JP3156412B2 - 低ヒューム量のガスシールドアーク溶接方法 - Google Patents

低ヒューム量のガスシールドアーク溶接方法

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JP3156412B2
JP3156412B2 JP00337593A JP337593A JP3156412B2 JP 3156412 B2 JP3156412 B2 JP 3156412B2 JP 00337593 A JP00337593 A JP 00337593A JP 337593 A JP337593 A JP 337593A JP 3156412 B2 JP3156412 B2 JP 3156412B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】CO2 アーク溶接法はガスシール
ドアーク溶接法の中で最も広く実施される方法である
が、ヒュームの発生量が多く、溶接作業環境を悪化させ
るという欠点がある。本発明はCO2 アーク溶接におけ
るヒューム量低減を意図したものである。
【0002】
【従来の技術】CO2 アーク溶接の実施に伴うヒューム
の害を防止する手段としては、換気設備や集塵機の設
置、並びに防塵マスクの着用等が作業標準化している。
しかしながらこれらは、すべてヒューム多発を受容して
なされているものであり、溶接用ワイヤやシールドガス
の観点から、ヒューム発生量そのものを抑制しようとす
る研究は立ち遅れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の様な事
情に着目してなされたものであって、溶接用ワイヤおよ
びシールドガスの両観点からヒューム発生量そのものを
減少させることのできる様な方法を提供しようとするも
のである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すること
のできた本発明の溶接方法とは、鉄粉:70〜94重量
%,脱酸剤:5〜25重量%およびアーク安定剤:0.
3〜10重量%を夫々含有し、且つ嵩密度が2.5〜
4.0g/ cm3であるフラックスを、フラックス充填率
が15〜30重量%となる様に鋼製外皮中に充填してな
り、全ワイヤ中のCが0.05重量%以下、Mn/Si
(重量比)が2.0〜4.0となる様に形成されたフラ
ックス入りワイヤを用い、純Ar若しくは粗Arに30
〜60容量%の比率となる様にCO2 ガスを混合して調
整されるシールドガス中で溶接する点に要旨を有するも
のである。
【0005】
【作用】ヒュームは、主としてアーク中の金属等の蒸気
が大気へ放出されることによって発生すると思われる。
従って、アーク中の蒸気量や蒸気圧を低減すると共に、
アークおよび溶接移行の安定化を図れば、大気へ放出さ
れる蒸気量を低減してヒュームの発生が抑制されること
が期待される。本発明者らは、こうした観点から様々検
討した。その結果、溶接用ワイヤおよびシールドガスの
両面から以下の様な手段を講じることがヒュームの発生
を低減するのに有効であることを見出した。
【0006】(溶接用ワイヤ) 主成分が金属粉(鉄粉および脱酸剤)であるメタル系
フラックスを充填したフラックス入りワイヤを用いる。 高嵩密度のフラックスを用いる。 高フラックス率とする。 ワイヤ全体のC量を低減する。 ワイヤ全体のMn/Si(重量比)を高める。 (シールドガス) Ar若しくは粗アルゴンにCO2 を所定量混合する。
【0007】本発明者らは、上記着想のもとでその具体
的な構成について更に検討を加えたところ、既述した様
な構成が低ヒュームに極めて有効であることを見出すに
至り、本発明を完成した。本発明の各構成に沿って、本
発明の作用を更に詳細に説明する。
【0008】まず本発明で用いる溶接用ワイヤは、メタ
ル系フラックス入りワイヤとしている。即ち、フラック
ス中のアーク安定剤,および鋼製外皮での高電流密度等
の効果によって、ソリッドワイヤよりもアークおよび溶
滴移行の安定性に優れるフラックス入りワイヤを用いて
いる。またフラックスは、蒸気圧が金属よりも高い酸化
物からなるスラグ形成剤を含んでいないメタル系フラッ
クスとする。これらの手段により、アーク中の蒸気圧が
減少し、且つ大気への蒸気の放出も抑制されるため、ヒ
ューム発生量が低減する。尚本発明で用いるフラックス
入りワイヤは、アークおよび溶滴移行が安定しており、
且つフラックスにスラグ形成剤が含まれないことから、
スパッタおよびスラグの発生も抑制される。本発明で用
いるフラックス入りワイヤの各要件を限定した理由は下
記の通りである。
【0009】鉄粉:フラックス中で70〜94重量% アークおよび溶滴移行を安定させ、且つアーク中の蒸気
圧を減少させるため、フラックス中に70〜94重量%
の鉄粉を含有させる。鉄粉の含有量が70重量%未満で
は、脱酸剤やアーク安定剤の含有量が過多となる。脱酸
剤が過多の場合は、ワイヤ先端に形成される溶滴中の活
性な酸素量が減少し、表面張力が増加して溶滴の直径が
大きくなるため、アーク力の影響を大きく受けて溶融地
への移行が不安定となる。一方、アーク安定剤が過多の
場合は、それ自体の蒸気圧が高いためにアーク中の蒸気
量も高くなる。これらの影響により、大気へ放出される
アーク中の蒸気量すなわちヒューム発生量が増加する。
また鉄粉の含有量が過剰になって94重量%を超える
と、脱酸剤あるいはアーク安定剤の添加量が不足する。
脱酸剤が不足する場合は、ワイヤ先端に形成される溶滴
中の活性な酸素量が増加し、表面張力が減少して溶滴が
変形しやすくなるため、アーク力の影響を大きく受けて
溶融地への移行が不安定となる。一方、アーク安定剤が
不足する場合は、当然のことながらアークが不安定とな
る。これらの影響により、大気へ放出されるアーク中の
蒸気量すなわちヒューム発生量が増加する。したがっ
て、鉄粉の含有量はフラックス中で70〜94重量%と
した。
【0010】脱酸剤:フラックス中で5〜25重量% 脱酸剤は、溶接金属の機械的性能を適正化するととも
に、ワイヤ先端に形成される溶滴中の活性な酸素量を調
整し、その表面張力をも適正化することによって溶融池
への移行を安定させる目的で添加される。この様な脱酸
剤としては、主としてSi、Mn、Ti、Zr,Al等
が用いられる。脱酸剤の含有量が5重量%未満では溶滴
中の活性な酸素量が増加し、表面張力が減少して溶滴が
変形しやすくなるため、アーク力の影響を大きく受けて
溶融池への移行が不安定となる。この影響によってヒュ
ーム発生量が増加する。また脱酸剤が極端に少なくなる
と、脱酸不足によって溶接金属中に気孔が発生したり、
溶接金属の機械的性能が劣化する。一方脱酸剤の含有量
が過剰になって25重量%を超えると、溶滴中の活性な
酸素量が減少し、表面張力が増加して溶滴が大きくなる
ため、アーク力の影響を大きく受けて溶融池への移行が
不安定となる。この影響によってヒューム発生量が増加
する。また脱酸剤が極端に多くなると、溶接金属の引張
強度の上昇あるいは衝撃吸収エネルギーの低下など、機
械的性能が劣化する。したがって、脱酸剤の含有量はフ
ラックス中で5〜25重量%とした。
【0011】 アーク安定剤:フラックス中で0.3〜10重量% アーク安定剤は、アークの安定性を向上させ、ヒューム
源である蒸気がアーク外へ放出されるのを抑制するため
に添加される。この様なアーク安定剤としては、主とし
てNa、K等のアルカリ金属若しくはそれらの化合物、
必要により微量のTiO2 等が用いられる。アーク安定
剤の含有量が0.3重量%未満では、アークが安定しな
いため、アーク中の蒸気が大気へ放出されやすくなって
ヒューム発生量が増加する。一方、アーク安定剤の含有
量が過剰になって10重量%を超えると、アーク安定剤
自体の蒸気圧が高いためにアーク中の蒸気圧も高くな
る。これにより、大気へ放出される蒸気量すなわちヒュ
ーム発生量が増加する。したがって、アーク安定剤の含
有量はフラックス中で0.3〜10重量%とした。尚ア
ーク安定剤としては、Na、K等のアルカリ金属若しく
はこれらの化合物、必要により微量のTiO2 等が用い
られることは上述した通りであるが、アーク安定在中に
Csを単体若しくは化合物の形態で含有させることも有
効である。即ち、Csの添加はアークの安定性を向上し
てヒュームの発生量を低減するのに特に効果的である。
この様な効果を発揮させる為には、フラックス中におけ
るCs含有量は0.03重量%以上としなければならな
いが、3重量%を超えて過剰に添加されると、Cs自体
の蒸気圧が高い為にアーク中の蒸気圧も高くなり、これ
により、大気へ放出される蒸気量すなわちヒューム発生
量が増加する。
【0012】 フラックスの嵩密度:2.5〜4.0g/ cm3 フラックス充填率が下記のごとく15〜30重量%のワ
イヤを、鋼製外皮での電流密度を高めるべくその厚さを
できるかぎり薄くし、且つ断線などが発生せず工業的に
生産できるようにするため、フラックス嵩密度は2.5
〜4.0g/cm3 とする必要がある。フラックスの嵩密
度が2.5g/ cm3未満では、フラックスの体積が過大
となるため、所定重量をワイヤ中に充填できなくなる。
一方、フラックスの嵩密度が4.0g/ cm3を超える
と、フラックスの体積が過小となるため、鋼製外皮が厚
く電流密度が低くなり、溶滴移行が不安定となってヒュ
ーム発生量が増加する。したがって、フラックス嵩密度
は2.5〜4.0g/cm3 とした。
【0013】フラックスの充填率:15〜30重量% 鋼製外皮での電流密度を高めてアークおよび溶滴移行を
安定化させると共に、所定のフラックスを内包したワイ
ヤを工業的に生産するため、フラックス充填率は15〜
30重量%とする必要がある。フラックスの充填率が1
5重量%未満では、鋼製外皮が厚く電流密度が低くなる
ため、溶滴移行が不安定となってヒューム発生量が増加
する。一方、フラックスの充填率が過剰になって30重
量%を超えると、鋼製外皮が薄くなってワイヤ製造中に
断線が多発するため、工業生産が不可能となる。したが
って、フラックス充填率は15〜30重量%とした。
【0014】全ワイヤ中のC量:0.05重量%以下 溶滴中に発生するCOガスの発生を抑制し、その爆発時
に多量の蒸気あるいは微小の溶融金属がアーク外に放出
されてヒューム発生量が増加することを防ぐため、CO
ガスの発生源であるC量を全ワイヤ中で0.05重量%
以下とする。全ワイヤ中のC量が0.05重量%を超え
ると、COガスによる溶滴の爆発が頻繁に発生し、ヒュ
ーム発生量が増加する。
【0015】 全ワイヤ中のMn/Si(重量比):2.0〜4.0 ワイヤ先端に形成される溶滴中の活性な酸素量を調整
し、その表面張力を適正化することによって溶融池への
移行を安定させるため、脱酸作用に大きな影響を及ぼす
Mn/Siの値をワイヤ中で2.0〜4.0とする。M
n/Siが2.0未満では、脱酸作用が不十分なために
溶滴中の活性な酸素量が増加し、表面張力が減少して溶
滴は変形しやすくなる。このため、溶滴の移行はアーク
力の影響を大きく受けて不安定となり、ヒューム発生量
が増加する。一方、Mn/Siが4.0を超えると、逆
に溶滴中の活性な酸素量が減少し、表面張力が増加して
溶滴は大きくなる。この場合も溶滴の移行はアーク力の
影響を大きく受けて不安定となり、ヒューム発生量が増
加する。したがって、Mn/Siはワイヤ中で2.0〜
4.0とした。
【0016】本発明はシールドガスの組成も適切に調整
する必要があり、具体的にはArに30〜60容量%の
比率となる様にCO2 ガスを混合したものをシールドガ
スとして用いる。このシールドガスにおいて、CO2
は、溶込み形状に起因した気孔発生の抑制など、耐欠陥
性の向上を目的として混合される。CO2 ガスの混合比
率が30容量%未満では、溶込み形状がいわゆるフィン
ガー状となるため、シールドガスの巻込みに起因したマ
グ溶接特有の気孔が発生する。一方、60容量%を超え
ると、溶滴移行の形態がCO2 溶接と同様になるため、
ヒューム発生量が増加する。
【0017】尚シールドガスとして用いるArは純Ar
が基本になるが、本溶接法に適用するワイヤは、アーク
および溶滴移行に優れたフラックス入りワイヤであるた
め、不純物としてO2 およびN2 を各々最高2容量%含
んでいる粗Arを用いても、アークおよび溶滴移行の安
定性は阻害されない。また溶接継手の健全性も確保され
る。したがって、Ar源としては溶接用Arおよび粗A
rを用いることができる。また上記シールドガスには、
必要に応じてO2 ガスを2〜20容量%の範囲となる様
に混合してもよい(但し、粗Arを用いる場合は、粗A
r中に含まれるO2 も考慮する)。即ちO2 ガスは、適
用ワイヤ中の脱酸元素の添加量あるいはMn/Siの
値、すなわち溶滴中の活性なO2 量に応じてその表面張
力を調整するとともに、母材表面からの電子放出を容易
にしてアーク力を減少させ、溶滴移行をより安定化する
のに効果的である。しかし2容量%未満ではO2 ガスを
混合した効果が得られない。一方20容量%を超える
と、溶滴中の活性な酸素量が過多となり、表面張力が減
少して溶滴が変形しやすくなり、アーク力の影響を大き
く受けて溶融池への移行が不安定となり、ヒューム発生
量が増加する。
【0018】ところで本発明を実施するに当たっては、
例えばサイリスタ制御式やインバータ制御式の溶接機を
用い、定常電流によって溶接を行う様にしても本発明の
目的が達成されるが、例えばトランジスタ制御式あるい
はインバータ制御式等のパルス溶接機を用い、電波波形
を適切に調整したパルス電流によって溶接を行なうこと
もヒューム低減に有効である。即ち、本発明者らがパル
ス溶接機を用いてヒューム量と電流波形との関係につい
ても検討したところ、ワイヤからの溶滴移行の周期に同
期する様に電流波形を適正化することによってヒューム
発生量の低減が達成されることがわかった。
【0019】パルス電流による上記の効果を達成する為
には、 (a) ピーク電流:400〜600A (b) ピーク期
間:5〜20ms (c) ベース電流:30〜70A (d) ベース期
間:5〜50ms を夫々満足する様にパルス電流の電流波形を適正化する
必要がある。
【0020】即ち、ガスシールドアーク溶接で一般的に
使用されるワイヤ供給速度の範囲(5〜15m/min )に
おいて、本発明に適用する前記ワイヤの溶滴移行が1溶
滴/1パルスとなる様に溶接電流を上記のごとく制御す
れば、溶滴移行およびアークが安定するためヒューム発
生量が減少する。電流波形が上記の範囲を外れる場合
は、各ワイヤ供給速度における溶滴の形成および離脱の
周期と電流波形の周期が同期しないため、溶滴移行およ
びアークが不安定となってヒューム発生量が増加する。
【0021】以下本発明を実施例によって更に詳細に説
明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のもので
はなく、前・後記の趣旨に徴して設計変更することはい
ずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【0022】
【実施例】
実施例1 表1に示す組成のフラックス入りワイヤを常法により作
製した。このときワイヤ径は1.2mmφとした。
【0023】
【表1】
【0024】上記で作成した各ワイヤについて下記の条
件でビードオンプレート溶接を行い、その際のヒューム
発生量を調べたところ表2に示す結果が得られた。尚表
2には、ヒューム発生量の官能評価結果と共に、アーク
溶滴移行、スパッタ発生量およびスラグ発生量の各官能
評価結果についても示した。また官能評価基準は、下記
の通りである。
【0025】[溶接条件] 溶接電流 :300A アーク電圧:32V ワイヤ供給速度:約13m/min ワイヤ突出長さ:20mm 溶接速度:30cm/min シールドガス:Ar−40%CO2 (流量;20リット
ル/min ) 溶接機:サイリスタ制御式 母材:HT−50(板厚12mm) [官能評価基準] ◎:きわめて改善されている。 ○:改善されている。 △:従来技術と同等。 ×:従来技術よりも劣る。
【0026】
【表2】
【0027】表2から明らかな様に、本発明で規定する
要件をすべて満足する実施例(No.2,6,7,16)
はヒューム発生量も少ないばかりでなく、スパッタやス
ラグの発生も抑制され、且つアークおよび溶滴移行も安
定していることがわかる。これに対し、本発明で規定す
る要件のいずれかを満足しない比較例は、ヒューム発生
量も多く、且つ他のいずれかの官能評価においても良好
な結果が得られていない。
【0028】実施例2 前記表1のNo. 2に示した組成のワイヤにおいて、フラ
ックス充填率を変える以外は同様にして各種ワイヤを作
成し、実施例1と同じ条件でビードオンプレート溶接を
行い、ヒューム発生量に及ぼすフラックス充填率の影響
を調べた。その結果を図1に示すが、フラックス充填率
が大きくなるにつれて、ヒューム発生量が低下している
ことがわかる。尚前記表1のNo. 9,10は、フラック
ス充填率が本発明で規定する範囲を外れる比較例を示し
たものである。
【0029】実施例3 前記表1のNo. 2に示した組成のワイヤにおいて、ワイ
ヤ中のC量を変える以外は同様にして各種ワイヤを作成
し、実施例1と同じ条件でビードオンプレート溶接を行
い、ヒューム発生量に及ぼすワイヤ中のC量の影響を調
べた。その結果を図2に示すが、ワイヤ中のC量が少な
くなるにつれて、ヒューム発生量が低下していることが
わかる。尚前記表1のNo. 13は、ワイヤ中のC量が本
発明で規定する範囲を外れる比較例を示したものであ
る。
【0030】実施例4 前記表1のNo. 2に示した組成のワイヤにおいて、ワイ
ヤ中のMn/Siを変える以外は同様にして各種ワイヤ
を作製し、実施例1と同じ条件でビードオンプレート溶
接を行い、ヒューム発生量に及ぼすワイヤ中のMn/S
iの影響を調べた。その結果を図3に示すが、ワイヤ中
のMn/Siを適切な範囲内に調整することが、ヒュー
ム発生量の低減に有効であることがわかる。尚前記表1
のNo. 14,15は、ワイヤ中のMn/Siが本発明で
規定する範囲を外れる比較例を示したものである。
【0031】実施例5 前記表1のNo. 2に示したワイヤにおいて、アーク安定
剤の一部として様々な量のCsを含有(但し、Cs含有
量は鉄粉量にて調整した)する以外は同様にして各種ワ
イヤを作製し、実施例1と同じ条件でビードオンプレー
ト溶接を行い、ヒューム発生量に及ぼすフラックス中の
Cs量の影響について調べた。その結果を図4に示す
が、適切な量のCsの添加は、ヒューム発生量の低減に
有効であることがわかる。尚前記表1のNo. 7はCsを
好ましい範囲含有させた実施例であり、No. 2のものよ
り更にヒューム発生量が低減していることがわかる。
【0032】実施例6 前記表1のNo. 2に示した組成のワイヤを用い、シール
ドガスの組成を変える以外は実施例1と同じ条件でビー
ドオンプレート溶接を行い、ヒューム発生量に及ぼすシ
ールドガス組成の影響を調べた。その結果を表3および
図5に示すが、シールドガスを適切な組成に調整するこ
とが、ヒューム発生量の低減に有効であることがわか
る。尚表3には、アーク安定性、スパッタ発生量および
スラグ発生官能評価についても示した。
【0033】
【表3】
【0034】実施例7 前記表1のNo. 2に示した組成のワイヤを用い、トラン
ジスタ制御式パルス溶接機を用いて電流波形を変化させ
たパルス電流を流す以外は実施例1と同じ条件でビード
オンプレート溶接を行ない、パルス電流波形がヒューム
発生量等12に及ぼす影響について調べた。その結果を
表4に示すが、パルス電流によって溶接を行なう場合
は、その電流波形を適切に調節すれば、ヒューム発生量
低減に有効であることがわかる。
【0035】
【表4】
【0036】ヒューム発生量に及ぼす溶接機の影響を図
6に示す。尚図6において、サイリスタ制御式は表3の
No. 18のときに相当するものであり、トランジスタ制
御式パルスは表4のNo. 23のときに相当するものであ
る。またインバータ制御式の場合は、表3のNo. 18の
サイリスタ制御式をインバータ制御式にして定常電流を
流したときに相当するものである。この結果からも、適
切な電流波形に調節したパルス電流によって溶接を行な
うことがヒューム発生量の低減に有効であることがわか
る。
【0037】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、C
2 溶接での作業環境悪化の主因とされるヒュームの発
生量を低減することにより、半自動溶接者の作業負荷を
軽減することができた。また本発明によれば、スパッタ
およびスラグの発生を抑制されるので、良好な作業環境
を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ヒューム発生量に及ぼすフラックス率の影響を
示すグラフである。
【図2】ヒューム発生量に及ぼすワイヤ中のC量の影響
を示すグラフである。
【図3】ヒューム発生量に及ぼすワイヤ中のMn/Si
の影響を示すグラフである。
【図4】ヒューム発生量に及ぼすフラックス中のCs量
の影響を示すグラフである。
【図5】ヒューム発生量に及ぼすシールドガス組成の影
響を示すグラフである。
【図6】ヒューム発生量に及ぼす溶接機の影響を示すグ
ラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B23K 35/368 B23K 35/368 B (56)参考文献 特開 昭63−154267(JP,A) 特開 平3−169485(JP,A) 特開 平4−309493(JP,A) 特開 平3−297569(JP,A) 特開 平4−91866(JP,A) 特公 平4−71633(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 9/16 B23K 9/09 B23K 9/173 B23K 9/32 B23K 35/368

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄粉:70〜94重量%,脱酸剤:5〜
    25重量%およびアーク安定剤:0.3〜10重量%を
    夫々含有し、且つ嵩密度が2.5〜4.0g/ cm3であ
    るフラックスを、フラックス充填率が15〜30重量%
    となる様に鋼製外皮中に充填してなり、全ワイヤ中のC
    が0.05重量%以下、Mn/Si(重量比)が2.0
    〜4.0となる様に形成されたフラックス入りワイヤを
    用い、純Ar若しくは粗Arに30〜60容量%の比率
    となる様にCO2 ガスを混合して調整されるシールドガ
    ス中で溶接することを特徴とする低ヒューム量のガスシ
    ールドアーク溶接方法。
  2. 【請求項2】 定常電流によって、または下記(a) 〜
    (d) を満足する電流波形からなるパルス電流によって溶
    接を行う請求項1に記載のガスシールドアーク溶接方
    法。 (a) ピーク電流:400〜600A (b) ピーク期
    間:5〜20ms (c) ベース電流:30〜70A (d) ベース期
    間:5〜50ms
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