JP3150637B2 - クレーンの巻き下げ衝突防止装置 - Google Patents

クレーンの巻き下げ衝突防止装置

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JP3150637B2
JP3150637B2 JP32657696A JP32657696A JP3150637B2 JP 3150637 B2 JP3150637 B2 JP 3150637B2 JP 32657696 A JP32657696 A JP 32657696A JP 32657696 A JP32657696 A JP 32657696A JP 3150637 B2 JP3150637 B2 JP 3150637B2
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rope
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    • B66C13/04Auxiliary devices for controlling movements of suspended loads, or preventing cable slack
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  • Control And Safety Of Cranes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はクレーンの巻き下げ
衝突防止装置に関し、特に港湾ヤード等のコンテナヤー
ドに設置されるコンテナハンドリング用クレーンに適用
して有用なものである。
【0002】
【従来の技術】港湾ヤード等のコンテナヤードでは、こ
のコンテナヤードに設置されたコンテナハンドリング用
クレーンにより、シャーシやAGV等で搬送されてきた
コンテナを一つずつハンドリングしてコンテナヤード内
に段積みする(他のコンテナ上へ重ねる)又は着床させ
る(地上に降ろす)。
【0003】図7は、従来のコンテナハンドリング用ク
レーンの構成を示す説明図である。同図に示すように、
コンテナハンドリング用クレーンは、コンテナヤードの
上方に水平に設けられたガーダ1と、ガーダ1を支持す
る脚2と、脚2の下端部に設けられた走行装置3とから
なる構造体を備え、更に、ガーダ1上に設置されこのガ
ーダ1に沿って走行するトロリ4、トロリ4上に設置さ
れた巻き上下装置5、巻き上下装置5を駆動する巻き上
下駆動モータ25、巻き上下装置5によって巻き込み又
は繰り出されるロープ6、ロープ6を介して巻き上下装
置5から吊り下げられた吊り具10、及び図示しない駆
動制御装置等を備えている。
【0004】このコンテナハンドリング用クレーンで
は、例えば、高く段積みされた隣接コンテナ22,23
の間の目標位置12(コンテナ21上)にコンテナ11
を段積みする場合には、次のように動作する。
【0005】コンテナ11を積んだシャーシ或いはAG
V30がコンテナハンドリング用クレーンの傍らに停止
すると、トロリ4をガーダ1に沿って移動させシャーシ
或いはAGV30の直上で停止させる。
【0006】次いで、巻き上下駆動モータ7で巻き上下
装置5を駆動してロープ6を繰り出すことにより吊り具
10をコンテナ11上に着床させ、図示しないツイスト
ロック機構によってコンテナ11を保持した後、再び巻
き上下装置5によりロープ6を巻き込むことによってコ
ンテナ11を吊り具10と共に上昇させる(巻き上げ
る)。
【0007】そして、コンテナ11を巻き上げた後或い
は巻き上げるのと同時に、トロリ4をガーダ1に沿って
移動させ、トロリ4を移動させた後或いは移動させるの
と同時に、巻き上下装置5によりロープ6を繰り出して
コンテナ11を吊り具10と共に下降させ(巻き下げ)
目標位置12に段積みする。
【0008】即ち、コンテナ11を目標位置12まで搬
送する場合には、途中経路にあるコンテナの山を避ける
ために、一旦コンテナ11を高い位置まで巻き上げなが
ら或いは巻き上げた後に、トロリ4をコンテナ21の上
方の目標位置まで移動させる。そして、トロリ4を移動
させながら或いは移動させた後に、コンテナ11を巻き
下げて目標位置12に段積みする。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが上記の過程
で、コンテナ11は、ロープ6に吊り下げられているた
めに、風の影響やトロリ4の速度変化の影響により水平
方向に振れながら移動する。このため、コンテナ11の
振れ量を低減すべく、補助ロープを設備したりトロリ4
の加速度を自動制御する方法を用いるなど、各種の工夫
がなされているが、コンテナ11をロープ6で吊り下げ
ている限り、コンテナ11の振れを完全に無くすことは
原理的にも不可能であり、強風時などには特に振れが大
きくなる。
【0010】従って、図7に示す如く隣の列にコンテナ
22,23が高く段積みされている場所(目標位置1
2)にコンテナ11を巻き下げていく場合、特に強風の
ときなどにはコンテナ11を巻き下げていく過程でコン
テナ11が隣の列のコンテナに衝突する可能性があり、
もし衝突すれば、コンテナの損傷や落下事故を引き起こ
す虞がある。
【0011】このため従来は、隣の列にコンテナが高く
段積みされている場所にコンテナを巻き下げていく場
合、即ちキャニオン突入の場合には、コンテナの巻き下
げ速度を低下させ、当該コンテナが隣接コンテナに衝突
しないかどうかをオペレータが確認しながら操作し、当
該コンテナの振れが大きくて隣接コンテナに衝突する虞
がある場合には直ちに巻き下げを停止するよう操業して
いた。
【0012】しかし、このような方法ではコンテナの巻
き下げに時間がかかり、サイクルタイムの向上が計れな
いという問題があった。
【0013】従って本発明は上記従来技術に鑑み、隣に
段積みされた被搬送物(コンテナ等)等の障害物がある
場所に、これらの障害物との衝突を防止しながら速やか
に被搬送物を巻き下げて行くことを可能にするクレーン
の巻き下げ衝突防止装置を提供することを課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する第1
の発明のクレーンの巻き下げ衝突防止装置は、巻き上下
駆動モータと、この巻き上下駆動モータによって駆動さ
れる巻き上下装置と、この巻き上下装置によって巻き込
み又は繰り出されるロープと、このロープを介して前記
巻き上下装置から吊り下げられ同巻き上下装置によって
巻き上げ又は巻き下げられる吊り具とを備えたクレーン
により、前記吊り具で保持した被搬送物を同吊り具と共
に巻き下げて目標位置に段積み又は着床する際に、前記
被搬送物と、前記目標位置に隣接する段積みされた他の
被搬送物等の障害物との衝突を防止するクレーンの巻き
下げ衝突防止装置であって、前記吊り具又は前記吊り具
に装着されたスタッキングガイド等の構造物に設置し、
前記障害物の有無を検出する障害物検出手段と、前記被
搬送物の巻き下げ速度を検出する速度検出手段と、前記
障害物の上面までの距離を検出する距離検出手段と、前
記ロープの長さを検出するロープ長検出手段と、前記障
害物検出手段、速度検出手段、距離検出手段及びロープ
長検出手段の検出信号に基づき、前記障害物検出手段が
ONになったとき、一旦巻き下げ停止動作に入り、所定
の比率で巻き下げ速度の減少を開始するが、この間にも
巻き下げ残り距離と通常停止距離とを演算しておき、所
定の期間前記障害物検出手段がOFFとなり巻き下げる
前記被搬送物が前記障害物に衝突する危険性がなくなっ
たと判断した後、前記巻き下げ残り距離が前記通常停止
距離よりも大きければ巻き下げを再開し、前記巻き下げ
残り距離が前記通常停止距離以下であれば緊急停止動作
に入るように、前記巻き上下駆動モータを制御して前記
被搬送物の巻き下げ速度を制御する制御手段とを備えた
ことを特徴とする。
【0015】また、第2の発明のクレーンの巻き下げ衝
突防止装置は、第1の発明のレーンの巻き下げ衝突防止
装置において、前記制御手段では、前記ロープ長検出手
段によって検出するロープ長から演算する振れの1周期
の間前記被搬送物検出手段がOFFとなったときに、巻
き下げる前記被搬送物が前記障害物に衝突する危険性が
なくなったと判断することを特徴とする。
【0016】従って、上記第1の発明のクレーンの巻き
下げ衝突防止装置によれば、障害物検出装置が障害物を
検出しても無条件に被搬送物の巻き下げを停止するので
はなく、障害物検出装置がONになったとき、一旦巻き
下げ停止動作に入り、所定の比率で巻き下げ速度の減少
を開始するが、この間にも巻き下げ残り距離と通常停止
距離とを演算しておき、所定の期間障害物検出装置がO
FFとなり巻き下げる被搬送物が障害物に衝突する危険
性がなくなったと判断した後、巻き下げ残り距離が通常
停止距離よりも大きければ巻き下げを再開し、巻き下げ
残り距離が通常停止距離以下であれば緊急停止動作に入
るように、巻き上下駆動モータを制御して被搬送物の巻
き下げ速度を制御するため、巻き下げる被搬送物が障害
物に衝突しない範囲で最大限の継続運転を行うことがで
き、また、真に衝突の危険がある場合には被搬送物の巻
き下げを停止することができる。
【0017】また、上記第2の発明のクレーンの巻き下
げ衝突防止装置によれば、ロープ長検出装置によって検
出するロープ長から演算する振れの1周期の間障害物検
出装置がOFFとなったときに、巻き下げる被搬送物が
障害物に衝突する危険性がなくなったと判断するため、
かかる判断をより適確に行うことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき詳細に説明する。なお、従来(図7)と同様の
部分には同一の符号を付し重複する詳細な説明は省略す
る。
【0019】図1は本発明の実施の形態に係る巻き下げ
衝突防止装置を備えたコンテナハンドリング用クレーン
の要部の構成を示す説明図、図2は図1のA部のコンテ
ナ検出装置とコンテナとを抽出して示す拡大図、図3は
本発明の実施の形態に係る巻き下げ衝突防止装置に関す
る制御系の構成を示すブロック図、図4は本発明の実施
の形態に係る巻き下げ衝突防止装置に関する運転のフロ
ーチャートである。
【0020】図1に示すように、コンテナハンドリング
用クレーンは、従来と同様に、ガーダ1等からなる構造
体と、トロリ4と、巻き上下装置5と、巻き上下駆動モ
ータ7と、ロープ6と、吊り具10とを備えている。
【0021】更に、吊り具10の両端には、スタッキン
グガイド7が取り付けられており、このスタッキングガ
イド7の両下端近傍には、数m以内の物体の有無を検出
するコンテナ検出装置8が取り付けられている。このコ
ンテナ検出装置8は合計4台取り付けられており、図2
に示す如く隣接するコンテナを検出するように何れも下
端側を外側に傾斜させてスタッキングガイド7に取り付
けられている。
【0022】コンテナ検出装置8のターゲットはコンテ
ナ隅金物から約10mm内側にあるコンテナ上面端部と
し、コンテナ検出装置8が隣接コンテナから1160m
m上方にあるときにターゲットを検出するように調整す
る。
【0023】スタッキングガイド7は、吊り具10で吊
り下げているコンテナ11の上方位置と下方位置のどち
らかに固定して使用する構造となっている。即ち、例え
ば図1に示すようにコンテナ11を既に段積みされてい
るコンテナ21の上(目標位置12)に段積みする場合
には、スタッキングガイド7をコンテナ11の下方位置
に固定して、機械的なテーパガイドとして使用する一
方、コンテナ11を着床させる場合には、スタッキング
ガイド7が着床のじゃまになるため、スタッキングガイ
ド7をコンテナ11の上方位置に固定する。
【0024】また、図3に示すように、コンテナ検出装
置8の検出信号と、巻き上下装置5(図1参照)に設け
られロープ6の長さを検出するロープ長検出装置17の
検出信号と、巻き上下装置5に設けられロープ6の巻き
速度(即ち巻き上げ又は巻き下げ速度)を検出するロー
プ巻き速度検出装置18の検出信号とが演算装置19に
入力されるようになっており、この演算装置19では、
これらの検出信号に基づき、詳細は後述するがロープ6
の巻き速度を制御するための演算を行い、演算信号をロ
ープ巻き速度制御装置20へ出力する。
【0025】ロープ巻き速度制御装置20では、演算装
置19から出力された演算信号に基づき、巻き上下駆動
モータ25を制御してロープ6の巻き速度を制御する。
【0026】次に、コンテナを段積みする場合と着床さ
せる場合の上記制御系による運転方法を、図4のフロー
チャートに基づいて説明する。なお、図4の各部にはS
1,S2等の符号を付した。
【0027】(1)段積みの場合 スタッキングガイド7は、吊り下げたコンテナ11がキ
ャニオン上方1170mmの位置にくるまでに '下方位
置’にセットし、コンテナ11の底部にロックする(S
1,S2参照)。
【0028】(2)着床の場合 スタッキングガイド7は、 '上方位置' にセットし、吊
り具10にロックする(S1,S3参照)。
【0029】(3)コンテナ11の巻き下げを開始し、
ロープ長検出装置17によりロープ長を検出する(S
4,S5参照)。コンテナ検出装置8は、巻き下げが開
始された後、スタッキングガイド下端と隣接コンテナと
の距離が1000〜1120mmのときに有効になるよ
うに設定する。また、検出したロープ長に基づいて振れ
の1周期を計算する。そして、コンテナ検出装置8がO
Nになったとき、下記の過程が作動する(S7,S8,
S9,S10,S11,12参照)。
【0030】(a)巻き下げを '通常停止' に設定し、
所定の減速度で巻き下げ速度を減速する。そして、コン
テナ検出装置8がOFFになってから、ロープ長から計
算した振れの1周期の間待つ。もし、この1周期間待つ
間にコンテナ検出装置8がONにならなければ(OFF
の状態が1周期間継続すれば)、巻き下げを再開する。
もし、この振れの1周期間待つ間にコンテナ検出装置8
がONになれば、 '通常停止' の状態を維持する。以上
の過程を繰り返す。 (b)但し、「通常停止距離>巻き下げ残り距離」のと
きには、 '緊急停止’を作動する。
【0031】なお、巻き下げ残り距離は次のようにして
求める。即ち、ガーダ1上には各コンテナの山の直上に
位置するように距離計(図示せず)が設置されており、
これらの距離計によってガーダ1から各コンテナの山ま
での距離を検出している。一方、搬送中のコンテナの高
さ方向位置はロープ長検出装置17によって検出してい
る。そしてコンテナ1個分の高さは分かっているので、
両者の検出信号から巻き下げ残り距離を計算する。
【0032】また、巻き下げが終了したか否か(S13
参照)は、コンテナが段積みされて(又は着床して)吊
り具10にかかる荷重が軽くなると、バネ支持されたロ
ッド(図示せず)が上方に移動してリミットスイッチ
(図示せず)を切るようになっており、このことによっ
て判断する。
【0033】以上のように、本実施の形態に係る巻き下
げ衝突防止装置によれば、コンテナ検出装置8が隣接コ
ンテナを検出しても無条件にコンテナ11の巻き下げを
停止するのではなく、コンテナ検出装置8がONになっ
たとき、一旦巻き下げ停止動作に入り、所定の比率で巻
き下げ速度の減少を開始するが、この間にも巻き下げ残
り距離と通常停止距離とを演算しておき、振れの1周期
間コンテナ検出装置8がOFFとなり巻き下げるコンテ
ナ11が隣接コンテナに衝突する危険性がなくなったと
判断した後、巻き下げ残り距離が通常停止距離よりも大
きければ巻き下げを再開し、巻き下げ残り距離が通常停
止距離以下であれば緊急停止動作に入るように、巻き上
下駆動モータ25を制御してコンテナ11の巻き下げ速
度を制御するため、コンテナ11が隣接コンテナに衝突
しない範囲で最大限の継続運転を行うことができる。ま
た、真に衝突の危険がある場合にはコンテナ11の巻き
下げを停止することができる。従って、安全にサイクル
タイムの低減を計ることができる。
【0034】ここで、コンテナ検出装置8の検出特性に
ついて説明する。なお、コンテナ検出装置8としては、
光電センサを用いている。この光電センサは、自ら光を
発し、その反射光をとらえて物体(コンテナ)の有無を
判断する。
【0035】コンテナ検出装置8の検出特性は、設定感
度、対象物に対する取り付け角度、及び対象物の色によ
って変化する。この検出特性を測定し、最適な設定条件
を選出した。選出した条件はΘ=2.25°である(図
2参照)。
【0036】図5は選出した条件でのコンテナ検出装置
特性の測定結果を示すグラフである。図5において、プ
ロットしてある点(◇:白色物体の場合、□:黒色物体
の場合)は、対象物からのコンテナ検出装置8の高さh
を変化させたときのコンテナ検出装置8と対象物との間
の検出距離dを示す(図2参照)。図5中の測定点を連
ねた線から左側の領域、即ち黒色物体の場合はA、白色
物体の場合はA’の領域に入ると、コンテナ検出装置8
の出力がONとなる。
【0037】この測定結果から、コンテナ検出装置8
は、黒色の対象物を検出するために1160mmの高さ
(間隔1000mm+コンテナ検出装置とスタッキング
ガイド下端との距離160mm)で調整すべきであると
いう結論に達した。この条件が衝突に対して最も危険な
条件のためである。対象物が白色の場合は、もう少し離
れた距離から対象物のエッジを検出することになる。
【0038】なお、対象物の色の違いが20mm程度の
検出距離の違いを生み、不必要な検出をすることがある
ように一見思われるが、テストは艶消し黒色と明るい白
色とで実施しているため、実際の操業ではテスト時より
もその差は小さく、実際の操業でも良好に運転ができて
いる。
【0039】また、巻き下げ衝突防止装置の機能は、所
内クレーンで図6に示すようにしてテストした。
【0040】テストの条件は下記の通りである。 吊り具 :通常位置 :鉛直にキャニオン内に巻き下げ 対象物 :コンテナ、模擬コンテナ(成形した厚紙) 模擬コンテナの色 :黒、白
【0041】図6中の太線で示しているのが厚紙で成形
した模擬コンテナ端部27である。仮想コンテナ26と
隣接コンテナ28との間を313mmにセットし、吊り
具10を通常位置にある仮想コンテナ26の上に鉛直に
巻き下げた。各部の寸法は図示のとおりであり、目標位
置到達までの巻き下げ残り距離、即ちスタッキングガイ
ド下端と隣接コンテナ28の上面との距離Lが5〜10
mの位置から巻き下げてテストを行った。
【0042】模擬コンテナ端部27が隣接コンテナ28
に取り付けられていないときには、吊り具10は減速す
ることなく、うまくキャニオン内に巻き下げられた。こ
れは、コンテナ検出装置8が予想通りOFFのままであ
ったことを意味する。
【0043】一方、模擬コンテナ端部27を隣接コンテ
ナ28に取り付けたときには、コンテナ検出装置8の機
能と衝突防止ロジックは以下のように確認された。
【0044】(1)黒コンテナ 於:低速度 コンテナ検出装置8はONになり、吊り具10は通常停
止にて停止した。これは、衝突防止ロジックが、スタッ
キングガイド下端と隣接コンテナ上面との残り距離が通
常停止に十分であると認識して、予想通りに作動したこ
とを意味する。
【0045】(2)黒コンテナ 於:高速度 コンテナ検出装置8はONになり、非常停止が作動し
た。これは、衝突防止ロジックが、スタッキングガイド
下端と隣接コンテナ上面との残り距離が通常停止には不
十分であると認識して、予想通りに作動したことを意味
する。
【0046】(3)白コンテナ 於:高速度 コンテナ検出装置8はONになり、非常停止が作動し
た。これも予想通り、衝突防止ロジックが、スタッキン
グガイド下端と隣接コンテナ上面との残り距離が通常停
止には不十分であると認識して、非常停止が作動したこ
とを意味する。
【0047】この白コンテナの場合には、黒コンテナの
場合よりも高い位置でコンテナ検出装置8がONになっ
た。これは、コンテナ検出装置8の検出特性に示したよ
うに、コンテナ検出装置8は黒コンテナよりも白コンテ
ナに対してより感じ易いためである。従って、明るい色
のコンテナの場合には隣接コンテナを不必要に検出しな
いように、制御装置により、コンテナ検出装置8の有効
作動高さ範囲を設定する。
【0048】また、操業の安全性の観点から、コンテナ
検出装置8の設定条件は、黒コンテナを基準とする。な
ぜなら、実際のコンテナの色はテストに用いたコンテナ
の黒色表面よりは明るい色であるため、そうすることに
よって実際のコンテナは必ず検出することができるから
である。
【0049】なお、本発明による巻き下げ衝突防止装置
は、実用機に搭載されて良好に機能しており、その有効
性が立証されている。
【0050】
【発明の効果】以上、発明の実施の形態と共に具体的に
説明したように、第1の発明のクレーンの巻き下げ衝突
防止装置によれば、障害物検出装置が障害物を検出して
も無条件に被搬送物の巻き下げを停止するのではなく、
障害物検出装置がONになったとき、一旦巻き下げ停止
動作に入り、所定の比率で巻き下げ速度の減少を開始す
るが、この間にも巻き下げ残り距離と通常停止距離とを
演算しておき、所定の期間障害物検出装置がOFFとな
り巻き下げる被搬送物が障害物に衝突する危険性がなく
なったと判断した後、巻き下げ残り距離が通常停止距離
よりも大きければ巻き下げを再開し、巻き下げ残り距離
が通常停止距離以下であれば緊急停止動作に入るよう
に、巻き上下駆動モータを制御して被搬送物の巻き下げ
速度を制御するため、巻き下げる被搬送物が障害物に衝
突しない範囲で最大限の継続運転を行うことができ、ま
た、真に衝突の危険がある場合には被搬送物の巻き下げ
を停止することができる。従って、安全にサイクルタイ
ムの低減を計ることができる。
【0051】また、第2の発明のクレーンの巻き下げ衝
突防止装置によれば、ロープ長検出装置によって検出す
るロープ長から演算する振れの1周期の間障害物検出装
置がOFFとなったときに、巻き下げる被搬送物が障害
物に衝突する危険性がなくなったと判断するため、かか
る判断をより適確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る巻き下げ衝突防止装
置を備えたコンテナハンドリング用クレーンの要部の構
成を示す説明図である。
【図2】図1のA部のコンテナ検出装置とコンテナとを
抽出して示す拡大図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る巻き下げ衝突防止装
置に関する制御系の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る巻き下げ衝突防止装
置に関する運転のフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態に係る巻き下げ衝突防止装
置に備えたコンテナ検出装置の検出特性の測定結果を示
すグラフである。
【図6】本発明の実施の形態に係る巻き下げ衝突防止装
置を組み込んだ所内クレーンでのテストの説明図であ
る。
【図7】従来のコンテナハンドリング用クレーンの構成
を示す説明図である。
【符号の説明】
1 ガーダ 4 トロリ 5 巻き上下装置 6 ロープ 7 スタッキングガイド 8 コンテナ検出装置 10 吊り具 11,21,22,23 コンテナ 12 目標位置 16 振れ検出用ターゲット 17 ロープ長検出装置 18 ロープ巻き速度検出装置 19 演算装置 20 ロープ巻き速度制御装置 25 巻き上下駆動モータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭52−143651(JP,A) 特開 平6−247690(JP,A) 特開 平8−119574(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B66C 13/22

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 巻き上下駆動モータと、この巻き上下駆
    動モータによって駆動される巻き上下装置と、この巻き
    上下装置によって巻き込み又は繰り出されるロープと、
    このロープを介して前記巻き上下装置から吊り下げられ
    同巻き上下装置によって巻き上げ又は巻き下げられる吊
    り具とを備えたクレーンにより、前記吊り具で保持した
    被搬送物を同吊り具と共に巻き下げて目標位置に段積み
    又は着床する際に、前記被搬送物と、前記目標位置に隣
    接する段積みされた他の被搬送物等の障害物との衝突を
    防止するクレーンの巻き下げ衝突防止装置であって、 前記吊り具又は前記吊り具に装着されたスタッキングガ
    イド等の構造物に設置し、前記障害物の有無を検出する
    障害物検出手段と、 前記被搬送物の巻き下げ速度を検出する速度検出手段
    と、 前記障害物の上面までの距離を検出する距離検出手段
    と、 前記ロープの長さを検出するロープ長検出手段と、 前記障害物検出手段、速度検出手段、距離検出手段及び
    ロープ長検出手段の検出信号に基づき、前記障害物検出
    手段がONになったとき、一旦巻き下げ停止動作に入
    り、所定の比率で巻き下げ速度の減少を開始するが、こ
    の間にも巻き下げ残り距離と通常停止距離とを演算して
    おき、所定の期間前記障害物検出手段がOFFとなり巻
    き下げる前記被搬送物が前記障害物に衝突する危険性が
    なくなったと判断した後、前記巻き下げ残り距離が前記
    通常停止距離よりも大きければ巻き下げを再開し、前記
    巻き下げ残り距離が前記通常停止距離以下であれば緊急
    停止動作に入るように、前記巻き上下駆動モータを制御
    して前記被搬送物の巻き下げ速度を制御する制御手段と
    を備えたことを特徴とするクレーンの巻き下げ衝突防止
    装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載するクレーンの巻き下げ
    衝突防止装置において、 前記制御手段では、前記ロープ長検出手段によって検出
    するロープ長から演算する振れの1周期の間前記被搬送
    物検出手段がOFFとなったときに、巻き下げる前記被
    搬送物が前記障害物に衝突する危険性がなくなったと判
    断することを特徴とするクレーンの巻き下げ衝突防止装
    置。
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