JP3159076B2 - 車両用自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

車両用自動変速機の変速制御装置

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JP3159076B2
JP3159076B2 JP22652696A JP22652696A JP3159076B2 JP 3159076 B2 JP3159076 B2 JP 3159076B2 JP 22652696 A JP22652696 A JP 22652696A JP 22652696 A JP22652696 A JP 22652696A JP 3159076 B2 JP3159076 B2 JP 3159076B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンが被駆動
状態となるパワーオフ状態におけるダウンシフトの挙動
を改善した車両用自動変速機の変速制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車に搭載された自動変速機には、ト
ルクコンバータ(流体継手)と組合わせて、エンジンの
クランク軸に連結した構造がある。こうした自動変速機
は、入力軸と出力軸との変速比を切り換える例えば油圧
式のクラッチやブレーキ等の摩擦係合要素を有し、EC
U(制御装置)で摩擦係合要素を制御して、自動変速機
の歯車機構で構成される変速比を、自動車の運転状態に
応じて任意に切り換えている。
【0003】ところで、自動変速機は、自動車の再加速
(2速)に備えたり、1速発進に備えたりするために、
エンジンがパワーオフ状態でブレーキングして自動車が
停止するとき、例えばエンジンのスロットル開度が全閉
状態で車速が停止まで連続して低下するときは、1速へ
に至るダウンシフト、いわゆるコーストダウンシフトが
行われるようにしてある。例えばブレーキングの途中で
3速→2速の変速を行い、停止する間際で2速→1速へ
の変速が行われるようなシフトパターンはその一例であ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】こうしたコーストダウ
ンシフトは、ブレーキング操作している間を利用、さら
にトルクコンバータの滑りを活用して、運転者にそのシ
フトの挙動を感じさせずに行われる自動変速機内部の歯
車機構の復帰動作であるから、できる限り運転者に違和
感を与えずに終了することが求められる。
【0005】そのためには、図9(a)に示されるよう
にスロットル開度が全閉時のエンジン回転数、具体的に
は最終的な回転数となるアイドル回転数の近傍で、3速
→2速の変速を行うことが望ましい。
【0006】ところで、エンジンのアイドル回転数(=
エンジン回転数)は、冷間時に行われるファストアイド
ルやエンジンによる補機の補償のためなどにより、通常
のアイドル回転数より高い回転数に設定されることがあ
る。
【0007】ところが、このようにアイドル回転数が通
常の回転数より高い回転数に設定されると、図9(a)
に示されるように3速→2速のダウンシフトが開始され
る自動変速機の入力回転数(=トルクコンバータのター
ビンの回転数)がアイドル回転数よりも低くなってしま
うことがある。
【0008】このような状態のもとで、3速→2速の変
速を行うと、変速を開始してから2速の同期回転数へ上
昇するまでの区間において、アイドル回転数まではエン
ジン側から動力をタイヤ側へ伝達しているものの、アイ
ドル回転を越えてから2速の同期回転になるまでは逆に
タイヤ側からエンジン側へ動力が伝わるという、アイド
ル回転数を境に変速の途中から動力の伝達方向が逆転す
る挙動(変速の途中から動力伝達が正から負に変化)が
生じることがある。
【0009】このため、3速→2速のコーストダウンシ
フトが行われると、自動変速機内部の歯車機構でバック
ラッシュ位置が急激に変化して、歯面同士が衝撃的に当
たる打音、それに伴うショックといった、いわゆるガタ
打ショックが生じて、運転者に不快感を与えてしまうこ
とがあった。
【0010】これを防ぐために、図9(b)に示される
ようにアイドル回転が高くなることを想定して、3速→
2速の変速を自動変速機の入力回転数がアイドル回転数
から高速域に離れた地点から開始させて、動力の伝達方
向が変速中、変わらないようにすることが考えられる。
【0011】ところが、このような高速域での変速は、
確かに打音の発生は解消されるものの、自動変速機の入
力回転数がアイドリング回転数よりもかなり高いため
に、変速中および変速後においてエンジンブレーキ感が
強く発生する難点がある。
【0012】そこで、逆に図9(c)に示されるように
3速→2速の変速をアイドル回転数より低速域から開始
させることが考えられる。しかし、これだと高速段、す
なわち3速の使用範囲が低車速域まで広がるので、再加
速する頻度が高い領域までも3速に設定されてしまい、
再加速時の加速度が損なわれる難点がある。
【0013】このため、従来、3速→2速のコーストダ
ウンシフトは、エンジンブレーキ感、再加速時の加速度
の影響をできるだけ回避するようなアイドリング回転数
より高い領域に設定して、ガタ打ちショックから避けて
いるのが実情であり、完全な対処とはいえるものではな
かった。特に打音、ショック、エンジンブレーキ感は、
変化を予測していない状況におかれている運転者に与え
られるために、不快感を覚えやすく、改善が強く求めら
れている。
【0014】本発明は上記事情に着目してなされたもの
で、その目的とするところは、ガタ打ちショックの発
生、エンジンブレーキ感の増大、再加速性の低下を回避
した良好なコーストダウンシフトが可能な自動変速機の
変速制御装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1に記載した発明は、エンジンの回転力が流体
継手を介して入力軸に入力される変速機を車両の運転状
態に応じてアップシフト又はダウンシフトさせることに
より変速制御する制御手段を備えた車両用自動変速機の
変速制御装置において、上記制御手段が、上記エンジン
の駆動状態又は被駆動状態を判定する駆動状態判定手段
と、上記アップシフト又は上記ダウンシフトを判断する
変速判断手段と、エンジン回転数を検出するエンジン回
転数検出手段と、上記入力軸の回転数を検出する入力軸
回転数検出手段と、運転者の操作とは独立してエンジン
の出力を低減可能な出力低減手段とを有し、上記駆動状
態判定手段によりエンジンが被駆動状態であると判定さ
れ、且つ、上記変速判断手段によりダウンシフトが判断
されると、上記ダウンシフト開始前において上記エンジ
ン回転数と上記入力軸回転数とを比較し、該比較結果に
より上記エンジン回転数が上記入力軸回転数より大きい
状態を検知すると上記出力低減手段によりエンジンの出
力を低減させることにある。
【0016】請求項1の発明によると、例えば車両が停
止に至るまでブレーキングして、エンジンが被駆動状態
となるパワーオフ状態でダウンシフトが行われると、出
力低減手段にて、運転者の操作とは独立して、エンジン
の出力が低減される。
【0017】このエンジン出力の低減により、コースト
ダウンシフトの開始からエンジン回転数(アイドル回転
数)は、自動変速機の入力回転数より低い回転数に抑え
られる。
【0018】これにより、状況により高回転域に変化す
るアイドル回転数の近傍、すなわち好ましい回転数領域
でコーストダウンシフトを行っても、自動変速機の変速
開始の回転数がエンジン回転数(アイドル回転数)より
低くなることは回避され、変速の途中から動力伝達の方
向が変わるような挙動は発生しない。
【0019】しかも、コーストダウンシフトが行われる
領域は、エンジンブレーキ感の増大はないので、運転者
に違和感を与えずにコーストダウンシフトが行われる。
そのうえ、低車速域は加速に適した低速段にダウンシフ
トされているので、再加速時の加速度の低下を招くこと
はなく、良好なコーストダウンシフトが実現されるよう
になる。
【0020】請求項2の発明は、安定したコーストシフ
トダウンが行われるよう、請求項1の記載の制御手段
が、上記入力軸の回転加速度を検出する回転加速度検出
手段を有し、上記回転加速度が所定値より小さい場合に
は上記エンジン出力の低減を禁止することにある。
【0021】請求項3の発明は、上記目的に加え、さら
にエンジンの出力低減が、該エンジンの運転を損なわな
いようにするために、請求項1に記載の制御手段が、
ンジンの回転速度を検出するエンジン回転速度検出手段
を有し、エンジン回転速度検出手段で検出されたエンジ
ンの回転速度が所定値以上のときにエンジンの出力を低
減させることにある。
【0022】請求項4の発明は、上記目的に加え、さら
に上記目的に加え、さらにエンジンの出力低減が、エン
ジン回転が安定しているときに行わせるために、請求項
1乃至請求項3のいずれか一つに記載の制御手段が、
ンジンのアイドル回転が安定しているか否かを判定する
アイドル回転判定手段を有し、アイドル回転が安定して
いないと判定されたときにはエンジンの出力の低下を禁
止させることにある。
【0023】請求項5の発明は、上記目的に加え、さら
に出力低減手段を活用してパワーオン状態における変速
が行われるときに同変速に適したエンジンの出力低減を
行うために、請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記
載の制御手段は、エンジンが駆動状態であるアップシフ
ト時に、上記出力低減手段により、被駆動状態における
ダウンシフト時の出力低減方法と異なる出力低減方法で
エンジンの出力を低減させることにある。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図1ないし図7に
示す第1の実施形態にもとづいて説明する。図1は本発
明を適用した自動車(車両)用自動変速機の変速制御装
置の全体の概要を示し、図中1は例えば電子燃料噴射式
のレシプロエンジン(以後、単にエンジンと称す)であ
る。
【0025】エンジン1は、吸気弁2,排気弁3をもつ
燃焼室4が形成されたシリンダ5、同シリンダ5内に往
復動可能に設けられたピストン6を有してなる。また吸
気ポート7は、吸気マニホールド8、スロットルバルブ
9、エアフローメータ(図示しない)を介して、エアク
リーナ(図示しない)に接続されている。排気ポート1
0は排気マニホールド11を介して排気管(図示しな
い)に接続してある。
【0026】例えば吸気ポート7の付近にはインジェク
タ12が設けられ、吸気ポート7を通じて、燃焼室4内
へ燃料を噴射できるようにしてある。なお、13はスロ
ットルバルブ9の開度を操作するアクセルペダルを示
す。
【0027】そして、このエンジン1のクランク軸1a
(出力軸)に、トルクコンバータ14(流体継手)を介
して、自動変速機18が接続してある。トルクコンバー
タ14は、インペラポンプ15、ステータ16、タービ
ン17を組み合わせ構成されている。そして、このうち
のインペラポンプ15はエンジン1のクランク軸1aに
接続され、またタービン17は自動変速機18の入力軸
19に接続され、インペラポンプ15、タービン17間
を循環するATフルード(図示しない)の流れにより、
両者間で滑りさらにはトルクの増大を伴いながら、エン
ジン1からの動力(トルク)を自動変速機18へ伝える
ようにしてある。
【0028】自動変速機18は、例えば入力軸19と出
力軸20との間で変速段を定める回転要素、例えば遊星
歯車機構21と、この変速段で定めた所定の変速比を切
り換える摩擦係合要素、例えばクラッチ22やブレーキ
23とを組み合わせて構成され、例えば前進4段後進1
段の変速を可能としてある。なお、24は自動変速機1
8の変速モードを切り換えるためのセレクターを示す。
【0029】エンジン1の各制御要素には、E/G用の
ECU25(エレクトロニック コントロールド ユニ
ット)が接続されている。また自動変速機18のコント
ロールバルブ18aにはAT用のECU30が接続して
ある。
【0030】このうち例えばE/G用ECU25には、
スロットルバルブ9の開度を検出するスロットルセンサ
26、自動車の車速を検出する車速センサ27が接続さ
れている。またE/G用ECU25は、この他、エンジ
ン1の状態を検出する水温センサ28、エンジン1の回
転数を検出するE/G(エンジン)回転数センサ29が
接続されている。さらにE/G用ECU25には、各種
センサからの信号から燃料噴射量を求めて所定の時期に
噴射する機能、さらには各種センサからの信号にしたが
って所定のアイドル回転速度に制御する機能が設定して
ある。
【0031】またA/T用ECU30には、例えばスロ
ットルバルブ9の開度(スロットル開度)と車速との関
係で表されるシフトマップが設定されていて、E/G用
ECU25を通じて送られるエンジン1側の情報、すな
わちスロットル開度(エンジン負荷)および車速で、ク
ラッチ22やブレーキ23を制御して、シフトマップに
もとづく変速比の変速段を選択するようにしてある。な
お、A/T用ECU30には、このようにして選択され
た変速段を検出するシフトポジション31が接続してあ
る。またA/T用ECU30には、自動変速機18の入
力回転数となる、トルクコンバータ14のタービン17
の回転数を検出するタービン回転数センサ32が接続し
てある。
【0032】A/T用ECU30には、例えばスロット
ルバルブ9の開度と車速との関係で表されるコーストダ
ウンシフトのシフトマップ、例えば図5に示されるよう
なスロットル開度が極小開度〜全閉(エンジンがパワー
オフ状態)で、車速が低車速域まで低下したときに3速
→2速にダウンシフトさせるマップが設定されている。
なお、図示はしないが2速→1速のダウンシフトは停止
間際で行う。
【0033】このA/T用ECU30には、例えばこの
3速→2速にダウンシフトが行われるとき、E/G用E
CU25へエンジン1の出力を低減させる要求信号を出
力する機能が設定されている。さらにA/T用ECU3
0には、エンジンがパワーオン状態で行われる変速、例
えば2速→3速へアップシフトが行われるときにも、E
/G用ECU25へエンジン1の出力を低減させる要求
信号を出力する機能が設定されている。
【0034】E/G用ECU25には、エンジン1の状
態が安定、さらにはアイドル回転が安定しているとき、
A/T用ECU30からの要求信号に応えて、エンジン
1の出力を低減させる機能、例えばエンジン負荷とエン
ジン回転数に応じた基本点火時期を運転者の操作とは独
立してリタード、すなわち遅角側に移動させる機能(出
力低減手段)が設定されている。
【0035】またE/G用ECU25には、ショックが
発生しやすいコーストダウンシフト時は徐々に点火時期
を遅らせてから徐々に元の点火時期に復帰させる機能、
スピードが求められるパワーオンのアップシフト時は急
激に点火時期を遅らせてから急激に元の点火時期に復帰
させる機能が設定されている。これにより、パワーオフ
状態におけるダウンシフト時と、パワーオン状態におけ
るアップシフト時の出力の低減方法を異ならせている。
【0036】そして、こうした出力低減機能を用いて、
自動車の走行中、アイドル回転数の近傍で行われるコー
ストダウンシフトと、パワーオンのアップシフトとにお
いてエンジン1の出力を低減させるようにしてある。
【0037】このエンジン出力を低減する制御が、図2
〜図4のフローチャートに示されている。但し、図2は
A/T用ECU30で行われるエンジン出力の低減要求
に至る判定をなすフローチャート、図3はE/G用EC
U25で行われるエンジン1が低減要求に応えられるか
否かを判定するフローチャート、図4はE/G用ECU
25で行われるリタード実行(点火時期の遅角制御)の
フローチャートを示している。
【0038】つぎに、これらフローチャートにもとづ
き、まず、パワーオフ状態におけるダウンシフト(コー
ストダウンシフト)の出力低減の制御について説明す
る。すなわち、エンジン1が始動された後、自動車は運
転者のアクセル操作で走行しているとする。
【0039】ここで、アクセルペダル13から足を離し
てコースティング走行を行なうとする。このとき自動変
速機18のシフト段が3速であるとすると、図6(a)
の上図に示されるように自動車は3速のまま減速され、
それに伴いエンジン回転数ならびにトルクコンバータ1
4のタービン回転数で表される自動変速機18の入力回
転数が低下していく。
【0040】この自動車の減速工程を利用して、自動変
速機18はコーストダウンシフトヘ入る。そして、この
コーストダウンシフトが行われるときに、図2に示すフ
ローチャートにもとづきA/T用ECU30からエンジ
ン1の出力低減を求める信号が出力される。
【0041】すなわち、図2に示すフローチャートを説
明すれば、A/T用ECU30は、まずステップS10
においてスロットル開度の具合(開度<α)で、エンジ
ン1がパワーオフ状態か否かを判定をしている。
【0042】ここで、エンジン1のアクセル開度は全閉
であり、自動変速機18はコーストダウンシフト前の3
速のシフト段であるから、コーストシフト中か否かの判
定をなすステップS20、シフト段が3速か否かの判定
をなすステップS30を経て、ステップS40へ進む。
【0043】ステップS40は、車速が図5中の2重縦
線で示す3速→2速のコーストダウンシフト線で設定さ
れる車速に近づくまで減速されたか否かを判定してい
る。この判定により、もうすぐ3速→2速のコーストシ
フトダウンが行われるか否かを予想している。
【0044】次に、ステップS50は、トルクコンバー
タ14のタービン回転数Ntで表される自動変速機18
の入力回転数がエンジン回転数Neよりも低くなってい
るか否かを判定する。
【0045】即ち、エンジン回転数Neはタービン回転
数の低下に伴い最終的にはアイドル回転数まで下降する
が、通常のコースティング中はタービン回転数の方がエ
ンジン回転数より高い。しかし、コーストシフトダウン
が良好に行われる回転数の領域はそのアイドル回転数の
近傍であるので、アイドル回転が通常時より高いアイド
ル運転や補機の補償のためのアイドルアップが行われて
いるときには、コーストダウンシフトの変速開始直前
に、図6(a)中の丸部分にあるようにタービン回転数
Nt(自動変速機の入力回転数)がアイドル回転数以下
にまで下降(Ne>Nt)する挙動を示すようになる。
また、コースティング中に運転者によるフートブレーキ
操作が行われたときにもタービン回転数がエンジン回転
数より低くなる場合がある。
【0046】ステップS50は、この挙動の有無を判定
している。そして、この挙動が検出されない場合、即ち
タービン回転数Ntよりエンジン回転数Neが大きくな
いと判定されると、自動変速機はタービン回転数Ntが
アイドル回転数に近づいた時点で変速を開始する。この
場合は、変速が終了するまで基本的にはタービン回転数
がエンジン回転数より低くなることがないので、エンジ
ン回転数を低下させるためのエンジン出力低減処理は不
要となる。
【0047】また、タービン回転数Ntがエンジン回転
数を下回っていることが判定されると、ステップS50
からステップS60に進む。ステップS60では、ター
ビン回転数Ntがエンジン回転数Ne以下であって、タ
ービン回転数Ntの回転加速度ΔNtが所定値ΔNt0
(<0、例えば−600RPM/S)より大きいか否か
で判定している。そして、タービン回転数Ntの回転加
速度ΔNtが所定値より大きくないと判定されると、エ
ンジン出力低減処理は禁止される。ここで、エンジン出
力低減処理を禁止する理由は、タービン回転数Ntの減
速度が大きい場合(このようなケースはフットブレーキ
を継続的に強く作用させたとき等に発生する。)には、
タービン回転数Ntがエンジン回転数Neを大きく下回
ることが予想され、このような状況下でエンジン出力を
低下させたとしてもタービン回転数Ntがエンジン回転
数Neを確実に上回る状態を作り上げることが難しいか
らである。即ち、このような状態(即ちタービン回転数
Ntがエンジン回転数Neを大きく下回ることが予想さ
れる状態)でエンジン出力を低下させることは、タービ
ン回転数Ntに対するエンジン回転数Neの上回り度合
いを小さくしたに他ならず、このような状態でコースト
ダウンシフトを行うと、先の「発明が解決しようとする
課題」の項で述べたように、変速途中で(タービン回転
数がエンジン回転数を上回り)動力の伝達方向が逆転す
る挙動が発生し易くなるからである。このため、タービ
ン回転数Ntがエンジン回転数Neより小さい場合であ
っても、タービン回転数Ntの減速度合が大きいときに
は、エンジン出力低減処理を禁止して、エンジン回転数
Neとタービン回転数Ntとの差を確保する。この回転
数差を確保することは、ダウンシフトにおける変速後の
タービン回転数Nt′がエンジン回転数Neより小さく
なる蓋然性を高めう結果になり、図9(c)で示したタ
ービン回転数がエンジン回転数より低い状態での(動力
伝達方向が逆転しない状態での)ダウンシフトを早期に
実施可能とする。
【0048】そこで、タービン回転数Ntがエンジン回
転数Neより小さい場合であっても、タービン回転数N
tの減速度合が小さいときに限り(即ちタービン回転数
Ntの回転加速度ΔNtが所定値ΔNt0より大きい場
合に限り)、ステップ80に進み、エンジン1の出力を
低減させる要求をなすフラグをセットし、E/G用EC
U25へ3速→2速のコーストダウンシフトにおけるエ
ンジン1の出力低減をうながす信号を出力する。
【0049】このときにはパワーオン状態におけるエン
ジン出力の低減要求が出力されないよう、つぎのステッ
プS100でパワーオン状態における出力低減要求をな
すフラグをリセットしておく。
【0050】なお、各ステップS30〜ステップS60
の要件が満たさなくなれば(例えばアクセルペダルを踏
み込み加速操作を行った等)、エンジン1の出力低減の
要求は必要でないと判定して、ステップS90に至り、
セットされていたコースト出力低減要求をなすフラグを
リセットする。
【0051】一方、E/G用ECU25では、図3に示
すフローチャートにしたがって、要求される出力低減を
エンジン1で受け入れてよいか否か、具体的には出力低
減を行ってもエンジン1の運転状態が損なわれたりしな
いかを判定している。
【0052】詳しくは、図3に示すフローチャートを説
明すれば、E/G用ECU25は、まずステップS20
0における始動後、所定時間経過しているか否かの判
定、ステップS210におけるエンジン1の冷却水温が
所定温度以上に温度上昇しているか否かの判定(いずれ
もアイドル回転判定手段に相当)により、エンジン1の
アイドル回転が安定している回転であるのか否かを判定
している。
【0053】またステップS220では、エンジン1の
回転速度が、出力低減に耐え得る回転速度であるのか否
かを判定(エンジン回転速度検出手段に相当)すべく、
エンジン1の回転数が所定値以上であるか否かを判定し
ている。
【0054】これら判定をいずれも満たすと、E/G用
ECU25は、は出力低減を受け入れてもよいと判定し
て、ステップS230に進み、A/T用ECU30から
のコースト出力低減要求フラグセットを受け入れる。
【0055】ついで、無用な出力低減を繰り返すハンチ
ングを防ぐための一定時間を経過させる経過措置のステ
ップS240を経てステップS250へ進み、出力低減
の実行に必要なコーストリタードフラグをセットする。
【0056】各ステップS200〜ステップS230が
満たさなくなれば、E/G用ECU25は出力低減が良
好に行われないと判定して、ステップS270に至り、
コーストリタードフラグをリセットする。
【0057】なお、A/T用ECU30においてパワー
オン出力要求をするフラグはリセットされているから、
アップシフトを実行するフラグは、ステップS250か
らステップS280を経てステップS310へ進むルー
チンによりリセットされる。
【0058】そして、行われる3速→2速のコーストシ
フトダウンのとき、E/G用ECU25は、図4に示さ
れるフローチャートにしたがってエンジン1の出力をリ
タード、具体的にはエンジン1の基本点火時期を遅らせ
る。
【0059】すなわち、図4に示すフローチャートを説
明すれば、E/G用ECU25は、ステップS400を
経てステップS410に進み、RT1 =0の設定を行っ
てからステップS420に至る。
【0060】このステップS420においてコーストリ
タードフラグを受け入れ、ステップS420以降のルー
チンで、3速→2速のコーストシフトダウンの開始に合
わせて、図6(a)に示されるようなシフトダウンに適
したパターンのコーストリタード信号を出力させてい
く。
【0061】具体的には、コーストリタードフラグを受
け入れると、ステップS430、ステップS440を経
て、ステップS450、ステップS530へ進み、リタ
ード量を徐々に増大させる演算(RT2 =RT′+ΔR
T1 、RT=RT1 +RT2)が行われる。但し、R
T′は前回のリタード量、RT1 =0。
【0062】すると、図6(a)に示されるようにコー
ストシフトダウンの変速開始から、ΔRT1 づつ徐々に
増加する勾配のコーストリタード信号が出力される。こ
のリタード量の増加の勾配は、第1時間でリタード完
了、すなわちMAX(最大)のリタード値RT2 となる
まで続く。
【0063】そして、ステップS540においてエンジ
ン負荷とエンジン回転数とに応じた基本点火時期は、演
算されるリタード量にしたがって遅角側に修正される。
ついで、リタード量がMAX(最大)に達すると、ステ
ップS440からステップS460へ進み、同リタード
量がMAXに達したこと示すフラグがセットされる。
【0064】これにより、今度はステップS430から
ステップS500へ向かうルーチンに入り、MAXに達
した後、コーストリタード信号は第2時間で基本点火時
期となる勾配で徐々に復帰される。
【0065】具体的には、ステップS500でRT2が
0か否かを判定し、RT2=0でない場合、ステップS
470でリタード量を徐々に減少させる演算(RT2=
RT′−ΔRT2、RT=RT1+RT2)が行われる。
但し、RT1=0、RT′=前回のリタード量。そし
て、RT2=0になると、ステップS500からステッ
プS510へ進み、コーストリタードフラグはリセット
される(出力低減終了)。
【0066】そして、ステップS540で、エンジン負
荷とエンジン回転数とに応じた基本点火時期が、演算さ
れるリタード量にしたがって復帰側に修正される。これ
により、自動変速機18で行われる3速→2速のコース
トシフトダウンの開始からエンジン1の出力は低減され
る。
【0067】つまり、コーストダウンシフトの開始直前
からエンジン回転数(アイドル回転数)は、自動変速機
の入力回転数(タービン回転数)より低い回転に抑えら
れる。
【0068】これにより、好ましい回転数領域、すなわ
ちアイドル回転数の近傍で、コーストダウンシフトが行
われても、変速開始の回転数がエンジン回転数(アイド
ル回転数)より低くなることが回避され、変速途中から
動力伝達の方向が変わるような挙動は発生しないように
なる。
【0069】ここで、ΔRT1 とΔRT2 は、ΔRT1
>ΔRT2 なる大小関係となっていて、変速開始から途
中(MAX値)のコーストリタード信号のパターンは急
な勾配で、途中(MAX値)から復帰するコーストリタ
ード信号のパターンはそれより緩やかな勾配にしてある
ので、できるだけショックが発生するのを回避しつつコ
ーストシフトダウンが行われていく。
【0070】なお、A/T用ECU30からのコースト
出力低減要求は、図2のステップS20からステップS
70を経てステップS100に向かうルーチンにしたが
いコーストシフト中(3速→2速)の間、出力されてい
るので、コーストシフト(3速→2速)が終えると、A
/T用ECU30は、ステップS70でシフト終了の判
定を行い、ステップS90に進んで、コースト出力低減
要求のフラグをリセットする。すると、E/G用ECU
25は、これを受けてステップS230からステップS
270に進み、実行のコーストリタードフラグをリセッ
トし、リタード(出力低減)を解除して、元のエンジン
負荷とエンジン回転数に応じた基本点火時期に復帰させ
る。
【0071】また自動車の減速中、運転者が低車速域で
アクセルペダルをオンしても、A/T用ECU30は、
ステップS10においてコーストシフトダウンが中止し
たと判定して、ステップS110、ステップS160を
経て、ステップS170に進み、コースト出力低減要求
のフラグをリセットし、同様にリタードを解除する。
【0072】こうしたコーストシフトダウンにおけるエ
ンジン1の出力低減が行われ、タービン回転数Ntがエ
ンジン回転数Neより大きくなった時点でコーストシフ
トダウン(3速→2速)が開始されることにより、コー
ストシフトダウン(3速→2速)は、コーストシフトダ
ウン中におけるエンジン側とタイヤ側との間の動力の伝
達方向が逆転することはなく、つまりガタ打ショックの
発生なく実行されることとなる。
【0073】しかも、コーストダウンシフトが行われる
アイドリング回転数の近傍の領域は、エンジンブレーキ
感の増大はないので、運転者に違和感を与えずにコース
トダウンシフトが行われる。
【0074】そのうえ、低車速域は加速に適した低速段
にダウンシフトされるので、再加速時の加速度の低下を
招くことはなく、良好なコーストダウンシフトが実現さ
れることとなる。
【0075】特にアイドル回転が通常のアイドル回転数
より高いファストアイドルや補機の補償のためなどによ
り高い回転数に設定されていても、エンジン回転数Ne
がタービン回転数Ntより大きく、且つタービン回転数
Ntの回転加速度ΔNtが所定値ΔNt0より大きい場
合にエンジン出力低減を実行し、コーストダウンシフト
を行うので、コースト3−2シフト車速近傍において最
適に且つ安定したコースト3−2ダウンシフトが行われ
る。
【0076】むろん、エンジン1の回転速度が所定値以
上のとき、エンジン1のアイドル回転が安定していると
きにエンジン1の出力低減を実行させているので、エン
ジン1の出力低減がエンジン1の運転を損なわせること
はない。
【0077】加えて、アクセルペダルをオンした後に再
びブレーキング操作して、コーストダウンシフトの際の
出力低減要求の条件(リタード条件)が整ったとして
も、A/T用ECU30は、ステップS240のように
前回の出力低減処理の終了から所定の設定時間が経過し
ない限り、出力低減(リタード)の実行のコーストリタ
ードのフラグはセットしないようにしてあるので、図6
中のA部分に示されるようなエンジン1の出力低減が短
時間の間で繰り返されるようなハンチングは生じない。
好ましくは、設定時間経過後に出力低減要求の条件(リ
タード条件)が成立していてもコースタリタードのフラ
グはセットしないのが望ましい。
【0078】一方、アップシフトが行われる開度までア
クセルペダルを踏み込むと、A/T用ECU30は、ス
テップS10におけるパワーオフ状態か否かの判定、さ
らにはステップS110におけるスロットル開度(>β
但し、α<β)か否かの判定を経て、ステップS12
0に至る。そして、このステップS120以降のルーチ
ンを用いて、E/G用ECU25で、パワーオン状態の
アップシフトが行われるとき、先のコーストダウンシフ
トにおけるショックを和らげることを重視した出力低減
方法とは異なる、応答性に優れた出力低減方法でエンジ
ン出力を低減させる。
【0079】即ち、コーストダウンシフトのときは、出
力低下を急激に行なうことは、運転者に不快感を与えや
すいという面で好ましくないため、徐々にエンジン出力
変化を生起せしめる必要があるが、パワーオン状態のと
きには、むしろ迅速な出力トルク低減により変速ショッ
クに速やかに対応することがフィーリング上、好まし
い。
【0080】具体的には、A/T用ECU30は、ステ
ップS120において、あらかじめ設定されたシフトマ
ップにしたがった特定段によるアップシフトか否かを判
定している。
【0081】ここで、図7に示されるように例えば2速
→3速のアップシフトが行われると、ステップS130
を経て、ステップS140へ進み、エンジン1の出力低
減を開始する条件が成立しているか否かを判定する。
【0082】A/T用ECU30は、出力低減開始の条
件が成立していると判定すると、ステップS150に進
み、エンジン1の出力を低減させる要求をなすフラグを
セットし、E/G用ECU25に2速→3速のアップシ
フト中においてエンジン1の出力低減をうながす信号を
出力する。
【0083】このときにはコーストダウンシフトにおけ
るエンジン出力の低減要求が出力されるないよう、つぎ
のステップS170でコーストダウンシフトにおける出
力低減要求をなすフラグをリセットしておく。
【0084】E/G用ECU25では、先のコーストダ
ウンシフトで述べたようにステップS200〜S220
で出力低減をエンジン1で受け入れてよいか否かを判定
している。
【0085】ここで、コーストダウンシフトにおけるエ
ンジン出力の低減要求は出力されていないから、上記判
定を満たすと、E/G用ECU25は、ステップS23
0からステップS270を経て、ステップS280へ進
み、A/T用ECU30からのパワーオン出力低減要求
フラグセットを受け入れる。
【0086】このとき、アップシフトにおけるリタード
を受け入れる条件が成立していれば、ステップS290
を経て、ステップS300へ進み、出力低減の実行に必
要なアップシフトリタードフラグをセットする。
【0087】むろん、このとき例えばアクセルペダルが
急激に踏み込まれて、キックダウン信号により、パワー
オンのシフトダウンが行われるといったアップシフト禁
止の条件が成立すれば、ステップS290からステップ
S310へ進み、セットされていたアップシフトリター
ドフラグをリセットする。
【0088】そして、行われる2速→3速のアップシフ
トの際、E/G用ECU25は、図4に示されるフロー
チャートにしたがってエンジン1の出力をリタード、具
体的にはエンジン1の基本点火時期を遅らせる。
【0089】すなわち、E/G用ECU25は、ステッ
プS400を経て、ステップS480に進み、RT1 =
RT0(所定値)の設定を行う。さらにE/G用ECU
25は、続くステップS490でRT2 =0の設定を行
い、つぎのステップS520でリタードMAXを示すフ
ラグをリセットした後、ステップS530へ進み、コー
ストダウンシフトのリタードを求めたのと同じ演算式
(RT=RT1 +RT2 、但し、RT1 =RT0、RT
2 =0)を用いて、リタード量を急激に増大させる演算
が行われる。
【0090】すると、図7に示されるようにアップシフ
トの際、急激に立ち上がる角形のリタード信号が出力さ
れる。そして、ステップS540においてエンジン負荷
とエンジン回転数とに応じた基本点火時期は、演算され
るリタード量にしたがって遅角側に修正される。
【0091】ついで、アップシフトが終了すると、A/
T用ECU30のリタード終了をなすステップS130
の出力低減終了条件が成立して、E/G用ECU25は
リタードを解除し、元の基本点火時期に復帰させる。
【0092】むろん、パワーオンの2速→3速のアップ
シフトが行われないときも、A/T用ECU30におい
て出力低減要求のフラグはリセットされる(ステップS
160)。
【0093】これにより、コーストダウンシフトにおけ
る出力低減機能を活用、具体的にはコーストシフトダウ
ンの出力低減の工程をパワーオン時に適合したパターン
に切り換えるだけで、自動変速機18で行われるパワー
オンの2速→3速のアップシフトのシフト中、同アップ
シフトに適したエンジン1の出力の低減が行われる。
【0094】なお、第1の実施形態では、コーストシフ
ト車速に近づいた後、エンジン回転数とタービン回転数
とを対比させたり、タービンの回転加速度が所定値以上
であることなどを規定した後、エンジン1の出力低減に
至るようにしているが、図2のフローチャート中の二点
鎖線で示されるようにステップS40でコーストシフト
車速に近づいたら、ステップS80へ進み、コースト出
力低減要求フラグをセットするようにして、図8に示さ
れるように3速→2速のコーストダウンシフトが行われ
るときには、常にエンジン1の出力を低減させて、車速
がコースト3−2シフト車速に達した時点でコースト3
−2ダウンシフトを行わせるようにしてもよい。
【0095】この例を第2の実施形態とする。また上述
した実施形態では、3速→2速のコーストシフトダウン
が行われるときにエンジン出力を低減させたが、これに
限らず、変速中にエンジン側とタイヤ側との間で動力の
伝達方向が逆転するおそれのある他の変速段のコースト
シフトダンのときにエンジン出力を低減させてもよい。
【0096】また上述した実施形態では、点火時期をリ
タードさせることによってエンジンの出力を低減させた
が、これに限らず他の出力低減手段、例えばエンジンに
吸い込まれる空気流量を減少させても、エンジンに供給
される燃料供給量を低減させてもよい。
【0097】
【発明の効果】以上説明したように請求項1の発明によ
れば、コーストダウンシフト中に自動変速機の入力回転
数とエンジン回転数との大小関係を逆転させることな
く、コーストダウンシフトを行うことができる。
【0098】したがって、アイドル回転数の近傍でコー
ストダウンシフトが行われても、変速の途中から動力伝
達の方向が変わるという挙動の発生はなく、ガタ打ちシ
ョックの発生、エンジンブレーキ感の増大、再加速性の
低下を回避した良好なコーストダウンシフトができる。
【0099】請求項2の発明によれば、さらに上記効果
に加え、安定したコーストシフトダウンが行われるよう
になる。 請求項3の発明によれば、さらに上記効果に加
え、エンジンの出力低減を該エンジンの運転を損な
ずに行うことができるといった効果を奏する。請求項4
の発明によれば、さらに上記効果に加え、エンジンの出
力低減をエンジン回転が安定しているときに行わせるこ
とができるといった効果を奏する。
【0100】請求項4の発明によれば、さらに上記効果
に加え、出力低減手段を活用してパワーオン状態におけ
る変速が行われるときにも、同変速に適したエンジンの
出力低減を行うことができるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の車両用自動変速機の
変速制御装置の全体構成を説明するための図。
【図2】同変速制御装置を構成するA/T用ECUが行
う、コーストダウンシフト、パワーオンのアップシフト
におけるエンジン出力低減要求を出す工程を説明するた
めのフローチャート。
【図3】同変速制御装置を構成するE/G用ECUが行
う、エンジンの運転状態がエンジン出力低減要求に応え
る状態か否かを判定する工程を説明するためのフローチ
ャート。
【図4】同E/G用ECUが実行するコーストダウンシ
フト,パワーオンのアップシフトにおいて行われるエン
ジン出力低減を説明するためのフローチャート。
【図5】A/T用ECUに設定されているコーストダウ
ンシフトのパターンの一部を示す線図。
【図6】同コーストダウンシフトにおけるエンジン出力
低減が実行されたときのエンジンの回転数、自動変速機
の入力回転数の挙動を、繰り返しコーストダウンが行わ
れたときの状態と共に示す線図。
【図7】パワーオンのアップシフトにおけるエンジン出
力低減が実行されたときのエンジンの回転数、自動変速
機の入力回転数の挙動を示す線図。
【図8】本発明の第2の実施形態の要部を説明するため
の線図。
【図9】従来のそれぞれ異なるコーストダウンのときの
挙動を説明するための線図。
【符号の説明】
1…エンジン 14…トルクコンバータ(流体継手) 15…インペラポンプ 16…ステータ 17…タービン 18…自動変速機 19…入力軸 20…出力軸 21…遊星歯車機構(回転要素) 22,23…クラッチ,ブレーキ(摩擦係合要素) 25,30…E/G用ECU、A/T用ECU(出力低
減手段)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F16H 61/04 F16H 61/04 // F16H 59:10 59:42 (72)発明者 臼杵 克俊 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動 車工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平9−323565(JP,A) 特開 平3−279636(JP,A) 特開 平7−71582(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 29/00 B60K 41/00 - 41/06 F16H 59/00,61/04 F02D 41/04 301

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの回転力が流体継手を介して
    力軸に入力される変速機を車両の運転状態に応じてアッ
    プシフト又はダウンシフトさせることにより変速制御す
    る制御手段を備えた車両用自動変速機の変速制御装置
    おいて、上記制御手段が、 上記エンジンの駆動状態又は被駆動状態を判定する駆動
    状態判定手段と、 上記アップシフト又は上記ダウンシフトを判断する変速
    判断手段と、 エンジン回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、 上記入力軸の回転数を検出する入力軸回転数検出手段
    と、 運転者の操作とは独立してエンジンの出力を低減可能な
    出力低減手段とを有し、上記駆動状態判定手段によりエ
    ンジンが被駆動状態であると判定され、且つ、上記変速
    判断手段によりダウンシフトが判断されると、上記ダウ
    ンシフト開始前において上記エンジン回転数と上記入力
    軸回転数とを比較し、該比較結果により上記エンジン回
    転数が上記入力軸回転数より大きい状態を検知すると上
    記出力低減手段によりエンジンの出力を低減させること
    を特徴とする車両用自動変速機の変速制御装置。
  2. 【請求項2】 上記制御手段が、 上記入力軸の回転加速度を検出する回転加速度検出手段
    を有し、 上記回転加速度が所定値より小さい場合には上記エンジ
    ン出力の低減を禁止する ことを特徴とする請求項1に記
    載の車両用自動変速機の変速制御装置。
  3. 【請求項3】 上記制御手段が、 エンジンの回転速度を検出するエンジン回転速度検出手
    段を有し、 エンジン回転速度検出手段で検出されたエンジンの回転
    速度が所定値以上のときにエンジンの出力を低減させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の 車両用自動変速機の
    変速制御装置。
  4. 【請求項4】 上記制御手段が、 エンジンのアイドル回転が安定しているか否かを判定す
    るアイドル回転判定手段を有し、 アイドル回転が安定していないと判定されたときにはエ
    ンジンの出力の低下を禁 止させることを特徴とする請求
    項1乃至請求項3 のいずれか一つに記載の車両用自動変
    速機の変速制御装置。
  5. 【請求項5】 上記制御手段は、 エンジンが駆動状態であるアップシフト時に、上記出力
    低減手段により、被駆動状態におけるダウンシフト時の
    出力低減方法と異なる出力低減方法でエンジンの出力を
    低減させることを特徴とする請求項1乃至請求項4のい
    ずれか一つに記載の車両用自動変速機の変速制御装置。
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