JP3151427B2 - 段ボール原紙の製造方法 - Google Patents

段ボール原紙の製造方法

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尚之 曽我
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、雑誌故紙等の低級
故紙または製紙スラッジを高比率に配合して、所要強度
を備えた段ボールシートの中芯用原紙およびライナー等
を抄造する段ボール原紙の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年資源の有効利用や環境保護に対する
取り組みから故紙においても様々な種類のものが回収さ
れるようになって来た。例えばオフィス街から出る書類
や駅などで捨てられる雑誌などは以前は可燃物のゴミと
して処分されていた。ところが大都市においては処分場
のスペースや処理能力の問題から処理の限界が見え始め
たためそうしたリサイクル可能なものについては原料と
して回収されるようになった。このため故紙の種類が増
えるとともに回収量が一気に増大している。そこで製紙
業界としてもそうした回収原料の利用を高めることが急
務とされる。しかし、新聞故紙,雑誌故紙,書類故紙等
の低級故紙については処理用途に限りがあり、このため
故紙の余剰という新たな問題も発生している。
【0003】一方、故紙の主たる用途である段ボール
は、周知のように、波形にコルゲートされた中芯の両面
にライナーが貼着されたものであるが、この中芯は直接
人目に触れる部分でないため従来我が国では原料として
段ボール故紙を100%使用してきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】また一般に、段ボール
は通常製函され流通上で移送用の箱として使われるため
その用途に耐えうる様々な強度が要求される。とりわけ
圧縮強度はその目安となり重要視される。ところが中芯
は前述のように段ボール故紙を原料とすることを基本と
しており、リサイクルによって市場と製造工場とを何度
も行き来するためその都度パルプ繊維の劣化が進み、そ
うした原料から製造される中芯では必要強度が得られな
いおそれがあった。また、ライナーについても、最近で
は原料として故紙が配合されている場合があり、こうし
た強度上の問題が生じてきている。
【0005】そこで、一般的にはそれを補うため原料に
対し紙力増強剤と呼ばれるポリマー系の薬品を添加し製
品強度を高めるようにしている。この紙力増強剤は各薬
品メーカーからすでに様々な種類のものが上市されてい
る。主なものは、ポリエチレンイミン(PEI),ポリ
アミン(PAm),ポリアミドアミン(PAAm),ポ
リアクリルアマイド(PAM),ポリジアリルジメチル
アンモニウムクロライド(PDADMAC),ポリアミ
ドアミン−エピクロロヒドリン樹脂(PAAm−ep
i),メラミン−ホルムアルデヒド樹脂(MF),尿素
−ホルムアルデヒド樹脂(UF),ジシアンジアミド−
ホルムアルデヒド樹脂(DF)などである。しかし、こ
れらのポリマー系の紙力増強剤では、原料として新聞故
紙,雑誌故紙,書類故紙等の低級故紙、或いは製紙スラ
ッジなどを配合した場合、短繊維の配合比率が増加する
ことにより、十分な紙力を確保することが困難であっ
た。また、微細化した繊維、及びガムピッチ、あるいは
糊などのアニオン性阻害物質の増加による製造工程のト
ラブル増等の理由により、こうした雑誌故紙や製紙スラ
ッジの類は原料として不向きとされて来た。従って、配
合したとしてもこれらの低級故紙を高比率で配合させる
ことは困難であって、従来ではその配合比率はせいぜい
20%以下であった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決し、雑誌故紙等の低級故紙や製紙スラッジなどを可及
的に高比率で配合することのできる段ボール原紙の製造
方法を提供するものである。そのために本発明は、段ボ
ール故紙に、雑誌故紙,書類故紙等の低級故紙または製
紙スラッジを20〜60%(対固形分重量比)の高比率
で配合し、これにポリビニルホルムアマイドを加水分解
率25〜100%にて加水分解することにより得られた
適度なカチオン電荷をもつポリビニルアミンを0.05
〜0.5%(対固形分重量比)、およびアニオン性ポリ
アクリルアミドをそれぞれ内添することにより、溶液の
カチオン要求度を低位に保ち抄造することを特徴とす
る。
【0007】ここに、ポリビニルアミンは、化1に示し
たポリビニルホルムアマイドを、化2に示したように部
分的に加水分解、あるいは化3に示したように100%
加水分解することにより得られ、BASFjapan
(株)から表1に示したような種類のものが夫々商品名
バソコールPR8086,8092,8095等として
販売されており入手は容易である。
【化1】
【化2】
【化3】
【表1】 また、アニオン性ポリアクリルアミドは、荒川化学
(株)より市販されている商品名PS−117を用いる
ことができる。
【0008】また、通常パルプスラリーにおいてはパル
プや溶存物はアニオン(マイナスの電荷)として存在し
ており、これにカチオン(プラスの電荷)性のポリマー
などを添加することにより定着や凝集が起こるとともに
溶液内の電荷バランスも変化する。これによってカチオ
ン要求度が求められる。このバランス状態は電位測定器
(PCDと称される)によって測定することができる。
この測定値(PCDポテンシャル:単位mV)がゼロに
近い方が好ましい状態と判断できる。
【0009】
【実施例】次に本発明の実施例を説明する。表2の試験
1〜8は、清水あるいは工程回収水に、新聞故紙,雑誌
故紙,書類故紙等の低級故紙と段ボール故紙との配合割
合(対固形分重量比)を種々変えて溶解(濃度約1%)
させ、その濾水性およびカチオン要求度を測定するとと
もに、その溶液から手抄きを使ってシート(120g/
2)状の段ボール原紙を3枚抄造し、調湿後に紙力試
験を行いその測定結果を示す。即ち、試験1,2は新聞
故紙,雑誌故紙,書類故紙等の低級故紙の配合割合を0
%,25%としたもの、試験3,4はその配合割合を5
0%,60%としたのもの、試験5〜8は70%以上と
したものである。なお、各試験とも、紙力増強剤として
表1に示したポリビニルアミン(バソコールPR809
2を0.21%)を内添(即ち、シックナー中に添加)
するとともに、アニオン性ポリアクリルアミド(PS1
17を0.09%)を内添し、さらに硫酸バンドを2.
0%内添した。またこの表2には、抄造に要する濾水時
間,濾液濃度、および、溶液のカチオン要求度(PCD
ポテンシャルで表す)を示すとともに、この溶液から抄
造した段ボール原紙の比破裂強度,比圧縮強度等の機械
的特性、および評価を示した。なお、濾水性については
ショッパーリグラー試験器を用いて測定した。
【表2】
【0010】これらの試験結果から判るように、段ボー
ル原紙に通常要求される強度からして雑誌故紙,書類故
紙等の低級故紙の配合割合は60%以下でなければなら
ず、60%を超すと比破裂強度が不足するおそれが大と
なる。
【0011】また表3は、段ボール故紙と低級故紙とを
50%宛配合し、紙力増強剤およびその添加量を種々変
えて行った試験11〜試験20の結果を示す。なお、試
験20は日本PMC(株)から販売されている共重合ポ
リアクリルアミド(DS−472)を紙力増強剤として
使用した特性である。
【表3】 この表3の試験からは、段ボール故紙に対する低級故紙
の配合比率をたとえ60%以下としても、その溶液のP
CDポテンシャルが試験14,15のように−100m
V以下となっては紙力が不十分となることが判明する。
そして加水分解率を25〜100%とすることにより適
度なカチオン電荷をもたせたポリビニルアミンを0.0
5〜0.5%(対固形分重量比)、およびアニオン性ポ
リアクリルアミドを内添することにより、この場合PC
Dポテンシャルで表すと−100mV以上となるように
して抄造することで、試験12,13,16のように段
ボール原紙として必要充分な機械的特性を備え得る。
【0012】なお、ポリビニルアミンの添加量を0.0
5%未満とした場合は充分な紙力が得られず、また0.
5%より過剰に添加すると経済的に見合わなくなる。ま
た低級故紙の配合比率は60%より過剰にすると紙力低
下が大きくなり段ボール原紙として必要な強度が得られ
なくなる。なお、この方法で製造した段ボール原紙を中
芯およびライナーとして段ボールを作成したところ、段
付けや貼合などの加工性は良好であった。またその段ボ
ールから製函した箱についても充分な強度が得られた。
【0013】なお以上の実施例は、雑誌故紙,書類故紙
等の低級故紙を配合した例を示したが、微細繊維からな
る製紙スラッジを同比率で配合することでも同等の結果
が得られる。このように、本発明では多種多様な原料故
紙を使用でき、かつ充分な濾水性,歩留まり,および製
品の紙力が得られる。また、カチオン要求度を低位に保
つことで安定した操業ができ、故紙原料に含まれるガム
ピッチや糊などのアニオン性阻害物質を紙繊維に定着さ
せることが可能となるので、これらの増加に伴うトラブ
ル発生のおそれも減少し、製品の品質が安定する利点が
ある。
【0014】
【発明の効果】このように本発明は、ポリビニルホルム
アマイドを加水分解し適度なカチオン電荷をもたせたポ
リビニルアミンおよびアニオン性ポリアクリルアミドを
内添することにより、溶液のカチオン要求度を低位に保
って段ボール原紙を抄造するものであるので、段ボール
故紙に、雑誌故紙,書類故紙等の低級故紙または製紙ス
ラッジを高比率で配合しても比破裂強度,比圧縮強度等
の段ボール原紙として必要な機械的特性が著しく改善さ
れる。このため近年特に余剰となっているこれらの低級
故紙を有効利用するのに顕著な効果がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−175995(JP,A) 特開 昭63−6198(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D21H 11/00 - 27/42

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 段ボール故紙に、雑誌故紙,書類故紙等
    の低級故紙または製紙スラッジを20〜60%(対固形
    分重量比)の高比率で配合し、これにポリビニルホルム
    アマイドを加水分解率25〜100%にて加水分解する
    ことにより得られた適度なカチオン電荷をもつポリビニ
    ルアミンを0.05〜0.5%(対固形分重量比)、お
    よびアニオン性ポリアクリルアミドをそれぞれ内添する
    ことにより、溶液のカチオン要求度を低位に保ち抄造す
    ることを特徴とした段ボール原紙の製造方法。
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