JP3158592B2 - ピンカーボン塗布装置及びその方法 - Google Patents

ピンカーボン塗布装置及びその方法

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JP3158592B2 JP00862292A JP862292A JP3158592B2 JP 3158592 B2 JP3158592 B2 JP 3158592B2 JP 00862292 A JP00862292 A JP 00862292A JP 862292 A JP862292 A JP 862292A JP 3158592 B2 JP3158592 B2 JP 3158592B2
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  • Formation Of Various Coating Films On Cathode Ray Tubes And Lamps (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、パネルピンとメタルバ
ック層との電気的な接続を行うために導電性カーボンを
塗布するピンカーボン塗布装置及びその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にカラー陰極線管においてはファン
ネルに設けられたアノード端子に印加される20〜30
KVの高電圧を蛍光面のメタルバック層に印加させる必
要がある。この高電圧は、アノード端子、ファンネル内
部導電膜、色選別電極から導出された接触片、色選別電
極、パネルピン(金属製ピン)の順序で印加されるが、
このパネルピンと蛍光面のメタルバック層間には導電性
カーボンを塗布し、これによりメタルバック層への高電
圧の印加を行うようにしている。そして、この導電性カ
ーボンの塗布は、従来絵筆を用い手塗で行っていたが、
近年、塗布の均一化及びコストダウンの要請から、絵筆
に導電性カーボンを含ませて自動的に塗布する装置が案
出されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
従来例の場合、絵筆へ直接導電性カーボンを供給するよ
うにしていることから、穂先に均一に導電性カーボンを
含ませることが困難で、このため塗布の際に導電性カー
ボンがたれたり、かすれたりするという問題があった。
また、従来例では絵筆の穂先の一定の部分しか使用でき
ないので、穂先に毛ぐせがつき易く、このため穂先の劣
化も早いという問題もあった。さらに、従来例では塗布
範囲が限られているので、蛍光面塗布及びメタルバック
作業内容によってはピンとの導通保証が完全にはでき
ず、この結果、1つのラインで1つの管種しか生産でき
なかった。
【0004】本発明は従来例のかかる点に鑑みてなされ
たもので、その目的とするところは、パネルピンに対す
る導電性カーボンの塗布品質を向上させるとともに絵筆
の耐久寿命を伸ばすことができ、しかも多管種混流生産
を可能にしうるピンカーボン塗布装置及びその方法を提
供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係るピンカーボ
ン塗布装置は、例えば図1又は図4に示すように、陰極
線管の色選別電極支持用のピン部7とメタルバック層1
9との電気的な接続を行うため、供給手段4から供給さ
れた導電性カーボンCを筆5によってピン部7に塗布す
るピンカーボン塗布装置において、少なくともメタルバ
ック層19が形成された陰極線管のパネルPを固定する
位置決め手段9,10と、予め定められたプログラムに
従ってこの筆5を3次元的に動かすことが可能であり、
且つこの筆5の中心軸を中心として回転可能なハンド部
11を備えたロボット2と、この筆5の穂先5aに直接
または間接的に導電性カーボンCを供給する供給手段4
と、供給手段4により穂先5aに導電性カーボンCが供
給された後に、回転するドラム16で筆5の穂先5aを
しごいてこの穂先5aに含まれる導電性カーボンCの量
の調整とこの穂先5aの形状の修正を行う穂先修正手段
6とを備え、ロボット2によりこの筆5を移動させ、こ
の筆5を回転し予め定められた穂先5aの側面を使用し
て陰極線管のピン部7への導電性カーボンCの塗布がな
されるものである。一方、本発明に係るピンカーボンの
塗布方法は、例えば図1又は図4に示すように、少なく
ともメタルバック層19が形成された陰極線管のパネル
Pを位置決めし、カーボン供給手段4から導電性カーボ
ンCを供給して筆5の穂先5aに導電性カーボンCを含
ませ、回転するドラム16にこの筆5の穂先5aを当接
して穂先5aをしごいて穂先5aに含まれる導電性カー
ボンCの量を調整するとともに穂先5aの形状を修正
し、この穂先5aをしごく動作をロボット2を用い筆5
の中心軸を中心としてその穂先5aを回転させることに
よりこの穂先5aの異なる側面について行い、その後、
上述のロボット2を用い上述の筆5の穂先5aを回転さ
せ予め定められた穂先5aの側面を使用して陰極線管の
色選別電極支持用のピン部7に導電性カーボンCを塗布
するものである。
【0006】
【作用】かかる構成を有する本発明においては、筆5の
穂先5aに導電性カーボンCを供給した後、この穂先5
aをしごいて穂先5aに含まれる導電性カーボンCの量
を調整することから、多少多めに導電性カーボンCを供
給した場合であっても、穂先5aに含まれる導電性カー
ボンCの量が適正になる。そして、この動作により穂先
5aの形状が整えられる。また、穂先5aのしごき及び
導電性カーボンCの塗布に際し穂先5aを回転させるこ
とから、筆5の穂先5a全体がむらなく使用される。さ
らに、ロボット2により筆5を移動させて導電性カーボ
ンCを塗布することから、陰極線管の色選別電極支持用
のピン部7の任意の位置へ導電性カーボンCを塗布する
ことが可能になる。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図1は本実施例装置の全体構成を示すものであ
る。同図に示すように、本実施例装置は、陰極線管のパ
ネルPを固定するための位置決め機構部1と、小型のロ
ボット2と、供給ノズル3を有するカーボンタンク4
と、絵筆5の穂先を修正するための穂先修正部6とから
構成されている。
【0008】後述の色選別電極を支持するピン7が設け
られ、蛍光面が形成されたパネルPは、固定台8上に蛍
光面を下にして載置され、x,y方向の位置決め部材
9,10によって位置決めがなされるようになってい
る。
【0009】固定台8内には導電性カーボンCを塗布す
るためのロボット2が配置されている。このロボット2
としては、例えば5軸の垂直多関節形のロボット(商品
名ムーブマスターEX・RV−M1形、三菱電器社製)
が用いられる。このロボット2のハンド部11の先端に
は市販の絵筆5が取り付けられるようになっている。
【0010】この場合、絵筆5は、図2に示すようには
け治具12に取り付けられ、さらにこのはけ治具12
は、はけ治具取付金具13によってロボット2のハンド
部11に取り付けられている。このロボット2は、不図
示のマイクロコンピュータを備え、予め与えられたプロ
グラムに従って絵筆5を3次元的に動かすことができる
ようになっている。特に絵筆5をその中心軸を中心とし
て回転できるようになっている。
【0011】尚、絵筆5の取付に際しては、市販の絵筆
の柄の部分を切り取り、予めマスターゲージ14を用い
てはけ治具12に固定しておき、このはけ治具12を、
ロボット2のハンド部11に取り付けられたはけ治具取
付金具13に取り付ける。このように絵筆5を予めはけ
治具12に取り付けておけば、絵筆5の穂先5aが劣化
してもワンタッチで変換が可能になる。尚、31は穂先
高さ調整用ボルト、32ははけ治具固定用ボルト、33
は絵筆5の傾き調整及び固定用ボルトである。
【0012】カーボンタンク4内にはペースト状の導電
性カーボンCが充填され、供給ノズル3から供給される
ようになっている。そして、このカーボンタンク4は、
支持台34上に固定されている。
【0013】図3は穂先修正部6の構成を拡大して示す
ものである。図1に示すように、穂先修正部6は容器1
5内に円筒状のドラム16が配置され、さらに容器15
内に溶剤17が注入されてなるものである。ここで、ド
ラム16は不図示の駆動手段によって矢印方向に回転可
能となっている。そして、このドラム16の表面の導電
性カーボンCを除去するためのワイパー18が設けられ
ている。尚、溶剤17としては、導電性カーボンCの溶
剤として使用される炭化水素系のものを用いる。そし
て、図3に示すようにドラム16の下部が常に溶剤17
に接触するようにしておく。また、図3に示すように、
ロボット2のハンド部11によって移動される絵筆5の
穂先5aがドラム16の上部に接触可能となるようにロ
ボット2と穂先修正部6との位置関係を設定しておき、
さらにカーボンタンク4の供給ノズル3の先端もドラム
16の上方に位置するようにしておく。
【0014】次に、本発明に係るピンカーボンの塗布方
法の実施例を説明する。まず、図6に示すように、色選
別電極を支持するための例えば3つの金属製のピン7
(7A,7B,7C)が設けられ、内面に公知の方法に
より蛍光体層及びAlのメタルバック層からなる蛍光面
を形成したパネルPを固定台8上に載せ、位置決め部材
9,10によってx,y方向の位置決めを行う。
【0015】次に、カーボンタンク4の供給ノズル3か
ら絵筆5の穂先5aに導電性カーボンCを数滴たらして
導電性カーボンCの供給を行う。そして、この絵筆5の
穂先5aをドラム16に押し当て、ドラム16を180
°ずつ数回に分けて回転させることにより、硯で墨を含
んだ筆をしごく要領で穂先5aをしごいて導電性カーボ
ンCの量を適正にする。この動作を行うことにより、導
電性カーボンCが多めに穂先5aに供給された場合であ
っても、余分な導電性カーボンCはドラム16上に残る
ため、穂先5aに含まれる導電性カーボンCの量は適正
になる。また、絵筆5の穂先5aも整えられることにな
る。
【0016】一方、この工程においてドラム16上に残
った導電性カーボンCは、ドラム16の回転に伴って溶
剤17に浸され剥離しやすくなる。そして、さらなるド
ラム16の回転に伴いワイパー18によってドラム16
表面の導電性カーボンCが剥離される。従って、上述の
しごき動作を行うドラム16の表面は、常にきれいに保
たれることになる。
【0017】図4及び図5は導電性カーボンCを塗布す
る場所及び方向を示すものである。同図に示すように、
例えはAlによるメタルバック層19とピン7の側面と
が接続されるように絵筆3によって導電性カーボンCを
塗布する。この場合、パネルPのスカート部20の縁部
に向かって(A→B方向)塗布を行うようにする。これ
は、導電性カーボンCに垂れが発生することを防止する
ためである。また、ピン7の位置等のばらつきに対応す
るため、1つのピン7に対して2個所導電性カーボンC
を塗布する。
【0018】次に、本実施例における絵筆5の穂先5a
の使い方の一例を図5(a)(b)に示す。まず、穂先
5aのの面でノズル3の先端から導電性カーボンCの
供給を受け、上述したようにドラム16を回転させて
の面をしごく。次に、ドラム16から穂先5aを浮かし
ロボット2のハンド部11を180°回転させた後、再
び穂先5aをドラム16に接触させ、同様の方法により
今度は穂先5aのの面をしごく。この状態で、穂先5
aのの面を使ってピン7Bの塗布を行う。この場合、
塗布すべき2個所のうち1個所のみの塗布を行う。次
に、ロボット2のハンド部11を180°回転させ穂先
5aのの面を使って同様にピン7Cの1個所を塗布す
る。さらに、穂先5aのの面で導電性カーボンCの供
給を受け、ドラム16を回転させての面をしごく。そ
して、ロボット2のハンド部11を180°回転させ
の面をしごく。その後、穂先5aのの面を使ってピン
7Bの残りの部分を塗布する。そして、ロボット2のハ
ンド部11を180°回転させ穂先5aのの面を使っ
てピン7Cの残りの部分を塗布する。
【0019】なお、ピンカーボン塗布をピン7に対して
1個所だけ行う場合には、穂先5aのの面を使ってピ
ン7Bの塗布を行い、の面を使ってピン7Cの塗布を
行って1サイクルを終了する。次に他のパネルに対し、
穂先5aのの面を使ってピン7Bの塗布を行い、の
面を使ってピン7Cの塗布を行うようにする。
【0020】以上述べたように本実施例においては、絵
筆5の穂先5aに導電性カーボンCを供給した後にドラ
ム16でしごくようにしているので、穂先5aに適正量
の導電性カーボンCを含ませることができ、この結果、
導電性カーボンCのたれやかすれ等を防止して塗布品質
を向上させることができる。また、導電性カーボンCを
塗布する際に穂先5aを回転させて行うことにより、絵
筆5の耐久寿命を大巾に伸ばすことが可能になる。さら
に、ロボット2により絵筆5を移動させて導電性カーボ
ンCを塗布することにより、位置決めしたパネルP全て
のピン7の任意の位置へ塗布することが可能になり、多
管種混流生産ができるようになるという効果もある。
【0021】尚、上述の実施例においては、導電性カー
ボンを直接絵筆の穂先にたらすことにより導電性カーボ
ンの供給を行うようにしたが、本発明はこれに限られる
ものではなく、一旦ドラム上に導電性カーボンをたらし
た後に穂先にしみ込ませるようにしてもよい。ただし、
導電性カーボンをたらす際にはドラムの回転を止めてお
く必要がある。
【0022】
【発明の効果】以上述べたように本発明にあっては、筆
の穂先に導電性カーボンを供給した後、この穂先をしご
いて穂先に含まれる導電性カーボンの量を調整するよう
にしたことから、導電性カーボンのたれやかすれ等を防
止して塗布品質を向上させることができる。また、穂先
のしごき及び導電性カーボンの塗布に際し穂先を回転さ
せるようにしたことから、筆の耐久性(毛ぐせ、抜け
毛、切れ毛防止)を大巾に向上させることができる。さ
らに、ロボットにより筆を移動させて導電性カーボンを
塗布するようにしたことから、多管種混流生産が可能に
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るピンカーボン塗布装置の実施例の
全体構成図である。
【図2】同実施例装置の絵筆の取付部分を示す断面図で
ある。
【図3】同実施例装置の穂先修正部の拡大正面図であ
る。
【図4】導電性カーボンを塗布する場所及び方向を示す
平面図及び断面図である。
【図5】絵筆の穂先の使い方の一例を示す正面図及び側
面図である。
【図6】陰極線管のパネルの背面図である。
【符号の説明】
2 ロボット 3 ノズル 4 カーボンタンク 5 絵筆 5a 穂先 6 穂先修正部 7 ピン 11 ハンド部 16 ドラム C 導電性カーボン P パネル
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−32825(JP,A) 特開 昭61−114897(JP,A) 特開 昭61−118300(JP,A) 特開 平3−1422(JP,A) 実開 平3−110747(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 9/20

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陰極線管の色選別電極支持用のピン部と
    メタルバック層との電気的な接続を行うため、供給手段
    から供給された導電性カーボンを筆によって上記ピン部
    に塗布するピンカーボン塗布装置において、少なくともメタルバック層が形成された陰極線管のパネ
    ルを固定する位置決め手段と、 予め定められたプログラムに従って上記筆を3次元的に
    動かすことが可能であり、且つ該筆の中心軸を中心とし
    回転可能なハンド部を備えたロボットと、上記筆の穂先に直接または間接的に導電性カーボンを供
    給する供給手段と、 上記供給手段により上記穂先に導電性カーボンが供給さ
    れた後に、回転するドラムで 上記筆の穂先をしごいて該
    穂先に含まれる導電性カーボンの量の調整と該穂先の形
    状の修正を行う穂先修正手段とを備え、 上記ロボットにより上記筆を移動させ、上記筆を回転し
    予め定められた穂先の側面を使用して上記陰極線管の上
    記ピン部への上記導電性カーボンの塗布がなされる こと
    を特徴とするピンカーボン塗布装置。
  2. 【請求項2】 少なくともメタルバック層が形成された
    陰極線管のパネルを位置決めし、 カーボン供給手段から導電性カーボンを供給して筆の穂
    先に導電性カーボンを含ませ、回転するドラムに上記筆の穂先を当接して該穂先をしご
    いて 該穂先に含まれる導電性カーボンの量を調整すると
    ともに該穂先の形状を修正し、該穂先をしごく動作をロ
    ボットを用い該筆の中心軸を中心としてその穂先を回転
    させることにより該穂先の異なる側面について行い、 その後、上記ロボットを用い上記筆の穂先を回転させ予
    め定められた穂先の側面を使用して陰極線管の色選別電
    極支持用のピン部に導電性カーボンを塗布することを特
    徴とするピンカーボンの塗布方法。
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