JPH0313304Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は創傷面等にパツドを当てがつて貼着使
用する救急絆創膏の改良に関するものである。

〔従来の技術〕

この種の救急絆創膏は、会社内や工場、さらに
は病院、学校、一般家庭等において、手足や指、
顔などの小さな傷の手当に常時使用され、日常、
必須不可欠な医療用品となつている。

所が、いずれの絆創膏においても粘着シートの
粘着剤によつて人体の皮膚に接着させている為、
時によつては皮膚から脱落する場合がある。

この場合、絆創膏が通常の作業所や事務所など
で脱落しても大した問題が生じないが、食品工場
や医薬、医療衛生品等の生産現場で脱落した時に
は、その製造工程の原料や中間製品、或いは完成
品に混ざり込む場合が生じ、衛生上においても爾
後に大きな問題が生じる虞れがある。

〔考案が解決しようとする課題〕

このため従来から、このような現場においては
原料や製品に対する絆創膏の混入を作業員による
黙視検査に頼つているが、黙視による検査方法で
は確実な検出ができなく、見過ごす場合が生じる
という問題点があつた。

本考案はこのような問題点を解消し、原料や製
品等に混入した場合に、確実に検出できるように
構成した救急絆創膏の提供を目的とするものであ
る。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、本考案の救急絆創
膏は、実施例に対応する図面に示すように、シー
ト材よりなる支持体２上に粘着層５を設け、この
粘着層５の中央部にパツド６を貼着すると共に該
パツド６を剥離紙７，８により被覆してなる救急
用絆創膏において、前記粘着シート１の支持体２
に、該支持体２のの構成要素の一部として金属材
３を配設していることを特徴とするものである。

そして、上記支持体２としては、金属粉体３ａ
を混入した樹脂フイルム、或いは、合成繊維糸又
は天然繊維糸２ａと金属細糸３ｂとにより織成さ
れたもの、又は、繊維間に金属粉体３ａを介在さ
せた不織布より構成することが好ましい。

（作用） 食品工場や医薬、医療衛生品等の生産工程中に
金属探知器を配設しておき、原料や中間製品、或
いは完成品を金属探知器に通過させると、作業中
に脱落した救急絆創膏がこれらの物品中に混入し
ている場合に、絆創膏の粘着シート１の基材を構
成している支持体２には金属材３を配設している
ので、該金属材３が金属探知器によつて探知され
て絆創膏が混入している物品を確実に検出するこ
とができる。

（実施例） 本考案の実施例を図面について説明すると、１
は粘着シートで、長方形状その他の適宜な形状に
裁断された軟質樹脂フイルム、不織布或いは適宜
の布地よりなる支持体（バツキング）２の上面に
下塗剤４を介して粘着剤５を塗布してなるもので
ある。

下塗剤４は支持体２と粘着剤５との接着性（投
錨性）を強固にするために設けられているもので
あり、又、上記支持体２には該支持体２の構成要
素の一部として金属材３を配設してある。

この支持体２に金属材３を配設した構造として
は、支持体２が第３図に示すように、軟質合成樹
脂フイルムよりなる場合には、合成樹脂材料にア
ルミ粉、鉄粉等の金属粉体３ａを均一に混入して
おき、この合成樹脂材料によつてフイルムを成形
したものが使用され、又、支持体２が布地よりな
る場合には、第４図に示すように、合成繊維糸又
は天然繊維糸２ａとアルミなどの金属細糸３ｂと
により織成されたものが使用されるものであり、
さらに、支持体２が不織布よりなる場合には、第
５図に示すように、不織布の絡み合つた繊維の隙
間部にアルミ粉、鉄粉等の金属粉体３ａを全面に
亘つて略均一に混入させたものが使用される。

６は粘着シート１の上面中央部に貼着したガー
ゼ等よりなるパツド、７，８はその外端部を粘着
剤４に仮接着した一対の剥離紙で、内端部を互い
に重合わせてパツド６を被覆してある。

なお、金属粉体３ａとしては、アルミ粉、鉄粉
以外に粉径が10μ以下の高感度γ型酸化第二鉄又
は四三酸化鉄などの磁性材を使用してもよく、さ
らに、このような金属粉体３ａを顔料と共に合成
樹脂材料に混合し、これによつて金属粉体３ａを
混入している着色合成樹脂フイルムないしはシー
トよりなる支持体２を形成してもよい。

このように構成した救急絆創膏は、剥離紙７，
８を剥離してそのパツド６を創傷面等に当てがつ
て貼着することにより使用されるが、食品や医療
品等の製造工程中に、作業員の指等から不測に剥
脱して原料や中間製品などに混入しても、金属探
知器によつて簡単且つ確実に検出することができ
るものである。

（考案の効果） 以上のように本考案の救急絆創膏によれば、絆
創膏主体の粘着シート１の支持体２に、該支持体
２の構成要素の一部として金属材３を配設してい
るので、食品工業や医薬、医療衛生品等の生産現
場において、作業員の指等から絆創膏が不測に脱
落して原料や中間製品、或いは完成品等に混入し
ても、製造工程中に金属探知器を配設して該金属
探知器を通過させることにより又は、金属探知器
を単独で使用することにより、原料等に混入した
救急絆創膏を容易且つ確実に検知することがで
き、該救急絆創膏を混入した物品を除去して衛生
管理上からも安定した製品を供給できるものであ
る。

さらに、金属材３は金属粉体３ａや金属細線３
ｂとして支持体２の一部を構成しているものであ
るから、粘着シート１の柔軟性を損なうことな
く、さらには異物感を与えることなく、通常の救
急絆創膏と同様に使用することができるものであ
る。

又、金属粉体３ａと共に顔料を混合した合成樹
脂材によつて着色支持体２を形成しておけば、そ
の色彩によつて自社製品と他者製品との区別が可
能となり、救急絆創膏が混入した食品や医療品が
発見されても、自社独自の色彩によつて他社の製
品とを明瞭に区別できるから、自社の事故ではな
いことが直ちに判明することができる等の多大な
効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
剥離紙を剥離している状態の斜視図、第２図は縦
断側面図、第３図は例１の一部拡大断面図、第４
図は例２の一部拡大断面図、第５図は例３の一部
拡大断面図である。 １……粘着シート、２……支持体、３，３ａ，
３ｂ……金属材、５……粘着層、６……パツド、
７，８……剥離紙。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 粘着シート１の粘着層５の中央部にパツド６
   を貼着すると共に該パツド６を剥離紙７，８に
   より被覆してなる救急用絆創膏において、前記
   粘着シート１の基材を形成している支持体２
   に、該支持体２の構成要素の一部として金属材
   ３を配設していることを特徴とする救急絆創
   膏。 支持体２は金属粉体３ａを混入した樹脂フイ
   ルムよりなる請求項記載の救急絆創膏。 支持体２は合成繊維糸又は天然繊維糸２ａと
   金属細糸３ｂとにより織成されたものである請
   求項記載の救急絆創膏。 支持体２は繊維間に金属粉体３ａを介在させ
   た不織布よりなる請求項記載の救急絆創膏。