JP3148872B2 - 鋳造物用移送装置 - Google Patents

鋳造物用移送装置

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JP3148872B2
JP3148872B2 JP16388293A JP16388293A JP3148872B2 JP 3148872 B2 JP3148872 B2 JP 3148872B2 JP 16388293 A JP16388293 A JP 16388293A JP 16388293 A JP16388293 A JP 16388293A JP 3148872 B2 JP3148872 B2 JP 3148872B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋳造物を加工装置間で
移送するために使用する鋳造物用移送装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、鋳造物を製造するに当たっては、
鋳造機の金型から取出された鋳造物をコンベア等の搬送
装置に載せ、この搬送装置によって次工程の装置へ搬送
していた。鋳造工程の次工程としては、鋳造物を冷却さ
せる冷却工程、鋳造物から中子用の砂をふるい落とす砂
落とし工程、湯口部を切断する湯口切断工程等がある。
【0003】そして、これらの工程中では、搬送装置に
より搬送された鋳造物を移送装置によって取出し、その
工程の作業機械(冷却装置,砂落とし装置および湯口切
断装置等)に移送して各種作業が行われていた。なお、
前記移送装置としては、鋳造物を把持して作業機械に移
送する構造のものが使用されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、このように
鋳造物を各作業機械へ移送すると、鋳造物の加工位置
(例えば湯口切断装置では切断位置)が予め定めた位置
からずれてしまうことがあった。これは、鋳造物を鋳造
機から搬送装置へ移載するときと、この搬送装置から移
送装置が取出すときにそれぞれ位置決め誤差があり、そ
れぞれの誤差が加算されてしまうからであった。すなわ
ち、鋳造物毎に移載位置が僅かにずれることに起因して
加工位置がずれてしまう。
【0005】本発明はこのような問題点を解消するため
になされたもので、鋳造物を作業機械に対して正確な位
置に位置決めして鋳造物毎に加工位置がずれるのを防ぐ
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係る鋳造物
用移送装置は、箱体を鋳造機に隣接して配置し、この箱
体内に、鋳造物保持用のロボットおよびこのロボットと
協働して作業を行う作業機械を固定し、前記鋳造機の金
型を前記ロボットの動作領域内に位置づけて鋳造物をこ
の金型からロボットによって直接取出す構造としたもの
である。
【0007】第2の発明に係る鋳造物用移送装置は、前
記第1の発明に係る鋳造物用移送装置において、ロボッ
トを、作業機械での作業が終了するまで鋳造物を継続し
て保持する構造としたものである。
【0008】
【作用】第1の発明では、金型が実質的に位置決め用部
材となり、ロボットに対する鋳造物の位置が鋳造物毎に
同一になる。
【0009】第2の発明では、ロボットと鋳造物との相
対的な位置が金型から鋳造物を取出したときの位置に対
して変わることなく作業機械による作業が行われる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1ないし図12
によって詳細に説明する。図1は本発明に係る鋳造物用
移送装置を採用した鋳造物用工作機械の平面断面図、図
2は図1における砂落とし切断キャビネットのII−II線
断面図、図3は図1における冷却装置のIII−III線断面
図、図4は図1における砂落とし装置のIV−IV線断面
図、図5は図1における湯口切断装置のV−V線断面図で
ある。
【0011】図6は溶湯を供給している状態を示す鋳造
機の側面図、図7は鋳造物を凝固させている状態を示す
鋳造機の側面図、図8は鋳造物が取出される直前の状態
を示す鋳造機の側面図である。図9は本発明に係る鋳造
物用移送装置が鋳造物を把持するために用いる砂落とし
切断ハンドの正面図で、同図では部分的に破断して描い
てある。図10は砂落とし切断ハンドの側面図、図11
は図9におけるハンド基部のXI−XI線断面図、図12は
砂落とし切断ハンドの鋳造物支持状態を示す側面図で、
同図(a)は鋳造物を弾性支持している状態を示し、同
図(b)は鋳造物を剛直に支持している状態を示す。
【0012】これらの図において、符号1は本発明に係
る鋳造物用工作機械である。この鋳造物用工作機械1
は、鋳造機2を有するユニット式工作機械としての鋳造
キャビネット3と、荒加工用のユニット式工作機械とし
ての砂落とし切断キャビネット4と、仕上げ加工用のユ
ニット式工作機械としての仕上げキャビネット5とから
形成され、エンジンのインテークマニホールドを鋳造し
て仕上げるように構成されている。そして、鋳造キャビ
ネット3、砂落とし切断キャビネット4および仕上げキ
ャビネット5は、砂落とし切断キャビネット4を角に位
置づけて平面視L字状に配置されている。
【0013】前記各キャビネットは、箱体6内に後述す
る垂直多関節ロボット7と、このロボット7と協働して
作業を行う各種作業機械等を配置して形成されている。
各種作業機械としては、鋳造キャビネット3では鋳造機
2、シェルマシン8およびコアフィニッシャー9であ
り、砂落とし切断キャビネット4では冷却装置10、砂
落とし装置11および湯口切断装置12である。また、
仕上げキャビネット5ではステンレスショット装置13
および圧力検査装置14である。
【0014】前記箱体6は図2に示すように、それぞれ
平板状に形成された床板15,側板16および天井板1
7によって略立方体状に形成され、床板15から下方へ
向けて突設された脚18によって工場床面19に載置固
定されている。すなわち、この箱体6は、床板15と工
場床面19との間に空間Sが設けられている。そして、
この箱体6の工場床面19に対する固定は、脚18の下
端を工場床面19に固定するボルト(図示せず)等の固
定部材を外すことによって、箱体6が工場床面19に対
して移動可能となるように構成されている。
【0015】すなわち、各キャビネット3,4,5は、
箱体6内に各種作業機械を配置することによってユニッ
ト式工作機械として形成されることになる。
【0016】また、各キャビネット3,4,5に配設さ
れた垂直多関節ロボット(以下、単にロボットという)
7は図2に示すように、前記箱体6の床板15上に固定
された基台20と、この基台20上に鉛直方向軸線回り
に回動自在かつ水平方向へ移動自在に連結されたロボッ
ト本体21とから構成されている。また、このロボット
本体21の先端には自動ハンド交換装置22が取付けら
れ、この自動ハンド交換装置22を介してロボットハン
ドが着脱自在に装着されている。図2では後述する砂落
とし切断キャビネット4で鋳造物Wを把持する砂落とし
切断ハンド23が取付けられている。なお、図1に示し
た鋳造キャビネット3のロボット7には、鋳造機2へ溶
湯を供給する柄杓状の溶湯汲み出しハンド24が取付け
られている。また、仕上げキャビネット5のロボット7
には前記砂落とし切断ハンド23と同等の仕上げハンド
(図示せず)が取付けられている。
【0017】そして、このロボット7はロボットハンド
の先端部を図中一点鎖線Aで示す範囲内に移動させるこ
とができるように構成されている。
【0018】以下、各キャビネットの構成についてさら
に詳細に説明する。鋳造キャビネット3の箱体6は、作
業者が出入りするための出入口25と、鋳造機2を目視
点検するための点検口26と、ロボット7が溶湯を鋳造
機2に供給するときにロボット7の先端部を通すための
作業口27とが開口されている。28は前記出入口25
を開閉させる手動扉、29は前記点検口26を開閉させ
る手動扉である。
【0019】さらに、この箱体6内に位置する符号30
で示すものはハンド仮置台で、鋳造キャビネット3に隣
接して設けられた溶解炉31から溶湯を汲み出す溶湯汲
み出しハンド24や、シェルマシン8、コアフィニッシ
ャー9等で用いるロボットハンド(図示せず)が載置さ
れる構造になっている。
【0020】この鋳造キャビネット3内に配置された鋳
造機2は傾斜鋳造機であって、エンジンのインテークマ
ニホールドを鋳造する従来周知のものである。この鋳造
機2は、図6〜図8に示すように、基台32に水平な支
軸33を介して金型装置34を揺動自在に支持させた構
造になっている。35および36は前記金型装置34を
揺動させるための油圧シリンダで、これらの油圧シリン
ダ35,36は下側に位置するシリンダ部が基台32に
枢支されると共にピストンロッドの上端が金型装置34
に連結されている。そして、油圧シリンダ35のシリン
ダ部は前記支軸33に対して揺動方向一方に配置され、
油圧シリンダ36のシリンダ部は他方に配置されてい
る。
【0021】金型装置34は側面視略L字状に形成され
た装置本体34aと、この装置本体34aに昇降機構3
4bを介して昇降自在に支持された下金型37と、装置
本体34aの上端部に開閉機構34cを介して連結され
て下金型37と対向する上金型38と、前記下金型37
にスライド機構34dを介して取付けられて上下金型の
合わせ面と平行な方向へ移動自在に構成された溶湯ガイ
ド39とを備えている。前記開閉機構34cは、装置本
体34aの上端部に水平な支軸40を介して回動自在に
支持されており、装置本体34aに枢支された開閉用油
圧シリンダ41によって回動される構造になっている。
また、この開閉機構34cに設けられた上金型38は、
鋳造物Wをキャビティから押し出す離型装置38aが装
着されている。
【0022】そして、このように構成された鋳造機2
は、図8に示すように上金型38を開いた状態でこの上
金型38が砂落とし切断キャビネット4のロボット7の
動作領域A内に位置づけられるような位置に設置されて
いる。
【0023】ここで、この鋳造機2によって鋳造物Wを
鋳造する手順を説明する。先ず、上下金型をその内部に
中子(図示せず)を装填した状態で型締めし、図6に示
すように金型装置34を傾斜させて溶湯ガイド39に溶
湯(図示せず)を流し込む。この注湯は、鋳造キャビネ
ット3に隣接する溶解炉31から鋳造キャビネット3の
ロボット7によって溶湯を汲み出し、このロボット7の
柄杓状の溶湯汲み出しハンド24を図6に示すように溶
湯ガイド39の上方で傾けることによって行う。
【0024】注湯後、金型装置34を図7に示すように
上下両金型が鉛直方向に並ぶように起立させ、溶湯を凝
固させる。凝固後、図8に示すように金型装置34を注
湯時とは反対側へ傾斜させ、下金型37を下降させると
共に溶湯ガイド39を下金型37の側方へ移動させる。
このとき、鋳造物Wは上金型38に装着された状態とな
る。そして、油圧シリンダ41によって開閉機構34c
を図中左回りに回し、上金型38の合わせ面を上方へ向
ける。
【0025】その後、上金型38の離型装置38aによ
り鋳造物Wを上金型38から上方へ突出させることによ
って、鋳造工程が終了する。鋳造後は、図8中に二点鎖
線で示すように、砂落とし切断キャビネット4のロボッ
ト7によって鋳造物Wが上金型38から上方へ取出さ
れ、次工程へ移送される。
【0026】前記砂落とし切断キャビネット4は、箱体
6の略中央部にロボット7が配置され、側板16に沿う
ように冷却装置10、砂落とし装置11および湯口切断
装置12が配置されている。この砂落とし切断キャビネ
ット4のロボット7が本発明に係る鋳造物用移送装置を
構成している。そして、この砂落とし切断キャビネット
4では、ロボット7によって鋳造機2から鋳造物Wを取
出し、冷却装置10→砂落とし装置11→湯口切断装置
12へと順次移送して鋳造物Wの荒加工が行われる。
【0027】この砂落とし切断キャビネット4の箱体6
は、鋳造物Wを前記鋳造キャビネット3から箱体6内に
搬入させるための搬入口42と、箱体6内から次工程の
仕上げキャビネット5へ搬出させるための搬出口43
と、作業者が出入りするための出入口44と、箱体内を
目視点検するための点検口45とが側板16に開口され
ている。前記搬入口42および搬出口43はそれぞれ自
動扉42a,43aによって開閉されるように構成さ
れ、出入口44および点検口45は手動扉44a,45
aによって開閉されるように構成されている。
【0028】この砂落とし切断キャビネット4のロボッ
ト7は、ロボット本体21のアームの剛性がロボットハ
ンド(砂落とし切断ハンド23)より低くなるように形
成されている。この関係から、砂落とし切断ハンド23
が把持した鋳造物Wを作業機械(冷却装置10、砂落と
し装置11および湯口切断装置12)に位置決めすると
きに位置ずれが生じることがあるが、本実施例ではロボ
ット7に作業機械との相対的な位置を検出するセンサを
設け、このセンサによって検出された位置ずれをロボッ
ト7にフィードバックして自動的に位置補正するように
構成されている。
【0029】このロボット7に取付けられる砂落とし切
断ハンド23は、図9〜図12に示すように、ロボット
7の自動ハンド交換装置22に着脱自在に連結されるハ
ンド基部51と、このハンド基部51にボルト止めされ
た把持部52とから構成されている。このように自動ハ
ンド交換装置22を介して砂落とし切断ハンド23をロ
ボット7に取付けるようにすると、自動工具交換装置2
2からハンド基部51を外すことによって、鋳造物Wの
種類に応じて砂落とし切断ハンド23を交換することが
できる。
【0030】前記ハンド基部51は、自動ハンド交換装
置22が係入する係合穴53が形成された連結ブロック
54と、この連結ブロック54と一体的に形成され、図
9において下方に向けて開口する有底角筒状の支持部材
55と、この支持部材55の中空部内に配置されて支持
部材55にゴムからなる弾性体56を介して連結された
平面視ロ字状の枠部材57とから形成されている。弾性
体56は支持部材55の各内側面と、この内側面に対向
する枠部材57の各外側面とに横架されており、一側部
に2個ずつ配設されている。このため、この砂落とし切
断ハンド23では図11に示すように8個の弾性体56
が取付けられている。
【0031】すなわち、ハンド基部51における連結ブ
ロック54および支持部材55はロボット7に自動ハン
ド交換装置22を介して剛直に支持されるが、枠体57
は弾性支持されることになる。
【0032】58は前記支持部材55と枠部材57とを
選択的に剛直に結合するためのロック機構である。この
ロック機構58は、支持部材55の4側部に固着された
エアシリンダ58aによってロックピン58bを枠部材
57のピン孔58cに嵌入させたり引き抜いたりする構
造になっている。エアシリンダ58aは支持部材55の
外側部であって一側部当たり2つ設けられた前記弾性体
56の間となる位置に配置されている。このため、エア
シリンダ58aは図11に示すように4個配設されてい
る。
【0033】すなわち、図9に示すようにロックピン5
8bがピン孔58cから引き抜かれている状態では、支
持部材55に枠部材57が弾性体56を介して連結され
ていわゆるフローティング支持されることになる。ま
た、ロックピン58bを同図中二点鎖線で示すようにピ
ン孔58cに嵌入させた状態では、支持部材55に枠部
材57が剛直に支持されることになり、両者がロックさ
れた状態になる。
【0034】また、前記枠部材57のピン孔58cは、
枠部材57に穿設された空気通路57aと、枠部材57
に取付けられた空気管57bとを介して不図示の圧力供
給源に連通されている。このように構成すると、上述し
たようにフローティング支持状態から剛直支持状態へ切
換えるに当たり、ピン孔58cに圧力空気を吹き込ませ
ることによってピン孔58c内に入り込んだ異物を除去
することができるので、ロックピン58bを円滑にピン
孔58cに嵌入させることができる。なお、剛直支持状
態からフローティング状態へ切換えるときに圧力空気を
吹き込ませるとと、ロックピン58bをピン孔58cか
ら引き抜く動作を空気圧力によって助勢することができ
る。
【0035】前記把持部52は、前記枠体57にボルト
59によって固定されたベース板60と、このベース板
60の2側部に取付けられた一対のチャック61とから
形成されている。各チャック61は、爪片62を備えた
クランプ軸63をエアモータ64によって往復移動させ
つつ軸心回りに回動させ、鋳造物Wを爪片62と受け部
材65とで挟持するように構成されている。前記エアモ
ータ64はベース板60と一体化されたギヤボックス6
0aに固定され、その出力軸64aにはねじ歯車66が
固着されている。
【0036】一方、前記クランプ軸63はギヤボックス
60aに軸心回りに回動自在かつ軸線方向に沿って移動
自在に支持され、前記ねじ歯車66と噛み合うねじ歯車
67が螺合している。なお、このねじ歯車67はクラン
プ軸63の軸線方向への移動を規制された状態でクラン
プ軸63に取付けられている。すなわち、エアモータ6
4が駆動されて出力軸64aと共にねじ歯車66が回転
すると、これに応じてクランプ軸63側のねじ歯車67
が回転し、このねじ歯車67に螺合するクランプ軸63
が軸線方向へ移動することになる。また、このクランプ
軸63は、外周部に形成された凹溝63aとギヤボック
ス60a側のガイドピン68との係合によって軸心回り
の回動が規制され、図9に示した鋳造物把持位置から下
方へ移動するときには同時に軸心回りに90度回動する
構造になっている。このときの回動方向は、爪片62の
先端が図9の紙面から下方へ移動するような方向とされ
ている。
【0037】この砂落とし切断ハンド23では、クラン
プ軸63を図10中に二点鎖線Bで示すようにベース板
60から突出させて爪片62を受け部材65の下方から
外した状態で鋳造物Wに受け部材65をあてがい、その
後、クランプ軸63をベース板60側へ移動させること
によって鋳造物Wを把持することになる。すなわち、爪
片62がベース板60側へ移動すると共に受け部材65
の下方へ揺動することになり、爪片62と受け部材65
とで鋳造物Wを挟持することになる。なお、鋳造物Wを
離すときには上記とは逆の手順で行われる。そして、本
実施例で示した砂落とし切断ハンド23はチャック61
が2つ設けられている関係から、鋳造物Wを同時に2個
把持することができる。
【0038】砂落とし切断キャビネット4に設けられた
冷却装置10は、鋳造直後で比較的高温な鋳造物Wを冷
却させるためのもので、図3に示したように内部に鋳造
物Wを臨ませた状態でこの鋳造物Wに不図示のノズルか
ら水を吹き付ける構造になっている。冷却に使用した水
は下部ホッパ部10aから床下の配水管71へ排出され
る。
【0039】前記砂落とし装置11は、鋳造物Wから中
子用の砂を落とすもので、図4に示すように、箱体6の
床板15に立設された打撃装置11aと、この打撃装置
11aの下方に位置する砂捕集用ホッパ11bとから構
成されている。前記打撃装置11aは、エアシリンダ内
に圧縮空気を送ることによりハンマを往復動させる構造
になっている。すなわち、同図に示すようにロボット7
によって鋳造物Wをこの打撃装置11aに押し付けるこ
とによって、鋳造物Wに振動が加えられて鋳造物Wの中
子用の砂を振り落とすことができる。また、前記ホッパ
11bは、上方から落下する砂を床板15の下方へ排出
する構造になっている。なお、このホッパ11bの砂排
出口11cの下方であって床板15と工場床面11との
間の空間Sには、砂回収用コンベア72が配置されてい
る。
【0040】前記湯口切断装置12は、鋳造物Wの湯口
を切断するもので、前記砂落とし装置11に隣接して配
置された湯口切断機73と、この湯口切断機73によっ
て湯口を切断したときに生じる切粉や凝固した押湯を補
集するホッパ74とから構成されている。前記湯口切断
機73は円盤状カッター73aを鉛直方向軸線回りに回
転させる構造になっている。すなわち、この湯口切断機
73では、図5に示したように、ロボット7によって鋳
造物Wを円盤状カッター73aに対して側方から移動さ
せることによって、鋳造物Wの湯口を切断することがで
きる。このようにすると、切断された湯口が斜め下方へ
飛散するから、回収が容易である。また、図5に示した
ように円盤状カッター73aのカッター面がロボット7
の大質量部分(ロボット本体21の下側部分)と略同じ
高さに位置づけられているから、ロボット7が熱膨張し
たとしてもカッター面に対してずれる量は少なく、正確
に切断を行うことができる。
【0041】前記ホッパ74は、補集部74aの上方が
すのこ部材74bによって覆われている。補集部74a
は上方から落下する切粉を切粉排出口74cから床板1
5の下方へ排出し、床板15と工場床面19との間の空
間Sに位置する切粉回収用コンベア75に導く構造にな
っている。前記すのこ部材74bは、図1において上側
へ向かうにしたがって次第に低くなるように傾斜されて
いる。また、すこの部材74bの最も低くなる部分の下
方には、押湯回収用コンベア76が配置されている。こ
の押湯回収用コンベア76も床板15と工場床面19と
の間の空間Sに設置されている。
【0042】すなわち、この湯口切断装置12によれ
ば、鋳造物Wの湯口を円盤状カッター73aで切断した
ときに生じる比較的小径な切粉は、すのこ部材74bに
形成された隙間を通ってその下方に位置する補集部74
aに落下し、この補集部74aから切粉排出口74cを
介して切粉回収用コンベア75に排出される。また、鋳
造物Wから切断された湯口はすのこ部材74b上を転が
るようにして図1において上側へ移動し、すのこ部材7
4bの最も低い部分から落下して押湯回収用コンベア7
6に排出される。
【0043】この砂落とし切断キャビネット4の箱体6
内に配置された符号77で示すものは砂落とし切断ハン
ド23を仮置きするためのハンド仮置台である。このハ
ンド仮置台77は、把持可能な鋳造物Wの外形が異なる
砂落とし切断ハンド23を複数載置させるために複数個
配置されている。その配置位置は、箱体6の角となる部
位とされている。そして、このハンド仮置台77に砂落
とし切断ハンド23を仮置きするに当たっては、ロボッ
ト7に連結したままハンド仮置台77上に載置させ、そ
の状態で自動ハンド交換装置22から切り離して行われ
る。
【0044】そして、この砂落とし切断キャビネット4
では、ロボット7の動作領域が狭くて済む設備(ハンド
仮置台77)が箱体6内の角地に配置され、ロボット7
によって鋳造物Wを移動させながら処理を行うようなロ
ボット7の動作領域が広く必要な設備(砂落とし装置1
1や湯口切断装置12等)がロボット7の近くに、言い
換えれば懐の深い所に配置されている。ハンド仮置台7
7を上述したようにロボット7の動作領域の端部(遠
く)に位置づけると、ロボットハンドを交換するときに
自動ハンド交換装置22のロボット側端部がハンド仮置
台77上のロボットハンドに対して連結位置や連結角度
がずれ易くなる。ところが、本実施例で使用するロボッ
ト本体21はロボットハンド(砂落とし切断ハンド2
3)より剛性が低く柔軟性があるため、このロボットハ
ンド21が僅かに弾性変形することによって前記位置ず
れが解消され、多少の位置ずれは無関係にロボットハン
ドを連結させることができる。
【0045】前記仕上げキャビネット5は、前記砂落と
し切断キャビネット4で荒加工された鋳造物Wを仕上げ
るもので、ステンレスショット装置13および圧力検査
装置14を箱体6内に配置して構成されている。78は
この仕上げキャビネット5の箱体6に設けられた作業者
用出入口、78aはこの出入口78を開閉する手動扉で
ある。また、79は砂落とし切断キャビネット4から鋳
造物Wが搬送される鋳造物受取室、79aは鋳造物Wを
仮置きするためのワーク保持台、80はこの鋳造物受取
室79の内部を点検するための点検扉である。81はこ
の仕上げキャビネット5で仕上げられた鋳造物Wを箱体
6内から搬出するためのコンベアである。
【0046】次に、上述したように構成された各キャビ
ネット3,4,5からなる鋳造物用工作機械1の動作を
本発明に係る鋳造物用移送装置の動作も合わせて説明す
る。鋳造キャビネット3によって鋳造された鋳造物W
は、図8中に二点鎖線で示したように、砂落とし切断キ
ャビネット4のロボット7が上金型38から鋳造物Wを
直接取出され、このロボット7によって砂落とし切断キ
ャビネット4の箱体6内に移送される。
【0047】砂落とし切断キャビネット4では、先ず、
鋳造物Wは冷却装置10に移送されて冷却され、次い
で、砂落とし装置11に移送されて中子用の砂が落とさ
れ、その後に湯口切断装置12に移送されて湯口が切断
される。鋳造物Wから中子用の砂を落とすときには、図
12(a)に示すように砂落とし切断ハンド23がフロ
ーティング状態とされる。このようにすると、鋳造物W
に加えられた振動がロボット7へ伝わることなく砂落と
しを行うことができる。また、鋳造物Wから湯口を切断
するときには、図12(b)に示すように砂落とし切断
ハンド23が剛直支持状態とされる。このようにする
と、鋳造物Wを剛直に支持できる関係から切断位置がず
れるようなことがなく、切断作業を正確に行うことがで
きる。
【0048】なお、上述したようにフローティング支持
状態,剛直支持状態とを切換えるに当たっては、ロボッ
ト本体21のアーム部分を一旦縮ませ、鋳造物Wが真下
になるように砂落とし切断ハンド23を鉛直軸に沿わせ
た状態で行う。このようにすると、鋳造物Wの重量によ
る弾性体56の撓みを少なくしてロックピン58bとピ
ン孔58cとのずれが減り、剛直支持させるときにはロ
ックピン58bがピン孔58cに確実に嵌入するように
なると共に、フローティング支持させるときにはロック
ピン58bが円滑にピン孔58cから抜けるようにな
る。
【0049】また、前記フローティング支持状態、剛直
支持状態の切換えは冷却装置10でも行うことができ
る。すなわち、砂落とし切断ハンド23を図12(a)
に示すように横倒しにして冷却を行う場合には、剛直支
持状態とすれば下方に位置するピン孔58cに冷却水が
溜まるのを防ぐことができる。また、砂落とし切断ハン
ド23を図12(b)に示すように正立状態として冷却
を行う場合には、フローティング支持状態とすることに
よってピン孔58c内を冷却水によって洗浄することが
できる。なお、この状態ではピン孔58cに冷却水が溜
まってしまうことはない。
【0050】砂落とし切断キャビネット4で荒加工が終
了した後、鋳造物Wは仕上げキャビネット5に搬送さ
れ、ステンレスショット装置13および圧力検査装置1
4にかけられて所定の処理が施される。全ての作業が終
了した後、鋳造物Wはコンベア81に載せられて仕上げ
キャビネット5から搬出される。
【0051】したがって、砂落とし切断キャビネット4
のロボット7によって鋳造機2の上金型38から鋳造物
Wを直接取出すため、鋳造機2の上金型38が実質的に
位置決め用部材になり、ロボット7が鋳造物Wを把持す
るに当たっては必ず同一の位置から取出すようになる。
また、砂落とし切断キャビネット4のロボット7は、こ
のキャビネットの全工程が終了するまで鋳造物Wを継続
して把持するため、ロボット7と鋳造物Wとの相対的な
位置が上金型38から鋳造物Wを取出したときの位置に
対して変わることなく各作業機械による作業が行われ
る。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように第1の発明に係る鋳
造物用移送装置は、箱体を鋳造機に隣接して配置し、こ
の箱体内に、鋳造物保持用のロボットおよびこのロボッ
トと協働して作業を行う作業機械を固定し、前記鋳造機
の金型を前記ロボットの動作領域内に位置づけて鋳造物
をこの金型からロボットによって直接取出す構造とした
ため、金型が実質的に位置決め用部材となり、ロボット
に対する鋳造物の位置が鋳造物毎に同一になる。 この
ため、ロボットが鋳造物を保持するに当たって鋳造物毎
に保持位置が変わるようなことがない。
【0053】第2の発明に係る鋳造物用移送装置は、前
記第1の発明に係る鋳造物用移送装置において、ロボッ
トを、作業機械での作業が終了するまで鋳造物を継続し
て保持する構造としたため、ロボットと鋳造物との相対
的な位置が金型から鋳造物を取出したときの位置に対し
て変わることなく作業機械による作業が行われる。この
ため、鋳造物Wの加工位置を全ての鋳造物にわたって同
一とすることができる。
【0054】したがって、本発明によれば、ロボットに
対する鋳造物の位置および作業機械に対する鋳造物の位
置を全ての鋳造物にわたって正確に位置決めすることが
できるから、鋳造物毎に加工位置がずれるのを確実に防
ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る鋳造物用移送装置を採用した鋳造
物用工作機械の平面断面図である。
【図2】図1における砂落とし切断キャビネットのII−
II線断面図である。
【図3】図1における冷却装置のIII−III線断面図であ
る。
【図4】図1における砂落とし装置のIV−IV線断面図で
ある。
【図5】図1における湯口切断装置のV−V線断面図であ
る。
【図6】溶湯を供給している状態を示す鋳造機の側面図
である。
【図7】鋳造物を凝固させている状態を示す鋳造機の側
面図である。
【図8】鋳造物が取出される直前の状態を示す鋳造機の
側面図である。
【図9】本発明に係る鋳造物用移送装置が鋳造物を把持
するために用いる砂落とし切断ハンドの正面図で、同図
では部分的に破断して描いてある。
【図10】砂落とし切断ハンドの側面図である。
【図11】図9におけるハンド基部のXI−XI線断面図で
ある。
【図12】砂落とし切断ハンドの鋳造物支持状態を示す
側面図で、同図(a)は鋳造物を弾性支持している状態
を示し、同図(b)は鋳造物を剛直に支持している状態
を示す。
【符号の説明】
2 鋳造機 3 鋳造キャビネット 4 砂落とし切断キャビネット 5 仕上げキャビネット 6 箱体 7 ロボット 10 冷却装置 11 砂落とし装置 12 湯口切断装置 23 砂落とし切断ハンド 34 金型装置 38 上金型
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−344116(JP,A) 特開 平6−344287(JP,A) 特開 平6−246598(JP,A) 特開 平6−344248(JP,A) 特開 平5−38664(JP,A) 特開 平4−141356(JP,A) 特開 平4−171177(JP,A) 特開 昭61−71170(JP,A) 特開 昭61−63352(JP,A) 特開 平1−139462(JP,A) 特開 平5−318088(JP,A) 特開 平5−329619(JP,A) 実開 平6−560(JP,U) 実開 平6−5755(JP,U) 実開 平2−104165(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 29/00 B22D 31/00 B23Q 37/00 B23Q 41/04 B65G 47/90 B65G 61/00 B22D 29/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 床面、側面および天井面を有する箱体を
    鋳造機に隣接して配置し、この箱体内に、鋳造物を保持
    するロボットおよびこのロボットと協働して作業を行う
    作業機械を固定してなり、前記鋳造機の金型を前記ロボ
    ットの動作領域内に位置づけて鋳造物をこの金型からロ
    ボットによって直接取出す構造としたことを特徴とする
    鋳造物用移送装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の鋳造物用移送装置におい
    て、ロボットを、作業機械での作業が終了するまで鋳造
    物を継続して保持する構造としたことを特徴とする鋳造
    物用移送装置。
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