JP3154600B2 - 新規ステロール誘導体 - Google Patents

新規ステロール誘導体

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JP3154600B2 JP25348893A JP25348893A JP3154600B2 JP 3154600 B2 JP3154600 B2 JP 3154600B2 JP 25348893 A JP25348893 A JP 25348893A JP 25348893 A JP25348893 A JP 25348893A JP 3154600 B2 JP3154600 B2 JP 3154600B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なフコステロール
誘導体及びイソフコステロール誘導体に関し、さらに、
これらの誘導体からなる抗体産生抑制剤、並びにこの抗
体産生抑制剤を含有するアトピー性皮膚炎用外用剤に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、アトピー性皮膚炎患者は急増して
おり、皮膚科へかかる患者中のアトピー性皮膚炎患者数
は半数を超え、主たる皮膚病の一つになっている。アト
ピー性皮膚炎は、通常の抗原に対しIgE抗体を産生し
やすい遺伝的素因により引き起こされるアトピー性疾患
の一つであり、乳児期から発症し、加齢と共に慢性的に
経過し、多くは思春期前に軽快する。完成した病巣は苔
癬化が著明であり、掻痒は常に著しく、しばしば発作的
であり、他のアトピー性疾患と一定の関連を持って憎
悪、軽快を繰り返すというものである。
【0003】このようなアトピー性皮膚炎の発症機序に
は、明らかにされていない部分が多く、他の皮膚疾患と
の識別にもいまだ問題があり、治療方法はいまだ確立さ
れていないが、従来より、副腎皮質ホルモン剤の外用、
抗ヒスタミン剤、化学伝達物質遊離抑制剤の内服などの
方法、また、卵、牛乳、大豆等を除く食事療法等が試み
られてきた。
【0004】しかし、上記薬剤を成長期の子どもに、し
かも長期間にわたって使用することは、副作用の点で問
題があり、食事療法では、完全にアレルギー源を除くこ
とは困難であると同時に、精神的負担も大きいという問
題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記観点か
らなされたものであり、アトピー性皮膚炎等の原因とな
る抗体の産生を十分に抑制し、かつ安全性の高い抗体産
生抑制剤を提供すると共に、この抗体産生抑制剤を配合
することで、安全性が高く、十分な薬効を有するアトピ
ー性皮膚炎用外用剤を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために鋭意研究を重ねた結果、フコステロール
又はイソフコステロールと、炭素数が奇数の高級脂肪酸
とのエステルである新規化合物が、優れた抗体産生抑制
作用を有し、且つ安全性も高く、アトピー性皮膚炎に有
効であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち本発明は、化3で表されるフコス
テロールと、炭素数が奇数の高級脂肪酸とのエステルで
あるフコステロール誘導体、及び化4で表されるイソフ
コステロールと、炭素数が奇数の高級脂肪酸とのエステ
ルであるイソフコステロール誘導体である。さらに本発
明は、これらのフコステロール誘導体またはイソフコス
テロール誘導体からなる抗体産生抑制剤、並びにこれら
の抗体産生抑制剤の少なくとも1種を皮膚外用剤全量に
対して0.1〜10重量%含有するアトピー性皮膚炎用
外用剤である。
【0008】
【化3】
【0009】
【化4】
【0010】以下、本発明を詳細に説明する。
【0011】<1>本発明のフコステロール誘導体、イ
ソフコステロール誘導体、及び抗体産生抑制剤 本発明のフコステロール誘導体は、上記化3で表される
フコステロールと、炭素数が奇数の高級脂肪酸とのエス
テルである。また、本発明のイソフコステロール誘導体
は、上記化4で表されるイソフコステロールと、炭素数
が奇数の高級脂肪酸とのエステルである。これらはいず
れも新規な化合物である。
【0012】本発明に用いるフコステロール、イソフコ
ステロールは共に、昆布、ワカメ等の褐藻類の不ケン化
物中に含まれるステロールであり、これらから精製して
用いることができるが、市販されているものを使用する
ことができる。
【0013】次に、炭素数が奇数の高級脂肪酸として
は、例えば、炭素数が13のトリデカン酸、15のペン
タデカン酸、17のヘプタデカン酸、19のノナデカン
酸、21のヘンエイコサン酸、23のトリコサン酸等が
挙げられるが、本発明においては、ペンタデカン酸、ヘ
プタデカン酸、ノナデカン酸、ヘンエイコサン酸が好ま
しく用いられる。これらは、全て市販されているので、
本発明の原料としてこれらの市販品を用いることができ
る。
【0014】上記フコステロール又はイソフコステロー
ルと上記炭素数が奇数の高級脂肪酸とは、通常のカルボ
ン酸とアルコールの反応と同様に反応してエステルを作
る。上記エステルの製造方法の一例を化5の反応式を用
いて以下に説明する。
【0015】
【化5】
【0016】ただし、化5中nは、偶数を表す。まず、
炭素数が奇数の高級脂肪酸(化5中(1))を、クロロ
ホルム中で塩化チオニルと反応させ酸塩化物(化5中
(2))とする。これとフコステロール又はイソフコス
テロール(化5中(3))をジメチルホルムアミド(D
MF)中、水素化ナトリウムの存在下で反応させて炭素
数が奇数の高級脂肪酸のフコステロール又はイソフコス
テロールエステル(化5中(4))を得る。これを、シ
リカゲルカラムクロマトグラフィーなど通常の方法で精
製する。こうして得られたエステルは、概ね淡黄色の粘
稠性液体から固体であり、水には難溶であるが、ベンゼ
ン、クロロホルムなどの有機溶媒に可溶である。
【0017】この様にして得られる本発明のフコステロ
ール誘導体及びイソフコステロールの誘導体は、共に抗
体産生を抑制する作用を有する抗体産生抑制剤である。
【0018】<2>本発明のアトピー性皮膚炎用外用剤 本発明のアトピー性皮膚炎用外用剤は、上記抗体産生抑
制剤を外用剤全量に対して0.1〜10重量%配合した
ものである。配合量が0.1重量%未満であると抗体産
生抑制作用は十分でない。また、配合量が10重量%を
越えてもそれ以上の効果の増強は期待できず経済的でな
い。
【0019】本発明の皮膚外用剤の剤型は特に限定され
るものではないが、例えば、軟膏、クリーム、乳液、ロ
ーション、パック、浴用剤等の通常皮膚外用剤として用
いているものが挙げられる。
【0020】また、本発明の皮膚外用剤には、上記抗体
産生抑制剤の他に、皮膚外用剤に一般に用いられている
各種成分、すなわち、水性成分、油性成分、粉末成分、
界面活性剤、保湿剤、増粘剤、色剤、香料、防腐剤、抗
酸化剤、pH調整剤、キレート剤、あるいは紫外線防御
剤、抗炎症剤、ホルモン類、核酸類、各種ビタミン等を
配合することができる。
【0021】
【実施例】以下に、本発明の実施例を説明する。はじめ
に、本発明のフコステロール誘導体及びイソフコステロ
ール誘導体及びこれらの誘導体からなる抗体産生抑制剤
の実施例を説明する。
【0022】
【実施例1】 ペンタデカン酸フコステロール クロロホルム100mlに1.2gのペンタデカン酸を
溶解させ、これに氷冷しながら1mlの塩化チオニルを
滴下し、氷冷下1時間撹拌した後、減圧濃縮して反応濃
縮物を得た。100mlのジメチルホルムアミドに2g
のフコステロールを溶解させ、これに0.2gの水素化
ナトリウムを加え、更に10mlのジメチルホルムアミ
ドに前記反応濃縮物を溶解させたものを加え、12時間
反応させた後、減圧濃縮した。得られた濃縮物を、シカ
ゲルカラムクロマトグラフィーでベンゼン:ヘキサン=
1:1の溶出溶媒を用いて精製し、1.1gのペンタデ
カン酸フコステロールを収率35.6%で得た。このよ
うにして得られたペンタデカン酸フコステロールのIR
とNMRの測定結果を以下に示す。
【0023】 IR : 1730cm-1 (カルボニル基) NMR(δppm CDCl3) 0.69(s,3H) 0.86−1.60(m,57H) 1.80−2.30(m,13H) 4.40−4.60(m,1H) 5.14−5.22(m,1H) 5.38(bs,1H) 上記のようにして得られたフコステロール誘導体を、そ
のまま抗体産生抑制剤とした。
【0024】
【実施例2】 ヘプタデカン酸フコステロール クロロホルム100mlに1.4gのヘプタデカン酸を
溶解させ、これに氷冷しながら1mlの塩化チオニルを
滴下し、氷冷下1時間撹拌した後、減圧濃縮して反応濃
縮物を得た。100mlのジメチルホルムアミドに2g
のフコステロールを溶解させ、これに0.2gの水素化
ナトリウムを加え、更に10mlのジメチルホルムアミ
ドに前記反応濃縮物を溶解させたものを加え、12時間
反応させた後、減圧濃縮した。得られた濃縮物を、シカ
ゲルカラムクロマトグラフィーでベンゼン:ヘキサン=
1:1の溶出溶媒を用いて精製し、1.7gのヘプタデ
カン酸フコステロールを収率52.7%で得た。このよ
うにして得られたヘプタデカン酸フコステロールのIR
とNMRの測定結果を以下に示す。
【0025】IR(KBr錠剤法) : 1730cm
-1 (カルボニル基) NMR(δppm CDCl3) 0.69(s,3H) 0.87−2.31(m,74H) 4.40−4.60(m,1H) 5.15−5.22(m,1H) 5.38(bs,1H) 上記のようにして得られたフコステロール誘導体を、そ
のまま抗体産生抑制剤とした。
【0026】
【実施例3】 ノナデカン酸フコステロール クロロホルム100mlに1.5gのノナデカン酸を溶
解させ、これに氷冷しながら1mlの塩化チオニルを滴
下し、氷冷下1時間撹拌した後、減圧濃縮して反応濃縮
物を得た。100mlのジメチルホルムアミドに2gの
フコステロールを溶解させ、これに0.2gの水素化ナ
トリウムを加え、更に10mlのジメチルホルムアミド
に前記反応濃縮物を溶解させたものを加え、12時間反
応させた後、減圧濃縮した。得られた濃縮物を、シカゲ
ルカラムクロマトグラフィーでベンゼン:ヘキサン=
1:1の溶出溶媒を用いて精製し、0.4gのノナデカ
ン酸フコステロールを収率12.0%で得た。このよう
にして得られたノナデカン酸フコステロールのIRとN
MRの測定結果を以下に示す。
【0027】 IR : 1730cm-1 (カルボニル基) NMR(δppm CDCl3) 0.69(s,3H) 0.86−2.33(m,78H) 4.42−4.61(m,1H) 5.15−5.23(m,1H) 5.40(bs,1H) 上記のようにして得られたフコステロール誘導体を、そ
のまま抗体産生抑制剤とした。
【0028】
【実施例4】 ヘンエイコサン酸フコステロール クロロホルム100mlに1.7gのヘンエイコサン酸
を溶解させ、これに氷冷しながら1mlの塩化チオニル
を滴下し、氷冷下1時間撹拌した後、減圧濃縮して反応
濃縮物を得た。100mlのジメチルホルムアミドに2
gのフコステロールを溶解させ、これに0.2gの水素
化ナトリウムを加え、更に10mlのジメチルホルムア
ミドに前記反応濃縮物を溶解させたものを加え、12時
間反応させた後、減圧濃縮した。得られた濃縮物を、シ
カゲルカラムクロマトグラフィーでベンゼン:ヘキサン
=1:1の溶出溶媒を用いて精製し、2.1gのヘンエ
イコサン酸フコステロールを収率58.5%で得た。こ
のようにして得られたヘンエイコサン酸フコステロール
のIRとNMRの測定結果を以下に示す。
【0029】 IR : 1730cm-1 (カルボニル基) NMR(δppm CDCl3) 0.70(s,3H) 0.86−2.33(m,82H) 4.39−4.60(m,1H) 5.14−5.24(m,1H) 5.39(bs,1H) 上記のようにして得られたフコステロール誘導体を、そ
のまま抗体産生抑制剤とした。
【0030】
【実施例5】 ペンタデカン酸イソフコステロール フコステロールの代わりにイソフコステロールを用いた
他は、実施例1と全く同じ方法で反応、精製を行い、
1.6gのペンタデカン酸イソフコステロールを収率5
0.4%で得た。得られたペンタデカン酸イソフコステ
ロールのIRとNMRの測定結果を以下に示す。
【0031】 IR : 1730cm-1 (カルボニル基) NMR(δppm CDCl3) 0.70(s,3H) 0.91−2.33(m,70H) 4.43−4.62(m,1H) 5.21−5.31(m,1H) 5.35−5.39(bs,1H) 上記のようにして得られたイソフコステロール誘導体
を、そのまま抗体産生抑制剤とした。
【0032】
【実施例6】 ヘプタデカン酸イソフコステロール フコステロールの代わりにイソフコステロールを用いた
他は、実施例2と全く同じ方法で反応、精製を行い、
1.4gのヘプタデカン酸イソフコステロールを収率4
2.0%で得た。得られたヘプタデカン酸イソフコステ
ロールのIRとNMRの測定結果を以下に示す。
【0033】 IR : 1730cm-1 (カルボニル基) NMR(δppm CDCl3) 0.71(s,3H) 0.92−2.33(m,74H) 4.43−4.63(m,1H) 5.18−5.26(m,1H) 5.36−5.41(bs,1H) 上記のようにして得られたイソフコステロール誘導体
を、そのまま抗体産生抑制剤とした。
【0034】
【実施例7】 ノナデカン酸イソフコステロール フコステロールの代わりにイソフコステロールを用いた
他は、実施例3と全く同じ方法で反応、精製を行い、
0.9gのノナデカン酸イソフコステロールを収率2
6.0%で得た。得られたノナデカン酸イソフコステロ
ールのIRとNMRの測定結果を以下に示す。
【0035】 IR : 1730cm-1 (カルボニル基) NMR(δppm CDCl3) 0.68(s,3H) 0.88−2.34(m,78H) 4.38−4.59(m,1H) 5.13−5.25(m,1H) 5.38(bs,1H) 上記のようにして得られたイソフコステロール誘導体
を、そのまま抗体産生抑制剤とした。
【0036】
【実施例8】 ヘンエイコサン酸イソフコステロール フコステロールの代わりにイソフコステロールを用いた
他は、実施例4と全く同じ方法で反応、精製を行い、
1.2gのヘンエイコサン酸イソフコステロールを収率
34.0%で得た。得られたヘンエイコサン酸イソフコ
ステロールのIRとNMRの測定結果を以下に示す。
【0037】 IR : 1730cm-1 (カルボニル基) NMR(δppm CDCl3) 0.69(s,3H) 0.85−2.35(m,82H) 4.38−4.59(m,1H) 5.14−5.24(m,1H) 5.40(bs,1H) 上記のようにして得られたイソフコステロール誘導体
を、そのまま抗体産生抑制剤とした。
【0038】<本発明の抗体産生抑制剤の評価>上記で
得られた各実施例の抗体産生抑制剤について、抗体産生
抑制作用の評価試験及び急性毒性試験を行った。
【0039】(1)抗体産生抑制作用 抗体産生抑制作用の評価は、ジェルン(Jern)らが
開発した溶血プラーク法(Science,140,4
05,1963)に従って、脾細胞の抗体産生細胞数を
測定することにより、以下の通り行った。
【0040】1群6匹づつの5週齢ddy系雄マウス5
群のうち1群(コントロール群)には、1%ツィーン8
0生理食塩水のみを、他の各群には上記実施例2、4、
6、8をそれぞれ1%ツィーン80生理食塩水に5g/
ml含有する懸濁液を、1匹あたり0.5mlづつ腹腔
内投与した。その後、全マウスに4 × 108個/ml
のSRBC(羊赤血球)を0.25mlづつ投与し、感
作させた。感作後1日目、2日目、3日目の計3回、感
作前に投与したものと同じ1%ツィーン80生理食塩水
あるいは実施例2、4、6、8を5g/ml含有する1
%ツィーン80生理食塩水の懸濁液を、マウスにそれぞ
れ腹腔内投与した。
【0041】各試験液の腹腔内投与終了の翌日、各群の
マウスの脾臓を摘出し、脾細胞中の抗体産生細胞をジェ
ルンらの方法に準じて検出した。この方法では、抗体産
生能は、マウス1匹の脾臓あたりの抗体産生細胞数で表
される。また、抗体産生抑制率は、コントロール群の抗
体産生能から実施例の抗体産生抑制剤投与群の抗体産生
能を引いた値をコントロール群の抗体産生能で除した値
に100をかけた値として表される。今回の評価では、
抗体産生抑制率の計算に際し、コントロール群、投与群
の抗体産生能には、各群の6匹のマウスの平均値を用い
た。結果を表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】(2)急性毒性試験 体重25〜30gの5週齢ICR雄マウスに、0.1%
カルボキシメチルセルロース水溶液に上記実施例1〜8
で得られた抗体産生抑制剤を懸濁させた試料を、それぞ
れ抗体産生抑制剤の量として、体重1kgあたり、50
0mg、1000mg、2000mgの割合で経口投与
し、投与14日後に生死を判定した。実施例1〜8のい
ずれの抗体産生抑制剤においても、最高投与量の200
0mg/kgでも死亡例を認めなかった。
【0044】上記各評価試験の結果から明らかなよう
に、本発明の抗体産生抑制剤は、優れた抗体産生抑制作
用を有するとともに、安全性も非常に高い。次に、上記
実施例で得られた抗体産生抑制剤を含有するアトピー性
皮膚炎用外用剤の実施例を説明する。なお、以下に用い
る配合量は全て重量部である。
【0045】
【実施例9〜16】 水中油型クリーム 表2のA成分を80℃に加熱溶解し、これに同じ温度で
加熱溶解したB成分を加え乳化した後、撹拌しながら冷
却し水中油型クリームを製造した。
【0046】
【表2】
【0047】
【実施例17】 乳液 表3のA成分を80℃に加熱溶解し、これに同じ温度で
加熱溶解したB成分を添加後、やはり80℃に加熱溶解
したC成分を加えて粗乳化した。これをホモミキサーで
均一に乳化した後、撹拌しながら冷却して乳液を製造し
た。
【0048】
【表3】
【0049】
【実施例18】 化粧水 表4の成分を80℃に加熱溶解した後、撹拌しながら冷
却して化粧水を製造した。
【0050】
【表4】
【0051】
【実施例19】 クリーム 表5中のA、B成分をそれぞれ80℃に加熱溶解し、撹
拌しながらA成分にB成分を加えた後、撹拌冷却してク
リームを得た。同様にして本発明の抗体産生抑制剤を含
まない比較例のクリームを製造した。
【0052】
【表5】
【0053】<本発明のアトピー性皮膚炎用外用剤の評
価>上記実施例19のクリーム及び比較例1のクリーム
について、アトピー性皮膚炎の症状改善に関する評価を
行った。評価は、20名のアトピー性皮膚炎をもつ被験
者に、上記クリームを、それぞれ連日使用で1ヶ月づつ
使用してもらい、使用後のアトピー性皮膚炎症状の改善
度を見ることにより行った。結果は、人数として表し、
表5の最下欄に示した。
【0054】この結果から明らかなように、本発明のア
トピー性皮膚炎用外用剤は、本発明の抗体産生抑制剤を
含まない皮膚外用剤に比べて、アトピー性皮膚炎の治療
効果に優れている。
【0055】
【発明の効果】本発明の抗体産生抑制剤は、アトピー性
皮膚炎等の原因となる抗体の産生を十分に抑制し、かつ
安全性が高い。また、本発明のアトピー性皮膚炎用外用
剤は、前記抗体産生抑制剤を配合することで、十分な薬
効を有するとともに、安全性の点でも優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI A61P 37/02 A61P 37/02 37/08 37/08 (72)発明者 廣瀬 卓 神奈川県横浜市神奈川区高島台27番地1 ポーラ化成工業株式会社横浜研究所内 (72)発明者 村松 宣江 神奈川県横浜市神奈川区高島台27番地1 ポーラ化成工業株式会社横浜研究所内 (72)発明者 平井 義和 神奈川県横浜市神奈川区高島台27番地1 ポーラ化成工業株式会社横浜研究所内 (72)発明者 稲岡 靖規 神奈川県横浜市戸塚区柏尾町560ポーラ 化成工業株式会社中央研究所内 (72)発明者 福田 寿之 神奈川県横浜市戸塚区柏尾町560ポーラ 化成工業株式会社中央研究所内 (72)発明者 八木 正喜 神奈川県横浜市戸塚区柏尾町560ポーラ 化成工業株式会社中央研究所内 (72)発明者 鹿島 稔 茨城県つくば市春日2−17−1 (72)発明者 辻 邦郎 静岡県静岡市池田1375番地11 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07J 9/00 A61K 7/00 A61K 7/48 A61K 31/575 CA(STN)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化1で表されるフコステロールと、炭素
    数が奇数の高級脂肪酸とのエステルであるフコステロー
    ル誘導体。 【化1】
  2. 【請求項2】 前記高級脂肪酸が、ペンタデカン酸、ヘ
    プタデカン酸、ノナデカン酸、ヘンエイコサン酸から選
    ばれることを特徴とする請求項1記載のフコステロール
    誘導体。
  3. 【請求項3】 化2で表されるイソフコステロールと、
    炭素数が奇数の高級脂肪酸とのエステルからなるイソフ
    コステロール誘導体。 【化2】
  4. 【請求項4】 前記高級脂肪酸が、ペンタデカン酸、ヘ
    プタデカン酸、ノナデカン酸、ヘンエイコサン酸から選
    ばれることを特徴とする請求項3記載のイソフコステロ
    ール誘導体。
  5. 【請求項5】 請求項1又は2記載のフコステロール誘
    導体からなる抗体産生抑制剤。
  6. 【請求項6】 請求項3又は4記載のイソフコステロー
    ル誘導体からなる抗体産生抑制剤。
  7. 【請求項7】 請求項5又は6記載の抗体産生抑制剤の
    少なくとも1種を、外用剤全量に対して0.1〜10重
    量%含有するアトピー性皮膚炎用外用剤。
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