JP3148852B2 - 新規抗炎症剤 - Google Patents

新規抗炎症剤

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JP3148852B2
JP3148852B2 JP04292795A JP4292795A JP3148852B2 JP 3148852 B2 JP3148852 B2 JP 3148852B2 JP 04292795 A JP04292795 A JP 04292795A JP 4292795 A JP4292795 A JP 4292795A JP 3148852 B2 JP3148852 B2 JP 3148852B2
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佳子 阿部
澄 栗山
昭彦 藤原
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Sekisui Chemical Co Ltd
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  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規ペプチドを有効成分
として含む抗炎症剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】炎症反応は非アレルギー性炎症とアレル
ギー性炎症に大別される。カラゲニン浮腫に代表される
ような非アレルギー性炎症には、アスピリン(日経サイ
エンス、3巻、70頁、1991年)やインドメタシン
(Ther. Res., 3巻、1057頁、1985年)などの
非ステロイド性抗炎症剤およびプレドニゾロンなどのス
テロイド性抗炎症剤が有効である。一方、アレルギー性
炎症はI〜IV型に大別され、I型反応はアトピー性皮膚
炎、喘息、鼻炎の他様々なアレルギー性疾患に関わって
いる。また、II型反応、III 型反応(免疫複合体反応:
アルサス反応)およびIV型反応(細胞性免疫反応:遅延
型過敏反応)は慢性関節リウマチのような自己免疫疾
患、さらには肝炎、腎炎、皮膚炎、感染症、溶血性貧
血、インスリン依存性糖尿病のような様々な炎症反応性
疾患の発症進展に重要な役割を演じていることが明らか
となってきた。これらのアレルギー性炎症には、プレド
ニゾロンなどのステロイド性抗炎症剤が有効である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】アレルギー性炎症に有
効なステロイド性抗炎症剤は感染防御機能の低下、消化
管障害、下垂体副腎皮質機能の抑制、骨形成の低下など
副作用の点で問題がある。また、ステロイド剤に比べて
安全性が高いと考えられている非ステロイド性抗炎症剤
は、アレルギー性炎症に対する抑制作用が極めて弱いと
いう問題点がある。そこで、より有効でかつ毒性の少な
い抗炎症剤が望まれている。
【0004】本発明の目的は、上記の点に鑑み、アレル
ギー性炎症および非アレルギー性炎症に有効で、有用性
の高い新規抗炎症物質を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明により、
【化3】 で示される新規ペプチド(以下、本発明ペプチドとい
う)からなる抗炎症物質(以下、本発明抗炎症物質とい
)を有効成分として含む抗炎症剤が提供される。
【0006】本発明抗炎症物質は、ストレプトマイセス
属に属する本発明抗炎症物質生産菌株、例えば、放線菌
ストレプトマイセス・ノビリス(Streptomyces nobili
s、以下「S.ノビリス」と略記する)を培養し、得ら
れた培養液または同液の乾固物もしくは培養菌体から有
機溶剤によって抽出された抽出物を、各種カラムクロマ
トグラフィーに付し、目的物を含むカラムクロマトグラ
フィー画分を再結晶処理することにより得られる。
【0007】本発明抗炎症物質を生産する放線菌S.ノ
ビリスは、公的保存機関から入手可能であり、たとえば
理化学研究所の保存菌(JCM4274)(これは米国
においてATCC19252およびオランダにおいてC
BS198.65としても保存)などの菌が使用でき
る。
【0008】放線菌S.ノビリスの培養は、然るべき栄
養物を含んだ培地を用いて行う。液体培養の場合、その
培地の成分としてはブドウ糖などの糖類、ペプトンや麦
芽エキスなどのタンパク質類、ビタミン類、核酸類、ア
ミノ酸類、複合糖質類の一種または数種を含んだ水溶液
が好適に用いられる。代表的な培地例としては、澱粉・
アンモニウム系の液体培地(可溶性澱粉、K2 HP
4 、NH4 Clを含む)が挙げられる。液体培地のp
Hは2〜9が好ましく、培養温度は15〜42℃が好ま
しい。また液体培養の好ましい培養時間は1〜14日で
ある。こうして得たS.ノビリスの培養液またはその乾
固物もしくは菌体自体から溶剤を用いて本発明ペプチド
を抽出する。
【0009】S.ノビリスの培養液またはその乾固物も
しくは菌体自体の抽出液を硫安処理し、得られた沈殿物
を溶媒抽出してもよい。硫安処理に際しては、培養液ま
たはその乾固物もしくは菌体自体の抽出液に添加する硫
安は、固体のままの状態でもよいし、溶液状態のもので
もよい。硫安の添加量は好ましくは飽和濃度の30〜9
0重量%の範囲である。処理時間は特に限定されない
が、好ましくは30分〜5時間の範囲である。沈殿物を
得るための遠心分離に際しては、遠心力が3,000G
〜20,000Gであることが好ましく、遠心時間は2
〜60分であることが好ましい。
【0010】抽出に用いる溶剤としては有機溶剤が好ま
しく、その代表例としては、酢酸エチルなどのエステル
類、メタノール、エタノール、プロパノールなどのアル
コール類、エチルエーテル、ジオキサンなどのエーテル
類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類のほ
かジクロロメタン、クロロホルムなどが挙げられるが、
使用可能な溶剤はこれらに限定されない。また、上記溶
剤の混合物を用いることもできる。特に好適な溶剤は酢
酸エチル、ジクロロメタン、アセトンなどである。抽出
時間は溶剤の種類や抽出温度などによっても異なるが、
好ましくは3〜120分の範囲である。また抽出中は液
を静置してもまたは攪拌してもよい。好ましくは、同一
試料に対して抽出操作を複数回繰り返す。抽出温度は特
に制限されない。
【0011】次に、溶剤抽出物に対するカラムクロマト
グラフィーについて述べる。
【0012】カラムクロマトグラフィーの充填剤として
は、ODS(オクタデシルジメチルクロロシランのよう
なオクタデシルシラン類)が好ましい。充填量は特に限
定されないが、チャージする溶剤抽出物に対する重量比
10〜500倍量を充填することが好ましい。溶剤抽出
物をカラムにチャージする際はまずODSに吸着させる
ことが好ましい。このときODSの量は特に限定されな
いが、好ましくは吸着させる溶剤抽出物に対する重量比
0.5〜20倍量のODSを用いてこれに抽出物を吸着
させた後、この抽出物吸着ODSを少量の溶剤に懸濁し
てからカラムにチャージする。溶出溶媒は特に限定され
ないが、好ましくは極性がメタノール:アセトニトリル
=1:1混合溶剤を80%(v/v)含む水溶液からメ
タノールの間にある溶剤を用いる。
【0013】次に、本発明ペプチドの再結晶による精製
について述べる。
【0014】再結晶に用いる溶剤は、本発明ペプチドを
溶かす溶剤であれば特に限定されないが、好ましくはメ
タノール、エタノールなどである。再結晶の方法として
は、当該物質を含有するカラム溶出画分を加熱下で少量
の溶剤に溶かし、得られた溶液を徐々に冷やしてこの物
質を再結晶させてもよいし、当該物質を含有するカラム
溶出画分を当該物質の溶解性の高い溶剤に溶かし、そこ
に当該物質の溶解性の低い液(例えば水)を徐々に加え
てこの物質を再結晶させてもよい。
【0015】本発明ペプチドは、後述する薬理試験の結
果から分かるように、アレルギー性、非アレルギー性炎
症に有効である抗炎症物質である。
【0016】本発明抗炎症物質を製剤化するには、通常
はこれを製剤用担体とともに製剤組成物の形態とする。
担体としては剤形に応じた薬剤を調製するのに通常使用
される充填剤、崩壊剤、増量剤、結合剤、着色剤、矯味
矯臭剤、pH調整剤、可溶化剤、懸濁化剤、緩衝剤、安
定化剤、保存剤、付質剤、表面活性剤、滑沢剤、賦形剤
が例示される。また適当な溶剤を選定することにより、
得られた本発明抗炎症物質をそのままの形態で外用液剤
として使用することもできる。
【0017】本発明抗炎症物質を用いて製剤化される抗
炎症剤の投与単位形態としては、上記のごとき外用液剤
のほか、錠剤、丸剤、飲用液剤、散剤、懸濁剤、乳剤、
顆粒剤、エキス剤、細粒剤、シロップ剤、浸剤、煎剤、
点眼剤、トローチ剤、パップ剤、リニメント剤、ローシ
ョン剤、眼軟膏剤、硬膏剤、カプセル剤、坐剤、注射剤
(液剤、懸濁剤など)、貼付剤、軟膏剤、吸入剤、クリ
ーム剤、スプレー剤、点鼻剤などが例示される。
【0018】抗炎症剤中に含有すべき本発明抗炎症物質
の量は、特に限定されず広範囲に適宜選択されるが、好
ましくは抗炎症剤中に10-10 〜50重量%の範囲であ
る。本発明抗炎症物質より得られた抗炎症剤は、その使
用に際し各種形態に応じた方法で投与される。たとえば
上記のごとき外用液剤の場合には、これを皮膚ないしは
粘膜などの所要部位に直接塗布し、錠剤、丸剤、飲用液
剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤およびカプセル剤の場合には
経口投与され、注射剤の場合には静脈内、筋肉内、皮
内、皮下もしくは腹腔内投与され、坐剤の場合には直腸
内投与され、また貼付剤、軟膏剤、クリーム剤の場合に
は貼付または塗布され、吸入剤、点鼻剤の場合は吸入さ
れ、スプレー剤の場合は吸入もしくは塗布される。
【0019】本発明抗炎症物質より得られた抗炎症剤の
投与量は、使用目的、症状などにより適宜選択される
が、通常は1日当り本発明抗炎症物質として1fg/k
g〜50mg/kg程度の範囲である。また上記製剤組
成物を1〜4回/日に分けて投与することももちろん差
し支えない。
【0020】
【実施例】実施例1 理化学研究所から入手した放線菌S.ノビリス(JCM
4274)を、酵母エキス0.2%(w/v)添加澱粉
・アンモニウム培地100ml中で40時間振盪培養
(前々培養)し、続いて同培地3リットルに前々培養菌
液60mlを接種し、25時間振盪培養(種培養)し
た。さらに澱粉・アンモニウム培地(蒸留水100ml
中に可溶性澱粉を1g、リン酸水素二カリウムを0.0
5g、塩化アンモニウムを0.05g含む)285リッ
トルに種培養した全量を接種し、約30℃で8日間振盪
培養した。この培養液を遠心分離し、得られた上清液2
50リットルに硫酸アンモニウムを上清1リットル当た
り662g添加し、1時間攪拌した。続いて20,00
0G(流速360−500リットル/時間)で連続的に
遠心分離を行い、約12kgの沈殿物を得た。
【0021】上記により得られた沈殿物1.2kgに水
3.6リットルを添加し、80℃で30分間攪拌した。
次に等量の酢酸エチルを添加し、10分間振盪後、全体
を5,000Gで10分間遠心した。酢酸エチル相を分
離後、水相について本操作を数回繰り返し、溶剤抽出物
を得た。
【0022】次に、上記により得られた溶剤抽出物を、
ODS(オクタデシルジメチルクロロシラン)担体25
gに吸着させた。ついで、ODS担体275gを充填し
た径3.2cmのカラム内の上記担体上に上記抽出物吸
着担体をチャージし、ODSカラムを作成した。このO
DSカラムを用いて下記の条件で精製を行なった。溶出
溶剤としてa)メタノール:アセトニトリル:水=7:
7:6を1.5リットル、b)メタノール:アセトニト
リル:水=8:8:4を1.2リットル、c)メタノー
ル:アセトニトリル:水=9:9:2を150ml、
d)メタノール:アセトニトリル:水=19:19:2
を1リットル、e)メタノールを1リットル、この順に
流速10.5ml/分で流した。分画は、溶剤組成を変
更する毎に行い、特にメタノール:アセトニトリル:水
=19:19:2の溶出画分は、適宜フラクションコレ
クターを用いて少量ずつ(2分間ずつ)分画した。各溶
出画分について、ODS−80TM、内径4.6mm×
長さ25.0cmの東ソー社製のカラムを用いたHPL
C(日立社製、ポンプL−6000L−6200、検出
器L−3000、カラムオープン655A−52)にお
いて、検出波長210nm、カラム温度40℃、流速1
ml/分の条件で、溶離液として水:アセトニトリル:
メタノール=6:7:7(0分)〜0:1:1(30
分)を用いて分析を行った。上記画分のうちリテンショ
ンタイムが18〜20分のピークを含むもののみを集
め、同一画分とし(100mg)、メタノール−水を用
いて繰り返し再結晶を行い、針状結晶45mgを得た。
【0023】この物質の構造は、種々の機器分析データ
より式[I]であると決定した。
【0024】実施例2 実施例1と同様にして培養を行い、得られた菌体215
g(湿重量)にジクロロメタン2.15リットルを加
え、30分間超音波処理をした後、さらにジクロロメタ
ン8.6リットルを添加し、全体を室温で1時間攪拌し
た。菌体を濾別後、得られた濾液を濃縮乾固した。この
抽出物の乾固物を少量のヘキサンに溶解した後、ヘキサ
ン相をメタノールで3回抽出処理した。ヘキサン不溶物
とメタノール抽出物をメタノールに再溶解した。
【0025】次に、上記により得られた溶剤抽出物を、
ODS担体28gに吸着させた。ついで、ODS担体2
75gを充填した径3.2cmのカラム内の上記担体上
に上記抽出物吸着担体約30gをチャージし、ODSカ
ラムを作成した。このODSカラムを用いて下記の条件
で精製を行なった。溶出溶剤としてa)メタノール:ア
セトニトリル:水=7:7:6を1.5リットル、b)
メタノール:アセトニトリル:水=8:8:4を1.2
リットル、c)メタノール:アセトニトリル:水=9:
9:2を200ml、d)メタノール:アセトニトリ
ル:水=19:19:2を1リットル、e)メタノール
を500ml、この順に流速10.5ml/分で流し
た。分画は、溶剤組成を変更する毎に行い、特にメタノ
ール:アセトニトリル:水=19:19:2の溶出画分
は、適宜フラクションコレクターを用いて少量ずつ(2
分間ずつ)分画した。各溶出画分について、ODS−8
0TM、内径4.6mm×長さ25.0cmの東ソー社
製のカラムを用いたHPLC(日立社製、ポンプL−6
000L−6200、検出器L−3000、カラムオー
プン655A−52)において、検出波長210nm、
カラム温度40℃、流速1ml/分の条件で、溶離液と
して水:アセトニトリル:メタノール=6:7:7(0
分)〜0:1:1(30分)を用いて分析を行った。上
記画分のうちリテンションタイムが18〜20分のピー
クを含むもののみを集め、同一画分とし(840m
g)、メタノール−水を用いて繰り返し再結晶を行い、
針状結晶の本発明ペプチド330mgを得た。
【0026】この物質の構造は、実施例1と同様にして
種々の機器分析データより式[I]であると決定した。
【0027】構造分析データ 実施例1および2で得られた物質の機器分析データを以
下に示す。
【0028】
【表1】1.MS ・ESI−MS:m/z=913.6(M+H−H
2 O)+ ,931.6(M+H)+ ,953.6(M+
Na)+
【表2】・HRFAB−MS Found : m/z=913.5079(M+H−H
2 O)+ ,m/z=913,953,931(913が
メイン,931は非常に小さい) Calcd for : C45698 12 m/z=913.5053
【表3】2.IR IR: 3,400cm-1:−OH, −NH,2,90
0cm-1:アルキル基,1,750cm-1:−C(=
O)−O−,1,650cm-1:−C(=O)−NH−
【0029】3.アミノ酸分析 加水分解物としてD−セリン、L−アラニンおよびD−
N−メチル−フェニルアラニンが認められた。
【0030】4.組成式 質量分析と後述するNMRのデータから新規ペプチドの
組成式はC4570813であることが分かった。
【0031】5.NMR a)部分構造Aについて HMBCスペクトル測定の結果、アラニン(Ala)の
カルボニル炭素(173.6ppm)とN−CH3 −フ
ェニルアラニン(Phe)のCH3 (3.04ppm)
とにロングレンジの相関が観測されたことにより、Aの
部分構造が推定された。
【0032】b)部分構造B、Cについて1 H− 1H COSY,HOHAHA から同様のスピン系を持つ2
つの成分が推定された。
【0033】
【表4】i) NH(4.38ppm) CH2 (46.1 , 2.89 , 3.15ppm ) CH2 (21.3 , 1.45 , 1.63ppm ) CH2 (24.2 , 1.93 , 2.25ppm ) CH(51.7 , 4.90ppm) ii) NH(3.93ppm ) CH2 (47.9 , 2.56 , 3.30ppm ) CH2 (21.5 , 1.55 , 1.66ppm ) CH2 (24.4 , 1.67 , 2.58ppm ) CH(52.5 , 5.18ppm)
【0034】両者の13Cシフトはよく一致しているので
同じ構造のもの(残基)と考えられる。さらに、CH2
プロトンが非等価であることから環状構造と推定でき
る。
【0035】このシフトはモナマイシン(Monamycin )
に含まれれるPiperazic acid(Pip)のものに合うことか
ら、この成分はPip(部分構造Bの左の部分と部分構
造C)と推定された。
【0036】
【表5】 α β γ δ Pip1) 49.8 24.1 21.0 47.0 (CDCl3 溶液) 実測値 52-53 24-25 21 46-48 (CDCl3 溶液)
【0037】また、セリン(Ser)の6.40ppm
のNHとPipの168.9ppmのカルボニルの間に
ロングレンジが観測されたことにより、部分構造Bが推
定された。
【0038】1) C.H.Hassall, W.A.Thomas, M.C.Mosch
idis,J.Chem.Soc.,Perkin Trans.I, 1977, 2371(1977)
【0039】c)部分構造Dについて1 H− 1Hスピン結合から(CH3 2 −CH−CH−
CH−NH−なる部分構造が導かれ、ロングレンジの 1
H−13C結合によりこの部分構造が確認され、また、1
70.6ppmのカルボニルと4.88ppmのCHと
のスピン結合から、β−OH−ロイシン(Leu)の構
造がわかり、5.46ppmのCHからβ−OH−Le
uがそのβ位でエステル結合していることが推定され
た。
【0040】1H− 1Hスピン結合、ロングレンジの 1
H−13C結合およびNOE(NuclearOverhauser Effect)
の測定結果より、部分構造Dの側鎖部(左)の部分構
造がわかった。
【0041】ロングレンジの 1H−13C結合から、β−
OH−Leuの4.88ppmのCHおよび8.34p
pmのNHと側鎖部の177ppmのカルボニルとにロ
ングレンジの相関が観測されたことにより部分構造Dが
推定された。
【0042】d)新規ペプチドの化学構造について ロングレンジの 1H−13C結合から、Serの170.
2ppmのカルボニルとβ−OH−Leuの5.46p
pmのCHとにロングレンジ相関が観測されたことによ
り、部分構造Bと部分構造DがSerとβ−OH−Le
uの間でエステル結合していることがわかった。また、
β−OH−Leuの5.46ppmのCHとPip(部
分構造C)の4.38ppmのNH、β−OH−Leu
の8.34ppmのNHとPip(部分構造C)の2.
89ppmのCH2 ,4.90ppmのCHとにNOE
が観測されたことから、部分構造Cがβ−OH−Leu
の170.6ppmのカルボニル基に結合していること
がわかった。残る部分構造Aの結合方法は一通りであ
り、新規ペプチドの化学構造を決定した。
【0043】また、Serの6.40ppmとNHとN
−CH3 −Pheの3.04ppmのCH3 の間にもN
OEが観測されていることから、上記構造が正しいこと
が示唆されている。
【0044】e)NMRの測定結果は下記の通りであ
る。
【0045】表6と表7は13Cシフトと炭素タイプ、お
よび直接結合する 1Hを示し、表8〜表10は 1Hシフ
ト、スピン結合する 1H、13C、およびロングレンジ結
合する13Cを示し、表11と表12はNOE測定結果を
示し、表13〜表16は13Cおよび 1Hの帰属を示す。
【0046】
【表6】
【表7】
【表8】
【表9】
【表10】
【表11】
【表12】
【表13】
【表14】
【表15】
【表16】
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】 薬理試験試験例1 I型アレルギー性炎症に対する作用 i) ラット抗2,4−ジニトロベンゼンスルホン酸−
ブタ回虫抽出物(DNP−As)血清の調製 Tada and Okumuraの方法(Journal of Immunology 、1
06巻、1002頁、1971年)に準じてDNP−A
sを調製した。ブタ回虫(Ascaris suum)の抽出物を、
Strejan and Campbellの方法(Journal of Immunology
、98巻、893頁、1967年)に従って調製し、E
isen らの方法(Journal of American Chemical Societ
y、75巻、4583頁、1953年)で、2,4−ジ
ニトロベンゼンスルホン酸(DNP)と結合させた。こ
のDNP−Asの1mgを1010個の百日咳死菌を浮遊
させた生理食塩水1mlに溶解し、体重200g前後の
雌性ラットの四肢足蹠皮下に注射した。5日後、DNP
−Asの0.5mgを生理食塩水の0.5mlに溶解
し、左右の背部筋肉内に注射した。初回注射の8日後に
腹部大動脈より採血し、血清を分離してラット抗DNP
−As血清として使用した。なお、この抗血清のラット
48時間同種PCA反応の力価は1:512であった。
【0047】ii)ラット48時間同種PCA反応(I型
アレルギー性皮膚反応)に対する作用 本発明ペプチドを0.25mg/mlになるように、5
重量%アラビアゴム水溶液にジメチルスルホキサイドを
5重量%添加してなる溶液に懸濁した。なお、対照実験
用としてプレドニゾロンを10mg/mlとなるように
5重量%アラビアゴム水溶液にジメチルスルホキサイド
を5重量%添加してなる溶液に懸濁した。このようにし
て得られた懸濁液を供試液とした。被験動物としては体
重120g〜200gのウイスター雄性ラットを用い
た。
【0048】まず、上記抗DNP−As血清を生理食塩
水で20倍に希釈してなる注射液0.05mlを、上記
ラットの背部皮内に注射し、ラットを上記抗血清で感作
した。
【0049】次に、抗血清投与の48時間後に、対応す
る抗原として2mg/mlのDNP−Asを含む0.5
重量%エバンスブルー生理食塩液を2.5ml/kg静
脈内投与して、PCA反応を誘発した。
【0050】本発明ペプチド投与群のラットにおいては
本発明ペプチドを含有する上記供試液2ml/kg(本
発明ペプチド0.5mg/kg)を誘発の24時間前に
腹腔内投与もしくは皮下投与した。また、プレドニゾロ
ン投与群のラットにおいてはプレドニゾロンを含有する
上記供試液2ml/kg(プレドニドロン20mg/k
g)を誘発の3時間前に腹腔内投与もしくは皮下投与し
た。
【0051】こうして皮内反応を惹起した部位の色素漏
出を、Haradaらの方法(J. Pharm.Pharmacol. 23巻、
218頁、1971年)に従って抽出定量した。即ち、
抗原注射の1時間後に動物を屠殺し、PCA反応部の皮
膚を細切し、これを0.3%(W/V)硫酸ナトリウム
水溶液3容とアセトン7容の混合液中に24時間浸漬
し、漏出色素量を求め、これを抗血清を注射した部位
(site)当たりの漏出色素量(μg)として表した。こ
の試験のコントロールとして、薬物を含まない上記ジメ
チルスルホキサイド含有アラビアゴム水溶液を用い、そ
の他の点は上記操作と同様に行って漏出色素量を求め
た。
【0052】本試験は、それぞれ5匹のラットを用いて
行い、漏出色素量(μg/site)はこれらラットについ
て得られた値の平均値を取った。
【0053】この試験結果を図1に示す。
【0054】この図から明らかなように、本発明ペプチ
ドを含有する供試液を投与した群は、コントロール群に
比べ、ラット48時間同種PCA反応部の皮膚に漏出す
る色素量が大幅に減少し、顕著なI型アレルギー性炎症
抑制活性を示した。
【0055】また、本発明ペプチドを含有する供試液を
投与した群では、プレドニゾロンを含有する供試液より
も少ない投与量で、コントロール群に比べ、ラット48
時間同種PCA反応部の皮膚に漏出する色素量が大幅に
減少した。すなわち、本発明により得られたペプチド
は、プレドニゾロン以上のI型アレルギー性炎症抑制活
性を示す。
【0056】試験例2 III 型アレルギー性炎症に対す
る作用 i)ウサギ抗オボアルブミン(Ovalumin)血清の調整 江田らの方法(日薬理誌、66巻、237頁、1970
年)に準じて、次の手法でウサギ抗オボアルブミン血清
を調整した。すなわち、生理食塩液に溶解したオボアル
ブミン(Sigma 社製)の2mg/ml溶液と完全フロイ
ントアジュバント(Difco 社製)との等量混合乳化液よ
りなる抗原液を調製した。この抗原液の0.5mlずつ
を体重3kgのニュージーランドホワイト種の雄性家兎
の左右臀筋内に1週間毎に4回注射した。最終注射の7
日後に頚動脈から採血し、血清のみを分離取得し、ウサ
ギ抗オボアルブミン血清とした。この抗血清のラット4
時間異種受身皮膚アナフィラキシー(4時間heterologo
us PCA)反応の力価は1:32であった。
【0057】ii) ラット4時間異種PCA反応(III 型
アレルギー性皮膚反応)に対する作用 本発明ペプチドを、最終濃度が0.25mg/mlにな
るように、5重量%アラビアゴム水溶液にジメチルスル
ホキサイドを5重量%添加して成る溶液に懸濁した。な
お、対照実験用としてプレドニゾロンを、最終濃度が1
0mg/mlとなるように、5重量%アラビアゴム水溶
液にジメチルスルホキサイドを5重量%添加して成る溶
液に懸濁した。このようにして得られた懸濁液を供試液
とした。被験動物としては体重120g〜200gのウ
イスター雄性ラットを用いた。
【0058】上記ウサギ抗オボアルブミン血清を生理食
塩水で4倍に希釈してなる注射液0.05mlを、ラッ
トの背部皮内に注射し、ラットを上記抗血清で感作し
た。次に、抗血清投与の4時間後に、対応する抗原とし
て2mg/mlのオボアルブミンを含む0.5重量%エ
バンスブルー生理食塩液を2.5ml/kg静脈注射し
て、4時間異種PCA反応を誘発した。
【0059】本発明ペプチド投与群のラットにおいては
本発明ペプチドを含有する上記供試液2ml/kg(本
発明ペプチド0.5mg/kg)を誘発の24時間前に
腹腔内投与もしくは皮下投与した。また、プレドニゾロ
ン投与群のラットにおいてはプレドニゾロンを含有する
上記供試液2ml/kg(プレドニゾロン20mg/k
g)を誘発の3時間前に腹腔内投与もしくは皮下投与し
た。
【0060】こうして皮内反応を惹起した部位の漏出色
素を、Haradaらの方法(J.Pharm. Pharmacol.23巻、
218頁、1971年)に従って抽出定量した。すなわ
ち、抗原注射の1時間後に動物を屠殺し、4時間異種P
CA反応部の皮膚を細切りし、これを0.3%(w/
v)硫酸ナトリウム水溶液3容とアセトン7容の混合液
中に24時間浸漬し、漏出色素量を求め、これをウサギ
抗オボアルブミン血清を注射した部位(site)当た
りの漏出色素量(μg)として表した。この試験のコン
トロールとして、薬物を含まない上記ジメチルスルホキ
サイド含有アラビアゴム水溶液を用い、その他の点は上
記操作と同様に行なって漏出色素量を求めた。
【0061】本試験はそれぞれ5匹のラットを用いて行
ない、漏出色素量(μg/site)はこれらラットに
ついて得られた値の平均値を取った。
【0062】この試験結果を図2に示す。
【0063】この図から明らかなように、本発明ペプチ
ドを含有する供試液を投与した群は、コントロール群に
比べ、ラット4時間異種PCA反応部の皮膚に漏出する
色素量が大量に減少し、顕著なアレルギー性炎症抑制活
性を示した。
【0064】また、本発明ペプチドを含有する供試液を
投与した群では、プレドニゾロンを含有する供試液より
も少ない投与量で、コントロール群に比べ、ラット4時
間異種PCA反応部の皮膚に漏出する色素量が大量に減
少した。すなわち、本発明ペプチドは、プレドニゾロン
以上のIII 型アレルギー性炎症抑制活性を示す。
【0065】試験例3 IV型アレルギー性炎症に対する
作用 次の方法でラットIV型アレルギー性炎症(ツベルクリン
反応)に対する本発明ペプチドの作用を調べた。
【0066】まず、本発明ペプチドを、最終濃度が0.
25mg/mlとなるように、5重量%アラビアゴム水
溶液にジメチルスルホキサイドを5重量%添加して成る
溶液に懸濁した。なお、対照実験用としてプレドニゾロ
ンを25mg/mlとなるように、5重量%アラビアゴ
ム水溶液にジメチルスルホキサイドを5重量%添加して
成る溶液に懸濁した。このようにして得られた懸濁液を
供試液とした。被験動物としては体重170g〜250
gのウイスター雄性ラットを用いた。
【0067】ツベルクリン反応は栗山らの方法(日本薬
理学会誌、94巻、113〜118頁、1989年)に
従って誘発した。ただし上記供試液2ml/kg(本発
明ペプチド0.5mg/kg、プレドニゾロン50mg
/kg)は誘発1時間前に腹腔内投与した。誘発24時
間後、Draizeの判定基準に準じて紅斑強度の測定を行な
い、直径1.8cmのポンチで反応部位を打ち抜き皮膚
重量を測定した。
【0068】この試験のコントロールとして、上記供試
液含有液の代わりに薬物を含まない上記ジメチルスルホ
キサイド含有アラビアゴム水溶液を用い、その他の点は
上記操作と同様に行なった。
【0069】それぞれの試験はそれぞれ4匹のラットを
用いて行ない、紅斑強度、皮膚重量はこれらラットにつ
いて得られた値の平均値をとった。
【0070】この試験結果を図3に示す。
【0071】この図から明らかなように本発明ペプチド
を含有する供試液を投与した群では、コントロール群に
比べ、紅斑強度、皮膚重量が明らかに抑制され、その効
果はプレドニゾロンを投与した群よりも強かった。すな
わち、本発明組成物は免疫性炎症であるIV型アレルギー
性炎症(ツベルクリン反応)を抑制した。
【0072】試験例4 非アレルギー性炎症に対する作
用 次の方法でラットカラゲニン足蹠浮腫反応に対する本発
明ペプチドの作用を調べた。
【0073】まず、本発明ペプチドを、最終濃度が0.
25mg/mlとなるように、5重量%アラビアゴム水
溶液にジメチルスルホキサイドを5重量%添加して成る
溶液に懸濁した。なお、対照実験用としてアスピリン
を、最終濃度が50mg/mlとなるように、またプレ
ドニゾロンを、最終濃度が2.5mg/mlとなるよう
に、5重量%アラビアゴム水溶液にジメチルスルホキサ
イドを5重量%添加して成る溶液に懸濁した。このよう
にして得られた懸濁液を供試液とした。被験動物として
は体重120g〜200gのウイスター雄性ラットを用
いた。
【0074】ラットの右後肢の容積をPlethysmometerを
用いて測定し、その後生理食塩液中のカラゲニンの1%
(w/v)溶液0.1mlをラットの右後肢足蹠皮内に
注射してカラゲニン足蹠浮腫反応を誘発した。ラットの
右後肢足蹠の腫れ度合いを調べるため、足蹠浮腫反応誘
発後1時間毎に5時間後まで、ラットの右後肢の容積を
Plethysmometerを用いて測定し、反応誘発前の容積との
差を求めた。
【0075】本発明ペプチド投与群のラットにおいては
本発明ペプチドを含有する上記供試液2ml/kg(本
発明ペプチド0.5mg/kg)を誘発の24時間前に
腹腔内投与した。アスピリン投与群のラットにおいては
アスピリンを含有する上記供試液(アスピリン100m
g/kg)を誘発の1時間前に腹腔内投与した。また、
プレドニゾロン投与群のラットにおいてはプレドニゾロ
ンを含有する上記供試液2ml/kg(プレドニゾロン
5mg/kg)を誘発の1時間前に腹腔内投与した。
【0076】この試験のコントロールとして、薬物を含
まない上記ジメチルスルホキサイド含有アラビアゴム水
溶液を用い、その他の点は上記操作と同様に行なってラ
ットの右後肢足蹠の腫れ度合いを調べた。
【0077】それぞれの試験は、それぞれ5匹のラット
を用いて行ない、足蹠の腫れの度合いはこれらラットに
ついて得られた値の平均値をとった。
【0078】この試験結果を図4に示す。
【0079】この図から明らかなように、本発明ペプチ
ドを含有する供試液を投与した群は、コントロール群に
比べ、右後肢足蹠の腫れ度合いが明らかに抑制され、そ
の効果はアスピリンやプレドニゾロンを投与した群より
も非常に強かった。すなわち本発明ペプチドは非アレル
ギー性炎症活性を有した。
【0080】試験例5 アジュバント関節炎に対する作
用 次の方法でラットアジュバント関節炎に対する本発明ペ
プチドの作用を調べた。
【0081】まず、本発明ペプチドを、最終濃度が0.
25mg/mlとなるように、5重量%アラビアゴム水
溶液にジメチルスルホキサイドを5重量%添加して成る
溶液に懸濁した。なお、対照実験用としてプレドニゾロ
ンを5mg/mlとなるように、5重量%アラビアゴム
水溶液にジメチルスルホキサイドを5重量%添加して成
る溶液に懸濁した。このようにして得られた懸濁液を供
試液とした。被験動物としては体重120g〜200g
のウイスタールイス雄性ラットを用いた。
【0082】まず、流動パラフィンに懸濁したMycobact
erium tuberculosisH37RA(6mg/ml)0.1
mlをラット右後肢皮下に注射した。次に上記供試液2
ml/kg/日(本発明ペプチド0.5mg/kg/
日、プレドニゾロン10mg/kg/日)をMycobacter
ium 注射後22日間1日1回腹腔内投与した。ラット左
右後肢の容積はPlethysmometerを用いて測定し、Mycoba
cterium 注射前の左右後肢容積との差を求め、腫れの度
合いとした。
【0083】この試験のコントロールとして、上記供試
液含有液の代わりに薬物を含まない上記ジメチルスルホ
キサイド含有アラビアゴム水溶液を用い、その他の点は
上記操作と同様に行なって、ラット左右後肢の腫れの度
合いを調べた。
【0084】それぞれの試験はそれぞれ7匹のラットを
用いて行ない、腫れの度合いはこれらラットについて得
られた値の平均値をとった。
【0085】この試験結果を図5に示す。
【0086】この図から明らかなように本発明ペプチド
を含有する供試液を投与した群では、コントロール群に
比べ、左右後肢足蹠の腫れの度合いが明らかに抑制さ
れ、その効果はプレドニゾロンを投与した群よりも非常
に強かった。すなわち、本発明ペプチドは免疫性慢性炎
症であるアジュバント関節炎に対して抑制作用を有して
いた。
【0087】試験例6 毒性試験 次の方法でラットに対する本発明ペプチドの毒性を調べ
た。まず、本発明ペプチドを、5重量%アラビアゴム水
溶液にジメチルスルホキサイドを5重量%添加して成る
溶液に懸濁し、供試液とした。被験動物としては体重1
20g〜200gのウイスタールイス雄性ラットを用い
た。
【0088】上記供試液をラットに皮下投与し、死亡状
況を確認した。その結果、20mg/kg投与でも死亡
しなかった。
【0089】
【発明の効果】本発明によれば、アレルギー性、非アレ
ルギー性炎症に有効である新規な抗炎症物質を含む抗炎
症剤を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明ペプチド0.5mg/kg、プレドニゾ
ロン20mg/kgおよびそのコントロールのラット4
8時間同種PCA反応における漏出色素量を示すグラフ
である。
【図2】本発明ペプチド0.5mg/kg、プレドニゾ
ロン20mg/kgおよびそのコントロールのラット4
時間異種PCA反応における漏出色素量を示すグラフで
ある。
【図3】本発明ペプチド0.5mg/kg、プレドニゾ
ロン50mg/kgおよびそのコントロールのラットツ
ベルクリン反応における紅斑強度、皮膚重量を示すグラ
フである。
【図4】本発明ペプチド0.5mg/kg、アスピリン
100mg/kg、プレドニゾロン5mg/kgおよび
そのコントロールのラットカラゲニン浮腫における右後
肢足蹠浮腫量を示すグラフである。
【図5】本発明ペプチド0.5mg/kg、プレドニゾ
ロン10mg/kgおよびそのコントロールのラットア
ジュバント関節炎における足蹠浮腫量を示すグラフであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI (C12P 21/02 C12R 1:465) (72)発明者 藤原 昭彦 大阪府三島郡島本町百山2−1 積水化 学工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−25053(JP,A) 特開 平6−247863(JP,A) 特開 平6−172194(JP,A) 特開 平8−119992(JP,A) 特開 平8−119993(JP,A) Japanese Journal of Pharmacology (1994)Vol.64,SUPPL 1, p.95P,0−49 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 38/00 A61P 29/00 A61P 37/08 C07K 7/06 C12P 21/00 - 21/02 CA(STN) REGISTRY(STN) BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 【化1】 で示されるペプチドを有効成分として含む抗炎症剤
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