JP3159707B2 - オレフィンメタセシス触媒及び共触媒を含有する重合性組成物及びその使用方法 - Google Patents

オレフィンメタセシス触媒及び共触媒を含有する重合性組成物及びその使用方法

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は遷移金属含有化合物を有する1成分(one−p
art)又は2成分(two−part)の触媒による環ひずみの
ある環状オレフィンの重合に関する。重合組成物は成形
物品エラストマー類、誘電支持体、イオン泳動的又は生
物学的に活性な材料、及びコンポジット材料を提供する
のに有用である。
発明の背景 環状オレフィン類の重合は不飽和ポリマーを提供する
ことはこの分野で公知であり、これは例えば成形物品に
有用であると言われている。
環状オレフィンのいわゆるオレフィンメタセシス反応
経由の重合は、1960年に最初の報告が発表されて以来広
く研究されてきた。イビン(Ivin)はこの分野における
研究を報告している(K.J.イビン、T.三枝(Saegus
a)、開環重合、第1巻、エルセビア(Elsevior):ロ
ンドン、1984年121〜183のK.J.イビン、「シクロアルケ
ン類及びビシクロアルケン類」、第3章)。環状オレフ
ィンのオレフィンメタセシス経由で生成されるポリマー
は未だそれぞれのモノマーユニットにたいして1つの を有し、従って遊離基又はチーグラー触媒を用いて調製
されたポリマー(これは飽和炭化水素を形成する)、及
びカチオン感応性モノマー(例えばエポキシド類)の開
環重合を用いて調製されたポリマー(ここではヘテロ原
子が存在し、ヘテロ原子−炭素結合の開裂による重合化
学を包含する)とは異なっている。
この報告や多くの特許は、ある種の遷移金属化合物を
環状オレフィン類のオレフィンメタセシス重合を触媒す
るのに用いることができると教示している。無機又は有
機金属化合物のいずれかに導入されたモリブデン(M
o)、タングステン(W)、及びレニウム(Re)は最も
一般的に用いられていた。周期表第4、5、8,及び9族
からの遷移金属に基づく触媒も公知である。不均一系触
媒も教示され、典型的にアルミナ又はシリカ上に支持さ
れている。しかしながら、最も有用であるのは均一触媒
又は非支持触媒である。最も頻繁に使用される均一触媒
はMo又はWの高酸化状態の化合物(例えばWCl6、WOC
l4、又はMoCl6)に基づく。これらとフェノール系化合
物との反応生成物も教示されている。共触媒は通常非遷
移金属に結合したアルキル基を有し、しばしばこれら触
媒と組み合わせて用いられ、共触媒は少なくとも1つの
アルキル基を遷移金属に移動させると考えられる。最も
一般的には、共触媒はアルミニウム(Al)に基づいてい
るが、亜鉛、錫、及び他の第14族金属、1族金属(例え
ば、リチウム)及び2族金属(例えばマグネシウム)も
用いられる。ハロゲン含有ルイス酸である共触媒、例え
ば、AlCl3又は有機、有機金属、無機のいずれかのハロ
ゲン化物源を遷移金属含有化合物と組み合わせて用いて
もよい。有機試薬を添加して重合速度を低下させても良
く、典型的にこれらは通常窒素又は酸素を有するルイス
塩基を含有している。より特別な触媒(通常は有機金属
化合物)も公知であり、これらの中で最も広く用いられ
ているのはW又はチタン(Ti)に基づいている。当業者
に認識されているように、これらの系は全て水又は空気
に激しく感応するので、実際には外来量の水及び空気を
除去する、又は処理及び化合物を制限してこれら不純物
のない材料を触媒に供給することができる。強固なW有
機金属化合物が近年開示されているが(L.L.ブロッシュ
(Blosch)、K.アバウンド(Abbound)、J.M.ボンセラ
(Boncella)、ジェイ.アメ.ケミ.ソク.(J.Amer.C
hem.Soc.)1991年、113、7066〜7068)、水感応性AlCl3
を共触媒として使用し、オレフィンメタセシス重合触媒
として活性化させる必要がある。ある種の前記触媒及び
共触媒は同様に他の不都合を有する。例えば、CCl4のよ
うなハロゲン化物の有機源の使用は、これらの化合物が
発癌性であるので好ましくない。アルキル錫化合物の使
用は、これらの材料がある種の生物には毒であり人間に
対しても有害であることが公知であるので好ましくな
く、これらは米国環境保護官庁のような官庁で特にその
使用及び処理について厳しく規定されている。他の系は
依然として溶媒の使用を必要とし、溶媒なしの処理を不
適当にしている(溶媒なしの処理は環境的、コスト的利
益を提供するので好ましい)。
背景分野の少数部分は周期表の第8及び9族遷移金属
化合物、特にルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、及
びイリジウム(Ir)を含有する化合物をオレフィンメタ
セシス用に使用することを教示している。米国特許第3,
367,924号及び3,435,016号はハロゲン化Irの使用を開示
しており、R.E.リネハルト(Rinehart)及びH.P.スミス
(Smith)はジェイ.ポリマ.サイ.(J.Polym.Sci.),
B(ポリマーレター)1965年、3、1049〜1052で、不活
性で無害の溶媒(水を含む)中での環状オレィンのオレ
フィンメタセシス重合用の触媒としてハロゲン化Ruを開
示している。F.W.ミケロッティー(Michelotti)及びW.
P.カーベニー(Keaveney)はジェイ.ポリマ.サイ.
(J.Polym.Sci.);A、1965年、3、895〜905頁でアルコ
ール溶媒中での重合触媒としてRu、Ir、及びOsの水和ト
リクロライド類を記載している。F.W.ミケロッティー
(Michelotti)及びJ.H.カーター(Carter)はポリマー
・プレプリント(Polymer Preprints)1965年、6、224
〜233頁で窒素雰囲気中でIrCl3・3H2Oを使用して、官能
基含有ノルボルネン類から種々の収率でポリマーを生成
することを記載している。グラブス(Grubbs)は米国特
許第4,883,851号、4,945,144号、及び4,945,141号でRu
及びOs化合物を7−オキサノルボルネン類の重合触媒と
して教示している。共触媒はRu、Os、及びIr含有オレフ
ィンメタセシス重合触媒用には記載されていなかったと
考えられる。
空気又は水に感応しないある種のオレフィンメタセシ
ス重合共触媒が教示されているが、これらは空気又は水
官能性遷移金属化合物と組み合わせて使用され、反応混
合物を依然としてスクラブ(scrubb)して水又は空気又
はその両方から保護しなければならない。米国特許第4,
490,512号及びK.ワイス(Weiss)及びR.ゴーラー(Goll
er)はジェイ.モル.カタリ.(J.Mol.Catal.)、1986
年、36、39〜45で、WCl6及び1−アルキンの存在下での
環状オレフィン(例えば、シクロペンテン又はシクロヘ
プテン)の開環メタセシスを行って、例えばポリ−1−
ペンテニレン又はポリ−1−ヘプテニレンをそれぞれ得
ることを開示している。米国特許第4.334,048号は不活
性条件下でアセチレンと空気感応性W−カルペン化合物
を使用して低収率のポリマーを得ることを記載してい
る。
米国特許第4,994,426号に記載されているように置換
ノルボルネン類の重合用に、水素化シリル を含有する共触媒を空気感応性ハロゲン化タングステン
とフェノール化合物とから得られる反応生成物と共に使
用する。タングステン化合物と水素化錫との組合せも米
国特許第5,019,544号及び4,729,976号では使用されてい
る。Z.フォルティノウィッツク(Foltynowicz)、B.マ
ルシニーク(Marciniec)、及びC.ピートラスツク(Pie
traszuk)はジェイ.モル.カタル(J.Mol.Catal.)199
1年、65、113〜125でRuCl3及びRuCl2(PPh3(ここ
でPh=フェニル)の存在下でアルケン類と、試薬として
ビニルトリエトキシシランとの反応を記載しているが、
環状オレフィンの重合を教示していない。
酸化的共触媒は種々の状況で使用されて来た。例え
ば、V.A.バヌー(Bhanu)及びK.キッシャー(Kishore)
は、ケミ.レブ.(Chem.Rev.)1991年、91(2)、99
〜117頁(特に112〜113頁参照)で、酸素がオレフィン
メタセシス重合触媒における効果を変えることを記載し
ている。特に、Ru含有化合物がノルボルネン重合反応を
触媒するときの酸素(O2)の明らかに有効な効果は初期
のエポキシド形成によるとK.J.イビン、B.S.R.レディ
(Reddy)及びJ.J.ルーニー(Rooney)はジェイ.ケ
ミ.ソク.、ケミ.コム.(J.Chem.Soc.、Chem.Comm)
1981年、1062〜1064で考えている。
別の分野では、W含有触媒におけるアルキン重合に対
する[Cp2Fe]+PF6 -の効果がM.H.デスボイス(Desboi
s)及びD.アストラック(Astruc)によってニュー・ジ
ェイ.ケミ.(New J.Chem.)1989年、13、595〜600で
記載されている。アセチレン重合用光補助W(CO)
媒はS.J.ランダン(Landon)、P.M.シュールマン(Shul
man)及びG.L.ジョーフロイ(Geoffroy)によってジェ
イ.アメ.ケミ.ソク.(J.Am.Chem.Soc.)1985年、10
7、6739〜6740で開示されている。
ヘテロ原子含有アルケン試薬はC.T.ツ(Thu)、T.バ
ステルベルガー(Bastelberger)及びH.ホッカー(Hock
er)によってマクロモル.ケミ.ラピット・コミュ.
(Makromol.Chem.,Rapid Commun.)1981年、2、383〜
386頁で開示されている。この参考文献は窒素雰囲気下
クロム−カルベン化合物存在中での環状ビニルエーテル
の重合を記載している。
背景分野で記載したすべての遷移金属触媒及び共触媒
系は水分感応性及び/又は空気感応性であるか、オレフ
ィンメタセシス経由の環状オレフィン類の重合を教示し
ておらず、不完全である。
CCl4の存在下でW(CO)を使用してオレフィン化合
物のメタセシスのために光分解を用いる方法がA.アガピ
オー(Agapiou)及びE.マックネルス(McNelis)によっ
てジェイ.ケミ.ソク.、ケミ.コム.(J.Chem.So
c.、Chem.Comm)1975年、187で、C.タニエリアン(Tani
elian)、R.キーファー(Kieffer)及びA.ハーフォーク
(Harfouch)によってテトラヘドロン・レット(Tetrah
edron Lett.)1977年、52、4589〜4592で開示されてい
る。P.クラウスツ(Krausz)、F.ガルニエール(Garnie
r)及びJ.ドゥボイス(Dubois)はジェイ.オルガノメ
ット.ケミ.(J.Organomet.Chem.)1978年、146、125
〜134でトランス−2−ペンテンのW(CO)6/CCl4存在
下で光補助オレフィンメタセシスを行い2−ブテンと3
−ヘキセンの混合物を得ることを開示している。ポリマ
ーは教示されていない。ある種のタングステン含有化合
物とルイス酸共触媒(例えば、AlCl3又はZrCl4)も、T.
スジマンスカ(Szymanska)−ブザー(Buzar)及びJ.J.
ジオルコウシキー(Ziolkowski)によってジェイ.モ
ル.カト.(J.Mol.Cat.)1987年、43、161〜170で線状
オレフィンのメタセシス用に開示されている。ポリマー
は教示されていない。これらの系は全ての空気又は水に
感応性で、ハロゲン含有共触媒を用いるか、環状オレフ
ィンのオレフィンメタセシス経由の重合を教示していな
いので不完全である。
発明の要旨 本発明は、 a)少なくとも1つの環ひずみのある非共役環状オレフ
ィンと、 b)1成分又は2成分の空気及び水分安定性である遷移
金属含有触媒と を含有する重合組成物であって、 1)この1成分の遷移金属含有触媒は (a)式:(L1)(L2)Q (式中、QはMo又はWを表し; L1は1〜6のCO(カルボニル)リガンドを表し; L2は0〜5のリガンドを表し、L2はそれぞれ同じでも
異なっていても良い非イオン性化合物又はポリマーユニ
ットであって、それぞれ2、4、又は6電子を金属に提
供し、L1とは異なっている; ここでQの価電子及びリガンドL1及びL2により提供され
る電子の合計は18である) (b)少なくとも1つのポリエンリガンドを有する少な
くとも1つのカチオン性ルテニウム及びオスミウム含有
有機金属塩、及び (c)[Ir(RO2CHC=CHCO2R)2Cl] (式中、Rはそれぞれ独立して水素、低級アルキル(C1
〜C4)であり、ただし、金属の酸化状態は+3〜0の範
囲内でC−ハロゲン結合を含有する共触媒は存在しな
い) からなる群から選択され、 2)前記2成分の触媒は、 (a)遷移金属含有触媒(ただし、遷移金属の酸化状態
は+3〜0の範囲内である)と、 (b)(i)末端またはシリルアルキル類、 (ii)少なくとも1つの を含有する有機シラン類、 (iii)酸素を非酸素原子2重結合に有する酸化的塩又
は酸化的化合物、及び (iv)ヘテロ原子含有アルケン類、 からなる群から選択される共触媒とを含有する 重合性組成物を提供する。
他の特徴では、本発明は、 a)前述の組成物を提供する工程と、 b)任意に化学線及び熱の少なくとも一方の存在中で、
前記組成物を重合させる工程と、 を包含する環ひずみのある環状オレフィン類の重合方法
を提供する。
他の特徴では、本発明は前述の重合した組成物を提供
する。
更なる特徴では、本発明は前述の重合した組成物を含
有する成形物品、自己支持シート状物品、又は基材上の
被膜を提供する。
従来技術を越える本発明の触媒組成物の利点として
は: より早いオレフィンメタセシス速度、より短い誘導時
間を有すること; 分子量等のポリマー特性の制御性の改善; ポリマーの収率の向上; 触媒の溶解性の改善; 触媒の安定性の改善; 有機官能基の存在中での触媒活性の増大; 外来の又は添加された水又は空気の存在時の触媒活性
の増大; 本発明の1成分及び2成分の触媒を含有する均一な組
成物; より良好な処理制御性、触媒活性をトリガーする能力
を有すること;及び より少ない遷移金属化合物含有量での十分な反応速度
があり、それに伴う利益、例えば、触媒コストの低下、
遷移金属からの残存汚れ又は色の減少、及び分子量等の
ポリマーの特性の制御性の向上がある。
本発明の遷移金属化合物及び任意の共触媒は水又は空
気に対して非感応性である。少なくとも外来の水又は空
気に寛容であることは多くの工業的処理において高価な
浄化工程の必要性を排除し、更に幾つかの処理において
このような浄化は不可能であるので、重要な利益であ
る。また、水分を含んだ又は乾燥した空気中で遷移金属
化合物及び推進剤を扱い貯蔵することができることも有
益である。本発明が教示し、従来技術が教示しなかった
ものは、環ひずみのある環状オレフィンメタセシス重合
触媒でありかつ、(外来の又は溶媒又は共溶媒のいずれ
かの)水及び空気に非感応性である遷移金属化合物と任
意の共触媒を含有する触媒である。更に本発明の触媒は
多くの有機官能基、とりわけ酸素(O)硫黄(S)又は
窒素(N)原子を含有する官能基の存在中で活性であ
る。
本出願において: 「環ひずみ」とは、K.J.イビン及びT.三枝によって
「開環重合の一般的熱力学と構造的特徴」(第1章、K.
J.イビン及びT.三枝eds.開環重合、第1巻、エルセーバ
ー:ロンドン、1984年、1〜3頁)で議論されているよ
うに、モノマーのポリマーへの変化が発熱的、即ちモノ
マーのポリマーへの変化の間は負の自由エネルギー変化
であることを意味する。
「化学線」とは電磁波及び電子線(e−ビーム)を意
味する。
「均一の組成物」とは、遷移金属触媒と任意の共触媒
が少なくとも1相の重合性組成物中に、又は重合性組成
物を溶解する液体中に溶解可能であることを意味する。
「有機金属」とは少なくとも1つの炭素−遷移金属結
合基が存在することを意味する。
「酸化状態」とは、J.P.コールマン(Collman)とL.
S.ヘッジダス(Hegedus)によって有機遷移金属化学の
原理と応用(ユニバーシティー・サイエンス・ブックス
(University Science Books)ミルバレイ、CA、1980
年、13〜19)で議論されているように、遷移金属と会合
するd−殻電子の数を記載する形式である。
又は「アルケニル」は全て炭素−炭素2重結合を表わ
す。
発明の好ましい実施態様の詳細な説明 本発明の触媒は環状オレフィンからのポリマー合成に
有用である。任意にある種の共触媒を、周期表の第4〜
10族からの遷移金属(周期表第4〜10族の第1列成分は
それぞれチタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(C
r)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニ
ッケル(Ni)である)化合物と組み合わせて使用し、前
述の利益との種々の組合せを達成しても良い。第6〜10
族から選択される遷移金属化合物が好ましく、より好ま
しくは第6、8又は9族である。W、Ru、及びIrの遷移
金属化合物が最も好ましい。
環状オレフィンメタセシス重合反応の反応式を以下に
示す。
式中、は非共共役環状オレフィンモノマーを意味し、
はモノマーと同じ不飽和度を有する開環重合したユニッ
トを意味し、ここでnは5〜50,000である。ポリマーの
分子量は300〜5,000,000の範囲である。
好ましくは本発明の組成物に有用な環状オレフィンと
しては、環ひずみのある単環オレフィン類、例えば、シ
クロブテン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロ
オクテン、があり、任意に4以下の飽和又は不飽和ヒド
ロカルビル、アルカリル、アラルキル、又はアリール基
で置換される。ここで「アルキル」又は「alk」又は
「ヒドロカルビル」は線状、分岐状、環状のいずれでも
よく、それぞれの基は30個以下の炭素原子、60個以下の
ハロゲン原子、4個以下の非過酸化性のO、N、及びSi
から選択されるヘテロ原子を有し、これらを組合せてエ
ーテル、アルコール、ケトン、アルデヒド、カルボン
酸、エステル、アミド、アミノ、シアノ、無水物等の官
能基又は結合を形成してもよい。また、多環状モノ−、
又はジオレフィン類(例えば、ノルボルネン、ノルボル
ナジエン、及びジシクロペンタジエン、及びそのオリゴ
マー)、ヘテル原子含有多環状オレフィン類(例えば、
7−オキサノルボルネン)も好ましく、任意に4以下の
飽和又は不飽和ヒドロカルビル、アリカリル、アラルキ
ル、又はアリール基で置換される。ここで「アルキル」
又は[alk」又は「ヒドロカルビル」は線状、分岐状、
環状のいずれでもよく、それぞれの基は30個以下の炭素
原子、60個以下のハロゲン原子、4個以下の非過酸化性
の酸素(O)、窒素(N)、及びケイ素(Si)から選択
されるヘテロ原子を有し、これらを組合せてエーテル、
アルコール、ケトン、アルデヒド、カルボン酸、エステ
ル、アミド、アミノ、シアノ、無水物等の官能基又は結
合を形成してもよい。置換ノルボルネン及びジシクロペ
ンタジエンの場合には、ento又はexo又はsyn又はanti又
はこれらの異性体の組合せのいずれも好適である。好適
なモノマーの他の例として、ノルボルネン、5−メチル
−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノルボルネン、
7−メチル−2−ノルボルネン、1−メチル−2−ノル
ボルネン、5,6−ジメチル−2−ノルボルネン、5−ノ
ルボルネン−2−カルボニトリル、5−ノルボルネン−
2−カルボキシアルデヒド、5−ノルボルネン−2,3−
ジカルボン酸、ジエチル5−ノルボルネン−2,3−ジカ
ルボキシレート、ジメチル5−ノルボルネン−2,3−ジ
カルボキシレート、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボ
ン酸無水物、5−ノルボルネン−2,2−ジメタノール、
5−ノルボルネン−2−メタノール、5−ノルボルネン
−2−オール、1−アセチル−5−ノルボルネン、5−
ノルボルネン−2−イルアセテート、2−ベンゾイル−
5−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5
−メチレン−2−ノルボルネン、5−ノルボルネン−2
−メタノールアクリレート、5−[2−(トリメチルシ
リル)エチル]−2−ノルボルネン、5−[2−(ペン
タメチルジシロキシル)エチル]−2−ノルボルネン、
5−クロロメチル−2−ノルボルネン、2,3−ジ(クロ
ロメチル)−5−ノルボルネン、5−トリフルオロメチ
ル−2−ノルボルネン、及び2,3,3−トリフルオロ−2
−トリフルオロメチル−5−ノルボルネンがある。他の
好適なモノマーは米国特許第5,011,730号、4,994,535
号、4,945,144号、4,943,621号、4,923,943号、4,923,9
36号、及び4,250,063号に記載されており、その記載を
ここに挿入する。これらの材料は全て市販入手可能であ
り(例えば、多くはWI、ミルウォーキーのアルドリッチ
・ケミカル(Aldrich Chemical)社から)又はこれら
の調製は化学文献に記載されている。5−[2−(トリ
メチルシリル)エチル]−2−ノルボルネン及び5−
[2−(ペンタメチルジシロキシル)エチル]−2−ノ
ルボルネンは5−ビニル−2−ノルボルネンとそれぞれ
トリメチルシラン又はペンタメチルジシロキサンとの反
応によって、一般的操作とアルケン類のヒドロシリル化
用の白金含有触媒を用いて調製される(D.A.アーミテー
ジ(Armitage)、「有機シラン類」第9.1章、G.ウィル
キンソン(Willkinson)、F.G.A.ストーン(Stone)及
びE.W.アベル(Abel)、eds.、包括的有機金属化学、第
2巻、ペルガモン・プレス(Pergamon Press)、オッ
クスフォード、1982年117〜120参照)。好ましくは、本
発明の環状オレフィン類の少なくとも1つは多環状であ
り、より好ましくは、ノルボルネン又は置換ノルボルネ
ン又はジシクロペンタジエン、又は置換ジシクロペンタ
ジエンである。
本発明の1成分及び2成分の均一な触媒は以下の事項
を包含する: 1成分の触媒について、(L1)(L2)Q(式中、L1
L2及びQは前述のように規定され、好ましくは式Q(C
O)(式中、QはW又はMo及びその置換誘導体であ
る)を有する);少なくとも1つのポリエンリガンドを
有するカチオン性有機金属Ru含有又はOs含有化合物;及
び[Ir(RO2CHC=CHCO2R)2Cl]は、全て環ひずみオ
レフィン類のオレフィンメタセシス重合に対する効果的
な熱又は光活性触媒である。好ましくは遷移金属の酸化
状態は+3〜0の範囲内、より好ましくは+2〜0の範
囲内であり、好ましくは組成物はC−ハロゲン結合、特
にCCl4及びCHCl3を含有する共触媒を有さない。
式(L1)(L2)Qを有する1成分の遷移金属含有触媒
では、リガンドL1及びL2は遷移金属有機金属化合物の分
野で公知である。リガンドL1〜L2は中性で安定な化合物
であり、それぞれ金属Q(Mo又はWでありうる)に同数
の電子を提供する。リカンドL1〜L2はそれ自身安定な非
イオン性化合物又はポリマー状ユニットで(これらは
塩、基、ラジカル、又はフラグメントではない)、特別
の条件でなくても有機金属化合物から独立して存在する
ことができる、室温で安定である。
リガンドL1はカルボニル、COのみである。
リガンドL2は単座及び多座化合物(好ましくは、約30
個以下の炭素原子と、窒素、硫黄、非過酸化性酸素、り
ん、ひ素、セレン、アンチモン及びテルルから選択され
る10個以下のヘテロ原子を有する)によって提供され
る。好適な単座化合物又は基の例は硫化炭素、セレン化
炭素、テルル化炭素、アルコール類(例えば、エタノー
ル、ブタノール、及びフェノール);エーテル類(例え
ばテトラヒドロフラン);VA族成分の化合物(アンモニ
ア、ホスフィン、トリメチルアミン、トリメチルホスフ
ィン、トリフェニルアミン、トリフェニルホスフィン、
トリフェニルスチルビン、トリフェニルアルシル、トリ
ブチルホスフィト);イソニトリル類(例えば、フェニ
ルイソニトリル、ブチルイソニトリル);オレフィン化
合物(例えば、エチレン、アセチレン、プロピレン、メ
チルアセチレン、1−ブテン、2−ブテン、ジアセチレ
ン、1,2−ジメチルアセチレン、シクロブテン、ペンテ
ン、ノルボルネン、シクロペンテン、ヘキセン、シクロ
ヘキセン、シクロヘプテン、1−オクテン、4−オクテ
ン、3,4−ジメチル−3−ヘキセン、1−デセン、1−
ドデセン;である。
好適な多座化合物又は基としては1,2−ビス(ジフェ
ニルホスフィノ)エタン、1,2−ビス(ジフェニルアル
シノ)エタン、ビス(ジフェニルホスフィノ)メタン、
エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジエチレント
リアミン、ヒドリドトリピラゾリボレート(hydridotri
pyrrazolyborate)、ブタジエン、ノルボルナジエン、
1,3−シクロヘキサジエン、シクロペンタジエン、及び
1,4−シクロヘキサジエンがある。
リガンドL2はポリマーユニット、例えばポリ(エチレ
ンアミン)内の配位アミノ基;ポリ(4−ビニルフェニ
ルジフェニルホスフィン)内の配位ホスフィノ基;及び
ポリ(4−ビニルフェニルイソニトリル)内の配位イソ
ニトリル基であっても良い。1,000,000以下又はそれ以
上の重量平均分子量を有するポリマーを用いても良い。
ポリマー内に存在する5〜50パーセントの配位基が金属
と錯体を形成するのが好ましい。
更に例示的なリガンドL2としては置換及び非置換シク
ロヘプタトリエン、シクロオクタテトラエン、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン類、メシチレン、ヘキサメチル
ベンゼン、フルオレン、ナフタレン、アントラセン、ペ
リレン、クリセン、ピレン、トリフェニルメタン、及び
25環以下、100個以下の炭素原子、かつ窒素、硫黄、非
過酸化性酸素、りん、ひ素、セレン、ホウ素、アンチモ
ル、テルル、シリコン、ゲルマニウム、及び錫から選択
される10個以下のヘテロ原子を有する炭素環状及びヘテ
ロ環状芳香族リガンドがある。
リガンドL2はポリマーユニット、例えばポリスチレ
ン、ポリ(スチレン−コ−ブタジエン)、ポリ(スチレ
ン−コ−メチルメタクリレート)、ポリ(アルファー−
メチルスチレン)、ポリビニルカルバゾール、及びポリ
メチルフェニルシロキサン内のフェニル基;ポリ(ビニ
ルシクロペンタジエン)等内のシクロペンタジエン基で
もよい。1,000,000以下又はそれ以上の重量平均分子量
を有するポリマーを用いても良い。ポリマー内に存在す
る5〜50パーセントの不飽和又は芳香族基が金属と錯体
を形成するのが好ましい。
リガンドL2はそれぞれリガントと金属原子との錯体形
成を妨げない基で置換されていても良い。置換基の例と
しては、その全てが30個以下の炭素原子、かつ窒素、硫
黄、非過酸化性酸素、りん、ひ素、セレン、アンチモ
ン、テルル、シリコン、ゲルマニウム、錫、及びホウ素
から選択される10個以下のヘテロ原子を有し、ヒドロカ
ルビル基(例えば、メチル、エチル、ブチル、ドデシ
ル、テトラコサニル、フェニル、ベンジル、アリル、ベ
ンジリデン、エテニル、及びエチニル);ヒドロカルビ
ルオキシ基(例えば、メトキシ、ブトキシ、及びフェノ
キシ);ヒドロカルビルメルカプト基(例えば、メチル
メルカプト(チオメトキシ)、フェニルメルカプト(チ
オフェノキシ);ヒドロカルビルオキシカルボニル(例
えば、メトキシカルボニル及びフェノキシカルボニ
ル);ヒドロカルビルカルボニル(例えば、ホルミル、
アセチル、及びベンゾイル);ヒドロカルビルカルボニ
ルオキシ(例えば、アセトキシ、及びシクロヘキサンカ
ルボニルオキシ);ヒドロカルビルカルボンアミド(例
えば、アセトアミド、ベンズアミド):アゾ、ボリル;
ハロ(例えば、クロロ、ヨード、ブロモ、及びフルオ
ロ);ヒドロキシ;シアノ;ニトロ;ニトロソ;オキ
ソ;ジメチルアミノ;ジフェニルホスフィノ、ジフェニ
ルアルシノ;ジフェニルスチビン;トリメチルゲルマ
ン;トリブチル錫;メチルセレノ;エチルテルロ;及び
トリメチルシロキシ;縮合環(例えばベンゾ、シクロペ
ンタ;ナフト、インデノ);等が含まれる。
好ましくは、1成分のMo又はW含有触媒はMo(C
O)、Mo(CO)(ノルボルナジエン)、W(C
O)、及び(メシチレン)W(CO)である。
本発明の1成分の触媒でありうるカチオンルテニウム
及びオスミウム有機金属化合物はRu又はOs原子に直接結
合する少なくとも1つの環状又は非環状ポリエンリガン
ドを有する。好ましくは、ポリエンリガンドはベンゼン
又は芳香族ベンゼン誘導体(例えば、シメン)である。
本発明のルテニウム又はオスミウムカチオンのある代
表的な群は式:(Ar)M(N≡CR32X+であり、式中、
Arはベンゼン又はアルキル、エーテル、又はホルメート
置換ベンゼン類(例えば、トルエン、オルト−、メタ
−、又はパラ−キシレン、メシチレン、オルト−、メタ
−、又はパラ−シメン、ジュレン、イソジュレン、ヘキ
サメチルベンゼン、ペンタメチルエベンゼン、クメン、
プソイドクメン、プレニテン、トリエチルベンゼン、ア
ニソール、メチル2−メチルベンゾエート、エチルベン
ゾーエート、又は2−、3−、又は4−メチルアニソー
ル)のいずれかであり;Mはルテニウム又はオスミウムで
あり;R3は1〜30個の炭素原子を有する線状又は分岐状
炭化水素鎖であり;XはCl、Br、又はIから選択されるハ
ロゲンである。これらルテニウム及びオスミウムカチオ
ンは[(Ar)RuX2(M.A.ベネット(Bennett)及び
A.K.スミス(Smith)によってジェイ.ケミ.ソク.、
ダルトン・トランス.(J.Chem.Soc.,Dalton Trans.)
1972年、233〜241頁に記載されている方法によって調
製)又は[(Ar)OsX2(J.A.カベザ(Cabeza)及び
P.A.マイトリス(Maitlis)によってジェイ.ケミ.ソ
ク.、ダルトン・トランス.(J.Chem.Soc.,Dalton Tr
ans.)1985年、573〜578頁に、及びM.ブラウン(Brow
n)、X.L.R.フォンテーヌ(Fontaine)、N.N.グリーン
ウッド(Greenwood)、及びJ.D.ケネディー(Kennedy)
によってジェイ.オルガノメット.ケム(J.Organomet.
Chem.)1987年、325、233〜246頁に記載されている方法
によって調製)から誘導される。ここでAr及びXは前記
と同意義である。好適な対イオンとしては、PF6 -、AsF6
-、BF4 -、及びSbF6 -等がある。好適なハロゲン分離試薬
として、AgBF4、KAsF6、TlPF6、LiBF4、及びNH4PF6等が
ある。
本発明のルテニウム及びオスミウムカチオンの他の群
は式:(Ar)M(Py)2X+でり、式中、Ar、M、及びX
は前記と同意義であり、Pyはピリジン又は置換ピリジン
(例えば、2−、3−、又は4−アセチルピリジン、2
−、3−、又は4−ベンジルピリジン、3,4−ルチジ
ン、3,5アルチジン、2−、3−、又は4−ブロモピリ
ジン、2−、3−、又は4−エチルピリジン、3−又は
4−フェニルピリジン、等)である。これらの錯体はT.
アーター(Arthur)及びT.A.ステフェンソン(Stephens
on)によってジェイ.オルガノメット.ケム(J.Organo
met,Chem.)1981年、208、369〜387頁に記載されている
方法によって調製してもよい。
また、式(Ar)M−(μ−Y)−M(Ar)の他の
群のルテニウム及びオスミウムカチオンのも有用であ
る。式中、Arは独立して前述のArと同意義であり;Mはそ
れぞれRu又はOsであるが同じでも異なっていてもよく;Y
はCl、Br、I、H、OH、及びER4(式中、R4は1〜30個
の炭素原子を有する線状又は分岐状炭化水素鎖又は6〜
20個の炭素原子を有する芳香族基であり、Eは酸素
(O)又は硫黄(S)である)から選択される。3つの
Y基はM原子を架橋し、M結合はない、更に3つのY基
はは同じである必要はなく、Cl、Br、I、H、OH、及び
ER4基の組合せからなってもよい。この錯体への種々の
合成経路については文献が存在し、H.レ・ボゼック(Le
Bozec)、D.トウチャード(Touchard)及びP.H.デッ
クスノイフ(Dixneuf)によってアドバ.オルガノメッ
ト.ケミ.(Adv.Organomet.Chem.)1989年、29、163〜
247頁に示されている。
対イオンはRu又はOsに直接結合した少なくとも1つの
環状又は非環状ポリエンリガンドを有する全てのカチオ
ンルテニウム及びオスミウム有機金属化合物中に必要で
あり、代表的な対イオンとしてはPF6 -、AsF6 -、BF4 -
及びSbF6 -等がある。
他のルテニウム及びオスミウム化合物(中性及びカチ
オン性とも)を本発明に使用してもよく、(Ar)OsX
2(N≡CR3)、[(CHT)RuX2、(CHT)RuCl(CH3C
N)2 +1、(Ar)Ru(CH3CN)3 +2、CpRu(CH3CN)3 +1
[(COD)RuX2、(COD)RuX(CH3CN)3 +、(Ar)Ru
Cl(アリル)、(COD)RuX2(CH3CN)(CO)、(ジエ
ン)RuCl2(アミン)、CpRu(ジエン)Cl、[CpRu(C
l)、(Cp*Ru(Cl)、[(1−3−η:6
−8−η)−2,7−ジメチルオクタジエンジイル)RuC
l2等があり、ここでAr、X、及びR3は前記と同意
義;CHTはシクロヘプタトリエンであり;CODは1,5−シク
ロオクタジエンであり;Cpはエタ−シクロペンタジエ
ニルであり;Cp*はペンタメチルシクロペンタジエニル
であり;ジエンは4〜30個な炭素原子を有し、更に2つ
の炭素−炭素2重結合を有する環状又は非環状炭化水素
であり;アミンは第1、第2、又は第3脂肪族アミンで
あり;アリルはエタ−3結合 リガンド又はその誘導体である。
2成分の触媒は (a)成分金属含有触媒(ただし、遷移金属の酸化状態
は+3〜0、好ましくは+2〜0の範囲内である)と、 (b)(i)末端及びシリルアルキン類(例えば、−C
≡C−H又は−C≡C−Si(R1であり、ここでR1
いかに定義する)、好ましくは末端アルキン、最も好ま
しくはフェニルアセチレン、 (ii)少なくとも1つの を含有する有機シラン類、 (iii)酸素原子を非酸素原子2重結合に有する酸化的
塩又は酸化的化合物、及び (iv)ヘテロ原子含有アルケン類、好ましくは、エナミ
ン類、ビニルエーテル類、又はビニルチオエーテル類、
より好ましくは、ビニルエーテル類、 からなる群から選択される共触媒とを含有する。
4つの2成分の触媒は以下に示すのI〜IVの種類であ
る。
I.遷移金属化合物+末端アルキン共触媒: 好ましくは、アルキン共触媒を組み合わせて使用され
る遷移金属化合物は周期表の6〜9族から、より好まし
くは、Mo、W、Ru、又はIrを含有する化合物から選択す
ることができる。最も好ましくは、金属−炭素複数結合
がない。アルキン共触媒は式Iによって表される。
R1C≡CR2 I 式中、R1は水素、又は飽和又は不飽和ヒドロカルビ
ル、アルカリル、アラルキル、アリール、パーフルオロ
アルキル、パーフルオロアリール、又はシリル基であ
り、これらの基は全て30個以下の炭素原子、O,N,及びSi
から選択される4個以下のヘテロ原子を有し、R2は水素
(H)又はシリル(即ち、−Si(R1でありここでR1
は前記と同意義である)でありうる。好ましくは、R2
Hでありこれらの化合物は末端アルキレン類として公知
である。このような末端アルキン類の代表的な例として
は、アセチレン、フェニルアセチレン、1−ヘキシン、
1−オクチン、3,3−ジメチル−1−ブチン、2−メチ
ル−1−ブテン−3−イン、1,7−オクタジイン、プロ
パルギルクロライド、プロパルギルアルコール、メチル
プロパギルエーテル、3−メトキシ−2−メチル−1−
ブチン、1−メトキシ−1−ブテン−3−イン、2−メ
チル−3−ブチン−2−オール、1−エチニルシクロヘ
キシルアミン、モノ−プロパギルアミン、1−ジメチル
アミノ−2−プロピン、トリプロパギルアミン、3−ブ
チン−2−オン、プロピオル酸、メチルプロピオレー
ト、ブロモアセチレン、トリメチルシリルアセチレン、
及び3,3,3−トリフルオロプロピンがある。
シリルアルキン類は例は1−トリメチルシリル−1−
プロピン、ビス−トリメチルシリルアセチレン、及びエ
チル3−(トリメチルシリル)−1−プロピノエートで
ある。これらの化合物は市販入手可能であるかまたは化
学文献に記載されている。
本発明の遷移金属化合物と末端アルキン類共触媒の組
合せは共触媒を含有しない系に比べてより早いオレフィ
ンメタセシス重合の速度、より短い誘導時間及びより高
いポリマー収率を提供する。
II. を含有する有機シラン共触媒: 好ましくは、有機シラン共触媒を組み合わせて使用さ
れる遷移金属化合物は6〜9族から、より好ましくは、
Ru及びIrから、最も好ましくは、Irから選択される。
本発明の有機シラン共触媒は1〜20個のシリコン原子
と、100個以下の炭素原子、及び任意に非過酸化性O及
びNから選択される20個以下のヘテロ原子を含有する化
合物であって、更に水素化シリル 及びシリルアルケニル(12個以下の炭素原子を有し、少
なくとも1つの を導入したアルケニル基)の少なくとも1つのを含有す
る。シリルアルケニル基はシリルビニル、即ち であるのが好ましい。有機シランは他の炭素含有基、例
えば、30個以下の炭素原子と60個の以下のハロ原子、及
びO、N、及びSiから選択される4個の以下のヘテロ原
子を含有するハロゲン化及び非ハロゲン化アルキル、ア
ルカリル、アラルキル、及びアリール基(例えば、メチ
ル、エチル、ヘキシル、オクタデシル、シクロヘキシ
ル、フェニル、4−メチルフェニル、フェニルエチル、
3,3,3−トリフルオロプロピル、及び4−クロロフェニ
ル)を含有してもよい。少なくとも1つのSi−H基を有
する本発明の実施に好適な有機シラン共触媒としては、
トリエチルシラン、ジエチルシラン、フェニルジメチル
シラン、フェニルメチルシラン、フェニルシラン、ペン
タメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラメチルジシロ
キサン、1,1,1,3,3,5,5−ヘプタメチルトリシロキサ
ン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン、及
び1,1,3,3,5,5−メキサメチルトリシロキサンがある。
少なくとも1つのシリルアルケニル基を有する本発明の
実施に好適な有機シラン共触媒としては、ビニルトリメ
チルシラン、テトラビニルシラン、1,3−ジビニルテト
ラメチルジシロキサン、1,3−ビス(5−ヘキセニル)
テトラメチルジシロキサン、及び1,3−5,7−テトラビニ
ルテトラメチルシクロテトラシロキサンがある。これら
の化合物は市販入手可能でありまた後述するように合成
することも出来る。
有機シラン共触媒の使用は、触媒活性の増大、誘導時
間の短縮、及び特に重合性組成物中への触媒の溶解性の
向上と触媒及び触媒溶液の安定化等の利益を提供するこ
とができる。
更なる特徴では、重合性環状オレフィンを含有する反
応混合物中の遷移金属化合物1モルにたいして0.5〜100
0モル、好ましくは0.5〜100モルの量の有機シラン共触
媒を使用する場合には、得られるポリマーの分子量の改
良された制御性(即ち有機シランのない場合より分子量
が低い)を提供することもできる。特に非常に高分子の
ポリマー溶液は非常に粘性で処理が困難であるので、よ
り低い分子量が求められる。
III.遷移金属化合物+酸化的共触媒: 好ましくは、酸化的共触媒を組み合わせて使用される
遷移金属化合物は6〜9族の遷移金属を含有する化合物
から、より好ましくは、その金属がMo、W、Ru又はIrで
ある化合物から選択される。
本発明の酸化的共触媒は無機、有機金属、有機であり
うる。これらは少なくとも1つの酸素原子を非酸素2重
結合に有する酸化的塩及び化合物から選択される。本発
明の共触媒として有用な酸化的塩はカチオン性塩であ
り、ただし塩の対イオンは単一ハロゲン原子ではない。
本発明に好適なカチオンの例としては、Ag+、Na+、C
u2+、Zn+2Cp2Fe+、(Cpはエタ−シクロペンタジエニ
ルである;このカチオンはフェリシニウムと呼ばれ
る)、Ph3C+(トリチル)、及びトリス(4−ブロモフ
ェニル)アミニウム(aminium)、Ph2I+(Ph=フェニ
ル)、Tl+、NO+、NO2 +、Ph3S+、Cu+、トロピリウム等が
ある。好ましいカチオンはAg+、Cp2Fe+、トリチル及び
トリス(4−ブロモフェニル)アミニウム、である。好
適な対イオンはPF6 -、SbF6 -、AsF6 -、BPh4、BF4 -、SbCl
6 -等がある。
市販入手可能であるか又は化学文献に記載されている
酸化的塩の代表的な例としては:Ag+BF4 -、Ag+PF6 -、Ag+
SbF6 -、Ag+AsF6 -、Na+PF6 -、Na+SbF6 -、Zn+2(B
F4 -、Cp2Fe+PF6 -、Ph3C+PF6 -、トリス(−4−ブロ
モフェニル)アミニウム+SbF6 -、Ph2I+SbF6 -等がある。
好ましい酸化的塩は実施例8〜11に使用したものであ
る。
酸素原子を非酸素2重結合に有する酸化的触媒の好適
な例はヨードソベンゼン、トリメチルアミンオキサイ
ド、ベンゾフェノン、1,4−ベンゾキノン等である。O2
ガスはこの種の共触媒に含まれない;更にO2の濃度及び
存在は制御が困難で、反応混合物にO2を泡立たせて通過
させた場合に起こるようなO2が高濃度で存在する場合に
は不都合な副反応が生じる可能性がある。
本発明に有用な酸化的共触媒は市販入手可能であるか
又は化学文献に記載されている。
本発明の酸化的共触媒はより早いメタセシス速度、誘
導時間の低減、より良好な収率、特に有機官能基の優れ
た許容性の点で利益を提供し、有機官能基は環状オレフ
ィンモノマー上の基として、又は反応混合物への他の添
加剤(例えば溶媒)上の基として存在しても良い。
理論に結び付けるつもりはないが、我々はこの種の共
触媒が、1以上の工程で遷移金属化合物又はそれから誘
導される材料を酸化する(オレフィンの存在中で形成さ
れる遷移金属化合物を含む)ことによって機能すると考
えているので、「酸化的」共触媒という用語を用いる。
ここで使用する酸化とは少なくとも1つの電子、原子又
は基を遷移金属化合物から取り除き、より少ない電子状
態の遷移金属化合物を残すいずれかの工程を示す。電子
状態を決定する形式、即ち酸化状態及び配位数は、J.P.
コールマン(Collman)とL.S.ヘッジダス(Hegedus)に
よって有機遷移金属化学の原理と応用(CA、ミルバレイ
のユニバーシティ・サイエンス・ブックス、1980年、13
〜19)に記載されており、当業者に公知である。
IV遷移金属化合物+ヘテロ原子含有アルケン: 好ましくは、ヘテロ原子含有アルケンと組み合わせて
使用される遷移金属化合物は6〜9族金属、より好まし
くは、Mo、W、Ru、又はIrを含有する化合物から選択さ
れる。
この種の効果的な共触媒は市販入手可能であるか化学
文献に記載されており、例えば、30個以下の炭素原子を
有するヘテロ原子置換線状、分岐状、又は環状アルケン
がある。ここでヘテロ原子はオレフィン不飽和にたいし
てアルファーであり、窒素、非過酸化性酸素及び硫黄、
好ましくは窒素及び非過酸化性酸素、最も好ましくは非
過酸化性酸素から選択される。任意に、これらの化合物
は20個以下の炭素原子と4個以下のヘテロ原子をそれそ
れ含有する10個以下のアリール基を含有してもよい。ま
た、アルファー位置以外の位置にヘテロ原子置換を有す
るオレフィン化合物でも、遷移金属オレフィンメタセシ
ス触媒の存在中で異性化を起こしてアルファー位置にヘ
テロ原子を有するオレフィンを得ることが出来るのであ
れば、本発明の共触媒と考えられる。遷移金属化合物の
存在中でのオレフィン異性化は当業者に公知である。
アルファーヘテロ原子として窒素を有するオレフィン
としては、窒素はアミノタイプの窒素である。これらの
オレフィンはエナミンとして示される化合物群に属し、 を有する。エナミンの代表的な例としては、2−ピロリ
ン、ピロール、1−ピロリジノ−1−シクロヘキセン、
1−ピロリジノ−1−シクロペンテン、1−モルホリノ
−1−シクロヘキセン等がある。
アルファーヘテロ原子の基として酸素を有するオレフ
ィンについて、酸素は非過酸化性エーテルタイプの酸素
である。これらのオレフィンはビニルエーテルとして示
される化合物の群に属し、 を包含する。ビニルエーテルの代表的な例としては、3,
4−ジヒドロ−2H−ピラン、2,3−ジヒドロフラン、フラ
ン、5,6−ジヒドロ−4−メトキシ−2H−ピラン、3,4−
ジヒドロ−2−メトキシ−2H−ピラン、メチリビニルエ
ーテル、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエー
テル、t−ブチルビニルエーテルがある。
アルファーヘテロ原子として硫黄を有するオレフィン
について、硫黄は2価のチオエーテルタイプの硫黄であ
る。これらのオレフィンはビニルチオエーテルとして示
される化合物の群に属し、 を包含する。ビニルチオエーテルの代表的な例として
は、チオフェン、2−メチルチオフェン、3−メチルチ
オフェン、1,2−ジヒドロチオフェン、ビニルメチルス
ルフィド、ビニルブチルスルフィドがある。
非アルファーヘテロ原子基置換オレフィンについて、
ヘテロ原子基は前述に規定したとおりである。これらの
オレフィンは遷移金属オレフィンメタセシス触媒存在時
にアルファーヘテロ原子基置換オレフィンと再配置する
ことが可能である。従って、7−オキサノルボルネン
(7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン)、
アリルエーテル、架橋先端の炭素がビニルエーテル構造
への異性化を不可能にするので本発明の共触媒とは考え
られない。本発明の共触媒である非アルファーヘテロ原
子基置換オレフィンの代表的な例としては、2,5−ジヒ
ドロフラン、1,3−ジオキセプ(dioxep)−5−エン、
3−ピロリン、アリルスルフィド、アリルアミン、アリ
ルシクロヘキシルアミン、アリルエーテル、アリルエチ
ルエーテル、アリルメチルスルフィド、アリルプロピル
エーテルがある。
遷移金属化合物とヘテロ原子含有アルケンを含有する
組成物はオレフィンメタセシス重合の高速化、誘導時間
の短縮、及びポリマー収率の向上等の利益を提供するこ
とができる。
遷移金属化合物、任意の共触媒及びモノマーを含有す
る重合性組成物は更に有機官能基、例えばアルコール、
アルデヒド、カルボン酸、エーテル、芳香族環、ケト
ン、エステル、シアノ、アミド、アミン、ホスフィン、
スルフィド、チオール等を有する化合物を含有してもよ
く、このような化合物は自然に生じても又は不純物とし
て存在しても良く、また溶媒、安定化剤、酸化防止剤、
pH調整剤、着色剤、顔料又は染料、充填剤、流動剤、可
塑剤、粘着補助剤、流動剤、乳化剤等の成分の1つに故
意に添加しても良い。非反応性溶媒を任意に用いてもよ
く、これらは前述のような官能基を含有しても良い。こ
れら任意に存在するアジュバントは90重量%以下、好ま
しくは50重量%以下の量存在する。
遷移金属化合物は重合性組成物総重量の0.0001〜10
%、好ましくは0.0005〜5%、最も好ましくは、0.0005
〜2%の範囲の量を使用してもよい。
任意に、本発明の共触媒を添加してもよい。共触媒は
遷移金属含有化合物1モルに対しての0.001〜1000モ
ル、好ましくは0.01〜100モル、最も好ましくは0.1〜10
モルの範囲の量を存在してもよく、ただし、遷移金属化
合物と共触媒の総量は重合性組成物の総重量の20%を越
えず、好ましくは共触媒は5%を越えず、最も好ましく
は2%を越えない。
本発明の組成物の調製において、遷移金属含有化合
物、モノマー、任意の共触媒、及び任意のアジュバント
はいかなる順序で混合しても良い。オレフィンメタセシ
スは約−78〜400℃、好ましくは0〜300℃、最も好まし
くは15〜150℃の範囲の温度で生じる。当業者は触媒が
反応条件下で熱分解しないかぎり、高温ほど早い反応速
度が得られると考えているであろう。この方法は任意に
光分解による活性化を用いても良く、従って高速化又は
収率の改良又は他の利益を反応混合物の1以上の成分へ
の光照射を、のこりの処理に対していかなる組合せでい
かなる順序で行うことによって達成しても良い。光分解
を用いる方法に特有の利益を以下に議論する。光分解後
の加熱の2段階処理が好ましい。
前述した1成分の触媒を用いた重合性組成物における
好ましい実施態様では化学線を用いて触媒活性を改良し
ても良い。ハロゲン含有共触媒(例えば四塩化炭素、Al
Cl3又はZrCl4)を必要とする従来の光活性化オレフィン
メタセシス触媒とは対照的に、共触媒が必要でない。本
発明の組成物はこれらの化合物がない。本発明の遷移金
属化合物は光化学的に置換活性リガンドを有する。本発
明の実施に好適な光化学的に置換活性リガンドとしては
一酸化炭素、アジド、ニトリル類、オキサレート、アレ
ン類、オレフィン類、ジヒドロゲン、ホスフィン類、ホ
スフィト類等がある。他の光置換活性基は当業者に明ら
かである。好ましい光置換活性リガンドとしては一酸化
炭素、アレン類、ニトリル類、及びオレフィン類及びジ
オレフィン類(例えば、シクロオクタジエン、ノルボル
ナジエン、及びエチレン)がある。これらのリガンドを
含有する有用な化合物は市販入手できまたは、化学文献
に記載されている。
化学線を用いる本発明の組成物及び方法は重合速度の
高速化等の利益を提供することができる。光分解時によ
り活性な触媒を生成することは特に有効で、触媒活性を
トリガーする能力に基づく処理制御において本質的な改
良を提供する。従って、反応混合物が化学線から保護さ
れていれば、これを未重合状態で調製し保持することが
でき、その後必要なときに必要な場所で光照射工程で重
合させることができる。この処理の必要性と光発生触媒
の利益は当業者には明らかである。
他の実施態様では、前述した本発明の組成物の重合方
法は熱を用いてもよい。
任意に、共触媒を熱又は光化学的に活性な遷移金属化
合物とともに使用して改良された触媒活性又は触媒作用
を提供しても良い。
環状モノマーのオレフィンメタセシス重合経由で形成
されたポリマーは成形物品、エラストマー、誘電性支持
体、イオン泳動又は生物学的に活性な材料、コンポジッ
ト材料、被覆物品等として有用である。重合性又は重合
した組成物は公知の方法で支持体(例えば、ポリマー、
紙、金属、ガラス、及びセラミック)上に被覆形成する
ことができる。
本発明の目的及び利益は更に以下の実施例によって例
示されるが、これらの実施例で示す特定の材料及びその
量は他の条件及び細部と同様に本発明を不当に限定する
ことを意図するものではない。
実施例 本実施例全体を通じて以下の略称を使用する。
NB=ノルボルニレン(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−
エン) NBD=ノルボルナジエン GBL=ガンマー−ブチロ−ルアクトン(butyrolactone) Ru−1=[Ru(シメン)Cl2 Ru−2=[C6H6)Ru(CH3CN)2Cl]+PF6 - Ir=[Ir(COD)Cl] Ir−2=市販の[Ir(シクロオクテン)2Cl] Ir−3=Ir(CO)(acac) Cp=eta5−シクロペンタジエニル Cp*=ペンタメチルシクロペンタジエニル COD=1,5−シクロオクタジエン acac=アセチルアセトネート cat=触媒 cocat=共触媒 samp=試料 Me=メチル Et=エチル Bu=ブチル Ph=フェニル NM=測定されない 記載しない限りこれらの実施例で使用する全ての材料
はWI、ミルウォーキーのアルドリッチ・ケミカル(Aldr
ich Chemical)社から入手できる。N2OはNJ、イースト
・ラザフォードのマジソン・ガス・プロダクツ(Mathes
on Gas Products)から得られた。全ての有機シラン
共触媒及び3−トリメチルシリルシクロペンテンはPA、
ブリストールのペトラーク・システムズ(Petrarch Sy
stems)から入手できる。Ir−1及びIr−3はMA、ニュ
ーベリーポートのストレム・ケミカルズ(Strem Chemi
cals)社から入手できる。ヨードソベンゼンはCT、ウォ
ーターベリーのファルツ・アンド・バウアー(Pfaltz
and Bauer)から入手できる。シクロヘキシルアセチレ
ンはNY、ロンコンコマのフルカ・ケミカル(Fluka Che
mical)社から入手できる。Cu(BF4)(水中に45
%)はNJ、モリスタウンのアライド・ケミカル(Allied
Chemical)から入手できる。
Cp2Fe+PF6 -は例えばJ.C.スマート(Smart)、B.L.ピ
ンスキー(Pinsky)、ジェイ.アメ.ケミ.ソク.(J.
Amer.Chem.Soc.)、1980年、102、1009〜1015のような
化学文献に見られる方法で調製することができる。
1,3−ビス(5−ヘキセニル)テトラメチルジシロキ
サンの調製は以下のとおりである。マグネットスチーラ
ーを装備し、温度計、還流凝結器及び滴下漏斗を取り付
けた1Lの3口丸底フラスコの窒素で満たし、297.9gの1,
5−ヘキサジエンと約30mgの白金(0)の15重量%1,3−
ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン溶液を
充填した。滴下漏斗に218.3gの1,1,3,3−テトラメチル
ジシロキサンを充填した。フラスコとその内容物を60℃
の温度に温め、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンを
撹拌しながら6時間をかけて滴下した。添加完了後、反
応混合物を更に1時間60℃に保持した。約2gのアクリロ
ニトリルと2gの活性炭を添加し白金触媒を錯体化した。
混合物を室温まで冷却し一晩撹拌した。反応混合物を濾
過し、濾過液の蒸留により133.9g(34%)の所望の生成
物(沸点77〜78℃、0.007mm)を無色透明な液体として
収集した。
使用した溶媒は試薬又は分光グレードであり更に浄化
することなく使用した。すべての市販入手可能な材料は
更に浄化することなく使用した。[Ir(シクロオクテ
ン)2Cl]は「空気感受性」とラベルされているが、
これを受け取った後では空気中で取り扱いし貯蔵され
る。すべてのモノマー、触媒、共触媒、及び溶媒は問題
や不都合なく空気中で取り扱い、使用することができる
ことを記す。また、遷移金属化合物及び任意の共触媒は
水及び空気が厳密に存在しない時に活性化するけれど
も、水分や空気を重合性組成物から除去しない、さもな
ければ空気のみを部分的に除去することを記す。
種々の操作を反応に使用した。実施例を通じてこれら
の操作は以下のとおりである。
操作1:所定の固体又は溶液として所定の量の遷移金属
化合物(典型的には50mg)を空気中の反応容器内に入れ
た。所定どおりに使用される共触媒を添加した。次に環
状モノマーの25重量%溶媒溶液(特に指定しない限り環
状モノマーはノルボルネンであ)を所定量添加し、ポリ
マーの形成時間をモノマー添加時間から測定した。全て
の時間は特に指定しない限り分で示す。
反応は常温(20〜25℃)で通常光中で(室内光)行う
ことができた。ポリマー形成は以下の3つの方法の1つ
で行った。
1−A:所定溶媒がノルボルネンを溶解するがオレフィ
ンメタセシス経由で形成されるポリモルボネンに対して
は貧溶媒である場合には、ポリマーはまず濁った状態で
観察され、続いてポリマー沈澱が形成された。このよう
な溶媒としてはエタノール、ペトロリウムエーテル、及
びエチルアセテートがあった。
1−B:所定溶媒がノルボルネンを溶解しオレフィンメ
タセシス経由で形成されるポリモルボネンに対して良好
な溶媒でかつ、反応が非常に遅い場合には、ポリマーの
形成は反応溶液の少量アリコート(数滴)を取り出し、
これにエタノールを滴下することによって同定した。ポ
リマー形成時には白色の固体ポリマーのストランドが観
察された。この方法で使用する溶媒としてはCH2Cl2及び
トルエンがある。1−C:所定溶媒がノルボルネンを溶解
しオレフィンメタセシス経由で形成されるポリモルボネ
ンに対して良好な溶媒でかつ、反応が方法1−Bと異な
って非常に早い場合には、粘性溶液形成時間、又は次の
「ゲル」(ここでは反応混合物が非常に粘性で流動性で
ないことを意味する)形成時間、又は次の発熱発生(重
合時の負の自由エネルギー変化の結果として反応混合物
温度が観察できるほど増加する)時間を測定した。
ポリマーの収率は真空下で揮発性物質(溶媒及び未反
応モノマー)をすべて除去することによって決定した。
このようにして得られたポリマーの分子量はポリスチレ
ン標準を用いてゲル浸透グロマトグラフィー(GPC)に
よって決定した。
操作2:反応容器を指定の温度に加熱した以外は操作1
と同様であった。
操作3:重合性組成物に窒素又はアルゴンを通してバブ
リングする技術によって重合性組成物からいくらかの酸
素を除去した以外は操作1と同様であった。この技術は
充分の量の水を除去するものではなかった。
操作4:重合性組成物を、指定しないかぎり、又は特定
しないかぎり、366nmの主出力を有する紫外線ランプ(N
Y、ウェストベリーのスペクトリニクス・コーポレーシ
ョン(Spectronics Corporation)のスペクトロライン
・モデル(Spectroline Model)EN−280L;又はCA、サ
ン・ガブリエルのウルトラバイオレット・プロダクツ
(Ultraviolet Products)社のモデルUVGL−25ミネラ
ライト(Mineralight)ランプで、これらは366又は25
4nmの光照射をするのに使用することができる。又はオ
ハイオ、クレーブランドのゼネラル・エレクトリック
(General Electric)の2つの15ワットブラックライ
ト、BL又はBLB、又はNJ、サマーセット、フィリップス
(Pillips)又はNH、エクセター、シルバニア(Sylvani
a)/GTE)を用いて光照射した以外は方法1と同様であ
った。溶媒に依存して、操作1に記載したような方法と
類似の方法、即ち貧反応溶媒からの沈殿(4−A)、エ
タノールに添加される良好な溶媒におけるアリコートか
らの沈殿(4−B)、又は粘度増加、ゲル化又は発熱
(4−C)により白濁を生じさせることによってポリマ
ーを得た。
操作5:重合性組成物を紫外線(操作4のような)照射
する以外は操作3と同様であった。
これら操作からの発展は適宜示す。
実施例1 この実施例は本発明の(Ar)M(N≡CR32X+触媒の
合成を例示する。
[(η−C6H6)RuCl2錯体はM.A.ベネット及び
A.K.スミスのジェイ.ケイ.ソク.ダルトン.トラン
ス.1972年、233〜241のように調製した。この錯体(0.5
0g、1.00mmol)とLiBF4(2.10mL、2.10mmol)の1.0モル
CH3CN溶液をエルレンマイヤーフラスコ内の25mLのCH3CN
中に入れた。特別な事前注意をすることなく空気を排除
した。褐色の懸濁液を12時間撹拌し、次いで濾過して無
色の沈殿物を取り除いた。オレンジ色の濾液を濃縮し、
固体へとエチルエーテルをゆっくりと生成物のCH3CN溶
液中に拡散さすことによって分別結晶して、オレンジ色
のプリズム状の[(η−C6H6)RuCl(CH3CN)+BF
4 -を0.63g(82%)得た。分光分析及び成分分析で所望
の化合物の存在を確認した。
[(η−C6H6)RuCl2錯体(0.50g、1.0mmol)
とNH4PF6(0.34g、2.10mmol)を25mLのCH3CN内に懸濁さ
せ12時間撹拌した。前述の反応操作によって0.74g(84
%)の[(η−C6H6)RuCl(CH3CN)+PF4 -のオレ
ンジ色の結晶を得た。分光分析及び成分分析で所望の化
合物の存在を確認した。
[(η−C6H6)RuCl2錯体(0.50g、1.00mmol)
とKAsF6(0.48g、2.10mmol)を前述のように反応させ、
0.88g(91%)の[(η−C6H6)RuCl(CH3CN)+A
sF6 -の黄色〜オレンジ色の針状結晶を得た。分光分析及
び成分分析で所望の化合物の存在を確認した。
実施例2 この実施例は1成分の9族含有触媒の使用を例示す
る。
[Ir(RO2CHC=CHO2R)2Cl](式中、Rはエチル又
はH)を、A.ファン・デア・エント(van der Ent)
とA.L.オンデルデリンデン(Onderdelinden)により無
機合成(Inorganic Synthesis)、28、90〜92中のIr−
2の合成用に記載されている方法に従って、シクロオク
タン中に入れた0.5gのK3IrCl6(水和物)、7.5mLのH
2O、2.5mLの2−プロパノールン、及び1.7mLのジエチル
マレエートを用い、窒素下70〜75℃で4時間反応混合物
を保持することによって調製した。少量のH2Oを添加
し、水/プロパノール溶液をピペットで取り出した。残
った油状残渣は分光分析及び成分分析が示すように、少
量の未反応ジエチルマレエート、幾分かの−CO2H基(エ
チルエステルの加水分解から)及び幾分かの−CO2Et基
及び19〜20重量%のイリジウムを含有していた。
この生成物2mgをエチルアセテート内の10mLのNB中に
入れ(操作1)、8分後、反応容器全体を満たすポリマ
ー沈殿物を得た。これは明らかに発熱であった。比較例
として、触媒(Ir−2)を用いた同じ操作は16分を用し
て同じ結果を得た。
実施例3及び4は末端アルキン共触媒を用いる利益を
例示する。
実施例3 この実施例は、10mLのNB中に5mgのRu−1を有する25
重量%のCH2Cl2溶液を用いて、操作1を用いての末端ア
ルキン共触媒の使用を例示する。試料Bは5μLのフェ
ニルアセチレン共触媒を含有していた。データを以下の
表Aに示す。
表Aのデータは重合が末端アルキン共触媒存在時のほ
うが早いことを示している(試料BはAより早い)。
実施例4 この実施例は光分解方法を用いた末端アルキン共触媒
の使用を例示している。操作5を用い、試料A〜D用に
は25kgのW(CO)触媒、1.0gのNB、及び2mLの溶液
を、試料E〜J用には2mLのNBD(溶媒なし)中の30mgの
W(CO)、及びを用いた。重合速度はゲル形成時間を
測定することによって決定した。試料Aは光照射せず比
較例の目的で存在する。試料Bも比較例の目的で存在す
る。データを以下の表Bに示す。
表Bのデータから見ることができるように、試料C及
びDは光照射しなかった試料Aに比べて光照射が重合速
度と収率を改良していることを示した。試料C及びDは
共触媒を使用しなかった試料Bに比べて改良されたポリ
マー収率を示した。試料F〜Jは種々の末端アルキン類
の使用が試料Eに比べて環状オレフィンのメタセシス重
合速度を向上させたことを示した。
実施例5〜7は有機シラン共触媒の使用における利益
を例示する。
実施例5 この実施例は少なくとも1つのシリコン結合アルケニ
ル基を有する有機シランの触媒活性及び安定性における
効果を例示する。
操作1を用い、2.0mLのCH2Cl2中の10mgのIr−2を用
いた。調製後すぐにこの触媒溶液0.25mLをCH2Cl2中の2
0.0gのモノマーに添加し、ゲル化時間(方法1−C)を
測定した。この測定を触媒溶液調製後10分と、触媒溶液
調製後2時間に再度行った。28mgの1,3−ビス(5−ヘ
キセニル)テトラメチル−ジシロキサン(共触媒A)を
Ir−2溶液に添加した後に使用した以外は前述の一連の
3つの実験を繰り返した。43mgの1,3,5,7−テトラビニ
ルテトラメチルシクロテトラシロキサン(共触媒B)を
Ir−2溶液に添加した後に使用した以外は前述の一連の
実験を再度繰り返した。
表Cのデータは共触媒A及びBのそれぞれが溶液中で
触媒を安定化させたことを示している。共触媒Bは特に
有効な安定化剤であり、触媒活性を増加させ、ゲル化時
間短縮に影響し、いくつかの用途で好適であった。
実施例6 この実施例は の少なくとも1つを有する有機シラン共触媒の触媒安定
性における効果を例示する。
約3mLのCH2Cl2が3.1mgのIr−2を完全に溶解するのに
必要であった。溶解度の改良を試験するために、20.6mg
のIr−2を0.4mLのCH2Cl2と混合したが、大量の材料が
溶解せずに残った。0.1mLの1,3−ジビニルテトラメチル
−ジシロキサン(DVTMDS)を混合物に添加し、ほぼすべ
てのIr−2化合物材料を溶解し、僅かに濁った溶液を得
た;共触媒が約40倍(factor)遷移金属化合物の溶解度
を増加させた。類似の実験は他の有機シラン共触媒の存
在中での触媒の改良された溶解度を示すものであり、以
下の表Dに示す。
実施例7 この実施例は改良されたポリマー収率と分子量におけ
る改良された制御性が有機シラン共触媒により提供され
ることを例示するものである。
CH2Cl2を溶媒として用い、操作1を使用した。データ
を以下の表Eに示す。
表Eのデータが示すように、より高いポリマー収率が
有機シラン共触媒の存在中で得られた。また、有機シラ
ン共触媒の存在中での分子量はより低くなった。試料A
で生じるような制御されない方法での高分子量の形成
は、ポリマー溶液が高粘度になり過ぎて扱えなくなるの
で好ましくない。
実施例8〜12は酸化的共触媒を使用する利点を例示す
る。
実施例8 この実施例は酸化的共触媒としてフェリセニウム塩の
存在中での環ひずみのある環状オレフィンの重合速度の
向上を例示する。
溶媒としてCH2Cl2を用いて操作1に従って、5mgのRu
−1を含有するそれぞれの試料を0.25ml及び10mLのモノ
マー溶液に溶解した。試料Aは他の添加剤を含まなかっ
た。試料Bは前述のものに加えて、0.5mLのガンマー−
ブチロラクトン(GBL)を含有した。試料Cは更に0.5mL
のGBL(鉄塩はCH2Cl2中に単独では溶解しない)中に溶
解した3mgのCp2Fe+PF6 -を含有した。試料Dはノルボル
ニレン溶液と0.5mLのGBL中に溶解した4mgのCp2Fe+PF6 -
を含有し、Ru−1を含有しなかった。試料を方法1−A
で実験した。ポリマー形成時間を表Fに示す。試料A、
B及びDは比較例用に存在する。データを以下の表Fに
示す。
表Fのデータは、Ru−1の存在中でのポリ(ノルボル
ニレン)が得られる時間が少なくともフェリセニウム塩
(試料C)の存在中では、ラクトン(環状エステル)を
含有する試料A又はBに比べて1ケタ短縮されているこ
とを示した。酸化的共触媒フェリセニウム塩はそれ自身
は触媒ではなかった(試料D)。
実施例9 この実施例は9族含有触媒用のフェリセニウム塩存在
中での重合速度の向上を例示する。CH2Cl2溶媒を用いて
操作1(及び1B)を使用した。データを以下の表Gに示
す。試料A及びBは比較的用に存在する。
ポリマーは方法1−Bにより観察された。
表Gのデータが示すように、フェリセニウム塩の酸化
的共触媒とIr−1を用いて重合速度の高速化が観察され
た。GBLを試料Bに添加して適度な反応速度とより正確
な比較が得られた。GBLの添加は重合速度を表す。
実施例10 この実施例は、表Hに示すように、種々の酸化的塩共
触媒が種々の遷移金属触媒と共に有用であることを例示
する。
表Hのデータは例示する触媒(Ir−1、Ir−2、Ru−
1)と酸化的塩共触媒によって、共触媒の存在しないと
きの速度に比べて反応速度が早まることを示している。
試料B及びCを試料A(共触媒なし)と比較し、試料E
と試料D(共触媒なし)と比較し、試料Gを試料F(共
触媒なし)と比較すると、共触媒の使用は重合速度を著
しく増加させることを示している。E及びFではエステ
ル置換モノマーを用いた。同様に、試料I〜Lを試料H
(共触媒なし)と比較し、試料Nを試料M(共触媒な
し)と比較すると、共触媒を使用した場合の重合速度が
増加していることを示している。ここで試料D〜Nはす
べて溶媒(エチルアセテート)中に有機官能基を含有し
ていることを記載する。
実施例11 この実施例は6族含有金属触媒と共に酸化的共触媒の
使用を例示する。また光分解の使用を行うことを例示す
る。操作3及び5に従って、それぞれの試料は触媒とし
て、W(CO)と、トリス(4−ブロモフェニル)アミ
ニウムヘキサクロロアンチモネート共触媒(以下の表I
の「アミニウム」)、及びトルエン溶媒中の50重量%の
NBを含有した。
試料AとBの比較は改良されたポリマー収率が酸化的
共触媒と光分解とにより得られることを示している。
実施例12 この実施例は酸素を非酸素2重結合に有する酸化的共
触媒の使用を例示する。データを以下の表Jに示す。
表Jのデータは酸素を非酸素2重結合に有する酸化的
共触媒を使用したときに重合速度の高速化が観察される
ことを示している。これは試料B及びCを試料Aと比較
して、及び試料Eを試料Dと比較したときに見ることが
できる。
実施例13及び14はヘテロ原子含有アルケン共触媒の使
用の利点を例示する。
実施例13 この実施例はヘテロ原子含有アルケンの使用と、2段
階工程の1段階において光分解を使用する方法を例示す
る。
操作3を用いて、0.183gのW(CO)、0.037gのエチ
ルビニルエーテル共触媒、及び15mlの1,2−ジクロロエ
タンを含有する試料を調製し、20分間光照射した。この
間、明るい黄色が現れた。光照射した溶液の3mlアリコ
ートを暗所で窒素下で脱気したノルボルナジエン5gを含
有する別の容器に入れた。(暗所で)15分以内に非常に
膨張したポリノルボルナジエンゲルを得た。0.081gの固
体ポリマーを単離した。
実施例14 この実施例はヘテロ原子含有アルケンと8及び9族遷
移金属含有化合物との使用を例示する。
それぞれの試料は操作1に従って調製した。重合速
度、収率及び/又は分子量を測定し以下の表Kに示す。
表Kにおいて試料A及びBの比較はヘテロ原子含有ア
ルケン共触媒の使用がより早い重合速度、より高いポリ
マー収率、及びより良好な得られるポリマーの分子量の
制御性を提供することを示している。試料D〜Gを試料
Cと比較すると、ヘテロ原子含有アルケン共触媒により
より早い重合速度に達することを示している。
実施例15〜17は光分解を使用する方法の利点を例示す
る。
実施例15 この実施例は1成分触媒(共触媒なし)を含有し、溶
媒を含有しない重合性組成物の為の光分解を使用する方
法を例示する。試料は0.020gのW(CO)、と5.00gのN
Bを含み、融解して触媒を溶解し、薬びん内に窒素をパ
ージしてその後封止した。試料を50℃で(融解状態で)
30分間光照射して、その後、光照射せずに50℃で更に16
時間保持した。薬びん内の濁った粘性の液体を1H及び13
CNMR(核磁気共鳴スペクトル)で確認したところ、これ
はシス型ポリノルボルナジエン優勢であることを示した
(K.J.イビン(Ivin)、D.T.ラベルティ(Laverty)及
びJ.J.ルーニー(Rooney)、マクロモル.ケミ.(Makr
omol.Chem.)1977年、178、1545〜1560の一般的スペク
トルに比べて)。例示の試料を光照射せずに16時間50℃
で保持したものは、1H及び13CNMRによれば単にノルボル
ニレンを示した。
この実施例は1成分触媒と環状オレフィンを含有する
重合性組成物は光分解を使用する方法によって重合させ
ることができることを示している。特に有益なことには
この実施例では重合は光分解なしでは生じず、即ち所望
時間まで重合性組成物の重合を防止し、光分解によって
重合を開始し又はトリガーすることができることであ
る。
実施例16 この実施例は6族遷移金属化合物を含有する種々の1
成分及び2成分触媒の使用を例示している。これは光分
解を使用したときにより大きな活性を示した。1成分触
媒についてのデータを以下の表Lに示し、2成分触媒に
ついてのデータを前記表B及びIに示した。
表Lのデータはポリマー収率は光分解を1成分触媒と
共に使用したときにより高くなることを示している(試
料BをAと比較)。
前記表Bのデータは(試料DをAと比較)末端アルキ
ン共触媒の存在中で光分解するとポリマー収率及び速度
が向上することを示している。表Iでは試料B(光照
射)は酸化的塩共触媒の存在中で試料A(暗所)よりも
高いポリマー収率を与えた。
実施例17 この実施例は7及び8族遷移金属含有化合物を含有す
る種々の1成分触媒の使用を例示している。試料は調製
しポリマー形成時間を測定した。以下の表Mに結果を示
す。
表Mでは、試料A及びB(これらはBを試料E、G、
及びIと同様に光照射したしたこと以外は同じ)の比
較、DとE、FとG、及びHとIの比較は重合速度は試
料を光照射したときに早くなることを示している。市販
のRuCl3・xH2Oを使用した試料Cは従来技術に対する比
較例の目的で存在する。2時間で試料Cで形成された沈
澱の量は試料Aで形成された沈澱の量よりも多い、即ち
光照射しなければ(試料B)Ru−2はRuCl3より遅い。
幾つかの工程では、暗時と光照射時の速度の差が大きい
ことが好ましい。
実施例18 この実施例は本発明の重合性組成物を用いた自己支持
シート等の物品の形成を例示する。
21mgのIr−1を4.6gのCH2Cl2中に入れた。Et2SiH2(3
9mg)を添加し、Ir化合物を溶解した。5.51gのジシクロ
ペンタジエン(約16時間アルミナ上で保存して着色した
不純物を除去した)を添加した。この思料の一部をパン
の上に広げ1mm厚さ以下の液体フィルムを生成した。次
にパンを100℃に加熱した。5分以内に固体を形成し、
パンから剥離して自己支持シートを生成した。シートは
特別な注意をすることなく取り扱うことが出来るほど充
分に可撓性で靭性であり、即ち壊れ易くも脆くもなかっ
た。
本発明の範囲及び精神から逸脱することなく本発明の
改良及び変更は当業者にとって明らかであり、本発明は
前述のような例示的な実施態様に不当に限定されないも
のと解されるべきである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 パラゾット、マイケル・シー アメリカ合衆国 55133―3427、ミネソ タ州、セント・ポール、ポスト・オフィ ス・ボックス33427番、(番地の表示な し) (72)発明者 ラマンナ、ウィリアム・エム アメリカ合衆国 55133―3427、ミネソ タ州、セント・ポール、ポスト・オフィ ス・ボックス33427番、(番地の表示な し) (72)発明者 ボードマン、ラリー・ディー アメリカ合衆国 55133―3427、ミネソ タ州、セント・ポール、ポスト・オフィ ス・ボックス33427番、(番地の表示な し) (72)発明者 ゴズム、ジョン・イー アメリカ合衆国 55133―3427、ミネソ タ州、セント・ポール、ポスト・オフィ ス・ボックス33427番、(番地の表示な し) (72)発明者 マコーミック、フレッド・ビー アメリカ合衆国 55133―3427、ミネソ タ州、セント・ポール、ポスト・オフィ ス・ボックス33427番、(番地の表示な し) (56)参考文献 Makromolekulare C hemie,Macromolecul ar Chemistry and P hysics vol.187,No.3, p619−632(1986) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 61/06 - 61/08 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】a)少なくとも1つの環ひずみのある非共
    役環状オレフィンと、 b)空気及び水分安定性である1成分又は2成分遷移金
    属含有触媒と を含有する重合組成物であって、 1)前記1成分の遷移金属含有触媒は (a)式:(L1)(L2)Q (式中、QはMo又はWを表し; L1は1〜6のCO(カルボニル)リガンドを表し; L2は0〜5のリガンドを表し、L2はそれぞれ独立して非
    イオン性化合物又は少なくとも1つのポリマーユニット
    であって、それぞれ2、4、又は6電子を金属に提供
    し、L1とは異なっている; ここでQの価電子及びリガンドL1及びL2により提供され
    る電子の合計は18である) (b)少なくとも1つのポリエンリガンドを有するカチ
    オン性有機金属Ru及びOs含有塩、及び (c)[Ir(RO2CHC=CHCO2R)2Cl] (式中、Rはそれぞれ独立して水素、低級アルキル(C1
    〜C4)であり、ただし、金属の酸化状態は+3〜0の範
    囲内でC−ハロゲン結合を含有する共触媒は存在しな
    い) からなる群から選択され、 2)前記2成分の触媒は、 (a)遷移金属含有触媒(ただし、遷移金属の酸化状態
    は+3〜0の範囲内である)と、 (b)(i)末端またはシリルアルキル類、 (ii)少なくとも1つの を含有する有機シラン類、 (iii)酸素を非酸素2重結合に有する酸化的塩又は酸
    化的化合物、及び (iv)ヘテロ原子含有アルケン類、 からなる群から選択される共触媒とを含有する重合性組
    成物。
  2. 【請求項2】a)請求項1に開示した組成物を提供する
    工程と、 b)任意に熱及び化学線の少なくとも一方の存在下に、
    前記組成物を重合させる工程と、 を包含する環ひずみのある環状オレフィン類の重合方
    法。
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