JP3154762B2 - 車両のアンチスキッドブレーキ装置 - Google Patents

車両のアンチスキッドブレーキ装置

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JP3154762B2
JP3154762B2 JP24935991A JP24935991A JP3154762B2 JP 3154762 B2 JP3154762 B2 JP 3154762B2 JP 24935991 A JP24935991 A JP 24935991A JP 24935991 A JP24935991 A JP 24935991A JP 3154762 B2 JP3154762 B2 JP 3154762B2
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晴樹 岡崎
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両のアンチスキッドブ
レーキ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両のアンチスキッドブレーキ装置は、
基本的には、車輪が目標とする減速度で減速するよう
に、若しくは目標とするスリップ率で減速するように、
車輪に付与する制動圧を増減制御(以下、これを必要に
応じて単にABS制御という)することにより、制動時
における車輪のロックないしはスキッド状態の発生を防
止し、方向安定性を失わせずに車両を短い制動距離で停
止させるものである。この場合、上記ABS制御は、車
輪の減速度が所定の閾値を越えて大きくなったときに、
あるいは車輪のスリップ率が所定の閾値を越えて大きく
なったときに、開始されるのが通常である。
【0003】上記制動圧の制御方式については種々の提
案があり、例えば、特開昭60−1061号公報には、
操舵角に応じて制御定数を代えることにより、制動効果
と操縦安定性との両立を図る技術についての開示があ
る。すなわち、このものは、操舵角が大きいときには制
動圧が低くなるようにして操縦性の向上を図り、操舵角
が小さいときには制動圧が高くなるようにして制動効果
を高めるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ブレーキペ
ダルが踏まれたときには、上記ABS制御が必要になる
蓋然性が高い。従って、上記ブレーキペダルの踏込を検
出するブレーキセンサを設け、該ブレーキセンサによっ
て上記踏込が検出されたときに上記制御の開始閾値を低
下せしめるようにすれば、実際にABS制御が必要にな
ったときに該制御を速やかに開始することができる。一
方、ブレーキペダルが踏まれていないときには、上記開
始閾値を高い値にすることができるため、例えば、路面
の凹凸によって車輪速が変化する場合でも、不必要にA
BS制御が開始されてしまうことがない。
【0005】しかし、上記ブレーキセンサの出力に基づ
いて上記制御開始閾値を変更する方式を採用する場合、
ブレーキセンサの故障という問題があるため、上記閾値
の変更幅を大きくすることが難しい。すなわち、ブレー
キセンサが故障してその出力信号がオフのままになれ
ば、ブレーキペダルが踏まれても上記閾値が高いままで
ある。従って、ブレーキセンサがオフの時の閾値を予め
高い値に設定しようとしても、上記ブレーキセンサの故
障時にはABS制御が必要なときに速やかに開始されな
いため、上記閾値を高くしておくことができない。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような課
題に対して、上記ブレーキセンサの故障検出手段を設
け、ブレーキセンサの故障時にはABS制御の開始閾値
をブレーキセンサのオン時と同様に低い値に変更するよ
うにするものである。
【0007】すなわち、上記課題を解決する手段は、車
両の車輪速を検出する車輪速検出手段と、車輪の制動圧
を調節する制動圧調節手段と、上記車輪速検出手段によ
って検出される車輪速に基づき該車輪の減速度若しくは
スリップ率が所定の閾値を越えて大きくなったときに、
該車輪が目標とする減速度で減速するよう若しくは目標
とするスリップ率で減速するように、上記制動圧調節手
段の作動の制御を開始する制御手段とを備えた車両のア
ンチスキッドブレーキ装置であって、ブレーキペダルの
踏込作動を検出してオン信号を出力するブレーキセンサ
と、上記ブレーキセンサの故障を検出する故障検出手段
と、上記故障検出手段により上記ブレーキセンサの故障
が検出されていないときは上記ブレーキセンサにより上
記オン信号が出力されていないときの上記閾値を上記オ
ン信号が出力されているときの当該閾値に比べて高い値
に設定し、上記故障検出手段により上記ブレーキセンサ
の故障が検出されたときは上記閾値を上記ブレーキセン
サの故障が検出されていないときにおける上記オン信号
が出力されていないときの当該閾値に比べて低い値に設
定する閾値変更手段とを備えていることを特徴とする。
【0008】上記故障検出手段としての好ましい態様
は、以下の〜である。 車両の従動輪につき上記制御手段による上記制動圧
調節手段の制御が実行されているときに、上記ブレーキ
センサからの出力信号がオフのとき、該ブレーキセンサ
を故障と判定する故障検出手段。
【0009】 車両のいずれかの車輪につき上記制御
手段による上記制動圧調節手段の制御が実行されて当該
車輪の車輪速が増減しているときに、上記ブレーキセン
サからの出力信号がオフのとき、該ブレーキセンサを故
障と判定する故障検出手段。
【0010】 ブレーキペダルが踏まれていないとき
にパーキングレンジからリバースレンジへのシフトレバ
ーのシフトを禁止するシフトロック機構を有する自動変
速機において、シフトレバーがパーキングレンジからリ
バースレンジに切り換えられたときに、上記ブレーキセ
ンサからの出力信号がオフのとき、該ブレーキセンサを
故障と判定する故障検出手段。
【0011】 自動変速機のシフトレバーがドライブ
レンジ又はリバースレンジに位置し且つパーキングブレ
ーキが非作動の状態において車速がクリープ速度未満で
あるときに、あるときに、上記ブレーキセンサからの出
力信号がオフのとき、該ブレーキセンサを故障と判定す
る故障検出手段。
【0012】 所定車速以下の低車速において上記車
輪速検出手段により検出される車輪速の減速度が所定値
以上であって且つパーキングブレーキが非作動の状態の
ときに、上記ブレーキセンサからの出力信号がオフのと
き、該ブレーキセンサを故障と判定する故障検出手段。
【0013】 ブレーキセンサによりブレーキペダル
の踏込とその解除との繰返しが所定時間内に所定数以上
検出されるときに、該ブレーキセンサを故障と判定する
故障検出手段。
【0014】 上記車輪速検出手段により検出される
車輪速に基づき車両が加速状態と減速状態とのいずれに
あるかを判定する加減速判定手段による判定結果と、上
記ブレーキセンサからの出力信号とを所定サンプリング
周期で入力し、該出力信号が車両加速時にオフのとき及
び車両減速時にオンのときに正常、車両加速時にオンの
とき及び車両減速時にオフのときに異常と判定する判定
手段と、上記判定手段による正常判定と異常判定とに異
なる得点を与え、この順次与えられる得点の推移に基づ
いて上記ブレーキセンサの正常度を求める正常度演算手
段と、上記ブレーキセンサの故障を判定するための上記
正常度についての上記得点の付与回数に対応する閾値を
備え上記正常度演算手段により求められた正常度と上記
閾値とに基づいてブレーキセンサが故障か否かを判定す
る故障判定手段とを備えてなる故障検出手段。
【0015】上記の故障検出手段において、上記正常
度演算手段は、今回の得点に前回の正常度を所定の割合
で反映させる指数平滑法により、ブレーキセンサの正常
度を求めるものが好ましい。
【0016】また、上記の故障検出手段において、上
記加減速検出手段は、上記車輪速検出手段により求めら
れる車輪速に基づき、該車輪速の加速度が所定の加速度
を越えた大きい値のときに車両の加速状態を検出し、該
車輪速の減速度が所定の減速度を越えた大きい値のとき
に車両の減速状態を検出するものが好ましい。
【0017】
【作用】上記解決手段においては、ブレーキセンサによ
ってブレーキペダルの踏込が検出されたときにABS制
御の開始閾値がブレーキペダルが踏込が検出されていな
いときよりも低くなるだけでなく、該ブレーキセンサが
故障したときにも、そのことが故障検出手段により検出
されて開始閾値変更手段が上記閾値を上記ブレーキセン
サの故障が検出されていないときにおける上記踏込が検
出されていないときの当該閾値に比べて低い値に設定す
から、ブレーキペダルが踏まれたときにはABS制御
が予定通りに比較的低い車輪減速度あるいは車輪スリッ
プ率でも開始されるようになる。
【0018】<の故障検出手段について> 車両の駆動輪の場合、アクセルペダルの踏込によりホイ
ルスピンを生ずると、上記ブレーキペダルが踏まれてい
ないときでもABS制御が開始されることがあるが、従
動輪の場合は、上記ホイルスピンがないから、ブレーキ
ペダルが踏まれている場合にのみABS制御が実行され
る。従って、従動輪につきABS制御が実行されている
ときに、ブレーキセンサからの出力信号がオフであれ
ば、該ブレーキセンサが故障していると判定できるもの
である。この故障判定により、次のABS制御のための
制御開始閾値を上述の低い値に設定することができる。
【0019】<の故障検出手段について> ABS制御の実行によって車輪速の増減があるのは、当
該車輪に付与されている制動圧の増減があるから、つま
りブレーキペダルが踏まれて当該車輪に制動圧が付与さ
れているからである。従って、かかる車輪速の増減があ
るときにブレーキセンサからの出力信号がオフであれ
ば、該ブレーキセンサが故障していると判定できるもの
である。この故障判定により、次のABS制御のための
制御開始閾値を上述の低い値に設定することができる。
【0020】<の故障検出手段について>シフトロッ
ク機構を備えている場合、パーキングレンジからリバー
スレンジへのシフトが可能であったということは、ブレ
ーキペダルが踏まれていたためである。従って、上記シ
フトの際にブレーキセンサからオン信号が出力されなか
ったならば、該ブレーキセンサが故障していると判定で
きるものである。
【0021】<の故障検出手段について>自動変速機
のシフトレバーがドライブレンジ又はリバースレンジに
位置しているときには、エンジンと駆動輪との間の動力
伝達経路がつながっている。この状態では、車輪に制動
圧が付与されていなければ、アクセルペダルが踏まれて
いなくとも、車両はクリープ現象により走行する。従っ
て、上記シフト状態において、パーキングブレーキが非
作動の状態であるにも拘らず、車速がクリープ速度未満
であるときは、ブレーキペダルが踏まれているときとい
うことができる。よって、かかるときに、上記ブレーキ
センサからの出力信号がオフのときは、該ブレーキセン
サが故障していると判定できるものである。
【0022】<の故障検出手段について>エンジンブ
レーキがきかないような低車速では、ブレーキペダルが
踏まれていない場合、車両が停止するときの車輪減速度
は所定値、例えば0.2G(Gは重力加速度)よりも小
さいのが通常である。従って、所定車速以下の低車速に
おいて車輪速検出手段により検出される車輪速の減速度
が所定値以上のときに、上記ブレーキセンサからの出力
信号がオフのときは、該ブレーキセンサが故障している
と判定できるものである。
【0023】<の故障検出手段について>ブレーキセ
ンサによりブレーキペダルの踏込とその解除との繰返し
が所定時間内に所定数以上検出されるときには、該ブレ
ーキセンサがチャタリングで異常信号を出していると判
断することができ、よって、このときにはブレーキセン
サが故障していると判定できるものである。
【0024】<の故障検出手段について>車両が加速
しているときにはブレーキペダルが踏まれていないこと
が多く、また、車両が減速しているときにはブレーキペ
ダルが踏まれていることが多い。従って、本手段におい
ては、まず、上記車両の加減速を判定する加減速判定手
段による判定結果と上記ブレーキセンサからの出力信号
とに基づいて、ブレーキセンサの出力信号が車両加速時
にオフのときや車両減速時にオンのときは正常、車両加
速時にオンのときや車両減速時にオフのときは異常と判
定する。
【0025】しかし、単にそれだけでは充分でない。す
なわち、アクセルペダルとブレーキペダルとが同時に踏
まれているときや、車両が坂道を上っている、あるいは
下っているときなどように、ブレーキペダルが踏まれて
いながら車両が加速している場合や、ブレーキペダルが
ふまれていないのに車両が減速している場合もあり、ブ
レーキセンサの故障を正確に検出することができない。
【0026】そこで、本手段においては、上記正常判定
と異常判定とに異なる得点を与え、この順次与えられる
得点の推移に基づいて上記ブレーキセンサの正常度を求
める正常度演算手段を設け、多数の判定結果に基づく判
断によって誤差を少なくしている。そうして、上記ブレ
ーキセンサの故障を判定するための閾値を備えた故障判
定手段により、上記正常度演算手段により求められた正
常度と上記閾値とに基づいてブレーキセンサが故障か否
かを判定するようにしているものである。
【0027】この場合、上記今回の得点に前回の正常度
を所定の割合で反映させる指数平滑法により、ブレーキ
センサの正常度を求めるようにすれば、誤差の排除に有
利である。
【0028】また、上記加減速判定手段として、車輪速
検出手段により求められる車輪速に基づき、該車輪速の
加速度が所定の加速度を越えた大きい値のときに車両の
加速状態と判定し、該車輪速の減速度が所定の減速度を
越えた大きい値のときに車両の減速状態と判定するよう
にして、加減速の検出に不感帯を設ければ、路面の凹凸
による車輪速の変動によって加減速判定に誤判定を生ず
ることを防止することができる。
【0029】
【発明の効果】従って、本発明によれば、ブレーキセン
サの故障を検出する故障検出手段を設け、ブレーキセン
サの故障が検出されていないときは該ブレーキセンサに
よりオン信号が出力されていないときのABS開始閾値
を該オン信号が出力されているときの当該閾値に比べて
高い値に設定し、ブレーキセンサの故障が検出されたと
きは上記閾値を上記ブレーキセンサの故障が検出されて
いないときにおける上記オン信号が出力されていないと
きの当該閾値に比べて低い値に設定する開始閾値変更手
段を設けたから、上記ブレーキセンサが故障しても、ブ
レーキペダルが踏まれたときにはABS制御を予定通り
に比較的低い車輪減速度あるいは車輪スリップ率でも開
始させることができる。すなわち、ブレーキセンサが故
障した場合でも、それが故障していない時と同様にAB
S制御を必要なときに速やかに開始せしめることができ
る。よって、ブレーキセンサがオフのときの上記閾値を
予め高い値に設定しておいても、上記ABS制御の早期
開始には支障がないものであり、そして、上記閾値を高
い値に設定することができるから、路面の凹凸等の外乱
による車輪減速度やスリップ率の変動によってABS制
御が誤作動することを確実に防げるようになる。
【0030】また、各故障検出手段によれば、ブレーキ
センサの故障を検出することができるものであり、特
に、車両の加減速判定とそのときのブレーキセンサのオ
ン・オフとに基づいてブレーキセンサの故障を検出する
もの(請求項8〜10)によれば、上記ブレーキセンサ
の故障を高い確率でもって検出できるという効果が得ら
れる。
【0031】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0032】<実施例1>図1には実施例1の全体構成
が示されている。すなわち、この実施例に係る車両は、
左右の前輪11,12が従動輪、左右の後輪13,14
が駆動輪とされ、エンジン15の出力トルクが自動変速
機16からプロペラシャフト17、差動装置18及び左
右の駆動軸19,20を介して左右の後輪13,14に
伝達されるように構成されている。また、上記自動変速
機16は、ブレーキペダル26が踏まれていないときに
パーキングレンジからリバースレンジへのシフトレバー
のシフトを禁止するシフトロック機構を備えている。
【0033】上記各車輪11〜14には、これらの車輪
と一体的に回転するディスク21a〜24aと、制動圧
の供給を受けてディスク21a〜24aの回転を制動す
るキャリパ21b〜24bとを備えたブレーキ装置21
〜24が設けられている。
【0034】上記ブレーキ装置21〜24を作動せしめ
るためのブレーキ制御システムは、運転者によるブレー
キペダル26の踏込力を増大させる倍力装置27と、こ
の倍力装置27によって増大された力に応じて制動圧を
発生させるマスターシリンダ28とを有する。上記ブレ
ーキペダル26に対し、該ブレーキペダル26の踏込作
動を検出してオン信号を出力するブレーキセンサ35が
設けられている。上記マスターシリンダ28から延設さ
れた前輪用制動圧供給ライン29は左前輪用制動圧供給
ライン29aと右前輪用制動圧供給ライン29bとに分
岐し、各々ブレーキ装置21,22のキャリパ21a,
22bに接続されている。上記左前輪用制動圧供給ライ
ン29aには、電磁式開閉弁30aと電磁式リリーフ弁
30bとからなる第1バルブユニット30が設けられ、
上記右前輪用制動圧供給ライン29bには、電磁式開閉
弁31aと電磁式リリーフ弁31bとからなる第2バル
ブユニット31が設けられている。
【0035】上記マスターシリンダ28から延設された
後輪用制動圧供給ライン32には、電磁式開閉弁33a
と電磁式リリーフ弁33bとからなる第3バルブユニッ
ト33が設けられている。そして、この後輪用制動圧供
給ライン32は、上記第3バルブユニット33の下流側
で左後輪用制動圧供給ライン32aと右後輪用制動圧供
給ライン32bとに分岐し、各々ブレーキ装置23,2
4のキャリパ23a,24bに接続されている。
【0036】すなわち、本実施例は、上記第1バルブユ
ニット30の作動によって左前輪11のブレーキ装置2
1の制動圧を調節する第1チャンネルと、上記第2バル
ブユニット31の作動によって右前輪12のブレーキ装
置22の制動圧を調節する第2チャンネルと、上記第3
バルブユニット33の作動によって左右の後輪13,1
4のブレーキ装置23,24の制動圧を調節する第3チ
ャンネルとを備え、これら各チャンネルは互いに独立し
て制御されるようになっている。そして、上記第1〜第
3のバルブユニット30,31,33が制動圧調節手段
を構成しているものである。
【0037】そして、上記車両は、上記第1〜第3のチ
ャンネルを制御する制御手段34を備え、さらに、上記
ブレーキセンサ35の故障を検出する故障検出手段41
と、上記ブレーキセンサ35及び故障検出手段41の出
力に基づいて上記制御の開始を決定するための閾値を変
更する開始閾値変更手段42とを備えている。
【0038】<制御手段について>上記制御手段34
は、各車輪11〜14の速度を検出する車輪速検出手段
としての車輪速センサ37〜40からの車輪速信号が入
力され、ABS制御を各チャンネル毎に並行して行な
う。すなわち、制御手段は、疑似車体速設定手段と、制
御閾値設定手段とを備え、上記各車輪11〜14の車輪
速に基づいて疑似車体速Vr を設定し、この疑似車体速
Vr と各車輪速とに基いて車輪の加減速度やスリップ率
を求め、所定の制御閾値に従って上記バルブユニット3
0,31,33により各車輪11〜14の制動圧を増減
制御するものである。
【0039】この場合、上記制御は、制御閾値と車輪の
加減速度やスリップ率との比較によってフェーズ0(A
BS非制御状態)、フェーズI(ABS制御時における
制動圧の減圧状態)、フェーズII(減圧後の保持状
態)、フェーズIII (減圧保持後の急増圧状態)及びフ
ェーズIV(急増圧後の緩増圧状態)からフェーズを選択
し、各フェーズに応じた制動圧制御信号を第1〜第3の
バルブユニット30,31,33に出力するようになっ
ている。すなわち、上記第1〜第3の各バルブユニット
30,31,33の開閉弁30a,31a,33aとリ
リーフ弁30b,31b,33bとをデューティ制御に
よって開閉することにより、制御が実行されるものであ
る。なお、上記リリーフ弁30b,31b,33bから
排出されたブレーキオイルは、図示しないドレンライン
によってマスターシリンダ28のリザーバタンクに戻さ
れる。
【0040】上記疑似車体速Vr は、車輪11〜14が
スリップしているときの車体速度は正確に検出できない
ことから、便宜上の車体速度として設定されるものであ
る。すなわち、4輪11〜14のうちの最高車輪速Max
Vw が疑似車体速Vr と設定される一方、路面の摩擦係
数に応じて減速度が高摩擦係数における1.2 Gから低摩
擦係数の0.3 Gまでの間で設定され、次の式(1) で示す
ように最高車輪速MaxVw の減速度が上記減速度よりも
大きいときには、式(2) で示すように疑似車体速Vr が
設定される。なお、Δtはコントロールユニットのサン
プリング周期(例えば7ms)、Gは重力加速度である。
【0041】 Vr −MaxVw >(1.2 G・Δt〜0.3 G・Δt)……(1) Vr ←Vr −(1.2 G・Δt〜0.3 G・Δt) ……(2) 制御閾値の設定は各チャンネル毎に独立して行われるも
のであり、制御閾値としては、以下のものがある。 ABS制御開始閾値G1 ;フェーズ0からフェーズIへ
の移行判定用 車輪減速度閾値G2 ;フェーズIからフェーズIIへ
の移行判定用 第1スリップ率閾値S1 ;フェーズIIからフェーズIII
への移行判定用 車輪加速度閾値G3 ;フェーズIII からフェーズIV
への移行判定用 第2スリップ率閾値S2 ;フェーズIVからフェーズIへ
の移行判定用 そして、上記制御閾値は、疑似車体速Vr 及び路面の摩
擦係数に応じ、図2に示すように、路面に対する車輪の
横抗力係数μL を過度に低くすることなく、路面と車輪
との間の摩擦係数μを高くできるように、つまりSs の
範囲の特性が得られるように設定される。すなわち、μ
が高いということは制動効率が高いということであり、
横抗力係数μL が高いということは、旋回走行での安定
性ないしは操舵性が良いということであるが、上記制動
効率と旋回走行性とは、図2からわかるように両立が難
しい。よって、上記通常のABS制御ではこの両者がで
きるだけ両立するように制御閾値が設定されるものであ
る。
【0042】この場合、制御開始閾値G1 としては、車
輪減速度が採用されており、その閾値として高い第1減
速度閾値G1H(例えば3G)と低い第2減速度閾値G1L
(例えば2G)とがあり、ABS非制御状態においては
当初は上記第1減速度閾値G1Hが選択され、上述の開始
閾値変更手段42からの変更指令に基づいて第2減速度
閾値G1Lが選択されるものである。
【0043】また、路面のμの検出にあたっては、AB
S非制御時においては高摩擦路面と一律に判定し、AB
S制御に入った後は、車輪減速度と車輪加速度とに基い
て路面のμを検出するものである。すなわち、車輪減速
度が大きく車輪加速度が小さいとき低摩擦路面と判定
し、車輪減速度が小さく車輪加速度が大きいとき高摩擦
路面と判定し、その他のときは中摩擦路面と判定するも
のである。
【0044】車輪の減速度及び加速度は、車輪速の前回
値と今回値との差を上記サンプリング周期Δtで除算
し、その結果を重力加速度に換算して求められる。後輪
13,14の車輪速に関しては、両車輪速のうちの小さ
い方の車輪速が後輪車輪速として選択される。また、ス
リップ率は次式に従って算出される。
【0045】 スリップ率=(1−車輪速÷疑似車体速)×100 従って、上記制御手段により通常は図3に示すような制
動圧の増減制御が行われることになる。
【0046】 すなわち、定速走行状態からブレーキ
ペダル26が踏み込まれると、マスターシリンダ28で
発生した制動圧が増加していき、それに伴って車輪速が
減少していく。 車輪減速度が制御開始閾値G1 よりも大きくなる
と、ABS制御に移行してフェーズIが選択され、制動
圧は所定の減圧態様に従って減少される。 車輪減速度が車輪減速度閾値G2 よりも小さくなる
と、フェーズIIが選択され、制動圧は減圧状態で保持さ
れる。 上記減圧保持に伴ってスリップ率が減少し、第1ス
リップ率閾値S1 を越えると、フェーズIII が選択さ
れ、制動圧の急増加が行われる。 上記急増圧により、車輪加速度が減少し車輪加速度
閾値G3 以下になると、フェーズIVが選択され、制動圧
の緩増加が行われる。 上記緩増圧により、スリップ率が第2スリップ率閾
値S2 を越えると、フェーズIが選択される。
【0047】以上の如くして、第1〜第3の各チャンネ
ルにつき、互いに独立して制動圧が増減制御されること
により、各車輪のロックないしはスキッド状態の発生を
防止し、方向安定性を失わせずに車両を短い制動距離で
停止させることになる。
【0048】<ABS制御開始閾値の変更について>開
始閾値変更手段42は、上記ブレーキペダル26が踏込
まれているときにオン信号を出力するブレーキセンサ3
5からの出力に基づいて、制御開始閾値の変更を判断す
るとともに、上記ブレーキセンサ35の故障検出手段4
1からの出力に基づいて制御開始閾値の変更を判断す
る。
【0049】上記故障検出手段41は、車両の従動輪1
1,12の少なくとも一方につき、上記ABS制御が実
行されているときに、上記ブレーキセンサ35からの出
力信号がオフのとき、該ブレーキセンサ35の故障と判
定するとともに、車両のいずれかの車輪につき上記AB
S制御が実行されて当該車輪の車輪速が増減していると
きに、上記ブレーキセンサ35からの出力信号がオフの
ときも、該ブレーキセンサ35の故障と判定し、故障検
出信号を上記閾値変更手段42に与えるとともに、ワー
ニングランプを別途点灯せしめる。
【0050】図4には、上記ブレーキセンサ35の故障
判定の流れが示されている。スタート時にはブレーキセ
ンサ35は正常と判断されている。まず、制御手段34
やブレーキセンサ35の作動状態及び車輪速についての
データが入力され、ABS制御中であって、その制御が
駆動輪に関するものであれば、当該駆動輪の車輪速の増
減があるか否かが判断される(ステップS1〜S4)。
そして、上記車輪速の増減がある場合、ブレーキセンサ
35がオン(ON)か否かが判断され、否ときに当該ブ
レーキセンサ35の故障と判定される(ステップS5,
S6)。また、上記ABS制御が従動輪に関するもので
あれば、車輪速の増減判断を行なうことなく、ブレーキ
センサ35がオンか否かをもってブレーキセンサ35が
正常か故障かが判断される(ステップS3,S5)。
【0051】図5には制御閾値変更制御の流れが示され
ており、ブレーキセンサ35及び故障検出手段41から
のデータが入力され、上記ブレーキセンサ35からの出
力信号がオンのとき、上記開始閾値変更手段42から制
御手段34に、制御開始閾値を高い閾値G1Hから低い閾
値G1Lに変更するよう、制御開始閾値の変更指令が出さ
れる(ステップS11〜S13)。さらに、上記開始閾
値変更手段42は、ブレーキセンサ35の出力がオフで
あっても、上記故障検出手段41によりブレーキセンサ
35の故障が検出されたときには、上記制御手段34
に、制御開始閾値を高い閾値G1Hから低い閾値G1Lに変
更するよう、制御開始閾値の変更指令を出力する(ステ
ップS12,S14,S13)。そして、ブレーキセン
サ35からの出力信号がオフで且つ該ブレーキセンサ3
5の故障が検出されていないときにのみ、制御開始閾値
G1 として高い閾値G1Hが設定される(ステップS1
2,S14,S15)。
【0052】従って、ブレーキペダル26の踏まれて、
そのことがブレーキセンサ35で検出されると、制御開
始閾値が高い値G1Hから低い値G1Lに低下する。よっ
て、そのまま車輪の減速度が大きく(ロックする傾向が
大きく)なっていくときには、比較的小さな減速度であ
ってもABS制御が開始され、車輪のロックないしはス
キッドの発生を速やかに防止することができる。
【0053】一方、上記ブレーキセンサ35が故障した
ときにも、そのことが故障検出手段42によって検出さ
れて制御開始閾値が高い値G1Hから低い値G1Lに低下す
るから、ブレーキペダル26が踏まれたときには、上記
ABS制御に速やかに入ることができることになる。
【0054】<実施例2>本例については図6及び図7
に要部のみが示されており、ABS制御のための制動圧
調節手段及び制御手段34の構成は実施例1と同じであ
る。
【0055】本例は自動変速機16のシフトレバーのポ
ジションに基づいてブレーキセンサ35の故障を検出す
るものである。すなわち、図6に示されているように、
故障検出手段51には、上記ブレーキセンサ35からの
出力信号、上記シフトレバーのポジションを検出するポ
ジションセンサ52からのポジション信号、パーキング
ブレーキの作動を検出するPブレーキセンサ53からの
検出信号、及び従動輪11,12の車輪速センサ37,
38からの車輪速信号が入力される。
【0056】まず、上記故障検出手段52は、上記ポジ
ションセンサ52によりパーキングレンジ(駐車)から
リバースレンジ(後退)へのシフトレバーの切換が検出
されたときに、上記ブレーキセンサ35からの出力信号
がオフであれば、該ブレーキセンサ35の故障と判定す
る。すなわち、シフトロック機構を備えている場合、パ
ーキングレンジからリバースレンジへのシフトが可能で
あったということは、ブレーキペダル26が踏まれてい
たためである。従って、上記シフトの際にブレーキセン
サ35からオン信号が出力されなかったならば、該ブレ
ーキセンサ35が故障していると判定できるものであ
る。
【0057】また、上記故障検出手段52は、上記ポジ
ションセンサ52により検出されるシフトレバーの位置
が走行レンジ、すなわち、ドライブレンジ(前進)又は
リバースレンジに位置し、且つPブレーキセンサ53か
らの検出信号がオフ(パーキングブレーキ非作動)の状
態において、上記車輪速センサ37,38で検出される
車輪速の平均値(車速V)がクリープ速度Vc 未満であ
るときに、上記ブレーキセンサ35からの出力信号がオ
フのとき、該ブレーキセンサ35の故障と判定する。
【0058】すなわち、ドライブレンジ又はリバースレ
ンジにおいては、エンジン15とプロペラシャフト17
との間の動力伝達経路がつながっているため、車輪に制
動圧が付与されていなければ、アクセルペダルが踏まれ
ていなくとも、車両はクリープ現象により走行する。従
って、上記シフト状態において、パーキングブレーキが
非作動の状態であるにも拘らず、車速がクリープ速度未
満であるときは、ブレーキペダル26が踏まれていると
きということができる。かかるときに、上記ブレーキセ
ンサ35からの出力信号がオフのときは、該ブレーキセ
ンサ35が故障していると判定できるものである。
【0059】また、上記故障検出手段52は、上記車輪
速センサ37,38で検出される車速Vが所定値Vo 以
下の低車速(エンジンブレーキがきかないような低車
速)のとき、上記車輪速センサ37,38により検出さ
れる車輪速の減速度GW が所定値GWo(0.2G)以上
のときであって、且つPブレーキセンサ53からの検出
信号がオフの状態において、上記ブレーキセンサ35か
らの出力信号がオフのとき、該ブレーキセンサ35の故
障と判定する。すなわち、エンジンブレーキがきかない
ような低車速では、車輪に制動圧が付与されていない場
合、車両が停止するときの車輪減速度は所定値GWoより
も小さいのが通常である。従って、上記の場合には、上
記ブレーキセンサ35が故障していると判定できるもの
である。
【0060】本例の故障検出の流れは図7に示されてい
る。すなわち、各種データが入力され、ブレーキセンサ
35の出力がオフのとき、パーキングレンジ(P)から
リバースレンジ(R)へのシフトレバーの切換があれ
ば、ブレーキセンサ35は故障していると判定される
(ステップS21〜S24)。上記シフトレバーの切換
がない場合においては、現時点のレンジが判断され、ド
ライブレンジ(D)又はリバースレンジ(R)であれ
ば、そのときのパーキングブレーキ(Pブレーキ)がオ
フであることを確認して車速Vの大きさが判断され、該
車速Vがクリープ速度Vc 未満であれば、ブレーキセン
サ35の故障が判定される(ステップS25〜S27,
S24)。また、上記車速Vがクリープ速度Vc 以上で
あるが、エンジンブレーキがきかないような低車速であ
れば(V<Vo )、そのときの車輪減速度GW が所定値
GWo以上のときに、ブレーキセンサ35の故障が判定さ
れる(ステップS28,S29,S24)。
【0061】<実施例3>本例については図8乃至図1
0に要部のみが示されており、ABS制御のための制動
圧調節手段及び制御手段34の構成は実施例1と同じで
ある。
【0062】本例は、車両の加減速判定とブレーキセン
サ35の出力信号とに基づいてブレーキセンサ35の故
障を検出するものであり、図8に示されているように、
故障検出手段61は、正常異常判定手段63と正常度演
算手段64と故障判定手段65とよりなる。また、上記
車両の加減速判定手段62を別途備えている。
【0063】先に、上記加減速判定手段62について説
明すると、これは、上記車輪速センサ37,38により
検出される従動輪11,12の車輪速の平均値の単位時
間あたりの変化量に基づいて車両が加速状態と減速状態
とのいずれにあるかを判定するものである。すなわち、
上記車輪速の加速度が所定の加速度GWH(例えば1.0
G)を越えた大きい値のときに車両が加速状態にあると
判定され、所定の減速度GWL(例えば−1.0G)未満
のときに車両が減速状態にあると判定される。このよう
に閾値GWH,GWLを定めているのは路面の凹凸による車
輪速の変動によって誤った加減速判定がなされるのを防
止するためである。また、上記加減速判定手段62は、
所定時間内において車輪速の加速と減速とが所定回数以
上繰返されるときは、当該路面を悪路と判定し、上記車
輪速のサンプリング周期を延長することにより、悪路に
よる判定誤差を防止する。
【0064】しかして、上記故障検出手段61の上記正
常異常判定手段63は、上記加減速判定手段62による
判定結果と上記ブレーキセンサ35からの出力信号とを
所定サンプリング周期で入力し、該出力信号が車両加速
時にオフのとき及び車両減速時にオンのときに正常、車
両加速時にオンのとき及び車両減速時にオフのときに異
常と判定する。
【0065】一方、上記正常度演算手段64は、上記正
常異常判定手段63による正常判定に対し得点A=1を
与え、異常判定に対し得点A=0を与え、この順次与え
られる得点Aに指数平滑法を適用して、上記ブレーキセ
ンサの正常度を求める。すなわち、正常度Fk は次式に
基づいて今回の得点に前回の正常度点数Fk-1 を所定の
割合で反映させることにより点数評価されるものであ
る。
【0066】Fk =α×Ak +(1−α)×Fk-1k はサンプリング時点kでの出力(正常度)、Ak
サンプリング時点kでの入力(得点)、Fk-1 は前回の
サンプリング時点k−1での出力(正常度)、αは例え
ば0.2である。
【0067】そして、上記故障判定手段65は、上記ブ
レーキセンサ35の故障を判定するための上記正常度F
k についての上記サンブリング回数(得点付与回数)に
対応する閾値を備えている。この閾値としては、ブレー
キセンサ35の信頼性が高いと判断することができる信
頼判定閾値Sと、ブレーキセンサ35の故障と判断でき
る故障判定閾値NGとがあり、これらについては図9に
示されている。すなわち、信頼判定閾値Sは一定であ
り、故障判定閾値NGは所定サンプリング時点から値が
上記Sの値まで漸次高くなっていく特性を有する。そう
して、上記故障検出手段65においては、上記正常度演
算手段63により求められた正常度Fk と上記閾値S,
NGとに基づいてブレーキセンサ35が信頼できるか、
あるいは故障か否かを判定する。
【0068】図10には上記故障検出の流れが示されて
いる。すなわち、各データが入力され、車両が加速状態
にあれば、ブレーキセンサ35がオフのときA=1、オ
ンのときA=0の得点が与えられる(ステップS31〜
S35)。一方、車両が減速状態であれば、ブレーキセ
ンサ35がオンのときA=1、オフのときA=0の得点
が与えられる(ステップS36〜S39)。そして、ブ
レーキセンサ35の正常度Fk が求められ、Fk >Sで
あればブレーキセンサ35は正常であって信頼できると
判定され、Fk <NGであればブレーキセンサ35の故
障が判定される(ステップS40〜S44)。
【0069】従って、上記故障検出手段62の場合、正
常異常判定手段63による多数の判定結果に基づいてブ
レーキセンサ35の正常度が求められるから、アクセル
ペダルとブレーキペダル26とが同時に踏まれていると
きや、車両が坂道を上っている、あるいは下っていると
きなどように、ブレーキペダル26が踏まれていながら
車両が加速している場合や、ブレーキペダル26が踏ま
れていないのに車両が減速している場合があっても、ブ
レーキセンサ35が故障か否かを高い確率で検出するこ
とができる。さらに、上記正常度については指数平滑法
により求めるようにしているから、上記検出結果の信頼
性が高い。
【0070】なお、上記正常度については、得点Aを単
に積算することによって求めてもよく、あるいは正常判
定と異常判定との各々の回数の比率によって求めて(表
わして)もよい。
【0071】また、上記各実施例は車輪減速度について
の制御開始閾値の変更に関するが、本発明が車輪のスリ
ップ率についての制御開始閾値を備えたABSにも適用
できることはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のアンチスキッドブレーキ装置の全体
構成図
【図2】スリップ率と摩擦係数、横抗力係数との関係を
示す特性図
【図3】ABS制御のタイムチャート図
【図4】実施例1のブレーキセンサ故障検出のフロー図
【図5】制御開始閾値の変更処理のフロー図
【図6】実施例2の構成を示すブロック図
【図7】実施例2のブレーキセンサ故障検出のフロー図
【図8】実施例3の構成を示すブロック図
【図9】ブレーキセンサの故障判定を行なうためのマッ
プ図
【図10】実施例3のブレーキセンサ故障検出のフロー
【符号の説明】
11〜14……車輪 21〜24……ブレーキ装置 26……ブレーキペダル 30,31,33……バルブユニット(制動圧調節手
段) 34……制御手段 35……ブレーキセンサ 37〜40……車輪速センサ 41,51,61……故障検出手段 42……開始閾値変更手段 62……加減速判定手段 63……正常異常判定手段 64……正常度演算手段 65……故障判定手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−22551(JP,A) 特開 昭63−57360(JP,A) 特開 平3−67767(JP,A) 特開 昭63−275463(JP,A) 特開 昭63−275464(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60T 8/92

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両の車輪速を検出する車輪速検出手段
    と、車輪の制動圧を調節する制動圧調節手段と、上記車
    輪速検出手段によって検出される車輪速に基づき該車輪
    の減速度若しくはスリップ率が所定の閾値を越えて大き
    くなったときに、該車輪が目標とする減速度で減速する
    よう若しくは目標とするスリップ率で減速するように、
    上記制動圧調節手段の作動の制御を開始する制御手段と
    を備えた車両のアンチスキッドブレーキ装置であって、 ブレーキペダルの踏込作動を検出してオン信号を出力す
    るブレーキセンサと、 上記ブレーキセンサの故障を検出する故障検出手段と、 上記故障検出手段により上記ブレーキセンサの故障が検
    出されていないときは上記ブレーキセンサにより上記オ
    ン信号が出力されていないときの上記閾値を上記オン信
    号が出力されている時の当該閾値に比べて高い値に設定
    し、上記故障検出手段により上記ブレーキセンサの故障
    が検出されたときは上記閾値を上記ブレーキセンサの故
    障が検出されていないときにおける上記オン信号が出力
    されていないときの当該閾値に比べて低い値に設定する
    閾値変更変更手段とを備えていることを特徴とする車両
    のアンチスキッドブレーキ装置。
  2. 【請求項2】上記故障検出手段は、車両の従動輪につき
    上記制御手段による上記制動圧調節手段の制御が実行さ
    れているときに、上記ブレーキセンサからの出力信号が
    オフのとき、該ブレーキセンサを故障と判定する請求項
    1に記載の車両のアンチスキッドブレーキ装置。
  3. 【請求項3】上記故障検出手段は、車両のいずれかの車
    輪につき上記制御手段による上記制動圧調節手段の制御
    が実行されて当該車輪の車輪速が増減しているときに、
    上記ブレーキセンサからの出力信号がオフのとき、該ブ
    レーキセンサを故障と判定する請求項1に記載の車両の
    アンチスキッドブレーキ装置。
  4. 【請求項4】車両が自動変速機を備え、該自動変速機
    に、ブレーキペダルが踏まれていないときにパーキング
    レンジからリバースレンジへのシフトレバーのシフトを
    禁止するシフトロック機構が設けられていて、 上記故障検出手段は、上記自動変速機のシフトレバーが
    パーキングレンジからリバースレンジに切り換えられた
    ときに、上記ブレーキセンサからの出力信号がオフのと
    き、該ブレーキセンサを故障と判定する請求項1に記載
    の車両のアンチスキッドブレーキ装置。
  5. 【請求項5】車両が自動変速機を備え、 上記故障検出手段は、上記自動変速機のシフトレバーが
    ドライブレンジ又はリバースレンジに位置し且つパーキ
    ングブレーキが非作動の状態において車速がクリープ速
    度未満であるときに、上記ブレーキセンサからの出力信
    号がオフのとき、該ブレーキセンサを故障と判定する請
    求項1に記載の車両のアンチスキッドブレーキ装置。
  6. 【請求項6】上記故障検出手段は、所定車速以下の低車
    速において上記車輪速検出手段により検出される車輪速
    の減速度が所定値以上であって且つパーキングブレーキ
    が非作動の状態にあるときに、上記ブレーキセンサから
    の出力信号がオフのとき、該ブレーキセンサを故障と判
    定する請求項1に記載の車両のアンチスキッドブレーキ
    装置。
  7. 【請求項7】上記故障検出手段は、上記ブレーキセンサ
    によりブレーキペダルの踏込とその解除との繰返しが所
    定時間内に所定数以上検出されるときに、該ブレーキセ
    ンサを故障と判定する請求項1に記載の車両のアンチス
    キッドブレーキ装置。
  8. 【請求項8】上記車輪速検出手段により検出される車輪
    速に基づいて車両が加速状態と減速状態とのいずれにあ
    るかを判定する加減速判定手段を備え、 上記故障検出手段は、上記加減速判定手段による判定結
    果と上記ブレーキセンサからの出力信号とを所定サンプ
    リング周期で入力し、該出力信号が車両加速時にオフの
    とき及び車両減速時にオンのときに正常、車両加速時に
    オンのとき及び車両減速時にオフのときに異常と判定す
    る判定手段と、該判定手段による正常判定と異常判定と
    に異なる得点を与え、この順次与えられる得点の推移に
    基づいて上記ブレーキセンサの正常度を求める正常度演
    算手段と、上記ブレーキセンサの故障を判定するための
    上記正常度についての上記得点の付与回数に対応する閾
    値を備え上記正常度演算手段により求められた正常度と
    上記閾値とに基づいてブレーキセンサが故障か否かを判
    定する故障判定手段とを備えてなる請求項1に記載の車
    両のアンチスキッドブレーキ装置。
  9. 【請求項9】上記正常度演算手段は、今回の得点に前回
    の正常度を所定の割合で反映させる指数平滑法により、
    ブレーキセンサの正常度を求める請求項8に記載の車両
    のアンチスキッドブレーキ装置。
  10. 【請求項10】上記加減速判定手段は、上記車輪速検出
    手段により求められる車輪速に基づき、該車輪速の加速
    度が所定の加速度を越えた大きい値のときに車両の加速
    状態と判定し、該車輪速の減速度が所定の減速度を越え
    た大きい値のときに車両の減速状態と判定する請求項8
    に記載の車両のアンチスキッドブレーキ装置。
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