JP3159137B2 - 出力バッファ回路 - Google Patents

出力バッファ回路

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体集積回路の出
力バッファ回路に関し、特に大電流で容量性負荷を駆動
する出力バッファに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の出力バッファ回路は、図
5に示すように、図外の第1の電源VDD1と第3の電
源VSSとの間で変化されて入力端子INに入力される
入力信号を、複数のインバータINV1〜INV4で構
成されてその所定のタイミングで次段に伝える出力制御
部1と、複数のPチャネルMOSトランジスタP1,P
2とNチャネルMOSトランジスタN1,N2で構成さ
れて低圧信号を高圧信号に変換するレベルシフト部2
と、このレベルシフト部2の出力を受けて出力端子OU
Tに出力する出力バッファ部3とで構成されている。こ
の出力バッファ部3は、ソースが第1の電源VDD2に
接続され、ドレインが前記出力端子OUTに接続される
PチャンネルMOSトランジスタP3と、ソースが第3
の電源VSSに接続され、ドレインが前記出力端子OU
Tに接続されるNチャンネルMOSトランジスタN3と
で構成されており、前記PチャンネルMOSトランジス
タP3のゲートに前記レベルシフト部3の出力が入力さ
れ、前記NチャンネルMOSトランジスタN3のゲート
に前記出力制御部1の一部の仁が入力されている。
【0003】この出力バッファ回路では、入力信号に応
じてPチャンネルMOSトランジスタP3とNチャンネ
ルMOSトランジスタN3とを相補的に切り換え、出力
端子OUTを介して負荷容量CLを駆動する。すなわ
ち、図6に示すように、入力端子INの入力信号のレベ
ルがVDD1とVSSの間で変化されると、Pチャンネ
ルMOSトランジスタP3のゲート信号S1のレベルが
VDD2とVSSの間で変化され、これに伴って出力端
子OUTの出力信号がVDD2とVSSの間で変化され
る。ここで、出力制御部1、レベルシフト部2のMOS
トランジスタP1,P2,N1,N2と、出力バッファ
部3のPチャンネルMOSトランジスタP3、Nチャン
ネルMOSトランジスタN3の各幾何学的寸法は、入力
信号INの変化に対する出力端子OUTの電圧レベル変
化の時間差である遅延時間と、出力バッファ部3の電流
駆動能力との仕様を満たすように決定される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の出力
バッファ回路においては、大電流駆動に対応して出力バ
ッファ部3を構成するMOSトランジスタP3,N3の
ソース・ドレイン間抵抗を小さくするようにそのゲート
幅を決定したとき、出力端子OUTがVSSレベルから
VDD2レベルに変化する際にノイズが発生し、その出
力バッファ回路を有する半尊体集積回路を誤動作させて
しまうという問題が生じることがある。この理由は、前
記したように出力バッファ部3を構成するMOSトラン
ジスタP3,N3のソース・ドレイン間のオン抵抗を小
さくしているため、出力端子OUTのVSSレベルから
VDD2レベルへの変化が急峻になりすぎるためであ
る。したがって、従来ではこれらトランジスタのオン抵
抗を小さくすることには制限があり、結果として大電流
駆動に対応することが難しいという問題がある。
【0005】本発明の目的は出力バッファ回路を構成す
るMOSトランジスタのソース・ドレイン間のオン抵抗
を小さくする一方で、出力スイッチング時のノイズの発
生を低減し、大電流駆動に対応可能な出力バッファ回路
を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の出力バッフア回
路は、第1の電源と出力端子との間に設けられる第1の
第1導電型のMOSトランジスタと第2の電源と出力端
子の間に設けられる第2導電型のMOSトランジスタと
を有して、出力端子に接続された負荷を入力信号に応じ
て駆動する出力バッファ回路において、前記第1の第1
導電型のMOSトランジスタと並列に、ゲート幅の小さ
な第2及び第3の第1導電型のMOSトランジスタを並
列に接続し、入力信号により前記第2及び第3のMOS
トランジスタによって出力を変化させ、かつ入力信号と
出力信号と基準電圧とを比較した出力でゲート幅の大き
な第1のMOSトランジスタを駆動する構成とする。
【0007】この出力バッファ回路においては、第1の
MOSトランジスタと並列に接続されている、ゲート幅
の小さな第2及び第3のMOSトランジスタで出力を変
化させるため、出力のスイッチング時の負荷への充電電
流が低く抑えられ、出力変化が緩やかになりノイズの発
生を低減することができる。また、出力のスイッチング
動作後にゲート幅の大きな第1のMOSトランジスタ
オンするため、出力バッファ回路のソース・ドレイン間
のオン抵抗を低くし、大電流駆動を実現することが可能
とな
【0008】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態を図面を
参照して説明する。図1は本発明にかかる参照例の出力
バッフア回路の回路図である。入力端子INに入力され
る入力信号は複数のインバータINV1〜INV4で構
成される出力制御部1に入力され、そのうちインバータ
INV1,INV3の出力はレベルシフト部2に入力さ
れ、インバータINV4の出力は出力バッファ部3に入
力される。前記レベルシフト部2は、PチャンネルMO
SトランジスタP1,P2とNチャンネルMOSトラン
ジスタN1,N2で構成されており、前記インバータI
NV1,INV3の各出力がNチャンネルMOSトラン
ジスタN1,N2の各ゲートに入力される。また、前記
PチャンネルMOSトランジスタP1,P2はゲートと
ドレインが互いにたすき掛け状に接続されている。
【0009】前記出力バッファ部3は、第2導電型のM
OSトランジスタであるNチャンネルMOSトランジス
タN3と、第1導電型の第1ないし第3のMOSトラン
ジスタであるPチャンネルMOSトランジスタP3,P
4,P5と、遅延用回路G1とで構成されている。そし
て、前記レベルシフト部3の前記PチャンネルMOSト
ランジスタP2のドレインとNチャンネルMOSトラン
ジスタN2のドレインの接続端が、出力バッファ部3の
前記PチャンネルMOSトランジスタP4のゲートと前
記遅延用回路Glの入力端子に共通に接続されている。
前記遅延用回路Glの出力端子は前記PチャンネルMO
SトランジスタP3のゲートに接続されている。また、
前記PチャンネルMOSトランジスタP4,P3のソー
スは第2の電源VDD2に接続され、前記Pチャンネル
MOSトランジスタP4のドレインは前記Pチャンネル
MOSトランジスタP5のソースに接続されている。さ
らに、前記PチャネルMOSトランジスタP5のゲート
はドレインと接続されている。前記PチャンネルMOS
トランジスタP5,P3のドレインとNチャンネルMO
SトランジスタN3のドレインは出力端子OUTに接続
されている。このNチャンネルMOSトランジスタN3
のゲートには、前記出力制御部1のインバータINV4
の出力が接続されている。
【0010】ここで、前記出力バッファ部3のPチャン
ネルMOSトランジスタP3,P4,P5においては、
そのゲート幅がPチャンネルMOSトランジスタP4,
P5では小さく、またPチャンネルMOSトランジスタ
P3ではこれよりも大きくなるように設計、製造されて
いる。
【0011】次に、図1の出力バッフア回路の動作につ
いて説明する。図2は図1の出力バッファ回路の動作を
示すタイミング図である。まず、入力端子INの入力信
号がVSSのとき、すなわちロウレベルの時、出力制御
部1を構成するインバータ回路により、NチャンネルM
OSトランジスタNl,N3のゲートはハイレベルとな
り、各トランジスタは導通状態、すなわち、オンとな
り、またNチャンネルMOSトランジスタN2のゲート
はロウレベルとなり、トランジスタは非導通状態、すな
わちオフとなる。この時、PチャンネルMOSトランジ
スタP4,P3のゲートSl,S2はハイレベルとなる
ため、オフとなり出力端子OUTにはVSSレベルが出
力される。
【0012】そして、入力端子INの入力信号がロウレ
ベルからハイレベルに変化すると、出力制御部1の出力
によりNチャンネルMOSトランジスタNl,N3のゲ
ートはロウレベルとなりオフとなる。また、Nチャンネ
ルMOSトランジスタN2のゲートはハイレベルとなり
オンとなる。この時、PチャンネルMOSトランジスタ
P4のゲートSlがロウレベルとなり、オンとなってド
レインS3の電圧が上昇する。この時、出力端子OUT
はVSSレベルであるためPチャンネルMOSトランジ
スタP5はオンとなり出力端子OUTはVDD2レベル
へと上昇し始める。しかし、PチャンネルMOSトラン
ジスタP4,P5のゲート幅は小さいため、その出力変
化は比較的緩やかなものとなる。さらに、出力端子OU
TがVDD2レベルに近づくにつれて、PチャンネルM
OSトランジスタP5のゲート・ソース間の電位差が減
少していくためオフの状態へと近づき、またソース・ド
レイン間の電位差も減少するため、さらに電流駆動能力
を下げていく効果がある。このため、出力端子OUTの
出力信号の立ち上がり波形は、電位が上昇するにつれて
緩やかになっていく。そして最終的にはVDD2レベル
からPチャンネルMOSトランジスタP4のしきい値電
圧VTPを引いた値まで上昇する。
【0013】一方で遅延用回路Glの出力信号S2はP
チャンネルMOSトランジスタP4のゲート信号Slか
らある所定の遅延時間td経過後に立ち下がる。これに
よりPチャンネルMOSトランジスタP3はオンとなり
出力端子OUTの電位はVDD2レベルまで立ち上が
る。遅延用回路Glの遅延時間tdを調整することでP
チャンネルMOSトランジスタP3がオンするタイミン
グを決定することができる。この出力バッファ回路の場
合、出力端子OUTのスイッチング動作時はゲート幅の
小さなPチャンネルMOSトランジスタP4,P5がオ
ンするため、負荷を充電する電流が抑えられノイズの発
生を低減することが可能となる。そしてスイッチング動
作の終了後にゲート幅の大きなPチャンネルMOSトラ
ンジスタP3がオンするため、定常状態時のソース・ド
レイン間のオン抵抗を低くすることができ、また大電流
駆動が可能となる。
【0014】図3は本発明の第1の実施形態の出力バッ
ファ回路の回路図である。この回路で前記参照例と異な
る点は、前記遅延用回路Glの代わりに、所定の基準電
位を発生させる基準電位発生回路G3が設けられている
点と、この基準電位発生回路G3で発生された基準電位
と、前記入力端子INに入力される入力信号と、前記出
力端子OUTの電位を比較する比較回路G2を設けてい
る点であり、特にこの比較回路G2の出力を前記Pチャ
ンネルMOSトランジスタP3のゲート端子に入力して
いる点を特徴としている。なお、比較回路G2の動作は
入力端子INの入力信号のレベルがロウレベルの時は出
力がハイレベルになり、入力端子INがハイレベルの時
は、出力端子OUTが基準電位発生回路G3により決定
されるある所定の基準電位に達したときにロウレベルを
出力するものである。
【0015】図4は図3に示した出力バッファ回路の動
作を示すタイミング図である。この実施形態の回路で
は、PチャンネルMOSトランジスタP4,P5の動作
前記参照例と同様であるが、PチャンネルMOSトラ
ンジスタP3をオンさせるタイミングを出力端子OUT
の電位の上昇の程度により調整することが可能となる。
例えば、出力端子OUTの電位がVDD2レベルの90
%まで上昇したときに出力がロウレベルとなるように比
較回路G2と基準電位発生回路G3を構成した場合、
記参照例と同様に大電流駆動時の立ち上がり動作時のノ
イズを低減することができ、かつソース・ドレイン間の
オン抵抗を小さく抑え電流能力が確保できる。また、出
力端子OUTとVSSの間に接続される外部負荷容量C
Lの値に関係なく最適のタイミングでPチャンネルMO
SトランジスタP3をオンさせることができる。
【0016】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、定常状感
の動作をする第1のMOSトランジスタと、これよりも
ゲート幅の小さいスイッチング動作を行う第2及び第3
のMOSトランジスタとを並列に接続し、入力信号によ
り前記第2及び第3のMOSトランジスタによって出力
を変化させ、かつ入力信号と出力信号と基準電圧とを比
較した出力でゲート幅の大きな第1のMOSトランジス
タを駆動する構成とする事により、出力を緩やかに立ち
上げかつスイッチング動作後の低オン抵抗を実現してい
るので、出力バッファ部のMOSトランジスタのソース
・ドレイン間のオン抵抗を大きくすることなく、出力変
化時のノイズの発生を低減することを可能とし、大電流
での駆動を可能にした出力バッファ回路を得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の出力バッファ回路の参照例の回路図で
ある。
【図2】図1の回路の動作を説明するためのタイミング
図である。
【図3】本発明の出力バッファ回路の第1の実施形態の
回路図である。
【図4】図3の回路の動作を説明するためのタイミング
図である。
【図5】従来の出力バッファ回路の一例の回路図であ
る。
【図6】図5の回路の動作を説明するためのタイミング
図である。
【符号の説明】
1 出力制御部 2 レベルシフト部 3 出力バッファ部 P1〜P5 PチャンネルMOSトランジスタ N1〜N3 NチャンネルMOSトランジスタ INV1〜INV4 インバータ G1 遅延回路 G2 比較回路 G3 基準電圧発生回路 CL 容量負荷

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の電源と第2の電源との間にソース
    ・ドレインが直列状態に接続され、入力信号に応じてオ
    ン、オフ動作される第1の第1導電型のMOSトランジ
    スタと第2導電型のMOSトランジスタを有し、これら
    トランジスタの接続点から出力信号を出力する出力バッ
    ファ部を備える出力バッファ回路において、前記第1の
    第1導電型のMOSトランジスタと並列に、この第1の
    第1導電型のMOSトランジスタよりもゲート幅が小さ
    い第2及び第3の第1導電型のMOSトランジスタが接
    続され、また入力信号の電位と、出力信号の電位と、所
    定の基準電位とを比較する比較回路を備え、前記第2の
    第1導電型のMOSトランジスタのゲートには前記入力
    信号に対応する信号が入力される構成とされ、前記第1
    の第1導電型のMOSトランジスタのゲートには前記比
    較回路の出力が入力されるように構成したことを特徴と
    する出力バッファ回路。
  2. 【請求項2】 第1の電源と出力端子の間に設けられる
    第1のPチャンネルMOSトランジスタと、前記出力端
    子と第2の電源との間に設けられるNチャンネルMOS
    トランジスタと、前記第1のPチャンネルMOSトラン
    ジスタと並列に、第2のPチャンネルMOSトランジス
    タと、ゲートをドレインに接続した第3のPチャンネル
    MOSトランジスタを直列に接続した回路が接続され、
    また入力信号の電位と、出力信号の電位と、所定の基準
    電位とを比較する比較回路を備え、前記第2のPチャン
    ネルMOSトランジスタのゲートには入力信号に応じた
    信号が入力される構成とされ、前記第1のPチャンネル
    MOSトランジスタのゲートには前記比較回路の出力が
    入力されるように構成されている請求項に記載の出力
    バッファ回路。
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