JP3158318B2 - 緩衝器 - Google Patents

緩衝器

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JP3158318B2
JP3158318B2 JP34322092A JP34322092A JP3158318B2 JP 3158318 B2 JP3158318 B2 JP 3158318B2 JP 34322092 A JP34322092 A JP 34322092A JP 34322092 A JP34322092 A JP 34322092A JP 3158318 B2 JP3158318 B2 JP 3158318B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電気粘性流体が印加
電圧によってその粘性を変化させる性質を利用して発生
減衰力の調整を可能にする緩衝器に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、例えば自動車に利用される緩衝器
としての油圧緩衝器にあっては、該自動車の走行路面の
状況に応じてその発生減衰力が調整されるように構成さ
れていることが望まれている。
【0003】そして、そのために従来から提案されてい
る油圧緩衝器にあっては、一般的には、シリンダに対し
てピストンロッドが出没されることでシリンダ内でピス
トン部が摺動する際に、減衰力発生部を作動油が通過す
ることで所定の減衰力が発生されると共に、該減衰力発
生部における減衰力発生の機構を例えば機械的に変更さ
せてあるいは該減衰力発生部を通過する作動油の流量を
増減させて、その発生減衰力を高低調整し得るように構
成されている。
【0004】その結果、上記減衰力発生部が例えば絞り
やバルブ等の固有の減衰特性のもので構成されている場
合には、該固有の減衰特性の範囲内で発生された減衰力
が調整されることになり、従って、この減衰力発生部を
装備する油圧緩衝器が自動車に搭載される場合には、該
自動車が走行する路面の状況に応じてその発生減衰力を
調整するという当初の目的を充分に達成できなくなる危
惧がある。
【0005】そして、多様の特性の減衰力を発揮し得る
ように、減衰力発生部を多種の絞りやバルブ等を有する
構造に構成すると、該油圧緩衝器の構造が複雑になって
その生産性が低下されたりその保守管理が面倒になる等
の不都合が招来されるだけでなく、構造が複雑になるの
に呼応してその制御が複雑になり、その分高価な部品が
多用されることになる等して、その生産コストが上昇さ
れる等の不都合も招来され易くなる。
【0006】そこで、近年、印加電圧によってその粘性
が変化する性質を有する電気粘性流体が発見されている
ことを鑑案して、例えば、実公平3−5698号公報に
開示された図4に示すような構造の電気粘性流体利用の
緩衝器が提案されている。
【0007】即ち、該緩衝器は、従来の油圧緩衝器の態
様に形成されてなるもので、シリンダ1に対して出没自
在に挿通されるピストンロッド2の先端には、上記シリ
ンダ1内で摺動すると共に該シリンダ1内にロッド側室
Aとピストン側室Bを区画形成するピストン部3を有し
てなる。
【0008】そして、ロッド側室Aとピストン側室Bに
は電気粘性流体が充満されてなり、該ロッド側室Aとピ
ストン側室Bは、ピストン部3に配設の伸側チェック弁
3aとこれに並列する絞り3bを介して連通されるとし
ている。
【0009】また、シリンダ1は、その上端部にポート
1a及び下端部にポート1bをそれぞれ有しており、該
各ポート1a,1bを介して各側室A,Bがそれぞれ外
部に連通するとしている。
【0010】尚、シリンダ1の外部には、リザーバタン
クTが配設されており、該リザーバタンクTを形成する
タンクハウジングT1内にはそこに容室T2とガス室T
3とを区画形成フリーピストンT4が摺動可能に収装さ
れている。
【0011】そして、容室T2は、配管Pを介してシリ
ンダ1内のピストン側室Bに連通されるとしている。
【0012】一方、シリンダ1の外周側には容室Rを形
成するように所謂外筒が配設されてなるとするが、該外
筒は、ヘッド側筒状体4と、ボトム側筒状体5と、中間
部筒状体6と、からなる。
【0013】尚、容室Rは、シリンダ1に開穿の各ポー
ト1a,1bを介して各側室A,Bに連通するとしてい
る。
【0014】ヘッド側筒状体4は、その上端内周にベア
リング部材7を螺着させてなり、該ベアリング部材7の
中央部にはピストンロッド2が摺動可能に挿通されてい
る。
【0015】そして、該ヘッド側筒状体4は、その下端
にフランジ部4aを有してなり、該フランジ部4aを介
して中間部筒状体6の上端に連設されるとしている。
【0016】ボトム側筒状体5は、その下端肉厚部に圧
側チェック弁5aとこれに並列する絞り5bを有してな
り、該圧側チェック弁5a及び絞り5bは、前記リザー
バタンクT内の容室T2をピストン側室Bに連通させて
いる。
【0017】そして、該ボトム側筒状体5は、その上端
にフランジ部5cを有してなり、該フランジ部5cを介
して中間部筒状体6の下端に連設されるとしている。
【0018】中間部筒状体6は、その上下端にそれぞれ
フランジ部6a,6bを有しており、該各フランジ部6
a,6bがそれぞれが対向するヘッド側筒状体4のフラ
ンジ部4a及びボトム側筒状体5のフランジ部5cにそ
れぞれ絶縁材8を介してボルトナット9で連設されてい
る。
【0019】そして、中間部筒状体6は、その内周と前
記シリンダ1の外周との間に、前記容室Rの一部を所謂
巾狭にするように、間隔が約1mm程度となる制御用隙
間Sを形成するとしている。
【0020】該制御用隙間Sは、ここに電場が発現され
る際に該電場に介在される電気粘性流体の粘性を印加電
圧量に応じて硬化傾向に変化させるように機能する。
【0021】そしてまた、この従来例にあっては、シリ
ンダ1が一方の電極部材とされるに対して、中間部筒状
体6が他方の電極部材とされ、外部に配設のコントロー
ラCから延長される電線E1が一方の電極部材、即ち、
シリンダ1に電気的に接続される上端側筒状体4に接続
され、コントローラCから延長される電線E2が他方の
電極部材とされる中間部筒状体6に接続されるとしてい
る。
【0022】それ故、この従来提案としての電気粘性流
体利用の緩衝器によれば、シリンダ1に対してピストン
ロッド2が出没されることでシリンダ1内をピストン部
3が摺動するときに、該シリンダ1の外部に配設されて
いる制御用隙間Sを電気粘性流体が通過することになる
が、このとき両方の電極部材に所定の電圧を印加して制
御用隙間Sに電場を発現させるようにすれば、該電場で
電気粘性流体の粘性が印加電圧量に応じて硬化傾向に変
化されることになる。
【0023】従って、上記印加電圧が維持されることを
条件に、以降、制御用隙間Sにおける電気粘性流体の流
通性が妨げられる傾向になり、その結果、ピストン部3
のシリンダ1内での摺動性が妨げられる、即ち、減衰作
用が発現されることになり、両方の電極部材への印加電
圧量を適宜に選択すれば、発現される減衰作用の度合を
任意に調整し得ることになる。
【0024】そして、上記従来提案としての緩衝器が自
動車に搭載されれば、該自動車の走行路面の状況に応じ
て減衰作用の度合を調整することが可能になり、該自動
車における例えば乗り心地を好ましい状態に改善し得る
ことになる。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来例としての電気粘性流体利用の緩衝器にあっては、
保安上の欠点があると共に、所定の減衰作用が期待でき
なくなる危惧がある。
【0026】即ち、従来例に係る緩衝器は、両方の電極
部材、即ち、一方の電極部材たるシリンダ1に電気的に
接続される上端側筒状体4及び下端側筒状体5と共に他
方の電極部材とされる中間部筒状体6が緩衝器の外周に
露出されている状況にある。
【0027】それ故、両方の電極部材は、所謂野晒し状
態にあって、これに人体が触れる場合には感電の危険が
ある。
【0028】又、自動車への搭載状態にあっても電流が
ベアリング部材7等を介して他部への接触による漏電の
危険があり、電力損失が生じる。
【0029】そして、上記従来例の場合には、緩衝器の
外部にフランジ部4a,6a及び5c,6bが突出する
形態に形成されているために、上記感電や漏電の機会が
増えることになる不都合がある。
【0030】さらに、制御用隙間Sの間隔は、これが約
1mm程度に保持されている必要があるという事実を鑑
みると、上記した従来例にあっては、中間部筒状体6に
凹凸が招来される等の事態を絶対的に回避しなければな
らないが、該緩衝器が例えば自動車への搭載中には中間
部筒状体6の外周に石が衝突する等して凹みができる危
険があり、該凹みができる等の場合には、制御用隙間S
の間隔が狂うことになり、設定通りの減衰作用を期待で
きなくなる危惧がある。
【0031】そして、制御用隙間Sにおける間隔の維持
は、該緩衝器を商品として搬送する場合にも要請される
ことで、その管理が面倒になる不都合もある。
【0032】この発明は、前記した事情を鑑みて創案さ
れたものであって、その目的とするところは、感電や漏
電のおそれが無く、管理上や保安上に有利であると共
に、電極部材たるシリンダアッセンブリーの組付性を向
上させる。電気粘性流体利用の緩衝器を提供することで
ある。
【0033】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、この発明に係る電気粘性流体利用の緩衝器の構
成はシリンダの外側にインナーチューブを配設し、イン
ナーチューブの外側にアウターチューブを配設し、イン
ナーチューブとアウターチューブとの間にリザーバ室を
形成してなり、更にシリンダ内にピストン部を摺動可能
に収装して該シリンダ内にロッド側室とピストン側室と
を区画形成する一方でピストン部におけるチェック弁を
介してピストン側室をロッド側室に連通させ、シリンダ
とインナーチューブとの間にロッド側室とリザーバ室と
に連通する制御用隙間を形成してなり、又、リザーバ室
がシリンダの下端部に配設のベースバルブ部におけるチ
ェック弁を介してピストン側室に連通されてなる緩衝器
において、シリンダの両端部外周に絶縁スペーサを挿入
させ、インナーチューブの両端部を絶縁スペーサの外周
に嵌合させ、絶縁スペーサをシリンダの外周に設けた締
付部材で締付けてシリンダとインナーチューブとを一体
に構成させ、この状態でシリンダの両端部のその内周側
に設けた絶縁材を介してベアリングとベースバルブのバ
ルブボディに結合させ、かつ、シリンダが一方の電極部
材とされるに対してインナーチューブが他方の電極部材
とされてなることを特徴とするものである。
【0034】
【作用】アウターチューブが所謂カバー体になって緩衝
器の所謂内部にある制御用隙間を形成する他方の電極部
材たるインナーチューブの外周に衝撃等の外力が作用す
ることを予め阻止し得ることになり、従って、制御用隙
間の間隔を設定通りに維持することが可能になる。
【0035】更に電極部材たるシリンダとインナーチュ
ーブとがアウターチューブ内に配置され、且つ各電極部
材が絶縁材で絶縁されているから、電極部材が外部に露
出されなくなり、電流は他の部材を介して外部に流れな
いから感電や漏電が防止される。
【0036】シリンダとインナーチューブとからなるシ
リンダアッセンブリーはあらかじめ一体に組付けられて
いるから組付性が良い。
【0037】
【実施例】以下、図示した実施例に基いてこの発明を詳
細に説明すると、図1に示す実施例はこれが自動車用と
される緩衝器であって、該緩衝器は、シリンダ1と、イ
ンナーチューブ10と、アウターチューブ11と、を有
してなり、所謂複筒型に対する三重筒型に形成されてな
る。
【0038】シリンダ1とインナーチューブ10とは一
体に組付けられたシリンダアッセンブリーを構成してい
る。
【0039】シリンダ1の上下端部を小径に形成し、こ
の上下端部外周に絶縁材からなる絶縁スペーサ20,2
1をOリングを介して挿入し、各絶縁スペーサ20,2
1の外周小径部にインナーチューブ10の上下端部内周
をOリングを介して嵌合している。
【0040】上方の絶縁スペーサ20はシリンダ1の上
部外周に配設した締付部材たるワッシャ222と、ウェ
ーブワッシャ23と、ナット24と、弛み止めナット2
5で下方に向けて締め付けられている。
【0041】ナット24,25は締め付け用の孔を設け
ているが、これは無くてもよい。
【0042】同じく下方の絶縁スペーサ21はシリンダ
1の下部外周に設けたワッシャ26とスナップリング2
7とで固定されている。
【0043】例えば、シリンダ1の下部にあらかじめ絶
縁スペーサ21をワッシャ26とスナップリング27と
で固定し、次にインナーチューブを挿入してその下部を
絶縁スペーサ21の外周に嵌合させ、次いで上方の絶縁
スペーサ20をシリンダ1の外周とインナーチューブ1
0の上端内周との間に嵌合させ、更にワッシャ22、ウ
ェーブワッシャ23を差し込んでナット24,25を螺
合して締め付けると、絶縁スペーサ20,21を介して
シリンダ1とインナーチューブ10とが一体にアッセン
ブリー化される。
【0044】この為、シリンダ1とインナーチューブ1
0とは一体となって後述するようにベアリングゃベース
バルブのバルブボディに組付けられる。
【0045】図3に示すように、締付部材としてはワッ
シャ22とウエーブワッシャ23とストッパ27とシリ
ンダ1の端部のカシメ部28とで構成させてもよく、そ
の構造は図示のものに限定されない。
【0046】シリンダ1は、所謂単管構造に形成されて
その内部にピストンロッド2を出没自在に挿通させると
共に、その内部に摺動可能に収装されたピストン部3に
よって区画形成されたロッド側室Aとピストン側室Bと
を有してなる。
【0047】そして、ロッド側室Aとピストン側室Bに
は電圧印加時にその粘性が変化される電気粘性流体が充
満されている。
【0048】また、シリンダ1は、その上端がその中央
部にピストンロッド2を挿通させるベアリング部材12
に合成樹脂、セラミック材等からなる絶縁材8を介して
接続された状態で閉塞されている。
【0049】尚、ベアリング部材12は、シール部材1
6を保持すると共にピストンロッド2を挿通させるシー
ルケースを兼ねたキャップ部材13の下端側内周に接続
されている。
【0050】キャップ部材13は、その下端側外周にア
ウターチューブ11の上端内周を接続させている。
【0051】そしてまた、シリンダ1は、その下端がベ
ースバルブ部14によって閉塞される、即ち、ベースバ
ルブ部14を形成するバルブボディ14aの外周に絶縁
材8aを介して接続された状態で閉塞されている。
【0052】尚、バルブボディ14aは、その下方に配
設されたボトム部材15に接続された状態で支持されて
なるとし、該ボトム部材15は、その上端側外周にアウ
ターチューブ11の下端内周を連設させている。
【0053】ベースバルブ部14は、その内側に容室R
1を有してなると共に、該容室R1をバルブボディ14
aに開穿されたポート14b及び該ポート14bの上端
側を閉塞するように配設されたチェック弁14cを介し
てピストン側室Bに連通させる一方で、容室R1をバル
ブボディ14aの下端に形成された連通孔14dを介し
て外部、即ち、インナーチューブ10とアウターチュー
ブ11との間に形成されるリザーバ室R2に連通させる
としている。
【0054】ピストン部3は、絶縁材からなるシール材
3eと軸受3fを介してシリンダ1内を更に摺動し、更
にそのピストンボディ3cに開穿されたポート3d及び
該ポート3dの上端側を閉塞するように配設されたチェ
ック弁3aを介してピストン側室Bをロッド側室Aに連
通させるている。
【0055】シール材3eと軸受3fが絶縁材で構成さ
れていることにより、シリンダ1に印加された電流はピ
ストン部3とピストンロッド2には伝わらない。
【0056】シリンダ1には端子P1が接続され、イン
ナーチューブ10は端子Q1と接続されてそれぞれ交流
又は直流の電源に通電している。
【0057】リザーバ室R2はエアーバルブ30を介し
てエアーが封入できるようになっている。
【0058】端子P1,Q1は同一の構造を有し、それ
ぞれアウターチューブ11の外周に固定した円筒状ボス
31と、ボス31内に螺合したスリーブ32と、スリー
ブ32内に挿入したボルト33とスプリング34とプレ
ート状の接触片35とを備えている。
【0059】端子P1の接触片35はシリンダ1側のナ
ット24,25に接触し、シリンダ1にナット24,2
5と端子P1を介して通電させる。
【0060】端子Q1は接触片35がインナーチューブ
10の外周に当接して通電させる。
【0061】一方、シリンダ1の上端部にはポート1a
が開穿されていて、該ポート1aを介してロッド側室A
がシリンダ1の外部、即ち、シリンダ1と該シリンダ1
の外部に配設されたインナーチューブ10との間に形成
される制御用隙間Sに連通するとしている。
【0062】該制御用隙間Sの間隔は、前記した従来例
の場合と同様に、約1mm程度とされており、この実施
例にあっては、前記した絶縁スペーサ20,21の所謂
肉厚の調整によって設定されるとしている。
【0063】インナーチューブ10の下端部には、ポー
ト10aが開穿されていて、該ポート10aを介して制
御用隙間Sとリザーバ室R2とが連通するようにしてい
る。
【0064】これによって、制御用隙間Sを流通する電
気粘性流体は、常にリザーバ室R2に流入する傾向にな
る。
【0065】ところで、制御用隙間Sに電界を発現させ
るには、プラス側及びマイナス側の両方の電極部材に所
定の電圧を印加することによるが、この実施例にあって
は、一方の電極部材とされるシリンダ1を例えばプラス
側に設定すると共に、他方の電極部材とされるインナー
チューブ10をマイナス側に設定するとしている。
【0066】そして、シリンダ1に外部のコントローラ
又は電源から延長された電線が端子P1を介して接続さ
れてなると共に、インナーチューブ10にコントローラ
から延長された電線が端子Q1を介して接続されてなる
としている。
【0067】接続は逆であってもよく、結線の方法はこ
れに限定されるものではない。
【0068】この実施例にあっては、例えばコントロー
ラには自動車に搭載される車高センサからの信号が入力
されるとしており、緩衝器が自動車に搭載されて路面走
行をする場合に、該走行路面の状況に応じて両方の電極
部材への印加電圧量が適宜に調整されるとしている。
【0069】従って、以上のように形成されたこの実施
例に係る電気粘性流体利用の緩衝器においては、シリン
ダ1に対してピストンロッド2が出没される緩衝器の伸
縮作動時には、ロッド側室Aにある電気粘性流体が制御
用隙間S、リザーバ室R2及びベースバルブ部14を介
してピストン側室Bに流入することになる。
【0070】即ち、緩衝器は、その伸縮作動時には、常
に、ロッド側室Aからの電気粘性流体が制御用隙間Sを
流通することになり、所謂ワンウェイタイプとして機能
することになる。
【0071】そして、緩衝器の圧側作動時にロッド側室
Aにおいて余剰になる電気粘性流体は、制御用隙間Sを
介してリザーバ室R2に流入され、緩衝器の伸側作動時
にピストン側室Bにおいて不足する電気粘性流体は、ベ
ースバルブ部14を介してリザーバ室R2から補充され
る。
【0072】緩衝器の伸縮作動時に、一方の電極部材た
るシリンダ1及び他方の電極部材たるインナーチューブ
10に所定の電圧が印加されると、両方の電極部材間に
形成されている制御用隙間Sに電界が発現される。
【0073】該電界の発現は、そこに介在している、即
ち、そこを流通している電気粘性流体の粘性が硬化傾向
に瞬時に変化されることになり、それ故、該粘性が変化
された電気粘性流体は、以降、該制御用隙間Sを電気粘
性流体が流通することを妨げる傾向に作用する。
【0074】尚、シリンダ1とインナーチューブの長さ
が等しく形成した場合には通電路抵抗が等しい為に制御
用隙間Sの全域にわたって均一な電界ができる。
【0075】その結果、ロッド側室Aからの電気粘性流
体の流出性が妨げられることになって、ピストン部3の
シリンダ1内での摺動性が妨げられることになり、これ
が減衰作用として発現されて、ピストンロッド2のシリ
ンダ1内への没入性及びピストンロッド2のシリンダ1
内からの突出性が妨げられ、該緩衝器が所謂緩衝器とし
て機能することになる。
【0076】従って、印加電圧量を適宜に制御すれば、
減衰作用を印加電圧量に応じて直ちに、しかも所定の減
衰力調整を段差なく円滑に実行することが可能になり、
緩衝器が自動車に搭載される場合には、該自動車の走行
路面の状況に応じた減衰作用の調整が可能になり、該自
動車における例えば乗り心地を好ましい状態に改善し得
ることになる。
【0077】尚インナヘチューブは複数設けて多重式に
し、制御用隙間を長くしてもよく、ロッド側室とリザー
バ室に開口するポートの近辺に大きな流体抵抗を発生さ
せないようにしても良い。
【0078】シリンダとインナーチューブは肉厚を変え
ることにより、長さが異なっていても電気抵抗を同じに
することができる。
【0079】電極端子は上方のみ、又は下方のみに設け
てもよい。
【0080】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば次の効
果がある。
【0081】印加電圧量を適宜に制御することで、所
定の減衰作用を直ちにしかも円滑に実行することが可能
になり、これを自動車に搭載する緩衝器とする場合には
該自動車の走行路面の状況に応じた減衰力調整が可能に
なって該自動車の例えば乗り心地が良好に改善されるこ
とになる。
【0082】制御用隙間が外部からの衝撃が直接作用
しないように緩衝器の所謂内部に形成されるので、制御
用隙間を形成する電極部材の外周への衝撃等の外力作用
を予め阻止し得て、該制御用隙間の間隔を設定通りに維
持することが可能になる。
【0083】両方の電極部材が外部に露出されなくな
り、感電や漏電が防止される。
【0084】シリンダとインナーチューブの各端部が
絶縁されているから、ベアリング等の他の部材を介して
電流が直流であっても交流であっても他の部材に流れ
ず、漏電が防止され電力損失を防止できる。
【0085】シリンダとインナーチューブとが絶縁ス
ペーサと締付部材を介してあらかじめ一体に結合してア
ッセンブリー化させているから、シリンダアッセンブリ
ーをそのままベアリングとベースバルブボディに組付け
るから組付性、加工性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係る電気粘性流体利用の
緩衝器を示す断面図である。
【図2】シリンダとインナーチューブとの断面図であ
る。
【図3】他の実施例に係るシリンダと締付部材の部分断
面図である。
【図4】従来例としての電気粘性流体利用の緩衝器を示
す断面図である。
【符号の説明】
1 シリンダ 3 ピストン部 3a チェック弁 8,8a 絶縁材 10 インナーチューブ 11 アウターチューブ 14 ベースバルブ部 14c チェック弁 20,21 絶縁スペーサ 22 ワッシャ 23 ウェーブワッシャ 24 ナット 25 弛み止めナット 26 ワッシャ 27 スナップリング 28 カシメ部 29 ストッパ A ロッド側室 B ピストン側室 R2 リザーバ室 S 制御用隙間 P1 電極端子 Q1 電極端子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−266636(JP,A) 実開 平4−7746(JP,U) 実開 平4−18739(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16F 9/53

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダの外側にインナーチューブを配
    設し、インナーチューブの外側にアウターチューブを配
    設し、インナーチューブとアウターチューブとの間にリ
    ザーバ室を形成してなり、更にシリンダ内にピストン部
    を摺動可能に収装して該シリンダ内にロッド側室とピス
    トン側室とを区画形成する一方でピストン部におけるチ
    ェック弁を介してピストン側室をロッド側室に連通さ
    せ、シリンダとインナーチューブとの間にロッド側室と
    リザーバ室とに連通する制御用隙間を形成してなり、
    又、リザーバ室がシリンダの下端部に配設のベースバル
    ブ部におけるチェック弁を介してピストン側室に連通さ
    れてなる緩衝器において、シリンダの両端部外周に絶縁
    スペーサを挿入させ、インナーチューブの両端部を絶縁
    スペーサの外周に嵌合させ、絶縁スペーサをシリンダの
    外周に設けた締付部材で締付けてシリンダとインナーチ
    ューブとを一体に構成させ、この状態でシリンダの両端
    部のその内周側に設けた絶縁材を介してベアリングとベ
    ースバルブのバルブボディに結合させ、かつ、シリンダ
    が一方の電極部材とされるに対してインナーチューブが
    他方の電極部材とされてなることを特徴とする緩衝器。
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