JP3150845B2 - 紫外線吸収剤及びそれを含有する紫外線防護用の化粧料 - Google Patents

紫外線吸収剤及びそれを含有する紫外線防護用の化粧料

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昭男 藤井
保治 大郷
智 大畑
顕吉 松原
烈 原
善之 宮田
琢自 中島
好男 北田
豊 指田
祥浩 三巻
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ポーラ化成工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紫外線吸収剤及びそれ
を含有する紫外線防護用の化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、炎症や皮膚癌誘発の可能性が示唆
されたり、老化の一因とも言われたりすることから、紫
外線からの皮膚防御について人々の関心が大きく高まっ
ている。ことに紫外線Aについては、近年になってこれ
らの好ましくない紫外線の効果との関係が疑われ重大な
紫外線防護の課題の1つとなっている。この様な状況を
反映して、各種の紫外線吸収剤と紫外線防護用の化粧料
が開発、発売されている。これらは大きくわけて、酸化
チタンの様な隠蔽力のある粉体によって紫外線を遮断或
いは散乱させるものと、ベンゾフェノン類やウロカニン
酸誘導体等のように光エネルギーを励起エネルギーに変
え吸収するものの2種になる。しかしながら、隠蔽力の
ある粉体で紫外線防護を行えば、それらがもっている色
のために外観が不自然に白くなってしまうし、従来の紫
外線吸収剤で紫外線Aの部分まで吸収し得るものは存在
しなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる状況を
鑑みて為されたものであり、外観を白くさせずに紫外線
Aについても防護し得る、紫外線防護用の化粧料を提供
することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記事情を踏まえて、本
発明者らは各種化粧料用の素材について、紫外線吸収特
性について広くスクリーニングを重ねた結果、クスノキ
科の植物であるクロモジに優れた紫外線吸収特性を有す
る物質が含まれていることを見いだし発明を完成させ
た。
【0005】即ち本発明は、クスノキ科クロモジの樹皮
の抽出物からなる紫外線吸収剤に関する。
【0006】更に、本発明はこの紫外線吸収剤を含有す
る紫外線防護用の化粧料に関する。
【0007】以下、本発明について詳細に述べる。本発
明で紫外線吸収剤として用いられる抽出物の基源植物で
ある、クスノキ科のクロモジであるが、クロモジはその
葉や幹の部分に、抗菌作用や清涼感のある香油を含んで
いることが知られているが、紫外線、とりわけ、紫外線
Aを吸収する物質を含んでいることは知られていなかっ
た。更に、クロモジの樹皮について、その利用方法は全
く知られていなかった。
【0008】本発明のクスノキ科のクロモジの樹皮の抽
出物とは、これらクロモジの樹皮をそのまま、或いは乾
燥して細かく粉砕したもの、クロモジの樹皮を極性溶剤
で抽出し溶媒を除去したもの、抽出物をカラムクロマト
グラフィーや分液抽出により分画した分画物を言う。
【0009】クロモジの樹皮より抽出物を得る方法であ
るが、これは通常の方法に従って行えば良く、抽出に先
立って、クロモジの樹皮を予め乾燥したり、粉砕したり
して前処理をしておいても良い。これら、樹皮或いは樹
皮の前処理物に溶媒を1〜100倍量加え、加温下であ
れば数時間、室温で有れば数日浸漬すれば良い。この時
攪拌を加えても良い。斯くして得られた抽出物はそのま
ま用いても良いが、濾過などして不溶物を取り除いた
り、更にはそれから溶媒を除去して用いても良い。用い
る溶媒としては、極性溶媒が好ましく、例えば、水、メ
タノールやエタノール等のアルコール類、アセトンやメ
チルエチルケトン等のケトン類、ジエチルエーテル等の
エーテル類、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類等
が例示できる。これらは1種を単独で用いても良いし、
2種以上を混合して用いても良い。
【0010】斯くして得られた溶媒抽出物はそのまま用
いても良いが、更にカラムクロマトグラフィーや分液抽
出により分画した後用いても良い。分画精製の具体例と
してはメタノールのジエチルエーテル溶液やクロロホル
ム溶液を溶出溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー、メタノール水溶液やアセトニトリル水溶液を溶
出溶媒としたODSカラムクロマトグラフィー、ブタノ
ール−水、酢酸エチル−水、ジエチルエーテル−水等の
液液抽出等が例示できる。
【0011】これらクロモジの抽出物は、各種任意成分
とともに、通常の方法に従って、化粧料に剤形化でき
る。剤形としては限定はされないが、例えば、ローショ
ン、クリーム、軟膏、乳液、パック、ヘアトニック、ヘ
アリクィッド、ポマード、口紅、頬紅、白粉等が挙げら
れる。これらの化粧料は紫外線より皮膚或いは毛髪を防
護するのに適している。任意成分としては、多価アルコ
ール、保湿剤、増粘剤、炭化水素、エステル、アルコー
ル、高級脂肪酸、界面活性剤、粉体成分、色剤、香料、
抗酸化剤、防腐剤、抗炎症剤等が例示できる。更に、本
発明の効果を損なわない限りにおいて、紫外線を吸収し
たり、散乱したりする成分を加えても構わない。
【0012】化粧料における、本発明の紫外線吸収剤の
好適な含有量であるが、化粧料全量に対して0.01〜
10重量%である。これは、0.01重量%未満では紫
外線に対する防護効果が得られず、10重量%を越える
と効果が頭打ちになる場合があるからである。更に好適
な含有量は0.1〜1重量%である。
【0013】
【実施例】以下に実施例を示して、本発明について更に
詳しく説明するが、本発明がこれら実施例に何等限定を
受けないことは言うまでもない。
【0014】実施例1. 製造例 クロモジの樹皮1000gに50%メタノール水溶液1
0lを加え、3時間加熱攪拌還流し、濾過した後溶媒を
減圧留去し紫外線吸収剤1を淡黄色アモルファスとして
1.8g得た。
【0015】実施例2. 安全性(局所毒性) 本発明の紫外線吸収剤の安全性を知るために、ハートレ
ー系白色種モルモット(雄性、350g)を用いて、経
皮投与による局所毒性を検討した。即ち、実施例1の紫
外線吸収剤1の1%エタノール溶液を、モルモットの背
部を剃毛して作成した2cm四方の部位に0.05ml
づつ1日1回5日間連続投与し、6日目に皮膚反応を本
邦パッチテスト基準(日本皮膚科学会)に基づいて判定
した。即ち、−:無反応、±:擬陽性反応、+:陽性反
応、++:浮腫を伴う反応の基準である。結果は何れの
動物も無反応であり、本発明の紫外線吸収剤が安全性に
優れていることは明かである。
【0016】実施例3. 紫外線Bに対する作用 本発明の紫外線吸収剤の紫外線Bに対する作用を検討し
た。即ち、ハートレー系モルモット(雄性、300g)
の背部を剃毛し左右対称に実施例1の各種濃度のエタノ
ール溶液を塗布し、左側は遮光した上でSEランプで2
0分紫外線Bを照射し、照射後24時間に実施例2の基
準を用いて皮膚反応を判定した。結果を表1に示す。こ
れより、本発明の紫外線吸収剤は紫外線Bに対して優れ
た防護作用を有することが明かである。
【0017】
【表1】
【0018】実施例4. 紫外線Aに対する作用 本発明の紫外線吸収剤の紫外線Aに対する作用を検討し
た。即ち、ハートレー系モルモット(雄性、300g)
の背部を剃毛し左右対称に実施例1の各種濃度のエタノ
ール溶液を塗布し、左側は遮光した上で実施例3で用い
たSEランプの光源に更にSEランプと同数のBLBラ
ンプを装着した光源で20分紫外線A、Bを含む光を照
射し、照射後24時間に実施例2の基準を用いて皮膚反
応を判定した。結果を表2に示す。これより、紫外線A
により紫外線Bのみの時よりも、皮膚炎症反応が増強し
ているにも係わらず、本発明の紫外線吸収剤を塗布する
事により皮膚の炎症反応は実施例3と同様に低く抑えら
れていることが分かる。従って、本発明の紫外線吸収剤
は紫外線Aに対しても優れた防護作用を有することが明
かである。
【0019】
【表2】
【0020】実施例5. 配合例 下記の処方に従ってローションを作成した。即ち、下記
成分を秤込み、室温で攪拌して溶解させローションを得
た。尚、以下数値は重量部を表す。 プロピレングリコール 5.5 エタノール 15 メチルパラベン 0.2 アラントイン 0.1 クエン酸 0.1 燐酸水素2ナトリウム 0.1 ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油 0.1 実施例1の紫外線吸収剤1 0.05 水 78.85
【0021】実施例6. 配合例 下記の処方に従ってローションを作成した。即ち、下記
成分を秤込み、室温で攪拌して溶解させローションを得
た。尚、以下数値は重量部を表す。 プロピレングリコール 5.5 エタノール 15 メチルパラベン 0.2 シーソルブ101S 0.1 微粒子酸化チタン 0.1 クエン酸 0.1 燐酸水素2ナトリウム 0.1 ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油 0.1 実施例1の紫外線吸収剤1 0.5 水 78.3
【0022】実施例7. 配合例 下記の処方に従ってクリームを作成した。即ち、A、B
をそれぞれ秤込み、80℃で加熱溶解し、AにBを攪拌
しながら徐々に加え乳化した。これを攪拌しながら冷却
しクリームを得た。 (A)セタノール 1 合成ゲイロウ 2.5 ミツロウ 2.5 ステアリン酸 1 ワセリン 15 2−エチルヘキシル−p−アミノ安息香酸 2 オリーブ油 6 香料 0.1 ブチルパラベン 0.1 グリセリルモノステアレート 2.5 ポリオキシエチレン(25)ステアレート 2.5 (B)苛性カリ 0.02 実施例1の紫外線吸収剤1 0.03 プロピレングリコール 8 メチルパラベン 0.3 水 56.45
【0023】実施例8. 配合例 下記の処方に従ってクリームを作成した。即ち、A、B
をそれぞれ秤込み、80℃で加熱溶解し、AにBを攪拌
しながら徐々に加え乳化した。これを攪拌しながら冷却
しクリームを得た。 (A)セタノール 1 合成ゲイロウ 2.5 ミツロウ 2.5 ステアリン酸 1 ワセリン 15 オキシベンゾン 0.2 オリーブ油 6 香料 0.1 ブチルパラベン 0.1 グリセリルモノステアレート 2.5 ポリオキシエチレン(25)ステアレート 2.5 (B)苛性カリ 0.02 実施例1の紫外線吸収剤1 3 プロピレングリコール 8 メチルパラベン 0.3 水 55.28
【0024】実施例9. 配合例 下記の処方に基づいてヘアトニックを作成した。即ち、
下記成分を室温で攪拌し可溶化してヘアトニックを作成
した。 エタノール 50 塩酸ジフェンヒドラミン 0.1 トウガラシチンキ 0.1 メントール 0.1 プロピレングリコール 8 実施例1の紫外線吸収剤 0.1 水 41.6
【0025】
【発明の効果】本発明の紫外線吸収剤は紫外線A及び紫
外線Bを吸収する上安全性に優れるので、これを含有す
る化粧料は紫外線防護作用に優れる。
フロントページの続き (72)発明者 大畑 智 神奈川県横浜市神奈川区高島台27番地1 ポーラ化成工業株式会社 横浜研究所 内 (72)発明者 松原 顕吉 神奈川県横浜市神奈川区高島台27番地1 ポーラ化成工業株式会社 横浜研究所 内 (72)発明者 原 烈 神奈川県横浜市神奈川区高島台27番地1 ポーラ化成工業株式会社 横浜研究所 内 (72)発明者 宮田 善之 神奈川県横浜市神奈川区高島台27番地1 ポーラ化成工業株式会社 横浜研究所 内 (72)発明者 中島 琢自 神奈川県横浜市柏尾町560 ポーラ化成 工業株式会社 戸塚研究所内 (72)発明者 北田 好男 神奈川県横浜市柏尾町560 ポーラ化成 工業株式会社 戸塚研究所内 (72)発明者 指田 豊 東京都八王子市南陽台3−20−7 (72)発明者 三巻 祥浩 東京都日野市平山6−20−21 ハイツ ハタノ1−103号 (56)参考文献 特開 昭62−238207(JP,A) 特開 平1−135898(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 7/00 - 7/50 A61K 35/78 CA(STN) WPI(DIALOG)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クスノキ科クロモジ樹皮の抽出物からな
    る紫外線吸収剤。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の紫外線吸収剤を含有する
    紫外線防護用の化粧料。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の紫外線吸収剤の含有量が
    0.1〜1重量%である、請求項2記載の化粧料。
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JP5000947B2 (ja) * 2006-08-10 2012-08-15 紀雄 細井 口腔カンジダ症予防用口腔湿潤剤および口腔カンジダ症予防用義歯安定剤
JP2010180141A (ja) * 2009-02-03 2010-08-19 Nisshin Pharma Inc 抗アレルギー組成物
JP5776364B2 (ja) * 2011-06-22 2015-09-09 ライオン株式会社 抗微生物剤、口腔用組成物とその応用

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