JP3149893U

JP3149893U - ゴムまたは樹脂製手袋

Info

Publication number: JP3149893U
Application number: JP2009000561U
Authority: JP
Inventors: 進吾吉富
Original assignee: ARAM CORP
Current assignee: ARAM CORP
Priority date: 2009-02-06
Filing date: 2009-02-06
Publication date: 2009-04-16
Anticipated expiration: 2019-02-06
Also published as: WO2010089904A1

Abstract

【課題】磁性体として黒色酸化鉄粉を手袋本体に混入することにより、手袋本体の破片および破砕粉の回収を確実かつ容易にすることが可能な手袋を提供する。【解決手段】ゴム、合成樹脂または合成樹脂フィルムから形成された厚さ０．０１〜３ｍｍの本体からなり、該本体に黒色酸化鉄粉を混入して構成する。【選択図】図１

Description

本考案は、ゴムまたは樹脂製手袋に関する。

従来から、食品工場や医薬品工場内では、衛生面の要請上、ゴム製手袋や樹脂製手袋が用いられている。たとえば、パン工場では、熱いパンをつかんだり、魚介類を扱う工場内では、魚を包丁でさばいたり、牡蠣の殻をむいたりするためにゴム製、合成樹脂製手袋（以下、ゴム手袋という）が用いられている。また、スーパーなどで販売されている寿司を握る工場でも使い捨ての手袋が用いられており、様々な工場でゴム製手袋や樹脂製手袋は、衛生面から必須である。また、食品工場のみならず、医薬品を取り扱う工場内においても、同様にゴム製手袋や樹脂製手袋は必須である。
しかしながら、ゴム製、樹脂製手袋は衛生面から安全なものであるが、繰り返しの使用や、扱うものによっては、ゴム製、樹脂製手袋の一部が破損し、その破片が食品内、または医薬品内に混入してしまう惧れがある。たとえば、魚を包丁でさばいているときに、手袋の一部をカットしてしまう場合や、牡蠣の殻をむいているときに、手袋の破片が混入したりしてしまうことがある。また使い捨ての手袋は薄いものが多く、１日中使用すると破損して製品に混入ことがある。工場のラインの清掃時にも手袋を傷つけたり、破損する場合があり、手袋の破片が製造ラインに入り込むことがある。

一方、食品内への異物の混入が大きな問題となっている昨今、工場内では、仮に部品が一部なくなっただけでも、食品内への異物混入の可能性がある限りは、生産ラインをストップし、一日中、掃除や点検をしなければならない。また、掃除や点検をするために、生産ラインをストップし続けるわけにもいかず、異物混入の疑いが完全に晴れない状況で、生産ラインを再稼動せざるを得ない。異物が混入されて回収できずに出荷され、製品に異物が混入されていたことがわかった場合には、全製品を回収しなければならず、食品工場の異物混入に対するリスクを減らすことができる、食品の衛生上、安全性の高い手袋を提供することが、食品業界の長年の未解決の課題であった。また、同様の問題は、医薬品工場や化粧品工場内でも発生するものであり、食品工場や医薬品工場や化粧品工場における異物の混入を防ぐことができる手袋が求められている。

しかし、食品加工プラントの場合、プラントを定期的に停止して、ゴム製手袋や樹脂製手袋の破片を目視により確認し、配管系統に配設された濾過器（strainer）によって異物を除去しているが、メッシュが大きければ異物がメッシュを通過し、異物の混入が避けられず、メッシュを小さくすると、配管中を流れる流体の抵抗になり、そのうえ、メッシュが目詰まりを起こすという問題がある。

そこで、本考案者は、鋭意検討の結果、黒色酸化鉄粉（鉄粉でありながらサビにくい）を、食品工場内または医薬品工場内で用いられるゴム製手袋や樹脂製手袋に混入することにより、食品や医薬品に一端混入されても、安全であり、かつ磁性体として黒色酸化鉄粉を手袋に混入することにより、ゴム製手袋や樹脂製手袋の破片および破砕粉の回収を確実かつ容易にするという、従来にはない発想で、長年未解決であった課題を解決することが可能な手袋を提供することを目的とする。

本考案の手袋は、ゴム、合成樹脂または合成樹脂フィルムから形成された厚さ０．０１〜３ｍｍの手袋本体からなり、該手袋本体に黒色酸化鉄粉が混入されてなることを特徴とする。

また、前記黒色酸化鉄粉のゴム、合成樹脂または合成樹脂に対する配合率が２０〜８０重量％であることが好ましい。

また、前記黒色酸化鉄粉の粒径が０．１〜１μｍであることが好ましい。

本考案によれば、ゴム製手袋や樹脂製手袋に、黒色酸化鉄粉が混入されているので、食品内に万が一手袋の破片が混入してしまった場合であっても、磁力により確実かつ容易に手袋の破片を回収することができる。また、確実にゴム製手袋や樹脂製手袋の破片を回収することができるので、人的労力を減らすことができ、工場内で破片の紛失によりラインをストップする必要がなくなり、ラインをストップするリスクを大幅に減らすことができ、工場経営者、食品会社の精神的な負担をも大幅に減らすことができる。さらに、黒色酸化鉄粉を用いているので、金属探知機、Ｘ線センサによる異物の検知も可能である。

本考案の手袋を示す図である。（ａ）および（ｂ）は、本考案の手袋のＡ−Ａ線断面図である。

以下、添付図面を参照しつつ本考案の手袋について、詳細に説明する。

図１は、本考案の手袋を示す図であり、図２（ａ）および（ｂ）は、本考案の手袋のＡ−Ａ線断面図である。

図１および図２に示されるように、本考案の手袋本体１は、手袋本体１内に黒色酸化鉄粉２が混入されている。手袋本体１は、ゴム、合成樹脂または合成樹脂フィルムからなり、ゴムとしては、シリコーンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム、天然ゴム等を用いることができ、合成樹脂としては、軟質塩化ビニール樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ウレタン樹脂等を用いることができるが、特に限定されることはない。また、手袋本体１の形状も特に限定されることはなく、手首まで覆うものだけでなく、肘または肩までの手袋本体１であっても構わない。

本考案の手袋本体１は、たとえばポリエチレン樹脂の場合、黒色酸化鉄粉２が混入された２枚のポリエチレン樹脂フィルムを溶断、溶着などして作られるが、特に製法は限定されるものではなく、公知の製法を用いることができる。

また、手袋本体１の厚さは、０．０１〜３ｍｍであることが好ましい。手袋本体１の厚さは、作業する用途によって、適宜変更され、たとえば細かい作業が必要になる場合は、薄くし、パンなどの熱いものを扱う場合には、厚さを厚くすることができる。

本考案の手袋本体１には、図２に示されるように、黒色酸化鉄粉２が均一に混入されており、万が一手袋本体１が破損した場合であっても、マグネットキャッチャー等により、破片の回収が容易である。

また、黒色酸化鉄粉２のゴムまたは合成樹脂に対する配合率は、２０〜８０重量％であり、さらに好ましくは３０〜６０％である。また、黒色酸化鉄粉２の粒径は、０．１〜１μｍであることが好ましく、当該粒径により、手袋本体１内に均一に分散される。

黒色酸化鉄粉２の粒径としては、０．１〜１μｍの範囲のものが採用されるため、粒径が非常に小さいため、ゴム、合成樹脂に混ぜやすいという利点と、酸化しているため耐酸性があり、さびにくいという利点、および手袋本体１内に均一に分散するという利点があり、着磁性にすぐれ、磁力を受けやすいというさらなる利点がある。黒色酸化鉄粉２は市販されているものを採用することができる。

また、黒色酸化鉄粉２を用いているため、マグネットキャッチャーに充分に吸着されるだけでなく、金属探知機、Ｘ線センサでも混入した手袋の破片を検出することが可能である。

このようにして、黒色酸化鉄粉２が均一に混入された手袋本体１を食品工場や医薬品工場や化粧品工場で用いることにより、万が一手袋が破損し、食品や医薬品に混入した場合であっても、マグネットキャッチャー、金属探知機、Ｘ線センサのいずれかによって、確実に食品内、医薬品内への異物の混入を検出することが可能である。

１手袋本体
２黒色酸化鉄粉

Claims

ゴム、合成樹脂または合成樹脂フィルムから形成された厚さ０．０１〜３ｍｍの手袋本体からなり、該手袋本体に黒色酸化鉄粉が混入されてなる手袋。
前記黒色酸化鉄粉のゴム、合成樹脂または合成樹脂に対する配合率が２０〜８０重量％である請求項１記載の手袋。
前記黒色酸化鉄粉の粒径が０．１〜１μｍである請求項１または２記載の手袋。