定電流に
より、電位1.5〜0V の間で充放電を繰返して、各サ
イクルの充電量、放電量及びクーロン効率を測定した。
【0090】実施例2 実施例1の(3)において、実施例1の(1)で得られ
た炭素質物220g に、実施例1の(2)で合成したポ
リマーB10g 、過塩素酸リチウム0.45g及びTD
I0.93g を用いた以外は実施例1と同様にして、シ
ート状電極を調製した。このようにして得られた電極成
形体を、実施例1と同様の方法で評価を行った。
【0091】実施例3 実施例1の(2)と同一の反応条件で、同じポリグリセ
リンを用い、その水酸基1モルに対して平均100モル
のエチレンオキシドを付加させて、ポリマーCを得た。
【0092】実施例1の(1)で得られた炭素質物21
0g を用い、これに上記のポリマーC10g 、過塩素酸
リチウム0.45g 及びTDI0.20g を用いた以外
は実施例1と同様にして、シート状電極の調製と評価を
行った。
【0093】実施例4 実施例1の(2)と同一の反応条件で、同じポリグリセ
リンを用い、エチレンオキシドとプロピレンオキシドを
同時にオートクレーブに送入することにより、該ポリグ
リセリンの水酸基1モルに対して平均97モルのエチレ
ンオキシドと平均3モルのプロピレンオキシドをランダ
ムに付加させて、ポリマーDを得た。
【0094】ポリマーCの代わりに10g のポリマーD
を用いた以外は実施例3と同じ配合比により、実施例1
と同様にして、シート状電極の調製と評価を行った。
【0095】実施例5 実施例1の(2)と同一の反応条件で、ポリマーAを用
い、さらにプロピレンオキシドとエチレンオキシドを逐
次送入して段階的にポリエーテル鎖を形成させた。すな
わち、まず、ポリグリセリンの水酸基1モルに対して平
均1モルのプロピレンオキシドを付加し、ついで平均9
モルのエチレンオキシドを付加し、さらに同様に交互に
付加反応を8回繰返して、ポリマーEを得た。
【0096】実施例1の(1)で得られた炭素質物21
0g を用い、これに上記のポリマーE10g 、過塩素酸
リチウム0.45g 及びトリエチルアルミニウム0.0
7gを用いた以外は実施例1と同様にして、シート状電
極の調製と評価を行った。
【0097】実施例6 実施例5のポリエーテル鎖含有ポリグリセリンの合成に
おいて、プロピレンオキシドの代わりにメチルグリシジ
ルエーテルを用いた以外は実施例5と同様にして、ポリ
グリセリンにエチレンオキシドとメチルグリシジルエー
テルを交互に付加して、ポリマーFを得た。
【0098】ポリマーCの代わりに10g のポリマーF
を用いた以外は実施例3と同じ配合比により、実施例1
と同様にして、シート状電極の調製と評価を行った。
【0099】実施例7 50℃における動粘度が2,000cSt 、平均重合度3
のポリグリセリンを用い、実施例1の(2)と同じ反応
条件を用いて、該ポリグリセリンの水酸基1モルに対し
て平均20モルのエチレンオキシドを付加して、ポリマ
ーGを得た。
【0100】実施例1の(1)で得られた炭素質物22
5g を用い、これに上記のポリマーF10g 、過塩素酸
リチウム0.45g 及びTDI0.94g を用いた以外
は実施例1と同様にして、シート状電極の調製と評価を
行った。
【0101】実施例8 平均重合度15のポリグリセリンを用い、実施例1の
(2)と同じ反応条件を用いて、該ポリグリセリンの水
酸基1モルに対して平均20モルのエチレンオキシドを
付加して、ポリマーHを得た。
【0102】実施例1の(1)で得られた炭素質物22
0g を用い、これに上記のポリマーH10g 、過塩素酸
リチウム0.45g 及びTDI0.92g を用いた以外
は実施例1と同様にして、シート状電極の調製と評価を
行った。
【0103】比較例1 実施例1の(1)で得られた炭素質物220g を用い、
本発明によるイオン伝導性固体電解質の代わりにスチレ
ンブタジエンゴム12.18g を用いたほかは実施例1
と同様にして、シート状電極の調製と評価を行った。
【0104】比較例2 電気加熱炉を用い、フェノール樹脂を窒素気流中に50
0℃/h の昇温速度で1,000℃まで昇温し、その温
度に30分保持した。得られた炭素質物を元素分析にか
けたところ、水素/炭素(原子比)は0.25であっ
た。
【0105】この炭素質物100g にスチレンブタジエ
ンゴム5g を加えて混練し、以下、実施例1と同様にし
て、シート状電極の調製と評価を行った。
【0106】以上の実施例及び比較例で得られた電極成
形体の反覆充放電における、6サイクル目と15サイク
ル目の充電量、放電量及びクーロン効率は、表1のとお
りであった。
【0107】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石川 浩二 三重県四日市市宮東町2丁目1番地 四 日市合成株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−141953(JP,A) 特開 平3−53450(JP,A) 特開 平3−53451(JP,A) 特開 平3−25866(JP,A) 特開 平3−176963(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 4/02 - 4/04 H01M 4/58 - 4/62 H01M 10/40

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の(A)と(B)との混合物からな
    る二次電池用電極。 (A)水素/炭素の原子比が0.15未満で、X線広角
    回析法による(002)面の面間隔d002 が3.37Å
    以上の炭素質物;及び (B)主として高分子マトリックスとリチウムイオン化
    合物とからなるイオン伝導性固体電解質であって、該高
    分子マトリックスが、平均重合度が3以上のポリグリセ
    リンを主鎖とし、オキシアルキレン単位の数が5以上の
    ポリエーテル鎖を有する三次元架橋体。
  2. 【請求項2】 ポリエーテル鎖が、オキシエチレン単位
    からなる単独重合体又はオキシエチレン単位と一般式 【化1】 (式中、Rはアルキル基、アルケニル基、ハロゲン化ア
    ルキル基又はアルコキシアルキル基を表す)で示される
    オキシアルキレン単位との共重合体であり、該オキシエ
    チレン単位の数が5〜2,000である請求項1記載の
    二次電池用電極。
  3. 【請求項3】 式(I)のオキシアルキレン単位がオキ
    シプロピレン単位であり、該オキシプロピレン単位の数
    が1〜1,000である請求項3記載の二次電池用電
    極。
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