JP3253810B2 - 多段希薄予混合燃焼における不完全燃焼防止方法 - Google Patents

多段希薄予混合燃焼における不完全燃焼防止方法

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JP3253810B2
JP3253810B2 JP22830894A JP22830894A JP3253810B2 JP 3253810 B2 JP3253810 B2 JP 3253810B2 JP 22830894 A JP22830894 A JP 22830894A JP 22830894 A JP22830894 A JP 22830894A JP 3253810 B2 JP3253810 B2 JP 3253810B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は多段希薄予混合燃焼法に
おける不完全燃焼防止方法に関し、従来完全燃焼させる
ことが不可能とされていた可燃限界外の超希薄予混合気
を完全燃焼させることを可能とする多段希薄予混合燃焼
法において、燃焼時に未燃焼成分が排出されるであろう
燃焼環境を早期に検知し、未燃焼成分が排出されないよ
うに運転条件を変更することにより希薄予混合気の不完
全燃焼が生じるのを防止するようにした多段希薄予混合
燃焼法における不完全燃焼防止方法に関する。
【0002】
【従来の技術】各種燃焼器の低NOx 燃焼法として予混
合燃焼法が注目されており、各方面で実用燃焼器の開発
が行われている。予混合燃焼法において低負荷時におけ
るCOや未燃炭化水素の排出(いわゆる、未燃焼成分の
排出)による燃焼効率の低下抑制と、最大負荷時におけ
るNOx 排出量の低減とはトレードオフの関係にあり、
これらをどうバランスさせるかが技術的課題となってい
る。
【0003】このような課題を克服するため、負荷変動
に応じて空気をバイパスさせ、燃焼領域の空燃比を一定
範囲にコントロールする方式が、大型のガスタービン燃
焼器で一部実用化されているが、この方式ではシステム
が非常に複雑であることなどから、スペース、安全性、
コストなどの面で中、小型のガスタービン燃焼器への適
用が困難である。
【0004】この解決手段として、本出願人は、図1に
示すように燃料ガスと空気の予混合ガスを2段に分割供
給し、燃料制御のみで広い負荷範囲にわたって高い燃焼
効率と低NOx 性を実現する燃焼器の開発を行ないすで
に出願している(特開平5−296412号公報、特開
平5−340508号公報参照)。すなわち、予混合ガ
ス供給は2段に分割され、1段目には低空気比の予混合
ガスを供給して1次燃焼火炎として安定に燃焼させ、2
段目には負荷に応じて制御される燃料ガスが供給され
る。その間に2段目には一定の空気量が供給されている
ことから、結果として、空気比が1.3〜3.5程度の領域
において未燃分の排出を低い値に抑えたままで低NOx
燃焼が行われる。
【0005】本発明者らは上記形式の燃焼器を用いてさ
らに実験を継続する過程において、負荷の低下に伴い2
段目の燃料ガスの供給量を低下させていくと、空気比2
0程度(すなわち、燃料濃度が低く燃焼限界を外れてい
るもの)まで燃焼を継続することが可能であること、し
かしながら、その過程において未燃焼成分 (COや炭化
水素を主成分とする)が排出され、いわゆる不完全燃焼
状態を示すことを知った。すなわち、この種の希薄予混
合燃焼法は、NOx 排出量を大幅に削減できるものの、
特に2段目が高空気比での低負荷燃焼において、NOx
排出量の低減と未燃焼成分の排出抑制を同時に達成でき
る範囲が非常に狭く、そのために、燃焼器の燃焼状態を
監視しながら未燃焼成分の排出を低減した状態での継続
燃焼を行うことのできる燃焼法の開発が必要であること
を知った。
【0006】しかしながら、図1に示すような多段希薄
予混合燃焼装置を用いて、前段での燃焼により生じた高
温燃焼ガスに、前記のように高空気比であって可燃限界
外にある超希薄予混合ガスを混合して反応させる場合に
おいては、希薄予混合ガスは高温燃焼ガスと混合しなが
ら熱を奪い反応する。このため、希薄予混合ガスの反応
による発熱が微量である場合には、高温燃焼ガスとの混
合の途中で燃焼器内の温度が低下し、希薄予混合ガスの
反応が停止することが生じるが、いわゆる着火あるいは
失火という現象は現れない。
【0007】つまり、高温燃焼ガスに可燃限界外にある
超希薄予混合ガスが混合される場合には急激な未燃焼成
分の排出増加や温度の低下などの現象は現れず、それに
より、従来知られた未燃焼成分の濃度を検出するセンサ
あるいは燃焼火炎を検出する温度センサを用い、該セン
サからの信号によりガスタービンの燃焼状態を監視する
手段(例えば、特開平2−49933号公報、特開平3
−102118号公報等)をそのまま適用することは不
可能であることを知った。
【0008】そこで、本発明者らは、前段での燃焼によ
り生じた高温燃焼ガスに可燃限界外にある希薄予混合ガ
スを混合して反応させる多段希薄予混合燃焼法におい
て、該可燃限界外の希薄予混合ガスを未燃焼成分を排出
することなく完全燃焼させることを可能とする燃焼法を
得るべくさらに実験と研究を行った。燃焼実験には図1
に示す構造の燃焼装置を用いた。この燃焼装置は前記特
開平5−296412号公報あるいは特開平5−340
508号公報に示された燃焼装置と同様の構造を持つ2
段希薄予混合燃焼装置であり、一次旋回流バーナ10と
燃焼室20とから構成され、一次旋回流バーナ10にお
いて一次空気入口11からの一次空気A1と一次燃料入
口12からの一次燃料ガスG1 がスワーラ13を通り可
燃範囲にある一次予混合ガスQ1 となり、一次燃焼室2
1に安定した予混合火炎を形成して完全燃焼し高温燃焼
ガスを形成する。
【0009】一次燃焼室21の下流には二次予混合ガス
(希薄予混合ガス)供給ノズル30が設けられ、そこか
ら可燃限界外にある希薄な二次予混合ガスQ2 が供給さ
れる。供給された二次予混合ガスQ2 は、一次燃焼室内
21で生成した一次予混合ガスの前記高温燃焼ガスと混
合し、二次燃焼室22において反応する。上記燃焼器の
燃焼室20の出口24には熱電対40およびサンプリン
グプローブ50を配置して、熱電対40により希薄二次
予混合ガスQ2 が高温燃焼ガスと混合し反応した後の温
度Tmix を測定し、さらに、サンプリングプローブ50
により燃焼器出口24での排気ガスを収集してその成分
分析を行い未燃焼成分の有無を測定した。なお、23は
断熱材である。
【0010】実験において、一次予混合ガスQ1 の空気
比λ1 が1.2〜1.8、2次希薄予混合ガスの空気比λ2
が2〜12、一次予混合ガスQ1 と2次希薄予混合ガス
2の供給量の比が5:5および6:4の場合について
種々の組み合わせの下で実験を行い、それぞれ、熱電対
40により燃焼室出口すなわち希薄予混合ガスが高温燃
焼ガスと混合し反応した後の燃焼器内の温度Tmix を測
定し、また、サンプリングプローブ50で収集した排気
ガスの成分をガスクロマトグラフィーにより分析した。
そして、二次希薄予混合ガスの燃焼効率C.E.を求めた。
【0011】その燃焼試験の結果を図2〜図7に示す。
なお、図において、横軸は二次予混合ガスQ2 の空気比
λ2 、左縦軸は二次予混合ガスQ2 の燃焼効率C.E.、右
縦軸は燃焼室出口温度である。図2〜図4は、一次予混
合ガスQ1 と2次希薄予混合ガスQ2 の供給量の比が
5:5の条件下で、一次予混合ガスQ1 の空気比λ1
1.2、1.4、1.6に変化させ、さらにそれぞれについ
て、2次希薄予混合ガスQ2 の空気比λ2 を2から12
まで変化させた場合のものである。
【0012】すなわち、図2は、一次予混合ガスQ1
空気比λ1 が1.2の場合であり、2次希薄予混合ガスQ
2 の燃焼効率C.E.はその空気比λ2 の変化にかかわらず
すべて100%であるが、燃焼室出口すなわち希薄予混
合ガスが高温燃焼ガスと混合し反応した後の燃焼器内の
温度Tmix は、2次希薄予混合ガスQ2 の空気比λ2
高くなるにつれて約1200℃〜950℃に降下してい
る。
【0013】図3は一次予混合ガスQ1 の空気比λ1
1.4の場合であり、この場合には、一次予混合ガスQ1
中の燃料ガスの減少の影響で図2の場合よりも燃焼室出
口の温度Tmix は低下している。そして、2次希薄予混
合ガスQ2 の空気比λ2 が6前後のところで2次希薄予
混合ガスQ2 の燃焼効率C.E.は100%でなくなり未燃
焼成分が発生したことを示している。そのときの燃焼室
出口の温度Tmix はほぼ900℃である。
【0014】図4は一次予混合ガスQ1 の空気比λ1
1.6とさらに希薄なものとした場合であり、一次予混合
ガスQ1 中の燃料ガスの減少の影響で図2の場合よりも
燃焼室出口の温度Tmix は低下している。そして、2次
希薄予混合ガスQ2 の空気比λ2 が3前後のところで2
次希薄予混合ガスQ2 の燃焼効率C.E.は100%でなく
なっており、そのときの燃焼室出口の温度Tmix はほぼ
900℃である。
【0015】図5〜図7は、一次予混合ガスQ1 と2次
希薄予混合ガスQ2 の供給量の比が6:4の条件下で、
一次予混合ガスQ1 の空気比λ1 =1.4、1.6、1.8に
変化させ、さらにそれぞれについて、2次希薄予混合ガ
スQ2 の空気比λ2 を2から12まで変化させた場合の
ものである。この場合においても、図5の場合すなわち
一次予混合ガスQ1 の空気比λ1 が1.4の場合では、2
次希薄予混合ガスQ2 の燃焼効率C.E.は、その空気比λ
2 の変化にかかわらずすべて100%であり、燃焼室出
口すなわち希薄予混合ガスが高温燃焼ガスと混合し反応
した後の燃焼器内の温度Tmix は2次希薄予混合ガスQ
2 の空気比λ2 の増加とともに約1100℃〜920℃
に降下している。
【0016】図6は一次予混合ガスQ1 の空気比λ1
1.6の場合であり、この場合には、一次予混合ガスQ1
中の燃料ガスの減少の影響で図5の場合よりも燃焼室出
口の温度Tmix は低下しており、かつ、2次希薄予混合
ガスQ2 の空気比λ2 が6前後のところで2次希薄予混
合ガスQ2 の燃焼効率C.E.は100%でなくなり未燃焼
成分が発生したことを示している。そのときの燃焼室出
口の温度Tmix はやはりほぼ900℃である。
【0017】図7は一次予混合ガスQ1 の空気比λ1
1.8とさらに希薄なものとした場合であり、この場合に
も、一次予混合ガスQ1 中の燃料ガスの減少の影響で図
5の場合よりも燃焼室出口の温度Tmix は低下してお
り、かつ、2次希薄予混合ガスQ2 の空気比λ2 が3前
後のところで2次希薄予混合ガスQ2 の燃焼効率C.E.は
100%でなくなっている。そのときの燃焼室出口の温
度Tmix もやはりほぼ900℃である。
【0018】図5〜図7の結果も、一次予混合ガスQ1
と2次希薄予混合ガスQ2 の供給量の比を不変とし、一
次予混合ガスQ1 の空気比λ1 を変化させた場合におい
て、燃焼室出口すなわち希薄予混合ガスが高温燃焼ガス
と混合し反応した後の燃焼器内の温度Tmix が約900
℃以上であれば、2次希薄予混合ガスQ2 の燃焼効率は
常に100%であり、それは2次希薄予混合ガスQ2
空気比λ2 とは無関係であることを示している。
【0019】次に、図3と図5を比較してみると、一次
予混合ガスQ1 の空気比λ1 =1.4の場合に、一次予混
合ガスQ1 と2次希薄予混合ガスQ2 の供給量の比が変
化することで燃焼室出口の温度Tmix は異なる変化を示
しているが、温度Tmix が約900℃以上であれば2次
希薄予混合ガスQ2 の燃焼効率は常に100%を示して
いる。このことは、図4と図6との対比においても同様
である上記の結果から、前段での燃焼により生じた高温
燃焼ガスに可燃限界外にある希薄予混合ガスを混合して
反応させる多段希薄予混合形式の上記燃焼装置におい
て、希薄予混合ガスとしてメタンを主成分とする燃料を
用いる場合には、前記希薄予混合ガスが高温燃焼ガスと
混合し反応した後の燃焼器内の温度が常に約900℃以
上となるように制御しつつ燃焼を継続することにより、
未燃焼成分の発生がない燃焼を行い得ることがわかっ
た。なお、上記の温度900℃の値は、燃焼装置の形式
や希薄予混合ガスとして用いる燃料の主成分の種類によ
り変動することが推測される。従って、実機を用いた運
転においては、あらかじめ、当該燃焼器について燃焼器
出口からの未燃焼成分排出開始前後における燃焼器内で
の前記希薄予混合ガスが高温燃焼ガスと完全に混合し反
応した後の温度を測定しておき、実際の運転に際して
は、希薄予混合ガスが高温燃焼ガスと混合し反応した後
の燃焼器内の温度が常に前記測定温度以上となるよう
に、高温燃焼ガスに希薄予混合ガスを混合して反応させ
ることが望ましい。
【0020】上記の知見に基づき、本出願人は、前段で
の燃焼により生じた高温燃焼ガスに可燃限界外にある希
薄予混合ガスを混合して反応させる多段希薄予混合燃焼
法であって、あらかじめ、当該燃焼器について燃焼器出
口からの未燃焼成分排出開始前後における燃焼器内での
前記希薄予混合ガスが高温燃焼ガスと混合し反応した後
の温度を測定しておき、実際の運転において、高温燃焼
ガス(一次燃焼ガス)と希薄予混合ガス(二次予混合
気)が混合し反応した後の燃焼器内の温度が常に前記測
定温度以上となるように、高温燃焼ガスに希薄予混合ガ
スを混合し反応させることを特徴とする多段希薄予混合
燃焼法についてすでに出願している(特願平6−112
485号)
【0021】
【発明が解決しようとする技術課題】上記のように、先
の出願にかかる多段希薄予混合燃焼法によれば、燃料と
してメタンを主成分とする燃料を用い、燃焼器内での一
次燃焼ガスと二次予混合気とが混合し反応した後の温度
Tmix を900℃前後以上となるように一次燃焼ガス中
に二次予混合気を供給し燃焼させることにより、低NO
x でかつ未燃焼成分の排出のない完全燃焼が達成され
る。
【0022】上記の燃焼法を実際の希薄予混合燃焼器に
適用して運転する場合に、負荷変動などにより燃焼器の
運転条件に変更が求められる場合であっても、前記温度
Tmix を所定の温度例えば900℃前後以上となるよう
に常に制御することが必要とされる。温度Tmix が継続
して維持されない場合にはそこに不完全燃焼が生じるこ
ととなる。
【0023】本発明の目的は、先の出願による多段希薄
予混合燃焼法を実際の燃焼器に適用する際に、負荷変動
などが生じた場合であっても常に前記温度Tmix が所定
温度以上に維持されるようにその運転条件を随時変更す
ることにより不完全燃焼が生じるのを防止するようにし
た多段希薄予混合燃焼における不完全燃焼防止方法を提
供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明による多段希薄予混合燃焼における不完全燃
焼防止方法は、基本的に、前段での燃焼により生じた一
次燃焼ガスに次段において可燃限界外の希薄な二次予混
合気を混合して反応させる多段希薄予混合燃焼法におけ
る不完全燃焼防止方法であって、あらかじめ、当該燃焼
器について燃焼器出口からの未燃焼成分排出開始前後に
おける燃焼器内での前記一次燃焼ガスと二次予混合気と
が混合し反応した後の温度Kを求めておき、実際の運転
において、その運転条件における一次燃焼ガスと二次予
混合気とが混合し反応した後の温度Tmix を求め、温度
Kと温度Tmix を比較し、温度K>温度Tmix であって
かつ二次予混合気中に燃料が供給されている場合には、
温度K≦温度Tmix となるように運転条件を変更するこ
とを特徴とする。
【0025】前記温度Tmix の値を得るには、燃焼器内
に温度センサーを設けその測定値から値を得るようにし
てもよく、その運転条件での、一次空気の供給量、一次
燃料の供給量、一次空気の予熱温度、及び、二次空気の
供給量、二次燃料の供給量、二次空気の予熱温度を測定
し、 但し、H1 (J/kg):一次燃料の単位質量当たりの発熱量
(25℃基準) H2 (J/kg):二次燃料の単位質量当たりの発熱量(25
℃基準) mg1(kg/h):一次燃料の質量流量 ma1(kg/h):一次空気の質量流量 mg2(kg/h):二次燃料の質量流量 ma2(kg/h):二次空気の質量流量 Ta1(℃) :一次空気の予熱温度 Ta2(℃) :二次空気の予熱温度 CaT1(J/kg℃) :空気の温度Ta1における平均比熱(2
5℃基準) CaT2(J/kg℃) :空気の温度Ta2における平均比熱(2
5℃基準) CmixTmix(J/kg℃) :一次燃焼ガスと二次予混合気とが
混合し反応してできた混合気の温度Tmix における平均
比熱(25℃基準) により得るようにしてもよい。
【0026】温度K>温度Tmix で二次予混合気中に燃
料が供給されている場合での運転条件の変更の具体的手
法としては、一次燃料の質量流量mg1を増加すること、
二次燃料の質量流量mg2を増加すること、一次空気の質
量流量ma1を減少すること及び/又は一次空気の温度T
a1を上昇させること、二次空気の質量流量ma2を減少す
ること及び/又は二次空気の温度Ta2を上昇させるこ
と、などにより有効に行うことができる。
【0027】本発明において前記温度Kは一定でなく使
用する燃料の種類及び燃焼器の種類によって変化する。
1次燃料及び2次燃料がメタンを主成分とする燃料であ
る場合には、温度Kを900℃としてあらかじめ設定し
ておくことも可能である。本発明はまた、燃焼器の負荷
変動に対して、低負荷時には二次予混合気中に燃料を供
給せず、一次予混合気中の燃料流量を増加させることに
より負荷の上昇に対応し、温度K≦温度Tmix となった
時点から二次予混合気中に燃料を供給し、その流量を増
加させることで負荷の上昇に対応することを特徴とする
請求項1記載の不完全燃焼防止方法を用いた多段希薄予
混合燃焼器の燃焼制御方法をも開示している。
【0028】上記の不完全燃焼防止方法を実施するに際
して、Tmix の算出は図9にそのフローチャートを示す
ように、先ずある値のTmix を仮定値としてCmixTmixを
求め、そのCmixTmixを用いてTmix を算出し仮定値と比
べるという繰り返し計算が必要とされる。その煩雑さを
避け制御装置の簡易化と処理時間の短縮を可能とするも
のとして、本発明は発熱量を基準値とした次の方法をも
開示する。
【0029】すなわち、その方法は、前記の多段希薄予
混合燃焼における不完全燃焼防止方法において、実際の
運転において、その運転条件での、一次空気の供給量、
一次燃料の供給量、一次空気の予熱温度、及び、二次空
気の供給量、二次燃料の供給量、二次空気の予熱温度を
測定し、そこから、その条件における、一次予混合気及
び二次予混合気によって燃焼器へ供給される熱量Hin
と、一次燃焼ガスと二次予混合気とが混合し反応してで
きた混合気の温度Kにおける保有熱量Hmix を式
(B)、(C)によって算出し、熱量Hmix と熱量Hin
を比較し、熱量Hmix >熱量Hinであってかつ二次予混
合気中に燃料が供給されている場合には、熱量Hmix ≦
熱量Hinとなるように運転条件を変更することを特徴と
する。
【0030】式(B)Hin=H1×mg1+H2×mg2+CaT1×
(Ta1-25)×ma1+CaT2×(Ta2-25)×ma2 式(C)Hmix=CmixK×(K-25)×(ma1+mg1+ma2+mg2) 但し、H1 (J/kg):一次燃料の単位質量当たりの発熱量
(25℃基準) H2 (J/kg):二次燃料の単位質量当たりの発熱量(25
℃基準) mg1(kg/h):一次燃料の質量流量 ma1(kg/h):一次空気の質量流量 mg2(kg/h):二次燃料の質量流量 ma2(kg/h):二次空気の質量流量 Ta1(℃) :一次空気の予熱温度 Ta2(℃) :二次空気の予熱温度 CaT1(J/kg℃):空気の温度Ta1における平均比熱(25
℃基準) CaT2(J/kg℃):空気の温度Ta2における平均比熱(25
℃基準) CmixK(J/kg℃):一次燃焼ガスと二次予混合気とが混合
し反応してできた混合気の温度Kにおける平均比熱(2
5℃基準)
【0031】この方法においても、熱量Hmix >熱量H
inで二次予混合気中に燃料が供給されている場合での運
転条件の変更の具体的手段は、温度Kと温度Tmix を比
較する先の不完全燃焼防止方法の場合と同様な手段を用
いることができる。さらに、1次燃料及び2次燃料がメ
タンを主成分とする燃料である場合には、温度Kを90
0℃としてあらかじめ設定しておくこと、燃焼器の負荷
変動に対して、低負荷時には二次予混合気中に燃料を供
給せず、一次予混合気中の燃料流量を増加させることに
より負荷の上昇に対応し、熱量Hmix ≦熱量Hinとなっ
た時点から二次予混合気中に燃料を供給し、その流量を
増加させることで負荷の上昇に対応するようにするこ
と、なども発明の一態様である。
【0032】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明をより詳細に説
明する。図8は本発明による多段希薄予混合燃焼におけ
る不完全燃焼防止方法を実施するための制御システムを
示す概略説明図であり、図9は温度Kと温度Tmix を比
較する態様におけるそのフローチャートである。
【0033】図8において、100は二段希薄予混合燃
焼器であり図1に示したものと同様の燃焼器が用いら
れ、その燃焼態様も図1に示した燃焼器の場合と同様で
ある。すなわち、一次予混合気Q1 は一次予混合気供給
口10aから供給され、そこで安定した予混合火炎を形
成して完全燃焼する。一方、可燃限界外にある低温の二
次予混合気Q2 は二次予混合気供給口30から供給さ
れ、一次予混合気Q1 の一次燃焼ガスと混合し、反応す
る。
【0034】本発明において、二段希薄予混合燃焼器1
00には不完全燃焼を防止するための制御システムが燃
料及び空気供給ラインに設けられる。すなわち、一次空
気A1 の供給路50には、流量調節弁51の下流側に流
量計52、空気予熱器53、温度センサ54が順次配置
され、また、一次燃料G1 の供給路60には、流量調節
弁61の下流に流量計62が配置されている。そして、
供給路50を通る一次空気A1 と供給路60を通る一次
燃料G1 とは一体となって一次予混合気Q1 とされる。
【0035】同様に、二次空気A2 の供給路70には、
流量調節弁71の下流側に流量計72、空気予熱器7
3、温度センサ74が順次配置され、また、二次燃料G
2 の供給路80には、流量調節弁81の下流に流量計8
2が配置されている。そして、供給路70を通る二次空
気A2 と供給路80を通る二次燃料G2 とは一体となっ
て二次予混合気Q2 とされる。
【0036】90は制御装置であり、各流量計、温度セ
ンサからのデータが入力されると共に、後記するよう
に、温度Tmix の算出を行い、かつ、各流量調整弁、空
気予熱器に制御信号を出力する。すなわち、一次空気A
1 の供給量は質量流量ma1(kg/h)として流量計52によ
り計測され、また空気予熱器53通過後の予熱温度Ta1
( ℃) が温度センサ54により計測される。一次燃料G
1 の供給量も質量流量mg1(kg/h)として流量計62によ
り計測される。同様に、二次空気A2 の供給量は質量流
量ma2(kg/h)として流量計72により計測され、空気予
熱器53通過後の予熱温度Ta2( ℃) が温度センサ74
により計測される。二次燃料G2 の供給量も質量流量m
g2(kg/h)として流量計82により計測される。
【0037】それらの計測データを基に制御装置90は
次式(A)により燃焼器100内の次燃焼ガスと二次予
混合気とが混合し反応した後の温度Tmix を算出する。
算出に際しては、先ずある値のTmix を仮定値として立
ててCmixTmixを求め、そのCmixTmixを用いてTmix を算
出し仮定値と比べるという繰り返し計算を行い、最終的
にTmix を算出する。
【0038】但し、H1 は一次燃料の単位質量当たりの
発熱量(J/kg)(25℃基準)、H2は二次燃料の単位質量
当たりの発熱量(J/kg)(25℃基準)であり、CaT1 は
空気の温度Ta1における平均比熱(J/kg ℃)(25℃基
準)、CaT2 は空気の温度Ta2における平均比熱(J/kg
℃)(25℃基準)、CmixTmixは一次燃焼ガスと二次予混
合気とが混合し反応してできた混合気の温度Tmix にお
ける平均比熱(J/kg ℃)(25℃基準)を表している。
【0039】実際の燃焼器について燃焼実験を行い、あ
らかじめ、当該燃焼器について燃焼器出口からの未燃焼
成分排出開始前後における、燃焼器内での前記一次燃焼
ガスと二次予混合気とが混合し反応した後の温度Kを、
前記流量計及び温度センサからの計測信号に基づき、そ
の時の一次空気の供給量、一次燃料の供給量、一次空気
の予熱温度、及び、二次空気の供給量、二次燃料の供給
量、二次空気の予熱温度を測定し、前記式(A)から求
めておく(この温度Kが燃焼器の運転条件にかかわらず
ほぼ一定であることは前述した通りであり、より詳細に
は先に示した本出願人の出願にかかる特願平6−112
485号に開示される)。なお、1次燃料及び2次燃料
がメタンを主成分とする燃料である場合には、温度Kは
ほぼ900℃となる。特に図示しないが、この温度Kの
測定は燃焼器100の出口に設けた熱電対などの温度セ
ンサーによってもよい。
【0040】次に、当該燃焼器の実際の継続運転を行
う。その運転中に、常時リアルタイムであるいは一定時
間毎に、前記流量計及び温度センサからの計測信号に基
づき、式Aにより温度Tmix を算出し、制御装置は温度
Kと温度Tmix を比較する。すでに説明したように温度
Kはその燃焼器において二次予混合気中の二次燃料G2
が不完全燃焼を起こして未燃焼成分が排出される前後の
温度であり、温度K>温度Tmix である場合にはその運
転条件では不完全燃焼が生じていることを示している。
なお、特に図示しないが、温度Tmix を燃焼器100の
出口に設けた熱電対などの温度センサーからの読み取り
値によってもよく、この場合には、前記流量や温度の測
定や式(A)による処理などを必要としいなどの利点が
ある。
【0041】温度K>温度Tmix となったときに、温度
K≦温度Tmix となるように運転条件を変更するような
回復措置を講じる。それにより、未燃焼成分の排出は回
避され二次予混合気中の二次燃料G2 の完全燃焼状態が
回復する。温度K>温度Tmix の運転状態となったとき
に制御装置は何らかの警告信号、例えば、光あるいは音
による信号を発して運転者に注意を促し、運転者が必要
な回復措置を取るようにしてもよく、あるいは制御装置
からの制御信号により、自動的に回復措置が図られるよ
うにしてもよい。
【0042】回復措置の具体的方法は式(A)におい
て、その右辺の値が増大する方法が適宜選択して用いら
れる。式(A)から明らかなように、これには、一次燃
料G1の質量流量mg1を増加する方法(この場合には、
制御装置90は一次燃料G1 の供給路60の流量調整弁
61に対して開度を大きくする信号を発するようにす
る)、二次燃料G2 の質量流量mg2を増加する方法(こ
の場合には、制御装置90は二次燃料G2 の供給路80
の流量調整弁81に対して開度を大きくする信号を発す
るようにする)、一次空気A1 の質量流量ma1を減少す
ること及び/又は一次空気A1 の温度Ta1を上昇させる
ことにより行う方法(この場合には、制御装置90は一
次空気A1 の供給路50の流量調整弁51に対して開度
を小さくする信号を発するか、空気予熱器53の容量を
増大する信号を発するか、双方の信号を同時に発するよ
うにする)、さらには、二次空気A2 の質量流量ma2を
減少すること及び/又は二次空気A2 の温度Ta2を上昇
させることにより行う方法(この場合には、制御装置9
0は二次空気A2 の供給路70の流量調整弁71に対し
て開度を小さくする信号を発するか、空気予熱器73の
容量を増大する信号を発するか、双方の信号を同時に発
するようにする)、などが選択的にあるいは同時に実行
される。図9はその一例を示すフローチャートである。
【0043】そのような回復措置の結果、温度Tmix は
上昇し、温度K≦温度Tmix の状態となり、不完全燃焼
は防止される。次に、図10〜図16を参照しつつ、各
回復措置を採用する場合の具体例について説明する。図
10はメタンを主成分とする燃料を用いた場合におけ
る、一次燃料G1 の質量流量mg1を変化させた場合の例
であり、一次空気A1 の質量流量ma1と二次空気A2
質量流量ma2を42(kg/h)とし、二次燃料G2 の質量流
量mg2を0.25(kg/h)として、一次燃料G1 の質量流量
mg1を変化させた場合での、温度センサーによる測定に
よる温度Tmix と二次予混合気の燃焼効率C.E.との関係
を示している。温度Tmix が低温の場合には二次予混合
気の燃焼効率C.E.は悪い、すなわち、二次燃料の一部は
未燃焼成分として排出されているが、一次燃料の質量流
量mg1が増加して温度Tmix を上昇させるに従い燃焼効
率C.E.は向上し、温度Tmix がほぼ900℃の時点でほ
ぼ95%となり、不完全燃焼が実質的に回避されたこと
を示している。
【0044】図11はメタンを主成分とする燃料を用い
た場合における、二次燃料G2 の質量流量mg2を変化さ
せた場合の例であり、一次空気A1 の質量流量ma1と二
次空気A2 の質量流量ma2を42(kg/h)とし、一次燃料
1 の質量流量mg1を1.8(kg/h)として、二次燃料G2
の質量流量mg2を変化させた場合での、温度センサーに
よる測定による温度Tmix と二次予混合気の燃焼効率C.
E.との関係を示している。この場合でも温度Tmix が低
温の場合には二次予混合気の燃焼効率C.E.は低く、二次
燃料の一部は未燃焼成分として排出されているが、二次
燃料の質量流量mg2が増加して温度Tmix を上昇させる
に従い燃焼効率C.E.は向上し、温度Tmix がほぼ900
℃の時点でほぼ100%となり、不完全燃焼が実質的に
回避されたことを示している。
【0045】図12はメタンを主成分とする燃料を用い
た場合における、二次燃料G2 の質量流量mg2を変化さ
せた場合の例であり、一次空気A1 の質量流量ma1と二
次空気A2 の質量流量ma2を42(kg/h)とし、一次燃料
1 の質量流量mg1を1.57(kg/h)として、二次燃料G
2 の質量流量mg2を変化させた場合の例である。この場
合にも、温度Tmix が低温の場合には二次予混合気の燃
焼効率C.E.は低く、二次燃料の一部は未燃焼成分として
排出されているが、二次燃料の質量流量mg2が増加して
温度Tmix を上昇させるに従い燃焼効率C.E.は向上し、
温度Tmix がほぼ900℃の時点でほぼ95%となり、
不完全燃焼が実質的に回避されたことを示している。
【0046】図13はメタンを主成分とする燃料を用い
た場合における、二次空気A2 の質量流量ma2を変化さ
せた場合の例である。ここでは、一次空気A1 の質量流
量ma1を42(kg/h)とし、一次燃料G1 の質量流量mg1
を1.8(kg/h)、二次燃料G2の質量流量mg2を0.25(kg
/h)として、二次空気A2 の質量流量ma2を変化させた
場合である。二次空気の質量流量ma2が少ない場合には
温度Tmix も高い温度を維持することができ、高い燃焼
効率を保持しているが、二次空気の質量流量ma2が増大
して温度Tmix が900℃よりも低い温度になるにつれ
て二次予混合気の燃焼効率C.E.は大きく低下していくこ
とが分かる。
【0047】図14〜図16は上記した多段希薄予混合
燃焼における不完全燃焼防止方法を実際の二段希薄燃焼
器に用いて運転する場合の他の例を示しており、図14
は温度Tmix の変化、図15は二次予混合気の燃焼効率
C.E.の変化、図16はNOxの変化をそれぞれ示してい
る。各図において、A〜Fの各点での燃焼条件は以下の
通りである。
【0048】 ma1(kg/h) mg1(kg/h) ma2(kg/h) mg2(kg/h) 条件A 42 1.57(λ=1.6) 42 0 条件B 42 1.57(λ=1.6) 42 0.23(λ=11) 条件C 42 1.80(λ=1.4) 42 0 条件D 42 2.10(λ=1.2) 42 0 条件E 42 1.80(λ=1.4) 42 0.30(λ=8.4) 条件F 42 1.80(λ=1.4) 42 1.26(λ=2.0)
【0049】すなわち、この例では低負荷の状態では燃
焼器は条件Aで運転される。その時の温度Tmix はTmi
x <900℃となっている。負荷の上昇のために、二次
予混合気中の燃料流量mg2を増加させても、その質量流
量は微量であるためにそれによる温度Tmix の上昇には
限りがあり図14のBに示すように900℃には達しな
い。そのために、未燃焼成分(COや未燃炭化水素)が
排出され図15B点のように燃焼効率C.E.は低下する。
そこで、このような低負荷条件では二次予混合気中に燃
料を供給しないで運転を行う。
【0050】そこで、まず、一次予混合気中の燃料流量
mg1を増加させ条件C(Tmix =800℃程度)とす
る。その状態でさらに燃焼器の負荷を上昇させるために
一次予混合気中の燃料流量mg1をさらに増加させ条件D
にしようとすると、一次燃焼ガスの温度が上昇し図16
の点Dに示すようにNOX 排出量が増加してしまう。そ
こで、この時点で、二次予混合気中に燃料を供給して反
応を生じさせてTmix を900℃程度まで上昇させる。
それにより、図15に示すようにわずかに燃焼効率は低
下するものの、NOx の発生を抑えた状態で、温度T
mix =900℃とすることが可能となる。
【0051】以降の負荷の上昇には二次予混合気中の燃
料流量mg2を増加させ条件Eとすることで対応する。さ
らに二次予混合気中の燃料流量mg2を増加させ条件Fを
この燃焼器の最大負荷とする。このように、低負荷時に
は二次予混合気中に燃料を供給せず、一次混合気中の燃
料流量を増加させることで負荷の上昇に対応し、温度T
mix が900℃近傍となった時点から二次予混合気中の
燃料流量を増加させて負荷の上昇に対応することで、N
X 排出量の低減とCOや未燃焼成分の排出抑制を同時
に満足したまま、条件Aから条件Fまで約50%のター
ンダウンレシオを得ることができる。
【0052】また、この制御法によれば、負荷の変動に
対して燃焼器に供給する燃料流量を制御することで対応
することができ、複雑な空気比制御を必要としない利点
がある。図17は本発明による多段希薄予混合燃焼にお
ける不完全燃焼防止方法の他の態様、すなわち、温度T
mix とTinとの比較ではなくも、熱量Hmix とHinとを
比較する場合におけるフローチャートを示している。こ
の例においても、燃焼器および制御システムは、前記し
た温度Tmix とTinとを比較する場合と同じものが用い
られる。この態様においては、前記した式(B)、
(C)から分かるようにHmix の算出に際して仮定値を
立てる必要がないので、制御装置の簡易化と処理時間の
短縮が可能となる。熱量Hmix >熱量Hinの場合におい
て、二次予混合気中に燃料が供給されている場合に、運
転条件を変更する具体的手法などについては先に詳しく
説明した温度Tmix とTinとを比較する場合と同様であ
ることは容易に理解されよう。
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、従来燃焼不可能と考え
られてきた予混合気、つまり理論的にそれ自信のみでは
燃焼し得ないきわめて希薄な予混合気(例えばメタンの
場合に予熱温度が25℃では空気比2以上の予混合気)
を多段燃焼器を用いてかつその運転負荷の変動にもかか
わらず常に完全燃焼させることが可能となる。それによ
り、多段燃焼器を用いてトータルで非常に高空気比の低
NOx 燃焼器を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる多段希薄燃焼装置の一例を示す
説明図。
【図2】実験結果を示すグラフ。
【図3】実験結果を示すグラフ。
【図4】実験結果を示すグラフ。
【図5】実験結果を示すグラフ。
【図6】実験結果を示すグラフ。
【図7】実験結果を示すグラフ。
【図8】本発明による多段希薄予混合燃焼における不完
全燃焼防止方法を実施するための制御システムを示す概
略説明図。
【図9】フローチャートを示す説明図。
【図10】本発明による不完全燃焼防止方法による運転
条件の変更例を示すグラフ。
【図11】本発明による不完全燃焼防止方法による運転
条件の他の変更例を示すグラフ。
【図12】本発明による不完全燃焼防止方法による運転
条件のさらに他の変更例を示すグラフ。
【図13】本発明による不完全燃焼防止方法による運転
条件のさらに他の変更例を示すグラフ。
【図14】本発明による不完全燃焼防止方法による運転
条件のさらに他の変更例を示すグラフ。
【図15】本発明による不完全燃焼防止方法による運転
条件のさらに他の変更例を示すグラフ。
【図16】本発明による不完全燃焼防止方法による運転
条件のさらに他の変更例を示すグラフ。
【図17】本発明の他のフローチャートを示す図。
【符号の説明】
100…多段希薄予混合燃焼器、A1 …一次空気、G1
…一次燃料、Q1 …一次予混合気、A2 …二次空気、G
2 …二次燃料、Q2 …二次予混合気、51、61、7
1、81…流量制御弁、52、62、72、82…流量
計、53、73…空気予熱器、54、74…温度セン
サ、90…制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−102118(JP,A) 特開 平4−151416(JP,A) 特開 昭53−20008(JP,A) 特開 平5−126335(JP,A) 特開 平5−187271(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F23C 11/00 F02M 23/04

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前段での燃焼により生じた一次燃焼ガス
    に次段において可燃限界外の希薄な二次予混合気を混合
    して反応させる多段希薄予混合燃焼法における不完全燃
    焼防止方法であって、 あらかじめ、当該燃焼器について燃焼器出口からの未燃
    焼成分排出開始前後における燃焼器内での前記一次燃焼
    ガスと二次予混合気とが混合し反応した後の温度Kを求
    めておき、 実際の運転において、その運転条件における一次燃焼ガ
    スと二次予混合気とが混合し反応した後の温度Tmix を
    求め、温度Kと温度Tmix を比較し、温度K>温度Tmi
    x であってかつ二次予混合気中に燃料が供給されている
    場合には、温度K≦温度Tmix となるように運転条件を
    変更することを特徴とする不完全燃焼防止方法。
  2. 【請求項2】 前記温度Tmix を燃焼器内に設けた温度
    センサーによる測定値とすることを特徴とする請求項1
    記載の不完全燃焼防止方法。
  3. 【請求項3】 その運転条件での、一次空気の供給量、
    一次燃料の供給量、一次空気の予熱温度、及び、二次空
    気の供給量、二次燃料の供給量、二次空気の予熱温度を
    測定し、前記温度Tmix を次式(A)で算出した値とす
    ることを特徴とする請求項1記載の不完全燃焼防止方
    法。 但し、H1 (J/kg):一次燃料の単位質量当たりの発熱量
    (25℃基準) H2 (J/kg):二次燃料の単位質量当たりの発熱量(25
    ℃基準) mg1(kg/h):一次燃料の質量流量 ma1(kg/h):一次空気の質量流量 mg2(kg/h):二次燃料の質量流量 ma2(kg/h):二次空気の質量流量 Ta1(℃) :一次空気の予熱温度 Ta2(℃) :二次空気の予熱温度 CaT1(J/kg℃) :空気の温度Ta1における平均比熱(2
    5℃基準) CaT2(J/kg℃) :空気の温度Ta2における平均比熱(2
    5℃基準) CmixTmix(J/kg℃) :一次燃焼ガスと二次予混合気とが
    混合し反応してできた混合気の温度Tmix における平均
    比熱(25℃基準)
  4. 【請求項4】 温度K>温度Tmix で二次予混合気中に
    燃料が供給されている場合に、運転条件の変更を一次燃
    料の質量流量mg1を増加することにより行うことを特徴
    とする請求項1ないし3いずれか記載の不完全燃焼防止
    方法。
  5. 【請求項5】 温度K>温度Tmix で二次予混合気中に
    燃料が供給されている場合に、運転条件の変更を二次燃
    料の質量流量mg2を増加することにより行うことを特徴
    とする請求項1ないし3いずれか記載の不完全燃焼防止
    方法。
  6. 【請求項6】 温度K>温度Tmix で二次予混合気中に
    燃料が供給されている場合に、運転条件の変更を一次空
    気の質量流量ma1を減少すること及び/又は一次空気の
    温度Ta1を上昇させることにより行うことを特徴とする
    請求項1ないし3いずれか記載の不完全燃焼防止方法。
  7. 【請求項7】 温度K>温度Tmix で二次予混合気中に
    燃料が供給されている場合に、運転条件の変更を二次空
    気の質量流量ma2を減少すること及び/又は二次空気の
    温度Ta2を上昇させることにより行うことを特徴とする
    請求項1ないし3いずれか記載の不完全燃焼防止方法。
  8. 【請求項8】 1次燃料及び2次燃料がメタンを主成分
    とする燃料であり、前記温度Kを900℃として実施す
    ることを特徴とする請求項1ないし7いずれか記載の不
    完全燃焼防止方法。
  9. 【請求項9】 燃焼器の負荷変動に対して、低負荷時に
    は二次予混合気中に燃料を供給せず、一次予混合気中の
    燃料流量を増加させることにより負荷の上昇に対応し、
    温度Tmix が温度K近傍の温度となった時点から二次予
    混合気中に燃料を供給し、その流量を増加させることで
    負荷の上昇に対応することを特徴とする請求項1ないし
    7いずれか記載の不完全燃焼防止方法を用いた多段希薄
    予混合燃焼器の燃焼制御方法。
  10. 【請求項10】 前段での燃焼により生じた一次燃焼ガ
    スに次段において可燃限界外の希薄な二次予混合気を混
    合して反応させる多段希薄予混合燃焼法における不完全
    燃焼防止方法であって、あらかじめ、当該燃焼器につい
    て燃焼器出口からの未燃焼成分排出開始前後における燃
    焼器内での前記一次燃焼ガスと二次予混合気とが混合し
    反応した後の温度Kを求めておき、実際の運転におい
    て、その運転条件での、一次空気の供給量、一次燃料の
    供給量、一次空気の予熱温度、及び、二次空気の供給
    量、二次燃料の供給量、二次空気の予熱温度を測定し、
    そこから、その条件における、一次予混合気及び二次予
    混合気によって燃焼器へ供給される熱量Hinと、一次燃
    焼ガスと二次予混合気とが混合し反応してできた混合気
    の温度Kにおける保有熱量Hmix を式(B)、(C)に
    よって算出し、熱量Hmix と熱量Hinを比較し、熱量H
    mix >熱量Hinであってかつ二次予混合気中に燃料が供
    給されている場合には、熱量Hmix ≦熱量Hinとなるよ
    うに運転条件を変更することを特徴とする不完全燃焼防
    止方法。 式(B)Hin=H1×mg1+H2×mg2+CaT1×(Ta1-25)×ma
    1+CaT2×(Ta2-25)×ma2 式(C)Hmix=CmixK×(K-25)×(ma1+mg1+ma2+mg2) 但し、H1 (J/kg):一次燃料の単位質量当たりの発熱量
    (25℃基準) H2 (J/kg):二次燃料の単位質量当たりの発熱量(25
    ℃基準) mg1(kg/h):一次燃料の質量流量 ma1(kg/h):一次空気の質量流量 mg2(kg/h):二次燃料の質量流量 ma2(kg/h):二次空気の質量流量 Ta1(℃) :一次空気の予熱温度 Ta2(℃) :二次空気の予熱温度 CaT1(J/kg℃):空気の温度Ta1における平均比熱(25
    ℃基準) CaT2(J/kg℃):空気の温度Ta2における平均比熱(25
    ℃基準) CmixK(J/kg℃):一次燃焼ガスと二次予混合気とが混合
    し反応してできた混合気の温度Kにおける平均比熱(2
    5℃基準)
  11. 【請求項11】 熱量Hmix >熱量Hinで二次予混合気
    中に燃料が供給されている場合に、運転条件の変更を一
    次燃料の質量流量mg1を増加することにより行うことを
    特徴とする請求項10記載の不完全燃焼防止方法。
  12. 【請求項12】 熱量Hmix >熱量Hinで二次予混合気
    中に燃料が供給されている場合に、運転条件の変更を二
    次燃料の質量流量mg2を増加することにより行うことを
    特徴とする請求項10記載の不完全燃焼防止方法。
  13. 【請求項13】 熱量Hmix >熱量Hinで二次予混合気
    中に燃料が供給されている場合に、運転条件の変更を一
    次空気の質量流量ma1を減少すること及び/又は一次空
    気の温度Ta1を上昇させることにより行うことを特徴と
    する請求項10記載の不完全燃焼防止方法。
  14. 【請求項14】 熱量Hmix >熱量Hinで二次予混合気
    中に燃料が供給されている場合に、運転条件の変更を二
    次空気の質量流量ma2を減少すること及び/又は二次空
    気の温度Ta2を上昇させることにより行うことを特徴と
    する請求項10記載の不完全燃焼防止方法。
  15. 【請求項15】 1次燃料及び2次燃料がメタンを主成
    分とする燃料であり、前記熱量Hmix を900℃として
    実施することを特徴とする請求項10ないし14いずれ
    か記載の不完全燃焼防止方法。
  16. 【請求項16】 燃焼器の負荷変動に対して、低負荷時
    には二次予混合気中に燃料を供給せず、一次予混合気中
    の燃料流量を増加させることにより負荷の上昇に対応
    し、熱量Hinが熱量Hmix 近傍の温度となった時点から
    二次予混合気中に燃料を供給し、その流量を増加させる
    ことで負荷の上昇に対応することを特徴とする請求項1
    0ないし14いずれか記載の不完全燃焼防止方法を用い
    た多段希薄予混合燃焼器の燃焼制御方法。
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