JP3157889B2 - 耐食性と溶接部疲労特性に優れた高強度熱延鋼板 - Google Patents

耐食性と溶接部疲労特性に優れた高強度熱延鋼板

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JP3157889B2
JP3157889B2 JP00523992A JP523992A JP3157889B2 JP 3157889 B2 JP3157889 B2 JP 3157889B2 JP 00523992 A JP00523992 A JP 00523992A JP 523992 A JP523992 A JP 523992A JP 3157889 B2 JP3157889 B2 JP 3157889B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐食性と溶接部の疲労
特性に優れた高強度熱延鋼板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車のフレーム、サスペンショ
ンなどの足まわり部品用の鋼板としては熱延鋼板が使用
されていた。これらの部品を軽量化のために板厚を減少
させようとしても、溶接部の疲労強度が低いため、ある
いは耐食性が不十分なために、板厚の減少は困難であっ
た。耐食性を確保するために、たとえば特開昭62−2
43738号、特開昭63−255341号公報などが
ある。
【0003】これらは、Cの含有量を減らし、CuとP
を添加したことに特徴がある。耐食性確保のためには、
これらの対策は有効であるが、これらの鋼材ではいずれ
も溶接熱影響部の強度が低下し、この部分の疲労強度が
母材よりも劣るという欠点を有していた。この点から、
耐食性を向上させて板厚を減少させようとしても、おの
ずと限度が生じていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記欠点を
解決し、溶接熱影響部の強度低下を抑え、かつ十分な耐
食性を具備させた自動車足まわり用などに供せられる高
強度熱延鋼板を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴とするとこ
ろは、重量%にてC:0.005〜0.20%、Si:
0.005〜1.0%、Mn:0.1〜2.5%、P:
0.050〜0.10%、S:0.001〜0.010
%、Al:0.005〜0.1%、N:0.0005〜
0.0100%、Cu:0.10〜0.50%、Nb:
0.01〜0.05%、Mo:0.1〜0.50%、N
i:0.05〜0.50%を含有し、残部Feおよび不
可避的不純物からなり、伸び率にして1.0%以上1
0.0%未満の歪が加えられている耐食性と溶接部疲労
特性に優れた高強度熱延鋼板にある。
【0006】自動車の足まわりの腐食環境は、北米、欧
州などが最も厳しく、この地域では冬期に道路氷結防止
剤(塩化ナトリウム、塩化カルシウムなど)が使用され
るため、塩素イオン存在下で湿潤・乾燥が繰り返され
る。このような環境下では、特開昭62−243738
号公報に開示されるように、CuとPの添加が効果的で
ある。しかしながら、この鋼では、低C化が必要であ
り、強度を得るためには不利であった。
【0007】高強度鋼板を得るためには、Cは高い方が
好ましく、高C材での耐食性の確保が課題であった。そ
こで本発明者らがさらに詳細に検討した結果、高C材で
耐食性を上げるには、Moの含有が必須であることを知
見した。この理由は明らかではないが、炭化物の回りに
Mo酸が生成しやすくこれにより、炭化物があっても耐
食性の劣化を防ぐものと考えられる。
【0008】さらに、溶接熱影響部の軟化防止方法を検
討した結果、NbとMoの複合添加が必須であることを
知見した。この理由は明確ではないが、NbとMoを複
合添加することにより、溶接により温度が上昇しても、
Moが成形等で導入された転位の消滅を抑え、この転位
が析出核となって、短時間で(Nb,Mo)Cが析出
し、溶接熱影響部の軟化を抑えるものと考えられる。以
上のように、本発明においては、Cu,P,Nb,Mo
は必須の元素である。
【0009】以下、各成分の限定理由を述べる。Cは、
セメンタイトのように大きな析出物となった場合、腐食
に際しカソード部分となりカップル電流が増加し耐食性
を劣化させるので、低い方が望ましいが、本発明のよう
に、Moが添加されている場合には高くても構わず、
0.20%まで含有できる。0.20%を超えるとたと
えMoを添加しても耐食性が劣化するので0.20%を
上限とする。また、0.005%未満では、(Nb,M
o)Cが析出しなくなり、溶接熱影響部の軟化防止がで
きなくなるので0.005%を下限とする。
【0010】Siは、強度を得るための補助的元素とし
て用いる。0.005%未満にするには製造コストがか
かり経済的に不利であるため、0.005%を下限と
し、1.0%を超えると熱延段階でのスケールの除去に
コストがかかり経済的に不利であるため、1.0%を上
限とする。
【0011】Mnは、主として強度を得るための元素で
ある。0.1%未満では、溶製するのにコストがかかり
経済的に不利であるため、0.1%を下限とし、2.5
%を超えると加工性が劣化し、加工に耐えられなくなる
ため、2.5%を上限とする。
【0012】Pは、本発明の必須の元素であり、0.0
5%以上含有させる。これ未満では、耐食性を向上させ
る効果がなくなるのでこれを下限とし、0.1%を超え
ると、2次加工性が劣化し、プレス成形時に割れたり、
プレス成形後わずかな力で割れたりするので0.10%
を上限とする。
【0013】Sは、錆の起点となるので少ない方が良
く、0.01%以下とする必要がある。このため、上限
を0.01%とし、また、0.001%未満とするには
コストがかかるので0.001%を下限とする。
【0014】Alは、鋼の脱酸に必要な元素で、0.0
05%未満では脱酸不足となり、ピンホールなどの欠陥
を生じるので、0.005%を下限とし、0.1%を超
えると、アルミナなどの介在物が増加し、鋼の延性を損
ねるので0.1%を上限とする。
【0015】Nは、(Nb,Mo)Cの析出に関与し、
この析出物にわずかに含まれ強度確保に必要なので0.
0005%以上含有させる。また、0.0100%を超
えて含まれると、熱延段階でNbNが析出し、溶接時の
溶接熱影響部の軟化防止に有効なNb量を減らすことに
なるので、0.0100%を上限とする。
【0016】Cuは、本発明に必須の元素である。0.
10%未満では、耐食性を向上させる効果がなくなるた
め、0.10%を下限とし、0.5%を超えると添加効
果が飽和するとともに、Ni等を添加してもヘゲなどの
欠陥が発生しやすくなるので0.05%を上限とする。
【0017】Nbは、Moとともに溶接熱影響部の軟化
を防止する効果があり、本発明に必須の元素である。
0.01%未満では、溶接熱影響部の軟化防止効果がな
くなるので、0.01%を下限とし、0.05%を超え
ると加工性が劣化するので0.05%を上限とする。
【0018】Moは、耐食性を向上させるとともに、N
bとの複合添加において溶接熱影響部の軟化を防止する
のに有効な元素であり、本発明に必須の元素である。M
oは0.1%未満では、耐食性と溶接熱影響部の軟化防
止効果がともになくなるので、0.1%を下限とし、
0.5%を超えると効果が飽和するとともに、疵の原因
となる介在物が多くなるので、0.5%を上限とする。
【0019】Niは、Cu添加による熱間圧延時のヘゲ
を防止するために必要であり、0.05%未満ではこの
効果がなくなるため、0.05%を下限とし、0.5%
を超えるとこの効果が飽和するため0.5%を上限とす
る。
【0020】上記成分に調整された鋼を以下の方法に従
い鋼板となす。まず、転炉で鋼を溶製し、連続鋳造法に
よりスラブとなす。このスラブを高温状態のまま、ある
いは、室温まで冷却した後、加熱炉に装入し、1000
〜1250℃の温度範囲で加熱し、その後800〜95
0℃の温度範囲で仕上圧延を行い、ついで600℃以下
の温度で巻き取って熱延鋼板となす。酸洗は、使用状況
に応じて必要があれば、施す。
【0021】かくして製造された鋼板に伸び率にして
1.0%以上10.0%未満の塑性歪を加える。歪を加
える方法としては、スキンパス圧延、あるいは鋼板に切
り出した後引張歪を加えるなどの方法による。歪量は、
1.0%未満では導入される転位の量が少なく溶接熱影
響部の軟化を抑える効果がないため1.0%を下限と
し、10.0%を超えると鋼板の延性が低下し成形が困
難になるので10.0%を上限とする。伸び率1.0%
〜10.0%とは、鋼板表面に罫書かれた標点が1.0
%〜10.0%伸びる歪量をいう。
【0022】
【実施例】表1に示すA〜Mの化学成分の鋼を転炉で溶
製し、連続鋳造でスラブとした後、表2に示す条件で熱
延、および歪を加えるためのスキンパス圧延を行い、
2.3mmの熱延鋼板となした。
【0023】これらの鋼板にアーク溶接を施し、母材と
溶接熱影響部の最軟化箇所の硬さを測定した。アーク溶
接条件は、電流;250A,電圧;25V,速度;10
00mm/min ,雰囲気;マグガスである。この最軟化部
の硬さと母材の硬さの差で溶接熱影響部の軟化性を評価
した。
【0024】耐食性は、鋼板に燐酸塩処理(日本パーカ
ー製BTL3080)を施した後、カチオン電着塗装
(日本ペイント製パワートップD−30,20μm塗
布)後、素地に達するクロスカットを施し、塩水噴霧3
5℃/6時間−乾燥70℃/RH60%/4時間−湿潤
49℃/RH95%/4時間−冷却20℃/4時間を1
サイクルとする促進テストを80サイクル実施した際の
クロスカット部の浸食深さで評価した。結果を表3に示
す。本発明鋼は、溶接熱影響部の軟化特性、耐食性とも
に比較鋼に比べて優れていることが判る。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】
【発明の効果】本発明により、耐食性と溶接熱影響部の
軟化の少ないすなわち溶接熱影響部の疲労特性に優れた
高強度熱延鋼板を提供することができ、工業上大きな効
果を奏することができる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%にて、 C :0.005〜0.20%、 Si:0.005〜1.0%、 Mn:0.1〜2.5%、 P :0.050〜0.10%、 S :0.001〜0.010%、 Al:0.005〜0.1%、 N :0.0005〜0.0100%、 Cu:0.10〜0.50%、 Nb:0.01〜0.05%、 Mo:0.1〜0.50%、 Ni:0.05〜0.50% 残部Feおよび不可避的不純物からなり、伸び率にして
    1.0%以上10.0%未満の歪が加えられている耐食
    性と溶接部疲労特性に優れた高強度熱延鋼板。
JP00523992A 1992-01-14 1992-01-14 耐食性と溶接部疲労特性に優れた高強度熱延鋼板 Expired - Lifetime JP3157889B2 (ja)

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US6428631B1 (en) * 1998-07-16 2002-08-06 Nippon Steel Corporation High-strength steel sheet having excellent formality and resistance to softening of the heat affected zone after welding

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