JP3157913B2 - 乾燥・固相重合装置を搭載したプリフォームの成形装置 - Google Patents

乾燥・固相重合装置を搭載したプリフォームの成形装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ボトル等の中空体を吹
込成形するために用いるプリフォームを成形する装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】ボトルなどの中空体を成形するために
は、まず、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂
等を用いてプリフォームの射出成形を行っている。この
ボトルの成形に用いられるPET樹脂の極限粘度あるい
は固有粘度は、0.7〜0.85dl/gの範囲のもの
が用いられている。その理由は、PET樹脂の極限粘度
が0.7よりも低いと、プリフォームを二軸延伸吹込成
形した後に得られるボトルの耐熱性、透明性、機械的強
度が不十分となるからである。また、PET樹脂の極限
粘度が0.85よりも高いと、その高粘度樹脂自体の価
格が高くなり、実用化範囲を越えるのが実情であるから
である。高粘度のPET樹脂が高価となる理由は、高粘
度のPET樹脂が得られる時間当たりの単位量が、それ
よりも低粘度のPET樹脂の単位量に比較し十分小さい
からである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年樹脂材料のリサイ
クルが盛んであり、使用済みのPET樹脂を再利用して
ボトルを成形することが進められている。この使用済み
のPET樹脂を再利用する場合、樹脂に課せられた熱履
歴による熱分解反応、熱酸化分解反応や処理工程に起因
した樹脂に含有された水分の熱加水分解反応等の原因か
ら、再生PET樹脂の極限粘度は、バージン材料よりも
0.1〜0.3の範囲で低下することが知られている。
したがって、再生PET材料は、上記のような極限粘度
低下に起因する劣化現象から、最大でも30〜35%の
再生使用率が限界となっている。もし、これ以上の再生
率を得るためには、例えば3層の中間層材料としてのみ
使う必要があり、このためには特殊な装置などが必要で
ある。
【0004】低粘度のPET樹脂を高粘度のPET樹脂
にする方法として、従来より固相重合法が用いられてい
る。この固相重合法は、樹脂材料メーカーの巨大プラン
トによってのみ実施されているのが実情である。従来の
固相重合装置は、大量のPET樹脂を大容量の固相重合
ホッパーに投入し、多大な時間をかけて高粘度のPET
樹脂を生産していた。このため、その価格がかなり高価
となり、大量生産、大量消費のワンウェイ容器を成形す
るにはコスト上見合わない値段となっていた。さらに加
えて、ボトル以外の樹脂材料として高粘度のPET樹脂
の消費がもともと少ない国では、その国内にて高粘度の
PET樹脂が生産されていないところもあり、この場合
には比較的安価なボトルを生産するために、高価な高粘
度のPET樹脂をわざわざ輸入に頼らなければならなか
った。
【0005】そこで本発明の目的とするところは、低粘
度の樹脂材料あるいは再生樹脂材料等の安価な材料を購
入するだけで、吹込成形後の中空体の特性として耐熱
性、透明性、機械的強度などを確保することのできるプ
リフォームを成形可能な成形装置を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、吹込成形のた
めのプリフォームを成形する成形型と、ホッパに供給さ
れた樹脂材料を可塑化して、前記成形型に射出する射出
装置と、前記樹脂材料を固相重合に適する含水率となる
まで乾燥する乾燥装置と、前記乾燥装置にて乾燥された
樹脂材料を固相重合する固相重合装置と、を有し、前記
乾燥装置、前記固相重合装置、前記ホッパの順で直列に
連結したことを特徴とする。
【0007】
【作用】本発明によれば、樹脂材料はまず乾燥装置に投
入され、固相重合に適する含水率となるまで乾燥され
る。次に、この乾燥装置に連結された固相重合装置に樹
脂材料が供給され、熱及び触媒により樹脂材料を固相重
合する。そして、この固相重合された樹脂材料が射出装
置のホッパーに供給され、射出装置では供給された樹脂
材料を例えばスクリュー等により可塑化して、1ショッ
トに必要な重量ずつに成形型に射出することになる。
【0008】
【実施例】以下、本発明を二軸延伸吹込成形装置に適用
した一実施例について、図面を参照して具体的に説明す
る。
【0009】図1は、本発明の一実施例であるプリフォ
ームの射出成形装置を示している。同図において、基台
10上には、大別して射出ユニット12と型締ユニット
14とが配置される。型締ユニット14は、二軸延伸吹
込成形装置における一つのステーションである射出成形
ステーション16を構成する。図1では図示していない
が、プリフォームの射出成形からプリフォームの温調、
ボトルのブロー成形およびエジェクトを行うための一連
のステーションが基台10上に配置されている。すなわ
ち射出成形ステーション16以外に、プリフォームの温
調ステーション、ブロー成形ステーションおよびエジェ
クトステーションが配置されている。射出ユニット12
は、大別して射出装置20、乾燥装置30および固相重
合装置40から構成される。射出装置20は周知のよう
に、ホッパー26に供給された樹脂材料例えばPET樹
脂材料を、モータ24により回転駆動されるスクリュー
22により回転し、かつ、図1の矢印方向に前進駆動す
ることで、PET樹脂を可塑化して、1ショットに必要
な重量ずつ型締ユニット14に射出するものである。
【0010】型締ユニット14は、プリフォームを射出
成形するための射出成形型50を有する。この射出成形
型50は、射出装置20がノズルタッチされるホットラ
ンナー型52と、プリフォームの胴部および底部の外壁
を規定する射出キャビティ型54と、プリフォームの口
部の外壁を規定するネック型58と、プリフォームの内
壁を規定する射出コア型56と重合し、各型54〜58
を図1に示すように型締することで、キャビティ60を
形成し、このキャビティ60内にPET樹脂を充填する
ことで、プリフォームの射出成形が行われる。
【0011】なお、この射出成形型50は複数のキャビ
ティ60を有することができ、射出装置20からの1シ
ョットの充填により複数個のプリフォームを同時に成形
可能である。射出成形されたプリフォームは、型開後に
ネック型58によりその口部が支持され、温調工程、ブ
ロー成形工程およびエジェクト工程を経て一連の成形サ
イクルを実施し、その後再度射出成形ステーション16
に戻し搬送される。
【0012】ここで、射出装置20のホッパー26に
は、所定の含水率以下に乾燥され、その後比較的高粘度
となるように固相重合されたPET樹脂が供給される。
このために、本実施例では乾燥装置30、固相重合装置
40および射出装置20のホッパー26を直列に連結
し、インライン形式にてPET樹脂の乾燥工程、固相重
合工程、およびホッパー26への供給工程を実施してい
る。
【0013】本実施例では、乾燥装置30を射出装置2
0の側方にて基台10上に支持し、固相重合装置40は
射出装置20のホッパー26の上端に直結している。そ
して、乾燥装置30にて乾燥されたPET樹脂は、例え
ばダクト36を介してブロアー輸送により固相重合装置
40に供給される。この構造に換えて、乾燥装置30を
固相重合装置40の上部に直結してもよい。
【0014】乾燥装置30は縦方向にてゾーン分割さ
れ、樹脂入口30aに近い側の上方領域に融着防止ゾー
ン32を有し、その下方の5分割された各ゾーンを第1
〜第5の乾燥ゾーン34a〜34eとしている。融着防
止ゾーン32は融着防止ホッパーにて構成され、第1か
ら第5の乾燥ゾーン34a〜34eは、単一のホッパー
を縦方向にてゾーン分割してもよいし、あるいは各ゾー
ン毎に独立した固相重合ホッパーを設け、それらを直列
連結して構成してもよい。
【0015】融着防止ゾーン32は、ペレット状のPE
T樹脂が融着することを、加熱下にて撹拌することで防
止するものである。撹拌方法としては、例えばその下方
よりスパイラル状のブロアーエアーを導入することで行
われる。
【0016】各乾燥ゾーン34a〜34eでは、例えば
160℃程度の熱風をPET樹脂に吹き付けることで、
PET樹脂が所定値以下の含水率となるように必要時間
だけ乾燥工程を実施するものである。本実施例では、各
乾燥ゾーン34a〜34eにてトータルで例えば4〜5
時間程度の乾燥工程を行うものであり、このために例え
ば各ゾーンでそれぞれ1時間の乾燥工程を実施した後、
下方の乾燥ゾーンにPET樹脂を供給している。そし
て、最下段の第5の乾燥ゾーン34eで1時間乾燥され
たPET樹脂は、トータルで5時間の乾燥工程を受けた
ことになり、樹脂出口30b,ダクト36を介して固相
重合装置40に供給される。
【0017】固相重合装置40でも同様に、縦方向にて
ゾーン分割され、樹脂入口40aにもっとも近いゾーン
を融着防止ゾーン42とし、その下方の5つに分割され
た各ゾーンを第1〜第5の固相重合ゾーン44a〜44
eとしている。固相重合装置40における融着防止ゾー
ン42も同様に、加熱下にてPET樹脂をブロアーエア
ーにより撹拌するものであるが、そのリークラインには
エチレングリコールの除去装置が接続されている。ここ
での融着防止工程にてエチレングリコールを除去するこ
とで、その後にプリフォームの射出成形工程およびブロ
ー成形を経た後も、PET樹脂内のアセトアルデヒド濃
度を低減することができる。
【0018】第1〜第5の固相重合ゾーン44a〜44
eは、熱と触媒を用いた公知の固相重合法により固有粘
度が例えば0.6以下の低粘度PET樹脂材料あるいは
再生PET樹脂材料を、0.7〜0.85の固有粘度を
有する比較的高粘度のPET樹脂材料に変換するため
に、必要時間たとえば4〜5時間程度PET樹脂の固相
重合を行うものである。この各固相重合ゾーン44a〜
44eは、例えば単一の固相重合ホッパー内をゾーン分
割してもよいし、あるいは各ゾーン毎に独立した固相重
合ホッパーを設け、各ホッパーを直列連結して構成して
もよい。
【0019】本実施例では、トータルで5時間の固相重
合を行うために、例えば各ゾーン44a〜44eでそれ
ぞれ1時間の固相重合を行い、各ゾーンでの固相重合が
終了した後に下方のゾーンにPET樹脂を供給してい
る。上述したように本実施例では、乾燥装置30、固相
重合装置40および射出装置20のホッパー26を直列
に連結しているが、ホッパー26内のPET樹脂材料は
1ショット毎に少なくなるので、このホッパー26内の
PET樹脂が最低限必要な量に到達する前に、固相重合
装置40より固相重合された高粘度のPET樹脂がホッ
パー26に供給されなければならない。以下、インライ
ン形式にてPET樹脂の乾燥工程、固相重合装置40お
よびホッパー26への供給工程を行う場合の各装置間の
供給タイミングについて考察する。
【0020】日精エーエスビー機械(株)製の二軸延伸
吹込成形機ASB−650に本実施例を適用した場合、
その射出ユニット12のスクリュー22の直径は75m
mであり、理論射出容量は1060cm3 /shotで
あり、PET樹脂材料の場合の可塑化容量は331kg
/時間である。
【0021】この成形機にて、容量が1リットルでかつ
重量が36gのボトルを成形し、かつ同時に8キャビテ
ィ分のプリフォームを射出成形する場合を仮定し、かつ
その射出サイクル時間を16秒と仮定する。
【0022】1サイクル当たりの必要な可塑化材料A
は、 A=36g×8cav+86.4g=374.4g/s
hot となる。ここで、86.4g分の可塑化材料は、正味の
必要可塑化量(36×8)の30%に相当し、この数値
はスクリュー22、ホットランナー型52等でのPET
樹脂材料の混練、射出過程における材料残留、停滞量等
を見込んだ場合の安全率である。1ショットの射出成形
サイクル時間Bが16秒であり、かつ、1ショットに必
要な可塑化材料が約375gであるので、(A/B)×
60×60で求まる1時間当たりに必要な可塑化された
PET樹脂材料は、約85kgとなる。従って、乾燥装
置30および固相重合装置40においても同様に、時間
当たりで85kg以上の処理能力が必要となる。
【0023】そこで、まず乾燥装置30の処理の処理能
力について考察する。固相重合工程の前に乾燥工程が必
要な理由は、原材料を吸水状態で溶融すると加水分解を
起こし、著しく重合度が低下して、成形性能および成形
製品の外観、物性上の劣化を来すからである。PET樹
脂の原材料は通常、95%の相対湿度で吸水率が0.6
%程度であり、相対湿度が65%で吸水率が約0.4%
であるが、これを好ましくは0.01%以下、さらに好
ましくは0.003〜0.005%に乾燥することが必
要である。図2は、PET樹脂に160℃の熱風を吹付
けた場合の、乾燥時間と水分率との関係を示している。
同図から明らかなように、水分率を0.01%にするた
めには乾燥時間がほぼ4時間必要で、水分率を0.00
5%にするためには乾燥時間が5時間程度必要であるこ
とが判る。
【0024】従って上述した通り乾燥装置30がトータ
ルで5時間の乾燥工程を実施できれば、必要な含水率以
下に乾燥することが可能であることがわかる。そして、
この種の乾燥システムとしては、処理能力が90kg/
時間以上のものが確立されており、トータルで4〜5時
間の乾燥工程が行われる第1〜第5の乾燥ゾーン34a
〜34eのトータルの乾燥容量として400〜500k
gのPET樹脂材料を使用できるものを搭載すればよい
ことが判る。なお、図2から明らかなように、所定の含
水率に到達させるためには少なくとも4時間の乾燥工程
が必要であるが、この乾燥工程でのホッパー容量を最少
限とするために、特別な除湿処理を行うと、通常の必要
時間の半分の時間、すなわち約2時間程度の短時間にて
必要な含水率以下にするための乾燥を行うことができ
る。この結果、ホッパー容量も約半分で済むため、この
乾燥装置を固相重合装置とともに射出成形装置に搭載す
ることが容易になる。
【0025】次に、固相重合装置40における処理能力
について考察する。
【0026】図3は、固有粘度が0.6のPET樹脂材
料を加熱温度を3種類に変えた場合の、固相重合時間と
粘度との関係を示す特性図である。同図から明らかなよ
うに、加熱温度が210℃以上であり、固相重合時間を
約5時間以上とすることで、PET樹脂の粘度を0.7
以上にすることができる。加熱温度を高めれば、所定の
固有粘度に至るまでの時間を短縮できるが、PETのガ
ラス転移点を考慮すると、この加熱温度としては210
℃〜220℃程度に設定するとよい。図3に示す特性図
は、従来より材料メーカーで行われている巨大プラント
における固相重合装置40での測定結果ではなく、比較
的小容量にてPET樹脂を固相重合した場合のものであ
り、時間当たりの処理能力を90kg程度であれば、図
3の特性図にしたがって比較的短時間にて所要の固有粘
度に変化させることが可能である。従って、本実施例の
固相重合装置40としては、その処理能力が90kg/
時間以上であり、トータルで4〜5時間の固相重合工程
が行われる5つの第1〜第5の固相重合ゾーン44a〜
44eのホッパーのトータル容量が400〜500kg
であれば、射出装置20にて各ショット毎に射出される
PET樹脂の不足分を十分補えるように供給できる。
【0027】なお、各装置間の供給タイミングとして
は、上記のように1時間に一回行うものに限らず、要は
時間当たりで換算して85kg以上のPET樹脂を供給
できれば、供給タイミング、供給量を種々変形実施でき
る。
【0028】また、上記実施例では射出成形サイクル時
間を16秒と設定したが、プリフォームの射出成形、温
調工程、ブロー成形およびエジェクト工程を連続して行
う1ステージ方式の射出成形延伸吹込装置においてリフ
ィーラブル−リターナブルボトル(R−Rボトル)を成
形する場合は、通常射出成形サイクル時間が40〜50
秒程度となる。従って、この場合には射出装置20のホ
ッパー26にて消費されるPETの時間当たりの消費量
が比較的少なくなるので、乾燥装置30および固相重合
装置40におけるホッパー容量をより小さくすることが
できる。従って、本発明の乾燥・固相重合装置搭載型の
射出成形装置を比較的安価に提供することが可能とな
る。
【0029】このように本実施例装置によれば、価格の
高いあるいは入手しにくい高粘度の樹脂材料を購入しな
くても、低粘度の樹脂材料あるいは再生樹脂材料を購入
し、乾燥装置30、固相重合装置40および射出装置2
0のホッパー26を直列連結したインライン形式にて高
粘度の樹脂材料に変換しているので、耐熱性あるいは機
械的強度の優れた中空体を成形することが可能となる。
【0030】さらに加えて、高粘度の材料を樹脂材料メ
ーカーから購入した場合、その樹脂材料は予め乾燥工程
および固相重合工程が実施されているのであるが、その
購入した樹脂材料を湿度の低い雰囲気にて保管しないか
ぎり、射出装置20のホッパー26に樹脂材料を供給す
る前に再度乾燥工程が必要となっていた。本実施例によ
れば、樹脂材料メーカーによって乾燥,固相重合工程の
行われていない安価な樹脂材料を購入し、その樹脂材料
を射出する直前の工程にてインラインで乾燥,固相重合
を行っているので、樹脂材料の保管状態を厳密にコント
ロールする必要もなくなる。
【0031】本実施例を適用した場合には特に耐熱性ボ
トルを成形する場合に有利であり、それは低粘度材料を
高粘度に変換させることで無延伸部分例えばネック部分
の分子配向性能が向上するからである。特に、射出成形
型50での射出成形工程にて、例えば射出コア型56を
回転させるなど、外力を加えることにより、配向結晶化
度を向上させることができる。さらに、その後のブロー
成形工程にて、ブローキャビティ型内にてボトルをヒー
トセットした場合、耐熱結晶化に著しい効果が現れる。
【0032】また、高粘度の樹脂材料を用いて中空体を
成形することで、広口径製品の場合の金属蓋の巻締性能
が向上し、耐落下強度の向上、製品形状の付形性が向上
する。
【0033】さらに上述したように固相重合工程におけ
る融着防止ゾーン42では、エアののリーク系にエチレ
ングリコールの除去装置を設けているので、樹脂材料中
のエチレングリコールが不純物の一つとして除去され
る。図4は、固相重合した場合としない場合との、各樹
脂材料の成形プロセス状態と材料中のアセトアルデヒド
濃度との関係を示したものである。同図から明らかなよ
うに、固相重合しないで射出した場合には、プリフォー
ムの射出成形工程およびブロー成形工程を経ることで材
質中のアセトアルデヒド濃度がかなり向上するが、固相
重合して高粘度樹脂を用いた場合には、材料中のアセト
アルデヒド濃度が各段に低下していることがわかる。こ
のアセトアルデヒドは特有の香りを有するため、特に飲
料用ボトルのためのプリフォームの射出成形装置に本発
明を適用することで、無臭性のボトルを容易に成形する
ことが可能となる。
【0034】図5は、乾燥装置30より固相重合装置4
0へPET樹脂を供給する供給タイミング、および固相
重合装置40より射出装置20のホッパ26へPET樹
脂を供給する供給タイミングを制御する制御系を示すブ
ロック図である。同図において、CPU70は本実施例
のプリフォーム射出成形装置の制御を司どるものであ
り、そのバスラインには下記の各種装置が接続されてい
る。操作パネル72は、プリフォームの射出成形に必要
な各種情報を入力し、必要な情報を表示するためのもの
である。リミットスイッチ74は、射出装置20のホッ
パ26に設けられ、特にホッパ26内に最低限必要なP
ET樹脂材料の下限レベルを下回ったか否かを検出する
ものである。第1のシャッタ76は、乾燥装置30の樹
脂出口30bに設けられ、このシャッタ76をオープン
とすることで、乾燥装置30から固相重合装置40への
PET樹脂の供給が可能となる。第2のシャッタ78
は、固相重合装置40の樹脂出口40bに設けられ、こ
のシャッタ78をオープンとすることで、固相重合装置
40からホッパ26へのPET樹脂の供給が可能とな
る。
【0035】図5に示す制御系でのPET樹脂の供給制
御について最も簡便な方法にて説明すると、固相重合装
置40から射出装置20のホッパ26に対するPET樹
脂の供給は、1ショットに必要な可塑化材料をAkgと
し、射出成形サイクル時間をB時間とした場合に、(A
/B)kgのPET樹脂、例えば85kgのPET樹脂
を1時間毎に供給している。しかも、この供給タイミン
グは、リミットスイッチ74においてホッパ26に最小
限必要なPET樹脂材料の下限値を下回る前に行われ
る。固相重合装置40からホッパ26へのPET樹脂の
供給は、第2のシャッタ78をオープンとすることで、
第5の固相重合ゾーン44eにてトータルで5時間固相
重合工程が実施されたPET樹脂が、ホッパ26に供給
される。第5の固相重合ゾーン44e内のPET樹脂が
ホッパ26に移動することで、その上方の各ゾーン42
および44a〜44dのPET樹脂が、その直下の各ゾ
ーン44a〜44eに移動することで、固相重合装置4
0内の各ゾーンでのPET樹脂の移送が行われる。これ
とほぼ同じタイミングにて、乾燥装置30内のPET樹
脂が、固相重合装置40における融着防止ゾーン42に
供給されることになる。この供給は、乾燥装置30の樹
脂出口30bに設けられた第1のシャッタ76をオープ
ンとすることで行われる。乾燥装置30から固相重合装
置40へのPET樹脂の供給も、1時間毎に約85kg
のPET樹脂を供給して行われる。乾燥装置30内での
各ゾーン間のPET樹脂の移送も、固相重合装置40内
における移送と同様にして行われ、不足分の新たなPE
T樹脂が樹脂入り口30aより供給される。
【0036】射出成形型50にて、プリフォームの射出
成形を開始する前に、射出装置20のホッパ26内に最
小限なPET樹脂が供給されていなければならない。こ
こで、乾燥装置30および固相重合装置40ではそれぞ
れほぼ4〜5時間の工程時間を要するので、プリフォー
ムの射出成形開始の少なくとも8時間以上前からPET
樹脂の乾燥・固相重合工程を開始しなければならない。
そこで、図5に示す制御系にはタイマー80が設けら
れ、操作パネル72を介して例えばプリフォームの射出
成形開始時間を設定することで、その開始時間に間に合
うタイミングで乾燥装置30へのPET樹脂の供給およ
び乾燥工程の開始が自動的に設定されるようになってい
る。
【0037】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が
可能である。例えば、中空体の成形のための射出成形装
置としては、上述したように射出成形工程、温調工程、
ブロー成形工程およびエジェクト工程を1ステージで行
う射出延伸吹込成形装置のほかに、プリフォームの射出
成形工程と、その後の温調工程およびブロー成形工程と
を別ステージで行う、いわゆる2ステージ方式の成形装
置に適用することもできる。また、プリフォームの成形
は射出成形型を用いるものに限らず、例えば押出成形法
により成形するものでよい。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、低
粘度の樹脂材料あるいは再生樹脂材料を使用しながら
も、これを乾燥装置、固相重合装置、射出装置のホッパ
ーを直列連結したインライン形式にて、射出の直前の工
程にて高粘度の樹脂材料に変換しているので、耐熱性あ
るいは機械的強度の高い中空体を成形することが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した射出延伸吹込成形装置におけ
る射出成形ステーションの概略説明図である。
【図2】160℃の熱風をPET樹脂に吹き付けた場合
の、乾燥時間と材料中の水分率の関係を示す特性図であ
る。
【図3】0.6の固有粘度を有するPET樹脂を加熱温
度を変えて固相重合した場合の、固相重合時間と粘度と
の関係を示す特性図である。
【図4】固相重合をした場合としない場合との、樹脂材
料の成形プロセス状態と材料中のアセトアルデヒド濃度
との関係を示す特性図である。
【図5】乾燥装置、固相重合装置および射出装置のホッ
パ内への樹脂材料の供給タイミングを決定する制御系の
ブロック図である。
【符号の説明】
20 射出装置 22 スクリュー 26 ホッパー 30 乾燥装置 32 融着防止ゾーン 34 乾燥ゾーン 36 ダクト 40 固相重合装置 42 融着防止ゾーン 44 固相重合ゾーン 50 射出成形型
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29B 7/00 - 15/14 B29C 31/00 - 31/10 B29C 45/00 - 45/24 B29C 45/46 - 45/57 B29C 49/00 - 49/46

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吹込成形のためのプリフォームを成形す
    る成形型と、 ホッパに供給された樹脂材料を可塑化して、前記成形型
    に射出する射出装置と、 前記樹脂材料を固相重合に適する含水率となるまで乾燥
    する乾燥装置と、 前記乾燥装置にて乾燥された樹脂材料を固相重合する固
    相重合装置と、 を有し、 前記乾燥装置、前記固相重合装置、前記ホッパの順で直
    列に連結したことを特徴とする乾燥・固相重合装置を搭
    載したプリフォームの成形装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 1ショットに必要な可塑化材料をAkgとし、1ショットの射出 成形サイクルをB秒/1ショットとし
    たとき、 1ショット毎に消費される前記射出装置のホッパ内の樹
    脂材料が規定レベルを下回る前に、時間当たりに換算し
    (A/B)×60×60kg以上の前記樹脂材料を、
    前記固相重合装置より前記ホッパに供給制御する制御手
    段を設けたことを特徴とする乾燥・固相重合装置を搭載
    したプリフォームの成形装置。
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