JP3154562B2 - 溶菌酵素固定化用多孔質磁器の製造方法 - Google Patents

溶菌酵素固定化用多孔質磁器の製造方法

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淳一 徳本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶菌酵素の担持等に用
いられる溶菌酵素固定化用多孔質磁器の製造方法に関す
る。本発明は、食品製造業、醸造業、医薬品製造業等に
おいて利用される。
【0002】
【従来の技術】溶菌酵素等の酵素担体として多孔質磁器
を利用する場合には、その平均孔径が1〜5μmである
ことが望ましい。その理由は、基質である細菌又は酵母
の大きさが0.2〜3μm程度であるため、溶菌酵素が
基質に作用する場合、この平均孔径(1〜5μm)で最
も溶菌効率が高くなるからである。そして、この様な多
孔質磁器を得るために、粒子径が5〜15μm程度のセ
ラミック一次粒子が用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、粒子径が5〜
15μmの一次粒子を焼成し、焼結体を得るには非常に
高い焼成温度(1700℃以上)を必要とするため、コ
ストの面で大きな問題が生じる。また、この様に、製造
した多孔質磁器では、所望の比表面積(0.7m2 /g
以上)が得られず、溶菌酵素の担持効率が低くなる。更
に、多孔質磁器を溶菌酵素の担体として用いる場合に、
0.3μm以下の細孔(特にインク壺的な細孔)が多く
存在すると、細孔内に溶菌酵素が入り難くなったり、細
孔内での拡散が支配的となり反応生成物が細孔外へ出難
くなったりして、溶菌酵素の菌体溶解率が下がるといっ
た問題がある。
【0004】本発明は、上記問題点を解決するものであ
り、比較的低温で経済的に焼成でき、且つ、溶菌酵素の
担持効率と菌体溶解率に優れた溶菌酵素固定化用多孔質
磁器を製造する方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本第1発明の溶菌酵素固
定化用多孔質磁器(以下、「多孔質磁器」という。)の
製造方法は、セラミック原料を含有する練土状物を成形
後、焼成することにより、溶菌酵素固定化用多孔質磁器
を製造する方法において、上記セラミック原料としてセ
ラミック一次粒子を凝集させたセラミック二次粒子を用
いて、平均孔径を1〜5μm、孔径が0.3μm以下の
細孔量を全細孔容積の1%以下、比表面積を0.7m2
/g以上とする多孔質磁器を製造することを特徴とす
る。
【0006】上記「練土状物」とは、例えば、所定のセ
ラミック原料を、メチルセルロース、ポリアクリルアミ
ド、ポリスチレン、ポリプロピレン等の結合剤、水、グ
リセリン、オレイン酸等と共に混練して調製した坏土等
をいう。上記「セラミック二次粒子」は、セラミック一
次粒子が、互いに結合、凝集して見掛け上大きな粒子に
なっている粒子の状態をいい、具体的には、アルミナ、
チタニア、シリカ、チタニア−アルミナ、ジルコニア等
の二次粒子を挙げることができる。尚、この二次粒子
は、通常、一次粒子を1100〜1200℃程度の温度
で仮焼して製造される。上記「平均孔径」とは、細孔の
形を仮定し、細孔容積Vと比表面積Sから求めることが
できる。例えば円筒状細孔の場合では、平均孔径rはr
=4V/Sとなり、水銀圧入法では細孔を円筒であると
仮定している。
【0007】また、上記の如く、細孔量を定めるのは、
0.3μm以下の細孔が多く存在すると、細孔内に溶菌
酵素が入り難くなったり、反応生成物が細孔外へ出難く
なったりして、溶菌酵素の菌体溶解率が下がる反面、こ
の様な細孔を皆無にすることは困難であると共に、1%
程度存在しても溶菌酵素の菌体溶解率はさほど低下しな
いからである。尚、この細孔量の測定に際しては、上記
平均孔径を求めた方法が利用できる。また、この「1%
以下」には、「0%」の場合、即ち、0.3μm以下の
細孔が全く存在しない場合も含まれる。更に、上記の如
く、比表面積を0.7m2 /g以上とするのは、溶菌酵
素の担持量の増加を図るためである。尚、この比表面積
の値は、Brunauer, EmmettとTellerにより提案されたガ
スの物理的吸着を利用して表面積を求める方法(以下、
「BET法」という。)を用いて定められる。具体的に
は、以下に述べる式が用いられる。 V/Vm =cx/〔(1−x)(1−x+cx)〕 但
し、x=P/Ps ここで、上式の「V」は「吸着ガス量」、「Vm 」は
「単分子膜容量(試料表面に単分子膜を形成するのに要
するガス量)」、「c」は「系によって定まるパラメー
タ」、「x」は「吸着温度での飽和水蒸気に対する吸着
分子の相対圧」をそれぞれ示す。
【0008】また、本第2発明に示す様に、上記セラミ
ック原料の一次粒子の平均粒子径を0.2〜0.5μ
m、二次粒子の平均粒子径を5〜10μmとし、上記焼
成温度を1300〜1600℃とするのが好ましい。こ
の様なセラミック原料と焼成温度を選択することによ
り、目的とする平均孔径、細孔量及び比表面積を有する
多孔質磁器を製造することが、一層容易になるからであ
る。尚、この場合に、上記の様な焼成温度とするのは、
1300℃未満の低い焼成温度では、上記の様なセラミ
ック原料を用いたとしても目的とする平均孔径(1〜5
μm)及び細孔量を有する多孔質磁器は得難く、一方、
1600℃を越える温度で焼成した場合には、所望の比
表面積(0.7m2 /g以上)の多孔質磁器を得るのが
困難だからである。
【0009】
【作用】5〜15μm程度のセラミック一次粒子からな
るセラミック原料を、比較的低温(1350〜1600
℃)で焼成した場合には、所望の比表面積(0.7m2
/g以上)は得られるものの、多孔質磁器の平均孔径を
1〜5μm程度とすることが困難となる。一方、かかる
セラミック原料を、比較的高温(1700℃以上)にて
焼成する場合には、多孔質磁器の平均孔径を1〜5μm
程度とすることができるものの、所望の比表面積は得ら
れない。
【0010】本発明では、セラミック原料としてセラミ
ック一次粒子を凝集させたセラミック二次粒子を用い
る。かかる二次粒子は高い焼結活性を有し、比較的低温
度で2次粒子相互の融着による強い結合を生み出す。こ
の為、多孔質磁器の平均孔径を比較的低温にて1〜5μ
mとするのが容易である。また、本発明で使用する二次
粒子はそれ自身がある程度多孔質であるため、焼結体の
比表面積向上(0.7m2 /g以上)に寄与し、これに
伴い溶菌酵素の担持量を確保できる。この様に、本発明
によれば、所望の孔径と比表面積を容易に確保すること
ができる。更に、0.3μm以下の細孔量を低く抑える
ことにより、孔内の溶菌酵素が、細菌、酵母等の基質に
対して有効に作用する。
【0011】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。 (1)試験片の作製 先ず、表1(実施例1〜6)及び表2(比較例1〜7)
に示す様なアルミナ粉体を用意した。
【0012】
【表1】
【0013】
【表2】
【0014】尚、各表中の実施例1〜6及び比較例4〜
7に示すアルミナ粉体は、各表中に示す粒子径(平均粒
径)を有するアルミナ一次粒子を凝集させ、同表中に示
す粒子径(平均粒径)を有するアルミナ二次粒子として
市販されているもの(商品名「CAH−3020」、住
友化学株式会社製)である。尚、実施例1〜4のアルミ
ナ二次粒子の比表面積は、3.5m2 /g(上記BET
法による。)、実施例5、6の同比表面積は2.2m2
/gである。一方、比較例1〜3に示すアルミナ粉体
は、各表中に示す粒子径(平均粒径)を有するアルミナ
一次粒子をそのままの状態で(二次粒子とせずに)用い
たものである。
【0015】次いで、上記各アルミナ粉体100重量部
とメチルセルロース10重量部をニーダーで15分間混
合した後、更に加圧ニーダー(商品名「加圧ニーダ
ー」、森山製作所製)で30分間混練した。そして、こ
れらを冷蔵庫(庫内温度4〜5℃、庫内湿度30%)の
中に1週間静置し、実施例1〜6及び比較例1〜7の坏
土を得た。この様にして得られた各坏土を押出成形機
(商品名「DE−50」、本田鉄工株式会社製)を用
い、300cm/分の成形速度にて、ロッド状(外径;
6mmφ)とした後、切断機により10mmの長さに切
断して成形体を得た。尚、ロッドの代わりに、円筒状
(内径;5mmφ、外径;10mmφ)とすることもで
きる。
【0016】次いで、これらの各成形体を表1及び2に
示す各焼成温度にて、焼成し、実施例1〜6及び比較例
1〜7に係わる多孔質磁器を得た。更に、各多孔質磁器
を濃塩酸(濃度;30%)中で1時間酸化処理した後、
γ−アミノプロピルトリエトキシシランの10%アセト
ン溶液に浸し、一昼夜かけシラン化した。そして、これ
らを1時間、自然乾燥した後、グルタルアルデヒドの
0.5%リン酸緩衝液(pH=7.0、グルタルアルデ
ヒドを0.05モル/lのリン酸溶液に溶解して調製)
を用い、3時間かけ架橋処理をした。次いで、この多孔
質磁器60gを、溶菌酵素(YL−5 酵母細胞壁溶解
酵素)1gを含む0.05モル/lのリン酸緩衝溶液6
0ml中に入れ、その後取り出して乾燥し、同酵素を固
定化し、実施例1〜6及び比較例1〜7に係わる試験片
を得た。そして、これらの試験片を0.05モル/lの
リン酸緩衝溶液に入れ4℃で保存した。
【0017】(2)性能試験と評価 上記各試験片をカラム(図示しない。)に充填し、この
カラム内にBacillussubtilis懸濁液(菌体濃度;660
nmにおける濁度として0.4〜0.5)を供給し(1
ml/秒)、反応をpH=7.1、50℃下において1
時間行い、波長660nmにおける濁度を測定し、反応
の前後における濁度の減少率(菌体溶解率)を求めた。
その結果を表1及び2に併記する。
【0018】以上の性能試験によれば、セラミック一次
粒子をそのまま用い、比較的低温で焼成した比較例1及
び2では、比表面積は十分に確保されているが、平均孔
径は小さく、0.3μm以下の細孔量も多い為、菌体溶
解率の値(50%程度)が低い。一方、セラミック一次
粒子を比較的高温で焼成した比較例3では、平均孔径、
細孔量とも満足できる値を示すものの、比表面積が十分
に確保されず、溶菌酵素の担持量が減り、菌体溶解率の
値がそれぼど高くない(60%程度)。また、セラミッ
ク二次粒子を用いたが、平均孔径が過大である比較例4
及び5、0.3μm以下の細孔量が多い比較例6及び7
の菌体溶解率は、上記セラミック一次粒子をそのまま用
いた場合よりも優れるものの、70%前後の値に止まっ
ている。
【0019】これに対して、本発明品(実施例1〜6の
試験片)では、いずれも80%以上の高い菌体溶解率を
示した。尚、本発明においては、前記具体的実施例に示
すものに限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内
で種々変更した実施例とすることができる。即ち、多孔
質磁器の成形は、押し出し成形に限らずプレス成形その
他の成形方法を用いてもよい。
【0020】
【発明の効果】以上の様に、本発明の方法によれば、比
較的低温度にて経済的に、溶菌酵素の担持効率と菌体溶
解率に優れた溶菌酵素固定化用多孔質磁器を製造するこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 徳本 淳一 名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特 殊陶業株式会社内 (72)発明者 加藤 隆史 名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特 殊陶業株式会社内 (72)発明者 安藤 汀 名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特 殊陶業株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 38/00 - 38/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミック原料を含有する練土状物を成
    形後、焼成することにより、溶菌酵素固定化用多孔質磁
    器を製造する方法において、 上記セラミック原料としてセラミック一次粒子を凝集さ
    せたセラミック二次粒子を用いて、平均孔径を1〜5μ
    m、孔径が0.3μm以下の細孔量を全細孔容積の1%
    以下、比表面積を0.7m2 /g以上とする多孔質磁器
    を製造することを特徴とする溶菌酵素固定化用多孔質磁
    器の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記セラミック一次粒子の平均粒子径は
    0.2〜0.5μmであり、上記セラミック二次粒子の
    平均粒子径は5〜10μmであり、上記焼成温度を13
    00〜1600℃とした請求項1記載の溶菌酵素固定化
    用多孔質磁器の製造方法。
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