JP3151668B2

JP3151668B2 - 電車における車椅子収納構造

Info

Publication number: JP3151668B2
Application number: JP19793399A
Authority: JP
Inventors: 勘治関口
Original assignee: 勘治関口
Priority date: 1999-06-08
Filing date: 1999-06-08
Publication date: 2001-04-03
Anticipated expiration: 2019-06-08
Also published as: JP2000344098A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は電車における車椅子
収納構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】年毎に高齢者が増えており、今後より一
層豊かな介護社会環境づくりに努力を払わなければなら
ない。

【０００３】また、手足の不自由な身体障害者に対して
も、近時、例えば駅の階段その他において様々な配慮が
なされている。

【０００４】しかし乍ら、足の弱い或いは不自由な高齢
者や身体障害者が電車に乗る場合の配慮が未だ充分にな
されていない。

【０００５】これらの人達は車椅子を用い、それに乗っ
たまま電車に乗る。そして近距離電車の場合にはそのま
ま車椅子に乗った状態で過ごすことが多いが、長距離電
車の場合には車椅子から降りて一般座席を利用すること
が多くなる。そしてまた、この場合に車椅子の置き場に
苦慮することになる。

【０００６】一般的に、この場合には通路が狭いことか
ら車椅子をデッキに置いておくことになる。しかし、車
椅子は単に折り畳んでデッキの端に寄せておくだけであ
るから、電車の走行時の振動で移動し、通行の邪魔にな
る。また、場合によっては人に怪我を負わせることもあ
る。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の点に鑑
みなされたものであって、電車内に車椅子を収納するス
ペースを確保すると共に該スペースへの車椅子の出し入
れを容易に行うことができるようになした電車における
車椅子収納構造を提供せんとするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】而して、本発明の要旨
は、電車内における所要部位の壁面の床に接する側の部
分に車椅子収納庫となる凹部を設けると共に該凹部の開
口部に蓋体を取り付け、該蓋体の四隅の裏面に小車輪を
回転自在に軸着する一方、凹部内の四隅に前記小車輪が
転動するガイドレールを奥行方向に固定し、該ガイドレ
ールを、その奥側を高くして傾斜させると共に前端部分
を切断して切り離し、該切り離した前端部分を下向きに
湾曲させ、更にこの切り離した前端部分を奥行方向に移
動自在とすると共に拡圧コイルばねを介して凹部の開口
部側に向けて移動するよう押圧附勢し、更に前記凹部の
開口部に、その上側及び左右側の縁にストッパー部を一
体的に突設すると共に、収納した車椅子固定用の緊締具
を取り付けてなる電車における車椅子収納構造にある。

【０００９】また、上記構成において蓋体を弾性を有す
る板又は表面にゴム等のクッション材を張った板で構成
してもよく、また、固定用の緊締具としては幅広のゴム
バンドを用いることが望ましい。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を参照しつつ説明する。図１は車椅子を収納した状
態の斜視図、図２は中央縦断側面図、図３はガイドレー
ルの作用説明図であり、蓋体が閉じた状態、図４はガイ
ドレールの説明図であり、蓋体が途中まで開いた状態で
ある。

【００１１】図中、１は電車の車内における客室の仕切
壁である。２は客室の出入口の自動開閉扉である。３は
客室の床である。

【００１２】４は前記客室の仕切壁１の床３に接する側
の部分に設けた車椅子収納庫となる凹部である。また、
該凹部４の開口部の上側及び左右側の縁にはストッパー
部５が一体的に突設されている。

【００１３】６はゴム等の弾性を有する板からなる蓋体
であり、外面には身体障害者のマーク（図示せず。）を
表示している。また、該蓋体６の四隅の裏面には小車輪
７，７を回転自在に軸着している。８，８は車軸受であ
る。

【００１４】９，９は前記凹部４内の四隅に奥行方向に
固定した、前記小車輪７が転動するガイドレールであ
る。また、該ガイドレール９，９は奥側を高くして傾斜
させると共に前端部分を切断して切り離し、該切り離し
た前端部分９ａ，９ａを下向きに湾曲させ、更にこの切
り離した前端部分９ａ，９ａを奥行方向に移動自在とす
ると共に拡圧コイルばね１０，１０を介して凹部４の開
口部側に向けて移動するよう押圧附勢してなるものであ
る。また、床３に凹部４の開口部に沿って蓋体６の下端
部が嵌入する溝１１を設けると一層効果的である。ま
た、１２は緊締具としての幅広のゴムバンド、１３は車
椅子である。

【００１５】次に、本実施形態の作用について説明す
る。車椅子を収納するときには、緊締具としてのゴムバ
ンド１２を外した状態において折り畳んだ車椅子１３を
蓋体６の外面に押し付ける。そして更に凹部４の奥まで
押し込む。そして最後まで押し込んだ後に緊締具として
のゴムバンド１２を張って固定するものである。

【００１６】そして、車椅子を入れるために蓋体６を押
したときには、小車輪７がガイドレール９の切り離した
前端部分９ａからガイドレール９本体に乗り上がり、更
に押すと該ガイドレール９を奥に向かって転動するもの
である。また、再び車椅子を出すときには、蓋体６はガ
イドレール９が傾斜していることから自重によって凹部
４の開口部側に移動する。そしてガイドレール９の前端
部分９ａに小車輪７が乗ると、ガイドレールの前端部分
９ａは奥側にずれ、小車輪７が落ち込む。これにより小
車輪７はガイドレール９の前端部分９ａを介して奥側か
ら拡圧コイルばね１０によって凹部４の開口部側に向か
って押し付けられる。また一方、蓋体６はストッパー部
５又は溝１１によって移動が阻止されていることから、
蓋体６は閉じたときにガタを生ずることがない。

【００１７】

【発明の効果】本発明は上記の如き構成、作用であるか
ら、電車内に車椅子を収納するスペースを確保すること
ができる。また、スペースへの車椅子の出し入れも容易
に行うことができる。

【００１８】また、蓋体は車椅子を収納しない状態にあ
っては、常時凹部の開口部を閉じているから、凹部への
ゴミの侵入を防ぐことができるものである。そしてま
た、蓋体は閉じたときに拡圧コイルばねによって附勢さ
れたガイドレールの前端部分によって裏から押されると
共に前面は凹部の開口部のストッパー部又は床に設けた
溝によって押さえられるから、電車の走行時にもガタを
生ずることがない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の車椅子を収納した状態の斜視図であ
る。

【図２】本発明の中央縦断側面図である。

【図３】ガイドレールの作用説明図であり、蓋体が閉じ
た状態を示すものである。

【図４】ガイドレールの作用説明図であり、蓋体が途中
まで開いた状態を示すものである。

【符号の説明】

１客室の仕切壁３床４凹部５ストッパー部６蓋体７小車輪９ガイドレール９ａガイドレールの前端部分１０拡圧コイルばね

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】電車内における所要部位の壁面の床に接
する側の部分に車椅子収納庫となる凹部を設けると共に
該凹部の開口部に蓋体を取り付け、該蓋体の四隅の裏面
に小車輪を回転自在に軸着する一方、凹部内の四隅に前
記小車輪が転動するガイドレールを奥行方向に固定し、
該ガイドレールを、その奥側を高くして傾斜させると共
に前端部分を切断して切り離し、該切り離した前端部分
を下向きに湾曲させ、更にこの切り離した前端部分を奥
行方向に移動自在とすると共に拡圧コイルばねを介して
凹部の開口部側に向けて移動するよう押圧附勢し、更に
前記凹部の開口部に、その上側及び左右側の縁にストッ
パー部を一体的に突設すると共に、収納した車椅子固定
用の緊締具を取り付けてなる電車における車椅子収納構
造。
【請求項２】床に凹部の開口部に沿って蓋体の下端部
が嵌入する溝を設けてなる請求項１記載の電車における
車椅子収納構造。