JP3157031B2 - 寸法表示標識入りトリコット編地および標識付与方法 - Google Patents
寸法表示標識入りトリコット編地および標識付与方法Info
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- JP3157031B2 JP3157031B2 JP05380592A JP5380592A JP3157031B2 JP 3157031 B2 JP3157031 B2 JP 3157031B2 JP 05380592 A JP05380592 A JP 05380592A JP 5380592 A JP5380592 A JP 5380592A JP 3157031 B2 JP3157031 B2 JP 3157031B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、長尺のトリコット編地
において、長手方向に所定の長さの位置を表示する寸法
表示標識の入ったトリコット編地、およびその寸法表示
標識付与方法に関する。
において、長手方向に所定の長さの位置を表示する寸法
表示標識の入ったトリコット編地、およびその寸法表示
標識付与方法に関する。
【0002】
【従来の技術】トリコット編機で編成した編地は、通
常、巻取機で数反分を1巻にして巻取られ、検査と補修
の後、必要に応じ、水洗い、精練、漂白、染色、樹脂加
工などの加工、仕上げの工程を経て、トリコット編地と
して出荷される。最近、工程、輸送の合理化や原料原単
位の向上のために、1巻の巻取長さが長くなる傾向にあ
り、時には数百メートルに及ぶようになってきた。この
ような長い編地は、そのままでは不便なことが多く、販
売、加工、仕上げ、あるいは最終製品の縫製などの段階
で、1反毎もしくは適当な長さに裁断する必要がある。
しかし、裁断の度に長い編地の長さを測るのは不便であ
って、センサーおよび肉眼で感知可能な何らかの寸法表
示標識が必要である。
常、巻取機で数反分を1巻にして巻取られ、検査と補修
の後、必要に応じ、水洗い、精練、漂白、染色、樹脂加
工などの加工、仕上げの工程を経て、トリコット編地と
して出荷される。最近、工程、輸送の合理化や原料原単
位の向上のために、1巻の巻取長さが長くなる傾向にあ
り、時には数百メートルに及ぶようになってきた。この
ような長い編地は、そのままでは不便なことが多く、販
売、加工、仕上げ、あるいは最終製品の縫製などの段階
で、1反毎もしくは適当な長さに裁断する必要がある。
しかし、裁断の度に長い編地の長さを測るのは不便であ
って、センサーおよび肉眼で感知可能な何らかの寸法表
示標識が必要である。
【0003】そこで、編成中、作業者が、編地にペンで
寸法表示標識を付与するようになった。さらに、最近で
はこれを自動化して、トリコット編機と巻取機との間
に、専用の寸法表示標識挿入用ペンの自動走行装置とペ
ン台とを設置し、寸法表示標識を付与することが検討さ
れている。
寸法表示標識を付与するようになった。さらに、最近で
はこれを自動化して、トリコット編機と巻取機との間
に、専用の寸法表示標識挿入用ペンの自動走行装置とペ
ン台とを設置し、寸法表示標識を付与することが検討さ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記のペンで
付与する寸法表示標識は、作業者を機側に張付けにし、
また、標識(多くの場合黄色である)と同色の編地では
センサーや肉眼による識別が甚だ困難であること、後加
工によって寸法表示標識が不明瞭になるなどの問題があ
った。このペンによる寸法表示標識を自動的に付与する
には専用のペンの自動走行機とペン台が必要であるこ
と、これらの機器を編機と巻取装置との間の狭い空間内
に設置しなければならないなどの問題があった。さら
に、編地の全幅に寸法表示標識を付与することは装置上
容易でなく、編地の片側の端部から約30cm以内にだ
け標識を付与していたので、裁断上に何かと不便があっ
た。
付与する寸法表示標識は、作業者を機側に張付けにし、
また、標識(多くの場合黄色である)と同色の編地では
センサーや肉眼による識別が甚だ困難であること、後加
工によって寸法表示標識が不明瞭になるなどの問題があ
った。このペンによる寸法表示標識を自動的に付与する
には専用のペンの自動走行機とペン台が必要であるこ
と、これらの機器を編機と巻取装置との間の狭い空間内
に設置しなければならないなどの問題があった。さら
に、編地の全幅に寸法表示標識を付与することは装置上
容易でなく、編地の片側の端部から約30cm以内にだ
け標識を付与していたので、裁断上に何かと不便があっ
た。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の課題を
解決するために鋭意研究の結果完成した寸法表示標識お
よび寸法表示標識付与方法である。
解決するために鋭意研究の結果完成した寸法表示標識お
よび寸法表示標識付与方法である。
【0006】すなわち、第1の発明は、トリコット編地
の長手方向の所定の寸法表示位置に、正常な編地部分の
空隙率に対し少なくとも130%の空隙率を有し、かつ
複数のコースからなる編段が、少なくとも10コースの
間隔をおいて複数段編成されていることを特徴とする寸
法表示標識入りトリコット編地を提供する。
の長手方向の所定の寸法表示位置に、正常な編地部分の
空隙率に対し少なくとも130%の空隙率を有し、かつ
複数のコースからなる編段が、少なくとも10コースの
間隔をおいて複数段編成されていることを特徴とする寸
法表示標識入りトリコット編地を提供する。
【0007】また、トリコット編地に寸法表示標識を付
与する方法として、第2の発明、すなわち、トリコット
編機を使用し、トリコット編地を所定の編成速度におい
て編成中、編地の編成が所定の寸法表示位置に到達した
とき、 a)編機を速やかに停止または編成速度を50%以下に
減速して編段を1段編成し、 b)ついで、前記所定の編成速度の5%以上であって、
かつ、a)に記載の編段編成時の編成速度の少なくとも
150%をこえる速度で編段間のスペースとなる編地を
編成し、 c)再び、編機をa)に記載の状態にして2段目の編段
を編成し、 d)以後、a)、b)、c)に記載の操作を繰返して、
前記の編段を少なくとも2段編成した後、 e)前記所定の編成速度に戻すことによって、寸法表示
標識を付与することを特徴とするトリコット編地の寸法
表示標識付与方法を提供する。
与する方法として、第2の発明、すなわち、トリコット
編機を使用し、トリコット編地を所定の編成速度におい
て編成中、編地の編成が所定の寸法表示位置に到達した
とき、 a)編機を速やかに停止または編成速度を50%以下に
減速して編段を1段編成し、 b)ついで、前記所定の編成速度の5%以上であって、
かつ、a)に記載の編段編成時の編成速度の少なくとも
150%をこえる速度で編段間のスペースとなる編地を
編成し、 c)再び、編機をa)に記載の状態にして2段目の編段
を編成し、 d)以後、a)、b)、c)に記載の操作を繰返して、
前記の編段を少なくとも2段編成した後、 e)前記所定の編成速度に戻すことによって、寸法表示
標識を付与することを特徴とするトリコット編地の寸法
表示標識付与方法を提供する。
【0008】
【作用と実施態様例】本発明について、図面を参照しつ
つ詳しく説明する。図1は、第1の発明にかかる寸法表
示標識入りトリコット編地の寸法表示標識部分を示す模
式図である。図2は、図1の1部を拡大して編目を模式
的に示した図である。図3は、第2の発明のトリコット
編地の寸法表示標識付与方法を、マイクロコンピュータ
を利用して実施した場合の1例を示すフローチャートで
ある。なお、これらの図面はいずれも本発明の例示であ
り、本発明はこれによって限定されるものではない。
つ詳しく説明する。図1は、第1の発明にかかる寸法表
示標識入りトリコット編地の寸法表示標識部分を示す模
式図である。図2は、図1の1部を拡大して編目を模式
的に示した図である。図3は、第2の発明のトリコット
編地の寸法表示標識付与方法を、マイクロコンピュータ
を利用して実施した場合の1例を示すフローチャートで
ある。なお、これらの図面はいずれも本発明の例示であ
り、本発明はこれによって限定されるものではない。
【0009】第1の発明の寸法表示標識入りトリコット
編地には、長手方向の所定の寸法表示位置、たとえば反
末や自動裁断の位置などに、あらかじめ寸法表示標識4
が編成されている。本発明の寸法表示標識4は、通常の
後加工によって、不明瞭になったり消失することがない
ように編地自体を編成変更して付与する。すなわち、寸
法表示標識4は、複数のコースからなり正常な編地部分
1の空隙率に対し130%以上の空隙率を有する編段2
を、少なくとも10コースの間隔部分(スペース)3を
おいて、複数段編成することによって構成されている。
スペース3は、正常、あるいは正常に近い空隙率になっ
ており、編段2とは肉眼によって容易に区別できる。
編地には、長手方向の所定の寸法表示位置、たとえば反
末や自動裁断の位置などに、あらかじめ寸法表示標識4
が編成されている。本発明の寸法表示標識4は、通常の
後加工によって、不明瞭になったり消失することがない
ように編地自体を編成変更して付与する。すなわち、寸
法表示標識4は、複数のコースからなり正常な編地部分
1の空隙率に対し130%以上の空隙率を有する編段2
を、少なくとも10コースの間隔部分(スペース)3を
おいて、複数段編成することによって構成されている。
スペース3は、正常、あるいは正常に近い空隙率になっ
ており、編段2とは肉眼によって容易に区別できる。
【0010】ここに空隙率とは、編段2の形状を特定す
るためその形状特性を種々検討した結果、便宜的に設定
した特性であって、走査電子顕微鏡を使用して測定した
トリコット編地の空隙率のことである。具体的にその測
定方法を説明する。まず、正常な編地1および編段2を
含む広さが30×30mm程度の測定試料を、通常の編
物では軽く皺のよらない程度の張力で広げて、予め試料
台上に接着、固定した両面接着テ−プ上にゆっくり押付
け、固定する。これより大きな試料を固定した後、不要
な部分を切断、削除してもよい。この張力は、寸法表示
標識4を利用する際のトリコット編地の状態を想定した
ものである。この試料を走査電子顕微鏡で10ないし1
00倍程度に拡大して撮影し、その写真画像上の繊維部
分を除いた部分(通常、陽画では黒く写っている)の面
積を面積計を用いて測定し、その面積の全体の面積に対
する面積比率を求めて空隙率とする。正常な編地1と編
段2との空隙率の差が小さすぎると寸法表示標識4を識
別しにくくなり、好ましくない。しかし、スパンデック
ス繊維を使用したトリコット編物や目付の大きなトリコ
ット編物では、空隙率の測定が困難な場合がある。この
様な場合には、ループ間隙の空隙が観察できるように編
地1および編段2を含む測定試料に適当な張力をかけ、
その試料の四方をクランプし、導電性の接着剤で試料台
上に接着、固定た後、クランプを外し適当な大きさにカ
ットするとよい。
るためその形状特性を種々検討した結果、便宜的に設定
した特性であって、走査電子顕微鏡を使用して測定した
トリコット編地の空隙率のことである。具体的にその測
定方法を説明する。まず、正常な編地1および編段2を
含む広さが30×30mm程度の測定試料を、通常の編
物では軽く皺のよらない程度の張力で広げて、予め試料
台上に接着、固定した両面接着テ−プ上にゆっくり押付
け、固定する。これより大きな試料を固定した後、不要
な部分を切断、削除してもよい。この張力は、寸法表示
標識4を利用する際のトリコット編地の状態を想定した
ものである。この試料を走査電子顕微鏡で10ないし1
00倍程度に拡大して撮影し、その写真画像上の繊維部
分を除いた部分(通常、陽画では黒く写っている)の面
積を面積計を用いて測定し、その面積の全体の面積に対
する面積比率を求めて空隙率とする。正常な編地1と編
段2との空隙率の差が小さすぎると寸法表示標識4を識
別しにくくなり、好ましくない。しかし、スパンデック
ス繊維を使用したトリコット編物や目付の大きなトリコ
ット編物では、空隙率の測定が困難な場合がある。この
様な場合には、ループ間隙の空隙が観察できるように編
地1および編段2を含む測定試料に適当な張力をかけ、
その試料の四方をクランプし、導電性の接着剤で試料台
上に接着、固定た後、クランプを外し適当な大きさにカ
ットするとよい。
【0011】編段2は、容易に識別できるように少なく
とも2コースをもって編成する。もちろん、編段2の空
隙率、編地の目付、色などによって、識別しやすい適当
なコース数が選択される。また、編段2が1段である
と、操業ミスなどによって自然発生的に生じた編段との
区別がつかなくなるので、複数の編段を編成する。各編
段2は、少なくとも10コース、好ましくは50ないし
150コースのスペース3を間において編成する。ペー
ス3が狭すぎると編段2の段数を識別しにくく、広すぎ
ると編地が無駄になる。編段2の数やコース数、スペー
ス3のコース数を適当に組合わせ、それぞれ異なる意味
を持つ寸法表示標識4にすることも可能である。第1の
発明の寸法表示標識入りトリコット編地は、以下に説明
する第2の発明を実施すれば容易に編成することができ
る。
とも2コースをもって編成する。もちろん、編段2の空
隙率、編地の目付、色などによって、識別しやすい適当
なコース数が選択される。また、編段2が1段である
と、操業ミスなどによって自然発生的に生じた編段との
区別がつかなくなるので、複数の編段を編成する。各編
段2は、少なくとも10コース、好ましくは50ないし
150コースのスペース3を間において編成する。ペー
ス3が狭すぎると編段2の段数を識別しにくく、広すぎ
ると編地が無駄になる。編段2の数やコース数、スペー
ス3のコース数を適当に組合わせ、それぞれ異なる意味
を持つ寸法表示標識4にすることも可能である。第1の
発明の寸法表示標識入りトリコット編地は、以下に説明
する第2の発明を実施すれば容易に編成することができ
る。
【0012】つぎに、第2の発明にかかるトリコット編
地の寸法表示標識付与方法を、図3に示した実施態様例
を参照しつつ説明する。第2の発明を実施するには、公
知のトリコット編機を用いれば特別の機能を追加するこ
となく実施可能であるが、さらにマイクロコンピュータ
を利用した制御システムを取付け、本発明の寸法表示標
識付与操作を自動化することが好ましい。本実施態様例
は、この制御システムを取付けたトリコット編機を使用
し、1反末ごとに寸法表示標識を付与するものである。
地の寸法表示標識付与方法を、図3に示した実施態様例
を参照しつつ説明する。第2の発明を実施するには、公
知のトリコット編機を用いれば特別の機能を追加するこ
となく実施可能であるが、さらにマイクロコンピュータ
を利用した制御システムを取付け、本発明の寸法表示標
識付与操作を自動化することが好ましい。本実施態様例
は、この制御システムを取付けたトリコット編機を使用
し、1反末ごとに寸法表示標識を付与するものである。
【0013】まず、所要の編地一反のラック数(R)、
一巻に編み上げる編地の反数(T)、標識を構成する帯
状の編段の所要本数(S)、および編段の間のスペース
部となる編目のコース数(C)をセットする。ラック数
(Rn)、反数(Tn)、編段の本数(Sn)、およびスペー
ス部のコース数(Cn)の各カウンターの値を初期値に戻
す。一連の準備作業が終了したら編機を始動する。編成
の開始にしたがって、Rnのカウントが始まる。
一巻に編み上げる編地の反数(T)、標識を構成する帯
状の編段の所要本数(S)、および編段の間のスペース
部となる編目のコース数(C)をセットする。ラック数
(Rn)、反数(Tn)、編段の本数(Sn)、およびスペー
ス部のコース数(Cn)の各カウンターの値を初期値に戻
す。一連の準備作業が終了したら編機を始動する。編成
の開始にしたがって、Rnのカウントが始まる。
【0014】一反の編成が終り、Rn=RになるとTn=Tn
+1をカウントし、Tn=Tで目標の反数が編成し終わっ
ていなければ、a)編機を速やかに停止または所定の編
成速度の50%以下に減速して、編段を1段編成する。
減速手段は、たとえば、始動用のスローモータ(副モー
タ)を設備したトリコット編機であれば、このスローモ
ータに切替えて回転数を数百r.p.m.から数十r.
p.m.におとすことが出来る。また、インバータ付き
のモータを使用して減速してもよい。停止または減速を
速やかにステップ状に行うと、編機の編成速度と編地の
巻取張力との間のバランスが1時的に崩れ、編地のルー
プが正常の場合に比べて大きくなり、編段が形成される
のである。編機を停止しても、編地の編成は慣性力によ
って数コース進捗し、ループの大きな編地、すなわち編
段が形成される。編成速度の変化が小さいか、ゆっくり
変化させると明確な編段が形成されない。編段を形成し
たら、Sn=1をカウントする。
+1をカウントし、Tn=Tで目標の反数が編成し終わっ
ていなければ、a)編機を速やかに停止または所定の編
成速度の50%以下に減速して、編段を1段編成する。
減速手段は、たとえば、始動用のスローモータ(副モー
タ)を設備したトリコット編機であれば、このスローモ
ータに切替えて回転数を数百r.p.m.から数十r.
p.m.におとすことが出来る。また、インバータ付き
のモータを使用して減速してもよい。停止または減速を
速やかにステップ状に行うと、編機の編成速度と編地の
巻取張力との間のバランスが1時的に崩れ、編地のルー
プが正常の場合に比べて大きくなり、編段が形成される
のである。編機を停止しても、編地の編成は慣性力によ
って数コース進捗し、ループの大きな編地、すなわち編
段が形成される。編成速度の変化が小さいか、ゆっくり
変化させると明確な編段が形成されない。編段を形成し
たら、Sn=1をカウントする。
【0015】ついで、b)前記所定の編成速度の5%以
上であって、かつ、a)の編段編成時の編成速度の少な
くとも150%をこえる速度で,編段間のスペースとな
る編地を編成する。編成される編地は正常またはそれに
近いループを有し、編段とは明瞭に区別できる。必要な
スペースを編成するためにコース数(Cn)をカウントし、
必要なスペースの編成を終えたら、c)編機をa)の状
態にして2段目の編段を編成し、Sn=Sn+1をカウント
する。d)以後、a)、b)、c)の操作を繰返して、
前記の編段を少なくとも2段、所定の段数(S)編成し
た後、e)前記所定の編成速度に戻すことによって、寸
法表示標識を付与する。この様にして、所要の反数が編
上りTn=Tになると、編機を停止させ、編地を取り外
す。この編地は、反末ごとに寸法表示標識を付与された
トリコット編地である。
上であって、かつ、a)の編段編成時の編成速度の少な
くとも150%をこえる速度で,編段間のスペースとな
る編地を編成する。編成される編地は正常またはそれに
近いループを有し、編段とは明瞭に区別できる。必要な
スペースを編成するためにコース数(Cn)をカウントし、
必要なスペースの編成を終えたら、c)編機をa)の状
態にして2段目の編段を編成し、Sn=Sn+1をカウント
する。d)以後、a)、b)、c)の操作を繰返して、
前記の編段を少なくとも2段、所定の段数(S)編成し
た後、e)前記所定の編成速度に戻すことによって、寸
法表示標識を付与する。この様にして、所要の反数が編
上りTn=Tになると、編機を停止させ、編地を取り外
す。この編地は、反末ごとに寸法表示標識を付与された
トリコット編地である。
【0016】
【実施例】第2の発明のトリコット編地の寸法表示標識
付与方法を使用し、第1の発明の寸法表示標識入りトリ
コット編地を編成したので、これについて説明する。
付与方法を使用し、第1の発明の寸法表示標識入りトリ
コット編地を編成したので、これについて説明する。
【0017】まず、市販のトリコット編機(カールマイ
ヤー(株)製)に図3に例示したのと同様の操作機能を
有する制御システムを取付けた。このトリコット編機を
用い、30デニール、12フィラメントのポリアミド糸
を使用し、2枚おさでハーフ編みをし、各反末に寸法表
示標識を付与したトリッコ編地を編成した。編機のスタ
ートに先立ち、制御盤上で、1反のラック数を250、
1巻を5反、標識の編段を3段、編段間のコース数を8
0に設定した。この編機のモータの回転速度は800
r.p.m.であって、編段はモータを停止して挿入し
た。
ヤー(株)製)に図3に例示したのと同様の操作機能を
有する制御システムを取付けた。このトリコット編機を
用い、30デニール、12フィラメントのポリアミド糸
を使用し、2枚おさでハーフ編みをし、各反末に寸法表
示標識を付与したトリッコ編地を編成した。編機のスタ
ートに先立ち、制御盤上で、1反のラック数を250、
1巻を5反、標識の編段を3段、編段間のコース数を8
0に設定した。この編機のモータの回転速度は800
r.p.m.であって、編段はモータを停止して挿入し
た。
【0018】編み終わった編地に付与された3段の寸法
表示標識は、編地の全幅にわたり肉眼で明白に認められ
た。つぎに、走査電子顕微鏡((株)日立製作所製:S
2300)を使用して、このトリコット編地の空隙率を
測定した。寸法表示標識部分を含む広さが30×30m
m程度の編地を、軽く皺のよらない程度の張力で広げ
て、予め試料台上に接着、固定した両面接着テ−プ上に
ゆっくり押え付けて固定し、測定試料にした。この試料
中の正常な編地部分と寸法表示標識の編段部分とを、そ
れぞれ走査電子顕微鏡で40倍に拡大して撮影し、16
0mm×100mmの陽画写真に現像した。それぞれの
写真について、黒く写っている空隙部分の面積を市販の
面積計を用いて測定し、その面積の全体の面積に対する
面積比率を求めたところ、正常な編地部分の空隙率は
7.4%、編段部分の空隙率は12.2%であって、正
常な編地部分に対する編段部分の空隙率は約165%で
あった。このトリコット編物を従来のペン書きの標識で
は識別不能であった黄色に染色し、光学センサーによる
反末検出機を取付けた自動裁断反巻機に仕掛け、1反ご
とに裁断し巻き上げた。ミスカットなく期待通りに巻上
げることができた。
表示標識は、編地の全幅にわたり肉眼で明白に認められ
た。つぎに、走査電子顕微鏡((株)日立製作所製:S
2300)を使用して、このトリコット編地の空隙率を
測定した。寸法表示標識部分を含む広さが30×30m
m程度の編地を、軽く皺のよらない程度の張力で広げ
て、予め試料台上に接着、固定した両面接着テ−プ上に
ゆっくり押え付けて固定し、測定試料にした。この試料
中の正常な編地部分と寸法表示標識の編段部分とを、そ
れぞれ走査電子顕微鏡で40倍に拡大して撮影し、16
0mm×100mmの陽画写真に現像した。それぞれの
写真について、黒く写っている空隙部分の面積を市販の
面積計を用いて測定し、その面積の全体の面積に対する
面積比率を求めたところ、正常な編地部分の空隙率は
7.4%、編段部分の空隙率は12.2%であって、正
常な編地部分に対する編段部分の空隙率は約165%で
あった。このトリコット編物を従来のペン書きの標識で
は識別不能であった黄色に染色し、光学センサーによる
反末検出機を取付けた自動裁断反巻機に仕掛け、1反ご
とに裁断し巻き上げた。ミスカットなく期待通りに巻上
げることができた。
【0019】
【発明の効果】本発明の寸法表示標識入りトリコット編
地は、寸法表示標識を編地自体に編成することによって
付与しているので、後加工などで不明瞭になったり、消
失することがない。光学的なセンサーを用いれば安定し
て間違いなく識別され、安心して自動裁断することがで
きる。また、編段数、編段間のコース数によって、寸法
表示標識に特別の意味を持たせられる。編地の全幅に付
与されているので、縫製者が自動機械に頼らずに裁断す
る際にも便利である。
地は、寸法表示標識を編地自体に編成することによって
付与しているので、後加工などで不明瞭になったり、消
失することがない。光学的なセンサーを用いれば安定し
て間違いなく識別され、安心して自動裁断することがで
きる。また、編段数、編段間のコース数によって、寸法
表示標識に特別の意味を持たせられる。編地の全幅に付
与されているので、縫製者が自動機械に頼らずに裁断す
る際にも便利である。
【0020】本発明の標識付与方法を実施するのは極め
て容易である。トリコット編機本体に特別な装置は不要
である。作業員の操作によって手動で実施することもで
きるが、マイクロコンピュータを利用して、自動化すれ
ば、省力化の効果は絶大で、編地に表示標識を挿入して
も、24時間の無人運転が可能である。表示標識を自動
的に付与するに際し、従来のように新たな装置を編機本
体に取付ける必要はなく、制御盤に簡単なプログラム制
御システムを取付ければ十分に目的を達成できる。した
がって、特別な据付場所を必要とせず、既設の編機に応
用でき、経済的である。
て容易である。トリコット編機本体に特別な装置は不要
である。作業員の操作によって手動で実施することもで
きるが、マイクロコンピュータを利用して、自動化すれ
ば、省力化の効果は絶大で、編地に表示標識を挿入して
も、24時間の無人運転が可能である。表示標識を自動
的に付与するに際し、従来のように新たな装置を編機本
体に取付ける必要はなく、制御盤に簡単なプログラム制
御システムを取付ければ十分に目的を達成できる。した
がって、特別な据付場所を必要とせず、既設の編機に応
用でき、経済的である。
【図1】 第1の発明にかかる寸法表示標識入りトリコ
ット編地の寸法表示標識部分を示す模式図。
ット編地の寸法表示標識部分を示す模式図。
【図2】 図1の1部を拡大して編目を模式的に示した
図。
図。
【図3】 第2の発明のトリコット編地の寸法表示標識
付与方法を、マイクロコンピュータを利用して実施した
場合を示すフローチャート。
付与方法を、マイクロコンピュータを利用して実施した
場合を示すフローチャート。
1:編地 2:編段 3:編段間のスペース 4:寸法表示標識
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山 崎 則 義 福井県大野市若杉町105番地 (56)参考文献 実開 昭57−52587(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D04B 21/00,1/00 D06H 1/00
Claims (2)
- 【請求項1】トリコット編地の長手方向の所定の寸法表
示位置に、正常な編地部分の空隙率に対し少なくとも1
30%の空隙率を有し、かつ複数のコースからなる編段
が、少なくとも10コースの間隔をおいて複数段編成さ
れていることを特徴とする寸法表示標識入りトリコット
編地。 - 【請求項2】トリコット編地の寸法表示標識付与方法に
おいて、 トリコット編機を使用し、トリコット編地を所定の編成
速度において編成中、編地の編成が所定の寸法表示位置
に到達したとき、 a)編機を速やかに停止または編成速度を50%以下に
減速して編段を1段編成し、 b)ついで、前記所定の編成速度の5%以上であって、
かつ、a)に記載の編段編成時の編成速度の少なくとも
150%をこえる速度で編段間のスペースとなる編地を
編成し、 c)再び、編機をa)に記載の状態にして2段目の編段
を編成し、 d)以後、a)、b)、c)に記載の操作を繰返して、
前記の編段を少なくとも2段編成した後、 e)前記所定の編成速度に戻すことによって、寸法表示
標識を付与することを特徴とするトリコット編地の寸法
表示標識付与方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05380592A JP3157031B2 (ja) | 1992-03-12 | 1992-03-12 | 寸法表示標識入りトリコット編地および標識付与方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05380592A JP3157031B2 (ja) | 1992-03-12 | 1992-03-12 | 寸法表示標識入りトリコット編地および標識付与方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05263339A JPH05263339A (ja) | 1993-10-12 |
JP3157031B2 true JP3157031B2 (ja) | 2001-04-16 |
Family
ID=12953021
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP05380592A Expired - Fee Related JP3157031B2 (ja) | 1992-03-12 | 1992-03-12 | 寸法表示標識入りトリコット編地および標識付与方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3157031B2 (ja) |
-
1992
- 1992-03-12 JP JP05380592A patent/JP3157031B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05263339A (ja) | 1993-10-12 |
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