JP2539184Y2 - 気化器の加速、減速装置 - Google Patents

気化器の加速、減速装置

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JP2539184Y2
JP2539184Y2 JP6345891U JP6345891U JP2539184Y2 JP 2539184 Y2 JP2539184 Y2 JP 2539184Y2 JP 6345891 U JP6345891 U JP 6345891U JP 6345891 U JP6345891 U JP 6345891U JP 2539184 Y2 JP2539184 Y2 JP 2539184Y2
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fuel
lever
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carburetor
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勝彦 筒井
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  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、機関へ供給する混合気
の濃度及び量を制御する気化器に関し、そのうち特に機
関の加速運転時に加速用の燃料を吸気路内に向かって噴
射供給するとともに、機関の減速運転時に絞り弁を低開
度に向けて緩徐に戻す気化器の加速、減速装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】気化器において、絞り弁を急速に開放す
る機関の加速運転時に一時的に機関へ吸入される混合気
を濃くする加速装置が必要となる。
【0003】これは、絞り弁の急開に伴なって空気は瞬
時に機関へ吸入される量が増加されるものの燃料の増量
が一時的に遅れ、混合気の濃度が希薄化して機関の回転
上昇が阻害される為である。
【0004】一方、絞り弁の高、中開度状態より絞り弁
を低開度へ戻す減速運転時において、絞り弁の低開度へ
の戻りを緩徐に戻す(絞り弁が急激に閉じることがな
い)緩速戻り装置が必要となる。
【0005】これは、絞り弁が急激に閉じると、吸気路
内の負圧が急に高くなる為、吸気路及び機関に連なる吸
気管の内壁に付着していた燃料が一度に蒸発して混合気
が過濃となり、ハイドロカーボン(HC)の量が増加
し、機関の燃焼状態が悪化して機関より排出される未燃
焼ガス(HC、CO、等)が増加することによる。
【0006】従来の加速装置として機械式加速装置と負
圧式加速装置がある。
【0007】機械式加速装置は以下の構成よりなる。す
なわち、ポンプ室と大気に連なる大気室とは区画体にて
気密的に区分形成され、ポンプ室には、内部に吸入側逆
止弁を備え、浮子室の一定液面下に連絡された燃料吸入
路と内部に吐出側逆止弁を備え、吸気路内に連絡された
燃料吐出路とが開口する。又、区画体は絞り弁の開放動
作時においてのみ、ポンプ室容積を強制的に減少するよ
う絞り弁と機械的に連動される。
【0008】負圧式加速装置は以下の構成よりなる。す
なわち、ポンプ室と負圧室とは区画体にて気密的に区分
形成され、ポンプ室には前記機械式加速装置と同様の燃
料吸入路と燃料吐出路とが開口し、一方負圧室には区画
体をポンプ室側へ押圧するスプリングが縮設されるとと
もに絞り弁より機関側の吸気路に連絡された負圧導入路
が開口する。
【0009】前記、従来例はポンプ室内に燃料を吸入、
吐出する燃料ポンプ式であるが前記加速装置において燃
料に代えて空気を吸入、吐出する空気ポンプ式とし、空
気吐出路をメーンノズルの周囲を囲繞するエアブリード
室に連絡した空気ポンプ式加速装置がある。
【0010】従来の緩速戻り装置は以下の構成よりな
る。すなわち、緩衡室と大気室とは区画体にて気密的に
区分形成され、緩衡室には、区画体の移動による緩衡室
の容積減少時において緩衡室から大気への空気の流出を
リークジェットにて微少に制限して流出させ、一方区画
体の移動による緩衡室の容積増加時において大気から緩
衡室内への空気の流入は吸入側逆止弁を開放して大なる
空気量をもって流入させる。そしてかかる緩速戻り装置
の区画体を絞り弁レバーの閉方向移動に対して対向配置
したものである。
【0011】以上述べた従来の装置は次の如く作用す
る。機械式加速装置によれば、絞り弁の低開度域にあっ
ては、ポンプ室内に燃料が吸入保持されるとともに大容
積に保持される。
【0012】絞り弁が中、高開度域に開放されると、絞
り弁の開放移動によって区画体が機械的に押圧されてポ
ンプ室容積を減少してポンプ室を圧縮し、ポンプ室内に
貯溜せる燃料を燃料吐出路を介して吸気路内へ噴射供給
したものである。
【0013】一方、絞り弁が中、高開度域より低開度へ
戻る際には、絞り弁は加速装置と無関係に低開度へ戻る
もので、このとき区画体は絞り弁による押圧を解除され
るので例えばポンプ室内に縮設されたスプリングの弾性
力にてポンプ室容積が大容積となるよう原位置に復帰
し、このときポンプ室内が負圧状態となり燃料吸入路よ
りポンプ室内に燃料を即座に吸入して次の加速に備え
る。
【0014】又、負圧式加速装置によれば、絞り弁の低
開度域にあっては、絞り弁より機関側の吸気路内の大な
る負圧が負圧導入路を介して負圧室内へ導入され、ポン
プ室内に燃料が吸入、保持されるとともにポンプ室は大
容量に保持される。
【0015】絞り弁が中、高開度域に開放されると、絞
り弁より機関側の吸気路内の負圧が小となり、負圧室内
の負圧もまた小となるので区画体は負圧室内に縮設され
たスプリングの弾性力によって押圧されてポンプ室側へ
移動し、ポンプ室容積を減少してポンプ室を圧縮し、ポ
ンプ室内に貯溜せる燃料を燃料吐出路を介して吸気路内
へ噴射供給する。
【0016】一方、絞り弁が中、高開度域より低開度域
に戻る際には、絞り弁は加速装置と無関係に低開度へ戻
る。絞り弁が低開度に戻ると、絞り弁より機関側の吸気
路内の負圧は大となるので、負圧室内の負圧も再び大と
なり負圧室内にあるスプリングの弾性力に抗して区画体
を負圧室側へ移動させもってポンプ室容積を大とすると
ともにポンプ室内を負圧状態とし、これによって燃料吸
入路よりポンプ室内に即座に燃料を吸入して次の加速に
備える。
【0017】又、ポンプ室に燃料を吸入して加速時にお
いて燃料を吸気管に吐出する燃料噴射型に代えて、空気
を吸入して吐出する空気噴射型にあっても同様な吸入、
吐出作用をなすが、空気噴射としたことによってかかる
圧縮空気は、エアブリード室を加圧することになり、吸
気管に圧縮空気が供給されることはない。
【0018】又、緩速戻り装置によれば、絞り弁が中、
高度域より低開度域に復帰する際、絞り弁は区画体に機
械的に当接しつつ戻るもので、区画体は緩衡室の室容積
を減少させるよう作用する。
【0019】これによると、緩衡室の室容積の減少はリ
ークジェットによる緩衡室から大気への空気の流出によ
って制御されることから区画体の緩衡室の室容積を減少
させる側の移動は緩徐となり、これによって絞り弁の低
開度への戻りは区画体による抵抗を受けて緩徐に戻るこ
とになる。
【0020】
【考案が解決しようとする課題】かかる従来の装置によ
ると、次の解決すべき課題を有する。即ち、従来の装置
において、加速装置にあっては加速性能の向上を目指し
た装置であり、緩速戻り装置にあっては減速時における
機関の燃焼性の改善を目指した装置であり、加速、減速
時の性能向上を図る為には両装置を用意する必要があ
り、これによると、部品点数が増加して気化器の製造コ
スト高を招来するとともに装置が複雑化して設計的自由
度が阻害される。
【0021】加速装置のポンプ室内に空気を吸入しこれ
を吐出したものにあっては、空気が圧縮性流体であるこ
とから区画体の動作によるポンプ室内の特に圧縮時にお
いて区画体の動作に対してポンプ室内の圧力上昇に遅れ
が生じ、動特性が阻害される。
【0022】又、緩速戻り装置の緩衡室内へ空気を導入
し、緩衡室から大気への空気をリークジェットにて制御
したことによると、区画体の動作速度は緩衡室からリー
クジェットを介して大気へ開放される空気量によって制
御される為に、このリークジェットは極めて正確に製作
される必要があり、製造コストが大幅にあがって好まし
いものでなかった。
【0023】
【課題を解決するための手段】本考案になる気化器の加
速、減速装置は前記問題点に鑑み成されたもので、その
目的とするところは気化器に用いるに最適で安価な加
速、減速装置を提供することにある。
【0024】絞り弁にて開閉制御される吸気路を備えた
気化器本体と、気化器本体と共に内部に一定液面を形成
保持する浮子室本体とによって形成される気化器におい
て、運転者によって操作され、絞り弁と機械的に連結さ
れるとともに絞り弁を開閉制御する主動レバーと、支持
軸に回転自在に支持されるとともに弾性部材の弾性力に
よって主動レバーに弾性的に押圧されて当接し、主動レ
バーの絞り弁開方向動作時に、弾性部材の弾性力にて従
動して正回転し、主動レバーの絞り弁閉方向動作時に主
動レバーにて機械的に押圧されて逆回転する従動レバー
と、区画体にてポンプ室と大気室とに区分されるととも
にポンプ室には、吐出側逆止弁を備えた燃料吐出路と、
少なくともリークジェットを備えた燃料吸入路とを開口
した燃料ポンプ装置と、主動レバーの絞り弁開方向動作
に伴なう従動レバーの正回転時においてポンプ室容積を
減少し、主動レバーの絞り弁閉方向動作に伴なう従動レ
バーの逆回転時においてポンプ室容積を増加させるよう
従動レバーと区画体とを機械的に連結する連結部材とよ
りなり、前記燃料流入路を浮子室本体の一定液面下に開
口するとともに燃料吐出路を各気化器の吸気路内に開口
したものである。
【0025】
【作用】機関の加速運転時においては、主動レバーは運
転者によって機械的に開放される。これによると従動レ
バーは弾性部材の弾性力によって主動レバーの回転に従
動して正回転し、連結部材にて区画体を押圧してポンプ
室容積を減少し、ポンプ室内に貯溜せる燃料を燃料吐出
路より気化器の吸気路内に噴射供給する。
【0026】絞り弁が、中、高開度に開放された状態か
ら主動レバーを機械的に閉塞すると、主動レバーは従動
レバーに機械的に当接し、従動レバーを逆回転させ、従
動レバーに従動して主動レバーは絞り弁の閉方向に回転
する。このとき、従動レバーの逆回転によって、連結部
材にて連結された区画体はポンプ室容積を増加するべく
移動するが、燃料吸入路内にリークジェットが配置され
たことによってポンプ室内への燃料の流入が微少に制御
されるので区画体の移動が抑止されて緩徐に行なわれ、
これによって従動レバー、主動レバーの回転速度が緩徐
に行なわれる。従って主動レバーと機械的に連結される
気化器の絞り弁の閉方向移動を緩徐に行なえる。
【0027】
【実施例】以下、本考案になる気化器の加速、減速装置
を多連気化器に用いた一実施例を図1により説明する。
尚、上、下、左、右は図において言うものでそれによっ
て限定されない。
【0028】Cは気化器であって以下の構成よりなる。
1は内部を吸気路2が貫通した気化器本体であって、吸
気路2を横断して回転自在に配置された絞り弁軸3には
吸気路2を開閉する絞り弁4が配置される。
【0029】気化器本体1の下方には浮子室本体5が配
置され、これらによって気化器本体1の下方に浮子室6
が形成され、この浮子室6内には、浮子、浮子弁、燃料
流入弁座、等の液面制御装置(図示せぬ)によって一定
なる液面が形成される。
【0030】吸気路2内には例えばメーンノズル等の燃
料噴孔7が開口する。そして、気化器本体1より突出す
る絞り弁軸3の端部には絞り弁レバー8が一体的に取着
されるもので、これによって絞り弁レバー8と絞り弁4
とは同期的に回転する。
【0031】かかる構成よりなる気化器Cを本例におい
ては上、下方向に三個配置して三連気化器となしたもの
で、隣接する各気化器の絞り弁レバー8は連結杆9にて
連結される。すなわち各気化器の絞り弁レバー8と絞り
弁4とは連結杆9にて互いに同期的に回転することにな
る。
【0032】10は例えば機関(図示せず)と気化器C
とを連絡する吸気管(図示せず)に立設した支持軸11
に回転自在に支持された主動レバーであり、この主動レ
バー10は運転者によって時計方向及び反時計方向の回
転を与えられる。
【0033】又、主動レバー10には制御カム10Aが
形成され、この制御カム10Aは下方の気化器Cの絞り
弁レバー8に設けた回転子8Aに対接する。本例にあっ
ては、主動レバー10が時計方向に回転すると、この回
転は制御カム10A、回転子8Aを介して、下方の気化
器Cの絞り弁レバー8に時計方向の回転として伝達さ
れ、この絞り弁レバー8の回転が連結杆9を介して各気
化器の絞り弁レバー8を時計方向に回転させて各気化器
の絞り弁4を同期的に開放する。
【0034】又、主動レバー10が反時計方向に回転す
ると、前記と同様の回転伝達が行なわれ各気化器の絞り
弁レバー8は反時計方向に回転して各気化器の絞り弁4
は同期的に吸気路2を閉塞する。
【0035】12は主動レバー10に従動して回転する
従動レバーであって支持軸11に回転自在に支持され
る。従動レバー12には主動レバー10の端面10Aに
当接する折曲げ部12Aが形成されるもので、絞り弁4
が吸気路2を開放するよう回転する主動レバー12の正
回転時(図において時計方向の回転)において、従動レ
バー12はスプリング等の弾性部材13の弾性力によっ
て主動レバー12の正回転に従動するよう正回転する。
【0036】弾性部材13をより具体的に説明すると、
弾性部材13はトーションコイルスプリングをなし、そ
の一端13Aが吸気管等の固定部に係止され、他端13
Bが従動レバー12に係止され、従動レバー12に対し
て時計方向の回転力を付与する。従って、従動レバー1
2の折曲げ部12Aは主動レバー10の端面10Aに当
接するよう時計方向に付勢される。
【0037】又、主動レバー10の絞り弁開方向に相当
する正回転に対し折曲げ部12Aを含む従動レバー12
は弾性部材13の弾性力によってのみ従動して正回転
し、一方主動レバー10の絞り弁閉方向に相当する逆回
転時において、主動レバー10の端面10Aは従動レバ
ー12の折曲げ部12Aに機械的に当接する。すなわ
ち、主動レバー10の絞り弁開方向に相当する正回転を
機械的に阻止するものはなにもない。然しながら、主動
レバー10の制御カム10Aと回転子8Aとの当接は常
に行なわれる。
【0038】14は燃料ポンプ装置であって以下の構成
よりなる。筺体15は区画体16によってポンプ室17
と大気室18とに区分形成され、大気室18は通孔18
Aを介して大気と連通される。ポンプ室17にはリーク
ジェット19を内部に備えた燃料吸入路20が開口する
とともに燃料吸入路20の他端は気化器Cの浮子室6内
の一定液面下に連絡される。
【0039】更にポンプ室17には燃料吐出路21が開
口するもので、この燃料吐出路21は、内部に吐出側逆
止弁22を有し、吸気路2内に開口する噴射ノズル23
に連なる。
【0040】本例にあっては、ポンプ室17より単一の
燃料吐出路21がポンプ室17外へ延び、その一部
(A)より各気化器の吸気路2に向かう三本の燃料吐出
路が分岐し、この分岐した各燃料吐出路に吸気路2に開
口し、吐出側逆止弁22を備えた噴射ノズル23が設け
られる。
【0041】そして、区画体16と従動レバー12とは
ロッドの如き連結部材24にて機械的に連結される。
【0042】すなわち、主動レバー10の絞り弁開方動
作に伴なう従動レバー12の正回転時(時計方向回転)
において、区画体16は連結部材24によって上方に押
圧されてポンプ室17の容積を減少させ、一方主動レバ
ー10の絞り弁閉方向動作に伴なう従動レバー12の逆
回転時(反時計方向回転)において、区画体16は連結
部材24によって下方に引下げられてポンプ室17の容
積を増加させる。
【0043】次にその作用について説明する。絞り弁4
がアイドリング開度の如く低開度に保持された機関の低
開度運転について説明すると、主動レバー10は図1の
状態(もっとも反時計方向に位置した状態)にあり、主
動レバー10の制御カム10Aによって制御される下方
位置にある気化器Cの絞り弁レバー8もまた図1の状態
にあり、下方位置の気化器Cの絞り弁4はアイドリング
開度に保持される。
【0044】一方、中間位置及び上方位置にある各気化
器の絞り弁レバー8は下方位置にある気化器Cの絞り弁
レバー8と連結杆9によって同期した位置にあることか
ら、中間、上方位置にある各気化器の絞り弁4もまたア
イドリング開度に保持され、而して機関のアイドリング
運転が達成できた。
【0045】又、従動レバー12にあっては、弾性部材
13の弾性力によって折曲げ部12Aが主動レバー10
の端面10Aに当接した位置にあり、このとき区画体1
6は連結部材24によって下方位置に引下げられた状態
にあって、ポンプ室17の室容積は大容積に保持される
とともにポンプ室17内には燃料吸入路20を介して浮
子室6内の燃料が吸入されて貯溜される。
【0046】次に前記絞り弁4の低開度運転時より絞り
弁4が開放される加速運転時について説明する。加速運
転に当り、運転者は主動レバー10を時計方向に回転さ
せる。これによると、主動レバー10の制御カム10A
が回転子8Aを介して下方位置にある気化器Cの絞り弁
レバー8を時計方向に回転させるもので、これによる
と、連結杆9にて連結された中間及び上方位置にある気
化器Cの各絞り弁レバー8もまた時計方向に回転し、而
して各気化器Cの絞り弁8は同期して吸気路2を開放
し、機関に対して主動レバー10の開放に見合う空気量
を増加し得る。
【0047】一方、かかる主動レバー10の時計方向の
回転によると、主動レバー10の端面10Aもまた時計
方向に回転するもので、従動レバー12の折曲げ部12
Aは、弾性部材13の弾性力によって主動レバー10に
従動して時計方向に回転する。
【0048】かかる、従動レバー12の時計方向の回転
によると、連結部材24は上方へ移動して区画体16を
ポンプ室17側へ押圧してポンプ室17の室容積を減少
させつつポンプ室17を圧縮する。ポンプ室17の圧縮
が終了した状態にあっては区画体16を挟持するポンプ
室17側のリテーナー16Aはポンプ室17の上底部1
7Aに当接するが、他の手段を用いて区画体16の圧縮
動作を抑止してもよい。
【0049】ポンプ室17が圧縮されたことによると、
ポンプ室17より燃料吸入路20を介して浮子室6内へ
戻る燃料量はリークジェット19にて制限されることか
ら、ポンプ室17内の圧力は上昇し、この圧力上昇によ
って吐出側逆止弁22は燃料吐出路21を開放する。
【0050】而して燃料吐出路21より上昇した圧力を
有する燃料が噴射ノズル23を介して各気化器Cの吸気
路2内へ噴射供給される。
【0051】以上の如く、運転者が主動レバー10を開
放操作したことによって各気化器Cの吸気路2内を流れ
る空気量を増加することができるとともに各吸気路2内
へ直接的に加速燃料を噴射供給できたので機関の加速性
能を向上できたものである。
【0052】尚、区画体16のポンプ室17の圧縮は、
ポンプ室17から吐出する加速燃料量及び加速燃料の噴
射継続時間によって決定されるもので、絞り弁4の全開
以前の中間開度時においてポンプ室17からの燃料吐出
を停止する為には区画体16を挟持するポンプ室17側
のリテーナー16Aをポンプ室17の上底部17Aに当
接すればよいもので、リテーナー16Aがこの上底部1
7Aに当接した後において主動レバー10が更に時計方
向に回転して絞り弁4を開放しても、主動レバー10の
みが時計方向に回転し、従動レバー12が時計方向に回
転することはない。弾性部材13のみがタワムものであ
る。
【0053】次に絞り弁4の中開度を含む高開度運転時
から急速に絞り弁を低開度に戻す機関の減速運転時につ
いて説明する。
【0054】かかる減速運転時において主動レバー10
は運転者によって図において反時計方向の回転力を付与
される。一方、かかる絞り弁4の中開度を含む高開度運
転時において、従動レバー12は主動レバー10の絞り
弁4の開方向回転に伴なう正回転に従動して回転したの
で絞り弁4の低開度運転時に比較して時計方向に回転し
た状態に弾性部材13による弾性力にて押圧され、停止
して保持される。(例えばリテーナー16Aがポンプ室
17の上底部17Aに当接した状態における従動レバー
12の回転位置であり、絞り弁4の高開度時において主
動レバー10の端面10Aと従動レバー12の折曲げ部
12Aとは当接することがなく間隙が形成される。)
【0055】ここで、主動レバー10が絞り弁4の高開
度状態から反時計方向に運転者によって回転されると、
この回転は主動レバー10の制御カム10Aより回転子
8Aを介して下方位置の気化器Cの絞り弁レバー8に反
時計方向の回転を与え、各気化器の絞り弁4を同期的に
閉方向へと回転させる。
【0056】そして、絞り弁4の前記高開度状態より更
に絞り弁4が閉塞方向に回転されると、主動レバー10
の端面10Aは従動レバー12の折曲げ部12Aに当接
し、主動レバー10は従動レバー12とともに絞り弁4
の閉方向、すなわち反時計方向へ回転しようとする。
【0057】従動レバー12にあっては、前記主動レバ
ーの反時計方向の回転押圧力に伴なって反時計方向へ回
転せんとするものであり、この従動レバー12の反時計
方向の回転によれば、ポンプ室17をもっとも圧縮した
状態(区画体16がポンプ室17側へもっとも移動した
状態)にある区画体16を大気室18側へ移動させる必
要が生じる。
【0058】すなわち、従動レバー12の反時計方向の
回転力は連結部材24を介して区画体16に機械的に伝
達されて、区画体16を下方に引下げてポンプ室17の
室容積を増加するよう作用するものであり、従動レバー
12の回転は区画体16の大気室18側への移動に依存
する。
【0059】ここで、ポンプ室17の室容積の増加によ
ると、ポンプ室17内の圧力は負圧状態となり、これに
よると燃料吐出路21は吐出側逆止弁22にて閉塞さ
れ、一方燃料吸入路20のリークジェット19にて微少
に制限された燃料がポンプ室17内に徐々に吸入される
ことになる。
【0060】すなわち、区画体16の大気室側への移動
速度はリークジェット19を介してポンプ室17内へ流
入する燃料量によって決定されるもので、このリーク量
が小となると区画体16の移動速度は遅くなり、リーク
量が大となると移動速度は速くなる。
【0061】従って、かかるリークジェット19の孔径
を適当に設定することによって区画体16の移動速度を
決定すれば、区画体16と連結部材24を介して機械的
に連結された従動レバー12の反時計方向への回転速度
を緩徐に制御することができたものであり、主動レバー
10の反時計方向の回転時において、主動レバー10の
端面10Aが従動レバー12の折曲げ部12Aに当接
し、主動レバー10の反時計方向の回転に抵抗を与える
従動レバー12の反時計方向の回転に追従するよう主動
レバー10が反時計方向へ回転する。
【0062】而して、主動レバー10の反時計方向への
回転を緩徐に制御できたので、主動レバー10と同期的
に作動する各気化器Cの絞り弁4を緩徐に閉方向へと制
御できたものである。
【0063】又、リークジェット19とポンプ室17と
の間の燃料吸入路20内に吸入側逆止弁30を配置した
ことによると、ポンプ室17の圧縮時においてリークジ
ェット19から浮子室6内への燃料のリークを阻止でき
たのでポンプ室17内の燃料を有効に、且つ時間遅れを
生じさせることなく加速時における燃料噴射を行なえる
ものである。
【0064】又、各気化器Cの燃料噴射ノズル23へ燃
料吐出路21を分岐する燃料噴射路21の一部(A)よ
りポンプ室17側における燃料吐出路21(燃料吐出路
21が各気化器Cに連なる燃料吐出路21を分岐させる
分岐点より上流側の燃料吐出路)内に機関の運転時に燃
料吐出路21を開放し、機関の停止時に燃料吐出路を閉
塞する開閉弁31を配置すれば、特に機関停止時におい
て無用に主動レバー10を操作した際においてポンプ室
17から噴射ノズル23を介して吸気路2内への燃料の
供給を遮断できる。
【0065】図2には機関の運転、停止によって通路を
開閉する開閉弁31としての負圧作動弁Vを示す。この
負圧作動弁Vは、以下よりなる。40は筐体41を吸気
管に連絡された受圧室42と大気に連絡された大気室4
3とに区分する区画体であって、区画体40には燃料吐
出路21を開閉制御する弁体44が一体的に取着される
とともに受圧室42内には区画体40を大気室43側へ
押圧する(弁体44が燃料吐出路21を閉じる側へ押圧
する)スプリング45が縮設される。
【0066】従って、機関の停止時において、受圧室4
2内は大気圧に保持されるので弁体44はスプリング4
5のバネ力によって燃料吐出路21を閉塞保持し、一
方、機関の運転時において、吸気管に発生する負圧が受
圧室42内へ導入され、区画体40はスプリング45の
バネ力に抗して受圧室42側へ移動するので弁体44は
燃料吐出路21を開放保持する。
【0067】図3にはイグニッションスイッチの開閉に
よって通路を開閉する開閉弁31としての電磁弁Sが示
される。50は周囲にコイル51が巻回されたコイルボ
ビンであって、コイルボビン50内には固定鉄心52と
固定鉄心52に対向して移動自在に可動鉄心53が配置
され、可動鉄心53には燃料吐出路21を開閉制御する
弁部54が設けられる。コイル51の電気回路にはイグ
ニッションスイッチ55が配置され、機関の運転時にイ
グニッションスイッチ55が閉じられると電磁弁Sのコ
イル51に通電されて燃料吐出路21が開放され、一方
機関の停止時にイグニッションスイッチ55が開かれる
と電磁弁Sに対する通電が断たれ、燃料吐出路21が閉
塞される。
【0068】図4に他の実施例を示す。本実施例と図1
に示された構造との差異部分について説明し、同一構造
部分については同一符号を使用し説明を省略する。
【0069】60は主動レバーであって、下方位置にあ
る気化器Cの絞り弁軸4と一体的に固着されるとともに
運転者によって開閉操作され、さらには中間位置にある
気化器Cの絞り弁レバー8と連結杆9によって機械的に
連結される。又、主動レバー8は連結部材24によって
燃料ポンプ装置14の区画体16と一体的に連結され
る。
【0070】61は下方位置にある気化器Cの気化器本
体1より立設せる支持軸62に回転自在に配置された従
動レバーであって、従動レバーに設けた折曲げ部61A
が主動レバー60の端面60Aに弾性部材13の弾性力
をもって当接される。
【0071】すなわち主動レバー60の絞り弁開方向動
作時に、従動レバー61は弾性部材13の弾性力によっ
て従動して正回転し、一方主動レバー60の絞り弁閉方
向動作時に、主動レバー60の端面60Aが従動レバー
61の折曲げ部61Aに当接して機械的に従動レバー6
1の逆回転させる。
【0072】かかる実施例によると、第1の実施例と同
様なる作用をなすが、第1の実施例でいうところの主動
レバー10と下方位置にある気化器Cの絞り弁レバー8
とを共用とし、単一のレバーにて構成できたもので部品
点数、組みつけ工数の削減を達成できた。
【0073】
【考案の効果】以上の如く、本考案の気化器の加速、減
速装置によると、機関の加速運転時において加速用燃料
を噴射供給する加速装置と、機関の減速運転時に絞り弁
を緩徐に戻す緩速戻り装置とを共通の主動レバー、従動
レバー及び燃料ポンプ装置とによって形成して単一の装
置としたので部品点数の削減、組みつけ工数の削減を達
成できその製造コストを安価とすることができたもので
ある。
【0074】又、単一の装置とできたことは、装置を極
めて単純とすることができるとともに小型化とすること
ができ、機関への装着の自由度を高めることができたも
のである。
【0075】又、特に緩速戻り装置の緩速制御機能とし
てポンプ室内へリークジェットを介して燃料を流入させ
たことによると、リークジェットによる空気制御に比較
してリークジェットの精度維持管理が極めて容易となっ
た。これは、リークジェットを通過する流体の抵抗が気
体に比較して液体の抵抗が大であることによるものであ
り、更には、液体が非圧縮性流体であることによって区
画体の移動に際して即座にポンプ室内の圧力変化を生じ
させることができるので、加速、減速時における装置の
動特性を向上できたものである。すなわち気体を使用し
た際には、区画体がある程度移動した後にポンプ室内の
圧力が変化を生じさせることになり動特性が劣る。
【0076】又、吐出側逆止弁とポンプ室との間の燃料
吐出路に、機関の停止時において燃料吐出路を閉塞し、
機関の運転時において燃料吐出路を開放する開閉弁を配
置したことによると、機関の停止時に運転者が無用に主
動レバーを開閉した際、燃料ポンプ装置から無用な燃料
を吸気路内に噴射供給することがなく、混合気が過濃と
なって生ずる機関性能の悪化を招くことがないばかりか
燃料経済性の向上を達成できる。
【0077】更にはリークジェットとポンプ室との間の
燃料吸入路に吸入側逆止弁を配置したことによると、加
速運転時にポンプ室が加圧された際においてポンプ室か
ら燃料吸入路への燃料洩れを抑止できたので、ポンプ室
から燃料吐出路を介して吐出される吐出燃料の圧力を高
めることができるとともにポンプ室内に貯溜された燃料
を加速に有効に使用できたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案になる気化器の加速、減速装置の一実施
例を示す要部縦断面図である。
【図2】開閉弁としての負圧作動弁を示す縦断面図であ
る。
【図3】開閉弁としての電磁弁を示す縦断面図である。
【図4】本考案になる気化器の加速、減速装置の他の実
施例を示す要部縦断面図である。
【符号の説明】
1 気化器本体 2 吸気路 3 絞り弁軸 4 絞り弁 6 浮子室 8 絞り弁レバー 10、60 主動レバー 11、61 従動レバー 13 弾性部材 14 燃料ポンプ装置 16 区画体 17 ポンプ室 19 リークジェット 20 燃料吸入路 21 燃料吐出路 22 吐出側逆止弁 24 連結部材 30 吸入側逆止弁 31 開閉弁 V 負圧作動弁 S 電磁弁 55 イグニッションスイッチ

Claims (5)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絞り弁にて開閉制御される吸気路を備え
    た気化器本体と、気化器本体と共に内部に一定液面を形
    成保持する浮子室本体とによって形成される気化器にお
    いて、運転者によって操作され、絞り弁と機械的に連結
    されるとともに絞り弁を開閉制御する主動レバーと、支
    持軸に回転自在に支持されるとともに弾性部材の弾性力
    によって主動レバーに弾性的に押圧されて当接し、主動
    レバーの絞り弁開方向動作時に、弾性部材の弾性力にて
    従動して正回転し、主動レバーの絞り弁閉方向動作時に
    主動レバーにて機械的に押圧されて逆回転する従動レバ
    ーと、区画体にてポンプ室と大気室とに区分されるとと
    もにポンプ室には、吐出側逆止弁を備えた燃料吐出路
    と、少なくともリークジェットを備えた燃料吸入路とを
    開口した燃料ポンプ装置と、主動レバーの絞り弁開方向
    動作に伴なう従動レバーの正回転時においてポンプ室容
    積を減少し、主動レバーの絞り弁閉方向動作に伴なう従
    動レバーの逆回転時においてポンプ室容積を増加させる
    よう従動レバーと区画体とを機械的に連結する連結部材
    とよりなり、前記燃料流入路を浮子室本体の一定液面下
    に開口するとともに燃料吐出路を気化器の吸気路内に開
    口したことを特徴とする気化器の加速、減速装置。
  2. 【請求項2】 前記、吐出側逆止弁とポンプ室との間の
    燃料吐出路に、機関の停止時において燃料吐出路を閉塞
    し、機関の運転時において燃料吐出路を開放する開閉弁
    を配置してなる請求項第1項記載の気化器の加速、減速
    装置。
  3. 【請求項3】 前記、開閉弁を機関の吸気負圧によって
    動作する負圧作動弁としてなる請求項第1項記載の気化
    器の加速、減速装置。
  4. 【請求項4】 前記、開閉弁をイグニッションスイッチ
    の開閉によって動作する電磁弁としてなる請求項第1項
    記載の気化器の加速、減速装置。
  5. 【請求項5】 前記、リークジェットとポンプ室との間
    の燃料吸入路に吸入側逆止弁を配置してなる請求項第1
    項記載の気化器の加速、減速装置。
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