JP3156551B2 - 弾性表面波装置 - Google Patents
弾性表面波装置Info
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Description
面波装置において、不要な共振(以下スプリアスと呼
ぶ)を回避した弾性表面波装置に関する。
W共振子の電極構造としては、例えば米国特許4716
16号公報、又は米国特許3886504号公報、又は
特公平6−85492号公報、特公平7−28195号
公報等に記載されている。
術では、いわゆる横モードのスプリアスを抑圧する方法
を提供しているだけで、本願が対象とする主振に極めて
近接するスプリアスについては言及しておらずその解決
方法は未知であった。そこで本発明はこのような問題点
を解決するもので、その目的とするところは、300M
Hz以上の高周波数において正常に動作する1ポートS
AW共振子さらには弾性表面波装置を市場に提供するこ
とにある。
は、圧電体平板上に、弾性表面波を励振する少なくとも
1個のすだれ状電極と、少なくとも1対の反射器とから
なるものにおいて、前記すだれ状電極の電極指の交差幅
が25波長以上であり、かつ前記電極指が交差する領域
とバスバー導体との距離を10波長から4波長として、
前記電極指の交差幅領域の弾性表面波の変位U(Y)が
前記バスバー導体に達せずに減衰していることを特徴と
する。
だれ状電極の交差幅とほぼ等しい長さの導体ストリップ
を多数配列した後、各導体ストリップを、対角に配置し
た短絡導体にて接続することが望ましい。
由表面の周波数ffとの比fm/ffを0.995より小
さく、0.985より大きくすることが望ましい。
り説明し、最後に本発明の理論的根拠を図6から図8を
用いて説明する。図1は本発明の弾性表面波装置の一実
施例である。図1中の各部位の名称は、100は圧電体
平板、101と102はすだれ状電極(以下、IDT(I
nterdigital Transducer)と略す)のバスバー導体、
103と104は前記IDTの電極指、105のWcは
電極指の交差幅、106のBは電極指の交差する領域と
前記バスバー導体との距離、108は反射器、109と
110等は反射器の導体ストリップ、111は前記反射
器の導体ストリップ群を短絡する短絡導体である。前記
100の圧電体平板は、水晶、タンタル酸リチウム等の
圧電性を有する単結晶およびZnO等の圧電性薄膜を形
成した基板からなる。前記の100上に形成された10
1,102,103,104からなるIDTおよび10
8の反射器は、アルミニウムおよび金等の導電性を有す
る金属膜を蒸着、スパッタ等の手段により薄膜形成した
後、フォトリソグラフィ技術によりパターン形成して作
られる。本発明の弾性表面波装置においては、前記のI
DTが1個と反射器が1対の1ポートSAW共振子で
も、また前記のIDTが2個または3個と反射器が1対
の2ポートSAW共振子でも、IDTが2個としたトラ
ンスバーサル型SAWフィルタであってもよい。本発明
にあっては、反射器108の幅寸法は、IDTの交差指
の交差幅Wcと同一寸法とする。また108の反射器
は、前述の金属薄膜からなる導体ストリップ109,1
10等を多数等周期で並行に配置したものである。前記
の周期は、通例、利用する弾性表面波の半波長(λ/
2)がとられている。
法B(106)につき詳述する。
面を見たものであって、図中の200は圧電体平板、2
01は電極指の交差幅の領域、202と203はIDT
のバスバー導体部、204は基本波対称モードS0の変
位、205は基本波斜対称モードA0の変位である。前
記変位S0は中心線m−m´に対して対称であり、A0の
変位は、原点Oに関して点対称となっている。前記交差
幅の部分201の端部Pから、変位204がほとんど零
に減少する点Qまでの距離dが、前記寸法Bより小さい
ことを示す。前記の距離dとB寸法の関係を知るに当た
り、後述する理論に元ずく計算を行った。図3は前記I
DTの作る周波数fmとIDTを形成する金属導体膜の
厚みを無限小としたときの自由表面の周波数ffとの比
(fm/ff)を横軸として、縦軸を利用する弾性表面波
の波長λを単位とした前記の距離dとしたときの特性図
である。図中の301は前記図2の205の斜対称モー
ドA0の特性、302は、図2の204の対称モードS0
の特性である。但し、計算の条件として電極指の交差幅
Wcを25λ(波長)とした。モードA0およびS0のい
ずれものdが10以下となるためには(fm/ff)が
0.995以下であることがわかる。さらに通常使用す
る電極膜厚み範囲が(fm/ff)の値で0.985以上
であることから線で囲まれたの領域が指定される。つぎ
に図4に前記の交差幅Wcに対する、前記距離dの関係
を示す。図中の401は前記図2の斜対称モードA0の
特性であり、Wcが25λ以上で前記距離dは10以下
となることがわかる。最後に、図5に、実験で求めた前
記Wcにたいする1ポートSAW共振子の等価直列抵抗
R1の関係を示す。R1は電極指の交差幅Wcが大きくな
るに従い小さくなっていく。R1が通常の発振回路にお
いて使用できる20Ω以下となるためにはWcが25λ
以上必要なことがわかる。以上をまとめると、前記Wc
が25λ以上、かつ(fm/ff)が0.995以下かつ
0.985以上であれば、距離dは10λ以下とするこ
とができる。従って前記の寸法Bを10λ程度とすれ
ば、変位の振幅がIDTのバスバー電極にかからなくす
ることができると言える。最後に何故B=10λに設定
したかについては、図1の弾性表面波装置の横幅寸法が
図1から推測できる通り、2B+Wc以上となるが、B
が10λでほぼWcに等しくなり小型化の観点からこの
程度のB寸法が最大値であることによる。
説明する。
発生している1ポートSAW共振子の共振特性を示す図
である。横軸は周波数、縦軸は前記共振子のインピーダ
ンスZ(ω)の対数表示である。図中の共振点602は
主共振601近傍に存在する未知なるスプリアスであ
る。主共振601は図2の204S0の変位に対応す
る。一方、主共振周波数より下の603は縦モードによ
るスプリアス共振である。また、上側に存在する604
と605は横モードとよばれているスプリアス共振であ
ることは周知である。さらにまた、主共振のスプリアス
602のわずか上側に存在する606は極めて小さな振
幅変化であり、斜対称の横モードスプリアス(図2の2
05A0)と考えられる。 共振601、602、60
6は範囲670ppm程に、極めて近接して存在してお
り従来の考えかたでは説明できない。この問題を解決す
るに当たりSAW共振子の幅方向の変位を支配する微分
方程式を導いた。前記微分方程式はSAW共振子の振動
エネルギーを長さと深さ方向に積分して得られるラグラ
ンジアン L=T−U(Tは運動エネルギー、Uは位置
エネルギー)から得られるもので次式となる。
で規格化したy座標(y/λ)、aは横方向のせん断効
果係数、ωは角周波数、ω0は電極指の交差幅が無限大
のSAW共振子が有する角周波数である。前記a定数
は、実際のSAW共振子を測定した結果から、本発明が
問題とするSTカットにおいては0.033であった。
さらに、主共振の近傍にスプリアスが発生した図6のS
AW共振子の電極パターンにつき前記の(1)式を用い
て幅方向の変位を計算してみると図7となった。図7は
SAW共振子の幅方向中心から左半分を図示したもので
あって、図中の700は圧電体平板、701が基本波対
称モードの内のひとつであるS01、702はもうひとつ
の基本波対称モードであるS02である。また領域DAは
IDTの電極指交差幅領域、領域DBはIDTおよび反
射器のバスバー領域、領域DCは電極のない自由表面領
域である。前記のDAは16λ、DBは65λである。
領域DAの共振子周波数はωm、領域DBの共振子周波
数はωfm、領域DCの共振子周波数は、ωfであって、
これらの間には、ωf>ωm>ωfmの大小関係がある。モ
ードS01とS02の周波数間には、S02の方がS01より1
50ppmほど高く、極めて近接しており図6の現象を
良く説明している。また基本波斜対称モードA0は50
0ppmほでS02よりうえ側にあり全体をよく説明して
いる。図7の変位は領域DAから領域DB,DCへ共振
エネルギーがリークしている現象と説明できる。従っ
て、この現象を防ぐには領域DAからの変位のリークを
なくせばよい。この結論にたいする回答が本発明の図1
の内容である。最後に、図1の本発明の反射器の動作原
理を図8に説明する。図8は反射器の横断面変位を図示
したもので、図中の800は圧電体平板、801は基本
波対称モード変位S0、802は反射器の導体ストリッ
プ、803は図7同様に各領域の共振子の共振周波数を
示す(ωf>ωm)。 変位801が示す通り、図7の領
域DBのようなリーク変位を発生させないことがわか
る。
表面波装置におけるIDTとバスバー導体間の距離Bを
表面波の変位がリークしないように設定すること、さら
に反射器のバスバー導体を除去する構成としたことによ
り、主共振近傍にスプリアスがなく正常に動作する弾性
表面波装置を市場に提供でき今後多大の利点が得られ
る。
面図。
DTが示す横断面変位図。
図。
断面変位図。
Claims (3)
- 【請求項1】 圧電体平板上に、弾性表面波を励振する
少なくとも1個のすだれ状電極と、少なくとも1対の反
射器とからなる弾性表面波装置において、前記すだれ状電極の電極指の交差幅が25波長以上であ
り、かつ前記電極指が交差する領域とバスバー導体との
距離を10波長から4波長として、前記電極指の交差幅
領域の弾性表面波の変位U(Y)が前記バスバー導体に
達せずに減衰している ことを特徴とする弾性表面波装
置。 - 【請求項2】 前記弾性表面波装置の反射器は、前記す
だれ状電極の交差幅とほぼ等しい長さの導体ストリップ
を多数配列した後、各導体ストリップを、対角に配置し
た短絡導体にて接続したことを特徴とする請求項1記載
の弾性表面波装置。 - 【請求項3】 前記弾性表面波装置の周波数fmと自由
表面の周波数ffとの比fm/ffが0.995より小さ
く、0.985より大きいことを特徴とする請求項1記
載の弾性表面波装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17528895A JP3156551B2 (ja) | 1995-07-11 | 1995-07-11 | 弾性表面波装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17528895A JP3156551B2 (ja) | 1995-07-11 | 1995-07-11 | 弾性表面波装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0927726A JPH0927726A (ja) | 1997-01-28 |
JP3156551B2 true JP3156551B2 (ja) | 2001-04-16 |
Family
ID=15993502
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17528895A Expired - Lifetime JP3156551B2 (ja) | 1995-07-11 | 1995-07-11 | 弾性表面波装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3156551B2 (ja) |
-
1995
- 1995-07-11 JP JP17528895A patent/JP3156551B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
信学技報US85−11 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0927726A (ja) | 1997-01-28 |
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