JP3154102B2 - 外部露点に応じて蒸発器温度を制御する方法 - Google Patents

外部露点に応じて蒸発器温度を制御する方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内部空間の空調の
ため空調装置により外部空間から吸入される供給空気の
空気温度及び露点温度を求め、内部空間温度目標値規定
から逆加熱なしの蒸発器要求温度を求める、外部露点に
応じて空調装置特に自動車空調装置の蒸発器温度を制御
する方法に関する。
【0002】ここで制御という表現は広い意味に解釈す
べきであり、従つて帰還なしの本来の制御のほかに、蒸
発器温度自体への制御措置の影響又はその影響を受ける
測定量例えば蒸発器を経て導かれて外部空間へ吹出され
る供給空気の温度をセンサで検出して制御装置へ帰還す
る制御も含んでいる。内部空間へ吹込まれる供給空気を
蒸発器の作用のみによつて温度調節して、利用者側で単
一通路又は複数通路の空調装置において行われる場合に
よつては複数の内部空間温度の目標値規定のうちまだ最
低の目標値規定が、異なる内部空間範囲でちようど満た
され、このように規定される要求温度より低い蒸発器温
度の場合のように、蒸発器の後に設けられる加熱素子に
より逆加熱を必要としない時、内部空間温度目標値規定
から求められる逆加熱なしの蒸発器要求温度は、蒸発器
温度に設定せねばならない温度値である。
【0003】このような方法は特に自動車空調装置にお
いて使用される。そこでは従来のように冷却運転におい
てほぼ2つの運転方式が使用される。第1の運転方式で
は、内部空間温度目標値規定から求められる逆加熱なし
の蒸発器要求温度に蒸発器温度が制御されるので、逆加
熱は必要でなく、それによりエネルギー消費が最小であ
る。しかし多くの運転状況では、望ましくない窓ガラス
の曇り傾向が起こる。これを防止するため、第2の運転
としていわゆる再加熱運転又は逆加熱運転が意図され、
蒸発器温度が低い温度に制御されるので、吸入される供
給空気からの湿気が蒸発器の所で凝縮し、それにより乾
いた供給空気が内部空間へ吹出される。この場合蒸発器
温度が内部空間温度目標値規定に相当する逆加熱なしの
蒸発器要求温度より下にあるので、この温度差を補償す
るため逆加熱装置が始動される。従つてこの運転方式は
高いエネルギー費用を伴う。
【0004】ドイツ連邦共和国特許出願公開第3624
171号明細書から公知の自動車の暖房装置及び/又は
空調装置の運転方法では、適当な温度センサ及び湿度セ
ンサにより、内部空間空気又は外部空間から吸入される
供給空気の空気温度及び空気湿度が検出されて、内部空
間の空調制御のために使用される。その際窓ガラスの近
くに設けられる温度及び湿度センサ対により、車両窓ガ
ラスの内側で露点を下回りそうな事態も検出され、外部
空間から吸入される供給空気により窓ガラスの内側の強
められる通風又は循環空気運転で内部空間から取られる
空気を含む対抗措置により防止され、その際吹出し空気
は加熱及び/又は除湿により適当に空調される。
【0005】ドイツ連邦共和国特許出願公開第3724
430号明細書には自動車空調装置が記載され、2つの
運転方式の間で浮動する冷却制御及び再加熱運転で運転
可能である。供給空気温度が内部空間目標温度より大き
い間、浮動冷却制御により内部空間空調が行われ、内部
空間へ吹出される空気が、蒸発器の冷却回路にある圧縮
機の開閉による蒸発器温度の適当な制御によつて、内部
空間へ吹出される空気が内部空間温度目標値規定に相当
する温度にちようど保たれるような温度値へ、逆加熱を
必要とすることなく制御される。供給空気温度が0℃と
内部空間目標温度との間にあると、適度の再加熱運転で
空調が行われ、供給空気温度及び内部空間温度目標値規
定に応じて規定される可変目標値へ蒸発器温度が制御さ
れる。その際内部空間温度の制御偏差に応じて逆加熱が
行われ、蒸発器温度が常に例えば6℃の一定の規定値だ
け供給空気温度の下にあるように、蒸発器温度が設定さ
れる。その際供給空気及び外部空間空気の露点温度は考
慮されていない。
【0006】例えばドイツ連邦共和国特許出願公開第1
9517336号明細書から、自動車空調装置における
蒸発器温度の目標値を臭気防止のため規定可能な最大値
に限定することが公知である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】比較的エネルギーを節
約する内部空間空調を行い、同時に有害な凝縮効果特に
自動車空調装置の場合窓ガラス曇りの発生を防止する、
最初にあげた種類の方法を提供することが、技術的問題
として本発明の基礎になつている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、請求項1の特
徴を持つ方法の提供によりこの問題を解決する。この方
法では、規定可能な温度限界内で内部空間温度目標値規
定から求められる逆加熱なしの蒸発器要求温度及び外部
空間から吸入されて部空間へ吹き込まれる供給空気の
測定された空気温度と露点温度の差のうち小さい方の
値として選ばれる目標値へ、蒸発器温度が制御される。
外部空間の高い空気湿度では、供給空気の空気温度及び
露点温度がほぼ同じ大きさなので、差は約0℃の所にあ
り、従つて蒸発器要求温度より小さい。従つてこの状況
では、蒸発器温度も0℃近くの目標値に制御され、その
際蒸発器における望ましくない凍結現象を防止するた
め、目標値は好都合なように規定可能な凍結防止最低温
度により下方に対して限定される。それにより蒸発器は
高い外部空気湿度で最大除湿に設定され、それにより例
えば自動車空調装置に使用すると、窓ガラスの曇りが確
実に防止される。これが所望の内部空間温度にとつて吸
入される供給空気の強すぎる冷却を伴つて現われる場
合、これが逆加熱によつて補償される。低い外部空気湿
度では、供給空気の空気温度と露点温度との差が増大
し、蒸発器温度目標値がそれに応じて高められるので、
僅かな逆加熱出力しか必要でなく、エネルギーが節約さ
れる。この温度差が、場合によつては複数の所定の内部
空間温度目標値のうち最低の目標値に応じて蒸発器要求
温度の値に達すると、蒸発器温度目標値がこの蒸発器要
求温度値に設定され、逆加熱はもはや必要でない。
【0009】請求項2に従つて発展される方法では、一
般に空調装置自体にとつて可能な最高温度より下にある
規定可能な臭気防止最高温度により上方に対して限定さ
れ、蒸発器表面の乾いた状態と湿つた状態との間の交代
により生じる蒸発器臭気が過度に現われないように、こ
の臭気防止最高温度が規定される。
【0010】
【実施例】本発明の好ましい実施例が図面に示されてお
り、以下に説明される。
【0011】図に重要な段階を示されている方法は、開
閉可能であるか又は段階的又は無段階に出力制御可能な
圧縮機及び蒸発器を持つ冷却回路を含む従来の構造を持
つ自動車空調装置に特に適している。慣用の構造では蒸
発器は、塵埃−花粉フイルタ、活性炭フイルタ、特に逆
加熱のために使用される熱交換器又は電気加熱素子の形
の加熱素子及び空気量及び空気流れ方向を制御するダン
パ用設定素子と共に、自動車のダツシユボード範囲に設
けられる空調箱内に存在している。空調操作装置は制御
又は調整装置として用いられ、利用者側で操作装置にお
いて行われる設定に応じて特に圧縮機及び加熱素子を駆
動して、車両内部空間のために所望の空調効果が得られ
るようにする。このため重要な入力量として、付属する
空調装置センサ装置の種々の出力信号が空調操作装置へ
供給される。
【0012】本方法のためこのうち特に吸入される供給
空気の空気温度T即ち外部温度を測定するセンサ、蒸
発器温度Tを測定するセンサ、蒸発器の後に接続され
る加熱素子の温度を測定するセンサ、自動車外部露点温
度センサ装置が必要とされる。外部露点温度センサ装置
は従来のように単一の露点センサ又は空気温度センサと
湿度センサとの組合わせから成り、外部空気即ち吸入さ
れる供給空気の露点温度Tを求めるのに用いられ、こ
れはセンサ装置自体から求めるか又は空調操作装置によ
り空気温度及び空気湿度の情報を適当に評価して求める
ことができる。普通の位置は、外部温度センサについて
は例えば車両前面の所で、また外部露点温度センサにつ
いては典型的に空調箱から前窓ガラスの前の外側範囲へ
至る供給空気吸入通路の所にある。
【0013】冷却圧縮機は通常車両駆動機関に機械的に
連結され、その圧縮出力は、空調操作装置により、例え
ば簡単な周期的開閉又は無段階又は段階的出力変化を介
して制御することができる。圧縮機出力は蒸発器の冷却
作用を決定するので、空調操作装置は圧縮機へ出力設定
信号を与え、この出力設定信号がそれぞれ蒸発器規定温
度値TKVを表わす。同時に空調操作装置は、以下図面
に基いて説明する本発明の方法により、それぞれ現在の
状況に合わされる蒸発器温度目標値TVSを求め、蒸発
器温度センサ出力信号により供給される蒸発器温度実際
値Tを、適当な圧縮機駆動により蒸発器温度目標値T
VSへ制御しようとする。従つて制御された状態で圧縮
機の蒸発器規定温度値TKVは蒸発器温度Tに等し
く、この蒸発器温度Tはその目標値TVSに等しく、
即ちTVS=T=TKVである。
【0014】それぞれの蒸発器温度目標値TVSを選択
するため、空調操作装置において図に示す方法が実行さ
れる。この方法は、開始段階1の後に続く段階2におい
て、必要なセンサ値又は制御器値即ち空調装置センサ装
置及び利用者側で操作装置において行われる種々の設定
の種々の出力信号の読込みを含んでいる。続く段階3に
おいて、空調操作装置により仮の蒸発器温度目標値T
VVSが求められる。このためまず供給空気露点温度T
が、外部露点センサの出力信号の読出しにより直接求
められるか、又は供給空気温度センサ及び供給空気湿度
センサの出力信号から求められる。これに並行して空調
操作装置の空調制御器部分により求められる蒸発器要求
温度TVAが読出される。この蒸発器要求温度T
VAは、外部空間から吸入されて内部空間へ吹出される
供給空気を逆加熱手段なしに場合によつては複数の利用
者側で規定される外部空間温度目標値のうちちようど最
も近い目標値へ冷却するため蒸発器が持たねばならない
温度値である。それから供給空気の測定された空気温度
と露点温度Tとの差T−Tが計算され、求め
られた蒸発器要求温度TVAと比較される。それから仮
の蒸発器温度目標値TVVSとして、これら両方の値の
うち小さい方の値が選ばれ、即ち仮の蒸発器温度目標値
VVSは式TVVS=min{TVA,T−T
により求められる。このようにして求められた仮の蒸発
器温度目標値TVVSが所定の凍結防止最低温度より下
にあると、この凍結防止最低温度に設定される。こうし
て仮の蒸発器温度目標値TVVSが下方を凍結防止最低
温度に限定される。この凍結防止最低温度は、蒸発器に
おける望ましくない凍結現象が防止されるように規定さ
れている。
【0015】続いて照会段階4において、このようにし
て求められた仮の蒸発器温度目標値TVVSが所定の臭
気防止最高温度TVGより大きいか否かが検査される。
yesの場合仮の蒸発器温度目標値TVVSが上方に対
して限定しながらこの所定の臭気防止最高温度TVG
設定される(段階5)。その際主として蒸発器表面の湿
つた状態と乾いた状態との間の交代の際及び特に高い蒸
発器温度の際生じることのある蒸発器臭気が、特定の許
容可能な程度を超過しないように、この臭気防止最高温
度が規定されている。
【0016】続いて最終的に蒸発器温度設定のために用
いられる蒸発器温度目標値TVSが、臭気防止量高温度
VGより下にあるか又は場合によつては上方に対して
この臭気防止最高温度に限定するように規定される仮の
蒸発器温度目標値TVVSが設定される(段階6)。そ
れから空調操作装置が、圧縮機の蒸発器規定温度値T
KVにおいてこの蒸発器温度目標値TVSに相当する出
力設定信号を圧縮機へ与える。この措置方式 は、図示
した方法過程の段階2の前へ戻ることによつて循環して
反覆される。
【0017】外部露点に応じて蒸発器温度を制御するこ
の方法によつて、車両窓ガラス特にその外側の曇りが、
内部空間空調により防止され、同時に空調が比較的僅か
なエネルギー費用で行われる。高い外部空気湿度では、
供給空気露点温度Tが供給空気の空気温度Tにほぼ
等しいので、差はほぼ0℃である。蒸発器要求温度T
VAは通常著しく高い所にあるので、この状況で本方法
により、場合によつては下方に対して凍結防止最低温度
に限定されているほぼ0℃の蒸発器温度目標値が、蒸発
器運転のために選ばれる。これは、蒸発器が最大除湿出
力に設定されるので、高い外部空気湿度にもかかわらず
車両の曇りが確実に防止されることを意味する。所望の
内部空間温度を得るために必要な内部空間へ吹出すべき
供給空気の目標値と、これに対し最大蒸発器出力のため
蒸発器の出口側で一層低い供給空気温度との差は、逆加
熱装置の適当な始動により補償される。これに反し低い
外部空気湿度での運転段階では、供給空気の空気温度T
と露点温度Tとの差T−Tが増大するので、そ
れに応じて仮の蒸発器温度目標値TVVS従つて実際の
蒸発器温度目標値TVSも適当に増大でき、従つて逆加
熱のため僅かなエネルギーしか必要とせず、更に窓ガラ
スの曇りが確実に防止される。いずれにせよ蒸発器温度
目標値TVSは上方に対して臭気防止最高温度に限定さ
れたままで、内部空間における煩わしい蒸発器臭気を防
止する。供給空気の空気温度Tと露点温度Tとの差
−Tが蒸発器要求温度TVAを超過すると、蒸発
器要求温度TVAが蒸発器温度目標値TVSとして使用
され、それにより、所望の内部空間温度を得るため、定
義により逆加熱動作はもはや必要でないので、この状況
で内部空間空調が最小のエネルギー費用で実行される。
【0018】有利な実施例の上記の説明からわかるよう
に、本発明による方法によつて、空調装置の蒸発器温度
が外部露点に応じて制御されて、できるだけ僅かなエネ
ルギー費用と同時に有害な凝縮効果の発生なしに、内部
空間空調を行うことができる。空調装置において本発明
による方法のほかに、別の状況に一層よく適した別の運
転方法も考慮することができ、適当な運転方式切換えに
よりこれらの運転方法を選択できることは明らかであ
る。更に本発明による方法が自動車空調装置における使
用に限定されず、圧縮機−蒸発器冷媒回路を持つすべて
の空調装置に適していることは明らかであり、これらの
空調装置では供給空気が外部空間から吸入され、適当な
空調後空調すべき内部空間へ吹出され、その際上記の例
に対して必要な変更措置は、それぞれの適用事例につい
て当業者には直ちに明白である。臭気防止最高温度は必
要な場合状況に応じて可変に選ぶことができ、もちろん
それぞれの空調装置に応じても規定することができる。
臭気防止最高温度TVAの典型的な選択は、例えば約1
2℃の所にある。
【図面の簡単な説明】
【図1】外部露点に応じて蒸発器温度を制御する方法の
流れ図である。
【符号の説明】
空気温度 T 露点温度 T 蒸発器温度 TVA 蒸発器要求温度 TVS 蒸発器温度目標値
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F24F 11/02 B60H 3/00 B60H 1/32

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部空間の空調のため空調装置により外
    部空間から吸入される供給空気の空気温度(T)及び
    露点温度(T)を求め、内部空間温度目標値規定から
    逆加熱なしの蒸発器要求温度(TVA)を求める、蒸発
    器要求温度の制御方法において、規定可能な温度限界内
    で蒸発器要求温度(TVA)及び供給空気の測定された
    空気温度(T )と露点温度(Tの差のうち小さ
    い方の値として選ばれる目標値(Tvs)に、蒸発温度
    (T)を制御することを特徴とする、外部露点に応じ
    て空調装置の蒸発器温度を制御する方法。
  2. 【請求項2】 蒸発器温度目標値(TVS)を、規定可
    能な臭気防止最高温度により上方に対して限定すること
    を特徴とする、請求項1に記載の方法。
JP22352298A 1997-07-04 1998-07-03 外部露点に応じて蒸発器温度を制御する方法 Expired - Fee Related JP3154102B2 (ja)

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