JP3155726B2 - デジタル化eスポ混信妨害除去回路 - Google Patents

デジタル化eスポ混信妨害除去回路

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JP3155726B2
JP3155726B2 JP10350997A JP10350997A JP3155726B2 JP 3155726 B2 JP3155726 B2 JP 3155726B2 JP 10350997 A JP10350997 A JP 10350997A JP 10350997 A JP10350997 A JP 10350997A JP 3155726 B2 JP3155726 B2 JP 3155726B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、テレビジョン受信
機などで使用されるEスポ混信妨害除去回路に係わり、
特にデジタル技術によって、テレビジョン放送波に混信
するEスポ混信妨害を改善するデジタル化Eスポ混信妨
害除去回路に関する。
【0002】[発明の概要]本発明は、スポラディック
E層での反射によって到来する外国電波(おもにFM放
送波)がテレビジョン放送受信に混信妨害を与える、い
わゆるEスポ障害を改善するEスポ混信妨害除去装置に
関するものであり、このEスポ混信妨害除去装置を構成
するEスポ混信妨害除去回路を論理回路で構成して、信
号処理をデジタル化するものである。
【0003】これによって、受信したVSB(残留側波
帯)−AM方式のテレビジョン信号の搬送波周波数を、
カラーサブキャリア周波数(fsc)の2倍の周波数に変
換したIF信号を入力とし、A/D変換後の信号処理を
全てデジタル信号処理で行う回路構成のハード化と、信
号処理形式とを実現して、アナログ方式では実現が困難
だった優れた温度安定性と、高精度キャンセル特性とを
実現するとともに、LSI化を容易にして、量産化によ
る低廉化を可能にし、家庭用受信装置への組み込みを可
能にする。
【0004】
【従来の技術】現在、アナログ処理により、Eスポ混信
妨害除去を行う方式として、ノッチフィルタによる方
式、FM帰還による方式、直交変換とヒルベルト変換と
による方式など、各種の方式が開発されているが、これ
らの各方式の中でアナログ装置としての実績があり、原
理的に改善効果が高くデジタル化に向いている方式とし
て、直交変換とヒルベルト変換とによる方式を使用した
Eスポ混信妨害除去回路を使用することが多い。
【0005】図17はこのような直交変換と、ヒルベル
ト変換とによる方式を使用したEスポ混信妨害除去回路
の基本構成例を示すブロック図である。
【0006】この図に示すEスポ混信妨害除去回路15
0は、キャリア再生回路151およびハイブリッド回路
152を有し、テレビジョン信号を受信しているTVチ
ューナから出力される、周波数変換されたIF信号(f
v=58.75MHz)、またはさらに低い周波数に変
換されたIF信号を取り込んでキャリア信号を再生する
とともに、このキャリア信号に基づき、0度信号と90
度信号とを生成するローカル信号回路153と、IF信
号を取り込んで前処理を行い、ナイキスト特性を与える
ステップナイキストフィルタ回路154と、2つの乗算
回路155、156および2つのLPF回路157、1
58を有し、ローカル信号回路153から出力される0
度信号と90度信号とに基づき、ステップナイキストフ
ィルタ回路154から出力されるIF信号を直交同期検
波(復調)して、同相出力ベースバンド信号と直交出力
ベースバンド信号とを生成する直交同期検波回路159
と、ディレー回路160、ヒルベルト変換回路161、
アダプティブフィルタ回路162および加算回路163
を有し、直交同期検波回路159から出力される同相出
力ベースバンド信号と直交出力ベースバンド信号とに基
づき、妨害波成分をキャンセルし、映像信号を再生する
キャンセル回路164とを備えている。
【0007】そして、受信されたテレビジョン信号がT
Vチューナで周波数変換されて得られたIF信号(fv
=58.75MHz)、またはさらに低い周波数に変換
されたIF信号が入力されたとき、このIF信号から0
度信号と、90度信号のローカル信号を再生するととも
に、IF信号を前処理して得られたIF信号を直交同期
検波(復調)して、同相出力ベースバンド信号と、直交
出力ベースバンド信号とを生成した後、直交出力ベース
バンド信号をヒルベルト変換処理、アダプティブフィル
タリング処理して、等振幅で、位相が180度ずれた妨
害波成分を抽出し、これを同相出力ベースバンド信号に
加算して、この同相出力ベースバンド信号中に含まれて
いる妨害波成分をキャンセルした映像信号を生成する。
【0008】この場合、直交同期検波回路159では、
図18(a)に示すように、VSB−AM信号のみを含
むIF信号が入力され、ステップナイキストフィルタ回
路154で、これが前処理されて、図18(b)に示す
IF信号が生成されたとき、直交同期検波回路159の
LPF回路157から、図18(c)に示す同相出力ベ
ースバンド信号が出力され、また直交同期検波回路15
9のLPF回路158から、図18(d)に示す直交出
力ベースバンド信号が出力される。
【0009】これらの波形を比べて見ると分かるよう
に、VSB−AM信号には、DSB(両側帯波)領域
と、SSB(単側波帯)領域の部分があり、直交同期検
波回路159の直交出力ベースバンド信号(Q軸信号)
側に、DSB領域の成分が出てこないという特徴があ
る。
【0010】これに対し、図19(a)に示すように、
FM信号のみを含むIF信号が入力され、ステップナイ
キストフィルタ回路154で、これが前処理されて、図
19(b)に示すIF信号が生成されたとき、直交同期
検波回路159のLPF回路157から、図19(c)
に示す同相出力ベースバンド信号が出力され、直交同期
検波回路159のLPF回路158から、図19(d)
に示す直交出力ベースバンド信号が出力される。
【0011】これによって、図20(a)に示すよう
に、VSB−AM信号と、FM信号とを含むIF信号が
入力され、ステップナイキストフィルタ回路154で、
これが前処理されて、図20(b)に示すIF信号が生
成されたとき、直交同期検波回路159のLPF回路1
57から、図20(c)に示す同相出力ベースバンド信
号が出力され、直交同期検波回路159のLPF回路1
58から、図20(d)に示す直交出力ベースバンド信
号が出力されることから、直交出力ベースバンド信号に
含まれるFM信号の成分を抽出して、これを等振幅で、
位相が180度の関係で、同相出力ベースバンド信号に
加算するだけで、この同相出力ベースバンド信号に含ま
れる妨害波成分を除去した映像信号を再生することがで
きる。
【0012】このとき、同相出力ベースバンド信号と、
直交出力ベースバンド信号とが90度の位相差を持ち、
これら同相出力ベースバンド信号に含まれる妨害波成分
の位相と、直交出力ベースバンド信号に含まれる妨害波
成分の位相との差が90度であることから、広帯域にわ
たって位相を90度シフトさせることができるヒルベル
ト変換器161を用いて、直交出力ベースバンド信号に
含まれている妨害波成分の位相をさらに、90度シフト
させ、同相出力ベースバンド信号に加算している。
【0013】このように、このEスポ混信妨害除去回路
150では、VSB−AM信号の特徴を利用して、この
VSB−AM信号に、妨害波となるFM信号が重畳され
ていても、妨害波成分を分離し、この妨害波成分を同相
出力ベースバンド信号に含まれる妨害波成分と相殺させ
て、妨害波の影響を受けない映像信号を再生している。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したキ
ャンセル方式による妨害除去では、同相出力ベースバン
ド信号に含まれる妨害波成分と、直交出力ベースバンド
信号から抽出した妨害波成分とを等振幅にするという条
件と、逆相にするという条件とを同時に満たしたとき、
妨害波成分を完全にキャンセルすることができる。
【0015】しかしながら、従来のようなアナログ方式
のEスポ混信妨害除去回路150では、広帯域にわたっ
て特性の良いヒルベルト変換回路161を実現すること
が難しく、またEスポ混信妨害除去回路150を構成す
るコンポーネントの温度特性により、キャンセル条件を
広い温度範囲で、高精度に実現することが難しいという
問題があった。
【0016】このため、上述したEスポ混信妨害除去回
路150として、放送中継局用のプロ仕様の回路しか、
実用化されておらず、家庭用受信装置に組み込むことが
できるEスポ混信妨害除去回路の開発が強く望まれてい
た。
【0017】そして、家庭用受信装置に組み込むことが
可能なEスポ混信妨害除去回路を実現するためには、E
スポ混信妨害除去回路150を低廉で、かつ高性能なも
のにしなければならず、上述したEスポ混信妨害除去回
路150をデジタル化して、量産が可能なLSI化を図
ることが必須要件となる。
【0018】しかしながら、上述したEスポ混信妨害除
去回路150をデジタル化した例は無く、またこれまで
のアナログ回路で実現していた回路を単にデジタル化す
るだけでは、回路規模の問題や動作速度の限界等でLS
I化が不可能であり、回路規模を大幅に小型、簡略化で
きる方式、構成法の開発が強く望まれていた。
【0019】本発明は上記の事情に鑑み、回路規模を小
さくすることができるとともに、リアルタイムの信号処
理を実現することができ、これによって、回路全体のL
SI化を容易にして、家庭用受信装置でもEスポ混信妨
害除去を行うことができるデジタル化Eスポ混信妨害除
去回路を提供することを目的としている。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明によるデジタル化Eスポ混信妨害除去回路
は、請求項1では、カラーサブキャリア周波数の8倍の
周波数を持つクロック信号で動作するA/D変換回路か
ら出力されるデジタルIF信号を前処理するステップナ
イキストフィルタ回路と、このステップナイキストフィ
ルタ回路から出力される前処理済みのデジタルIF信号
を直交同期検波して、同相出力ベースバンド信号と直交
出力ベースバンド信号とを生成する直交同期検波回路
と、この直交同期検波回路から出力される同相出力ベー
スバンド信号、直交出力ベースバンド信号に対し、帯域
制限処理、複素リミッタ処理、狭帯域処理を行ってI軸
側補正信号、Q軸側補正信号を生成する周波数/位相ズ
レ検出回路と、前記直交同期検波回路から出力される同
相出力ベースバンド信号、直交出力ベースバンド信号に
対し、遅延処理、前記周波数/位相ズレ検出回路から出
力されるI軸側補正信号、Q軸側補正信号を用いた位相
回転処理を行って、周波数ズレ、位相ズレを補正したI
軸側出力信号、Q軸側出力信号を生成する周波数/位相
ズレ補正回路と、この周波数/位相ズレ補正回路から出
力されるQ軸側出力信号をヒルベルト変換処理、アダプ
ティブフィルタリング処理して、妨害波成分を抽出し、
この妨害波成分を使用して、前記周波数/位相ズレ補正
回路から出力されるI軸側出力信号の妨害波成分をキャ
ンセルするキャンセル回路とを備えたことを特徴として
いる。
【0021】また、請求項2では、請求項1に記載した
デジタル化Eスポ混信妨害除去回路において、前記複素
リミッタ処理を行う複素リミッタ回路は、帯域制限され
た同相出力ベースバンド信号、帯域制限された直交出力
ベースバンド信号の絶対値を求める絶対値回路と、この
絶対値回路から出力される各絶対値を比較する比較回路
と、この比較回路の比較結果に基づき、前記各絶対値に
対応する関数信号を生成する関数発生回路と、この関数
発生回路から出力される関数信号を使用し、前記各絶対
値の大きな方を割算して、直交する2信号の2乗和のベ
クトル長を一定にする係数を求める割算回路と、この割
算回路で得られた係数と前記同相出力ベースバンド信
号、直交出力ベースバンド信号を各々乗算して、I軸側
補正信号、Q軸側補正信号を求める乗算回路とを備えた
ことを特徴としている。
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【発明の実施の形態】
《設計基準内容の説明》Eスポ混信妨害除去装置を構成
するデジタル信号処理部のLSI化を実現するために、
先ず、安定して動作し、かつリアルタイムで信号を処理
することができるための設計基準を決定し、次いで回路
の簡素化を進めて回路規模を小型化するための設計基準
を決定し、想定している30万ゲートクラスのLSIに
全回路を組み込むことができるようにした。
【0031】<第1設計基準>まず、周波数関係につい
ては、 帯域幅が約6MHzの変調信号を扱うため、ベース
バンド信号との間隔を空けて帯域の重なりが生じないI
F周波数にする。
【0032】 デジタル信号処理に必要なクロック信
号の周波数を、使用するA/D変換器などの動作周波数
に収まる周波数とする。
【0033】 回路構成が簡単で、かつ性能が良く、
しかも回路規模が少なくて済むようにする。
【0034】 デジタル信号処理による新たな画質劣
化が少ないようにする。
【0035】そして、これらの4つの条件を同時に満た
す関係として、IF信号の映像搬送周波数(fv)をカ
ラーサブキャリア周波数(fsc)の2倍とし、デジタル
信号処理に必要なクロック信号の周波数(fck)をカラ
ーサブキャリア周波数(fsc)の8倍にする。
【0036】<第2設計基準>また、上述した第1設計
基準の周波数関係を満たすクロック信号と、IF信号と
を使用することにより、直交同期検波回路のローカル信
号として、 同相ローカル: 1, 0,−1, 0 直交ローカル: 0,−1, 0, 1 の数列を乗ずるスイッチ動作による方法で、原理的に同
期検波の直交性を確保できる方式を採用する。
【0037】<第3設計基準>また、キャンセル回路の
キャンセル条件を理想状態に近づけるため、周波数/位
相ズレ検出補正回路を設け、直交同期検波回路から出力
される同相出力ベースバンド信号と、直交出力ベースバ
ンド信号とに基づいて、周波数のズレや位相のズレを検
出し、これらの検出動作で得られたズレの量をそのま
ま、位相回転回路(複素共役レゾルバ)への補正量とし
て加え、ズレ分を信号処理で排除する構成にする。ま
た、振幅については、ヒルベルト変換特性付アダプティ
ブフィルタ回路の振幅偏差特性を0.01dB以下に抑
えるように設計する。
【0038】<第4設計基準>また、周波数/位相ズレ
検出補正回路内に複素リミッタ回路を設けることによ
り、同相出力ベースバンド信号と、直交出力ベースバン
ド信号に基づき、複素ベクトルのエンベロープを一定に
して変調成分を除去し、周波数ズレや位相ズレの量を精
度良く検出する手法と構成を実現し、さらに回路規模の
縮小を実現する。
【0039】<第5設計基準>また、A/D変換処理の
前段側に、クロック信号と同期関係のあるIF信号を発
生させる同期化周波数変換回路を設け、TVチューナの
出力信号から、周波数変換用ローカル信号を発生させる
方法として、チューナーの出力信号からエンベロープ検
波して再生したカラーサブキャリア信号(fsc)また
は、水平周波数(fh)を基準信号として生成した8f
scの周波数を持つクロック信号を分周した1/4分周信
号と、チューナの出力信号から再生した映像搬送周波数
(fv=58.75MHZ)のキャリア信号とをミキシ
ングして取り出した和信号をローカル信号として生成す
る方法を採用し、チューナの出力信号を周波数変換し、
映像搬送周波数が2fscのVSB−AM信号にする。
【0040】<第6設計基準>また、デジタル信号処理
の回路を1チップのLSIとして実現し得る回路規模に
するため、本線系では直交同期検波回路の出力以降をダ
ウンサンプル(間引き)して、4fscのクロック信号で
動作する構成とする。また、周波数/位相ズレ検出補正
回路で、さらにダウンサンプルして、fscのクロック信
号で、複素リミッタ回路と、次の狭帯域LPF回路とを
動作させ、これらの処理で得られた出力信号をアップサ
ンプルして、元のクロック周波数に戻す構成とし、これ
によって複素リミッタ回路が応答できる動作速度にする
とともに、安定度が高く、良好なフィルタ特性を実現す
る。
【0041】<第7設計基準>また、キャンセル回路内
に、妨害波検出フィルタ係数制御回路となるDSP(デ
ジタルシグナルプロセッサ)など、LSIに内蔵できる
CPUを設けて、キャンセル回路に入力されるI軸側出
力信号、Q軸側出力信号からFFT処理(高速フーリェ
変換処理)により妨害波の周波数と、レベルと、妨害波
の極性(搬送波より周波数が高いか、低いかでベースバ
ンドでの位相が180度違う)を検出し、検知限特性を
加味したウエイティング判定により、キャンセル対象と
なる妨害波の周波数を選択し(例えば、妨害を与える影
響度の高い上位8波を選択など)、この周波数が通過特
性となるフィルタ特性を実現するように、アダプティブ
フィルタ回路のフィルタ係数を変更し、改善効果の高い
除去特性を実現する。
【0042】そして、これらの第1〜第7設計基準を満
たすように、Eスポ混信妨害除去装置の回路全体を設計
し直して、デジタル化Eスポ混信妨害除去回路の設計を
行った。
【0043】以下、図面を参照しながら、上述した各設
計基準を満たす、本発明によるデジタル化Eスポ混信妨
害除去回路の実施の形態について詳細に説明する。
【0044】<全体構成の説明> 図1は、本発明によるデジタル化Eスポ混信妨害除去回
路を使用したEスポ混信妨害除去装置の全体構成例を示
すブロック図である。なお、この図においては、説明を
簡単にするために、日本国内使用のNTSC方式のTV
チューナのIF信号(f=58.75MHz)のみを
処理対象とし、音声系の処理については、音声変調波成
分(f=54.25MHz)が既に分離されているも
のとする。
【0045】この図に示すEスポ混信妨害除去装置1
は、TVチューナ2から出力される規定周波数のIF信
号を取り込んで、アナログ処理を行い、デジタル信号処
理に必要なデジタルIF信号、デジタルローカル信号、
およびクロック信号を生成する周波数変換/クロック発
生回路3と、この周波数変換/クロック発生回路3から
出力されるデジタルIF信号、デジタルローカル信号、
およびクロック信号を取り込んで、デジタル処理によっ
てEスポ妨害波を除去するデジタル化Eスポ混信妨害除
去回路4と、このデジタル化Eスポ混信妨害除去回路4
から出力されるEスポ妨害波除去済みのデジタル映像信
号(NTSC方式のデジタル映像信号)を取り込んで、
アナログ映像信号(アナログ信号形式の映像信号)を生
成するD/A変換回路5とを備えている。
【0046】前記周波数変換/クロック発生回路3は、
TVチューナ2から出力される規定周波数(fv=5
8.75MHz)のIF信号をエンベロープ検波して、
カラーサブキャリア周波数fsc(約3.58MHz)を
持つカラーサブキャリア周波数信号と水平周波数f
h(約15.734kHz)を持つ水平周波数信号とを
再生する基準信号再生回路6と、この基準信号再生回路
6から出力されるカラーサブキャリア周波数信号または
水平周波数信号に基づき、カラーサブキャリア周波数信
号の8倍の周波数fck(但し、fck=8fsc)を持つ、
デジタル信号処理用のクロック信号およびカラーサブキ
ャリア周波数信号の2倍の周波数2fscを持つローカル
信号を生成するクロックPLL回路7と、このクロック
PLL回路7から出力されるローカル信号を使用して、
TVチューナ2から出力されるIF信号をカラーサブキ
ャリア周波数の2倍の周波数を持ち、クロック信号に同
期したIF信号に変換する同期化周波数変換回路8と、
クロックPLL回路7から出力されるクロック信号に基
づき、クロックPLL回路7から出力されるローカル信
号をA/D変換して、デジタルローカル信号を生成する
A/D変換回路9と、クロックPLL回路7から出力さ
れるクロック信号に基づき、同期化周波数変換回路8か
ら出力されるIF信号をA/D変換して、デジタルIF
信号を生成するA/D変換回路10とを備えている。
【0047】そして、この周波数変換/クロック発生回
路3は、TVチューナ2から出力される規定周波数のI
F信号をエンベロープ検波して、カラーサブキャリア周
波数信号と、水平周波数信号とを再生し、これらカラー
サブキャリア周波数信号と水平周波数信号とに基づい
て、カラーサブキャリア周波数fscの8倍の周波数fck
を持つクロック信号と、カラーサブキャリア周波数fsc
の2倍の周波数を持つローカル信号とを生成し、クロッ
ク信号をデジタル化Eスポ混信妨害除去回路4に供給す
る。また、この動作と並行して、ローカル信号に基づ
き、IF信号をクロック信号に同期した、カラーサブキ
ャリア周波数の2倍の周波数を持つIF信号に変換する
とともに、クロック信号に基づき、IF信号と、ローカ
ル信号とを各々A/D変換して、デジタルIF信号と、
デジタルローカル信号とを生成し、これらをデジタル化
Eスポ混信妨害除去回路4に供給する。
【0048】前記デジタル化Eスポ混信妨害除去回路4
は、周波数変換/クロック発生回路3のA/D変換回路
9から出力されるデジタルローカル信号に基づき、デジ
タルIF信号を直交同期検波するのに必要な0度信号と
90度信号とを生成するローカル信号回路11と、周波
数変換/クロック発生回路3のA/D変換回路10から
出力されるデジタルIF信号に対し、デジタル処理する
のに必要な前処理を行うステップナイキストフィルタ回
路12と、ローカル信号回路11から出力される0度信
号および90度信号に基づき、ステップナイキストフィ
ルタ回路12から出力されるデジタルIF信号を直交同
期検波して、同相出力ベースバンド信号と直交出力ベー
スバンド信号とを生成する直交同期検波回路13と、こ
の直交同期検波回路13から出力される同相出力ベース
バンド信号と直交出力ベースバンド信号とを各々サンプ
リングして、半分のクロック周波数4fscとする同相出
力信号と直交出力信号とを生成するダウンサンプル回路
14と、このダウンサンプル回路14から出力される同
相出力信号と直交出力信号とに含まれる周波数ズレと位
相ズレとを補償して、I軸成分とQ軸成分とに分離され
たI軸側出力信号とQ軸側出力信号とを生成する周波数
/位相ズレ検出補正回路15と、この周波数/位相ズレ
検出補正回路15から出力されるQ軸側出力信号に対
し、ヒルベルト変換処理、およびアダプティブフィルタ
処理を行って、90度位相がずらされた妨害波成分(I
軸側出力信号に含まれている妨害波成分に対して180
度位相がずらされた妨害波成分)を抽出するとともに、
周波数/位相ズレ検出補正回路15から出力されるI軸
側出力信号と妨害波成分とを加算して、I軸側出力信号
に含まれている妨害波成分をキャンセルするキャンセル
回路16とを備えている。
【0049】この場合、キャンセル回路16は、周波数
/位相ズレ検出補正回路15から出力されるI軸側出力
信号とQ軸側出力信号とをFFT処理して、妨害波周波
数帯、レベル、および極性を検出し、検出した妨害周波
数帯全部、もしくはビート妨害に対するNTSC信号の
視覚ウエイティングを加味した比較を行い、基準を越え
て影響が大きい成分から、上位のN波を選択し、妨害波
の周波数帯を通過させるフィルタ特性を実現するのに必
要なフィルタタップ係数を求める妨害波検出フィルタ係
数制御回路17と、周波数/位相ズレ検出補正回路15
から出力されるQ軸側出力信号に対し、ヒルベルト変換
処理を行って広い帯域に渡り、Q軸側出力信号の位相を
90度シフトさせるとともに、妨害波検出フィルタ係数
制御回路17から出力されるフィルタタップ係数信号に
基づき、フィルタタップ係数を切り替えて、ヒルベルト
変換処理により、位相が90度シフトされたQ軸側出力
信号に含まれる妨害波成分を通過させるヒルベルト変換
/アダプティブフィルタ回路18と、ヒルベルト変換/
アダプティブフィルタ回路18の処理遅延時間に相応す
る遅延時間を持ち、周波数/位相ズレ検出補正回路15
から出力されるI軸側出力信号を取り込んで、これを遅
延させるディレー回路19と、このディレー回路19か
ら出力される遅延済みのI軸側出力信号とヒルベルト変
換/アダプティブフィルタ回路18から出力される、位
相が180度シフトされた妨害波成分とを加算して、I
軸側出力信号に含まれている妨害波成分をキャンセルし
てNTSC方式のデジタル映像信号を生成する加算回路
20とを備えている。
【0050】そして、このデジタル化Eスポ混信妨害除
去回路4は、周波数変換/クロック発生回路3から出力
されるクロック信号に基づき、周波数変換/クロック発
生回路3から出力されるデジタルIF信号を取り込ん
で、このデジタルIF信号がナイキスト特性を満たすよ
うに、前処理を行うとともに、周波数変換/クロック発
生回路3から出力されるクロック信号に基づき、周波数
変換/クロック発生回路3から出力されるデジタルロー
カル信号を取り込んで、0度信号と、90度信号とを生
成し、これら0度信号と、90度信号とに基づき、前処
理済みのデジタルIF信号を直交同期検波して、同相出
力ベースバンド信号と、直交出力ベースバンド信号とを
生成する。次いで、これら同相出力ベースバンド信号
と、直交出力ベースバンド信号とをダウンサンプリング
して、クロック周波数を1/2に低減させた同相出力信
号と、直交出力信号とを生成し、これら同相出力信号、
直交出力信号の周波数ズレ、位相ズレを補償して、I軸
側出力信号と、Q軸側出力信号とを生成する。さらに、
これらI軸側出力信号と、Q軸側出力信号とに基づき、
妨害波の周波数帯を通過させるのに必要なフィルタ特性
を実現させるフィルタタップ係数を求めて、ヒルベルト
変換/アダプティブフィルタ回路18のフィルタタップ
係数を切り替えながら、Q軸側出力信号から、位相が1
80度ずれた妨害波成分を抽出するとともに、この妨害
波成分と、I軸側出力信号とを加算して、妨害波成分を
キャンセルしたNTSC方式のデジタル映像信号を生成
し、これをD/A変換回路5に供給する。
【0051】このように、このEスポ混信妨害除去装置
1では、周波数変換/クロック発生回路3によって、放
送波を受信しているTVチューナ2から出力される規定
周波数のIF信号を取り込んで、デジタルIF信号、デ
ジタルローカル信号、クロック信号を生成するととも
に、デジタル化Eスポ混信妨害除去回路4によって、デ
ジタルIF信号、デジタルローカル信号を処理して、こ
のデジタルIF信号中に含まれるEスポ妨害波成分を除
去し、これによって得られたNTSC方式のデジタル映
像信号をD/A変換して、アナログ信号形式の映像信号
を生成するようにした。このため、デジタル化Eスポ混
信妨害除去回路4の回路規模を小さくして、安定した動
作を行わせることができ、これによってデジタル化Eス
ポ混信妨害除去回路4のLSI化を可能にし、改善効果
が高いEスポ混信妨害除去装置1を安価に実現すること
ができる。
【0052】<デジタル化Eスポ混信妨害除去回路4を
LSI化した基本回路の説明>図2は、図1に示すデジ
タル化Eスポ混信妨害除去回路4をLSI化したデジタ
ル化Eスポ混信妨害除去基本回路のうち、周波数/位相
ズレ検出補正回路15、キャンセル回路16などのタッ
プ数を多くして、精度を高め、さらに入出力インタフェ
ース回路として、A/D変換回路、D/A変換回路を持
たせて、LSIチップの端子数を少なくしたデジタル化
Eスポ混信妨害除去基本回路の一例を示すブロック図で
ある。
【0053】この図に示すデジタル化Eスポ混信妨害除
去基本回路4aは、A/D変換回路9と、ローカル信号
回路11と、A/D変換回路10と、ステップナイキス
トフィルタ回路12と、直交同期検波回路13と、周波
数/位相ズレ検出補正回路15と、キャンセル回路16
と、D/A変換回路5とを備えており、前記周波数変換
/クロック発生回路3の同期化周波数変換回路8から出
力されるIF信号を取り込んで、ナイキスト特性を満た
すように、前処理を行ってデジタルIF信号を生成する
とともに、周波数変換/クロック発生回路3のクロック
PLL回路7から出力されるローカル信号または外部の
キャリア再生回路から出力される外部ローカル信号を取
り込んで、デジタルIF信号に対し、直交同期検波を行
い、同相出力ベースバンド信号と、直交出力ベースバン
ド信号とを生成する。次いで、これら同相出力ベースバ
ンド信号、直交出力ベースバンド信号の周波数ズレ、位
相ズレを補償して、I軸側出力信号と、Q軸側出力信号
とを生成した後、これらI軸側出力信号と、Q軸側出力
信号とに基づき、妨害波成分を除去したNTSC方式の
デジタル映像信号を生成し、これをD/A変換して、N
TSC方式のアナログ信号形式の映像信号を出力する。
【0054】次に、上述したデジタル化Eスポ混信妨害
除去基本回路4aを構成する、ローカル信号回路11
と、直交同期検波回路13と、周波数/位相ズレ検出補
正回路15と、外部のキャリア再生回路とについて、詳
細に説明する。
【0055】<外部のキャリア再生回路の説明>図3
は、図2に示すA/D変換回路9にローカル信号を供給
する外部のキャリア再生回路の一例を示すブロック図で
あり、この図を用いて、初めにキャリア再生回路につい
て説明する。
【0056】この図に示すキャリア再生回路21は、図
4(a)に示すように、キャリア成分と、振幅変調成分
のみを含んで位相変調成分を含まないDSB領域とを持
つVSB−AM信号が入力されたときに、これを狭帯域
バンドパスフィルタリングして、図4(b)に示すキャ
リア成分の近傍のみを抽出する狭帯域BPF回路22
と、この狭帯域BPF回路22から出力される狭帯域化
されたVSB−AM信号と予め設定されているしきい値
とを比較し、これによって振幅変化を消して、キャリア
近傍の変調波成分を抑圧し、図4(c)に示すように、
ほぼ無変調の矩形波状キャリア信号を再生するコンパレ
ータ回路23と、このコンパレータ回路23から出力さ
れる矩形波状キャリア信号から出力される矩形波状キャ
リア信号に対して、バンドパスフィルタリングを行っ
て、キャリア信号以外の不要な高調波成分を除去し、図
4(d)に示すように、VSB−AM信号のキャリアを
示す正弦波信号を生成するBPF回路24とを備えてい
る。
【0057】そして、このキャリア再生回路21は、キ
ャリア成分と、振幅変調成分のみを含み、位相変調成分
を含まないDSB領域とを持つVSB−AM信号が入力
されたとき、このVSB−AM信号に対し、狭帯域バン
ドパスフィルタリング処理、コンパレータ処理、および
バンドパスフィルタリング処理を順次施して、VSB−
AM信号のキャリアを示す正弦波信号を生成し、これを
A/D変換回路9に供給して、A/D変換させ、これに
よって得られたデジタルローカル信号をローカル信号回
路11に供給させる。
【0058】<ローカル信号回路11の説明> 図5は、図1、図2に示すローカル信号回路11の詳細
な回路構成例を示すブロック図である。
【0059】この図に示すローカル信号回路11は、A
/D変換回路9から出力されるデジタルローカル信号を
取り込むとともに、このデジタルローカル信号に対し、
ヒルベルト変換処理を行って広い帯域に渡り位相を90
度シフトさせるヒルベルト変換回路25と、このヒルベ
ルト変換回路25から出力される位相シフト済みのデジ
タルローカル信号に対し、バンドパスフィルタリング処
理を行って不要な高調波を取り除き、90度信号を生成
するBPF回路26と、このBPF回路26およびヒル
ベルト変換回路25の遅延量に応じた遅延時間を持ち、
A/D変換回路9から出力されるデジタルローカル信号
を遅延させて0度信号を生成するディレー回路27とを
備えている。
【0060】そして、このローカル信号回路11は、図
3に示す外部のキャリア再生回路21から出力され、A
/D変換回路9によってA/D変換されたデジタルロー
カル信号が入力されたとき、あるいは図1に示す周波数
変換/クロック発生回路3から出力され、A/D変換回
路9によってA/D変換されたデジタルローカル信号が
入力されたとき、このデジタルローカル信号に対して、
ヒルベルト変換処理、バンドパスフィルタリング処理を
順次、行って90度信号を生成し、これを直交同期検波
回路13に供給するとともに、デジタルローカル信号に
対して、ディレー処理を行って0度信号を生成し、これ
を直交同期検波回路13に供給する。
【0061】<直交同期検波回路13の第1例の説明>
図6は、図1、図2に示す直交同期検波回路13の詳細
な回路構成例を示すブロック図である。
【0062】この図に示す直交同期検波回路13は、ス
テップナイキストフィルタ回路12から出力されるデジ
タルIF信号とローカル信号回路11のディレー回路2
7から出力される0度信号とを乗算して同相出力ベース
バンド信号を生成する乗算回路28と、この乗算回路2
8から出力される同相出力ベースバンド信号をローパス
フィルタリングして余分な成分を除去するLPF回路2
9と、ステップナイキストフィルタ回路12から出力さ
れるデジタルIF信号とローカル信号回路11のBPF
回路26から出力される90度信号とを乗算して直交出
力ベースバンド信号を生成する乗算回路30と、この乗
算回路30から出力される直交出力ベースバンド信号を
ローパスフィルタリングして余分な成分を除去するLP
F回路31とを備えている。
【0063】そして、この直交同期検波回路13は、ロ
ーカル信号回路11から出力される0度信号と、90度
信号とを使用して、ステップナイキストフィルタ回路1
2から出力されるデジタルIF信号を直交同期検波し
て、同相出力ベースバンド信号と、直交出力ベースバン
ド信号とを生成し、これを周波数/位相ズレ検出補正回
路15に供給する。
【0064】<直交同期検波回路13の第2例の説明> また、直交同期検波回路13として、図6に示す直交同
期検波回路13以外に、次に述べる方法を使用した直交
同期検波回路を使用しても良い。
【0065】まず、クロック信号の周波数fckがローカ
ル信号の周波数の4倍であるときには、図7(a)に示
すように、周波数fが“f=2fsc”となったローカル
信号が入力されたとき、これを90度シフトすると、図
7(b)に示すように、元のローカル信号と90度ずれ
た波形になる。
【0066】このとき、図7(c)に示すように、クロ
ック信号の周波数fckが“fck=8fsc”に設定されて
いれば、サンプリング点がローカル信号の90度毎に対
応することから、図7(d)に示すように、ローカル信
号の同相側の成分“cosθ”を「1、0、−1、0」
の数列、直交側の成分“sinθ”を「0、−1、0、
1」の数列で現わすことができる。
【0067】このような性質を利用すると、上述した直
交同期検波回路13のような、乗算回路28、30を使
用することなく、“1”が設定されているとき、入力信
号をそのまま通過させ、“0”が設定されているとき、
ゼロのデータを出力させ、“−1”が設定されていると
き、入力信号を反転させて出力させるだけの簡単なスイ
ッチ回路で、デジタルIF信号を直交同期検波して、同
相出力ベースバンド信号と、直交出力ベースバンド信号
とを生成することができる。
【0068】図8はこのような性質を利用した直交同期
検波回路13の他の一例を示すブロック図である。
【0069】この図に示す直交同期検波回路13は、周
波数変換/クロック発生回路3などから出力される周波
数fck(fck=8fsc)のクロック信号に同期して、予
め記憶されているゼロを示すデータ(ゼロ信号)を出力
するゼロデータ回路32と、前記クロック信号に同期し
て、ステップナイキストフィルタ回路12から出力され
るデジタルIF信号を取り込んで、これをラッチするラ
ッチ回路33と、ステップナイキストフィルタ回路12
から出力されるデジタルIF信号を取り込んで、符号を
反転する符号反転回路34と、前記クロック信号に同期
して、符号反転回路34から出力される符号反転済みの
デジタルIF信号を取り込んで、これをラッチするラッ
チ回路35と、前記クロック信号を取り込んで、ローカ
ル信号の同相側成分“cosθ”となる数列「1、0、
−1、0」と直交側成分“sinθ”となる数列「0、
−1、0、1」とを生成する切替制御回路36とを備え
ている。
【0070】さらに、この直交同期検波回路13は、切
替制御回路36から出力されるローカル信号の同相側成
分「1、0、−1、0」の数列に基づき、ラッチ回路3
3から出力されるデジタルIF信号、ゼロデータ回路3
2から出力されるゼロ信号、またはラッチ回路35から
出力される符号反転済みのデジタルIF信号のいずれか
1つを選択して、同相出力ベースバンド信号を生成する
スイッチ回路37と、切替制御回路36から出力される
ローカル信号の直交側成分「0、−1、0、1」の数列
に基づき、ラッチ回路33から出力されるデジタルIF
信号、ゼロデータ回路32から出力されるゼロ信号、ま
たはラッチ回路35から出力される符号反転済みのデジ
タルIF信号のいずれか1つを選択して、直交出力ベー
スバンド信号を生成するスイッチ回路38とを備えてい
る。
【0071】そして、この直交同期検波回路13は、周
波数変換/クロック発生回路3などから出力される周波
数fck(fck=8fsc)のクロック信号に同期して、ス
テップナイキストフィルタ回路12から出力されるデジ
タルIF信号を取り込んで、符号を反転していないデジ
タルIF信号と、符号を反転したデジタルIF信号とを
生成するとともに、前記クロック信号に基づき、ローカ
ル信号の同相側成分“cosθ”となる「1、0、−
1、0」の数列と、ローカル信号の直交側成分“sin
θ”となる「0、−1、0、1」の数列とを生成し、こ
れらローカル信号の同相側成分「1、0、−1、0」の
数列と、ローカル信号の直交側成分「0、−1、0、
1」の数列とに基づき、符号を反転していないデジタル
IF信号、ゼロのデータを示すゼロ信号、または符号を
反転したデジタルIF信号を選択して、同相出力ベース
バンド信号と、直交出力ベースバンド信号とを生成し、
それぞれLPF回路で不要の成分を除去した後、これら
を周波数/位相ズレ検出補正回路15に供給する。
【0072】これによって、この直交同期検波回路13
では、周波数変換/クロック発生回路3などから出力さ
れる周波数fck(fck=8fsc)のクロック信号、すな
わち周波数変換/クロック発生回路3などから出力され
るIF信号と同期したクロック信号を使用して、各スイ
ッチ回路37、38を切り替えるだけの簡単な回路で、
原理的に位相ズレが無く、かつ直交性の良い同期検波を
行うことができる。
【0073】また、この直交同期検波回路13を使用す
ることにより、周波数変換/クロック発生回路3などか
ら出力される周波数fck(fck=8fsc)のクロック信
号から、ローカル信号の同相側成分「1、0、−1、
0」の数列と、ローカル信号の直交側成分「0、−1、
0、1」の数列とを生成して、ステップナイキストフィ
ルタ回路12から出力されるデジタルIF信号から、同
相出力ベースバンド信号と、直交出力ベースバンド信号
とを生成するようにしているので、図1、図2に示すロ
ーカル信号回路11と、ローカル信号用のA/D変換回
路9とを削除することができ、これによって回路を簡素
化することができる。
【0074】<周波数/位相ズレ検出補正回路15の第
1例の説明> 図9は、図1、図2に示す周波数/位相ズレ検出補正回
路15の詳細な回路構成例を示すブロック図である。
【0075】この図に示す周波数/位相ズレ検出補正回
路15は、直交同期検波回路13から出力される同相出
力ベースバンド信号を取り込んで、この同相出力ベース
バンド信号の低周波成分のみを抽出する帯域制限フィル
タ回路39と、直交同期検波回路13から出力される直
交出力ベースバンド信号を取り込んで、この直交出力ベ
ースバンド信号の低周波成分のみを抽出する帯域制限フ
ィルタ回路40と、これらの帯域制限フィルタ回路3
9、40から出力される帯域制限済みの同相出力ベース
バンド信号、帯域制限済みの直交出力ベースバンド信号
のベクトル長を一定にして、複素位相情報を生成し、I
軸側補正信号とQ軸側補正信号とを生成する複素リミッ
タ回路41と、この複素リミッタ回路41から出力され
るI軸側補正信号に狭帯域フィルタリングを行って必要
な複素位相情報成分以外の高調波成分を除去する狭帯域
フィルタ回路42と、複素リミッタ回路41から出力さ
れるQ軸側補正信号に狭帯域フィルタリングを行って必
要な複素位相情報成分以外の高調波成分を除去する狭帯
域フィルタ回路43とを備えている。
【0076】さらに、この周波数/位相ズレ検出補正回
路15は、これら帯域制限フィルタ回路39、40、複
素リミッタ回路41、および狭帯域フィルタ回路42、
43の遅延量に応じた遅延時間を持ち、直交同期検波回
路13から出力される同相出力ベースバンド信号を遅延
させるディレー回路44と、帯域制限フィルタ回路3
9、40、複素リミッタ回路41、および狭帯域フィル
タ回路42、43の遅延量に応じた遅延時間を持ち、直
交同期検波回路13から出力される直交出力ベースバン
ド信号を遅延させるディレー回路45と、各狭帯域フィ
ルタ回路42、43から出力される帯域制限済みのI軸
側補正信号と帯域制限済みのQ軸側補正信号とに基づ
き、各ディレー回路44、45から出力される同相出力
ベースバンド信号、直交出力ベースバンド信号の周波数
ズレ、位相ズレを補正して、ベクトルの回転を逆回転成
分で静止させたベクトルにし、I軸成分とQ軸成分とに
分離する位相回転回路46とを備えている。
【0077】そして、この周波数/位相ズレ検出補正回
路15は、直交同期検波回路13から出力される同相出
力ベースバンド信号と、直交出力ベースバンド信号とを
取り込んで、2つの帯域制限フィルタ回路39、40、
複素リミッタ回路41、2つの狭帯域フィルタ回路4
2、43によって構成される周波数/位相ズレ検出回路
47によって、同相出力ベースバンド信号および直交出
力ベースバンド信号と、ローカル信号との間に周波数ズ
レ、位相ズレなどがあるかどうかを検出して、I軸側補
正信号と、Q軸側補正信号とを生成するとともに、これ
らI軸側補正信号と、Q軸側補正信号とに基づき、2つ
のディレー回路44、45、1つの位相回転回路46に
よって構成される周波数/位相ズレ補正回路48によっ
て、直交同期検波回路13から出力される同相出力ベー
スバンド信号と、直交出力ベースバンド信号とを周波数
ズレ補正、位相ズレ補正して、I軸側成分と、Q軸側成
分とに完全に分離されたI軸側出力信号と、Q軸側出力
信号とを生成し、これをキャンセル回路16に供給す
る。
【0078】これによって、直交同期検波回路13から
出力される同相出力ベースバンド信号および直交出力ベ
ースバンド信号と、ローカル信号との間に、周波数ズレ
や位相ズレがあり、ベクトルが回転していても、またI
軸成分と、Q軸成分とが混合されていても、周波数/位
相ズレ検出補正回路48で、これを補正して、I軸側成
分と、Q軸側成分とに完全に分離したI軸側出力信号
と、Q軸側出力信号とをキャンセル回路16に供給する
ことができる。
【0079】<周波数/位相ズレ検出補正回路15の第
2例の説明> 図10は、図9に示す周波数/位相ズレ検出補正回路1
5以外の回路構成例を示すブロック図である。
【0080】この図に示す周波数/位相ズレ検出補正回
路15が、図9に示す周波数/位相ズレ検出補正回路1
5と異なる点は、複素リミッタ回路41と、各帯域制限
フィルタ回路39、40との間にダウンサンプル回路4
9を設け、各帯域制限フィルタ回路39、40から出力
される帯域制限済みの同相出力ベースバンド信号、帯域
制限済みの直交出力ベースバンド信号をダウンサンプリ
ングして、クロック周波数を下げた後、複素リミッタ回
路41に供給するとともに、各狭帯域フィルタ回路4
2、43に代えて、タップ数を下げた2つの狭帯域LP
F回路50、51を使用し、さらにこれら狭帯域LPF
回路50、51の後段に、アップサンプル回路52を設
け、このアップサンプル回路52によって、各狭帯域L
PF回路50、51から出力される狭帯域化済みのI軸
側補正信号、狭帯域化済みのQ軸側補正信号をアップサ
ンプリングして、元のクロック周波数に戻すようにした
ことである。
【0081】この場合、ダウンサンプル回路49は、帯
域制限フィルタ回路39から出力される帯域制限済みの
同相出力ベースバンド信号を間引いて、クロック周波数
をfscに下げるサンプルレート変換回路53と、帯域制
限フィルタ回路40から出力される帯域制限済みの直交
出力ベースバンド信号を間引いて、クロック周波数をf
scに下げるサンプルレート変換回路54とを備えてお
り、各帯域制限フィルタ回路39、40から出力される
帯域制限済みの同相出力ベースバンド信号、帯域制限済
みの直交出力ベースバンド信号を間引いて、クロック周
波数がfscの同相出力ベースバンド信号と、直交出力ベ
ースバンド信号とを生成し、これらを複素リミッタ回路
41に供給する。
【0082】また、アップサンプル回路52は、狭帯域
LPF回路50から出力される狭帯域化済みのI軸側補
正信号に対し、ゼロ内挿処理を行ってクロック周波数を
4fscになるまで、周波数を上げるサンプルレート変換
回路55と、このサンプルレート変換回路55から出力
されるアップサンプリング済みのI軸側補正信号に対
し、特性の補間を行う補間フィルタ回路56と、狭帯域
LPF回路51から出力される狭帯域化済みのQ軸側補
正信号に対し、ゼロ内挿処理を行ってクロック周波数を
4fscに上げるサンプルレート変換回路57と、このサ
ンプルレート変換回路57から出力されるアップサンプ
リング済みのQ軸側補正信号に対し、特性の補間を行う
補間フィルタ回路58とを備えており、狭帯域LPF回
路50から出力される狭帯域化済みのI軸側補正信号
と、狭帯域LPF回路51から出力される狭帯域化済み
のQ軸側補正信号とをアップサンプリングして、クロッ
ク周波数が4fscのI軸側補正信号と、Q軸側補正信号
とに変換した後、アップサンプリング処理による特性を
補間して、位相回転回路46に供給する。
【0083】このように、この周波数/位相ズレ検出補
正回路15では、複素リミッタ回路41に供給される同
相出力ベースバンド信号と、直交出力ベースバンド信号
のクロック周波数をfscまで下げて、複素リミッタ回路
41、各狭帯域LPF回路50、51で処理させた後、
アップサンプル回路52で、再び元のクロック周波数の
4fscまで戻し、これによって得られたI軸側補正信号
と、Q軸側補正信号とを位相回転回路46に供給するよ
うにしているので、複素リミッタ回路46で行われるル
ート演算、関数発生除算などの動作速度を下げて、複素
リミッタ回路46の動作を安定させることができる。
【0084】また、所要の特性に対して各狭帯域LPF
回路50、51の動作速度を下げて、これらの各狭帯域
LPF回路50、51のタップ数を少なくすることがで
きるとともに、発振に対するマージンを多くし、動作を
安定させることができる。
【0085】<複素リミッタ回路41の第1例の説明> 図11は、図9、図10に示す各周波数/位相ズレ検出
回路47で使用される複素リミッタ回路41の詳細な回
路構成例を示すブロック図である。
【0086】この図に示す複素リミッタ回路41は、帯
域制限フィルタ回路39またはダウンサンプル回路49
から出力される帯域制限済みの同相出力ベースバンド信
号を2乗する乗算回路65と、帯域制限フィルタ回路4
0またはダウンサンプル回路49から出力される帯域制
限済みの直交出力ベースバンド信号を2乗する乗算回路
66と、これらの各乗算器65、66から出力される同
相出力ベースバンド2乗信号と直交出力ベースバンド2
乗信号とを加算する加算回路67と、この加算回路67
から出力される2乗和信号を開平して、エンベロープ信
号を生成するルート演算回路68と、乗算回路65、加
算回路67、およびルート演算回路68の処理遅延時間
と同じ遅延時間を持ち、帯域制限フィルタ回路39また
はダウンサンプル回路49から出力される帯域制限済み
の同相出力ベースバンド信号を遅延させるディレー回路
69と、ルート演算回路68から出力されるエンベロー
プ信号を使用して、ディレー回路69から出力される遅
延済みの同相出力ベースバンド信号を除算し、振幅が一
定のベクトルとなるI軸側補正信号(複素出力信号)を
生成する割算回路70と、乗算回路66、加算回路6
7、およびルート演算回路68の処理遅延時間と同じ遅
延時間を持ち、帯域制限フィルタ回路40またはダウン
サンプル回路49から出力される帯域制限済みの直交出
力ベースバンド信号を遅延させるディレー回路71と、
ルート演算回路68から出力されるエンベロープ信号を
使用して、ディレー回路71から出力される遅延済みの
直交出力ベースバンド信号を除算し、振幅が一定のベク
トルとなるQ軸側補正信号(複素出力信号)を生成する
割算回路72とを備えている。
【0087】そして、この複素リッミタ回路41は、各
帯域制限フィルタ回路39、40またはダウンサンプル
回路49から出力される帯域制限済みの同相出力ベース
バンド信号と、直交出力ベースバンド信号とを各々2乗
して、同相出力ベースバンド2乗信号と、直交出力ベー
スバンド2乗信号を生成した後、これらの同相出力ベー
スバンド2乗信号と、直交出力ベースバンド2乗信号と
を加算して、2乗和信号を求めた後、これを開平して、
同相出力ベースバンド信号と、直交出力ベースバンド信
号とをベクトルとしたときの振幅(ベクトル長)となる
エンベロープ信号を求める。また、この動作と並行し
て、前記振幅により同相出力ベースバンド信号を除算し
て、振幅が一定のベクトルとなるI軸側補正信号を生成
し、これを狭帯域フィルタ回路42または狭帯域LPF
回路50に供給するとともに、前記振幅により直交出力
ベースバンド信号を除算して、振幅が一定のベクトルと
なるQ軸側補正信号を生成し、これを狭帯域フィルタ回
路43または狭帯域LPF回路51に供給する。
【0088】<複素リミッタ回路41の第2例の説明>
図12は、図9、図10に示す各周波数/位相ズレ検出
回路47で使用される複素リミッタ回路41の他の回路
構成例を示すブロック図である。
【0089】この図に示す複素リミッタ回路41は、帯
域制限フィルタ回路39またはダウンサンプル回路49
から出力される帯域制限済みの同相出力ベースバンド信
号の絶対値を求める絶対値回路73と、帯域制限フィル
タ回路40またはダウンサンプル回路49から出力され
る帯域制限済みの直交出力ベースバンド信号の絶対値を
求める絶対値回路74と、これらの各絶対値回路73、
74から出力される同相側絶対値信号と直交側絶対値信
号とを比較して、絶対値が大きい方を示す切替信号を生
成する比較回路75と、この比較回路75から同相側を
選択する切替信号が出力されているとき、絶対値回路7
3から出力される同相側絶対値信号をa側信号として出
力し、また比較回路75から直交側を選択する切替信号
が出力されているとき、スイッチを切り替えて、絶対値
回路73から出力される同相側絶対値信号をb側信号と
して出力するスイッチ回路76と、比較回路75から直
交側を選択する切替信号が出力されているとき、スイッ
チを切り替えて、絶対値回路74から出力される直交側
絶対値信号をa側信号として出力し、また比較回路75
から同相側を選択する切替信号が出力されているとき、
絶対値回路74から出力される直交側絶対値信号をb側
信号として出力するスイッチ回路77とを備えている。
【0090】さらに、この複素リミッタ回路41は、こ
れらの各スイッチ回路76、77から出力されるa側信
号とb側信号との比(b/a)に基づき、表をルックア
ップして、下記(1)式に示す値Lを持つ関数信号(振
幅係数信号)を生成する関数発生回路78と、各スイッ
チ回路76、77のいずれか一方から出力されるa側信
号で、関数発生回路78から出力される関数信号を除算
して、この除算結果K(K=L/a)を乗算係数信号と
して出力する割算回路79と、この割算回路79から出
力される乗算係数信号と帯域制限フィルタ回路39また
はダウンサンプル回路49から出力される帯域制限済み
の同相出力ベースバンド信号とを乗算して、振幅が一定
のベクトルとなるI軸側補正信号(複素出力信号)を生
成する乗算回路80と、割算回路79から出力される乗
算係数信号と帯域制限フィルタ回路40またはダウンサ
ンプル回路49から出力される帯域制限済みの直交出力
ベースバンド信号とを乗算して、振幅が一定のベクトル
となるQ軸側補正信号(複素出力信号)を生成する乗算
回路81とを備えている。
【0091】
【数1】 L=1/√(1+(b/a)2 ) …(1) そして、各帯域制限フィルタ回路39、40またはダウ
ンサンプル回路49から出力される帯域制限済みの同相
出力ベースバンド信号の絶対値と、直交出力ベースバン
ド信号の絶対値とを各々求めて、絶対値が大きい方をa
側信号、絶対値が小さい方をb側信号にし、(1)式に
示す値Lを持つ関数信号を生成するとともに、a側信号
で関数信号を除算して、乗算係数信号を生成する。次い
で、この乗算係数信号と、帯域制限フィルタ回路39ま
たはダウンサンプル回路49から出力される帯域制限済
みの同相出力ベースバンド信号とを乗算して、振幅が一
定のベクトルとなるI軸側補正信号を生成し、これを狭
帯域フィルタ回路42または狭帯域LPF回路50に供
給するとともに、乗算係数信号と、帯域制限フィルタ回
路40またはダウンサンプル回路49から出力される帯
域制限済みの直交出力ベースバンド信号とを乗算して、
振幅が一定のベクトルとなるQ軸側補正信号を生成し、
これを狭帯域フィルタ回路43または狭帯域LPF回路
51に供給する。
【0092】これによって、この複素リミッタ回路41
では、図11に示す複素リミッタ回路41に比べて、回
路規模を小さく、かつ精度を高くしながら、上述した複
素リミッタ回路41と同様な機能を達成することができ
る。
【0093】<位相回転回路46の説明>図13は、図
9、図10に示す各周波数/位相ズレ補正回路48で使
用される位相回転回路46の詳細な回路構成例を示すブ
ロック図である。
【0094】この図に示す位相回転回路46は、周波数
/位相ズレ検出回路47から出力されるI軸側補正信号
と各ディレー回路44、45から出力される同相出力ベ
ースバンド信号、直交出力ベースバンド信号とを各々乗
算する2つの乗算回路59、60と、周波数/位相ズレ
検出回路47から出力されるQ軸側補正信号と各ディレ
ー回路44、45から出力される同相出力ベースバンド
信号、直交出力ベースバンド信号とを各々乗算する2つ
の乗算回路61、62と、各乗算回路59、62から出
力される乗算済みの同相出力ベースバンド信号と乗算済
みの直交出力ベースバンド信号とを加算して、I軸側出
力信号を生成する加算回路63と、各乗算回路60、6
1から出力される乗算済みの同相出力ベースバンド信号
と乗算済みの直交出力ベースバンド信号との差を求め、
Q軸側出力信号を生成する加算回路64とを備えてい
る。
【0095】そして、この位相回転回路46は、周波数
/位相ズレ検出回路47から出力されるI軸側補正信号
と、Q軸側補正信号とに基づき、各ディレー回路44、
45から出力される同相出力ベースバンド信号、直交出
力ベースバンド信号のベクトル回転または位相ズレを逆
方向に回転または位相シフトさせて、ベクトル回転、位
相ズレが無いI軸側出力信号と、Q軸側出力信号とを生
成し、これをキャンセル回路16に供給する。
【0096】<デジタル化Eスポ混信妨害除去基本回路
4aの他の説明>また、上述したデジタル化Eスポ混信
妨害除去基本回路4aでは、周波数fck(fck=8
sc)のクロック信号を使用して、デジタル化Eスポ混
信妨害除去基本回路4aを構成する2つのA/D変換回
路9、10と、ステップナイキストフィルタ回路12
と、ローカル信号回路11と、直交同期検波回路13
と、周波数/位相ズレ検出補正回路15と、キャンセル
回路16と、D/A変換回路5とを動作させるようにし
ているが、図14に示すように、デジタル化Eスポ混信
妨害除去基本回路4aを構成する直交同期検波回路13
と、周波数/位相ズレ検出補正回路15との間に、ダウ
ンサンプル回路14を設けるようにしても良い。
【0097】この場合、ダウンサンプル回路14は、直
交同期検波回路13から出力されるクロック周波数が8
scの同相出力ベースバンド信号を間引いて、クロック
周波数が4fscの同相出力ベースバンド信号を生成する
サンプルレート変換回路82と、直交同期検波回路13
から出力されるクロック周波数が8fscの直交出力ベー
スバンド信号を間引いてクロック周波数が4fscの直交
出力ベースバンド信号を生成するサンプルレート変換回
路83とを備えており、直交同期検波回路13から出力
されるクロック周波数が8fscの同相出力ベースバンド
信号を間引いて、クロック周波数が4fscの同相出力ベ
ースバンド信号を生成し、これを周波数/位相ズレ検出
補正回路15に供給するとともに、直交同期検波回路1
3から出力されるクロック周波数が8fscの直交出力ベ
ースバンド信号を間引いて、クロック周波数が4fsc
直交出力ベースバンド信号を生成し、これを周波数/位
相ズレ検出補正回路15に供給する。
【0098】これによって、このデジタル化Eスポ混信
妨害除去基本回路4aでは、周波数/位相ズレ検出補正
回路15、キャンセル回路16、D/A変換回路5をク
ロック周波数が4fscで、無理の無い動作を行わせるこ
とかできるとともに、各フィルタのタップ数を減らし
て、回路規模を小さくすることができる。
【0099】<周波数変換/クロック発生回路3の一例
> 図15は、図1に示す周波数変換/クロック発生回路3
の詳細な回路構成例を示すブロック図である。
【0100】この図に示す周波数変換/クロック発生回
路3は、TVチューナ2から出力される規定周波数(f
v=58.75MHz)のIF信号をエンベロープ検波
して、カラーサブキャリア周波数fsc(約3.58MH
z)を持つカラーサブキャリア周波数信号と水平周波数
h(約15.734kHz)を持つ水平周波数信号と
を再生する基準信号再生回路6と、この基準信号再生回
路6から出力されるカラーサブキャリア周波数信号また
は水平周波数信号に基づき、カラーサブキャリア周波数
信号の8倍の周波数fck(fck=8fsc)を持つ、デジ
タル信号処理用のクロック信号、およびカラーサブキャ
リア周波数信号の2倍の周波数2fscを持つ、ローカル
信号を生成するクロックPLL回路7と、このクロック
PLL回路7から出力されるローカル信号を使用して、
TVチューナ2から出力されるIF信号をカラーサブキ
ャリア周波数の2倍の周波数の搬送波を持ち、クロック
信号に同期したIF信号に変換する同期化周波数変換回
路8と、クロックPLL回路7から出力されるクロック
信号に基づき、クロックPLL回路7から出力されるロ
ーカル信号をA/D変換して、デジタルローカル信号を
生成するA/D変換回路9と、クロックPLL回路7か
ら出力されるクロック信号に基づき、同期化周波数変換
回路8から出力されるIF信号をA/D変換して、デジ
タルIF信号を生成するA/D変換回路10とを備えて
いる。
【0101】この場合、クロックPLL回路7は、基準
信号再生回路6から出力されるカラーサブキャリア周波
数信号または水平周波数信号に基づき、カラーサブキャ
リア周波数信号の8倍の周波数fck(fck=8fsc)を
持つ、デジタル信号処理用のクロック信号、およびカラ
ーサブキャリア周波数信号の2倍の周波数2fscを持つ
分周信号を生成するクロックPLL本体回路84と、こ
のクロックPLL本体回路84から出力される分周信号
をバントパスフィルタリングして、正弦波のローカル信
号を生成するBPF回路85とを備えており、基準信号
再生回路6から出力されるカラーサブキャリア周波数信
号または水平周波数信号に基づき、クロック信号と、ロ
ーカル信号とを生成し、クロック信号を各A/D変換回
路9、10、デジタル化Eスポ混信妨害除去回路4、デ
ジタル化Eスポ混信妨害除去基本回路4aなどに供給
し、またローカル信号をA/D変換回路9と、同期化周
波数変換回路8とに供給する。
【0102】また、同期化周波数変換回路8は、TVチ
ューナ2から出力される規定周波数fのIF信号(映
像搬送波成分)の変調波成分を抑圧したキャリア信号
(周波数が58.75MHz+ΔMHzの信号)を再生
するキャリア再生回路86と、このキャリア再生回路8
6から出力されるキャリア信号とクロックPLL回路7
から出力されるローカル信号(2fsc)とをミキシン
グして混合信号を生成するミキサ回路87と、このミキ
サ回路87から出力される混合信号をバンドパスフィル
タリングして、混合信号に含まれている和成分(周波数
が58.75MHz+ΔMHz+2fscの信号)を抽
出し、これをローカル信号として出力するBPF回路8
8と、このBPF回路88から出力されるローカル信号
とTVチューナ2から出力される規定周波数fのIF
信号(映像搬送波成分)とを混合してIF信号をIFビ
ート信号に変換するミキサ回路89と、このミキサ回路
89から出力されるIFビート信号に含まれる差の周波
数成分を抽出して、クロック信号に同期し、カラーサブ
キャリア周波数の2倍の周波数の搬送波を持つIF信号
を生成するBPF回路90とを備えている。
【0103】そして、この同期化周波数変換回路8は、
TVチューナ2から出力される規定周波数fvのIF信
号(映像搬送波成分)の変調波成分を抑圧したキャリア
信号(周波数が58.75MHz+ΔMHzの信号)を
再生し、このキャリア信号と、クロックPLL回路7か
ら出力されるローカル信号(2fsc)とをミキシングし
て、混合信号を生成するとともに、この混合信号をバン
ドパスフィルタリングして得られたローカル信号と、I
F信号とをミキシングして、IFビート信号を生成し、
さらにこのIFビート信号に含まれる差成分を抽出し
て、クロック信号に同期し、カラーサブキャリア周波数
の2倍の周波数の搬送波を持つIF信号を生成し、これ
をA/D変換回路10に供給する。
【0104】これによって、この周波数変換/クロック
発生回路3では、TVチューナ2から出力される規定周
波数のIF信号をエンベロープ検波して、カラーサブキ
ャリア周波数信号と、水平周波数信号とを再生し、これ
らカラーサブキャリア周波数信号と水平周波数信号とに
基づいて、カラーサブキャリア周波数信号のカラーサブ
キャリア周波数fscの8倍の周波数を持つクロック信号
と、カラーサブキャリア周波数fscの2倍の周波数を持
つローカル信号とを生成し、クロック信号をデジタル化
Eスポ混信妨害除去回路4(または、デジタル化Eスポ
混信妨害除去基本回路4a)に供給し、さらにこの動作
と並行して、ローカル信号に基づき、IF信号をクロッ
ク信号に同期した、カラーサブキャリア周波数の2倍の
周波数のIF信号に変換するとともに、クロック信号に
基づき、IF信号と、ローカル信号とを各々A/D変換
して、デジタルIF信号と、デジタルローカル信号とを
生成し、これらをデジタル化Eスポ混信妨害除去回路4
に供給する。
【0105】この際、TVチューナ2から出力されるI
F信号の周波数が変化しても、ミキサ回路89から出力
されるIFビート信号の差周波数が変化しないようにし
ているので、TVチューナ2から出力されるIF信号の
周波数が変化しても、常にカラーサブキャリア周波数f
sc(約3.58MHz)の2倍の周波数2fscを持つ、
デジタルIF信号を生成することができる。
【0106】また、この周波数変換/クロック発生回路
3では、BPF回路85、88などのBPF回路を適所
に配置して周波数的にループが生じないようにしている
ので、同じ周波数を使用する回路でよく発生する、信号
の回り込みなどに起因する干渉などが発生するのを防止
できる。
【0107】<周波数変換/クロック発生回路3の他の
一例> 図16は、図15に示す周波数変換/クロック発生回路
3の詳細な回路構成例を示すブロック図である。
【0108】この図に示す周波数変換/クロック発生回
路3が、図15に示す周波数変換/クロック発生回路3
と異なる点は、基準信号再生回路6と、クロックPLL
回路7と、同期化周波数変換回路8とを具体化して、回
路の設計を容易にしたことである。
【0109】この場合、基準信号再生回路6は、TVチ
ューナ2から出力される規定周波数(fv=58.75
MHz)のIF信号をエンベロープ検波して、ベースバ
ンド信号を再生するエンベロープ検波回路91と、この
エンベロープ検波回路91から出力されるベースバンド
信号をローパスフィルタリングして、200kHz以上
の成分を除去し、高域周波数帯域内にあるEスポ妨害波
成分を排除するLPF回路92と、このLPF回路92
から出力される帯域制限済みのベースバンド信号に含ま
れている水平同期信号を分離する同期分離回路93と、
この同期分離回路93から出力される水平同期信号に含
まれる等価パルスを除去して、水平周波数fh(約1
5.734kHz)を持つ水平周波数信号を生成する等
価パルス除去回路94とを備えている。
【0110】さらに、この基準信号再生回路6は、エン
ベロープ検波回路91から出力されるベースバンド信号
をバンドパスフィルタリングして、カラーサブキャリア
周波数近傍の成分を抽出するfsc用BPF回路95と、
このfsc用BPF回路95から出力されるカラーサブキ
ャリア近傍の成分信号に基づき、発振動作して、カラー
サブキャリア周波数fsc(約3.58MHz)を持つカ
ラーサブキャリア周波数信号を生成するバーストロック
PLL回路96と、クロックPLL回路7に設けられて
いるスイッチ回路97と連動して動作し、バーストロッ
クPLL回路96から出力されるカラーサブキャリア周
波数信号、または等価パルス除去回路94から出力され
る水平周波数信号のいずれか一方を選択するスイッチ回
路98とを備えている。
【0111】そして、この基準信号再生回路6は、TV
チューナ2から出力される規定周波数(fv=58.7
5MHz)のIF信号をエンベロープ検波して、カラー
サブキャリア周波数fsc(約3.58MHz)を持つカ
ラーサブキャリア周波数信号と水平周波数fh(約1
5.734kHz)を持つ水平周波数信号とを再生し、
これらカラーサブキャリア周波数信号、または水平周波
数信号のいずれか一方を選択して、クロックPLL回路
7のクロックPLL本体回路84に供給する。
【0112】クロックPLL本体回路84は、基準信号
再生回路6から出力されるカラーサブキャリア周波数信
号の位相(または、水平周波数信号の位相)と帰還信号
との位相を比較して、これらの位相差に応じた比較信号
を生成する位相比較回路99と、この位相比較回路99
から出力される比較信号の高周波成分をカットして、低
周波成分のみを通過させるループフィルタ回路100
と、このループフィルタ回路100から出力される比較
信号の値に応じた発振周波数で発振して、カラーサブキ
ャリア周波数信号(または、水平周波数信号)の周波数
を基準として、周波数が8fscのクロック信号を生成す
るVCXO回路101と、このVCXO回路101から
出力されるクロック信号をバッファリングして出力する
バッファ回路102と、VCXO回路101から出力さ
れるクロック信号の周波数を1/2に間引く1/2分周
回路103とを備えている。
【0113】さらに、このクロックPLL本体回路84
は、1/2分周回路103から出力される分周信号をバ
ッファリングして、出力するバッファ回路104と、1
/2分周回路103から出力される分周信号の周波数を
1/2に間引く1/2分周回路105と、この1/2分
周回路105から出力される分周信号をバッファリング
して、出力するバッファ回路106と、1/2分周回路
105から出力される分周信号の周波数を1/2に間引
く1/2分周回路107と、1/2分周回路105から
出力される分周信号の周波数を1/455に間引く1/
455分周回路108と、基準信号再生回路6のスイッ
チ回路98と連動して動作し、1/2分周回路107か
ら出力される分周信号または1/455分周回路108
から出力される分周信号のいずれか一方を選択し、これ
を帰還信号として、位相比較回路99に供給するスイッ
チ回路97とを備えている。
【0114】そして、このクロックPLL本体回路84
は、基準信号再生回路6のスイッチ回路98からカラー
サブキャリア周波数信号が出力されているときには、ス
イッチ回路97によって1/2分周回路107から出力
される分周信号を選択し、これを帰還信号として、位相
比較回路99に供給し、VCXO回路101からカラー
サブキャリア周波数信号の周波数fscの8倍の周波数8
scを持つクロック信号を出力させ、バッファ回路10
2からこれを出力させるとともに、バッファ回路106
から周波数2fscを持つ分周信号を出力させる。
【0115】また、基準信号再生回路6のスイッチ回路
98から水平周波数信号が出力されているときには、ス
イッチ回路97によって1/455分周回路108から
出力される分周信号を選択し、これを帰還信号として、
位相比較回路99に供給し、VCXO回路101から水
平周波数信号の周波数の455×2×2倍の周波数、す
なわちカラーサブキャリア周波数信号の周波数fscの8
倍の周波数8fscを持つクロック信号を出力させ、バッ
ファ回路102からこれを出力させるとともに、バッフ
ァ回路106から周波数2fscを持つ分周信号を出力さ
せ、BPF回路85に供給させる。
【0116】また、同期化周波数変換回路8は、TVチ
ューナ2から出力される規定周波数fのIF信号(映
像搬送波成分)の変調波成分を抑圧したキャリア信号
(周波数が58.75MHz+ΔMHzの信号)を再生
するキャリア再生回路86と、このキャリア再生回路8
6から出力されるキャリア信号とBPF回路85から出
力されるローカル信号(2fsc)とをミキシングして
混合信号を生成するミキサ回路87と、このミキサ回路
87から出力される混合信号をバンドパスフィルタリン
グして、混合信号に含まれている和成分(周波数が5
8.75MHz+ΔMHz+2fscの信号)を抽出
し、これをローカル信号として出力するBPF回路10
9と、このBPF回路109から出力されるローカル信
号を増幅する増幅回路110と、この増幅回路110か
ら出力されるローカル信号の高調波成分を除去するBP
F回路111と、このBPF回路111から出力される
ローカル信号とTVチューナ2から出力される規定周波
数fのIF信号(映像搬送波成分)とを混合してIF
ビート信号を生成するミキサ回路89と、このミキサ回
路89から出力されるIFビート信号に含まれる差の周
波数成分を抽出して、クロック信号に同期した、カラー
サブキャリア周波数の2倍の周波数の搬送波のIF信号
を生成するBPF回路90とを備えている。
【0117】この場合、キャリア再生回路86は、TV
チューナ2から出力される規定周波数fvのIF信号
(映像搬送波成分)の映像搬送波近傍の周波数成分を抽
出する狭帯域BPF回路112と、この狭帯域BPF回
路112から出力される狭帯域化された映像搬送波近傍
の周波数成分と予め設定されているしきい値とを比較
し、これによって振幅変化を消して、キャリア近傍の変
調波成分を抑圧し、ほぼ無変調の矩形波状キャリア信号
を再生するコンパレータ回路113と、このコンパレー
タ回路113から出力される矩形波状キャリア信号に対
して、バンドパスフィルタリングを行って、キャリア信
号以外の不要な高調波成分を除去してIF信号のキャリ
アを示す正弦波信号(キャリア信号)を生成するBPF
回路114とを備えている。
【0118】そして、この同期化周波数変換回路8は、
TVチューナ2から出力される規定周波数fvのIF信
号(映像搬送波成分)が入力されたとき、このIF信号
に対し、狭帯域バンドパスフィルタリング処理、コンパ
レータ処理、およびバンドパスフィルタリング処理を順
次施して、IF信号のキャリアを示す正弦波信号(キャ
リア信号)を生成し、これをミキサ回路87に供給す
る。
【0119】これによって、この周波数変換/クロック
発生回路3では、図15に示す周波数変換/クロック発
生回路3と同様に、TVチューナ2から出力されるIF
信号の周波数が変化しても、ミキサ回路89から出力さ
れるIFビート信号の差周波数が変化しないようにし
て、カラーサブキャリア周波数fsc(約3.58MH
z)の2倍の周波数2fscを持つ、デジタルIF信号を
生成することができる。
【0120】また、この周波数変換/クロック発生回路
3でも、適所にBPF回路を配置してループが生じない
ようにしているので、同じ周波数を使用する回路でよく
発生する、信号の回り込みなどに起因する、干渉などが
発生しないようにすることができる。
【0121】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、回
路規模を小さくすることができるとともに、リアルタイ
ムの信号処理を実現し、かつダウンサンプルの導入によ
り動作速度を低くすることができ、これによって、回路
全体のLSI化を容易にして、家庭用受信装置でも、E
スポ混信妨害除去を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるデジタル化Eスポ混信妨害除去回
路を使用したEスポ混信妨害除去装置の全体構成例を示
すブロック図である。
【図2】図1に示すデジタル化Eスポ混信妨害除去回路
4をLSI化したデジタル化Eスポ混信妨害除去基本回
路のうち、周波数/位相ズレ検出補正回路、キャンセル
回路などのタップ数を多くして、精度を高め、さらに入
出力インタフェース回路として、A/D変換回路、D/
A変換回路を持たせて、LSIチップの端子数を少なく
したデジタル化Eスポ混信妨害除去基本回路の一例を示
すブロック図である。
【図3】図2に示すA/D変換回路にローカル信号を供
給する外部のキャリア再生回路の一例を示すブロック図
である。
【図4】図3に示す外部のキャリア再生回路の動作を説
明するための模式図である。
【図5】図5は、図1、図2に示すローカル信号回路の
詳細な回路構成例を示すブロック図である。
【図6】図1、図2に示す直交同期検波回路の詳細な回
路構成例を示すブロック図である。
【図7】図1、図2に示す直交同期検波回路の第2例で
使用される直交同期検波の原理を示す模式図である。
【図8】図7に示す直交同期検波原理を使用した直交同
期検波回路の詳細な回路構成例を示すブロック図であ
る。
【図9】図1、図2に示す周波数/位相ズレ検出補正回
路の詳細な回路構成例を示すブロック図である。
【図10】図1、図2に示す周波数/位相ズレ検出補正
回路の他の回路構成例を示すブロック図である。
【図11】図9、図10に示す各周波数/位相ズレ検出
回路で使用される複素リミッタ回路の詳細な回路構成例
を示すブロック図である。
【図12】図9、図10に示す各周波数/位相ズレ検出
回路で使用される複素リミッタ回路の他の回路構成例を
示すブロック図である。
【図13】図9、図10に示す各周波数/位相ズレ補正
回路で使用される位相回転回路の詳細な回路構成例を示
すブロック図である。
【図14】本発明で使用されるデジタル化Eスポ混信妨
害除去基本回路の他の一例を示すブロック図である。
【図15】図1に示す周波数変換/クロック発生回路の
詳細な回路構成例を示すブロック図である。
【図16】図15に示す周波数変換/クロック発生回路
の詳細な回路構成例を示すブロック図である。
【図17】直交同期検波と、ヒルベルト変換とによる方
式を使用した従来のEスポ混信妨害除去回路の基本構成
例を示すブロック図である。
【図18】図17に示す直交同期検波回路の動作例を示
す模式図である。
【図19】図17に示す直交同期検波回路の動作例を示
す模式図である。
【図20】図17に示す直交同期検波回路の動作例を示
す模式図である。
【符号の説明】
1 Eスポ混信妨害除去装置 2 TVチューナ 3 周波数変換/クロック発生回路 4 デジタル化Eスポ混信妨害除去回路 4a デジタル化Eスポ混信妨害除去基本回路 5 D/A変換回路 6 基準信号再生回路 7 クロックPLL回路 8 同期化周波数変換回路 9、10 A/D変換回路 11 ローカル信号回路 12 ステップナイキストフィルタ回路 13 直交同期検波回路 14、49 ダウンサンプル回路 15 周波数/位相ズレ検出補正回路 16 キャンセル回路 17 妨害波検出フィルタ係数制御回路 18 ヒルベルト変換/アダプティブフィルタ回路 19、27、44、45、69、71 ディレー回路 20、63、64、67 加算回路 21 キャリア再生回路、 22、112 狭帯域BPF回路 23、113 コンパレータ回路 24、26、85、114 BPF回路 25 ヒルベルト変換回路 28、30、59、60、61、62、65、66、8
0、81 乗算回路 29、31 LPF回路 32 ゼロデータ回路 33、35 ラッチ回路 34 符号反転回路 36 切替制御回路 37、38、76、77、97、98 スイッチ回路 39、40 帯域制限フィルタ回路 41 複素リミッタ回路 42、43 狭帯域フィルタ回路 46 位相回転回路 47 周波数/位相ズレ検出回路 48 周波数/位相ズレ補正回路 50、51 狭帯域LPF回路 52 アップサンプル回路 53、54、55、57、82、83 サンプルレート
変換回路 56、58 補間フィルタ回路 68 ルート演算回路 70、72、79 割算回路 73、74 絶対値回路 75 比較回路 78 関数発生回路 84 クロックPLL本体回路 86 キャリア再生回路 87、89 ミキサ回路(同期化周波数変換本体回路) 88、90、109、111 BPF回路(同期化周波
数変換本体回路) 91 エンベロープ検波回路 92 LPF回路(水平周波数信号再生回路) 93 同期分離回路(水平周波数信号再生回路) 94 等価パルス除去回路(水平周波数信号再生回路) 95 fsc用BPF回路(カラーサブキャリア周波数信
号再生回路) 96 バーストロックPLL回路(カラーサブキャリア
周波数信号再生回路) 99 位相比較回路 100 ループフィルタ回路 101 VCXO回路 102、104、106 バッファ回路 103、105、107 1/2分周回路 108 1/455分周回路 110 増幅回路(同期化周波数変換本体回路)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 折原 豊 東京都世田谷区砧一丁目10番11号 日本 放送協会放送技術研究所内 (72)発明者 武智 秀 東京都世田谷区砧一丁目10番11号 日本 放送協会放送技術研究所内 (72)発明者 居相 直彦 東京都世田谷区砧一丁目10番11号 日本 放送協会放送技術研究所内 (72)発明者 濱住 啓之 東京都世田谷区砧一丁目10番11号 日本 放送協会放送技術研究所内 (72)発明者 大塚 吉道 東京都世田谷区砧一丁目10番11号 日本 放送協会放送技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭63−302676(JP,A) 特開 平5−327355(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04N 5/14 - 5/217 H04N 5/44 - 5/46

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カラーサブキャリア周波数の8倍の周波
    数を持つクロック信号で動作するA/D変換回路から出
    力されるデジタルIF信号を前処理するステップナイキ
    ストフィルタ回路と、 このステップナイキストフィルタ回路から出力される前
    処理済みのデジタルIF信号を直交同期検波して、同相
    出力ベースバンド信号と直交出力ベースバンド信号とを
    生成する直交同期検波回路と、 この直交同期検波回路から出力される同相出力ベースバ
    ンド信号、直交出力ベースバンド信号に対し、帯域制限
    処理、複素リミッタ処理、狭帯域処理を行ってI軸側補
    正信号、Q軸側補正信号を生成する周波数/位相ズレ検
    出回路と、 前記直交同期検波回路から出力される同相出力ベースバ
    ンド信号、直交出力ベースバンド信号に対し、遅延処
    理、前記周波数/位相ズレ検出回路から出力されるI軸
    側補正信号、Q軸側補正信号を用いた位相回転処理を行
    って、周波数ズレ、位相ズレを補正したI軸側出力信
    号、Q軸側出力信号を生成する周波数/位相ズレ補正回
    路と、 この周波数/位相ズレ補正回路から出力されるQ軸側出
    力信号をヒルベルト変換処理、アダプティブフィルタリ
    ング処理して、妨害波成分を抽出し、この妨害波成分を
    使用して、前記周波数/位相ズレ補正回路から出力され
    るI軸側出力信号の妨害波成分をキャンセルするキャン
    セル回路と、 を備えたことを特徴とするデジタル化Eスポ混信妨害除
    去回路。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載したデジタル化Eスポ混
    信妨害除去回路において、前記複素リミッタ処理を行う
    複素リミッタ回路は、 帯域制限された同相出力ベースバンド信号、帯域制限さ
    れた直交出力ベースバンド信号の絶対値を求める絶対値
    回路と、 この絶対値回路から出力される各絶対値を比較する比較
    回路と、 この比較回路の比較結果に基づき、前記各絶対値に対応
    する関数信号を生成する関数発生回路と、 この関数発生回路から出力される関数信号を使用し、前
    記各絶対値の大きな方を割算して、直交する2信号の2
    乗和のベクトル長を一定にする係数を求める割算回路
    と、この割算回路で得られた係数と前記同相出力ベース
    バンド信号、直交出力ベースバンド信号を各々乗算し
    て、I軸側補正信号、Q軸側補正信号を求める乗算回路
    と、 を備えたことを特徴とするデジタル化Eスポ混信妨害除
    去回路。
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