JPH0510765U - 気化器の加速、減速装置 - Google Patents

気化器の加速、減速装置

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JPH0510765U
JPH0510765U JP6345991U JP6345991U JPH0510765U JP H0510765 U JPH0510765 U JP H0510765U JP 6345991 U JP6345991 U JP 6345991U JP 6345991 U JP6345991 U JP 6345991U JP H0510765 U JPH0510765 U JP H0510765U
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throttle valve
fuel
pump chamber
valve
carburetor
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Inventor
勝彦 筒井
秀治 藤原
Original Assignee
株式会社京浜精機製作所
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 機関の加速運転時に加速用の燃料を機関へ噴
射供給する加速装置と、減速運転時絞り弁を緩徐に閉方
向側へ戻す為の減速装置を共通で単一の装置によって行
なうことのできる気化器の加速、減速装置の提供。 【構成】 絞り弁4を開閉制御する主動レバー10と、
区画体14にて区分されるポンプ室15に吐出側逆止弁
19を備えた燃料吐出路21と、リークジェット17を
備えた燃料吸入路18とを開口した燃料ポンプ装置12
と、主動レバー10の絞り弁4開方向動作に伴なう正回
転時に、主動レバー10の正回転移動を弾性部材26の
弾性力をもって区画体14に伝達してポンプ室15容積
を減少し、主動レバー10の絞り弁4閉方向動作に伴な
う逆回転時であって少なくとも絞り弁4の低開度域より
最低アイドリング開度への主動レバー10の閉方向移動
時に、ポンプ室15容積を増加するよう区画体14と主
動レバー10とを連結する連結部材22とよりなる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、機関へ供給する混合気の濃度及び量を制御する気化器に関し、その うち特に機関の加速運転時に加速用の燃料を吸気路内に向かって噴射供給すると ともに、機関の減速運転時に絞り弁を低開度に向けて緩徐に戻す気化器の加速、 減速装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
気化器において、絞り弁を急速に開放する機関の加速運転時に一時的に機関へ 吸入される混合気を濃くする加速装置が必要となる。
【0003】 これは、絞り弁の急開に伴なって空気は瞬時に機関へ吸入される量が増加され るものの燃料の増量が一時的に遅れ、混合気の濃度が希薄化して機関の回転上昇 が阻害される為である。
【0004】 一方、絞り弁の高、中開度状態より絞り弁を低開度へ戻す減速運転時において 、絞り弁の低開度への戻りを緩徐に戻す(絞り弁が急激に閉じることがない)緩 速戻り装置が必要となる。
【0005】 これは、絞り弁が急激に閉じると、吸気路内の負圧が急に高くなる為、吸気路 及び機関に連なる吸気管の内壁に付着していた燃料が一度に蒸発して混合気が過 濃となり、ハイドロカーボン(HC)の量が増加し、機関の燃料状態が悪化して 機関より排出される未燃焼ガス(HC、CO、等)が増加することによる。
【0006】 従来の加速装置として機械式加速装置と負圧式加速装置がある。
【0007】 機械式加速装置は以下の構成よりなる。すなわち、ポンプ室と大気に連なる大 気室とは区画体にて気密的に区分形成され、ポンプ室には、内部に吸入側逆止弁 を備え、浮子室の一定液面下に連絡された燃料吸入路と内部に吐出側逆止弁を備 え、吸気路内に連絡された燃料吐出路とが開口する。又、区画体は絞り弁の開放 動作時においてのみ、ポンプ室容積を強制的に減少するよう絞り弁と機械的に連 動される。
【0008】 負圧式加速装置は以下の構成よりなる。すなわち、ポンプ室と負圧室とは区画 体にて気密的に区分形成され、ポンプ室には前記機械式加速装置と同様の燃料吸 入路と燃料吐出路とが開口し、一方負圧室には区画体をポンプ室側へ押圧するス プリングが縮設されるとともに絞り弁より機関側の吸気路に連絡された負圧導入 路が開口する。
【0009】 前記、従来例はポンプ室内に燃料を吸入、吐出する燃料ポンプ式であるが前記 加速装置において燃料に代えて空気を吸入、吐出する空気ポンプ式とし、空気吐 出路をメーンノズルの周囲を囲繞するエアブリード室に連絡した空気ポンプ式加 速装置がある。
【0010】 従来の緩速戻り装置は以下の構成よりなる。すなわち、緩衡室と大気室とは区 画体にて気密的に区分形成され、緩衡室には、区画体の移動による緩衡室の容積 減少時において緩衡室から大気への空気の流出をリークジェットにて微少に制限 して流出させ、一方区画体の移動による緩衡室の容積増加時において大気から緩 衡室内への空気の流入は吸入側逆止弁を開放して大なる空気量をもって流入させ る。そしてかかる緩速戻り装置の区画体を絞り弁レバーの閉方向移動に対して対 向配置したものである。
【0011】 以上述べた従来の装置は次の如く作用する。機械式加速装置によれば、絞り弁 の低開度域にあっては、ポンプ室内に燃料が吸入保持されるとともに大容積に保 持される。
【0012】 絞り弁が中、高開度域に開放されると、絞り弁の開放移動によって区画体が機 械的に押圧されてポンプ室容積を減少してポンプ室を圧縮し、ポンプ室内に貯溜 せる燃料を燃料吐出路を介して吸気路内へ噴射供給したものである。
【0013】 一方、絞り弁が中、高開度域より低開度へ戻る際には、絞り弁は加速装置と無 関係に低開度へ戻るもので、このとき区画体は絞り弁による押圧を解除されるの で例えばポンプ室内に縮設されたスプリングの弾性力にてポンプ室容積が大容積 となるよう原位置に復帰し、このときポンプ室内が負圧状態となり燃料吸入路よ りポンプ室内に燃料を即座に吸入して次の加速に備える。
【0014】 又、負圧式加速装置によれば、絞り弁の低開度域にあっては、絞り弁より機関 側の吸気路内の大なる負圧が負圧導入路を介して負圧室内へ導入され、ポンプ室 内に燃料が吸入、保持されるとともにポンプ室は大容量に保持される。
【0015】 絞り弁が中、高開度域に開放されると、絞り弁より機関側の吸気路内の負圧が 小となり、負圧室内の負圧もまた小となるので区画体は負圧室内に縮設されたス プリングの弾性力によって押圧されてポンプ室側へ移動し、ポンプ室容積を減少 してポンプ室を圧縮し、ポンプ室内に貯溜せる燃料を燃料吐出路を介して吸気路 内へ噴射供給する。
【0016】 一方、絞り弁が中、高開度域より低開度域に戻る際には、絞り弁は加速装置と 無関係に低開度へ戻る。絞り弁が低開度に戻ると、絞り弁より機関側の吸気路内 の負圧は大となるので、負圧室内の負圧も再び大となり負圧室内にあるスプリン グの弾性力に抗して区画体を負圧室側へ移動させもってポンプ室容積を大とする とともにポンプ室内を負圧状態とし、これによって燃料吸入路よりポンプ室内に 燃料を即座に吸入して次の加速に備える。
【0017】 又、ポンプ室に燃料を吸入して加速時において燃料を吸気路に吐出する燃料噴 射型に代えて、空気を吸入して吐出する空気噴射型にあっても同様な吸入、吐出 作用をなすが、空気噴射としたことによってかかる圧縮空気は、エアブリード室 を加圧することになり、吸気管に圧縮空気が供給されることはない。
【0018】 又、緩速戻り装置によれば、絞り弁が中、高度域より低開度域に復帰する際、 絞り弁は区画体に機械的に当接しつつ戻るもので、区画体は緩衡室の室容積を減 少させるよう作用する。
【0019】 これによると、緩衡室の室容積の減少はリークジェットによる緩衡室から大気 への空気の流出によって制御されることから区画体の緩衡室の室容積を減少させ る側の移動は緩徐となり、これによって絞り弁の低開度への戻りは区画体による 抵抗を受けて緩徐に戻ることになる。
【0020】
【考案が解決しようとする課題】
かかる従来の装置によると、次の解決すべき課題を有する。即ち、従来の装置 において、加速装置にあっては加速性能の向上を目指した装置であり、緩速戻り 装置にあっては減速時における機関の燃焼性の改善を目指した装置であり、加速 、減速時の性能向上を図る為には両装置を用意する必要があり、これによると、 部品点数が増加して気化器の製造コスト高を招来するとともに装置が複雑化して 設計的自由度が阻害される。
【0021】 加速装置のポンプ室内に空気を吸入しこれを吐出したものにあっては、空気が 圧縮性流体であることから区画体の動作によるポンプ室内の特に圧縮時において 区画体の動作に対してポンプ室内の圧力上昇に遅れが生じ、動特性が阻害される 。
【0022】 又、緩速戻り装置の緩衡室内へ空気を導入し、緩衡室から大気への空気をリー クジェットにて制御したことによると、区画体の動作速度は緩衡室からリークジ ェットを介して大気へ開放される空気量によって制御される為に、このリークジ ェットは極めて正確に製作される必要があり、製造コストが大幅にあがって好ま しいものでなかった。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本考案になる気化器の加速、減速装置は前記問題点に鑑み成されたもので、そ の目的とするところは気化器に用いるに最適で安価な加速、減速装置を提供する ことにある。
【0024】 絞り弁にて開閉制御される吸気路を備えた気化器本体と、気化器本体と共に内 部に一定液面を形成保持する浮子室本体とによって形成される気化器において、 運転者によって操作され、絞り弁と機械的に連結されるとともに絞り弁を開閉制 御する主動レバーと、区画体にてポンプ室と大気室とに区分されるとともにポン プ室には、吐出側逆止弁を備えた燃料吐出路と、少なくともリークジェットを備 えた燃料吸入路とを開口した燃料ポンプ装置と、主動レバーの絞り弁開方向動作 に伴なう正回転時に、主動レバーの正回転移動を弾性部材の弾性力をもって区画 体に伝達してポンプ室容積を減少し、主動レバーの絞り弁閉方向動作に伴なう逆 回転時であって少なくとも絞り弁の低開度域より最低アイドリング開度への主動 レバーの閉方向移動時に、区画体と主動レバーとを機械的に連結し、区画体によ ってポンプ室容積を増加するよう区画体と主動レバーとを連結する連結部材とよ りなり、前記燃料流入路を浮子室本体の一定液面下に開口するとともに燃料吐出 路を気化器の吸気路内に開口したものである。
【0025】
【作用】
機関の加速運転時においては、主動レバーは運転者によって機械的に開放され る。これによると主動レバーは絞り弁の開方向へ正回転するもので、この正方向 の回転は連結部材を構成する弾性部材の弾性力をもって区画体に伝達され、区画 体を押圧してポンプ室容積を減少し、ポンプ室内に貯溜せる燃料を燃料吐出路よ り気化器の吸気路内に噴射供給する。
【0026】 絞り弁が、中、高開度に開放された状態から絞り弁閉方向動作に伴なう主動レ バーの逆回転時には、主動レバーの逆回転移動は連結部材によって機械的に区画 体に伝達され、区画体はポンプ室容積を増加するべく移動するが、燃料吸入路内 にリークジェットが配置されたことによってポンプ室内への燃料の流入が微少に 制御されるので区画体の移動が抑止されて緩徐に行なわれ、これによって主動レ バーの回転速度が緩徐に行なわれる。従って主動レバーと機械的に連結される気 化器の絞り弁の閉方向移動を緩徐に行なえる。
【0027】
【実施例】
以下、本考案になる気化器の加速、減速装置を多連気化器に用いた一実施例を 図1、図2により説明する。尚、上、下、左、右は図において言うものでそれに よって限定されない。
【0028】 Cは気化器であって以下の構成よりなる。1は内部を吸気路2が貫通した気化 器本体であって、吸気路2を横断して回転自在に配置された絞り弁軸3には吸気 路2を開閉する絞り弁4が配置される。
【0029】 気化器本体1の下方には浮子室本体5が配置され、これらによって気化器本体 1の下方に浮子室6が形成され、この浮子室6内には、浮子、浮子弁、燃料流入 弁座、等の液面制御装置(図示せぬ)によって一定なる液面が形成される。
【0030】 吸気路2内には例えばメーンノズル等の燃料噴孔7が開口する。そして、気化 器本体1より突出する絞り弁軸3の端部には絞り弁レバー8が一体的に取着され るもので、これによって絞り弁レバー8と絞り弁4とは同期的に回転する。
【0031】 かかる構成よりなる気化器Cを本例においては上、下方向に三個配置して三連 気化器となしたもので、隣接する各気化器の絞り弁レバー8は連結杆9にて連結 される。すなわち各気化器の絞り弁レバー8と絞り弁4とは連結杆9にて互いに 同期的に回転することになる。
【0032】 10は例えば機関(図示せず)と気化器Cとを連絡する吸気管(図示せず)に 立設した支持軸11に回転自在に支持された主動レバーであり、この主動レバー 10は運転者によって時計方向及び反時計方向の回転を与えられる。
【0033】 又、主動レバー10には制御カム10Aが形成され、この制御カム10Aは下 方の気化器Cの絞り弁レバー8に設けた回転子8Aに対接する。本例にあっては 、主動レバー10が時計方向に回転すると、この回転は制御カム10A、回転子 8Aを介して、下方の気化器Cの絞り弁レバー8に時計方向の回転として伝達さ れ、この絞り弁レバー8の回転が連結杆9を介して各気化器の絞り弁レバー8を 時計方向に回転させて各気化器の絞り弁4を同期的に開放する。
【0034】 又、主動レバー10が反時計方向に回転すると、前記と同様の回転伝達が行な われ各気化器の絞り弁レバー8は反時計方向に回転して各気化器の絞り弁4は同 期的に吸気路2を閉塞する。
【0035】 12は燃料ポンプ装置であって以下の構成よりなる。筺体13は区画体14に よってポンプ室15と大気室16とに区分形成され、大気室16は通孔16Aを 介して大気と連通される。ポンプ室15にはリークジェット17を内部に備えた 燃料吸入路18が開口するとともに燃料吸入路18の他端は気化器Cの浮子室6 内の一定液面下に連絡される。
【0036】 更にポンプ室15には燃料吐出路21が開口するもので、この燃料吐出路21 は、内部に吐出側逆止弁19を有し、吸気路2内に開口する噴射ノズル20に連 なる。
【0037】 本例にあっては、ポンプ室15より単一の燃料吐出路21がポンプ室15外へ 延び、その一部(A)より各気化器の吸気路2に向かう三本の燃料吐出路が分岐 し、この分岐した各燃料吐出路に吸気路2に開口し、吐出側逆止弁19を備えた 噴射ノズル20が設けられる。
【0038】 そして、区画体14と主動レバー10とは次の如き連結部材22にて連結され る。
【0039】 連結部材22について説明すると、連結部材22は第1連結杆23と第2連結 杆24とよりなる。
【0040】 第1連結杆23の一端23Aは主動レバー10に回転自在に取着され、他端2 3Bより一端23Aに向けて軸心方向に沿う案内孔23Cが穿設される。案内孔 23Cは他端23Bにも開口し、一端23A側の底部23Gが閉塞される有底孔 をなす。
【0041】 又、第1連結杆23には規制溝23Dが貫通して穿設されるもので、この規制 溝23Dは、第1連結杆23の軸心方向に沿って長さ(L)だけ連続して穿設さ れるとともに上段部23Eと下段部23Fとを有す。
【0042】 第2連結杆24の一端24Aは第1連結杆23の案内孔23C内に進入して摺 動可能に案内保持されるとともに案内孔23C内にある第2連結杆24には第1 連結杆23の規制溝23D内に移動自在に配置されるとともに少なくとも規制溝 23Dの上段部23Eに当接するノックピン25が固定的に配置される。そして 、第2連結杆24の他端24Bは燃料ポンプ装置12の区画体14に一体的に取 着される。
【0043】 26は案内孔23C内に縮設されたスプリング等の弾性部材であり、この弾性 部材26は案内孔23Cの底部23Gと第2連結杆24の一端24Aの下方の端 部との間に縮設されるもので、第2連結杆24に固定的に取着されたノックピン 25はこの弾性部材26の弾性力によって規制溝23Dの上段部23Eに押圧さ れて当接する。
【0044】 そして、主動レバー10の絞り弁開方向動作に伴なう正回転時において、連結 部材22は図において上動して区画体14がポンプ室15の室容積を減少させ、 主動レバー10の絞り弁閉方向動作に伴なう逆回転時において連結部材22は図 において下動して区画体14がポンプ室15の室容積を増加させる。
【0045】 次にその作用について説明する。絞り弁4が最低アイドリング開度に保持され た機関のアイドリング運転について説明すると、主動レバー10は図1の状態( もっとも反時計方向に位置した状態)にあり、主動レバー10の制御カム10A によって制御される下方位置にある気化器Cの絞り弁レバー8もまた図1の状態 にあり、下方位置の気化器Cの絞り弁4はアイドリング開度に保持される。
【0046】 一方、中間位置及び上方位置にある各気化器の絞り弁レバー8は下方位置にあ る気化器Cの絞り弁レバー8と連結杆9によって同期した位置にあることから、 中間、上方位置にある各気化器の絞り弁4もまたアイドリング開度に保持され、 而して機関のアイドリング運転が達成できた。
【0047】 かかるアイドリング運転時において、連結部材22の第2連結杆24は弾性部 材26の弾性力によって上方に押圧され、ノックピン25は規制溝23Dの上段 部23Eに当接する。
【0048】 一方、区画体14は下方位置にあってポンプ室15の室容積は大容積をなし、 燃料吸入路18より浮子室6内の燃料を吸入し、ポンプ室15内には燃料が貯溜 される。
【0049】 次に前記絞り弁4のアイドリング運転時より絞り弁4が開放される加速運転時 について説明する。加速運転に当り、運転者は主動レバー10を時計方向に正回 転させる。これによると、主動レバー10の制御カム10Aが回転子8Aを介し て下方位置にある気化器Cの絞り弁レバー8を時計方向に回転させるもので、こ れによると、連結杆9にて連結された中間及び上方位置にある気化器Cの各絞り 弁レバー8もまた時計方向に回転し、而して各気化器Cの絞り弁8は同期して吸 気路2を開放し、機関に対して主動レバー10の開放に見合う空気量を増加し得 る。
【0050】 一方、かかる主動レバー10の時計方向の正回転によると、第1連結杆23は 図において上方向へ移動するもので、この上方向の移動は弾性部材26を介して 第2連結部材24の一端24Aに伝達され、第2連結杆24によって区画体14 をポンプ室15側へ上動させ、ポンプ室容積を減少させてポンプ室15を圧縮す る。
【0051】 ポンプ室15が圧縮されたことによると、ポンプ室15より燃料吸入路18を 介して浮子室6内へ戻る燃料量はリークジェット17にて制限されることから、 ポンプ室15内の圧力は上昇し、この圧力上昇によって吐出側逆止弁19は燃料 吐出路21を開放する。
【0052】 而して燃料吐出路21より上昇した圧力を有する燃料が噴射ノズル20を介し て各気化器Cの吸気路2内へ噴射供給される。
【0053】 以上の如く、運転者が主動レバー10を開放操作したことによって各気化器C の吸気路2内を流れる空気量を増加させることができるとともに各吸気路2内へ 直接的に加速燃料を噴射供給できたので機関の加速性能を向上できたものである 。
【0054】 尚、区画体14のポンプ室15の圧縮は、ポンプ室15から吐出する加速燃料 量及び加速燃料の噴射継続時間によって決定されるもので、絞り弁4の全開以前 の中間開度時においてポンプ室15からの燃料吐出を停止する為には区画体14 を挟持するポンプ室15側のリテーナー14Aをポンプ室15の上底部15Aに 当接すればよいもので、リテーナー14Aがこの上底部15Aに当接した後にお いて主動レバー10が更に時計方向に回転して絞り弁4を開放すると、主動レバ ー10の正回転によって第1連結杆23は上方向へ更に移動するが第2連結杆2 4は区画体14のリテーナー14Aが上底部15Aに当接していることより、そ の移動は阻止される。
【0055】 従って第1連結杆23は主動レバー10の正回転に応じて弾性部材26を圧縮 しつつ上方向へ移動し、このときノックピン25は第1連結杆23の規制溝23 D内を結果として下方へ移動することになり、ノックピン25と上段部23Eと の間に間隙が形成されるので第1連結杆23の上方向移動及び主動レバー10の 正回転が阻害されることはない。
【0056】 次に絞り弁4の中開度を含む高開度運転時から急速に絞り弁をアイドリング開 度に戻す機関の減速運転時について説明する。
【0057】 かかる減速運転時において主動レバー10は運転者によって図において反時計 方向への逆回転力を付与される。
【0058】 ここで、主動レバー10が絞り弁4の高開度状態から反時計方向に運転者によ って逆回転されると、この回転は主動レバー10の制御カム10Aより回転子8 Aを介して下方位置の気化器Cの絞り弁レバー8に反時計方向の回転を与え、各 気化器の絞り弁4を同期的に閉方向へと回転させる。
【0059】 一方、主動レバー10の前記逆回転によると、第1連結杆23は図において下 方向へ移動するもので、第1連結杆23の上段部23Eがノックピン25に当接 すると(前述の如く絞り弁4の中、高開度状態においてノックピン25と上段部 23Eとの間には間隙が形成されている。)第1連結杆23の上段部23Eは第 2連結杆24のノックピン25を介して、機械的に下方へ引下げる力を付与する 。
【0060】 このように、第2連結杆24が下方向へ移動せんとすると、ポンプ室15をも っとも圧縮した状態(区画体14がポンプ室15側へもっとも移動した状態)に ある区画体14を大気室16側へ移動させてポンプ室15の室容積を増加させる 必要が生じる。
【0061】 ここで、ポンプ室15の室容積の増加によると、ポンプ室15内の圧力は負圧 状態となり、これによると燃料吐出路21は吐出側逆止弁19にて閉塞され、一 方燃料吸入路18のリークジェット17にて微少に制限された燃料がポンプ室1 5内に徐々に吸入されることになる。
【0062】 すなわち、区画体14の大気室側への移動速度はリークジェット17を介して ポンプ室15内へ流入する燃料量によって決定されるもので、このリーク量が小 なる場合には区画体14の移動速度は遅くなり、リーク量が大なる場合には移動 速度は速くなる。
【0063】 従って、かかるリークジェット17の孔径を適当に設定することによって区画 体14の移動速度を決定すれば、区画体14と第2連結杆24、第1連結杆23 を介して絞り弁4の閉方向回転時に機械的に連結された主動レバー10の反時計 方向への回転速度を緩徐に制御することができたものである。而して、主動レバ ー10の反時計方向への回転を緩徐に制御できたので、主動レバー10と同期的 に作動する各気化器Cの絞り弁4を緩徐にアイドリング開度へと制御できたもの である。
【0064】 又、リークジェット17とポンプ室15との間の燃料吸入路18内に吸入側逆 止弁30を配置したことによると、ポンプ室15の圧縮時においてリークジェッ ト17から浮子室6内への燃料のリークを阻止できたのでポンプ室15内の燃料 を有効に、且つ時間遅れを生じさせることなく加速時における燃料噴射を行なえ るものである。
【0065】 又、各気化器Cの燃料噴射ノズル20へ燃料吐出路21を分岐する燃料噴射路 21の一部(A)よりポンプ室15側における燃料吐出路21(燃料吐出路21 が各気化器Cに連なる燃料吐出路21を分岐させる分岐点より上流側の燃料吐出 路)内に機関の運転時に燃料吐出路21を開放し、機関の停止時に燃料吐出路を 閉塞する開閉弁31を配置すれば、特に機関停止時において無用に主動レバー1 0を操作した際においてポンプ室15から噴射ノズル20を介して吸気路2内へ の燃料の供給を遮断できる。
【0066】 図3には機関の運転、停止によって通路を開閉する負圧作動弁Vを示す。この 負圧作動弁Vは、以下よりなる。40は筺体41を吸気管に連絡された受圧室4 2と大気に連絡された大気室43とに区分する区画体であって、区画体40には 燃料吐出路21を開閉制御する弁体44が一体的に取着されるとともに受圧室4 2内には区画体40を大気室43側へ押圧する(弁体44が燃料吐出路21を閉 じる側へ押圧する)スプリング45が縮設される。
【0067】 従って、機関の停止時において、受圧室42内は大気圧に保持されるので弁体 44はスプリング45のバネ力によって燃料吐出路21を閉塞保持し、一方、機 関の運転時において、吸気管に発生する負圧が受圧室42内へ導入され、区画体 40はスプリング45のバネ力に抗して受圧室42側へ移動するので弁体44は 燃料吐出路21を開放保持する。
【0068】 図4にはイグニッションスイッチの開閉によって通路を開閉する電磁弁Sが示 される。50は周囲にコイル51が巻回されたコイルボビンであってコイルボビ ン50内には固定鉄心52と固定鉄心52に対向して移動自在に可動鉄心53が 配置され、可動鉄心53には燃料吐出路21を開閉制御する弁部54が設けられ る。コイル51の電気回路にはイグニッションスイッチ55が配置され、機関の 運転時にイグニッションスイッチ55が閉じられると電磁弁Sのコイル51に通 電されて燃料吐出路21が開放され、一方機関の停止時にイグニッションスイッ チ55が開かれると電磁弁Sに対する通電が断たれ、燃料吐出路21が閉塞され る。
【0069】 尚、主動レバー10を下方位置にある気化器Cの絞り弁レバー8とし、この絞 り弁レバー8に連結部材22の第1連結杆23を取着し、絞り弁レバー8を運転 者によって操作してもよい。
【0070】 かかる実施例によると、第1の実施例と同様なる作用をなすが、第1の実施例 でいうところの主動レバー10と下方位置にある気化器Cの絞り弁レバー8とを 共用とし、単一のレバーにて構成できたもので部品点数、組みつけ工数の削減を 達成できた。
【0071】
【考案の効果】
以上の如く、本考案の気化器の加速、減速装置によると、機関の加速運転時に おいて、加速用燃料を噴射供給する加速装置と、機関の減速運転時に絞り弁を緩 徐に戻す緩速戻り装置とを共通の主動レバー及び燃料ポンプ装置とによって形成 して単一の装置としたので部品点数の削減、組みつけ工数の削減を達成でき、そ の製造コストを安価とすることができたものである。
【0072】 又、単一の装置とできたことは、装置を極めて単純とすることができるととも に小型化とすることができ、機関への装着の自由度を高めることができたもので ある。
【0073】 又、特に緩速戻り装置の緩速制御機能としてポンプ室内へリークジェットを介 して燃料を流入させたことによると、リークジェットによる空気制御に比較して リークジェットの精度維持管理が極めて容易となった。これは、リークジェット を通過する流体の抵抗が、気体に比較して液体の抵抗が大であることによるもの であり、更には液体が非圧縮性流体であることによって、区画体の移動に際して 即座にポンプ室内の圧力変化を生じさせることができるので、加速、減速時にお ける装置の動特性を向上できたものである。すなわち、気体を使用した際には、 区画体がある程度移動した後にポンプ室内の圧力が変化を生じさせることになり 、動特性がある。
【0074】 又、吐出側逆止弁とポンプ室との間の燃料吐出路に、機関の停止時において燃 料吐出路を閉塞し、機関の運転時において燃料吐出路を開放する開閉弁を配置し たことによると、機関の停止時に運転者が無用に主動レバーを開閉した際、燃料 ポンプ装置から無用な燃料を吸気路内に噴射供給することがなく、混合気が過濃 となって生ずる機関性能の悪化を招くことがないばかりか燃料経済性の向上を達 成できる。
【0075】 更には、リークジェットとポンプ室との間の燃料吸入路に吸入側逆止弁を配置 したことによると、加速運転時にポンプ室が加圧された際においてポンプ室から 燃料吸入路への燃料洩れを抑止できたので、ポンプ室から燃料吐出路を介して吐 出される吐出燃料の圧力を高めることができるとともにポンプ室内に貯溜された 燃料を加速に有効に使用できたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案になる気化器の加速、減速装置の一実施
例を示す要部縦断面図である。
【図2】図1の連結部材部分の側面図である。
【図3】開閉弁としての負圧作動弁を示す縦断面図であ
る。
【図4】開閉弁としての電磁弁を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 気化器本体 2 吸気路 3 絞り弁軸 4 絞り弁 6 浮子室 8 絞り弁レバー 10 主動レバー 12 燃料ポンプ装置 14 区画体 15 ポンプ室 16 大気室 17 リークジェット 18 燃料吸入路 19 吐出側逆止弁 20 噴射ノズル 21 燃料吐出路 22 連結部材 23 第1連結杆 24 第2連結杆 26 弾性部材

Claims (5)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絞り弁にて開閉制御される吸気路を備え
    た気化器本体と、気化器本体と共に内部に一定液面を形
    成保持する浮子室本体とによって形成される気化器にお
    いて、運転者によって操作され、絞り弁と機械的に連結
    されるとともに絞り弁を開閉制御する主動レバーと、区
    画体にてポンプ室と大気室とに区分されるとともにポン
    プ室には、吐出側逆止弁を備えた燃料吐出路と、少なく
    ともリークジェットを備えた燃料吸入路とを開口した燃
    料ポンプ装置と、主動レバーの絞り弁開方向動作に伴な
    う正回転時に、主動レバーの正回転移動を弾性部材の弾
    性力をもって区画体に伝達してポンプ室容積を減少し、
    主動レバーの絞り弁閉方向動作に伴なう逆回転時であっ
    て少なくとも絞り弁の低開度域より最低アイドリング開
    度への主動レバーの閉方向移動時に、区画体と主動レバ
    ーとを機械的に連結し、区画体によってポンプ室容積を
    増加するよう区画体と主動レバーとを連結する連結部材
    とよりなり、前記燃料流入路を浮子室本体の一定液面下
    に開口するとともに燃料吐出路を気化器の吸気路内に開
    口したことを特徴とする気化器の加速、減速装置。
  2. 【請求項2】 前記、吐出側逆止弁とポンプ室との間の
    燃料吐出路に、機関の停止時において燃料吐出路を閉塞
    し、機関の運転時において燃料吐出路を開放する開閉弁
    を配置してなる請求項第1項記載の気化器の加速、減速
    装置。
  3. 【請求項3】 前記、開閉弁を機関の吸気負圧によって
    動作する負圧作動弁としてなる請求項第1項記載の気化
    器の加速、減速装置。
  4. 【請求項4】 前記、開閉弁をイグニッションスイッチ
    の開閉によって動作する電磁弁としてなる請求項第1項
    記載の気化器の加速、減速装置。
  5. 【請求項5】 前記、リークジェットとポンプ室との間
    の燃料吸入路に吸入側逆止弁を配置してなる請求項第1
    項記載の気化器の加速、減速装置。
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