JP2894883B2 - 自動車足まわり用高強度鋼板 - Google Patents
自動車足まわり用高強度鋼板Info
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- JP2894883B2 JP2894883B2 JP30385291A JP30385291A JP2894883B2 JP 2894883 B2 JP2894883 B2 JP 2894883B2 JP 30385291 A JP30385291 A JP 30385291A JP 30385291 A JP30385291 A JP 30385291A JP 2894883 B2 JP2894883 B2 JP 2894883B2
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Description
用鋼板に関するものである。
ンなどの足まわり部品用の鋼板としては熱延鋼板が使用
されていた。これらの部品を軽量化のために板厚を減少
させようとしても、溶接部の疲労強度が低いため、ある
いは耐食性が不十分なため板厚の減少は困難であった。
には、たとえば特開昭62−243738号公報、特開
昭63−255341号公報などに記載されたものがあ
る。これらはCの含有量を減らし、CuとPを添加した
ことに特徴がある。耐食性確保のためには、これらの対
策は有効であるが、これらの鋼材ではいずれも溶接熱影
響部の強度が低下し、この部分の疲労強度が母材よりも
劣るという欠点を有していた。この点から、耐食性を向
上させて板厚を減少させようとしても、おのずと限度が
生じていた。
部の強度低下を抑え、かつ十分な耐食性を具備した自動
車足まわり用の鋼板を提供するものである。
にて、C:0.005〜0.20%、Si:0.005
〜1.0%、Mn:0.1〜2.5%、P:0.050
〜0.10%、S:0.001〜0.010%、Al:
0.005〜0.1%、N:0.0005〜0.010
0%、Cu:0.10〜0.50%、Nb:0.01〜
0.05%、Mo:0.1〜0.50%を含有し、残部
Feおよび不可避的不純物からなる自動車足まわり用高
強度鋼板である。
どが最も厳しく、この地域では冬期に道路氷結防止剤
(塩化ナトリウム、塩化カルシウムなど)が使用される
ため、塩素イオン存在下で湿潤・乾燥が繰り返される。
このような環境下では、特開昭62−243738号公
報に開示されるように、CuとPの添加が効果的であ
る。しかしながら、この鋼では低C化が必要であり、強
度を得るためには不利であった。高強度鋼板を得るため
には、Cは高い方が好ましく、高C材での耐食性の確保
が課題であった。そこで本発明者がさらに詳細に検討し
た結果、高C材で耐食性を上げるには、Moの含有が必
須であることを知見した。この理由は明かではないが、
炭化物の回りにMo酸が生成しやすく、これにより炭化
物があっても耐食性の劣化を防ぐものと考えられる。さ
らに、溶接熱影響部の軟化防止方法を検討した結果、N
bとMoの複合添加が必須であることを知見した。この
理由は明確ではないが、NbとMoを複合添加すること
により、溶接により温度が上昇しても、Moが成形等で
導入された転位の消滅を抑え、この転位が析出核となっ
て、短時間で(Nb、Mo)Cが析出し、溶接熱影響部
の軟化を抑えるものと考えられる。
Nb、Moは必須の元素である。
となった場合、腐食に際しカソード部分となり、カップ
ル電流が増加し耐食性を劣化させるので低い方が望まし
いが、本発明のようにMoが添加されている場合には高
くても構わず、0.20%まで含有できる。0.20%
を超えるとたとえMoを添加しても耐食性が劣化するの
で、0.20%を上限とする。また、0.005%未満
では(Nb、Mo)Cが析出しなくなり、溶接熱影響部
の軟化が防止できなくなるので、0.005%を下限と
する。
用いる。0.005%未満にするには製造コストがかか
り経済的に不利であるため、0.005%を下限とし、
1.0%を超えると熱延段階でのスケールの除去にコス
トがかかり経済的に不利であるため、1.0%を上限と
する。
る。0.1%未満では溶製するのにコストがかかり経済
的に不利であるため、0.1%を下限とし、2.5%を
越えると加工性が劣化し、加工に耐えられなくなるた
め、2.5%を上限とする。
有させる。これ未満では耐食性を向上させる効果がなく
なるのでこれを下限とし、0.1%を越えると2次加工
性が劣化し、プレス成形時に割れたり、プレス成形後わ
ずかな力で割れたりするので、0.10%を上限とす
る。
0.01%以下とする必要がある。このため上限を0.
01%とし、また0.001%未満とするにはコストが
かかるので、0.001%を下限とする。
5%未満では脱酸不足となり、ピンホールなどの欠陥を
生じるので、0.005%を下限とし、0.1%を越え
るとアルミナなどの介在物が増加し、鋼の延性を損ねる
ので、0.1%を上限とする。
の析出物にわずかに含まれ強度確保に必要なので0.0
005%以上含有させる。また、0.0100%を越え
て含まれると熱延段階でNbNが析出し、溶接時の溶接
熱影響部軟化防止に有効なNb量を減らすことになるの
で、0.0100%を上限とする。
では耐食性を向上させる効果がなくなるため、0.05
%を下限とし、0.5%を越えると添加効果が飽和する
と共に、Ni等を添加してもヘゲなどの欠陥が発生しや
すくなるので、0.5%を上限とする。
防止する効果があり、必須の元素である。0.01%未
満では溶接熱影響部の軟化防止効果がなくなるので、
0.01%を下限とし、0.05%を越えると加工性が
劣化するので、0.05%を上限とする。
との複合添加において溶接熱影響部の軟化を防止するの
に有効な元素であり、必須の元素である。0.1%未満
では耐食性と溶接熱影響部の軟化防止効果がともになく
なるので、0.1%を下限とし、0.5%を越えると効
果が飽和するとともに、疵の原因となる介在物が多くな
るので、0.5%を上限とする。
い鋼板とする。まず、転炉で鋼を溶製し、連続鋳造法に
よりスラブとする。このスラブを高温状態のまま、ある
いは室温まで冷却した後、加熱炉に装入し、1000〜
1200℃の温度範囲で加熱する。その後、800〜9
50℃の温度範囲で仕上圧延を行い、ついで600℃以
下の温度で巻き取って熱延鋼板とする。酸洗は、使用状
況に応じて必要があれば施す。
溶製し、連続鋳造でスラブとした後、表2に示す条件で
熱延を行い、板厚2.6mmの熱延鋼板とした。
溶接熱影響部の最軟化箇所の硬さを測定した。アーク溶
接条件は、電流:250A、電圧:25V、速度:10
00mm/min、雰囲気:マグガスである。この最軟
化部の硬さと母材の硬さとの差で溶接熱影響部の軟化性
を評価した。
ー製BTL3080)を施した後、カチオン電着塗装
(日本ペイント製パワートップD−30、20μm塗
布)後、素地に達するクロスカットを施し、塩水噴霧3
5℃/6時間−乾燥70℃/RH60%/4時間−湿潤
49℃/RH95%/4時間−冷却20℃/4時間を1
サイクルとする促進テストを80サイクル実施した際の
クロスカット部の浸食深さで評価した。
響部の軟化特性、耐食性ともに比較鋼に比べて優れてい
ることが判る。
疲労特性に優れた自動車足まわり用鋼板を提供すること
ができ、工業上大きな効果を奏する。
Claims (1)
- 【請求項1】 重量%にて、C:0.005〜0.20
%、Si:0.005〜1.0%、Mn:0.1〜2.
5%、P:0.050〜0.10%、S:0.001〜
0.010%、Al:0.005〜0.1%、N:0.
0005〜0.0100%、Cu:0.10〜0.50
%、Nb:0.01〜0.05%、Mo:0.1〜0.
50%を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からな
る自動車足まわり用高強度鋼板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30385291A JP2894883B2 (ja) | 1991-10-24 | 1991-10-24 | 自動車足まわり用高強度鋼板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30385291A JP2894883B2 (ja) | 1991-10-24 | 1991-10-24 | 自動車足まわり用高強度鋼板 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05117802A JPH05117802A (ja) | 1993-05-14 |
JP2894883B2 true JP2894883B2 (ja) | 1999-05-24 |
Family
ID=17926075
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30385291A Expired - Lifetime JP2894883B2 (ja) | 1991-10-24 | 1991-10-24 | 自動車足まわり用高強度鋼板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2894883B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4282731B2 (ja) * | 2006-08-11 | 2009-06-24 | 新日本製鐵株式会社 | 疲労特性に優れた自動車足回り部品の製造方法 |
CN102650018B (zh) * | 2012-05-29 | 2013-12-25 | 江苏省沙钢钢铁研究院有限公司 | 一种耐海水腐蚀钢板及其生产方法 |
-
1991
- 1991-10-24 JP JP30385291A patent/JP2894883B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05117802A (ja) | 1993-05-14 |
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