JP3150377B2 - 内燃機関の燃料噴射制御方法 - Google Patents

内燃機関の燃料噴射制御方法

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JP3150377B2
JP3150377B2 JP25786391A JP25786391A JP3150377B2 JP 3150377 B2 JP3150377 B2 JP 3150377B2 JP 25786391 A JP25786391 A JP 25786391A JP 25786391 A JP25786391 A JP 25786391A JP 3150377 B2 JP3150377 B2 JP 3150377B2
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スロットルを介した経
路以外から内燃機関(エンジン)に吸入される空気が存
在する場合に、空燃比を最適に保つ為の燃料噴射制御方
法に関する。具体的には、キャニスタから吸入される混
合気が存在する場合に、空燃比を最適に保つ為の燃料噴
射制御方法に関する。
【0002】燃料タンクから大気中へ放出されるガソリ
ンの蒸発ガスは、多量の炭化水素HCを含んでいて人体
に有害である。そのため、キャニスタによってガソリン
の蒸発ガスを吸収し、エンジン作動中の吸気管へ適宜に
放出する方法が用いられている。
【0003】ところで、キャニスタから吸気管にガソリ
ンの蒸発ガスの放出を行っている場合、エンジンに吸入
される空気量は、スロットルを介して吸入される空気量
とキャニスタから吸入される空気量との和となる。
【0004】したがってこのような場合においては、ス
ロットルを介して吸入される分の空気量を正確に求める
ことが、空燃比を正確に制御する上で必要である。
【0005】
【従来の技術】空燃比の制御は、燃料の燃焼エネルギー
を清潔かつ有効に引き出すための最も基本的な制御の1
つである。そして、空燃比制御は、エンジンが吸入する
空気量に対して最適な量の燃料を噴射することによって
行っている。
【0006】一例として、吸気管圧力とエンジン回転速
度とから吸入空気量を推定するスピードデンシティ方式
を基にして説明する。
【0007】図2は、燃料噴射制御系を説明する図で、
(a) は制御系の構成を説明するモデル図、(b) は吸入空
気量の予測制御を説明する特性図、である。
【0008】(1)吸気管圧力と燃料噴射制御 1)吸入・排気系統 吸入される空気は、エアクリーナ9で浄化し、スロット
ル5で吸入空気量を制御する。そして、サージタンク2A
および吸気管(マニホールド)2と吸気弁10を通って燃
焼室13に吸入する。
【0009】他方、燃焼した排出ガスは、排気弁11と排
気管16および三元触媒17を通って大気中に放出する。
【0010】参考までに、マスフロー方式では、エアク
リーナ9とスロットル5との間にエアフローメータ6を
設ける。そして、直接に吸入空気量を求める。但し、同
図ではエアフローメータ6を図説していない。また、ス
ロットルスピード方式では、スロットル5の開度θとエ
ンジン回転速度Nとから吸入空気量を求める。
【0011】2)制御系 サージタンク2Aには吸気管圧力Pを測定する圧力センサ
7を設けている。また、エンジンのクランク軸にはクラ
ンク角センサ18を設け、エンジンの各作動工程に同期し
たタイミングパルス信号SN を得ると共に、エンジンの
回転速度Nを検出している。
【0012】その他に、エンジンの冷却水14の温度tw
を測定する水温センサ15を設け、エンジン温度による燃
料噴射量の補正を可能としている。また、スロットル5
にはスロットル開度センサ8を設け、その開度信号θを
得ている。
【0013】そして、これらセンサ7,18,15,8の検出信
号を、マイクロコンピュータシステムで構成したECU
(Electronic Control Unit) 4に入力し、その出力ポー
トから燃料噴射弁3の開弁時間を制御して燃料噴射タイ
ミングと噴射量とを制御し、空燃比を所定の値に制御す
る。
【0014】3)吸入空気量の推定と燃料噴射 スピードデンシティ方式においては、吸気管圧力Pとエ
ンジン回転数Nとから、エンジンに吸入される空気量を
推定して求めることができる。
【0015】すなわち、マップ化した等空気量データを
ECU 4のメモリに格納・記憶しておき、当該時点に
おける吸気管圧力Pとエンジン回転数Nとを変数として
該マップを参照し、吸入空気量を推定できる。
【0016】したがって、推定した吸入空気量から必要
とする燃料量を求めて噴射し、所定の空燃比の混合気を
燃焼室13に吸入させることができる。
【0017】(2)エンジンが過渡的作動状態に在る場
合の燃料噴射制御 例えば、スロットル5が急激に開いた場合においては、
吸気管圧力Pも急激に上昇し、エンジンが吸入する空気
量も増大する。したがって、このような過渡的作動状態
においては、吸気弁が閉弁するタイミング迄に吸入され
る空気量を正確に予測することが、最適な空燃比制御を
行う上で必要となる。
【0018】1)吸気管圧力の時間微分値から閉弁タイ
ミングにおける吸気管圧力を予測する方法 例えば、図2(b) に例示するように、時刻t1 にスロッ
トル5が開いて吸気管圧力Pが上昇し、その後、時刻t
3 に吸気弁10が閉じた場合において、時刻t1 における
吸気管圧力PをP1 とし、時刻t3 における吸気管圧力
PをP3 とすると、時刻t1 において閉弁時刻t3 にお
ける吸気管圧力P3 は次式(1) から予測できる。
【0019】 P3 =P1 +(dp/dt)Δt ----------(1)
【0020】但し、Δt=t3 −t1 である。
【0021】しかし、吸気管圧力の微分値から吸気弁閉
弁時の吸気管圧力を予測して吸入空気量を求める方法
は、演算結果を得る迄の時間遅れが大きい短所がある。
すなわち、圧力センサ7で得られた圧力信号は、フィル
タリング処理によってノイズ等を除去するが、その際に
発生する伝搬遅延時間が無視できない為である。
【0022】2)吸気管圧力の時間微分値dp/dtを
スロットル開度およびエンジン回転速度、吸気管圧力か
ら求める方法 前記1)において演算時間の遅れ要素となったフィルタ
リング処理を行わずに、吸気管圧力の時間微分値dp/
dtを求める方法がある。その詳細は、本願出願人が出
願した特開平3-37345号公報に開示されている。その
為、ここではその概要を簡単に説明することにする。
【0023】図3は、マップ化した吸気特性を説明する
図で、(a) は吸気管のモデル図、(b) はマップ化した吸
気特性図、(c) はスロットル開度の関数特性図、であ
る。
【0024】すなわち、図3(a) に示すモデル図におい
て、吸気管2(サージタンク2A) に吸入される空気量を
INとし、該吸気管2(サージタンク2A) からエンジン
1に吸入される空気量をQOUT とすると、ベルヌーイの
定理より次式(2) が成立する。
【0025】dp/dt=K1 (QIN−QOUT) =K1 ・ΔQ ------------(2)
【0026】但し、K1 は定数である。すなわち、ΔQ
を求めることによって、dp/dtを即座に求めること
ができる。
【0027】ここで、QINは次式(3) QOUT は次式(4)
で求めることができる。
【0028】 QIN =K2 ・f(θ) ・(P0 −P)1/2 -----(3)
【0029】但し、K2 は定数、f(θ) はスロットル弁
5の開度θによって決まるところの吸気管断面形状を表
す関数、P0 は大気圧、Pはサージタンク2A内の圧力、
である。
【0030】 QOUT =K3 ・η・N・P ----------------(4)
【0031】但し、K3 は定数、ηは燃焼室への充填効
率、Nはエンジン回転速度、Pはサージタンク2A内の圧
力、である。
【0032】ところで、f(θ) およびN,Pをパラメー
タとして空気流量QINおよびQOUT をグラフ化して示す
と、図3(b) のように表すことができる。すなわち、f
(θ)をパラメータとしてf(θ) ・(P0 −P)1/2 で示
される2次曲線特性f(θn )と、Nをパラメータとして
N・Pで示される1次直線特性N1,N2,・・・である。
【0033】また、スロットル弁5の開度θによって決
まるところの吸気管断面形状を表す関数f(θ) は、図3
(c) に示すようにコサイン(cosine)状に変化する関数と
して表わされる。
【0034】したがって、両特性f(θn ) とN1,N2,・
・・が交差する点が、吸気動作点である。すなわち、ス
ロットル開度θで決まる断面形状関数f(θ) を図3(c)
の特性図から求め、その値と図3(b) の吸気特性図f(θ
n ) から得られる値の積を演算することによって、吸入
空気量を求めることができる。
【0035】尚、関数f(θ) および(P0 −P)
1/2 は、実測してマップデータ化することによって、実
際の作動状態に則した吸入空気量値QINを求めることが
できる。
【0036】一方、定常状態においてはQIN=QOUT
あるから、次式(5) が成立する。
【0037】 QIN =K3 ・η・N・P ----------------(5)
【0038】また、(5) 式のN・Pを図3(b) に例示し
たマップデータから引用し、その引用の際の値をMAP
で表せば、次式(6) が成立する。尚、実際の燃料噴射制
御装置においては、前記マップデータをECU4のメモ
リ内に記憶・保持させる構成である。
【0039】 QIN =K3 ・η・MAP ----------------(6)
【0040】したがって、(2) 式に示すΔQは次式(7)
で求めることができる。
【0041】ΔQ=QIN−QOUT =K3 ・η(MAP−N・P) -----------(7)
【0042】すなわち、図3(b)(c)に示すマップデータ
を参照しつつ、式(7) を演算することによって即座にΔ
Qを求めることができる。そして、求めたΔQを(2) 式
に代入して吸気管圧力の微分値dp/dtを求め、式
(1) から吸気弁閉弁時刻t3 における吸気管圧力P3
求めることができる。つまり、スロットル開度θの変化
から即座にΔQを求め、吸気弁閉弁タイミングにおける
吸入空気量を予測・推定することができる。
【0043】
【発明が解決しようとする課題】燃料タンクから放出さ
れるガソリンの蒸発ガスが大気中に放出されることを防
止する方法としては、キャニスタを用いて吸収すること
が有効である。
【0044】他方、キャニスタが吸収したガソリンの蒸
発ガスは適宜吸気管へ放出し、エンジン作動中に燃焼さ
せる仕組みである。
【0045】しかし、キャニスタから吸気管へのガソリ
ン蒸発ガスの放出は、スロットルを介して吸入する空気
と一緒に吸入することで行う為、エンジンが吸入する空
気量は、それらの和となる。
【0046】したがって、スロットルを介して吸入する
分の空気量を正確に求めることが、空燃比を正確に制御
する上で必要である。
【0047】図4は、燃料供給系とキャニスタを説明す
る図である。すなわち、燃料タンク19中のガソリンを燃
料ポンプ20で燃料噴射弁3へ圧送し、該燃料噴射弁3の
開弁時間を制御することによって燃料噴射量を制御する
仕組みである。
【0048】一方、燃料タンク19内のガソリン蒸発ガス
の圧力が高まると、ツーウェイバルブ22が開き、キャニ
スタ21へガソリン蒸発ガスが流れ込んで該キャニスタ21
中の活性炭等によって吸収すれる。すなわち、ガソリン
の蒸発ガスが直接に大気中へ放出されることは無い。
【0049】他方、エンジンがアイドリング状態にある
場合にカットオフバルブ23を開き、キャニスタ21が吸収
したガソリンの蒸発ガスを吸気管2内へ吸入する。尚、
カットオフバルブ23の開閉制御は図2に示したECU
4が行う仕組みである。ちなみに、このようなガソリン
蒸発ガスの吸気管2内への吸入を、アイドルパージと呼
称している。
【0050】その結果、アイドルパージを行っている場
合にエンジン1が吸入する空気量Q TOTAL は、スロット
ル5を介して吸入される空気量QINとキャニスタ21を介
して吸入されるガソリン蒸発ガス量QPURGE との和(Q
TOTAL =QIN+QPURG)となる。但し、キャニスタ21か
ら吸入するガソリン蒸発ガスは、空気との混合気として
吸入される。
【0051】したがって、アイドルパージを行っている
場合の吸気管圧力Pは、キャニスタ21を介して吸入され
るガソリン蒸発ガスの分だけ上昇する。そのため、スピ
ードデンシティ方式やスロットルスピード方式の空燃比
制御システムにおいては、スロットル5を介して吸入す
る空気量QINを正確に求めることができない。
【0052】例えば、式(7) に示す吸気管圧力Pは、キ
ャニスタ21から吸入するガソリン蒸発ガス分とスロット
ル5を介して吸入する空気分との和として現れる。その
為、外気から吸入される分の空気量を予測・推定するこ
とができなくなる。
【0053】本発明の技術的課題は、キャニスタが吸収
したガソリン蒸発ガスのアイドルパージを行っている場
合においても、スロットルを介して外気から吸入される
分の空気量を正確に求めることができるようにすること
によって、アイドルパージ時においても最適な空燃比制
御を実現して大気汚染を防止することにある。
【0054】
【課題を解決するための手段】図1は、本発明の原理を
説明する図で、(a)はエンジンの吸気系を説明するモデ
ル図、(b) はエンジンの吸入空気量を求める為の算出テ
ーブル図(マップデータ図)、である。
【0055】本発明は、エンジンの作動状態から算出で
きる吸気特性データを参照しつつ、実際に測定した吸気
管圧力Pを用いて吸入空気量を求めるところに特徴があ
る。
【0056】(1)基本的な燃料噴射制御方法 すなわち、予め定めた所定の空燃比を実現するために、
少なくともスロットル(5)の開度(θ)と内燃機関(1)の
回転速度(N)とから運転状態に応じた吸入空気量と吸
気管圧力(Pc)を算出して燃料噴射量を決定する燃料
噴射制御方法において、前記少なくともスロットル(5)
の開度と内燃機関(1)の回転速度(N)とから算出され
る吸気管圧力(Pc)と圧力センサ(7)で実測される吸気
管圧力(P)とから、スロットル(5)以外の経路から吸
入される空気量(QPURGE)を求め、該スロットル(5)以
外の経路から吸入される空気量(QPURGE)により燃料
噴射量の補正を行う燃料噴射制御方法である。
【0057】(2)キャニスタからの吸入空気がある場
合の燃料噴射制御方法 すなわち、前記(1)の燃料噴射制御方法において、ス
ロットル5以外の経路から吸入される空気がキャニスタ
21から吸入される空気であり、該吸入空気量Q PURGE
より燃料噴射量の補正を行う燃料噴射制御方法である。
【0058】
【作用】
(1)基本的な燃料噴射制御方法 カットオフバルブ23が閉じている状態においては、スロ
ットル5を介して吸入する空気量QINが、エンジン1が
吸入する空気の全てである。したがって、吸気管圧力を
Pとし大気圧をP0 とすると、QINは次式(8) で表すこ
とができる。
【0059】 QIN =κ1 (P0 −P)1/2 ---------------(8)
【0060】但し、κ1 は定数である。
【0061】したがって、吸気管圧力Pの変化に対する
吸入空気量Qの関係をマップ化して表せば、図1(b) の
ような2次曲線のマップデータとして表すことができ
る。
【0062】他方、エンジンが吸入する空気量QTOTAL
は、吸気管圧力Pとエンジン回転速度Nとの積で表すこ
とができるから、図1(b) に示す1次直線のマップデー
タNとして表すことができる。
【0063】すなわち、以上の2つのマップデータの交
点が、定常運転状態にあるエンジンの吸気動作点であ
る。そして、データマップ上の交点に相当する吸気管
圧力PC およびQC は、実際のエンジンの作動状態と一
致する。
【0064】ところが、カットオフバルブ23を開くと、
交点から求めることができる吸気管圧力PC よりも実
際の吸気管圧力は上昇する。すなわちその圧力が図1
(b) に示すPである。
【0065】したがって、圧力センサ7で実測した吸気
管圧力Pで図1(b)のマップデータを参照すると、エン
ジン1の総吸入空気量は交点で示され、スロットル5
を介して吸入される空気量は交点で示される。すなわ
ち、交点から求まる総吸入空気量QTOTAL より交点
から求まる空気量QINを減じた空気量が、スロットル5
以外の経路から吸入される空気量QPURGE であり、次式
(9)(10) が成立する。
【0066】 QPURGE =QTOTAL −QIN ------------------(9) QTOTAL =QIN+QPURGE ------------------(10)
【0067】尚、交点の吸入空気量QINに相当する分
の吸気管圧力PINは交点で示される。
【0068】以上のようにして、スロットル5以外の経
路から吸入される空気量QPURGE が求まるから、該空気
量QPURGE の分の燃料噴射量を補正すれば、最適な空燃
比を得ることができる。
【0069】(2)キャニスタからの吸入空気がある場
合の燃料噴射制御方法 前記(1)において、スロットル5以外の吸入経路とし
てキャニスタ21から吸入されるガソリン蒸発ガスがある
場合、該吸入分QPURGE は空気とガソリンとの混合気で
ある。
【0070】したがって、キャニスタ21からの吸入分Q
PURGE が理論空燃比を満足しているものと仮定すれば、
スロットル5を介して吸入される空気量QINに相当する
分の燃料を噴射すれば、最適な空燃比を実現することが
できる。
【0071】すなわち、アイドルパージ実行時の基本的
な燃料噴射量をTPIDLE,PURGE ON で表せば、次式(11)
が成立する。
【0072】 TPIDLE,PURGE ON =TP(N,PIN )-------(11)
【0073】但し、(11)式の右辺は、基本的な燃料噴射
量TPがエンジン回転速度Nとスロットル5を介して吸
入する空気に相当する吸気管圧力PINとの関数であるこ
とを意味している。
【0074】
【実施例】次に、本発明による燃料噴射制御方法を、実
際上どのように具体化できるかを実施例で説明する。
【0075】(1)構成 本実施例においては、図2に示す従来の制御系をそのま
ま用いることで実現できる。但し、ECU 4のメモリ
には、図1(b) に例示する吸入空気流量のマップデータ
を備えている必要があり、該マップデータを参照する制
御ソフトウェアを備えている必要がある。
【0076】すなわち、本実施例の制御手順は、ECU
4のソフトウェア上で実現できる。
【0077】また、本実施例の燃料供給系は図4に示す
構成であり、カットオフバルブ23の開閉をECU 4が
制御し、その吸収したガソリン蒸発ガスのアイドルパー
ジを行う構成である。
【0078】(2)作動 1)参照する算出テーブル(マップデータ) 本実施例のECUは、図1(b) に例示した算出テーブル
すなわちマップデータを有している。すなわち、このマ
ップデータは、本願出願人が出願した特開平3-37345号
公報に開示されている制御を行う際に用いるマップデー
タである。つまり、エンジンの運転状態が過渡的状態に
ある場合に、前記マップデータを用いて吸入空気量を正
確に予測することが可能となる方法であった。
【0079】他方、エンジンが定常運転状態にある場合
は一般的なスピードデンシティ方式に則り、圧力センサ
で測定した吸気管圧力とエンジン回転速度とから、等空
気量線図で表されるマップデータを参照して吸入空気量
を推定していた。
【0080】しかし、本実施例の場合のように、アイド
ルパージ実行時においてキャニスタからの吸入空気が存
在する場合は、エンジンが定常運転状態にある場合であ
っても、スピードデンシティ方式によってすなわち吸気
管圧力とエンジン回転速度とから、スロットル5を介し
て吸入する空気量を推定することはできない。
【0081】そこで、本実施例においては、エンジンが
過渡的運転状態にある場合に参照するマップデータ、す
なわち図1(b) に例示したマップデータを用いてスロッ
トル5を介して吸入する空気量を求める方法つまり作業
手順を説明する。そして、その作業手順はECUのソフ
トウェア上で実現する。
【0082】2)吸気管圧力実測値の学習 ところで、図1(b) に示すマップデータは計算上のマッ
プデータであり、また実測したものであったとしてもエ
ンジンやその周辺部品等の経年変化によって、実際のエ
ンジン作動状態との間においてデータ上のオフセットを
生じる。そして、キャニスタからのアイドルパージを行
う場合は、このオフセット値が微小なものであったとし
ても、データ算出上において無視できない誤差要因とな
って現れる。
【0083】そこで、このようなデータ上のオフセット
を無くす為には、計算上の吸気管圧力PC と圧力センサ
7で測定した吸気管圧力PSとが一致するように学習制
御を行う必要がある。
【0084】この学習制御は、例えば経年変化速度に応
じて予め選択・決定した周期毎に、マップデータから求
まる計算上の吸気管圧力PC が実測吸気管圧力PS に一
致するように補正を加えることで行う。
【0085】例えば、PC とPS との関係を次式(12)の
ように規定し、補正分をαとして学習する。
【0086】 PS =PC +α --------------------(12)
【0087】学習後は、実測吸気管圧力PS から補正分
αを減じた値によって図1(b) のマップデータを参照す
ることで、データ上のオフセットを解消することができ
る。
【0088】すなわち、この学習制御は、アイドルパー
ジを行っていない通常の場合において、実際のエンジン
の作動状態との間において有しているマップデータのオ
フセットを解消する目的で実施する。
【0089】3)吸入空気量の算出手順 前記2)の学習制御によって、図1(b) のマップデータ
とエンジンの作動状態とは一致した。そこで、このマッ
プデータを用いて吸入空気量QINを求める。
【0090】手順−1 カットオフバルブ23を開いてアイドルパージを実施した
際の吸気管圧力Pを、圧力センサ7で実測する。
【0091】手順−2 実測吸気管圧力Pでマップデータを参照し、交点に相
当する総吸入空気量Q TOTAL と交点に相当するところ
のスロットル5を介して吸入する空気量QINを求める。
すなわち、QTOTAL からQINを減じた値QPURGE が、キ
ャニスタからの吸入流量に相当する。
【0092】手順−3 吸入空気量QINに当たる交点から、スロットル5を介
して吸入する空気の分の圧力PINを求める。
【0093】手順−4 先に求めた圧力PINとエンジン回転速度Nを基に、スピ
ードデンシティ方式に則った等空気量マップデータを参
照し、スロットル5を介して吸入される空気量を求め
る。
【0094】4)燃料噴射量の決定 キャニスタ21から吸入するガソリン蒸発ガスは、空気と
ガソリンとの混合気である。したがって、該吸入分Q
PURGE が理論空燃比を満足しているものと仮定すれば、
先の手順4)で求めた吸入空気量に対応する分の燃料を
噴射すれば、最適な空燃比を実現することができる。
【0095】
【発明の効果】以上のように本発明の燃料噴射制御方法
によれば、スロットル以外の経路から吸入される空気が
存在していても、スロットルを介して吸入する空気量を
求めることができる。その結果、常に最適な空燃比を実
現することができる。
【0096】また、キャニスタからのアイドルパージ実
施中であっても、最適な空燃比を実現することができ
る。
【0097】その結果、あらゆる作動状態において、排
出ガスが極めてクリーンである内燃機関(エンジン)を
実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を説明する図で、(a) はエンジン
の吸気系を説明するモデル図、(b) はエンジンの吸入空
気量を求める為の算出テーブル図(マップデータ図)、
である。
【図2】燃料噴射制御系を説明する図で、(a) は制御系
の構成を説明するモデル図、(b) は吸入空気量の予測制
御を説明する特性図、である。
【図3】マップ化した吸気特性を説明する図で、(a) は
吸気管のモデル図、(b) はマップ化した吸気特性図、
(c) はスロットル開度の関数特性図、である。
【図4】燃料供給系とキャニスタを説明する図である。
【符号の説明】
1 エンジン 2 吸気管 2A サージタンク 3 燃料噴射弁 4 ECU(Electronic Control
Unit) 5 スロットル (6 エアフローメータ) 7 圧力センサ 8 スロットル開度センサ 9 エアクリーナ 10 吸気弁 11 排気弁 12 点火プラグ 13 燃焼室 14 冷却水 15 水温センサ 16 排気管 17 三元触媒 18 クランク角センサ 19 燃料タンク 20 燃料ポンプ 21 キャニスタ 22 ツーウェイバルブ 23 カットオフバルブ N エンジン回転速度 SN クランク角度信号(タイミン
グパルス信号) P 吸気管圧力 θ スロットル開度 tW 冷却水温度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 41/02 330 F02D 41/08 330 F02D 45/00 364 F02D 45/00 370

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予め定めた所定の空燃比を実現するため
    に、少なくともスロットル(5)の開度(θ)と内燃機関
    (1)の回転速度(N)とから運転状態に応じた吸入空気
    量と吸気管圧力(Pc)を算出して燃料噴射量を決定す
    る燃料噴射制御方法において、 前記少なくともスロットル(5)の開度と内燃機関(1)の回
    転速度(N)とから算出される吸気管圧力(Pc)と圧
    力センサ(7)で実測される吸気管圧力(P)とから、ス
    ロットル(5)以外の経路から吸入される空気量
    (QPURGE)を求め、該スロットル(5)以外の経路から吸
    入される空気量(QPURGE)により燃料噴射量の補正を
    行うこと、 を特徴とする内燃機関の燃料噴射制御方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の内燃機関の燃料噴射制御
    方法において、 スロットル(5)以外の経路から吸入される空気がキャニ
    スタ(21)から吸入される空気であり、該吸入空気量(Q
    PURGE)により燃料噴射量の補正を行うこと、 を特徴とする内燃機関の燃料噴射制御方法。
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