JP3156774U - 裏込めモルタル止め金具 - Google Patents

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清春 前田
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Abstract

【課題】送電線の深礎基礎杭工事における円形立坑の掘進にあたって、削孔内に構成するライナ−プレ−トによる土止め支保工の孔壁面と形枠材との間の空隙にモルタル・コンクリ−トを注入して削孔周辺の地山と支保工との一体化を図っているが、充填したモルタルが支保工の下端部から孔底に流出するのでこれを防止する止め金具を提供する。【解決手段】支保工と孔壁面5との間の空隙6を閉塞するためモルタルの重みに耐える閉止用鉄板をライナ−プレ−ト1の下部フランジ10に取着し、支保工と一体構成する。鉄板と孔壁面5が当接するので閉止用鉄板の形状を円形支保工に継合する扇形とする。閉止鉄板の構造は、削孔壁5の土質が軟弱の場合は鉄板型2pを、土質が硬質な場合は、鉄板型2pの外周縁部にコの字型スポンジを嵌着したスポンジ型2sを使用する。なお、取着した閉止鉄板と孔底面5の空隙6に掘削土や土嚢を介設する必要はない。【選択図】図1

Description

本考案は、送電鉄塔等の深礎基礎工事における円形立坑の掘進にあたって、坑内の土止め支保工として用いる円形ライナ−プレ−ト(円弧状に彎曲した波つけ鋼板よりなる型枠)と掘削孔壁面との間の空隙に注入するモルタル・コンクリ−ト(裏込めグラウト)が土止め支保工の下端部から孔底内に流失することを防止する土止め装置の金具に関する。
従来、円形ライナ−プレト(以下、LPともいう)の削孔内での組立作業を容易にするため削孔幅を片側で10cm程広くとり、立坑を2m掘進する毎にセクション形枠を接合してなるLPを4段継合した支保工を坑内に構設するとともにLP支保工と地山との間に介在する空隙に孔壁面から土石が崩落するので削孔壁と支保工とを一体化するためLPと削孔壁との空隙に裏込めグラウトをしているが、空隙に注入した裏込めグラウト材がLP支保工の下端部から削孔底内に流出し、支保工の坑内における継続構設作業の妨げとなるので、これを防止するためLP支保工下端部の孔壁との空隙に空気袋を介設したり下端部周辺の孔底部との間隙に掘削土や土嚢を繞設するなどの土止め装置を施すことによってLP下端部を閉塞して支保工の坑内構設作業を行っている。(例えば、特許文献1参照。)
登録実用新案−第3054489号公報
しかし、従来の立坑内におけるLP支保工の構設に使用された土止め装置の内、図6に示すようなゴム引き布製の中空袋を間隙部に介装して膨らませるエアバッグ手法は、壁面土砂の崩落を防止する効果はあるが、裏込め材を充填する間隙部が狭小のためバッグの介装位置を下げないと裏込め材の流出を防止する裏込め効果(地山と一体化)は得られない。また、装置の構造が複雑で製作費が嵩むこととコンプレッサ−による圧縮空気の吹き込みや排気操作に手間がかかるので効率的ではない。一方、図5の(b)に示すような本考案において試行錯誤的に実施した支保工下端部の孔底部の周辺に掘削土を敷設し、その上に土嚢(サンドバッグ)を載置、繞設した手法においても打設した裏込め材の重量によってモルタルが堀削土と土嚢に染み込んだり隙間から流出することなどに問題があった。
この問題を解決するため、本考案における裏込めグラウト材を止める装置は、裏込め材のLP支保工からの流出を防止する金具として支保工の下端部と孔壁部とのなす円環状の空隙部を閉塞する閉止板であって、LP支保工の下端部のフランジに繞設するために彎曲したLP材より構成の支保工に継合する形状の扇形の鉄板を使用することが課題である。
この課題を解決するためLP支保工に取着する閉止板を裏込め材の重みに耐える強度をもつ鉄板製とする。取付け取外しを容易にすためその形状をLP支保工に継合できるよう扇形とする。閉止板をLP下端部のフランジに締着ボルトで螺設するほか孔壁面との馴染み(当接性)を良くするため閉止板の外周縁にスポンジ緩衝材を嵌着することとした。
本考案の裏込めグラウト材止め金具は、鉄板とスポンジを使って間隙部を閉塞する閉止板で、これをLP支保工組立て用の締付けボルトによりフランジに装着できること。LP支保工下端部の円周孔壁との隙間を全面閉塞するので裏込めグラウト材が流出しないこと。スポンジ緩衝材の使用により孔壁面との当接性に優れていること。金具を何回も使用できること。形状が簡単な定形金具で扱い易く、製作し易いことのほか掘削土や土嚢を支保工の下端部に繞設する必要がないので作業を能率的に行えることなど多くの効果を奏する。
本考案の裏込め材を止める扇形閉止板は、掘穿する地盤の土質によって使い分けるものとし、土質が軟弱で崩落しやすい孔壁面では鉄板型を使用し、凹凸のある孔壁面において閉止板との当接に支障となる凸部が介在した場合は、凸部を切削した後、閉止板を打込んで壁面に当接させる。また、硬質で孔壁に支障となる凸部が介在し、切削できない場合は、壁面との当接性を良くするためスポンジ型閉止板を使用して孔壁地盤に馴染ませる。
また、扇形の閉止板の材質と構造については、裏込め材(モルタル・コンクリ−ト)の重量に十分耐える厚さの鉄板とし、LP支保工と閉止板とを一体的に構成するためLP支保工の下端部のフランジに穿孔した連結孔と閉止板の内周縁部に穿孔した孔とをLP継合組立用のボルトを使って締着し、閉止板を直接支保工に継合取着する。
以下、裏込め材止め金具(扇形閉止板)の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、図2に示す立坑4の孔壁面5に沿って図4に示すLPセクションSを4段継合してなるLP支保工1の下端部に装設する2種類の閉止板2の使用形態を示す孔内断面図であり、同図(a)は、地盤9が硬質な土質の場合に使用するスポンジ型閉止鉄板2sの装着状態で、同図(b)は、軟質な土質の場合に使用する鉄板型閉止鉄板2pの装着状態で、いずれも、立坑4内に構成したLP支保工1の下端のフランジ10に穿孔の孔11にLP支保工1を組立てた締着ボルトを使って閉止板2を取着することによって裏込め材3の坑内流出を防止する。なお、裏込め材3と支保工1が一体化した後、閉止板2を取外して再使用する。
図2は、深礎基礎工事における円形立坑4の掘進にあたって、円弧状のLPセクションSを4段継合してなるLP支保工1を段階掘進することによって深礎基礎用の立坑4を地山9に構設するLP支保工1の配設図で、坑内においてLP支保工1を構成(組立て継合)するために立坑4を段階的(13回)に掘削する毎に裏込め材止め閉止鉄板3をLP支保工1の下端部に装着する作業の繰り返しにより深礎基礎用の円形支保工が完成する。
図3は、2種類の裏込め材止め金具の形態を示す平面と側面図で、同図(a)のスポンジ型鉄板2sは、基本形状(扇形)の同図(b)の鉄板型鉄板2p(板厚t4mm,幅w150mm)の外周縁部に凹型の緩衝用スポンジ材s(板厚m75mm、幅l75mm)を被嵌したもので把手02が付いている。扇形閉止鉄板2には組立てボルトBによってLP1のフレンジ11に螺着できるよう閉止鉄板2の内周縁部にボルト孔11がが穿孔されている。
図4は、円形支保工(LP)を構成するセクション部材(組合せ部品)Sの形状を示す斜視図で、円弧状に彎曲した波つけ鋼板型枠(板厚が2.7〜7mm、縦幅が500mmの波付鋼板を曲げ加工し、継合用のフランジ10を周縁部に溶着した枠体)で、立坑4の直径Dによって8種のセクション(横幅:785〜1570mm)の部材を使い分ける。このセクションSを4段組合せてなる高さ2mのLP支保工1を2m掘伸毎に削孔内に据付けるもので、LP支保工1の下端部のセクションSのフランジ10に穿孔された組立ボルト孔11を利用して裏止め材止め金具である閉止用鉄板2を取着する。
図5は、本考案の裏込め材止め金具のLP支保工取着に関する課題と対策を試行した状況図で、同図(a)は、LP支保工1に閉止板を装設しない場合の裏込め材の流出状況図で、同図(b)は、裏込め材の流出防止策としてLP支保工1の下端の孔底面50に掘削土70と土嚢2bを敷設したがモルタルが流出するなど有効な手段とはならなかった。
図6は、従来の立坑内にLP1を設置する作業で、孔壁面5とLP1との空隙にゴム引き布よりなる空気袋2aを介装した形態を示す断面図で、コンプレッサ−により空気を吹き込むため取扱い操作に手間がかかることと空気袋を4段継合したLP1と孔壁との空隙の下半部にしか介装しないので土止め効果に乏しいことなどに問題があった。
本考案の裏込めモルタル止め装置の使用状態を示す孔壁部の断面図。(a) スポンジ型閉止板を取着した場合の形態。(b) 鉄板型閉止板を取着した場合の形態。 深礎基礎施工用立坑の外観図(ライナ−プレ−ト組立支保工の構成図)。 本考案の裏込めモルタル止め金具(扇形閉止板)の平面図と側面図。(a) スポンジ型閉止板の形状図。(b) 鉄板型閉止板の形状図。 ライナ−プレ−トを構成するセクション部品型枠の斜視図。 本考案における課題および対策実施状況を示す説明図。(a) 閉止板を取着しない場合の裏込め材の孔底内流出状況図。(b) 裏込め材流出防止に掘削土と土嚢を支保工下部に敷設した状況図。 従来の空気袋を孔壁面に介装して裏込め材の流出を防止する装置。
1 ライナ−プレ−ト(LP、支保工)
01 波型プレ−ト
10 フランジ
11 組立てボルト孔(継合用の孔)
2 閉止鉄板(扇形、裏込め材止め金具)
02 把手(コ形)
2s スポンジ型(扇形)
2p 鉄板型(扇形)
2b 土嚢(土砂)
2a 空気袋(ゴム布)
3 モルタル・コンクリ−ト(裏込め材)
30 坑口コンクリ−ト(地表部根固め)
4 立坑(円形支保工)
5 削孔壁(孔壁面)
50 削孔底(孔底面)
6 空隙(隙間:10cm)
7 崩落土石
70 掘削土
8 開口部
9 地山(地盤)
S セクション(LP組合せ部品) B 組立用ボルト
G 地表(地面) D 立坑の直径 H 立坑の深さ
h 段階掘削深
s スポンジ(凹断面)
p 鉄板(厚み:6mm)
R 半径(止め金具)
t 厚み
w 幅(奥行)
l 横幅
m 縦幅

Claims (2)

  1. 掘削立坑内に構設するライナ−プレ−ト(LP)よりなる円形支保工と孔壁面との空隙に充填するモルタル・コンクリ−ト(裏込めグラウト)の孔底内への流出を防止するために坑内支保工と孔壁面との間の空隙を閉塞する閉止用の鉄板で、その鉄板と支保工とを一体形成するため、その形状を彎曲したLPよりなる円形支保工に継合できるよう扇形とし、この鉄板を削孔壁の土質が柔軟な場合は、鉄板を孔壁面に打ち込んで当接した状態で支保工の下段LPのフランジに組立てボルトを使って取着する。これにより装着した鉄板と孔底部との空隙に掘削土と土嚢を介装する必要がないことなどを特徴とする鉄板型裏込めモルタル止め金具。
  2. 掘削立坑内に構設するLPよりなる円形支保工と孔壁面との空隙に充填する裏込めグラウト材の孔底内への流出を防止するために坑内支保工と孔壁面との間の空隙を閉塞する閉止用の鉄板で、その鉄板と支保工とを一体形成するため、その形状を彎曲したLPよりなる円形支保工に継合できるよう扇形とし、この鉄板を削孔壁の土質が硬質な場合は、孔壁との当接を良くするため請求項1に記載の鉄板型裏込めモルタル止め金具の外周縁部に断面形状がコの字型のスポンジ(緩衝材)を被嵌した鉄板を支保工の下段LPのフランジに組立てボルトを使って取着する。これにより装着したスポンジ付の鉄板と孔底部との空隙に掘削土と土嚢を介装する必要がないことなどを特徴とするスポンジ型裏込めモルタル止め金具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012017581A (ja) * 2010-07-07 2012-01-26 East Japan Railway Co 杭孔壁防護方法
JP2012255289A (ja) * 2011-06-08 2012-12-27 East Japan Railway Co 掘削孔壁防護管のシール装置
JP2014234658A (ja) * 2013-06-04 2014-12-15 東日本旅客鉄道株式会社 深礎工法

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