JP3158305B2 - 情報信号記録装置および回転ヘッド装置 - Google Patents

情報信号記録装置および回転ヘッド装置

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JP3158305B2
JP3158305B2 JP09864192A JP9864192A JP3158305B2 JP 3158305 B2 JP3158305 B2 JP 3158305B2 JP 09864192 A JP09864192 A JP 09864192A JP 9864192 A JP9864192 A JP 9864192A JP 3158305 B2 JP3158305 B2 JP 3158305B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、テープ速度が異なる
二つのモードを有する情報信号記録装置およびこれに使
用される回転ヘッド装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の回転ヘッド型VTRとして、第1
のモード(SPモードと称する)と第2のモード(LP
モードと称する)との二つのモードを有するものが知ら
れている。SPモードのテープ速度は、LPモードのそ
れの1.5倍,2倍等である。この二つのモードは、記
録されるビデオ情報の長さ、使用するカセットテープの
記録可能時間、画質の良否等を考慮して選択される。
【0003】従来の回転ヘッド装置の一つは、図5Aに
示すように、回転ドラム1上にそれらのギャップの延長
方向(アジマス角と呼ぶ)が異なる二つのヘッドH1お
よびH2を極めて近接して設けるものがある。二つのヘ
ッドは、構成部品を共用するように一体的に構成され、
ダブルアジマスヘッド、VXヘッド等とも呼ばれる。図
5Bに示すように、これらのヘッドH1およびH2は、
互いにSPモードのトラックピッチに等しい段差Dsを
有するように、回転ドラム1に取りつけられる。従っ
て、この図5の回転ヘッド装置は、SPモード専用であ
る。図5と同様に、図6に示すように、ヘッドH1、H
2が近接して取りつけられ、その段差DlがLPモード
のトラックピッチに等しい回転ヘッド装置は、LPモー
ド専用である。
【0004】図7Aに示すように、180°対向して、
回転ドラム1に2個のヘッドH1、H3を取りつける構
成も知られている。これらの回転ヘッドH1、H3は、
図7Bに示すように、異なるアジマス角を有している。
図7の回転ヘッド装置は、SPあるいはLPの専用とす
るのみならず、両モードに共用することもできる。この
共用のためには、LPモードをSPモードより優先す
る。すなわち、ヘッドH1、H3のトラック幅をLPモ
ードのトラックピッチ以上でSPモードのトラックピッ
チ以下とする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、SPお
よびLPモードの兼用のために、図7中のヘッドH1、
H3のトラック幅を選んだ結果、SPモードでガードバ
ンドを生じるので消去ヘッドが必要となる。若し、SP
モードをLPモードより優先すると、すなわち、ヘッド
H1、H3のトラック幅をSPモードのトラックピッチ
以上のトラック幅とすると、LPモードの再生時に隣接
トラックからのクロストークが大きくなり、エラーレー
トが増加する。
【0006】また、回転ドラム1の偏心、回転ドラムに
磁気テープを巻き付けるための案内部の非直線性等によ
って、トラックの曲がりが生じる。図7に示されるヘッ
ド配置は、図8に磁気テープ2の記録パターンを示すよ
うに、ヘッドH1およびH3によって形成されるトラッ
ク間でそれらの曲がり方が相違し、一方のアジマスの記
録済トラックが他方のアジマスのヘッドで重ね記録さ
れ、部分的にトラック幅が狭くなる。特に、トラックピ
ッチが小さいLPモードにおいて、このようなトラック
幅の減少は、再生信号の劣化を生じさせ、互換性の低下
を招来する。
【0007】従って、この発明の目的は、2つのモード
を有する時に、トラックの非直線性が再生信号に与える
劣化を低減することができる情報信号記録装置を提供す
ることにある。
【0008】この発明の他の目的は、SPモードおよび
LPモードに共用でき、SPモードでガードバンドが発
生せず、LPモードでも、隣接トラックからのクロスト
ークが少ない回転ヘッド装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
第1のモード(SP)と第2のモード(LP)を有し、
第1のモード(SP)のトラックピッチ(TP)が第2
のモード(LP)のトラックピッチ(TP´)より大と
なる情報信号記録再生装置において、回転ドラム(1)
上に、互いに近接して段差(Dl)を持って取り付けら
、互いに逆アジマス角の第1および第2のヘッド(H
1、H2)と、第1および第2のヘッド(H1、H2)
の一方と180°対向した位置に取り付けられた第3の
ヘッド(H3)からなる回転ヘッド装置と、第1のモー
ド(SP)では、第1および第2のヘッド(H1、H
2)の一方と第3のヘッド(H3)とによって情報信号
を磁気テープ(2)に記録し、第2のモード(LP)で
は、第1および第2のヘッド(H1、H2)によって情
報信号を磁気テープ(2)に同時に記録するように制御
する回路とからなり、第1および第2のヘッドの段差
(Dl)は、上記第2のモードのトラックピッチに等し
い段差としたことを特徴とする情報信号記録装置であ
る。
【0010】請求項2記載の発明は、第1のモード(S
P)と第2のモード(LP)を有し、第1のモード(S
P)のトラックピッチ(TP)が第2のモードのトラッ
クピッチ(TP´)の1.5倍となる情報信号記録装置
のための回転ヘッド装置において、回転ドラム(1)上
に、互いに近接して段差を持って取りつけられ、互いに
逆アジマス角の第1および第2のヘッド(H1、H2)
と、第1および第2のヘッド(H1、H2)の一方と1
80°対向した位置に取り付けられた第3のヘッド(H
3)とを備え、第1および第2のヘッド(H1、H2)
の段差は、第2のモード(LP)のトラックピッチ(T
P)に等しい段差(Dl)とし、それらのトラック幅が
第1のモード(SP)のトラックピッチ(TP)と等し
いか、あるいは第2のモード(LP)のトラックピッチ
(TP´)の2倍より小さい範囲の値に設定され、第3
のヘッド(H3)は、そのトラック幅が第1のモード
(SP)のトラックピッチ(TP)とその3倍との間の
値に設定されたことを特徴とする回転ヘッド装置であ
る。
【0011】
【作用】トラックピッチがSPモードのもの(TP)に
比してより小さいLPモードでは、互いに逆アジマス角
のヘッドH1、H2によって情報信号が記録される。ヘ
ッドH1、H2の段差DlがLPモードのトラックピッ
チTP´と等しくされ、同時に隣接する2本のトラック
が形成される。ヘッドH1、H2のトラック幅がTP´
より大きいので、ガードバンドが生じない。従って消去
ヘッドが不要とできる。また、LPモードでは、ヘッド
H1、H2が同時に磁気テープ2を走査するので、それ
らにより形成されるトラックが同一の非直線性を持つこ
とになる。その結果、トラックの幅が部分的に狭くなる
ことを防止できる。
【0012】SPモードでは、ヘッドH1、H2の一方
とこれと180°の対向間隔を有するヘッドH3とによ
って情報信号が記録される。ヘッドH1、H2の一方の
トラック幅は、SPモードのトラックピッチ以上に設定
され、ヘッドH3のトラック幅もSPモードのトラック
ピッチ以上に設定されている。従ってSPモードでもガ
ードバンドが生じず、消去ヘッドが不要である。さら
に、LPモードおよびSPモードのいずれでも、同一ア
ジマスの隣々接トラックを再生しないように、ヘッドH
1、H2、H3のそれぞれのトラック幅が設定される。
【0013】
【実施例】以下、この発明の一実施例について説明す
る。図1Aにおいて、H1、H2、H3が回転ドラム1
に取りつけられたヘッドである。図示せずも、回転ドラ
ム1の周面には、約180°より小さい巻き付け角でも
って、磁気テープが巻き付けられる。一定速度で走行さ
れる磁気テープには、ディジタルビデオ信号あるいはア
ナログビデオ信号が斜めのトラックとして2個のヘッド
(すなわち、LPモードでは、ヘッドH1およびH2、
SPモードでは、ヘッドH1およびH2の一方とヘッド
H3)により記録される。また、各ヘッドは、再生用に
も使用される。この例では、SPモードの磁気テープの
走行速度は、LPモードのそれの1.5倍とされる。従
って、SPモードのトラックピッチTPと、LPモード
のトラックピッチTP´の関係は、TP=1.5TP´
である。
【0014】ヘッドH1およびH2は、一体的構造であ
って、互いに極めて近接した位置に設けられる。図1A
に示すように、ヘッドH3は、ヘッドH1あるいはH
2、例えばH1と180°対向する位置に取り付ける。
図1Bに示すように、ヘッドH1およびH2は、互いに
逆のアジマス角(±θ)を持ち、それらの高さ方向の段
差DlがLPモードのトラックピッチTP´と等しくさ
れる。また、ヘッドH1、H2のトラック幅は、SPモ
ードのトラックピッチTP以上で、LPモードのトラッ
クピッチTP´の2倍より小さい範囲の値に設定され
る。これは、SPモードの時に形成されるテープ上の記
録パターンで、信号が記録されていないガードバンドが
生じないために必要である。しかし、トラック幅が広く
しすぎると、LPモードで、隣接トラックや隣々接トラ
ック(アジマス角が同一のヘッドで記録されたトラッ
ク)からのクロストークが増加する。従って、トラック
幅がLPモードのトラックピッチTP´の2倍より小さ
いものとされる。この実施例では、一例として、ヘッド
H1、H2のトラック幅がSPモードのトラックピッチ
TPの1.1倍程度とされる。
【0015】SPモードで使用されるヘッドH3は、図
1Cに示すように、ヘッドH2と同じアジマス角−θを
有する。若し、ヘッドH1ではなくてヘッドH2をヘッ
ドH3とともにSPモードで使用する時には、図1Dに
示すように、ヘッドH1と同じアジマス角+θを持つこ
とが必要である。このヘッドH3のトラック幅は、SP
モードのトラックピッチTPと3TPとの間の値、例え
ばトラックピッチTPの1.5倍程度とする。
【0016】具体的な数値の一例は、(TP=9μm、
TP´=6μm)の場合、ヘッドH1、H2間の段差
(Dl=6μm)、ヘッドH1、H2のトラック幅が約
10μm、ヘッドH3のトラック幅が約13〜14μm
である。また、ヘッドH1、H2の内で、先行するヘッ
ドを後行するヘッドより下側とし、ヘッドH3の高さ
は、ヘッドH1、H2の内で、それと逆アジマスの方と
同じとする。
【0017】SPモードでは、ヘッドH1とヘッドH3
とによって、あるいはヘッドH2とヘッドH3とによっ
て、ビデオ信号の記録再生を行う。それぞれのヘッドの
トラック幅がトラックピッチTPより大きいので、図2
Aに示すようなガードバンドのない記録パターンが形成
される。
【0018】LPモードでは、ヘッドH1、H2により
ビデオ信号が記録されるので、磁気テープ2に図2Bに
示すようなガードバンドのない記録パターンが形成され
る。図2Bで、TaがヘッドH1により形成されたトラ
ックを示し、TbがヘッドH2により形成されたトラッ
クを示す。各トラックには、1フィールドのビデオ信号
が記録される。このLPモードでは、メモリによりビデ
オ信号が遅延され、ヘッドH1、H2により、同時に2
フィールドのビデオ信号がトラックTa、Tbとして記
録される。このように記録されたLPモードの記録パタ
ーンは、記録時と同一のヘッドで再生される。この場
合、図3に示すように、ヘッドH1あるいはH2の中心
と記録パターンの中心とを一致させるように、トラッキ
ング制御がなされる。ヘッドH1あるいはH2のトラッ
ク幅がTP´の2倍より小さいので、隣々接トラックを
再生することがない。また、アジマス角の相違による損
失があるので、隣接トラックからのクロストークは少な
い。
【0019】上述のように、SPモードとLPモードと
に応じて使用するヘッドを切り替えるには、記録回路と
ヘッドH1、H2、H3との間に記録信号切り替えスイ
ッチを設け、ヘッドH1、H2、H3と再生回路との間
に切り替えスイッチを設ける。システムコントローラか
らのモード信号によって、これらの切り替えスイッチが
制御される。
【0020】上述の一実施例は、ビデオ信号を記録/再
生するものであるが、この発明は、ディジタルオーディ
オ信号等の情報信号の記録に対しても適用できる。
【0021】
【発明の効果】この発明は、LPモードにおいて、互い
に近接したヘッドH1、H2によりビデオ信号を記録す
るので、記録トラックに曲がりを生じた場合でも、図4
に示すように、ヘッドH1によるトラックTaとヘッド
H2によるトラックTbの曲がりの位相を同じにするこ
とができる。従って、トラックピッチを一様に保つこと
ができ、180°対向のヘッドを使用した時のようなト
ラック幅の部分的な減少が発生しない。LPモードのト
ラックピッチは、SPモードに比して狭いので、ヘッド
H1、H2が同時に磁気テープを走査することによっ
て、良好な信号の再生が可能である。
【0022】また、この発明のヘッド構成によれば、S
PモードおよびLPモードの何れでもガードバンドを生
じないので、特別な消去ヘッドは不要である。また、L
Pモード時にも隣々接クロストーク無しで、然も隣接ク
ロストークの少ない再生が可能であり、良好なエラーレ
ートを保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例の構成を示す平面図および
ヘッドのアジマスを示す図である。
【図2】この発明の一実施例のSPモードおよびLPモ
ードの記録動作を説明するための略線図である。
【図3】この発明の一実施例のLPモードの再生動作を
説明するための略線図である。
【図4】LPモードにおけるトラックの曲がりを示す略
線図である。
【図5】従来の回転ヘッド装置の一例を示す略線図であ
る。
【図6】従来の回転ヘッド装置の他の例を示す略線図で
ある。
【図7】従来の回転ヘッド装置のさらに他の例を示す略
線図である。
【図8】180°対向の一対のヘッドで形成された記録
パターンにおけるトラック曲がりを示す略線図である。
【符号の説明】
H1、H2、H3 磁気ヘッド 1 回転ドラム 2 磁気テープ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1のモードと第2のモードを有し、上
    記第1のモードのトラックピッチが上記第2のモードの
    トラックピッチより大となる情報信号記録装置におい
    て、 回転ドラム上に互いに近接して段差を持って取り付けら
    、互いに逆アジマス角の第1および第2のヘッドと、
    上記第1および第2のヘッドの一方と180°対向した
    位置に取り付けられた第3のヘッドからなる回転ヘッド
    装置と、 上記第1のモードでは、上記第1および第2のヘッドの
    一方と上記第3のヘッドとによって情報信号を磁気テー
    プに記録し、上記第2のモードでは、上記第1および第
    2のヘッドによって上記情報信号を上記磁気テープに
    時に記録するように制御する手段とからなり、 上記第1および第2のヘッドの段差は、上記第2のモー
    ドのトラックピッチに等しい段差としたことを特徴とす
    情報信号記録装置。
  2. 【請求項2】 第1のモードと第2のモードを有し、上
    記第1のモードのトラックピッチが上記第2のモードの
    トラックピッチの1.5倍となる情報信号記録装置のた
    めの回転ヘッド装置において、 回転ドラム上に、互いに近接して段差を持って取りつけ
    られ、互いに逆アジマス角の第1および第2のヘッド
    と、上記第1および第2のヘッドの一方と180°対向
    した位置に取り付けられた第3のヘッドとを備え、 上記第1および第2のヘッドの段差は、上記第2のモー
    ドのトラックピッチに等しい段差とし、それらのトラッ
    ク幅が上記第1のモードのトラックピッチ以上で、上記
    第2のモードのトラックピッチの2倍より小さい範囲の
    値に設定され、 上記第3のヘッドは、そのトラック幅が上記第1のモー
    ドのトラックピッチとその3倍の間の値に設定されたこ
    とを特徴とする回転ヘッド装置。
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