JP3157844U - 半導体素子 - Google Patents

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俊男 嶋田
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Abstract

【課題】LEDチップ等の半導体チップの発熱を効率良く放熱することができる半導体素子を提供する。【解決手段】樹脂より成り、孔16が形成された略リング状の枠体18と、枠体18の底面18aの略全面を覆う略円板状の先端部20a、及び枠体18を貫通して外方へ向かって水平方向に取り出される後端部20bを有し、熱伝導性が良好な導電材料より成る第1のリードフレーム20と、上記孔16内に露出した第1のリードフレーム20の先端部20aに配置されるLEDチップ24を有する。【選択図】図2

Description

この考案は、発光ダイオードチップ(LEDチップ)、レーザーダイオードチップ等の半導体チップの発熱を効率良く放熱することができる放熱特性に優れた半導体素子に関する。
図16は、従来の半導体素子としてのLED(発光ダイオード)を示すものであり、このLED60は、絶縁基板62の表面に、その底面から上方に向かって孔径が徐々に拡大する略漏斗形状の凹部を設けると共に該凹部内面を反射面と成してリフレクタ64を形成して成る。
上記絶縁基板62の表面には、第1の導体パターン66と第2の導体パターン68とが相互に絶縁状態で被着形成されており、上記リフレクタ64の底面において、半導体チップとしてのLEDチップ70を第1の導体パターン66にダイボンドすることにより、上記第1の導体パターン66と、LEDチップ66底面の一方の電極(図示せず)とを電気的に接続している。また、第2の導体パターン68と、上記LEDチップ70上面の他方の電極(図示せず)とをボンディングワイヤ72を介して電気的に接続して成る。
上記第1の導体パターン66には第1のリードフレーム74が接続され、第2の導体パターン68には第2のリードフレーム76が接続されている。第1のリードフレーム74及び第2のリードフレーム76は、絶縁基板62の表面から側面を通って絶縁基板62の外方へ延設されている。
また、上記絶縁基板62の表面は、先端に凸レンズ部78を有する透光性の蓋部材80によって封止されている。
而して、上記第1のリードフレーム74及び第2のリードフレーム76を介してLEDチップ70に電圧が印加されると、LEDチップ70から所定波長の光が発光し、蓋部材80の凸レンズ部78によって集光されて外部へ放射されるようになっている。
上記した従来のLED60にあっては、LED60を長時間駆動させたり、発光輝度を高めるために高電流駆動させた場合には、LEDチップ70が著しく発熱して高温状態となり、LEDチップ70の熱劣化を生じていた。
本考案は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、LEDチップ等の半導体チップの発熱を効率良く放熱することができる放熱特性に優れた半導体素子を実現することにある。
上記の目的を達成するため、本考案に係る半導体素子は、孔が形成された枠体と、該枠体の底面の略全面を覆う熱伝導性が良好な導電材料より成る第1のリードフレームと、該第1のリードフレーム上に配置される半導体チップを有することを特徴とする。
上記枠体を貫通して孔内に露出する第2のリードフレームを有する構造と成しも良く、この場合、第2のリードフレームと、上記第1のリードフレームとは、上下方向に所定の間隙を設けて対向配置されることにより絶縁される。
上記第1のリードフレームは、銅合金で構成するのが適当である。
上記第1のリードフレームを、他の放熱部材に接続させることにより、上記半導体チップの発熱を放熱可能と成しても良い。
上記半導体チップとしては、例えば、発光ダイオードチップ、レーザーダイオードチップ等が該当する。
本考案の半導体素子にあっては、半導体チップの発熱を、第1のリードフレームを介して半導体素子外部へと放熱できるようになっており、しかも、半導体チップが配置された第1のリードフレームが、枠体底面の略全面を覆う形状と成されているので、放熱面積を大きく確保することができ、放熱効果が高い。
枠体を貫通して孔内に露出する第2のリードフレームを有する構造とした場合、第2のリードフレームと、第1のリードフレームとを、同一平面上に配置せず、上下方向に所定の間隙を設けて対向配置したことにより、第1のリードフレームで枠体底面の略全面を覆っても、第1のリードフレームと第2のリードフレーム間の絶縁性を確保できる。
上記第1のリードフレームを、他の放熱部材に接続させることにより、上記半導体チップの発熱を、更に他の放熱部材へと放熱することができる。
以下、図面に基づき、本考案に係る半導体素子の実施形態を説明する。
図1は、本考案に係る半導体素子としてのLED(発光ダイオード)10を模式的に示す平面図、図2は、本考案に係るLED10を模式的に示す概略断面図である。
本考案のLED10は、樹脂より成り、孔16が形成された略リング状の枠体18と、第1のリードフレーム20及び第2のリードフレーム22を有している。これらリードフレーム20,22の板厚は0.3mm程度と成されている。
第1のリードフレーム20は、上記枠体18の底面18aの略全面を覆う略円板状の先端部20aと、枠体18を貫通して外方へ向かって水平方向に取り出される後端部20bを有している。第1のリードフレーム20の先端部20aの一部は上記孔16内に露出しており、該孔16内に露出した第1のリードフレーム20の先端部20aに、半導体チップとしてのLEDチップ24をダイボンドすることにより、第1のリードフレーム20とLEDチップ24底面の一方の電極(図示せず)とを電気的に接続している。
また、第2のリードフレーム22は、上記枠体18を貫通して孔16内に露出する先端部22aと、枠体18の外方へ向かって水平方向に取り出されている後端部22bを有しており、第2のリードフレーム22の先端部22aと、上記LEDチップ24上面の他方の電極(図示せず)とをボンディングワイヤ26を介して電気的に接続して成る。
上記第1のリードフレーム20の先端部20aと、第2のリードフレーム22の先端部22aは、上下方向に所定の間隙を設けて対向配置されることにより、相互に絶縁されている。
而して、本考案にあっては、第1のリードフレーム20の先端部20aと、第2のリードフレーム22の先端部22aを同一平面上に配置せず、上下方向に所定の間隙を設けて対向配置したことにより、第1のリードフレーム20の先端部20で枠体18の底面18aの略全面を覆っても、第1のリードフレーム20と第2のリードフレーム22間の絶縁性を確保できるのである。
上記LEDチップ24は、電圧が印加されると所定波長の光を発光し、例えば、窒化ガリウム系半導体結晶で構成されている。
また、上記枠体18の孔16内には、エポキシ樹脂等より成る透光性のコーティング材28を充填してLEDチップ24を封止して成る。
而して、上記第1のリードフレーム20及び第2のリードフレーム22を介してLEDチップ24に電圧が印加されると、LEDチップ24から所定波長の光が発光し、コーティング材28を透過して外部へ放射されるようになっている。
上記した本考案のLED10にあっては、LEDチップ24の発熱を、第1のリードフレーム20を介してLED10外部へと放熱できるようになっており、しかも、LEDチップ24が配置された第1のリードフレーム20の先端部20aが、枠体底面18aの略全面を覆う形状と成されているので、放熱面積を大きく確保することができ、放熱効果が高い。
上記第1のリードフレーム20は、熱伝導性が良好な導電材料である銅合金で構成することができる。
尚、上記した本考案のLED10は、LEDチップ24が配置された第1のリードフレーム20の先端部20aを、他の放熱部材に接続することにより、更に放熱効果を高めることができる。
図3〜図5は、上記LED10を、他の放熱部材に接続して使用する場合を示したものであり、本考案のLED10と、枠部材14と、放熱部材15とを一体化して構成されている。図3において、42は高熱伝導性絶縁接着材42であり、該高熱伝導性絶縁接着材42を介してLED10と放熱部材15とが接続されている。該高熱伝導性絶縁接着材42の厚さは20〜30μmと成されている。
図6〜図9は、放熱部材15を示すものであり、図6は正面図、図7は平面図、図8は側面図、図9は図7のB−B断面図である。
放熱部材15は、熱伝導性が良好なアルミニウム等の導電材料で構成されており、本体部30と、一対の切欠部32(図7)を有している。
図10〜図12は、枠部材14を示すものであり、図10は平面図、図11は側面図、図12は図10のC−C断面図である。
枠部材14は、樹脂等の絶縁材料で構成されており、導電材料で構成された上記放熱部材15と、LED10の第1のリードフレーム20、第2のリードフレーム22との絶縁性を確保するために用いられるものである。
上記枠部材14は、上記LED10の枠体18の側周面18b(図2参照)に当接して囲繞する略リング状の本体部34と、該本体部34の下端に形成され、上記放熱部材15の切欠部32形成位置の本体部の側周面30a(図7参照)に当接して覆う一対の垂下部36と、本体部34上端から垂下部36下端に至るまで形成された一対の切欠部38を有している。 また、上記垂下部36には、LED10を載置する段部40が形成されており、該段部40にLED10を載置した際、LED10の第1のリードフレーム先端部20aと放熱部材15との間に20〜30μmの間隙が形成されるよう設計されている。
さらに、上記切欠部38の幅は、LED10の第1のリードフレーム20及び第2のリードフレーム22の幅と略同一と成されている。
上記LED10、枠部材14、放熱部材15は、図13に示す要領で一体化される。すなわち、表面に高熱伝導性絶縁接着材42を20〜30μmの厚さで被着した放熱部材15に枠部材14を嵌合し、以て、放熱部材15の切欠部32形成位置の本体部側周面30aを、枠部材14の垂下部36で覆う。
次に、LED10を、枠部材14の垂下部36の段部40上に載置し、LED10の枠体18の側周面18bを、枠部材14の本体部34で囲繞することにより、LED10と枠部材14との嵌合を行う。
この結果、LED10の枠体底面の18aの略全面を覆う第1のリードフレーム先端部20aと放熱部材15とが高熱伝導性絶縁接着材42を介して接続される。
上記の通り、枠部材14の切欠部38の幅が、LED10の第1のリードフレーム20及び第2のリードフレーム22の幅と略同一と成されているので、第1のリードフレーム20及び第2のリードフレーム22を上記切欠部38内に挿通することにより、LED10と枠部材14との嵌合時の位置決めを容易に行うことができると共に、LED10の第1のリードフレーム20及び第2のリードフレーム22が切欠部38内でガタツキを生じることがなく、LED10と枠部材14とを強固に固定できる。
上記高熱伝導性絶縁接着材42としては、例えば、熱伝導性が良好な金属粉末を、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等の樹脂中に混合して成る高熱伝導性樹脂が該当する。
尚、高熱伝導性絶縁接着材42の厚さが大きいと、熱伝導性を阻害するため、100μm以下の厚さとするのが適当であり、より好ましくは、上記の通り20〜30μmの厚さとするのが良い。
上記においては、LEDチップ24が配置された第1のリードフレーム20の先端部20aが、高熱伝導性絶縁接着材42を介して放熱部材15と接続されているので、LEDチップ24の発熱は、第1のリードフレーム20及び高熱伝導性絶縁接着材42を介して放熱部材15へと伝導し、LED10外部へ効率良く放熱することができる。
上記枠部材14及び放熱部材15に、それぞれ一対の切欠部38,32を形成したのは、LEDチップ24に接続されたリードフレーム20,22の取出し方向の自由度を高めるためである。
すなわち、枠部材14及び放熱部材15の切欠部38,32は、リードフレーム20,22の枠体18からの取出箇所と対応する位置に形成されると共に、枠部材14の切欠部38の幅はリードフレーム20,22の幅と略同一、放熱部材15の切欠部32の幅はリードフレーム20,22より幅広と成されていることから、切欠部38,32内において、リードフレーム20,22を屈曲させて所望の方向へ取出すことができる。
例えば、図14に示すように、リードフレーム20,22を、枠部材14及び放熱部材15の切欠部38,32内において、枠部材14の垂下部36の外面36aに沿うよう下方に屈曲させた後、放熱部材15の本体部底面30bと略面一となるよう放熱部材15外方へ90度屈曲させれば、リードフレーム20,22を回路基板等(図示せず)へ表面実装することが可能となる。
また、放熱部材15の本体部底面30bを、他の放熱部材(図示省略)上に表面実装することにより、本体部底面30bを他の放熱部材に接触させれば、LEDチップ24の発熱を、放熱部材15を介して、更に他の放熱部材へと効率良く放熱することができる。
また、図15に示すように、リードフレーム20,22を、枠部材14及び放熱部材15の切欠部38,32内において、枠部材14の垂下部36の外面36aに沿うよう屈曲させて垂直下方向に取り出せば、放熱パイプ50(他の放熱部材)の筒状体52内部に収納して使用することができる。
この場合、枠部材14の垂下部36で覆われいない放熱部材15の本体部30の側周面30aを、放熱パイプ50の筒状体52の内周面と接触させることにより、LEDチップ24の発熱を、放熱部材15を介して、更に放熱パイプ50へと効率良く放熱することができる。
尚、上記した通り、絶縁材料で構成された枠部材14は、導電材料で構成された放熱部材15と、LED10の第1のリードフレーム20、第2のリードフレーム22との絶縁性を確保するために用いられるものである。
すなわち、LED10を枠部材14の垂下部36の段部40上に載置した際、LED10の第1のリードフレーム先端部20aと放熱部材15間に20〜30μmの間隙が形成されるので、LED10の第1のリードフレーム先端部20aと放熱部材15との物理的な接触が阻止され絶縁性が確保される。
また、図14及び図15に示すように、リードフレーム20,22を、枠部材14及び放熱部材15の切欠部38,32内において、枠部材14の垂下部36の外面36aに沿うよう下方に屈曲させた場合においても、放熱部材15の切欠部32形成位置の本体部側周面30aが枠部材14の垂下部36で覆われているので、リードフレーム20,22と放熱部材15との物理的な接触が阻止され絶縁性が確保される。
而して、導電材料で構成された放熱部材15と、LED10の第1のリードフレーム20、第2のリードフレーム22との絶縁性を確保するのは、例えば、図14に示した構造の表面実装用のLED10を、他の導電性の放熱部材(図示省略)上に多数個配置して使用する場合等、複数個のLED10を同一の導電部材上に配置して使用する場合があるためである。
尚、他の放熱部材として、表面に絶縁被膜を形成したアルミニウム基板(図示省略)を用い、該アルミニウム基板上に、本考案のLED10を載置するようにしても良い。この場合、LEDチップ24が配置された第1のリードフレーム20の先端部20aが、アルミニウム基板に接続されるため、LEDチップ24の発熱は、第1のリードフレーム20を介してアルミニウム基板へと伝導し、LED10外部へ効率良く放熱することができる。
上記においては、半導体チップとしてLEDチップ24、半導体素子としてLED10を例示したが、これに限定されるものではなく、半導体チップとしてレーザーダイオードチップ等、半導体素子としてレーザーダイオード等を用いることもできる。
また、上記においては、第1のリードフレーム20の上方に、所定の間隙を設けて対向配置される第2のリードフレーム22が1本の場合を例示したが、これに限定されるものではなく、第2のリードフレーム22は複数本あっても良い。
本考案に係る発光ダイオード(半導体素子)を模式的に示す平面図である。 本考案に係る発光ダイオード(半導体素子)を模式的に示す概略断面図である。 本考案に係る発光ダイオード(半導体素子)を放熱部材に接続した場合を模式的に示す概略断面図である。 本考案に係る発光ダイオード(半導体素子)を放熱部材に接続した場合を模式的に示す平面図である。 図3のA−A概略断面図である。 放熱部材を模式的に示す正面図である。 放熱部材を模式的に示す平面図である。 放熱部材を模式的に示す側面図である。 図7のB−B概略断面図である。 枠部材を模式的に示す平面図である。 枠部材を模式的に示す側面図である。 図10のC−C概略断面図である。 本考案に係る発光ダイオード(半導体素子)、枠部材、放熱部材の一体化の方法を示す説明図である。 本考案に係る発光ダイオード(半導体素子)のリードフレームの取出し方向を変化させた状態を模式的に示す概略断面図である。 本考案に係る発光ダイオード(半導体素子)のリードフレームの取出し方向を変化させた状態を模式的に示す概略断面図である。 従来の発光ダイオード(半導体素子)を模式的に示す概略断面図である。
10 発光ダイオード
16 孔
18 枠体
18a枠体の底面
18b枠体の側周面
20 第1のリードフレーム
20a第1のリードフレームの先端部
20b第1のリードフレームの後端部
22 第2のリードフレーム
22a第2のリードフレームの先端部
22b第2のリードフレームの後端部
24 LEDチップ
26 ボンディングワイヤ
28 コーティング材

Claims (5)

  1. 孔が形成された枠体と、該枠体の底面の略全面を覆う熱伝導性が良好な導電材料より成る第1のリードフレームと、該第1のリードフレーム上に配置される半導体チップを有することを特徴とする半導体素子。
  2. 上記枠体を貫通して孔内に露出する第2のリードフレームを有しており、該第2のリードフレームと、上記第1のリードフレームとは、上下方向に所定の間隙を設けて対向配置されることにより絶縁されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体素子。
  3. 上記リードフレームが、銅合金で構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体素子。
  4. 上記第1のリードフレームを、他の放熱部材に接続させることにより、上記半導体チップの発熱を放熱可能と成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の半導体素子。
  5. 上記半導体チップが、発光ダイオードチップ、レーザーダイオードチップの何れかであることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の半導体素子。
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