JP3153930B2 - 多連気化器の燃料増量装置 - Google Patents

多連気化器の燃料増量装置

Info

Publication number
JP3153930B2
JP3153930B2 JP09034892A JP9034892A JP3153930B2 JP 3153930 B2 JP3153930 B2 JP 3153930B2 JP 09034892 A JP09034892 A JP 09034892A JP 9034892 A JP9034892 A JP 9034892A JP 3153930 B2 JP3153930 B2 JP 3153930B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel
opening
throttle valve
passage
vehicle speed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP09034892A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05256199A (ja
Inventor
隆夫 石井
博司 山添
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Keihin Corp
Original Assignee
Keihin Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Keihin Corp filed Critical Keihin Corp
Priority to JP09034892A priority Critical patent/JP3153930B2/ja
Publication of JPH05256199A publication Critical patent/JPH05256199A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3153930B2 publication Critical patent/JP3153930B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Control Of The Air-Fuel Ratio Of Carburetors (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、機関へ供給する混合気
の量及び濃度を制御する気化器に関し、そのうち特に、
気化器本体を貫通する吸気道の有効開口面積をアクセル
ワイヤーにて操作される絞り弁にて機械的に開閉制御す
る気化器を複数個、例えば二個、三個、四個、を水平方
向、垂直方向、あるいはV型に配置した多連気化器の燃
料増量装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アクセルワイヤーにて操作される絞り弁
にて、吸気道の有効開口面積を機械的に開閉制御する気
化器は、大別すると次の二種がある。第1は、気化器本
体を貫通する吸気道を横断して、弁軸が気化器本体に回
動自在に軸支され、該弁軸に円板状のバタフライ弁が取
着されたもので、このバタフライ弁より上流側の吸気道
にベンチュリー部が形成され、ベンチュリー部には浮子
室の定液面下に連なる燃料噴孔が開口する。ここで、運
転者がアクセルワイヤーを操作することによって弁軸を
回動させると、バタフライ弁にて吸気道の有効開口面積
が開閉制御される。(通常バタフライ型気化器と称せら
れ、この気化器を複数個用いたバタフライ型多連気化器
は、例えば実公昭52−57307号公報等に示され
る。)
【0003】第2は、気化器本体を貫通する吸気道の中
間部より側方に向けて摺動弁案内筒を連設し、該摺動弁
案内筒内に円筒形あるいは矩形の絞り弁を摺動自在に配
置したものであり、絞り弁の底部と吸気道とによってベ
ンチュリー部が形成され、ベンチュリー部には浮子室の
定液面下に連なる燃料噴孔が開口する。ここで、運転者
がアクセルワイヤーを操作することによって、絞り弁を
摺動弁案内筒内において移動させると、絞り弁にて吸気
道の有効開口面積(ベンチュリー部の面積)が開閉制御
される。(通常、摺動絞り弁型気化器と称せられるもの
で、この気化器を複数個用いた摺動絞り弁型多連気化器
は、例えば実公昭53−38754号公報等に示され
る。)前述した、絞り弁にて吸気道の有効開口面積、
(ベンチュリー部の面積)を機械的に開閉制御するバタ
フライ型多連気化器、摺動絞り弁型多連気化器による
と、次の課題を有する。
【0004】第1に、絞り弁が高開度に開放されて、機
関の回転数が低い状態(高開度低速運転)において、ベ
ンチュリー部を流れる空気流速は低速となり、ベンチュ
リー部に開口する燃料噴孔に加わるベンチュリー負圧は
弱められる。(大気圧に近づく)これによると、燃料噴
孔よりベンチュリー部に充分な燃料を吸出することが困
難となるもので混合気の希薄化を招来して好ましいもの
でない。この高開度低速運転における混合気の希薄化現
象は、機関の出力を向上させる為に吸気道直径を大きく
する(ベンチュリー部の直径を大きくする)につれて一
層顕著にあらわれる。上記を解決することを目的とした
従来技術として、単一の気化器ではあるが絞り弁の上流
側にエアコントロールバルブを配置し、高開度低速運転
時において、絞り弁開度センサの出力と機関回転速度セ
ンサの出力によってエアコントロールバルブを閉方向に
制御する技術が知られる。(実開昭60−70761号
に示される。)
【0005】第2には、絞り弁が機関のアイドリング運
転時のごとく、低開度状態から急速に回転を上昇させる
為に、絞り弁を急激に高開度に開放する機関の急加速運
転時について鑑案すると、絞り弁の急開放によって機関
には即座に増量された空気が供給されるが、燃料の供給
は、空気慣性によって一時的におくれ、結果として混合
気の希薄化を招来して好ましいものではない。この混合
気の希薄化現象は、吸気道直径を大きくする(ベンチュ
リー部の直径を大きくする)につれて一層顕著に表われ
る。上記を解決することを目的とした従来技術として、
ダイヤフラムにて筺体をポンプ室と大気室とに区分し、
ポンプ室には、内部に吸入側逆止弁を配置し、浮子室内
に連絡された加速燃料流入路と、内部に吐出側逆止弁を
配置し、各気化器の吸気道に連絡された加速燃料吐出路
とを開口し、このダイヤフラムを絞り弁の急開放動作時
にポンプ室側へ押圧してポンプ室を加圧し、ポンプ室内
に貯溜された加速用燃料を加速燃料吐出路を介して各気
化器の吸気道内へ噴射供給したいわゆる加速ポンプ装置
の技術がある。(実公昭53−32183号に示され
る。)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】かかる、従来の技術に
よると、次の不都合を有する。まず、実開昭60−70
761号の技術によると、高開度低速運転時において、
絞り弁は高開度に開放保持されているものの、エアコン
トロールバルブはコントロールユニットからの出力信号
によって吸気道を閉方向に制御して絞り弁より上流側の
吸気道の有効開口面積を減少させるものである。これに
よると、エアコントロールバルブより機関側の絞り弁を
含む吸気道内の吸気道負圧は上昇するものであり、エア
コントロールバルブより機関側のベンチュリー部に開口
する主燃料系統としてのニードルジェットの開口部に加
わる吸気道負圧は増加され、もってニードルジェットよ
り多量の燃料を吸気道内へ吸出することができるもので
混合気の希薄化を防止できたものである。然しながらエ
アコントロールバルブが吸気道を閉塞方向に動作し、吸
気道の有効開口面積を減少したことによると、機関へ供
給される空気量は減少するもので機関の出力を向上させ
る点において好ましいものでない。特に多連気化器を採
用することの目的の一つとして機関の出力の向上を狙う
ことにあるので多連気化器においては特に不都合であ
る。又、エアコントロールバルブは各気化器に配置する
必要が有り、これによると部品点数、組みつけ工数が増
加し好ましいものでなく、更には気化器全体の設計的自
由度を阻害する。
【0007】次に実公昭53−32183号の技術は、
絞り弁の急開放動作によってポンプ室を加圧し、ポンプ
室内に貯溜された加速用燃料を加速燃料吐出路を介して
各気化器の吸気道内へ噴射供給したものであるが、これ
によると一定量の加速用燃料を供給しうるものの加速ポ
ンプ装置から各気化器の吸気道内へ供給する加速燃料噴
射時間を長く(加速の初期から終期に渡って継続して噴
射すること)設定することがむずかしい。これは加速ポ
ンプ装置のポンプ室を加圧するダイヤフラムが絞り弁と
機械的に連絡されていることに起因するものであり、加
速燃料噴射時間を長くする為に、ポンプ室の室容積の選
定、ポンプ室内に縮設されてダイヤフラムを大気室側へ
付勢するダイヤフラムスプリングの選定、加速燃料吸入
路及び加速燃料吐出路の通路径の選定、あるいは吸入側
逆止弁、吐出側逆止弁を各弁座に対して押圧付勢する為
の弁閉止用スプリングの選定、等その選定作業に多大な
る時間を要するもので開発効率の向上を阻害するもので
あった。又、前述した各要素を選定したとしてもダイヤ
フラムの圧縮ストロークが絞り弁の開放ストロークによ
って一義的に決定されるので加速燃料噴射時間を加速の
初期から終期に渡って延ばすことには限度があるもので
ある。又、絞り弁の中間開度運転時からの加速運転時に
おいては、ダイヤフラムは既にポンプ室を圧縮した状態
にありダイヤフラムを更に圧縮することが困難であるの
で充分なる加速用燃料の供給を行えない恐れがあった。
【0008】本発明になる多連気化器の燃料増量装置
は、前記に鑑みなされたもので、吸気道の有効開口面積
を絞り弁にて機械的に開閉制御する気化器を複数個配置
した多連気化器において、機関の中,高開度低速運転時
及び加速運転時における混合気の希薄化を抑止するとと
もに気化器の燃料制御性を大きく向上できて機関性能を
著しく向上することのできる燃料増量装置を提供するこ
とを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決する為の手段】本発明になる多連気化器の
燃料増量装置によると、前記目的達成の為に、気化器本
体を貫通する吸気道の有効開口面積を絞り弁にて機械的
に開閉制御するとともに吸気道にベンチュリー部が形成
された気化器を複数個配置した多連気化器と; 燃料タンク内に貯溜された燃料を、燃料ヘッド差又は燃
料ポンプによって加圧して、各気化器の浮子室内に開口
するバルブシートへ供給する燃料流入路と; 燃料流入路より分岐された燃料増量通路と; 燃料増量通路に配置され、絞り弁の開度を検出する絞り
弁開度センサの出力と、車輌の速度を検出する車速セン
サの出力とが入力される制御回路からの制御信号によっ
て燃料増量通路を開閉制御するとともに燃料増量通路内
を流れる燃料量を制御する制御弁と; 制御弁より下流側の燃料増量通路より分岐され、各気化
器の吸気道に連なる燃料増量分配路と;よりなり、絞り
弁の開度が一定開度以上で、且つ車速が絞り弁開度に対
して定められた一定車速の範囲内において、制御回路か
らの制御信号によって制御弁を動作し、燃料増量通路を
開放するとともに、前記、制御弁による燃料増量通路内
における燃料量の制御を、絞り弁の開度が一定開度以上
で、且つ車速が絞り弁開度に対して定められた一定車速
の範囲内において、絞り弁の開度が一定開度状態にあっ
ては、車速の上昇に応じて燃料量を減少し、車速が一定
状態にあっては、絞り弁の開度の増加に応じて燃料量を
増量したものである。
【0010】
【作用】絞り弁の開度が一定開度以上で、且つ車輌の速
度が絞り弁開度に対して定められた一定車速の範囲内に
おいて、制御回路からの制御信号によって制御弁は動作
して燃料増量通路を開放する。これによると燃料流入路
内の加圧された燃料が燃料増量通路、燃料増量分配路を
介して多連気化器を構成する各気化器の吸気道内へ噴射
供給され、混合気の希薄化を抑止する。一方、絞り弁の
開度が一定開度以下で、且つ車輌の速度が絞り弁開度に
対して定められた一定車速圧範囲外においては、燃料増
量通路は制御弁にて閉塞保持されるものであり、各燃料
増量分配路から吸気道内への燃料の噴射供給は抑止され
る。そして、前記において、絞り弁の開度が一定開度以
上で、且つ車速が絞り弁開度に対して定められた一定車
速の範囲内において、絞り弁の開度が一定開度状態にあ
っては、車速の上昇に応じて燃料量が減少される。又、
車速が一定状態にあっては、絞り弁の開度の増加に応じ
て燃料量が増量される。
【0011】
【実施例】以下、本発明になる多連気化器の燃料増量装
置の第一の実施例を図により説明する。(尚、本実施例
は、摺動絞り弁型の三連気化器を示すが、気化器型式と
してはバタフライ型気化器でもよく、又気化器の数に限
定されるものでなく、更には横置き、縦置き、V型、等
配置に限定されない。)まず、多連気化器を構成する単
一の気化器Cを図1により説明する。1は内部を吸気道
2が貫通し、吸気道2の略中間部より上方に向かって摺
動弁案内筒3が連設された気化器本体であり、気化器本
体1の下方凹部に対向して浮子室本体4が配置され、こ
の下方凹部と浮子室本体4とによって浮子室5が形成さ
れる。浮子室5にはバルブシート6が開口し、このバル
ブシート6に対応して該バルブシート6を開閉制御する
フロートバルブ7が配置され、さらにこのフロートバル
ブ7は浮子室5内に配置されたフロート8の移動によっ
てバルブシート6に対する開閉駆動力を付与される。
【0012】摺動弁案内筒3内には、吸気道2の有効開
口面積を開閉制御する絞り弁9が移動自在に配置される
もので、この絞り弁9は、気化器本体1に回動自在に軸
支された操作軸10にリンク及びレバー等にて機械的に
連結され、さらに前記操作軸の気化器本体1外へ突出す
る軸端部には操作レバー12が一体的に取着され、この
操作レバー12には運転者によって牽引操作されるアク
セルワイヤー(図示せず)が取りつけられる。従って、
運転者がアクセルワイヤーを操作することによると、操
作レバー12、操作軸10が回動し、これがレバー、リ
ンク等を介して絞り弁9に伝達されて絞り弁9が吸気道
2を開閉することになる。そして、吸気道2内に開口す
る絞り弁9の底部9Aとそれに対向する吸気道2とによ
ってベンチュリー部11が形成される。このベンチュリ
ー部11の開口面積は絞り弁9の移動によって変化す
る。(いわゆる可変ベンチュリーをなす)
【0013】また、絞り弁9の底部9Aには、ジェット
ニードル13が一体的に取着されるもので、このジェッ
トニードル13はベンチュリー部11に開口する燃料噴
孔としてのニードルジェット14内に挿入される。ニー
ドルジェット14はエアーブリード孔15Aが穿設され
たミキシングノズル15を介して主燃料ジェット16に
連絡され、さらに前述したミキシングノズル15の外周
には環状の加速ウエルWが形成される。この加速ウエル
W内には浮子室5内に形成される一定液面と略同一高さ
の液面が形成され、この液面上の加速ウエルW内には大
気に連絡された主空気通路が開口する。(主空気通路は
図示されない)
【0014】一方、バルブシート6には燃料流入路19
を介して後述する燃料タンクT内に貯溜された燃料が加
圧された状態で供給されるものであり、気化器本体1よ
り下方位置に燃料タンクTが配置された場合、燃料タン
クT内の燃料は後述する燃料ポンプPによって加圧され
て燃料流入路19へ供給され、一方、燃料タンクTが気
化器本体1より上方位置に配置された場合、燃料タンク
T内の燃料は、燃料ヘッド差によって加圧されて燃料流
入路19へ供給される。この燃料タンクTの位置は限定
されない。従って、浮子室5内の液面が設定された液面
より低い場合、フロートバルブ7はフロート8によって
バルブシート6を開放するので燃料流入路19よりバル
ブシート6を介して浮子室5内へ燃料が流入し、一方浮
子室5内の液面が設定した一定液面迄上昇すると、フロ
ートバルブ7はフロート8によってバルブシート6を閉
塞するので、燃料流入路19よりバルブシート6を介し
て浮子室5内への燃料の供給が停止するもので、これに
よって浮子室5内に常に一定なる液面を形成できるもの
である。以上は従来公知の気化器である。
【0015】本実施例においては、かかる気化器Cを側
方に三個配置した。この状態は図2に示され、便宜上図
において右より第1気化器C1、第2気化器C2、第3
気化器C3とする。各気化器における絞り弁9は同期的
に開閉するよう例えば操作軸10が連結される。又、各
気化器の燃料流入路19は燃料タンクTに連絡され、加
圧された燃料が該燃料流入路19内に供給される。
【0016】20は燃料流入路19より分岐された燃料
増量通路であり、燃料増量通路20内には燃料増量通路
20を開閉制御する制御弁21が配置される。本実施例
における制御弁21は、ソレノイド22への通電によっ
て可動鉄心23が固定鉄心24に吸着されて、可動鉄心
23と一体的に形成した弁部25が燃料増量通路20に
設けた弁座26を開放する常閉型の電磁弁を使用した。
(この制御弁21は電磁弁でなくとも通路を電気的に開
閉する機能(例えばモーター)を有するものであれば適
宜選定し得る。)そして、制御弁21より下流側の燃料
増量通路20(具体的には弁座26より下流側の燃料増
量通路20)より、各気化器C1,C2,C3の各吸気
道2に向けて燃料増量分配路20A,20B,20Cが
分岐する。燃料増量分配路20A,20B,20Cの吸
気道2への開口は、吸気道2または気化器本体1の吸気
道2と機関とを連絡する吸気管(図示せず)の範囲内に
おいて開口位置は限定されない。本実施例においては、
燃料増量分配路20A,20B,20Cは絞り弁9より
上流側(図2において左側)ノズルNをもって開口し
た。
【0017】27は絞り弁9の吸気道2に対する開度を
検出する絞り弁開度センサ、28は本気化器が装着され
た機関が搭載された車輌の速度(以下車速という)を検
出する車速センサである。
【0018】絞り弁開度センサ27及び車速センサ28
の出力は制御回路30に入力され、絞り弁開度及び車速
の定められた条件下において制御回路30より制御弁2
1を駆動する為の制御信号が出力される。前述した、制
御回路30から制御弁21を駆動する為の制御信号が出
力される絞り弁開度、車速の定められた条件の具体的な
一例を述べると、絞り弁9の開度が3/8開度以上開放
した状態で、しかも絞り弁開度に対して定められた一定
車速の範囲内(50km/時から110km/時)にお
いて、制御回路30より制御弁21に対して駆動の為の
制御信号が出力される。例えば絞り弁開度4/8におい
ては車速50km/時から70km/時の範囲で有り、
絞り弁開度6/8においては車速50km/時から90
km/時の範囲であり、絞り弁開度8/8においては車
速50km/時から110km/時の範囲である。前記
条件範囲は図3の斜線範囲に明示されるが、この条件範
囲は機関に対する気化器のセッティング作業において適
宜最適に設定されるもので前記条件に限定されない。
【0019】次にその作用について述べる。まず、各気
化器の絞り弁9の開度が3/8開度以下の比較的低開度
運転状態について説明すると、絞り弁9が一定開度迄
(3/8開度)迄開放していないので制御回路30より
制御弁21に対し、駆動の為の制御信号は出力されな
い。従って制御弁21は不作動状態にあって、制御弁2
1の弁部25は弁座26を閉塞保持するもので燃料増量
通路20、燃料増量分配路20A,20B,20Cから
各気化器の吸気道2への増量燃料が供給されることがな
い。かかる低開度運転時にあっては、ベンチュリー部1
1は絞り弁9によって小開口面積に絞られており、この
小開口のベンチュリー部11及びベンチュリー部11の
下流の吸気道を流れる空気流速は高められてベンチュリ
ー部11及びベンチュリー部11より下流の吸気道の負
圧が上昇して保持されるので主燃料系統としてのニード
ルジェット14及び図示せぬ低速燃料系統としてのバイ
パス孔、パイロットアウトレット孔よりベンチュリー部
11及び吸気道2内へ最適なる燃料が吸出されて機関へ
供給されるので、機関の運転は良好に行なわれて比較的
低車速の(50km/時未満)所望の車速を得ることが
できる。
【0020】次いで、絞り弁9が前記3/8開度以下の
比較的低開度運転状態より更に開放された3/8開度以
上の中,高開度運転でしかも機関に加わる負荷状態が小
負荷あるいは中負荷状態においては、機関の回転数は、
絞り弁9が中,高開度に開放されていること、及び負荷
が比較的に大きくないことから適正に上昇し、これによ
ると、各気化器のベンチュリー部11を流れる空気流速
は速まりベンチュリー部11の負圧は充分に高まって、
その負圧に応じた適正なる燃料がニードルジェット14
より吸気道2内に吸出されるもので、絞り弁開度に応じ
た適正なる車速を得ることができる。図2によって、具
体的に説明すれば、絞り弁開度4/8において、車速は
70km/時を超え、絞り弁開度6/8において、車速
は95km/時を超え、絞り弁開度8/8においては、
車速は110km/時を超える。すなわち、かかる運転
状態において図2に示した絞り弁開度に対する車速は斜
線範囲外の車速に上昇する。従って、制御回路30より
制御弁21に対し、駆動の為の制御信号は出力されない
もので、制御弁21は燃料増量通路20を閉塞保持する
ものである。このように、絞り弁9の中,高開度運転時
にあって、しかも機関に加わる負荷が小,中負荷運転時
においては、燃料増量通路20、各燃料増量分配路20
A,20B,20Cより燃料の増量が行なわれないもの
の前述の如く、ベンチュリー部11の負圧が充分に上昇
するので、主燃料系統としてのニードルジェット14よ
り最適なる燃料がベンチュリー部11に吸出されて機関
へ供給され、機関の運転を満足させるもので、絞り弁開
度に応じた所望の中,高車速を得ることができる。
【0021】そして、本発明になる多連気化器の燃料増
量装置は以下の作用を成す。まず、第1には、絞り弁9
が3/8開度以上の中,高開度に開放されているにも拘
わらず車速が充分に上昇しない運転状態である。かかる
状況は、絞り弁9が中,高開度に開放されて機関に高負
荷が加わった状態であり、例えば急坂の登坂あるいは荷
物をいっぱいに積み込んだ状態等がそれにあたる。かか
る状態において、絞り弁9は3/8開度以上の中,高開
度に開放されており、一方、機関の回転数は高負荷が加
わたったことによって低下してベンチュリー部11を流
れる空気流速は低下し、ベンチュリー部11の負圧が低
下することによってニードルジェット14から吸気道2
内に吸出される燃料量が減少して混合気が希薄化し、絞
り弁開度に対する適正な車速を得られないものである。
例えは、絞り弁開度が4/8において車速が70km/
時未満であり、絞り弁開度が6/8において車速が95
km/時未満であり、絞り弁開度が8/8において車速
が110km/時未満、等がそれにあたる。かかる状態
に達すると、絞り弁9の開度状態は絞り弁開度センサ2
7にて検出されて、その出力が制御回路30に入力さ
れ、一方、車速は車速センサ28にて検出され、その出
力が制御回路30に入力される。
【0022】そして、この絞り弁開度センサ27と車速
センサ28からの各出力が制御回路30に入力される
と、制御回路30は制御弁21を駆動する為の制御信号
を制御弁21に対して出力するものであり、制御信号を
受けた制御弁21は、可動鉄心23が固定鉄心24に吸
着されることによって弁部25が弁座26を開放するも
のである。これによると、燃料流入路19内に供給され
ている加圧燃料の一部は燃料流入路19より分かれ、燃
料増量通路20より各燃料増量分配路20A,20B,
20C内へ供給され、各気化器C1,C2,C3の各吸
気道2内へ即座に噴射供給されるもので、主燃料系統と
してのニードルジェット14よりベンチュリー部11に
吸出される燃料とあいまって絞り弁が中,高開度に開放
された高負荷運転時における混合気の希薄化を抑止する
ものである。車速は絞り弁開度に応じた適正なる車速へ
と上昇する。そして、この燃料増量通路20より吸気道
2内への増量燃料の供給は、絞り弁9の開度が3/8開
度以上で、且つ絞り弁開度に対して定められた一定の車
速範囲内(いいかえると、絞り弁開度に対して適正なる
車速迄上昇していない)において継続して行なわれる。
例えば絞り弁開度4/8においては車速50km/時か
ら車速70km/時迄の一定の車速範囲であり、絞り弁
開度6/8においては車速50km/時から車速95k
m/時迄の一定範囲であり、又絞り弁開度8/8におい
ては車速50km/時から車速110km/時迄の一定
範囲である。そして、絞り弁9の開度が3/8開度以下
に成った場合、あるいは絞り弁開度に対して定められた
一定の車速範囲外(いいかえると、絞り弁開度に対して
適正なる車速迄上昇した)となった場合、の何れか一方
あるいは両方の条件と成った場合、制御弁21を駆動す
る為の制御回路30からの制御信号の出力が停止され、
制御弁21は原位置へ復帰して弁部25によって弁座2
6を閉塞し、これによって燃料増量通路20、各燃料増
量分配路20A,20B,20Cから各気化器の吸気道
2への燃料の供給を停止するものである。
【0023】次いで、第2には、絞り弁9が低開度から
中,高開度に急速に開放される加速運転時であり、絞り
弁9は低開度状態にあって、機関は低速運転状態にあり
車速は低いものである。この状態より運転者はアクセル
ワイヤーを引くことによって絞り弁9を中,高開度状態
に急速開放し、加速運転を行なう。ここで絞り弁9の低
開度状態から中,高開度状態への急速開放時における各
気化器の吸気道2への燃料供給の挙動をみると次の如く
となる。絞り弁9の低開度状態において、機関の回転数
はアイドリング回転(例えば1200RPM)、あるい
は低回転を保持するもので、かかる状態において燃料
は、バイパス孔、パイロットアウトレット孔等の低速燃
料系統(図示せず)より吸気道2内へ吸出されて機関の
低開度低速運転を行なう。次いで、かかる絞り弁9の低
開度状態より絞り弁9が中,高開度に急速に開放される
と、各気化器の吸気道2内を流れる空気量は一気に増加
されるものであり、これによると吸気道2内に開口する
ニードルジェット14の先端負圧が一時的にわずかに上
昇する。これによると、加速ウエルW内に貯溜されてい
る燃料はミキシングノズル15を介してニードルジェッ
ト14よりベンチュリー部11内へ吸出されて、機関の
回転数を上昇させる。この状態において加速ウエルW内
の燃料がニードルジェット14を介してベンチュリー部
11へ吸出されるのは、ニードルジェット14の開口部
に加わる吸気道負圧が一時的にわずかに上昇すること、
及び主ジェット16による流入の制限を受けることがな
く、既に主ジェット16の後流の加速ウエルW内に貯溜
されていて吸出され易い状態にあることによるものであ
る。しかしながら、加速ウエルW内の燃料が吸出された
ことによっても加速ウエルW内の貯溜燃料に制限がある
ことから機関の回転数を大きく上昇させるに至らない。
すなわち、絞り弁9が中,高開度に開放されても、即座
に絞り弁開度に応じて車速を上昇させることは困難であ
る。なんとならば加速ウエルW内の容量を大きくすれば
加速時における回転数の上昇を大きくし車速を上昇する
ことが可能であるが、ミキンシングノズル15の内外径
が他の運転領域における運転性を考慮されて決定される
ので必然的に加速ウエルWの容量は、制限を受けるから
である。このような状態にあって、本発明においては、
絞り弁開度が3/8開度以上の中,高開度以上に開放さ
れていること、及び機関の回転数がアイドリング回転よ
りも上昇するもおおきく上昇することがなく、絞り弁開
度に応じた適正なる車速迄上昇しない(上昇できない)
こと、よりそれらを検出する絞り弁開度センサ27およ
び車速センサ28の出力が制御回路30に入力され、制
御回路30より制御弁21に対し、駆動の為の制御信号
が出力される。これによると、制御弁21の弁部25が
弁座26を即座に開口するので燃料増量通路20、燃料
増量分配路20A,20B,20Cより加圧された燃料
が各気化器の吸気道2内へ噴射供給されるもので、かか
る加速運転時における混合気の希薄化を抑止し、加速時
の回転上昇を補助して絞り弁開度に応じた車速迄上昇さ
せる。そしてかかる燃料増量通路20、燃料増量分配路
20A,20B,20Cよりの燃料の供給を受けて機関
の回転数が充分に上昇して車速が絞り弁開度に応じて適
正に上昇すると、制御回路30より制御弁21に対する
制御信号の出力が停止されて、燃料増量通路20、各燃
料増量分配路20A,20B,20Cからの燃料の供給
が遮断されるものであるが、機関の回転数が充分に上昇
して車速も絞り弁開度に応じて適正に上昇していること
から主燃料系統としてのニードルジェット14に大なる
負圧が作用するので、絞り弁9の中,高開度運転に適合
する燃料をニードルジェット14より各気化器の吸気道
2内に吸出できたものである。以上述べた加速運転時に
ついて、図3により具体的一例をもって説明すると、絞
り弁開度2/8、車速30km/時より絞り弁9を急速
に4/8開度迄開放して車速が60km/時迄しか上昇
しない場合、絞り弁開度センサ27、車速センサ28の
出力が制御回路30に入力され、制御回路30から制御
弁21を駆動する信号が出力される。これによると燃料
増量通路20、各燃料増量分配路20A,20B,20
Cより吸気道2に向けて燃料が即座に供給され、混合気
の希薄化が抑止されて機関の回転を上昇させて絞り弁開
度に応じた車速に上昇できる。そして車速が70km/
時を超えると、車速センサ28から制御回路30への出
力が停止されることによって制御回路30から制御弁2
1に対する出力が停止し、燃料増量通路20、各燃料増
量分配路20A,20B,20Cより各気化器の吸気道
2に対する燃料の供給が停止される。
【0024】又、絞り弁9の中間開度、例えば4/8開
度から8/8開度(全開)に急速に開放する中間加速運
転時においても、ベンチュリー部11の負圧が一時的に
増加せず、回転数の上昇が抑止されて車速が所望の速度
迄上昇しないことがあり、かかる状態においても制御弁
21は制御回路30から出力される信号によって前記動
作を成すもので中間加速運転の向上を図ることができ
る。図2により具体的一例をもって説明すると、絞り弁
開度4/8、車速75km/時より絞り弁9を8/8開
度(全開)迄開放して車速が95km/時迄しか上昇し
ない場合、絞り弁開度センサ27、車速センサ28から
の出力が制御回路30に入力され、制御回路30から制
御弁21を駆動する信号が出力され、これによって制御
弁21が燃料増量通路20を開放して即座に吸気道2に
向けて燃料が供給されて混合気の希薄化を抑止し、もっ
て機関の回転が上昇して絞り弁開度に応じた車速に上昇
できる。そして、車速が110km/時を超えると、車
速センサ28から制御回路30への出力が停止されるこ
とによって制御回路30から制御弁21に対する出力が
停止し、燃料増量通路20、各燃料増量分配路20A,
20B,20Cより各気化器の吸気道2に対する燃料の
供給が停止される。
【0025】そして本発明にあっては前記において特
に、制御回路30から制御弁21に向けて出力される制
御信号を通電時間Tiなる駆動パルスとし、絞り弁9の
開度が3/8開度以上で且つ車速が絞り弁開度に対して
定められた一定車速の範囲内において;絞り弁9の開度
が一定開度状態にあっては、車速の上昇に応じて通電時
間Tiを短くして燃料増量通路20、各燃料増量分配路
20A,20B,20Cから吸気道2に向けて供給され
る燃料量を減少し、一方車速が一定速度状態にあって
は、絞り弁9の開度の増加に応じて通電時間Tiを長く
して燃料増量通路20、各燃料増量分配路20A,20
B,20Cから各吸気道2に向けて供給される燃料量を
増加したものである。かかる燃料制御状態は図4に明示
されるもので、図4において網目範囲は制御弁21から
供給される燃料量がもっともおおく(大流量という)、
実線のハッチング範囲の燃料量が網目範囲についでおお
く(中流量という)、更に点線のハッチング範囲の燃料
量が実線のハッチング範囲についでおおい(小流量とい
う)。以上によれば、例えば絞り弁9の8/8開度一定
時において、車速が50km/時から110km/時迄
上昇する間に燃料増量通路20、各燃料増量分配路20
A,20B,20Cを介して各吸気道2へ供給される燃
料量は大流量、中流量、小流量と徐々に減少させること
ができるもので、特にベンチュリー部11の負圧が低
く、ニードルジェット14よりベンチュリー部11内へ
燃料の吸出が困難な状態(例えば車速55km/時の状
態)にあっては大流量の燃料増量補正を行なうことがで
き、一方、ニードルジェット14よりベンチュリー部1
1内への燃料の吸出が前記状態より良状態(例えば車速
105km/時の状態)にあっては小流量の燃料増量補
正を行なうことが可能と成ったもので機関の運転性、有
害排気ガスの排出、燃料経済、の点より極めて大なる効
果を奏する。
【0026】又、例えば絞り弁9が2/8開度から4/
8開度迄開放されて車速が60km/時と成った加速状
態にあっては小流量の燃料増量補正を行なうことがで
き、一方、絞り弁9が2/8開度から8/8開度迄開放
されて車速が60km/時となった加速状態にあっては
前記加速状態より大流量の燃料増量補正を行なうことが
できたもので加速運転に対し適正なる燃料補正を達成で
きた。
【0027】又、前述した網目範囲内における大流量、
実線のハッチング範囲における中流量、点線のハッチン
グ範囲における小流量、の各範囲内において、任意に通
電時間Tiを変えて制御弁21を制御すると、燃料増量
通路20、各燃料増量分配路20A,20B,20Cよ
り吸気道2内に供給される燃料の制御を一層正確にして
且つ微細に制御できる。又、制御弁21は弁部25が弁
座26に対してリニアに移動してその開口面積を無段階
に可変とするリニア電磁弁としてもよい。
【0028】又、31は燃料増量通路20内を流れる燃
料の圧力を常に一定圧力に保持する為のプレッシャーレ
ギュレターであって、これは金属製のハウジングから成
り、その内部はダイヤフラムによって燃料室とスプリン
グ室とに区分され、燃料流入路19又は弁座26より上
流側の燃料増量通路20内の燃料は、入口より燃料室に
流入してダイヤフラムを介してバルブを押し上げ、設定
圧力にてスプリングと釣り合い、残余の燃料は燃料タン
クT内へ戻され、一方スプリング室は吸気道2に連絡さ
れる。これによると、燃料増量通路20内を流れる燃料
圧力は常に一定に保持されるので制御される燃料量は制
御弁21の開弁によって一義的に決定され、燃料増量通
路20、燃料増量分配路20A,20B,20Cから各
吸気道2に向けて供給される燃料を正確に制御できた。
(尚プレッシャーレギュレター31そのものは公知であ
り詳細は図示されない。)
【0029】又、図5に示した実施例は、多連気化器を
構成する気化器のうちに、加速ポンプ装置を備えた気化
器を配置したもので、第1気化器C1、第2気化器C2
は図1に示される気化器を使用し、第3気化器C3を加
速ポンプ装置を備えた気化器とした。(尚、図1及び図
2に示される第1の実施例と同一構造部分は同一符号を
使用し説明を省略する。)まず、加速ポンプ装置を備え
た気化器C3について図6により説明する。50は加速
ポンプ装置であり、以下の構成よりなる。すなわち、5
1は加速燃料ポンプ室52と大気室53とに区分するダ
イヤフラムであり、加速燃料ポンプ室52には、一端が
浮子室5内に連絡され、内部に吸入側逆止弁54が配置
された加速燃料吸入路55と、一端が加速ノズル56を
介して吸気道2に連絡され、内部に吐出側逆止弁57が
配置された加速燃料吐出路58と、が開口するとともに
ダイヤフラム51を大気室53側へ押圧するダイヤフラ
ムスプリング59が縮設される。そして、絞り弁9の開
放動作は操作レバー12、リンク60、ポンプレバー6
1を介してダイヤフラム51に加えられる。すなわち、
絞り弁9の開放動作によると、ダイヤフラム51は、ポ
ンプレバー61によって加速燃料ポンプ室52の室容積
を減少して加速燃料ポンプ室52を加圧し、これによっ
て加速燃料ポンプ室52内に貯溜された加速用の燃料を
加速ノズル56を介して吸気道2内へ噴射供給する。
【0030】そして、加速ポンプ装置を備えた気化器を
第3気化器C3として用いて図5に示される如き多連気
化器を構成する。(第1気化器C1、第2気化器C2は
加速ポンプ装置を有しない)第3気化器C3の加速燃料
吐出路58より加速燃料分配路58A、58B,58C
が分岐し、これらの各加速燃料分配路58A,58B,
58Cは各気化器C1,C2,C3の各吸気道2に加速
ノズル56を介して連絡される。又、各加速燃料分配路
58A,58B,58C内には吐出側逆止弁57が配置
される。更に、前記図2に示した第1の実施例と同様の
燃料増量通路20より分岐した燃料増量分配路20A,
20B,20Cの下流側の出口は加速ノズル56と吐出
側逆止弁57との間の各加速燃料分配路58A,58
B,58Cにそれぞれ開口させる。
【0031】以上の構造によると、制御弁21による燃
料増量通路20、及び各燃料増量分配路20A,20
B,20Cへの増量燃料の供給は、第一の実施例と同様
なものであるが、加速運転時において、特に加速の初期
に加速ウエルWからニードルジェット14を介して吸気
道2への燃料の供給に加えて、加速ポンプ装置50から
の加速燃料をあわせて供給できたので、加速初期におけ
る回転の立上りを一層円滑に行なうことができた。すな
わち、第一の実施例において、加速運転時における燃料
増量通路20から燃料増量分配路20A,20B,20
Cを介して供給される燃料の挙動をみると、絞り弁9が
低開度より3/8開度以上に機械的に開放され、且つ車
速が絞り弁開度に対して定められた一定車速の範囲と成
った際、その車速を車速センサ28が検出して制御回路
30に信号を入力し、これによって制御回路30から制
御弁21に対する信号が出力されるもので、ベンチュリ
ー部11の空気量の変化→ベンチュリー部11の負圧の
変化→負圧変化によるニードルジェット14からの燃料
の吸出→回転の上昇→車速の上昇→車速センサ28によ
る車速の検出と時間的に遅れが生じ、制御弁21を介し
て燃料増量通路20から吸気道2への燃料供給にわずか
ながらも遅れが生ずる。これに対し、この第2の実施例
によると、絞り弁レバー12を回動操作して加速運転に
入ると、絞り弁レバー12の回動はリンク60、ポンプ
レバー61を介して同期的にダイヤフラム51に伝達さ
れて、加速燃料ポンプ室52を圧縮して加速燃料ポンプ
室52より加速燃料吐出路58、加速燃料分配路58
A,58B,58C、各加速ノズル56を介して加速燃
料を各気化器の吸気道2に対して噴射供給できたので、
かかる加速運転時における燃料増量通路20からの燃料
供給の時間遅れを防止でき、もって加速の初期における
加速性能の向上を図ることができたものである。
【0032】尚、第一の実施例及び第二の実施例におい
て、燃料増量通路20より吸気道2内へ噴射供給する増
量燃料の量は機関とのセッティング作業にて決定される
が、例えば、5cc/分程度の微少な燃料量で良いこと
から制御弁21より下流側(吸気道2へ吐出する側)の
燃料増量通路20内に燃料増量通路20の有効通路径よ
り小径の通路径を有する制御ジェットJを配置し、この
制御ジェットJにて燃料増量通路20より吸気道2内へ
の噴射燃料量を制御するようにすると、正確な増量燃料
の制御が容易となったものである。
【0033】
【発明の効果】以上の如く、本発明になる多連気化器の
燃料増量装置によると、吸気道の有効開口面積を絞り弁
にて機械的に開閉制御する多連気化器において、絞り弁
の開度が一定開度以上で且つ車速が絞り弁開度に対して
定められた一定車速の範囲内における絞り弁の中,高開
度低速運転時等にあって、ベンチュリー部の負圧に依存
することなく、積極的に燃料増量通路、燃料増量分配路
より加圧された燃料を各気化器に供給して混合気の希薄
化を抑止できたもので気化器のセッティング作業が極め
て容易となるとともに、機関性能の著しい向上を図るこ
とができ、又、機関の加速運転時において、絞り弁が
中,高開度へ開放しているにも拘わらず機関の回転が充
分に上昇せず、絞り弁の開度に応じた適正なる車速の得
られない状態にあって、燃料増量通路、燃料増量分配路
より積極的に加圧された燃料を各気化器の各吸気道内へ
供給し、加速運転時における混合気の希薄化を抑止でき
たので機関の加速性能の向上を図ることができたもの
で、このとき、制御弁による燃料増量通路内における燃
料量の制御を、絞り弁の一定開度以上で、且つ車速が絞
り弁開度に対して定められた一定車速の範囲内におい
て、絞り弁の開度が一定開度状態にあっては車速の上昇
に応じて燃料量を減少し、車速が一定状態にあっては、
絞り弁の開度の増加に応じて燃料量を増量したことによ
ると、気化器の燃料制御特性を極めて短時間内において
機関の要求に合致させることができたもので機関性能の
著しい向上を図ることができるとともに開発効率の大幅
な改善を達成できた。又加速ポンプ装置を備えた気化器
と燃料増量装置とを組み合わせて使用したことによる
と、特に加速の初期から中期をへて終期に至る間に、加
速ポンプ装置からの加速燃料の供給とあいまって燃料増
量通路より加圧された燃料の供給を各気化器に行なえる
ので機関の加速性を更に一層向上できたものである。更
に、燃料増量通路を流れる燃料の圧力プレッシャーレギ
ュレターによって一定燃料圧力に制御したことによる
と、燃料増量通路から吸気道内へ供給される燃料量は制
御弁によって一義的に決定されるので正確な燃料の供給
が可能と成ったものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】多連気化器を構成する気化器であって加速ポン
プ装置を有しない単一の気化器の縦断面図である。
【図2】図1に示された気化器を複数配置した多連気化
器の燃料増量装置の第一の実施例を示す縦断面図を含む
全体系統図である。
【図3】絞り弁開度と車速との関係において制御回路か
ら制御弁に対し、駆動の為の出力を出す範囲の一例を示
す線図である。
【図4】絞り弁開度と車速との関係において制御回路か
ら制御弁に対し、駆動の為の出力を出す範囲の他の例を
示す線図である。
【図5】多連気化器を構成する気化器のなかに加速ポン
プ装置を備えた気化器を配置した多連気化器の燃料増量
装置の第二の実施例を示す縦断面図を含む全体系統図で
ある。
【図6】図5における加速ポンプ装置を備えた単一の気
化器の縦断面図である。
【符号の説明】
2 吸気道 5 浮子室 6 バルブシート 9 絞り弁 11 ベンチュリー部 14 ニードルジェット 19 燃料流入路 20 燃料増量通路 20A,20B,20C 燃料増量分配路 21 制御弁 27 絞り弁開度センサ 28 車速センサ 30 制御回路 31 プレッシャーレギュレター 50 加速ポンプ装置 56 加速ノズル 57 吐出側逆止弁 58 加速燃料吐出路 58A,58B,58C 加速燃料分配路 T 燃料タンク P 燃料ポンプ J 制御ジェット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F02M 13/02 F02M 13/02 G (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02M 7/12 F02D 45/00 362 F02M 9/06 F02M 13/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気化器本体を貫通する吸気道の有効開口
    面積を絞り弁にて機械的に開閉制御するとともに吸気道
    にベンチュリー部が形成された気化器を複数個配置した
    多連気化器と; 燃料タンク内に貯溜された燃料を、燃料ヘッド差又は燃
    料ポンプによって加圧して、各気化器の浮子室内に開口
    するバルブシートへ供給する燃料流入路と; 燃料流入路より分岐された燃料増量通路と; 燃料増量通路に配置され、絞り弁の開度を検出する絞り
    弁開度センサの出力と、車輌の速度を検出する車速セン
    サの出力とが入力される制御回路からの制御信号によっ
    て燃料増量通路を開閉制御するとともに燃料増量通路内
    を流れる燃料量を制御する制御弁と; 制御弁より下流側の燃料増量通路より分岐され、各気化
    器の吸気道に連なる燃料増量分配路と;よりなり、 絞り弁の開度が一定開度以上で、且つ車速が絞り弁開度
    に対して定められた一定車速の範囲内において、制御回
    路からの制御信号によって制御弁を動作し、燃料増量通
    路を開放するとともに、 前記、制御弁による燃料増量通路内における燃料量の制
    御を、絞り弁の開度が一定開度以上で、且つ車速が絞り
    弁開度に対して定められた一定車速の範囲内において、
    絞り弁の開度が一定開度状態にあっては、車速の上昇に
    応じて燃料量を減少し、車速が一定状態にあっては、絞
    り弁の開度の増加に応じて燃料量を増量してなる多連気
    化器の燃料増量装置。
  2. 【請求項2】 気化器本体を貫通する吸気道の有効開口
    面積を絞り弁にて機械的に開閉制御するとともに吸気道
    にベンチュリー部が形成された気化器と、気化器本体を
    貫通する吸気道の有効開口面積を機械的に開閉制御する
    絞り弁と、吸気道内に形成されたベンチュリー部と、 絞り弁の開動作に連動して機械的に加速燃料ポンプ室を
    圧縮し、加速燃料ポンプ室内の加速燃料を加速燃料吐出
    路より噴射する加速ポンプ装置を備えた気化器と、によ
    り構成された多連気化器と; 加速燃料吐出路より分岐して各気化器の吸気道に連なる
    加速燃料分岐路と; 燃料タンク内に貯溜された燃料を、燃料ヘッド差又は燃
    料ポンプによって加圧して、各気化器の浮子室内に開口
    するバルブシートへ供給する燃料流入路と; 燃料流入路より分岐された燃料増量通路と; 燃料増量通路に配置され、絞り弁の開度を検出する絞り
    弁開度センサの出力と、車輌の速度を検出する車速セン
    サの出力と、が入力される制御回路からの制御信号によ
    って燃料増量通路を開閉制御するとともに燃料増量通路
    内を流れる燃料量を制御する制御弁と; 制御弁より下流側の燃料増量通路より分岐され、各気化
    器の吸気道に連なる燃料増量分配路と;よりなり、 絞り弁の開度が一定開度以上で、且つ車速が絞り弁開度
    に対して定められた一定車速の範囲内において、制御回
    路からの制御信号によって制御弁を動作し、燃料増量通
    路を開放するとともに、 前記、制御弁による燃料増量通路内における燃料量の制
    御を、絞り弁の開度が一定開度以上で、且つ車速が絞り
    弁開度に対して定められた一定車速の範囲内において、
    絞り弁の開度が一定開度状態にあっては、車速の上昇に
    応じて燃料量を減少し、車速が一定状態にあっては、絞
    り弁の開度の増加に応じて燃料量を増量してなる多連気
    化器の燃料増量装置。
  3. 【請求項3】 前記、燃料増量通路を流れる燃料圧力を
    プレッシャーレギュレターにて一定燃料圧力に制御して
    なる請求項1項又は請求項2項記載の多連気化器の燃料
    増量装置。
JP09034892A 1992-03-16 1992-03-16 多連気化器の燃料増量装置 Expired - Fee Related JP3153930B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP09034892A JP3153930B2 (ja) 1992-03-16 1992-03-16 多連気化器の燃料増量装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP09034892A JP3153930B2 (ja) 1992-03-16 1992-03-16 多連気化器の燃料増量装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05256199A JPH05256199A (ja) 1993-10-05
JP3153930B2 true JP3153930B2 (ja) 2001-04-09

Family

ID=13996031

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP09034892A Expired - Fee Related JP3153930B2 (ja) 1992-03-16 1992-03-16 多連気化器の燃料増量装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3153930B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05256199A (ja) 1993-10-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US3642256A (en) Fuel supply system
JPS62500462A (ja) 圧縮点火機関の副燃料供給装置
JPS5932650B2 (ja) 空気/燃料比調整器
JP3154109B2 (ja) 多連気化器の燃料増量装置
JP3153930B2 (ja) 多連気化器の燃料増量装置
JPS586056B2 (ja) 内燃機関の気化器
JP3196085B2 (ja) 多連気化器の燃料増量装置
JP2884952B2 (ja) 内燃機関
JP3158304B2 (ja) 気化器の燃料増量装置
JP3188981B2 (ja) 気化器の燃料増量装置
JP3196084B2 (ja) 気化器の燃料増量装置
JPH05223008A (ja) 多連気化器の燃料増量装置
JP3470421B2 (ja) 内燃機関の蒸発燃料処理装置
JPH05256198A (ja) 気化器の燃料増量装置
JPH05223007A (ja) 気化器の燃料増量装置
JPH05256205A (ja) 多連気化器の燃料増量装置
JPS6120267Y2 (ja)
JP2539184Y2 (ja) 気化器の加速、減速装置
JPS6045774A (ja) 燃料供給制御装置
JPH087085Y2 (ja) 気化器の燃料増量装置
JP2852303B2 (ja) ディーゼルエンジンの制御装置
JP2589767Y2 (ja) 模型用エンジンの燃料供給装置
JPS5834668B2 (ja) 気化器の加速ポンプ機構
JPS593192Y2 (ja) エンジンの吸気装置
JPS59215947A (ja) 可変ベンチユリ型気化器

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees