JP3153262U - セラミック放電容器を備える高圧放電ランプ - Google Patents

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Abstract

【課題】電極損傷の危険を最小限にし、さらに、電極の寿命を長くする高圧放電ランプを提供する。【解決手段】放電容器の両端部には毛管が配置されている。毛管には導入線が密封されており、この導入線はそれぞれタングステンからなる電極15と接合されている。この電極はピン型で、直径の異なる2つの部分25,26から一体的に構成されている。所定の直径D1を備えた第1部分25は電極先端部を形成し、直径D2を備えた第2部分26は毛管内に配置されている。第2部分の直径D2は、第1部分の直径D1の少なくとも108%である。電極15の全長Lは、部分長さL1を備える第1部分と、部分長さL2を備える第2部分とに区分けされており、L2は全長Lの約30%から70%である。最大直径D2の開始部は、毛管の開始部と一致するか、または毛管の開始部から最大で長さLの10%だけずれている。【選択図】図2

Description

本考案は、請求項1の上位概念によれば、セラミック放電容器を備える高圧放電ランプに関する。ここでは、とりわけ一般的な照明に対して使用されるような高圧放電ランプを対象とすることができる。
EP-B 639 853から、メタルハライドランプが公知である。このメタルハライドランプの場合、セラミック放電容器は、導入線を収容するための毛管を有しており、このセラミック放電容器内の死空間は、タングステンからなる電極が、毛管内にまで達する非常に長いシャフトを有することによって減少する。ここでは、この比較的細いシャフトは、この毛管の内径に適合したスリーブで被覆されている。
本考案の課題は、請求項1の上位概念による高圧放電ランプを提供し、電極損傷の危険を最小限にすることである。さらに、電極の寿命を長くすることが望まれる。
この課題は、請求項1記載の下位概念によって解決される。特に有利な構成は、従属請求項で明らかとなる。
本考案は、HID交流ランプのための電極構造を説明する。この電極構造はW電極ならびに導入線からなる。このW電極は回転対称体からなり、直径の異なる2つの部分に分かれている。この導入線は電極に隣接配置されており、毛管内に配置されている。本考案は、毛管内の死空間を非常に確実に、高精度で低減させる。
有利には、電極と導入線との間は溶接接合されている。この溶接接合は、電極が毛管内に深く入り込む長さによって問題ない温度となる。これによって、温度干渉による電極の損傷ないし屈曲の危険が減少する。
個別的に、本考案にしたがって、セラミック放電容器を備える高圧放電ランプを説明する。このセラミック放電容器には、2つの電極と発光充填物が封入されている。放電容器の両端部には毛管が配置されている。毛管には導入線が密封されており、この導入線はそれぞれタングステンからなる電極と接合されている。この電極はピン型で、直径の異なる2つの部分から一体的に構成されている。所定の直径D1を備えた第1部分は電極先端部を形成し、直径D2を備えた第2部分は毛管内に配置されている。第2部分の直径D2は、第1部分の直径D1の少なくとも108%である。電極の全長Lは、部分長さL1を備える第1部分と、部分長さL2を備える第2部分とに区分けされており、L2は全長Lの約30%から70%である。最大直径D2の開始部は、毛管の開始部と一致するか、または毛管の開始部から最大で長さLの10%だけずれている。
有利には、第2部分の直径D2は毛管の内径IDの少なくとも95%であり、したがって死空間が減少する。
とりわけ第2部分は、導入線と溶接によって接合されている。さらに導入線の直径は、第2部分の直径の少なくとも10%であることが推奨される。
ここでD1とD2の間は、段によって急峻に移行することができる。しかし緩やかな移行部が生じるように、傾斜をつけることもできる。
電極は1つの部材から製造されるから、直径D2は最大でもD1の150%であるべきである。そうでなければ廃棄物が多く生じすぎるからである。
最適な温度管理は、第1部分の先端部の近くに、付加的な厚みを取り付けることにより実現することができる。この厚みは、一体的なヘッドとすることができるか、または第1部分に被せ嵌められたコイルとすることができる。有利には、一体的なヘッドである。なぜならこの一体的なヘッドは作業過程で簡単に製造することができるので、廃棄物が減少するからである。有利には、このヘッドの最適な直径は第2部分の直径と同じである。熱容量はヘッドの長さによって調節することができる。択一的に、ヘッドの直径D3はD1とD2の間とすることができる。
有利には、この電極と電極構造は、充填物としてメタルハライドを含む高圧放電ランプのために使用される。
有利には、電極の第1部分と第2部分の直径の比率は、非常に精確に調整することができる、とりわけ第2部分が毛管の直径にぴったり適合するように調節することができる。とりわけこの値は1.3から1.6であるべきである。典型的な値は係数1.4である。
第1部分には電極ヘッドが配置されることが多く、この電極ヘッドは、とりわけコイル、スリーブ、中空でない厚みによって、既に説明したように実現することができる。
プラズマの方を向いた電極の第1部分の直径に対しては、溶接部の方に向いた後置の第2部分に対してとは別の要求がなされる。電極は、有利にはタングステンまたは類似の高融点の金属、とりわけタングステンを多く含む化合物から製造される。
プラズマの方を向いたW電極の前方の第1部分は、電極先端部の温度が、タングステンが不要な高温で蒸発するほど高くならない程度に、熱を排出するべきである。他方、カソードフェーズ(交流モード)でスパッタが生じるほどには、熱を排出しすぎるべきではない。これらの要求によって、W電極の前方先端部の直径の最適性が規定される。
後方部分、すなわち溶接部の方を向いた電極のシャフト部分には、別の基準が当てはまる。この最適な直径は、ガラスはんだ溶接部の方向での、シャフト部分と毛管導入線との接合の具合によって主に規定されている。この毛管導入線の構成要素は、サーメット、モリブデン、Nb(Zr)および/または別の可能な構成要素からなる。これらの要求によって、第2部分の直径の最適性が規定される。この第2部分の直径は、極限値を含め、毛管導入線と電極シャフト部分との比率が、有利には0.5以上1.0以下の間であるという条件によって規定される。
本考案による放電ランプ用の電極は、耐熱性金属から製造される。適しているのは、とりわけタングステン、モリブデン、タンタル、レニウム、またはこれらの合金であるが、これらの金属の炭化物、とりわけタンタル炭化物(TaC)も適している。
電極は、相応の寸法を備える未加工材料から、回転、研磨、穿孔、エッチング、などによって製造される。DE42 06 002に記載されるようなレーザー方法は特に有利である。場合によって圧延やハンマーなどの適切な製造行程により、付加的な成形加工がもたらされ、電極材料の構造安定性が高められる。電極材料として、例えばW、Ta、Mo、Reないしはこれらの合金などの耐熱性金属が使用される。この合金は、材料の構造安定性を高めるために、部分的に付加的にドーピングされている。有利には構造安定化のために以下のドーピングが行われる、すなわち例えばK、Al、Siなどの元素、および付加的に酸化物、カーバイド、ホウ化物、窒化物、および/または、希土類元素の純金属(ないし純金属の合金)、すなわち例えばLa、Ce、Pr、Nd、Eu、Thなどのランタノイド、アクチノイドや、しかし同様にSc、Ti、Y、Zr、Hfも、ドーピングされる。これらは、構造安定性のためだけではなく、電子の流出活動を減少させるためにも使用される。
特に有利な第1実施形態では、一体的な電極がとりわけタングステンから製造される。この複雑な輪郭は、円筒状の後部シャフト部分を第2部分として、ならびにヘッドを有する前部を第1部分として有することができる。
高密度なボディは、理論的密度の典型的には98%(それどころか99%以上まで)で製造することができる。
これによりとりわけ電極の熱移動の最適化が達成される。ここで加工は、切削工具によって純粋に機械的に行われる。従来は、この種の電極のために約60%までの廃棄物を我慢せざるを得なかった。しかしここで有利には、DE-A 42 06 002の基準に基づくレーザー昇華方法を用いることができる。
有利には、W電極のシャフト長さを完全に可変に設計することができる。従来知られている問題は、従来使用されていた2つの部分の間の接合個所は、通常は溶接部であり、放電に近すぎる場合はランプ動作中、熱により負担がかかるということである。この問題は、W電極と導入線との接合部が、放電容積方向の毛管端部に近すぎる場合に当てはまる。この問題に関して従来有利には、接合個所の温度が1500K、特に有利には1300Kを超えないように留意すべきである。そしてこの結果、W電極は、通常は溶接部である接合個所で屈曲してしまう。W電極が毛管の内壁に接触すると、毛管内で亀裂が生じ、この亀裂により放電容器から充填物が漏れて出る。このことによりランプの寿命は短くなり、ランプは消えてしまう。
W電極の2つの部分に対する異なる要求は、電極が一体的であり、かつ前方の電極の第1部分のタングステン材料が切除されることによって、最も良好に実現される。このことは、レーザー切除のような、機械的、科学的、または熱機械的な方法によって最も良好に行われる。
本考案は、この種の電極、とりわけメタルハライド充填物を備える高圧放電ランプに関する。このようなものは、類型から見てEP-A 1 056 115から既に公知である。
電極を、2つの部分の直径を拡大することなく毛管の中に延長すると、既知の負の結果として、非常に大きな死空間が生じる。通常、この死空間によって、色温度の散乱がより大きくなる。この色温度の散乱は、充填量を増加させることによってのみ補償することができる。他方、この充填量を増加することは再点弧ピーク電圧の増大を結果としてもたらす。これにより、ランプが早期に消える危険が増加する。
したがって2つの部分の直径は、毛管の内径にぴったり適合するべきであり、そのようにして死空間を埋めるべきである。電極の端部は、毛管の中へ可能な限り後方に、電極の全長の70%まで配置することができる。
以下本考案を、複数の実施例に基づいて詳細に説明する。
図1は、セラミックス放電容器を備えるメタルハライドランプを示す図である。
図2は、本考案による電極の詳細図である。
図3および4は、それぞれ別の実施例による電極の詳細図である。
図5は、電極構造を備える図1のランプの端部領域の詳細図である。
図6は、電極構造の別の実施例を示す図である。
図1は、電圧150Wを備えるメタルハライドランプを概略的に示す。このメタルハライドランプは、ランプ軸を規定する円筒状の、水晶ガラス製の外管1からなる。この外管は両側で封止され(2)ており、かつ口金がつけられ(3)ている。もちろんこのランプを片側だけ封止することもでき、例えば並形口金を設けることもできる。軸方向に配向されたAlセラミックからなる放電容器4は、円筒状または胴の膨らんだ形状に構成されており、2つの端部6を有する。放電容器は2つの電流供給線7によって固定されており、この電流供給線は口金部分3と、フィルム8を介して接続されている。この電流供給線7は導入線9と溶接されており、この導入線は放電容器の端部6の端部栓にそれぞれはめ込まれている。この端部栓は、長く引き延ばされた毛管(栓毛管)として構成されている。放電容器の端部6および栓毛管12は、例えば互いに直接焼結されている。導入線には、放電側に電極15が位置している。
導入線9はそれぞれ複数の部分からなるピンから構成されており、毛管12の長さの約4分の3まで、この毛管の中に入り込んでいる。この毛管12の内部で、放電容積に向かって、2つの部分からなる電極シャフト16が延在している。この電極シャフトはタングステンからなり、放電側端部に被せ嵌められたコイル17を備えている。
放電容器の充填物は、例えばアルゴンなどといった不活性点火ガスの他に、水銀や金属ハロゲン化物の添加物からなる。例えば水銀なしでメタルハライド充填物を使用することも可能であり、この場合、点火ガスとして例えばキセノンを選択することができ、とりわけ1,3barを格段に超える高圧を選択することができる。
ピン9は、栓毛管12にはめ込まれており、ガラスはんだ19によって密閉されている。
図2は電極15を詳細に示す。重要なのは、この電極が一体的な構成要素であることである。前部25の直径はD1、後部26の直径はD2である。電極の全長はLである。第1部分25の長さはL1、第2部分26の長さはL2である。両部分の間の移行部は、段27である。
図3は電極15を示しており、ここでは第1部分25はヘッド28を有しており、このヘッドも同様に一体的に製造されている。ヘッドの直径はD3であり、長さはL3である。ここで、D1<D3≦D2である。
図4は電極30示しており、ここではこのヘッドは別個のコイル31である。さらに、第1部分25と第2部分26の間に、移行部として斜面33が使用されている。
図5は栓36内の電極構造35を詳細に示す。導入線9として、ピン、例えば図6に示すように、2つの部分からなるピンが使用される。このピンの放電側に近い第1部分38は、MoおよびAl2O3からなるサーメットであり、第2部分39は、Niobから、またはNbZrまたはMoVからもなる。この導入線は、例えば部分的にコイルによって被覆されている。電極の第2部分26は、このピンとほぼ同じ直径であり、このピンと焼結されている。この電極の第2部分に第1部分25が放電側で接続しており、第1部分の直径は格段により小さく、この両部分は1つの部材として製造されている。第1部分はピン型とすることができるか、またはヘッドとして、中空でない部材またはコイルを有する。ここで第2部分の直径は、有利には第1部分の直径より最小でも10%、最大では60%大きい。最小値は、とりわけ電極がピン型のときに当てはまる。2つの部分間の段27は、毛管の端部とほぼ一致すべきである。ずれAは、長さLの10%より小さい値であるべきである。Aの典型的な値は1mmである。
図6は毛管内の電極構造の別の実施例を示す。有利には、第2部分26の直径D2は、第1部分25の直径D1の120%から140%の大きさである。この第2部分の直径D2は、有利には可能な限り毛管の内径IDに近似するべきである。第2部分の直径は、最小でも毛管の内径の95%、有利には最小でも98%であるべきである。
軸方向での相対的な配置も重要である。ここで有利には、毛管の開始部を基準にして、電極の第2部分は近似的に同一平面上にあるか、または若干深くなっているか、または前に突き出ている。したがって例えば1mmまでの深さAで、毛管に挿入されている。
さらに有利には、導入線との接合個所40は、可能な限り深く毛管に配置されている。この接合個所は、例えば3から6mmの深さTを有するべきであり、この値はランプのワット数にも依存している。
導入線は、とりわけ2つの部分、つまり内側部分はサーメットから、外側部分はニオブピンから組み立てられている。導入線の2つの部分は、有利には、電極の第2部分と同じ直径を有し、ずれは最大でも10%であるべきである。このようにして、死空間が一貫して減少する。
電極の第2部分と導入線との間の接合技術としては、溶接や、ナットなどの機械的なはめ込みが対象となる。しかし有利には溶接である。なぜなら溶接は、確実な保持を維持するからである。
図1は、セラミックス放電容器を備えるメタルハライドランプを示す図である。 図2は、本考案による電極の詳細図である。 図3は、別の実施例による電極の詳細図である。 図4は、別の実施例による電極の詳細図である。 図5は、電極構造を備える図1のランプの端部領域の詳細図である。 図6は、電極構造の別の実施例を示す図である。

Claims (9)

  1. セラミック放電容器を備える高圧放電ランプであって、
    前記放電容器内に2つの電極と、発光充填物が封入されており、
    前記放電容器の両端部に毛管が配置されており、
    該毛管内に導入線が密閉されており、
    該導入線はそれぞれ、タングステン、レニウム、または混合物、または前記2つの元素の合金からなる電極に接続されている、高圧放電ランプにおいて、
    前記電極はピン型で、かつ直径の異なる2つの部分から一体的に構成されており、
    所定の直径D1を備える第1部分は電極先端部を形成し、
    直径D2を備える第2部分は前記毛管内に配置されており、
    前記第2部分の直径D2は、少なくとも第1部分の直径の108%であり、
    前記電極の全長Lは、部分長さL1を備える前記第1部分と、部分長さL2を備える前記第2部分とに区分けされており、L2は全長Lの約30%から70%であり、
    最大直径D2の開始部は、前記毛管の開始部と一致するか、または前記毛管の開始部から最大で、長さLの10%だけずれている、
    ことを特徴とする高圧放電ランプ。
  2. 請求項1記載の高圧放電ランプにおいて、第2部分の直径D2は、少なくとも前記毛管の内径IDの95%である、ことを特徴とする高圧放電ランプ。
  3. 請求項1記載の高圧放電ランプにおいて、前記第2部分は、前記導入線と溶接によって接合している、ことを特徴とする高圧放電ランプ。
  4. 請求項1記載の高圧放電ランプにおいて、前記導入線の直径は、前記第2部分の直径の少なくとも10%である、ことを特徴とする高圧放電ランプ。
  5. 請求項1記載の高圧放電ランプにおいて、D1とD2の間は、段によって急峻に移行している、ことを特徴とする高圧放電ランプ。
  6. 請求項1記載の高圧放電ランプにおいて、前記直径D2は、前記直径D1の最大160%である、ことを特徴とする高圧放電ランプ。
  7. 請求項1記載の高圧放電ランプにおいて、前記第1部分の先端部の近くに、付加的な厚みが取り付けられている、ことを特徴とする高圧放電ランプ。
  8. 請求項1記載の高圧放電ランプにおいて、前記充填物はメタルハライドを含む、ことを特徴とする高圧放電ランプ。
  9. 高圧放電ランプにおいて、電極材料が元素K、Al、Si、Yの少なくとも1つによってドーピングされている、ことを特徴とする高圧放電ランプ。
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