JP3151135B2 - 炊飯ジャー - Google Patents

炊飯ジャー

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JP3151135B2
JP3151135B2 JP30151795A JP30151795A JP3151135B2 JP 3151135 B2 JP3151135 B2 JP 3151135B2 JP 30151795 A JP30151795 A JP 30151795A JP 30151795 A JP30151795 A JP 30151795A JP 3151135 B2 JP3151135 B2 JP 3151135B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の利用分野】この発明は炊飯ジャーに関し、特に
その調圧構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】炊飯ジャーの蓋に設けられた蒸気孔の途
中に弁孔を設け、その弁孔上に調圧ボールを載せること
により該弁孔を閉塞し、内圧を高めて炊飯することが従
来から行われている。
【0003】上記の調圧ボールを弁孔上に安定よく載せ
ると共に、炊飯ジャーの傾きにより調圧ボールが一旦弁
孔から外れてもその傾きが無くなった際に自然に戻るよ
うにするために、弁孔のまわりに所要の傾斜角をもって
立上がった弁座が設けられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の弁座は、炊飯終
了時等において内圧を抜く必要が生じた場合は、適宜な
開放手段によって調圧ボールを弁孔上から弁座の一方へ
移動させる必要があるため、その弁座の立上がりをあま
り高くすることができなかった。
【0005】このため、炊飯中に炊飯ジャーを傾けた時
や持ち運び時に炊飯ジャーが弁孔から容易に外れて蒸気
漏れの原因となることがあった。
【0006】そこで、この発明は必要に応じて弁孔を開
放する際に調圧ボールの移動に支障を来たすことがな
く、しかも炊飯ジャーを傾けた時や持ち運び時には調圧
ボールが移動し難いようにして蒸気漏れを生じにくくす
ることを目的とする。
【0007】
【0008】
【0009】
【課題を解決するための手段とその作用】前記の目的を
達成するために、この発明は蓋の蒸気通路の途中に弁孔
を設け、その弁孔上に載せた調圧ボールにより該弁孔を
閉塞し、上記調圧ボールを弁孔上から移動せしめて弁孔
を開放させる開放手段を備えてなる炊飯ジャーにおい
て、上記弁孔のまわりに上記調圧ボールに沿って立上が
った弁座を形成し、その弁座の一部に前記弁孔から炊飯
ジャーの最も傾き難い方向に他の弁座部分より低い立上
がりを有するボール逃げ部を形成した構成としたもので
ある。
【0010】炊飯ジャーは、操作パネル部分を前向きに
して設置されることが普通であり、またその設置場所と
して台所の物置棚に設けた引出し式の載せ台等が選ばれ
ることが多い。また、場合によっては、設置場所の移動
のため、炊飯中に持ち上げられることもある。
【0011】このような使用の実態を考慮すると、炊飯
ジャーが傾く方向は、その周囲360度のいずれの方向
にも均等ではなく、通常は前方や左右方向に比べ後方へ
は傾き難いことがわかる。
【0012】この発明は、炊飯ジャーの使用実態から最
も傾き難い方向を見出し、調圧ボールの弁座に、その方
向に向けて他の弁座部分より低い立上がりのボール逃げ
部を形成したものである。これにより、炊飯ジャーが傾
いても調圧ボールが弁孔から外れる機会が少なくなる。
【0013】また、炊飯終了後等において内部圧力を抜
く必要があるときは、適宜な開放手段により上記のボー
ル逃げ部の方向に調圧ボールを押して移動させる。
【0014】上記の逃げ部を設ける位置は、炊飯ジャー
の最も傾き難い方向はその後方であると、割り切ってそ
のボール逃げ部を弁孔から後方に向けた弁座部分に形成
し、上記の開放手段を該ボール逃げ部と反対側に設置
し、炊飯ジャーの前後方向に作動する開放手段の一部を
前記調圧ボールの前面に接近せしめ、該開放手段により
上記調圧ボールを前記の逃げ部側へ移動させるように構
成することができる。
【0015】更に、前記開放手段を、蓋に固定したソレ
ノイドと、該蓋にその前後方向にスライド自在に取付け
た作動部材と、該作動部材の復帰用ばねとにより構成
し、上記ソレノイドの前端面に進退自在に突き出した作
動軸を前記作動部材に係合せしめ、該ソレノイドの後端
部と作動部材との間に前記の復帰用ばねを介在し、該作
動部材の後端に前記調圧ボールに接近した突起を設け、
上記ソレノイドの励磁時に上記作動部材を前進せしめて
上記突起を調圧ボールから離し、上記ソレノイドの非励
磁時に上記復帰用ばねにより作動部材を元の位置に後退
せしめその突起により調圧ボールを弁孔上から前記逃げ
部に移動させるように構成することもできる。
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【実施の形態】以下この発明の実施の形態を添付図面に
基づいて説明する。
【0020】図1は炊飯ジャーの全体を示すものであ
り、この炊飯ジャーは、本体1の後端部に設けたヒンジ
2により蓋3を開閉自在に取付けている。蓋3の中央部
分には蒸気孔4を有する蒸気通路天板5が露出してい
る。また蓋3の前面には前フック6が設けられ、これを
指先で押し下げることにより内部のフック7のフック爪
8(図3参照)を外し、蓋3を開放するようになってい
る。
【0021】蓋3の内部は、図3及び図4に示すよう
に、内蓋9の中央部の穴内周に蒸気通路11を構成する
内筒12を取付け、上記内蓋9の上面に一体に固定され
た蓋中間部材13に上記内筒12を囲む外筒14を取付
けている。外筒14の上端面に前述の蒸気通路天板5が
一体に設けられる。
【0022】上記内筒12の途中に弁孔15が設けら
れ、その弁孔15の外周部の上面に弁座16が形成さ
れ、この弁座16上に弁室17が設けられ、その弁室1
7に調圧ボール18が収納される。
【0023】弁室17の上端面に形成された蒸気通路穴
19は、前述の蒸気通路天板5の下面に向けて開放され
る。その蒸気通路穴19のまわりに形成された同心円状
リブ21、21’(図6参照)は、前記蒸気通路天板5
の下面に下向きに形成された同心円状リブ22、22’
の相互間に所要の間隙をもって嵌められ、これらのリブ
21、21’、22、22’相互間で屈曲通路23を構
成している。
【0024】この屈曲通路23は、蒸気通路11を長く
すると共に、外気に触れている蒸気通路天板5に蒸気を
接触させることにより、蒸気を凝縮させる作用を行う。
【0025】上記内筒12と外筒14との間の外筒内室
24は蒸気通路天板5の蒸気孔4に通じている。また外
筒内室24の下部はおねば溜り部25となっており、該
おねば溜り部25の底面におねば排出穴26が設けられ
る。該おねば排出穴26はその下面に設けた逆止弁27
により閉塞される。
【0026】前記の弁座16は弁孔15の周囲に所定の
傾斜をもって立ち上がるように形成されるが、図6及び
図8に示すように弁孔15から炊飯ジャーの後方に向い
た部分に他の弁座16の部分より低い傾斜面のボール逃
げ部28が設けられる。このボール逃げ部28以外の弁
座16の部分は、調圧ボール18の移動を阻止するよう
できるだけ高い立上がりに設定される。
【0027】なお、この弁座16は図8(a)に示すよ
うな摺り鉢状の凹所の一部にボール逃げ部28を形成し
たもの、或いは図8(b)に示すように、該弁座16を
放射状に配置したリブにより形成し、そのうちの1つの
リブを他のリブより低い傾斜をもつように形成して、そ
の部分をボール逃げ部28としたものであってもよい。
【0028】前記の内筒12の前面に弁室17に貫通し
た内筒穴29が形成され、また、外筒14にも上記内筒
穴29と同一中心線上に外筒穴31が形成される。
【0029】前記の調圧ボール18を弁孔15上から移
動させるための開放装置32は、前記の外筒14の前面
とフック7との間に設置され、駆動源としてのソレノイ
ド33、作動部材34、及び復帰用ばね35により構成
される。
【0030】作動部材34は図2に示すように枠形に形
成され、その両側に設けたスライドリブ36を蓋中間部
材13上に設けた前後方向のガイドレール36’に嵌合
することにより(図5参照)、前後方向にスライド自在
となっている。
【0031】上記の作動部材34のスライドリブ36の
先端に、前方に突き出したロック片37が一体に形成さ
れ、作動部材34が前進するとそのロック片37がフッ
ク7の下面に入り(図3参照)、該フック7をロックす
る。また作動部材34が後退するとロック片37がフッ
ク7から外れ、ロックを解除する(図4参照)。
【0032】前記のソレノイド33は、作動部材34の
枠部分の内部に収納され、ブラケット38により蓋中間
部材13に固定される。ソレノイド33はその前面に突
き出した作動軸39を有し、その作動軸39を作動部材
34の前面に設けた軸挿入部40に挿入している。
【0033】上記ソレノイド33の後端面と作動部材3
4の枠部分の後端内面との間に復帰用ばね35が介在さ
れる。また作動部材34の後端面に突起42が設けら
れ、その突起42にシール部材43によるカバーが被せ
られる。シール部材43は外筒14の前述した外筒穴3
1の内周面に装着され、外筒14の外部へ蒸気が漏れる
ことを阻止している。
【0034】前記のフック7はフック軸44を中心とし
て上下に揺動できるように取付けられ、その前端部下面
に設けたフック爪8を本体1の係合凹所46に係合する
ことにより、蓋3を閉止状態に保持する(図3参照)。
【0035】上記フック7の前面には、図2に示すよう
に係合片47が設けられ、その係合片47が蓋3の前面
に取付けられた前フック6の後端部に係合する。この前
フック6を図4の矢印aで示すように押し下げると、フ
ック7の前端が持ち上げられてフック爪8が係合凹所4
6から外れ蓋3を開放せしめる(図4の2点鎖線参
照)。
【0036】実施形態の炊飯ジャーは以上のごときもの
であり、炊飯を開始すると制御装置(例えば、マイコ
ン、図示省略)からの信号によりソレノイド33が作動
され、その作動軸39が前方に突き出す。これにより作
動部材34が前方にスライドすると、そのロック片37
がフック7の下面に入り、該フック7をロックする(図
3参照)。この状態で突起42は調圧ボール18から離
れるため、調圧ボール18は弁座16上に載り、弁孔1
5を閉塞する。
【0037】このようにして、炊飯が進行すると内部圧
力が次第に上昇し、弁孔15が調圧ボール18により閉
塞されているため内部圧力は上昇を続ける。この段階で
蓋3を開放しようとしてもフック7がロックされている
ため開放することはできない。また、炊飯ジャー自体が
前方又は左右方向に傾いたとしても、一定以上大きく傾
くまでは調圧ボール18は弁孔15を閉塞する。後方に
傾くと、低い傾き角度で調圧ボール18は弁孔15から
外れるが、炊飯ジャーが後方に傾く機会は少ないので、
蒸気が漏れることは全体として少なくなる。
【0038】炊飯が終了したり、炊飯中に内部圧力を抜
く必要が生じたりした場合は、制御装置からの信号によ
りソレノイド33を非励磁にする。そうすると作動軸3
9が後退し、作動部材34は復帰用ばね35のばね力に
より元の位置に後退する。このとき、突起42が調圧ボ
ール18を後方に押し、該調圧ボール18をボール逃げ
部28に移動させ弁孔15を開放する。
【0039】これにより、内部の蒸気は蒸気通路11か
ら弁孔15、弁室17、屈曲通路23を経て外筒内室2
4に入り、その外筒内室24で蒸気に含まれたおねばや
水分が分離され、下方のおねば溜り部25に落下し、蒸
気は蒸気孔4から外部へ放出される。これと同時に作動
部材34の後退によりロック片37がフック7から外れ
てロックが解除されるので、前フック6を押し下げると
フック爪8が外れ蓋3が開放される。
【0040】なお、おねば溜り部25に溜ったおねばは
その自重又は内部圧力の低下により逆止弁27が開放さ
れた際に内部に落下する。
【0041】
【発明の効果】以上のように、この発明は、炊飯中の炊
飯ジャーを傾けたり、持ち運びする際に調圧ボールが移
動しにくいため、蒸気漏れが生じにくい効果がある。
【0042】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の炊飯ジャーの斜視図
【図2】同上の蓋部分の一部省略斜視図
【図3】同上の蓋部分の断面図
【図4】同上の蓋部分の一部拡大断面図
【図5】同上の図4のV−V線の断面図
【図6】同上の蒸気通路部分の前後方向の断面図
【図7】同上の蒸気通路部分の左右方向の断面図
【図8】(a)同上の弁座部分の斜視図 (b)同上の弁座部分の他の例の斜視図
【符号の説明】
1 本体 2 ヒンジ 3 蓋 4 蒸気孔 5 蒸気通路天板 6 前フック 7 フック 8 フック爪 9 内蓋 11 蒸気通路 12 内筒 13 蓋中間部材 14 外筒 15 弁孔 16 弁座 17 弁室 18 調圧ボール 19 蒸気通路穴 21、21’ リブ 22、22’ リブ 23 屈曲通路 24 外筒内室 25 おねば溜り部 26 おねば排出穴 27 逆止弁 28 ボール逃げ部 29 内筒穴 31 外筒穴 32 開放装置 33 ソレノイド 34 作動部材 35 復帰用ばね 36 スライドリブ 36’ ガイドレール 37 ロック片 38 ブラケット 39 作動軸 40 軸挿入部 42 突起 43 シール部材 44 フック軸 46 係合凹所 47 係合片

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蓋の蒸気通路の途中に弁孔を設け、その
    弁孔上に載せた調圧ボールにより該弁孔を閉塞し、上記
    調圧ボールを弁孔上から移動せしめて弁孔を開放させる
    開放手段を備えてなる炊飯ジャーにおいて、上記弁孔の
    まわりに上記調圧ボールに沿って立上がった弁座を形成
    し、その弁座の一部に前記弁孔から炊飯ジャーの最も傾
    き難い方向に他の弁座部分より低い立上がりを有するボ
    ール逃げ部を形成したことを特徴とする炊飯ジャー。
  2. 【請求項2】 前記のボール逃げ部を弁孔から炊飯ジャ
    ーの後方に向けて形成し、上記開放手段を該ボール逃げ
    部と反対側に設置し、炊飯ジャーの前後方向に作動する
    開放手段の一部を前記調圧ボールの前面に接近せしめ、
    該開放手段により上記調圧ボールを前記の逃げ部側へ移
    動させるようにした請求項1に記載の炊飯ジャー。
  3. 【請求項3】 前記開放手段を、蓋に固定したソレノイ
    ドと、該蓋にその前後方向にスライド自在に取付けた作
    動部材と、該作動部材の復帰用ばねとにより構成し、上
    記ソレノイドの前端面に進退自在に突き出した作動軸を
    前記作動部材に係合せしめ、該ソレノイドの後端部と作
    動部材との間に前記の復帰用ばねを介在し、該作動部材
    の後端に前記調圧ボールに接近した突起を設け、上記ソ
    レノイドの励磁時に上記作動部材を前進せしめて上記突
    起を調圧ボールから離し、上記ソレノイドの非励磁時に
    上記復帰用ばねにより作動部材を元の位置に後退せしめ
    ると共に、その突起により調圧ボールを弁孔上から前記
    逃げ部に移動させるようにしたことを特徴とする請求項
    2に記載の炊飯ジャー。
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