JP3153374B2 - 多段階超希薄予混合燃焼法 - Google Patents

多段階超希薄予混合燃焼法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は多段階超希薄予混合燃焼
法に関し、従来完全燃焼させることが不可能とされてい
た希薄可燃限界外の超希薄予混合気を完全燃焼させるこ
とを可能とした多段階超希薄予混合燃焼法に関する。
【0002】
【従来の技術】各種燃焼器の低NOx 燃焼法として予混
合燃焼法が注目されており、なかでもガスタービン燃焼
器における予混合希薄燃焼法は確実にNOx 排出量を低
減できる燃焼法として注目され、各方面で実用燃焼器の
開発が行われている。しかし、低負荷時におけるCOや
未燃炭化水素の排出による燃焼効率の低下抑制と、最大
負荷時におけるNOx 排出量の低減とはトレードオフの
関係にあり、これらをどうバランスさせるかが技術的課
題となっている。
【0003】このような課題を克服するため、負荷変動
に応じて空気をバイパスさせ、燃焼領域の空燃比を一定
範囲にコントロールする方式が、大型の燃焼器で一部実
用化されているが、この方式ではシステムが非常に複雑
であることなどから、スペース、安全性、コストなどの
面で中、小型のガスタービン燃焼器への適用が困難であ
る。この解決手段として、本出願人は、燃料ガスと空気
の予混合気を2段に分割供給し、燃料制御のみで広い負
荷範囲にわたって高い燃焼効率と低NOx 性を実現する
燃焼器の開発を行ないすでに出願している(特願平3−
340175号)。
【0004】これは基本的に1段目の空燃比一定の安定
な予混合火炎により2段目以降の希薄予混合気を燃焼さ
せ、燃料制御のみで負荷変動に対応するもので、バイパ
スコントロール弁等を必要としないことから他方面への
適用を可能としている。図1は上記した燃焼器をガスタ
ービン燃焼器として用いた場合の一例を示している。こ
の燃焼器の第1の特徴は、予混合気供給を2段に分割し
ていることである。1段目の予混合気は2段目に比べ低
空気比 (約1.4) であり、これは1次燃焼火炎として安
定に燃焼する。一方、2段目の予混合気は非常に高空気
比 (2〜20) であり、燃料濃度が低く燃焼限界をはず
れるため、この超希薄予混合気のみでは燃焼し得ない
が、1次燃焼ガスと混合することによって燃焼させるこ
とができる。これによって、トータルで非常に高空気比
の燃焼が可能となり、NOx排出量の低減が可能とな
る。この燃焼器の第2の特徴は制御の容易性である。1
段目および2段目の燃焼用予熱空気は、ライナーの周囲
を通って常に一定量供給されている。また、1段目の燃
料ガスは常に一定量供給されており、負荷変動には2段
目の燃料ガスのみで対応するように設計されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の形式の燃焼器は
空気比2〜20程度の超希薄予混合気を低NOx 燃焼さ
せることができ有効なものであるが、本発明者らがさら
に実験を継続する過程において、負荷の低下に伴い2段
目の燃料ガスの供給を低下させていくと、燃焼用空気は
常に一定量供給されているため、結果的に2次予混合気
の空気比が上昇し、未燃分 (COやメタンを主成分とす
る燃料ガス) が排出され、燃焼効率を低下させる場合が
生じることを知見した。
【0006】本発明は、この希薄予混合気を用いた低N
x 多段燃焼法において上記のような未燃分が発生する
ことを回避し、それにより高い燃焼効率を呈する多段階
超希薄予混合燃焼法を得ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決しかつ
目的を達成するために、本発明者らは上記の未燃分発生
の原因について多くの研究を行なった。そこにおいて、
未燃分発生の原因は1次燃焼ガスと2次希薄予混合気の
流れ、混合や反応など種々の要因が考えられるが、燃焼
における化学反応のみに注目して検討を行なうことによ
っても有効な解決手段を得られることを認識し、以下に
記載する手法により解析を進めた。
【0008】具体的には、まず燃焼ガスの温度および組
成を求め、この高温の燃焼ガスに種々の割合で希薄予混
合気を瞬時混合させた後の組成と温度を初期値として反
応計算を行った。反応計算にはCHEMKIN の定圧反応計算
プログラムを用いた。計算条件を表1に示す。これらは
タービン燃焼器実験を考慮して設定した。ここで、未燃
混合気割合とは一次燃焼ガスと二次希薄予混合気の混合
比を示しており、混合後の全モル数の中の二次希薄予混
合気モル数を%で表示したものである。また、プロセス
1で必要となる燃焼ガスの滞留時間は、0.1、1、10
msと変化させて比較した結果、得られる結論には定性
的にあまり影響しないことが確認されたため、すべて1
msの結果として以下に述べる。 表1.計算条件 燃料 メタン 圧力および予熱温度 3atm 320℃ 1atm 25℃ 一次燃焼ガス空気比 1.4 〜 2.8 二次希薄予混合気空気比 2 〜 20 未燃混合気割合 50 〜 80% 計算時間 10ms 火炎は少なくとも空気比が1.4以上の希薄火炎を対象と
した。一般に、量論空気比付近およびそれより希薄な火
炎の燃焼反応としては、炭素数2以上の化学種が関与す
る素反応を考慮する必要がないといわれている。そこ
で、J.A.Miller他、"Progress Energy Combustion Scie
nce", 15, 287-338,に記載の235の素反応式群から以
下の化学種の関与する101式を用い反応計算を行なっ
た。
【0009】考慮した化学種 CH4 O2 N2 H2O CO CO2 H2 CH3 CH3O CH2 CH2
O CH2OH CH CHO C H O OH HO2 H2O2 N NO NO2 N2O まず、燃焼ガスの空気比を1.4に、圧力、予熱温度を3
atm 、320℃に固定し、燃焼ガスと希薄予混合気の混
合割合および希薄予混合気の空気比を変化させた場合の
メタン濃度と反応時間の関係を求めた。希薄予混合気の
空気比が2 (メタン濃度約5%) で、希薄予混合気割合
が50〜80%と変化した場合の計算結果を図2aに示
した。ただし、メタン濃度は条件によって大きく異なる
ため、縦軸はそれぞれの条件での初期濃度を100とし
た場合のメタン残存率で示した。これより、混合後の希
薄予混合気割合が70%以下では、数ms以内でメタン
が消失しているが、希薄予混合気割合が75%以上に増
加すれば、msのオーダーでは燃焼反応が開始されない
か、あるいは開始されたとしてもメタンの減少速度が遅
いことがわかる。
【0010】次に、希薄予混合気の空気比が20 (メタ
ン濃度は約0.52%) で、混合後の希薄予混合気割合が
50%〜80%と変化した場合の計算結果を図2bに示
した。これより、希薄予混合気の空気比が20と非常に
希薄な場合でも、希薄予混合気の空気比が2の場合と同
様に、混合後の希薄予混合気割合が65%以下では数m
s以内でメタンが消失していることがわかる。
【0011】従来、燃焼器での未燃分発生は希薄予混合
気の空気比に左右されると予想されていたが、この反応
計算からメタンの燃焼性は希薄予混合気の空気比が2で
あっても20であってもそれほど大きな影響はなく、希
薄予混合気の割合が全体の65〜70%でメタンが酸化
されるか否かの限界があることがわかる。つまり、燃焼
ガスと混合後の希薄予混合気中メタンの酸化は、希薄予
混合気の空気比よりも燃焼ガスと希薄予混合気との混合
割合に強く影響されることが明らかとなった。
【0012】本発明者らはさらに研究を継続し、燃焼ガ
スと希薄予混合気の混合割合の変化に追随して最も大き
く変化する因子は、燃焼ガスと希薄予混合気の混合後の
温度であると推定した。そこで、燃焼ガスの空気比が1.
4、希薄予混合気の空気比が2〜20、燃焼ガスと希薄
予混合気の混合割合が50%〜80%の場合の各計算結
果を用い、混合後の濃度に対しメタン濃度が初期濃度の
10分の1になる時間をプロットした。その結果を図3
aに示す。これより、メタンの消失時間は、希薄予混合
気の空気比よりも混合後の温度に強く依存し、特に混合
後の温度、すなわち高温の燃焼ガスと低温の希薄予混合
気が反応を伴わないで均一に混合したときの混合直後の
温度Tmix が約1000℃以上であれば、希薄予混合気
の空気比に関係なくメタンが約0.5ms以内で消失するこ
とがわかる。つまり、燃料メタンの酸化は、燃焼ガスと
希薄予混合気の混合後の温度でほぼ決定されることが明
らかとなった。
【0013】次に1.4で固定していた燃焼ガスの空気比
を2に変化させて計算を行なった。図3aと同様に、希
薄予混合気の空気比が6〜20、燃焼ガスと希薄予混合
気の混合割合が50%〜80%の場合の各計算結果を用
い、混合後の温度に対しメタン濃度が初期濃度の10分
の1になる時間をプロットしたグラフを図3bに示し
た。これより、燃焼ガスの空気比が2であっても、メタ
ンの酸化は燃焼ガスと希薄予混合気の混合後の温度でほ
ぼ決定され、同様に、混合後の温度Tmix が約1000
℃以上であれば、希薄予混合気の空気比に関係なくメタ
ンは約1.0ms以内短時間で消失することがわかる。
【0014】次に、3atm、320℃で固定していた燃
料と空気の加圧+予熱条件を、加圧、予熱を行なわない
1atm 、25℃に変化させて計算を行なった。図3aと
同様に、希薄予混合気の空気比が2〜20、燃焼ガスと
希薄予混合気の混合割合が50%〜80%の場合の各計
算結果を用い、混合後の温度に対しメタン濃度が初期濃
度の10分の1になる時間をプロットしたグラフを図4
に示した。これより、加圧、予熱を行なわない1atm、
25℃の条件であっても、メタンの酸化は燃焼ガスと希
薄予混合気の混合後の温度でほぼ決定され、この場合に
も、混合後の温度Tmix が約1000℃以上であれば、
希薄予混合気の空気比に関係なくメタンは約1.0ms以
内短時間で消失することがわかる。
【0015】上記の考察の結果として、本発明者らは次
のことを知見するに至った。すなわち、「メタンを主成
分とする炭化水素系燃料の酸化については、理論上、燃
焼ガスと希薄予混合気の空気比に関係なく混合後の温度
Tmix 、すなわち該高温の燃焼ガスと低温の希薄予混合
気が反応を伴わないで均一に混合したときの混合直後の
温度Tmix が1000℃以上であれば1ms以内で90
%以上酸化する。またこれは、圧力や予熱温度が変化し
ても同じ傾向である。」本発明は、基本的に上記の知見
に基づくものであり、前段において燃焼した高温燃焼ガ
ス中に可燃限界外にある低温の希薄予混合気を混合して
燃焼させる多段階超希薄予混合燃焼法であって、該高温
の燃焼ガスと低温の希薄予混合気が反応を伴わないで均
一に混合したときの混合直後の温度Tmix が900℃前
後以上となるように、前記高温の燃焼ガス中に低温の希
薄予混合気を供給し燃焼させることを特徴とする多段階
超希薄予混合燃焼法を開示する。
【0016】本発明による燃焼法は、その第1段として
可燃範囲にある予混合気の燃焼を行い、その燃焼ガスに
対して可燃限界外にある低温の希薄予混合気を上記のよ
うな条件の下に混合していく態様の2段予混合燃焼法で
あってもよく、さらに、前記の2段予混合燃焼により生
成される燃焼ガスを「前段において燃焼した高温燃焼ガ
ス」(2次燃焼ガス)とし、そこに可燃限界外にある低
温の希薄予混合気を上記の条件を満足するように混合し
ていく態様であってもよい。
【0017】その繰り返し段数は任意であり、それによ
り多段階超希薄予混合燃焼法を得ることができる。ま
た、該高温の燃焼ガスと低温の希薄予混合気が反応を伴
わないで均一に混合したときの混合直後の温度Tmix が
900℃前後以上となるように、前記高温の燃焼ガス中
に低温の希薄予混合気を供給する態様としては、多くの
態様が存在する。
【0018】さらに、本発明による燃焼法は、完全燃焼
を目指した燃焼技術に適用できるだけでなく、ガソリン
エンジン、天然ガスエンジン等の各種熱機関から排出さ
れるガスに含まれている微量の残存不完全燃焼成分の除
去にも適用でき、また、工業用の乾燥設備から生成され
る微量の有機溶剤が気化した臭気を有する気体の脱臭プ
ロセス等にも適用できる。
【0019】
【実施例】本発明による多段階超希薄予混合燃焼法の有
用性を実機において確認すべく、本発明者らは図5に示
す構造の燃焼装置を作製して燃焼試験を行った。以下、
その燃焼試験に基づき本発明を説明する。燃焼試験に用
いた装置は2段階希薄予混合燃焼装置であり、一次旋回
流バーナ10と燃焼室20とから構成される。一次旋回
流バーナ10において一次空気入口11からの空気と一
次燃料入口12をからの燃料ガスがスワーラ13を通り
可燃範囲にある一次予混合気Q1 となり一次燃焼室21
に安定した予混合火炎を形成して完全燃焼する。一次燃
焼室22の下流には半径方向に4本の二次予混合気(希
薄予混合気)供給孔30が設けられ、そこから可燃限界
外にある低温の希薄予混合気が二次予混合気Q2 として
供給される。供給された二次予混合気は、一次燃焼室内
21での予混合気の燃焼ガスと混合し、二次燃焼室22
において燃焼する。なお、23は断熱材である。
【0020】燃焼試験は一次予混合気Q1 の空気比
λ1 、二次予混合気Q2 の空気比λ2 、一次燃焼での供
給空気量QA1と二次燃焼での供給空気量QA2の比率τ
(すなわち一次燃焼と二次燃焼の燃焼割合)の種々の組
み合わせの下で行い、一次予混合気Q1 の燃焼ガスと二
次予混合気Q2 が反応を伴わないで均一に混合したとき
の混合直後の温度Tmix を計算した。その燃焼結果を図
6〜図11に示す。
【0021】なお、すべての図において、横軸は二次予
混合気Q2 の空気比λ2 、左縦軸は二次予混合気Q2
燃焼効率、右縦軸はNOx の含有量であり、燃焼効率お
よびNOx の含有量はいずれも図1の燃焼装置における
燃焼室20の下流端で測定した値である。図6の場合を
例に取り具体的に説明すると、一次燃焼用の供給空気量
A1=33m3 /h、一次燃焼用のガス量QG1=1.88m
3 /h(空気比1.6)の混合気を一次旋回流バーナ10で
燃焼させ、一次燃焼室21に安定した予混合火炎を形成
した。燃焼ガスの温度は約1400℃であった。二次予
混合気供給孔30から混合後の温度Tmix が約1050
℃となるように二次空気量QA2=14.1m3 /hを供給
し、二次燃焼用ガス量QG2を0.65m3 /h(空気比2)
から0m3 /hまで変化させた。この場合、τ=7:3と
なる。
【0022】図6から、従来完全燃焼は困難であった空
気比λ2 =2〜10の超希薄二次予混合気Q2 がすべて
完全燃焼しており、かつ生成NOxも1〜2ppm と微量
であり、本発明による多段階超希薄予混合燃焼法が有効
であることが実証される。図7は、二次空気量QA2を変
え、τ=6:4とした場合のグラフである。この場合に
はTmix は約930℃となるが、この場合でも、空気比
λ2 =2〜6の範囲では超希薄二次予混合気Q2 は完全
燃焼していることがわかる。より高い空気比(6〜1
2)の場合でもほぼ90%以上の燃焼効率で燃焼してお
り、ここでも本発明による多段階超希薄予混合燃焼法が
有効であることが実証される。
【0023】図8は比較例であり、二次空気量QA2を変
え、τ=5:5とした場合のグラフである。この場合に
はTmix は約830℃となり、空気比λ2 =2以上の超
希薄二次予混合気Q2 の燃焼効率は40%以下であっ
た。すなわち、Tmix が830℃前後より低い場合には
完全燃焼を達成することができないことがわかる。図9
から図11は、一次燃焼での供給空気量QA1と二次燃焼
での供給空気量Q A2の比率τを6:4に一定とし、一次
予混合気Q1 の空気比λ1 を図9においては1.4、図1
0においては1.6、図11においては1.8とした場合の
測定結果である。このτ=6:4の比は前記図7の場合
と同じ設定であるが、その場合であっても、図9の場合
のように一次燃焼用ガスの空気比を1.4と低いものとす
る(すなわち、一次燃焼ガスの温度を約1400℃とす
る)ことにより、Tmix を1030℃以上に保つことが
可能となり、その結果二次燃焼での燃焼効率を空気比λ
2 =2〜10の超希薄二次予混合気のすべてについて1
00%とすることが可能となり、かつ生成NOxも2〜
4ppm と微量であり、ここでも本発明による多段階超希
薄予混合燃焼法が有効であることが実証される。
【0024】図10は同じ条件のもとで一次予混合気Q
1 の空気比λ1 のみを1.6とした場合であるが、この場
合にはTmix は約930℃となり、空気比λ2 =2〜6
の範囲では超希薄二次予混合気Q2 は完全燃焼してお
り、より高い空気比(6〜12)の場合でもほぼ90%
以上の燃焼効率で燃焼している。ここでも本発明による
多段階超希薄予混合燃焼法が有効であることが実証され
る。
【0025】図11は比較例であり、同じ条件のもとで
一次予混合気Q1 の空気比λ1 を1.8として場合である
が、この場合にはTmix は約840℃となり、空気比λ
2 =2〜3の範囲では超希薄二次予混合気Q2 は完全燃
焼しているものの、より高い空気比(3〜10)の場合
では燃焼効率は次第に低下して空気比λ2 =10では約
40%に低下している。この例から、Tmix は約840
℃程度では二次予混合気の完全燃焼が達せられる空気比
の範囲はきわめて限られたものとなり、発明の目的は十
分には達成されないことがわかる。
【0026】上記の実施例の結果から、本発明による多
段階超希薄予混合燃焼法の実機での有用性は十分に裏付
けられる。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、従来燃焼不可能と考え
られてきた予混合気、つまり理論的にそれ自信のみでは
燃焼し得ないきわめて希薄な予混合気(例えばメタンの
場合に予熱温度が25℃では空気比2以上の予混合気)
を完全燃焼させることが可能となる。それにより、トー
タルで非常に高空気比の燃焼が可能な低NOx 燃焼器を
実現することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】多段階希薄燃焼装置の一例を示す説明図。
【図2】混合後の予混合気の割合変化とメタン濃度変化
を示すグラフ。
【図3】予混合気の空気比を変化した場合の混合後の温
度のメタン消失時間との関係を示すグラフ。
【図4】燃料と空気の加圧、予熱条件を変えた場合の混
合後の温度のメタン消失時間との関係を示すグラフ。
【図5】燃焼試験に用いた燃焼装置の説明図。
【図6】実験結果を示すグラフ(一次空気量と二次空気
量の比λ=7:3)
【図7】実験結果を示すグラフ(一次空気量と二次空気
量の比λ=6:4)
【図8】実験結果を示すグラフ(一次空気量と二次空気
量の比λ=5:5)
【図9】実験結果を示すグラフ(一次燃料の空気比1.
4)
【図10】実験結果を示すグラフ(一次燃料の空気比1.
6)
【図11】実験結果を示すグラフ(一次燃料の空気比1.
8)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F23C 11/00 F02M 23/04 F23R 3/26

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前段において燃焼した高温燃焼ガス中に
    可燃限界外にある低温の希薄予混合気を混合して燃焼さ
    せる多段階超希薄予混合燃焼法であって、該高温の燃焼
    ガスと低温の希薄予混合気が反応を伴わないで均一に混
    合したときの混合直後の温度が900℃前後以上となる
    ように、前記高温の燃焼ガス中に低温の希薄予混合気を
    供給し燃焼させることを特徴とする多段階超希薄予混合
    燃焼法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の燃焼法の結果として得ら
    れる燃焼ガス中に、反応を伴わないで均一に混合したと
    きの混合直後の温度が900℃前後以上となるように可
    燃限界外にある低温の希薄予混合気を供給し燃焼させる
    ことを特徴とする多段階超希薄予混合燃焼法。
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