JP3153421B2 - 多段希薄予混合燃焼における不完全燃焼防止方法 - Google Patents

多段希薄予混合燃焼における不完全燃焼防止方法

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JP3153421B2 JP22830794A JP22830794A JP3153421B2 JP 3153421 B2 JP3153421 B2 JP 3153421B2 JP 22830794 A JP22830794 A JP 22830794A JP 22830794 A JP22830794 A JP 22830794A JP 3153421 B2 JP3153421 B2 JP 3153421B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は多段希薄予混合燃焼法に
おける不完全燃焼防止方法に関し、従来完全燃焼させる
ことが不可能とされていた可燃限界外の超希薄予混合気
を完全燃焼させることを可能とする多段希薄予混合燃焼
法において、燃焼時に未燃焼成分が排出されるであろう
燃焼環境を早期に検知し、未燃焼成分が排出されないよ
うに運転条件を変更することにより希薄予混合気の不完
全燃焼が生じるのを防止するようにした多段希薄予混合
燃焼法における不完全燃焼防止方法に関する。
【0002】
【従来の技術】各種燃焼器の低NOx 燃焼法として予混
合燃焼法が注目されており、各方面で実用燃焼器の開発
が行われている。予混合燃焼法において低負荷時におけ
るCOや未燃炭化水素の排出(いわゆる、未燃焼成分の
排出)による燃焼効率の低下抑制と、最大負荷時におけ
るNOx 排出量の低減とはトレードオフの関係にあり、
これをどうバランスさせるかが技術的課題となってい
る。
【0003】このような課題を克服するため、負荷変動
に応じて空気をバイパスさせ、燃焼領域の空燃比を一定
範囲にコントロールする方式が、大型のガスタービン燃
焼器で一部実用化されているが、この方式ではシステム
が非常に複雑であることなどから、スペース、安全性、
コストなどの面で中、小型のガスタービン燃焼器への適
用が困難である。
【0004】この解決手段として、本出願人は、燃料ガ
スと空気の予混合ガスを2段に分割供給し、燃料制御の
みで広い負荷範囲にわたって高い燃焼効率と低NOx
を実現する燃焼器の開発を行ないすでに出願している
(特開平5−296412号公報、特開平5−3405
08号公報参照)。すなわち、予混合ガス供給は二段に
分割され、一段目には低空気比の予混合ガスを供給して
一次燃焼火炎として安定に燃焼させ、2段目には負荷に
応じて制御される燃料ガスを供給する。その間に2段目
には一定の空気量が供給されていることから、結果とし
て、空気比が1.3〜3.5程度の領域において未燃分の排
出を低い値に抑えたままで低NOx 燃焼が行われる。
【0005】本発明者らは上記形式の燃焼器を用いてさ
らに実験を継続する過程において、負荷の低下に伴い2
段目の燃料ガスの供給量を低下させていくと、空気比2
0程度(すなわち、燃料濃度が低く燃焼限界を外れてい
るもの)まで燃焼を継続することが可能であること、し
かしながら、その過程において未燃焼成分 (COや炭化
水素を主成分とする)が排出され、いわゆる不完全燃焼
状態を示すことを知った。すなわち、この種の希薄予混
合燃焼法は、NOx 排出量を大幅に削減できるものの、
特に2段目が高空気比での低負荷燃焼において、NOx
排出量の低減と未燃焼成分の排出抑制を同時に達成でき
る範囲が非常に狭く、そのために、燃焼器の燃焼条件を
監視しながら未燃焼成分の排出を低減した状態での継続
燃焼を行うことのできる燃焼法の開発が必要であること
を知った。
【0006】そのために、本発明者らは未燃焼成分発生
の原因について多くの研究を行なった。そこにおいて、
未燃焼成分発生の原因は一次燃焼ガスと希薄な二次予混
合気の流れ、混合や反応など種々の要因が考えられる
が、燃焼における化学反応のみに注目して検討を行なう
ことによっても有効な解決手段を得られることを認識
し、燃料としてメタンを想定してその一次燃焼ガスの温
度及び組成を求め、この高温の一次燃焼ガスに種々の割
合で希薄な二次予混合気を瞬時混合させた後の組成と温
度を初期値として、CHEMKIN の定圧反応計算プログラム
を用いて反応計算を行った。
【0007】それにより、本発明者らは、メタンを主成
分とする炭化水素系燃料の酸化については、理論上、燃
焼ガスと希薄予混合気の空気比に関係なく該高温の燃焼
ガスと低温の希薄予混合気が反応を伴わないで均一に混
合したときの混合直後の温度Tmix が1000℃前後以
上であれば1ms以内で90%以上酸化すること、また
これは、圧力や予熱温度が変化しても同じ傾向であるこ
と、を知った。
【0008】本発明者らは、上記の知見を実際の多段希
薄予混合燃焼器における超希薄予混合燃焼法に適用すべ
く多くの実験を行うことにより、前段において燃焼した
高温燃焼ガス中に可燃限界外にある低温の希薄予混合気
を混合して反応させる多段超希薄予混合燃焼法であっ
て、該高温の燃焼ガスと低温の希薄予混合気が反応を伴
わないで均一に混合したときの混合直後の温度Tmix が
900℃前後以上となるように、前記高温の燃焼ガス中
に低温の希薄予混合気を供給し反応させることを特徴と
する多段超希薄予混合燃焼法をすでに提案している(特
願平5−65654号)。
【0009】前記の出願において、燃焼実験は図1に示
す構造の燃焼装置を用いて行った。この燃焼装置は前記
特開平5−296412号公報あるいは特開平5−34
0508号公報に示された燃焼装置と同様の構造を持つ
2段階希薄予混合燃焼装置であり、一次旋回流バーナ1
0と燃焼室20とから構成される。一次旋回流バーナ1
0内に一次空気入口11からの空気QA1と一次燃料入口
12からの燃料QG1とが送給され、スワーラ13を通り
可燃範囲にある一次予混合気Q1 として一次燃焼室21
に供給されて、そこで安定した予混合火炎を形成して完
全燃焼する。
【0010】一次燃焼室21の下流には半径方向に4本
の二次予混合気(希薄予混合気)供給孔30が設けら
れ、そこから可燃限界外にある低温の希薄予混合気が二
次予混合気Q2 として供給される。供給された二次予混
合気Q2 は、一次燃焼室内21での一次燃焼ガスと混合
し二次燃焼室22において燃焼する。なお、23は断熱
材である。
【0011】燃焼試験は一次予混合気Q1 の空気比
λ1 、二次予混合気Q2 の空気比λ2 、一次燃焼での供
給空気量QA1と二次燃焼での供給空気量QA2の比率τ
(すなわち一次燃焼と二次燃焼の燃焼割合)の種々の組
み合わせの下で行い、一次予混合気Q1 の燃焼ガスと二
次予混合気Q2 が反応を伴わないで均一に混合したとき
の混合直後の温度Tmix を計算した。その試験結果を図
2〜図7に示す。
【0012】なお、すべての図において、横軸は二次予
混合気Q2 の空気比λ2 、左縦軸は二次予混合気Q2
燃焼効率、右縦軸は燃焼排ガス中のNOx の含有量であ
り、燃焼効率及びNOx の含有量はいずれも図1の燃焼
装置における燃焼室20の下流端で測定した値である。
図2の場合を例にとり具体的に説明すると、一次燃焼用
の供給空気量QA1=33m3/h、一次燃焼用の燃料量Q
G1=1.88m3/h(空気比1.6)の混合気を一次旋回流
バーナ10で燃焼させ、一次燃焼室21に安定した予混
合火炎を形成させた。一次燃焼ガスの温度は約1400
℃であった。二次予混合気供給孔30から混合後の前記
温度Tmix が約1050℃となるように二次空気量QA2
=14.1m 3/hを供給し、二次燃焼用ガス量QG2を0.6
5m3/h(空気比2)から0m3/hまで変化させた。この
場合、τ=7:3となる。
【0013】図2から、従来完全燃焼は困難であった空
気比λ2 =2〜10の超希薄二次予混合気Q2 がすべて
完全燃焼しており、かつ生成NOX も1〜2ppm と微量
であり、前記出願にかかる燃焼法、すなわち、高温の燃
焼ガスと低温の希薄予混合気が反応を伴わないで均一に
混合したときの混合直後の温度が900℃前後以上とな
るように、前記高温の燃焼ガス中に低温の希薄予混合気
を供給し燃焼させる多段超希薄予混合燃焼法が有効であ
ることが実証されている。
【0014】図3は、二次空気量QA2を変え、τ=6:
4とした場合のグラフである。この場合にはTmix は約
930℃となるが、この場合でも、二次予混合気Q2
空気比λ2 =2〜6の範囲では超希薄二次予混合気Q2
は完全燃焼しており、λ2 =6〜12の場合でもほぼ9
0%以上の燃焼効率で燃焼している。ここでも前記多段
超希薄予混合燃焼法が有効であることが実証される。
【0015】図4は比較例であり、二次空気量QA2を変
え、τ=5:5とした場合のグラフである。この場合に
はTmix は約830℃となり、空気比λ2 =2以上の超
希薄二次予混合気Q2 の燃焼効率は40%以下となって
いる。すなわち、Tmix が830℃前後より低い場合に
は、二次予混合気Q2 は完全燃焼を達成することができ
ないことを示している。
【0016】図5から図7は、一次燃焼での供給空気量
A1と二次燃焼での供給空気量QA2の比率τを6:4に
一定とし、一次予混合気Q1 の空気比λ1 を図5におい
ては1.4、図6においては1.6、図7においては1.8と
した場合の測定結果である。このτ=6:4の比は前記
図3の場合と同じ設定であるが、その場合であっても、
図5の場合のように一次燃焼用ガスの空気比を1.4と低
いものとする(すなわち、一次燃焼ガスの温度を約16
00℃とする)ことにより、Tmix を1030℃以上に
保つことが可能となり、その結果二次燃焼での燃焼効率
を空気比λ2 =2〜10の超希薄二次予混合気のすべて
について100%とすることが可能となり、かつ生成N
Oxも5〜10ppm と微量であり、ここでも前記多段超
希薄予混合燃焼法が有効であることが実証される。
【0017】図6は同じ条件のもとで一次予混合気Q1
の空気比λ1 のみを1.6とした場合であるが、この場合
にはTmix は約930℃となり、空気比λ2 =2〜6の
範囲では超希薄二次予混合気Q2 は完全燃焼しており、
より高い空気比(6〜12)の場合でもほぼ90%以上
の燃焼効率で燃焼している。ここでも前記多段超希薄予
混合燃焼法が有効であることが実証される。
【0018】図7は比較例であり、同じ条件のもとで一
次予混合気Q1 の空気比λ1 を1.8とした場合である
が、この場合にはTmix は約840℃となり、空気比λ
2 =2〜3の範囲では超希薄二次予混合気Q2 は完全燃
焼しているものの、より高い空気比(3〜10)の場合
では燃焼効率は次第に低下して空気比λ2 =10では約
40%に低下している。この例から、Tmix は約840
℃程度では二次予混合気の完全燃焼が達せられる空気比
の範囲はきわめて限られたものとなり、目的は十分には
達成されないことがわかる。
【0019】上記多段超希薄予混合燃焼法によれば、従
来燃焼不可能と考えられてきた予混合気、つまり理論的
にそれ自身のみでは燃焼し得ないきわめて希薄な予混合
気(例えばメタンの場合に予熱温度が25℃では空気比
2以上の予混合気)を完全燃焼させることが可能とな
る。それにより、非常に高い空気比の燃焼が可能な低N
x 燃焼器を実現することもできる。
【0020】
【発明が解決しようとする技術課題】上記のように、先
の出願にかかる多段希薄予混合燃焼法によれば、燃料と
してメタンを主成分とする燃料を用い、燃焼器内での一
次燃焼ガスと二次予混合気とが反応を伴わないで均一に
混合したときの混合直後の温度Tmix を900℃前後以
上となるように一次燃焼ガス中に二次予混合気を供給し
燃焼させることにより、低NOx でかつ未燃焼成分の排
出のない完全燃焼が達成される。
【0021】上記の燃焼法を実際の希薄予混合燃焼器に
適用して運転する場合に、負荷変動により燃焼器の運転
条件に変更が求められる場合であっても、前記温度Tmi
x を所定の温度例えば900℃前後以上となるように常
に制御することが必要とされる。温度Tmix が継続して
維持されない場合にはそこに不完全燃焼が生じることと
なる。
【0022】本発明の目的は、先の出願による多段希薄
予混合燃焼法を実際の燃焼器に適用する際に、負荷変動
などが生じた場合であっても常に前記温度Tmix が維持
されるようにその運転条件を随時変更することにより不
完全燃焼が生じるのを防止するようにした多段希薄予混
合燃焼における不完全燃焼防止方法を提供することにあ
る。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明による多段希薄予混合燃焼における不完全燃
焼防止方法は、基本的に、前段での燃焼により生じた一
次燃焼ガスに次段において可燃限界外の希薄な二次予混
合気を混合して反応させる多段希薄予混合燃焼法におけ
る不完全燃焼防止方法であって、あらかじめ、当該燃焼
器について燃焼器出口からの未燃焼成分排出開始前後に
おける燃焼器内での前記一次燃焼ガスと二次予混合気と
が反応を伴わないで均一に混合したときの混合直後の温
度Kを求めておき、実際の運転において、一次空気の供
給量、一次燃料の供給量、一次空気の予熱温度、及び、
二次空気の供給量、二次燃料の供給量、二次空気の予熱
温度を測定し、そこから、その条件における前記混合気
の温度Tmix を次式、 但し、H1 (J/kg):一次燃料の単位質量当たりの発熱量
(25℃基準) mg1(kg/h):一次燃料の質量流量 ma1(kg/h):一次空気の質量流量 mg2(kg/h):二次燃料の質量流量 ma2(kg/h):二次空気の質量流量 Ta1(℃) :一次空気の予熱温度 Ta2(℃) :二次空気の予熱温度 CaT1 (J/kg℃) :空気の温度Ta1における平均比熱(2
5℃基準) CaT2 (J/kg℃) :空気の温度Ta2における平均比熱(2
5℃基準) CmixTmix (J/kg℃) :一次燃焼ガスと二次予混合気を反
応を伴わずに均一に混合してできた混合気の温度Tmix
における平均比熱(25℃基準) で算出し、温度Kと温度Tmix を比較し、温度K>温度
Tmix であってかつ二次予混合気中に燃料が供給されて
いる場合には、温度K≦温度Tmix となるように運転条
件を変更することを特徴とする不完全燃焼防止方法、を
開示する。
【0024】温度K>温度Tmix で二次予混合気中に燃
料が供給されている場合での運転条件の変更の具体的手
法としては、一次燃料の質量流量mg1を増加すること、
一次空気の質量流量ma1を減少すること及び/又は一次
空気の温度Ta1を上昇させること、二次空気の質量流量
ma2を減少すること及び/又は二次空気の温度Ta2を上
昇させること、などにより有効に行うことができる。
【0025】本発明において前記温度Kは一定でなく使
用する燃料の種類及び燃焼器の種類によって変化する。
1次燃料及び2次燃料がメタンを主成分とする燃料であ
る場合には、温度Kを900℃としてあらかじめ設定し
ておくことも可能である。本発明はまた、燃焼器の負荷
変動に対して、低負荷時には二次予混合気中に燃料を供
給せず、一次予混合気中の燃料流量を増加させることに
より負荷の上昇に対応し、温度K≦温度Tmix となった
時点から二次予混合気中に燃料を供給し、その流量を増
加させることで負荷の上昇に対応することを特徴とする
請求項1記載の不完全燃焼防止方法を用いた多段希薄予
混合燃焼器の燃焼制御方法をも開示している。
【0026】上記の不完全燃焼防止方法を実施するに際
して、Tmix の算出は図9にそのフローチャートを示す
ように、先ずある値のTmix を仮定値としてCmixTmixを
求め、そのCmixTmixを用いてTmix を算出し仮定値と比
べるという繰り返し計算が必要とされる。その煩雑さ避
け制御装置の簡易化と処理時間の短縮を可能とするもの
として、本発明は発熱量を基準値とした次の方法をも開
示する。
【0027】すなわち、その方法は、前記の多段希薄予
混合燃焼における不完全燃焼防止方法において、実際の
運転において、一次空気の供給量、一次燃料の供給量、
一次空気の予熱温度、及び、二次空気の供給量、二次燃
料の供給量、二次空気の予熱温度を測定し、そこから、
その条件における、二次予混合気の反応による発熱を無
視した場合の燃焼器への入熱量Hinと、一次燃焼ガスと
二次予混合気とが反応を伴わないで均一に混合してでき
た混合気の前記温度Kにおける保有熱量Hmixを式
(B)、(C)によって算出し、熱量Hmix と熱量Hin
とを比較し、熱量Hmix >熱量Hinであってかつ二次予
混合気中に燃料が供給されている場合には、熱量Hmix
≦熱量Hinとなるように運転条件を変更することを特徴
とする。
【0028】式(B) Hin=H1×mg1+CaT1×(Ta1-2
5)×ma1+CaT2×(Ta2-25)×ma2 式(C) Hmix=CmixK×(K-25)×(ma1+mg1+ma2+mg
2) 但し、H1 (J/kg):一次燃料の単位質量当たりの発熱量
(25℃基準) mg1(kg/h):一次燃料の質量流量 ma1(kg/h):一次空気の質量流量 mg2(kg/h):二次燃料の質量流量 ma2(kg/h):二次空気の質量流量 Ta1(℃) :一次空気の予熱温度 Ta2(℃) :二次空気の予熱温度 CaT1 (J/kg℃) :空気の温度Ta1における平均比熱(2
5℃基準) CaT2 (J/kg℃) :空気の温度Ta2における平均比熱(2
5℃基準) CmixK (J/kg℃) :一次燃焼ガスと二次予混合気が反応
を伴わないで均一に混合してできた混合気の温度Kにお
ける平均比熱(25℃基準) この方法においても、熱量Hmix >熱量Hinで二次予混
合気中に燃料が供給されている場合での運転条件の変更
の具体的手段は、温度Kと温度Tmix を比較する先の不
完全燃焼防止方法の場合と同様な手段を用いることがで
きる。さらに、1次燃料及び2次燃料がメタンを主成分
とする燃料である場合には、温度Kを900℃としてあ
らかじめ設定しておくこと、燃焼器の負荷変動に対し
て、低負荷時には二次予混合気中に燃料を供給せず、一
次予混合気中の燃料流量を増加させることにより負荷の
上昇に対応し、熱量Hmix ≦熱量Hinとなった時点から
二次予混合気中に燃料を供給し、その流量を増加させる
ことで負荷の上昇に対応するようにすること、なども発
明の一態様である。
【0029】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明をより詳細に説
明する。図8は本発明による多段希薄予混合燃焼におけ
る不完全燃焼防止方法を実施するための制御システムを
示す概略説明図であり、図9は温度Kと温度Tmix を比
較する態様におけるそのフローチャートである。
【0030】図8において、100は二段希薄予混合燃
焼器であり図1に示したものと同様の燃焼器が用いら
れ、その燃焼態様も図1に示した燃焼器の場合と同様で
ある。すなわち、一次予混合気Q1 は一次予混合気供給
口10aから供給され、そこで安定した予混合火炎を形
成して完全燃焼する。一方、可燃限界外にある低温の二
次予混合気Q2 は二次予混合気供給口30から供給さ
れ、一次予混合気Q1 の一次燃焼ガスと混合し、反応す
る。
【0031】本発明において、二段希薄予混合燃焼器1
00には不完全燃焼を防止するための制御システムが燃
料及び空気供給ラインに設けられる。すなわち、一次空
気QA1の供給路50には、流量調節弁51の下流側に流
量計52、空気予熱器53、温度センサ54が順次配置
され、また、一次燃料QG1の供給路60には、流量調節
弁61の下流に流量計62が配置されている。そして、
供給路50を通る一次空気QA1と供給路60を通る一次
燃料QG1とは一体となって一次予混合気Q1 とされる。
【0032】同様に、二次空気QA2の供給路70には、
流量調節弁71の下流側に流量計72、空気予熱器7
3、温度センサ74が順次配置され、また、二次燃料Q
G2の供給路80には、流量調節弁81の下流に流量計8
2が配置されている。そして、供給路70を通る二次空
気QA2と供給路80を通る二次燃料QG2とは一体となっ
て二次予混合気Q2 とされる。
【0033】90は制御装置であり、各流量計、温度セ
ンサからのデータが入力されると共に、後記するよう
に、温度Tmix の算出を行うとともに、各流量調整弁、
空気予熱器に制御信号を出力する。すなわち、一次空気
A1の供給量は質量流量ma1(kg/h)として流量計52に
より計測され、また空気予熱器53通過後の予熱温度T
a1(℃) が温度センサ54により計測される。一次燃料
G1の供給量も質量流量mg1(kg/h)として流量計62に
より計測される。同様に、二次空気QA2の供給量は質量
流量ma2(kg/h)として流量計72により計測され、空気
予熱器53通過後の予熱温度Ta2(℃) が温度センサ7
4により計測される。二次燃料QG2の供給量も質量流量
mg2(kg/h)として流量計82により計測される。
【0034】それらの計測データを基に制御装置90は
次式(A)により燃焼器C内での一次燃焼ガスと二次予
混合気とが反応を伴わないで均一に混合したときの混合
直後の温度Tmix を算出する。算出に際しては、先ずあ
る値のTmix を仮定値として立ててCmixTmixを求め、そ
のCmixTmixを用いてTmix を算出し仮定値と比べるとい
う繰り返し計算を行い、最終的なTmix を算出する。式
(A) 但し、H1 は一次燃料の単位質量当たりの発熱量(J/kg)
(25℃基準)であり、CaT1 は空気の温度Ta1におけ
る平均比熱(J/kg ℃)(25℃基準)、CaT2 は空気の温
度Ta2における平均比熱(J/kg ℃)(25℃基準)、Cmix
Tmixは一次燃焼ガスと二次予混合気を反応を伴わずに均
一に混合してできた混合気の温度Tmixにおける平均比
熱(J/kg ℃)(25℃基準)を表している。
【0035】実際の燃焼器について燃焼実験を行い、あ
らかじめ、当該燃焼器について燃焼器出口からの未燃焼
成分排出開始前後における、燃焼器内での前記一次燃焼
ガスと二次予混合気とが反応を伴わないで均一に混合し
たときの混合直後の温度Kを、前記流量計及び温度セン
サからの計測信号に基づき、その時の一次空気の供給
量、一次燃料の供給量、一次空気の予熱温度、及び、二
次空気の供給量、二次燃料の供給量、二次空気の予熱温
度を測定し、前記式(A)から求めておく(この温度K
が燃焼器の運転条件にかかわらずほぼ一定であることは
前述した通りであり、より詳細には先に示した本出願人
の出願にかかる特願平5−65654号に開示され
る)。1次燃料及び2次燃料がメタンを主成分とする燃
料である場合には、温度Kはほぼ900℃となる。
【0036】次に、当該燃焼器の実際の継続運転を行
う。その運転中に、常時リアルタイムであるいは一定時
間毎に、前記流量計及び温度センサからの計測信号に基
づき、温度Tmix を前記したようにして算出し、制御装
置は温度Kと温度Tmix を比較する。すでに説明したよ
うに、温度Kはその燃焼器において二次予混合気中の二
次燃料QG2が不完全燃焼を起こして未燃焼成分が排出さ
れる前後の温度であり、温度K>温度Tmix である場合
にはその運転条件では不完全燃焼が生じていることを示
している。
【0037】従って、温度K>温度Tmix となったとき
に、温度K≦温度Tmix となるように運転条件を変更す
るような回復措置を講じる。それにより、未燃焼成分の
排出は回避され二次予混合気中の二次燃料QG2の完全燃
焼状態が回復する。温度K>温度Tmix の運転状態とな
ったときに制御装置は何らかの警告信号、例えば、光あ
るいは音による信号を発して運転者に注意を促し、運転
者が必要な回復措置を取るようにしてもよく、あるいは
制御装置からの制御信号により、自動的に回復措置が図
られるようにしてもよい。
【0038】回復措置の具体的方法は式(A)におい
て、その右辺の値が増大する方法が適宜選択して用いら
れる。式(A)から明らかなように、これには、一次燃
料の質量流量mg1を増加する方法(この場合には、制御
装置90は一次燃料QG1の供給路60の流量調整弁61
に対して開度を大きくする信号を発するようにする)、
一次空気の質量流量ma1を減少すること及び/又は一次
空気の温度Ta1を上昇させることにより行う方法(この
場合には、制御装置90は一次空気QA1供給路50の流
量調整弁51に対して開度を小さくする信号を発する
か、空気予熱器53の容量を増大する信号を発するか、
双方の信号を同時に発する)、さらには、二次空気の質
量流量ma2を減少すること及び/又は二次空気の温度T
a2を上昇させることにより行うこと方法(この場合に
は、制御装置90は二次空気QA2供給路70の流量調整
弁71に対して開度を小さくする信号を発するか、空気
予熱器73の容量を増大する信号を発するか、双方の信
号を同時に発する)、などが選択的にあるいは同時に実
行される。図9はその一例を示すフローチャートであ
る。
【0039】そのような回復措置の結果、温度Tmix は
上昇し、温度K≦温度Tmix の状態となり、不完全燃焼
は防止される。次に、図10〜図14を参照しつつ、各
回復措置を採用する場合の具体例について説明する。図
10はメタンを主成分とする燃料を用いた場合におけ
る、一次燃料の質量流量mg1を変化させる場合の例であ
り、一次空気の質量流量ma1と二次空気の質量流量ma2
を42(kg/h)とし、二次燃料の質量流量mg2を0.25(k
g/h)として、一次燃料の質量流量mg1を変化させた場合
での、温度Tmix と二次予混合気の燃焼効率C.E.との関
係を示している。温度Tmix が低温の場合には二次予混
合気の燃焼効率C.E.は悪い、すなわち、二次燃料の一部
は未燃焼成分として排出されているが、一次燃料の質量
流量mg1が増加して温度Tmix を上昇させるに従い燃焼
効率C.E.は向上し、温度Tmix がほぼ900℃の時点で
ほぼ95%となり、不完全燃焼が実質的に回避されたこ
とを示している。
【0040】図11はメタンを主成分とする燃料を用い
た場合における、二次空気の質量流量ma2を変化させる
場合の例である。ここでは、一次空気の質量流量ma1を
42(kg/h)とし、一次燃料の質量流量mg1を1.8(kg/
h)、二次燃料の質量流量mg2を0.25(kg/h)として、二
次空気の質量流量ma2を変化させた場合である。二次空
気の質量流量ma2が少ない場合には温度Tmix も高い温
度を維持することができ、高い燃焼効率を保持している
が、二次空気の質量流量ma2が増大して温度Tmix が9
00℃よりも低い温度になるにつれて二次予混合気の燃
焼効率C.E.は大きく低下していくことが分かる。
【0041】図12〜図14は上記した多段希薄予混合
燃焼における不完全燃焼防止方法を実際の二段希薄燃焼
器に用いて運転する場合の他の例を示しており、図12
は温度Tmix の変化、図13は二次予混合気の燃焼効率
C.E.の変化、図14はNOxの変化をそれぞれ示してい
る。各図において、A〜Fの各点での燃焼条件は以下の
通りである。
【0042】 ma1(kg/h) mg1(kg/h) ma2(kg/h) mg2(kg/h) 条件A 42 1.57(λ=1.6) 42 0 条件B 42 1.57(λ=1.6) 42 0.23(λ=11) 条件C 42 1.80(λ=1.4) 42 0 条件D 42 2.10(λ=1.2) 42 0 条件E 42 1.80(λ=1.4) 42 0.30(λ=8.4) 条件F 42 1.80(λ=1.4) 42 1.26(λ=2.0) すなわち、この例では低負荷の状態では燃焼器は条件A
で運転される。その時の温度Tmix はTmix <900℃
となっている。負荷の上昇のために、二次予混合気中の
燃料流量mg2を増加させ条件Bにしようとすると、図1
2に示すように温度Tmix <900℃であるために未燃
焼成分(COや未燃炭化水素)が排出され図13B点の
ように燃焼効率C.E.は低下する。そこで、このような低
負荷条件では二次予混合気中に燃料を供給しないで運転
を行う。
【0043】そこで、一次予混合気中の燃料流量mg1を
増加させ条件Cとする。その状態でさらに燃焼器の負荷
を上昇させるために一次予混合気中の燃料流量mg1をさ
らに増加させ条件Dにしようとすると、一次燃焼ガスの
温度が上昇し図14の点Dに示すようにNOX 排出量が
増加してしまう。そこで、この時点では、図12のC点
に示すように温度Tmix ≧900℃であり、二次予混合
気中に燃料を供給しても未燃焼成分は排出されないこと
から、以降の負荷の上昇には二次予混合気中の燃料流量
mg2を増加させ条件Eとすることで対応する。
【0044】さらに二次予混合気中の燃料流量mg2を増
加させ条件Fをこの燃焼器の最大負荷とする。このよう
に、低負荷には二次予混合気中に燃料を供給せず、一次
混合気中の燃料流量を増加させることで負荷の上昇に対
応し、温度Tmix ≧900℃の条件が満足された瞬間か
ら二次予混合気中の燃料流量を増加させて負荷の上昇に
対応することで、NOX 排出量の低減とCOや未燃焼成
分の排出抑制を同時に満足したまま、条件Aから条件F
まで約50%のターンダウンレシオを得ることができ
る。
【0045】また、この制御法によれば、負荷の変動に
対して燃焼器に供給する燃料流量を制御することで対応
することができ、複雑な空気比制御を必要としない利点
がある。図15は本発明による多段希薄予混合燃焼にお
ける不完全燃焼防止方法の他の態様、すなわち、温度T
mix とTinとの比較ではなく、熱量Hmix とHinとを比
較する場合におけるフローチャートを示している。この
例においても、燃焼器および制御システムは、前記した
温度Tmix とTinとを比較する場合と同じものが用いら
れる。この態様においては、前記した式(B)、(C)
から分かるようにHmix の算出に際して仮定値を立てる
必要がないので、制御装置の簡易化と処理時間の短縮が
可能となる。熱量Hmix >熱量Hinの場合において、二
次予混合気中に燃料が供給されている場合に、熱量Hmi
x >熱量Hin運転条件を変更する具体的手法などについ
ては先に詳しく説明した温度Tmix とTinとを比較する
場合と同様であることは容易に理解されよう。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、従来燃焼不可能と考え
られてきた予混合気、つまり理論的にそれ自身のみでは
燃焼し得ないきわめて希薄な予混合気(例えばメタンの
場合に予熱温度が25℃では空気比2以上の予混合気)
を多段燃焼器を用いてかつその運転負荷の変動などにも
かかわらず常に完全燃焼させることが可能となる。それ
により、多段燃焼器を用いてトータルで非常に高空気比
の低NOx 燃焼器を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる多段希薄燃焼装置の一例を示す
説明図。
【図2】実験結果を示すグラフ(一次空気量と二次空気
量の比τ=7:3)。
【図3】実験結果を示すグラフ(一次空気量と二次空気
量の比τ=6:4)。
【図4】実験結果を示すグラフ(一次空気量と二次空気
量の比τ=5:5)。
【図5】実験結果を示すグラフ(一次予混合気の空気比
1.4)。
【図6】実験結果を示すグラフ(一次予混合気の空気比
1.6)。
【図7】実験結果を示すグラフ(一次予混合気の空気比
1.8)。
【図8】本発明による多段希薄予混合燃焼における不完
全燃焼防止方法を実施するための制御システムを示す概
略説明図。
【図9】フローチャートを示す説明図。
【図10】本発明による不完全燃焼防止方法による運転
条件の変更例を示すグラフ。
【図11】本発明による不完全燃焼防止方法による運転
条件の他の変更例を示すグラフ。
【図12】本発明による不完全燃焼防止方法による運転
条件のさらに他の変更例を示すグラフ。
【図13】本発明による不完全燃焼防止方法による運転
条件のさらに他の変更例を示すグラフ。
【図14】本発明による不完全燃焼防止方法による運転
条件のさらに他の変更例を示すグラフ。
【図15】本発明の他のフローチャートを示す図。
【符号の説明】
100…多段希薄予混合燃焼器、QA1…一次空気、QG1
…一次燃料、Q1 …一次予混合気、QA2…二次空気、Q
G2…二次燃料、Q2 …二次予混合気、51、61、7
1、81…流量制御弁、52、62、72、82…流量
計、53、73…空気予熱器、54、74…温度セン
サ、90…制御装置
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F23C 11/00 F02M 23/04 F23R 3/26

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前段での燃焼により生じた一次燃焼ガス
    に次段において可燃限界外の希薄な二次予混合気を混合
    して反応させる多段希薄予混合燃焼法における不完全燃
    焼防止方法であって、 あらかじめ、当該燃焼器について燃焼器出口からの未燃
    焼成分排出開始前後における燃焼器内での前記一次燃焼
    ガスと二次予混合気とが反応を伴わないで均一に混合し
    たときの混合直後の温度Kを求めておき、 実際の運転において、一次空気の供給量、一次燃料の供
    給量、一次空気の予熱温度、及び、二次空気の供給量、
    二次燃料の供給量、二次空気の予熱温度を測定し、そこ
    から、その条件における前記混合後の温度Tmix を次式
    (A)で算出し、温度Kと温度Tmix を比較し、温度K
    >温度Tmix であってかつ二次予混合気中に燃料が供給
    されている場合には、温度K≦温度Tmix となるように
    運転条件を変更することを特徴とする不完全燃焼防止方
    法。 但し、H1 (J/kg):一次燃料の単位質量当たりの発熱量
    (25℃基準) mg1(kg/h):一次燃料の質量流量 ma1(kg/h):一次空気の質量流量 mg2(kg/h):二次燃料の質量流量 ma2(kg/h):二次空気の質量流量 Ta1(℃) :一次空気の予熱温度 Ta2(℃) :二次空気の予熱温度 CaT1(J/kg℃) :空気の温度Ta1における平均比熱(2
    5℃基準) CaT2(J/kg℃) :空気の温度Ta2における平均比熱(2
    5℃基準) CmixTmix (J/kg℃) :一次燃焼ガスと二次予混合気を反
    応を伴わずに均一に 混合してできた混合気の温度Tmix における平均比熱
    (25℃基準)
  2. 【請求項2】 温度K>温度Tmix で二次予混合気中に
    燃料が供給されている場合に、運転条件の変更を一次燃
    料の質量流量mg1を増加することにより行うことを特徴
    とする請求項1記載の不完全燃焼防止方法。
  3. 【請求項3】 温度K>温度Tmix で二次予混合気中に
    燃料が供給されている場合に、運転条件の変更を一次空
    気の質量流量ma1を減少すること及び/又は一次空気の
    温度Ta1を上昇させることにより行うことを特徴とする
    請求項1記載の不完全燃焼防止方法。
  4. 【請求項4】 温度K>温度Tmix で二次予混合気中に
    燃料が供給されている場合に、運転条件の変更を二次空
    気の質量流量ma2を減少すること及び/又は二次空気の
    温度Ta2を上昇させることにより行うことを特徴とする
    請求項1記載の不完全燃焼防止方法。
  5. 【請求項5】 1次燃料及び2次燃料がメタンを主成分
    とする燃料であり、前記温度Kを900℃として実施す
    ることを特徴とする請求項1記載の不完全燃焼防止方
    法。
  6. 【請求項6】 燃焼器の負荷変動に対して、低負荷時に
    は二次予混合気中に燃料を供給せず、一次予混合気中の
    燃料流量を増加させることにより負荷の上昇に対応し、
    温度K≦温度Tmix となった時点から二次予混合気中に
    燃料を供給し、その流量を増加させることで負荷の上昇
    に対応することを特徴とする請求項1記載の不完全燃焼
    防止方法を用いた多段希薄予混合燃焼器の燃焼制御方
    法。
  7. 【請求項7】 前段での燃焼により生じた一次燃焼ガス
    に次段において可燃限界外の希薄な二次予混合気を混合
    して反応させる多段希薄予混合燃焼法における不完全燃
    焼防止方法であって、 あらかじめ、当該燃焼器について燃焼器出口からの未燃
    焼成分排出開始前後における燃焼器内での前記一次燃焼
    ガスと二次予混合気とが反応を伴わないで均一に混合し
    たときの混合直後の温度Kを求めておき、 実際の運転において、一次空気の供給量、一次燃料の供
    給量、一次空気の予熱温度、及び、二次空気の供給量、
    二次燃料の供給量、二次空気の予熱温度を測定し、そこ
    から、その条件における、二次予混合気の反応による発
    熱を無視した場合の燃焼器への入熱量Hinと、一次燃焼
    ガスと二次予混合気とが反応を伴わないで均一に混合し
    てできた混合気の前記温度Kにおける保有熱量Hmix を
    式(B)、(C)によって算出し、熱量Hmix と熱量H
    inとを比較し、熱量Hmix >熱量Hinであってかつ二次
    予混合気中に燃料が供給されている場合には、熱量Hmi
    x≦熱量Hinとなるように運転条件を変更することを特
    徴とする不完全燃焼防止方法。 式(B) Hin=H1×mg1+CaT1×(Ta1-25)×ma1+CaT2
    ×(Ta2-25)×ma2 式(C) Hmix=CmixK×(K-25)×(ma1+mg1+ma2+mg
    2) 但し、H1 (J/kg):一次燃料の単位質量当たりの発熱量
    (25℃基準) mg1(kg/h):一次燃料の質量流量 ma1(kg/h):一次空気の質量流量 mg2(kg/h):二次燃料の質量流量 ma2(kg/h):二次空気の質量流量 Ta1(℃) :一次空気の予熱温度 Ta2(℃) :二次空気の予熱温度 CaT1 (J/kg℃) :空気の温度Ta1における平均比熱(2
    5℃基準) CaT2 (J/kg℃) :空気の温度Ta2における平均比熱(2
    5℃基準) CmixK (J/kg℃) :一次燃焼ガスと二次予混合気が反応
    を伴わないで均一 に混合してできた混合気の温度Kにおける平均比熱(2
    5℃基準)
  8. 【請求項8】 熱量Hmix >熱量Hinで二次予混合気中
    に燃料が供給されている場合に、運転条件の変更を一次
    燃料の質量流量mg1を増加することにより行うことを特
    徴とする請求項7記載の不完全燃焼防止方法。
  9. 【請求項9】 熱量Hmix >熱量Hinで二次予混合気中
    に燃料が供給されている場合に、運転条件の変更を一次
    空気の質量流量ma1を減少すること及び/又は一次空気
    の温度Ta1を上昇させることにより行うことを特徴とす
    る請求項7記載の不完全燃焼防止方法。
  10. 【請求項10】 熱量Hmix >熱量Hinで二次予混合気
    中に燃料が供給されている場合に、運転条件の変更を二
    次空気の質量流量ma2を減少すること及び/又は二次空
    気の温度Ta2を上昇させることにより行うことを特徴と
    する請求項7記載の不完全燃焼防止方法。
  11. 【請求項11】 1次燃料及び2次燃料がメタンを主成
    分とする燃料であり、前記熱量Hmix における温度Kを
    900℃として実施することを特徴とする請求項7記載
    の不完全燃焼防止方法。
  12. 【請求項12】 燃焼器の負荷変動に対して、低負荷時
    には二次予混合気中に燃料を供給せず、一次予混合気中
    の燃料流量を増加させることにより負荷の上昇に対応
    し、熱量Hmix ≦熱量Hinとなった時点から二次予混合
    気中に燃料を供給し、その流量を増加させることで負荷
    の上昇に対応することを特徴とする請求項7記載の不完
    全燃焼防止方法を用いた多段希薄予混合燃焼器の燃焼制
    御方法。
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