JP3154436B2 - マレイミド樹脂組成物 - Google Patents

マレイミド樹脂組成物

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JP3154436B2
JP3154436B2 JP20250092A JP20250092A JP3154436B2 JP 3154436 B2 JP3154436 B2 JP 3154436B2 JP 20250092 A JP20250092 A JP 20250092A JP 20250092 A JP20250092 A JP 20250092A JP 3154436 B2 JP3154436 B2 JP 3154436B2
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靖 有田
和久 平野
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住友デュレズ株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アリル基という反応性
官能基を含有したフェノ−ル樹脂で変性したマレイミド
樹脂組成物に関する。本発明で使用するアリル基含有フ
ェノ−ル樹脂をマレイミド樹脂の変性剤として使用する
ことで、マレイミド樹脂本来の耐熱性を損うことなく、
接着性,難燃性などのフェノ−ル樹脂の特長を効果的に
付与することができ、非常に高性能な樹脂硬化物を与え
る。
【0002】
【従来の技術】マレイミド樹脂は、高耐熱性である反面
非常に固くて脆く、接着性に欠けるという欠点を有して
いる。その解決策として、種々の変性が行われており、
ジアミン化合物で変性した例が知られている。しかしな
がら、融点が非常に高く、成形が難しいという問題点を
有している。変性方法としては、一般的にブレンド法が
用いられているが、十分な効果が得られない場合が多
い。そこで、反応性官能基を有する変性剤のアリル化ビ
スフェノ−ルAやアリル化フェノ−ルノボラックなどの
検討が行われているが非常に高価である。
【0003】従来より、フェノ−ル樹脂は、耐熱性、難
燃性、接着性、低発煙性、耐酸性などをはじめとする特
長を有している。この特長を多樹脂へ付与するためにフ
ェノ−ル樹脂の添加が行われている。その際、他樹脂と
のブレンドだけでは十分な効果が得られない事が多く、
相分離などを引き起こす場合があり、その解決策として
種々の方法が用いられている。その一つとして、反応官
能基を有するフェノ−ル化合物や樹脂の検討が行われて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、アリル基含
有アミン化合物を触媒として合成したフェノ−ル類とア
ルデヒド類を反応して得られる、アリル基含有フェノ−
ル樹脂を変性剤に使用したマレイミド化合物及び樹脂の
高性能化に関するものである。マレイミド化合物及び樹
脂の硬化物は、堅くて脆く、接着性に乏しいという欠点
を有している。本発明で得られたアリル基含有フェノ−
ル樹脂は、マレイミド基と反応が可能なアリル基を有し
ており、化学結合によりマレイミド化合物及び樹脂を変
性できることを利用し、相分離などの心配をすることな
く、単なるブレンド法によるものよりも効果的にフェノ
−ル樹脂の特長である接着性、難燃性などの機能を付与
することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、アリル基含有
フェノ−ル樹脂を変性剤とした変性マレイミド樹脂組成
物に関する。本発明を構成するアリル基含有フェノ−ル
樹脂は、例えばアリル基含有アミン化合物、フェノ−ル
類およびアルデヒド類を反応することにより得ることが
できる(特願平4−100977参照)。アリル基含有
フェノ−ル樹脂の分子量は、特に限定されるものではな
いが、強度保持や耐熱性の点から150以上であること
が好ましい。また、アリル基含有量は、特に限定されな
いが、フェノ−ル樹脂1分子に1個以上あることが好ま
しく、アリル基当量で300−3000程度が適当であ
る。
【0006】マレイミド基を含有する化合物あるいは樹
脂は、マレイミド基を1個以上含む化合物あるいは樹脂
であれば特に限定する事なく使用する事ができる。一例
をあげると4,4'−ビスマレイミドジフェニルメタン,
フェニルマレイミド,ヒドロキシフェニルマレイミド,
芳香族炭化水素変性マレイミド樹脂(特開平2−254
191参照)などである。
【0007】本発明のマレイミド樹脂組成物は、上記ア
リル基含有フェノ−ル樹脂により変性されたものである
が、変性方法は、特に限定される事はなく、ブレンド
法、ロ−ル混練などが代表例としてあげられる。変性量
についても特に限定されることはなく、使用するアリル
基含有フェノ−ル樹脂の性能により異なるが、マレイミ
ド基含有化合物及び又は樹脂100重量部に対して5−
40重量部添加する事が効果的である。そのほか、硬化
促進のために硬化触媒などを添加してもよい。
【0008】
【実施例】以下に本発明を実施例により説明する。以下
における「部」及び「%」は、すべて「重量部」及び
「重量%」を示すものである。また、本発明は、実施例
に限定されるものではない。
【0009】 《製造例1》 アリル基含有フェノ−ル樹脂の合成 フェノ−ル282gと37%ホルマリン316gを1L
の四ツ口フラスコにとり、撹拌下、アリルアミン 34.
2gを30分かけてゆっくり添加した。添加終了後90
℃に昇温し、30分間反応を行った。その後、加熱減圧
下で脱水し、内容物の水分が十分になくなった時点で反
応を終了し、目的とするアリル基含有フェノ−ル樹脂を
356g得た。得られた樹脂の融点は75℃で、165
℃におけるゲル化時間は67秒であった。また、得られ
た樹脂がアリル基を含有していることは、FT−IRお
よびNMRで確認した。
【0010】《実施例1》芳香族炭化水素変性マレイミ
ド樹脂(PR-Z-1000、住友デュレズ(株)製)100重量部
に製造例1のアリル基含有フェノール樹脂20重量部、
トリフェニルホスフィン 0.1重量部、DCP−40
0.2重量部を添加し、粉砕混合した。得られた組成物
の融点は93℃で、165℃でのゲル化時間は43秒で
あった。 《実施例2》芳香族炭化水素変性マレイミド樹脂(PR-Z
-1000、住友デュレズ(株)製)100重量部に製造例1の
アリル基含有フェノール樹脂40重量部、トリフェニル
ホスフィン 0.1重量部、DCP−40 0.2重量部を
添加し、粉砕混合した。得られた組成物の融点は84℃
で、165℃でのゲル化時間は51秒であった。 《比較例1》市販品のアミン変性ビスマレイミド樹脂を
そのまま使用した。
【0011】(評 価)実施例1又は2で得られた樹脂
組成物又は比較例1の樹脂15重量部、ガラス繊維(3
mmチョップ)20重量部、炭酸カルシウム65重量部を
混合し、160℃、200kg/cm2 で10分間加圧成形
した後、200℃で5時間後硬化することにより評価用
試験片を得た。前記の評価例における成形物試験片の曲
げ強度特性を表1に示す。
【0012】
【表1】
【0013】
【発明の効果】本発明で得られたマレイミド樹脂組成物
は、アリル基という反応性官能基を含有したフェノ−ル
樹脂を変性剤に使用しているため、マレイミド樹脂との
化学結合が可能となり、マレイミド樹脂自身の特長であ
る高耐熱性を低下させることなくフェノ−ル樹脂の特長
である接着性、難燃性などを付与することが可能となっ
た。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アリル基含有アミン化合物、フェノール
    類、アルデヒド類を必須成分として反応することにより
    得られるアリル基含有フェノール樹脂(a)とマレイミ
    ド基を含有する化合物及び又は樹脂(b)を必須成分と
    し、かつマレイミド基を含有する化合物及び又は樹脂
    (b)100重量部に対し、該アリル基含有フェノール
    樹脂(a)を5―40重量部混合することを特徴とする
    マレイミド樹脂組成物。
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