JP3148567B2 - 低温短時間の歪み取り焼鈍後鉄損に優れる無方向性電磁鋼板およびその製造方法 - Google Patents
低温短時間の歪み取り焼鈍後鉄損に優れる無方向性電磁鋼板およびその製造方法Info
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Description
経済性にも優れる無方向性電磁鋼板およびその製造方法
を提案するものである。
の電気機器類の鉄心等に使用される。近年、これら電気
機器類の高効率化指向が高まり、それらの鉄心材料とし
て使用される無方向性電磁鋼板に対しては、経済性の向
上とともに高磁束密度化および低鉄損化要求が極めて強
くなってきている。
ては、結晶粒径の最適化、ならびに比抵抗をアップする
方法があり、結晶粒径は150 〜200 μm で鉄損が最小に
なること、および比抵抗の増大にはSiならびにAl含有量
の増加で達成でき、よって鉄損が低減することが知られ
ている。
められる重要な特性で、需要家で所定の形状に打ち抜か
れたのち歪み取り焼鈍を施すことが通常であり、その際
複雑な形状に打ち抜かれるために、優れた打ち抜き精度
が要求される。この打ち抜き精度は合金成分の増量によ
る硬さの増加や結晶粒径の増大により劣化する。実用上
は、Si含有量が1.0wt %を超えたり、製品板結晶粒径が
40μm を超えると打ち抜き精度が著しく劣化し問題とな
る。
反する性質を満足させるため、従来は低Si組成で製品板
結晶粒径を20μm 程度として、需要家での打ち抜き後、
歪み取り焼鈍を施すことにより結晶粒を粗大化させて、
低鉄損化を図っていた。
効率化指向が高まり、打ち抜き性を多少犠牲にしても、
高磁束密度でかつ最終的に非常に低い鉄損が得られる歪
み取り焼鈍時の結晶粒成長性に優れる材料を望む声が強
くなってきた。この要求にこたえるには、 ・Si, Al含有量の適度な増量 ・歪み取り焼鈍後の鉄損のさらなる低減(結晶粒径粗大
化) が重要である。このうち、結晶粒径粗大化には、歪み取
り焼鈍温度アップが効果的であるが、コスト的に問題と
なり実用上は750 ℃を超える焼鈍温度は採用されない。
最終的に低鉄損が得られる、歪み取り焼鈍時に結晶粒成
長性に優れることによって低温短時間焼鈍が可能な無方
向性電磁鋼板を製造する技術はこれまで皆無であった。
地鉄中に微細に分散した介在物や析出物であることはよ
く知られている。無方向性電磁鋼板中に分散する介在物
や析出物としては、各種の酸化物(たとえば、SiO2, Mn
O, Al2O3など)や各種の窒化物および硫化物(たとえ
ば、AlN, TiN, ZrN, MnSなど)が挙げられる。以下、こ
れらの酸化物、窒化物および硫化物について言及する。
浮上させることができるため、問題はなくなっている。
板では、希土類成分(REM :原子番号57〜71までの15元
素ならびにSc, Yの2元素を加えた17元素の総称)を含
む合金やCaを添加することにより、安定で、しかも粗大
な硫化物としてSを固定できることが知られていて、そ
の技術は、特開昭51−62115 号(鉄損の低い無方向性珪
素鋼板)、同52−2824号(希土類金属で処理された冷間
圧延非配向珪素鋼とその製法)、同55−34675 号(リジ
ングの少ない無方向性珪素鋼板の製造方法)、同56−10
2550号(磁気特性の安定した無方向性珪素鋼板)、同57
−192219号(鉄損の低い無方向性けい素鋼板の製造方
法)、同58−164724号(磁気特性の優れた無方向性電磁
鋼板の製造方法)公報などに開示されている通りであ
る。
2wt %以上のAl添加やB添加が行われているが、このよ
うな鋼板は低温短時間の歪み取り焼鈍での結晶粒成長が
ほとんどなく、その鉄損特性は全く満足できるものでは
なかった。
時間(例えば725 ℃・1時間)の歪み取り焼鈍での結晶
粒成長性は不十分であり、得られる鉄損は全く不十分で
あった。
事情に鑑み、経済性に優れると共に、歪み取り焼鈍時の
粒成長性に優れ、従って従来から行われてきた 750℃,
2時間程度の歪取り焼鈍の場合は勿論のこと、それより
も低温かつ短時間の歪み取り焼鈍後においても、低鉄損
でかつ高磁束密度を有する無方向性電磁鋼板を、その有
利な製造方法と共に提案することを目的とする。
を増量して低鉄損化をはかることは、一般に磁束密度や
打ち抜き性が低下するが、この発明では、磁束密度や打
ち抜き性を損なうことなく低鉄損化を達成させようとす
るものである。
より、微量成分についてもPPm オーダーで定量的に分析
が可能となってきた。そこで、発明者らは、鋼中の微量
成分ならびにSiおよびAl含有量が低温短時間の歪み取り
焼鈍後の磁気に及ぼす影響について種々検討を行った。
その結果、10wtPPm 程度の微量のTiおよびZrが低温短時
間の歪み取り焼鈍後の鉄損に著しく影響を及ぼしている
こと、加えて高Si量領域ではAl量が上記影響に関与する
ことの知見を得た。
を制御しTi, Zrを低減するとともに、微量の希土類成分
を共存させることにより、歪み取り焼鈍時の結晶粒成長
性を著しく改善し、従来不可能であった低温短時間の歪
み取り焼鈍後の鉄損に優れる無方向性電磁鋼板を工業的
に製造できることを見出し、この発明を達成したもので
ある。
以下の通りである。 1.C:0.01wt%以下、 Si:1.0 wt%以上、2.5 wt%以下、 Mn:0.10wt%以上、1.5 wt%以下、 Ti:15 wtppm以下、 Sb:0.002 wt%以上、0.5 wt%以下、 Zr:80 wtppm以下、 Al:0.2 wt%以上、1.5 wt%以下および REM:2 wtppm以上、80 wtppm以下 を含有し、残部は鉄および不可避的不純物の組成になる
ことを特徴とする、低温短時間の歪み取り焼鈍後鉄損に
優れる無方向性電磁鋼板である(第1発明)。
鋳造してスラブとなし、直接あるいは冷却後再加熱した
のち熱間圧延し、1回または中間焼鈍を挟む2回以上の
冷間圧延を行ったのち、仕上焼鈍を施すことを特徴とす
る、低温短時間の歪み取り焼鈍後鉄損に優れる無方向性
電磁鋼板の製造方法である(第2発明)。
鋳造してスラブとなし、直接あるいは冷却後再加熱した
のち熱間圧延し、800 〜1100℃の温度範囲での熱延板焼
鈍を経て、1回または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧
延を行ったのち、仕上焼鈍を施すことを特徴とする、低
温短時間の歪み取り焼鈍後鉄損に優れる無方向性電磁鋼
板の製造方法である(第3発明)。
る。発明者らは、従来の知見よりさらに詳しく無方向性
電磁鋼板の低温歪み取り焼鈍時の結晶粒成長性につい
て、実験・検討を行った。その結果、極微量のZr, Ti,
REM が低温短時間歪み取り焼鈍時の結晶粒成長性に著し
い影響を与え、なおかつ高Si量領域においてAl添加がそ
の結晶粒成長に有効であることが明らかとなった。
べる。なおこれらの実験は研究室的規模で行ったもので
ある。 Zr Zrが低温短時間歪み取り焼鈍時の粒成長性に及ぼす影響
について調査した。種々のZr濃度を有するSi:1.5wt
%, Mn:0.55wt%, Ti:5wtPPm およびAl:0.5wt %を
含有する鋼を熱間圧延したのち冷間圧延し、その後790
℃・30秒間の仕上げ焼鈍を施してそれぞれ製品板とし
た。これら製品板の結晶粒径は25〜27μm の範囲であっ
た。その後これらの製品板に750 ℃・2時間および725
℃・1時間の歪み取り焼鈍を施し鉄損(W15/50) ならび
に結晶粒径を調査した。それらの調査結果を図1および
図2に示す。
間の歪み取り焼鈍後の鉄損(W15/50)に及ぼすZr濃度の
影響を示すグラフである。図1から明らかなように725
℃・1時間の歪み取り焼鈍ではZr濃度が5wtPPm 未満で
のみ良好な鉄損が得られている。そして、Zr濃度が5wt
PPm 以上では、歪み取り焼鈍条件が750 ℃・2時間から
725 ℃・1時間に低温短時間化することで、約0.7W/kg
もの鉄損の劣化を生じている。
・1時間の歪み取り焼鈍後の結晶粒径に及ぼすZr濃度の
影響を示すグラフである。図2から明らかなように、72
5 ℃・1時間の歪み取り焼鈍では、Zr濃度が5wtPPm 未
満でのみ良好な結晶粒成長性が得られ、これらの結果か
ら低温短時間焼鈍時の鉄損劣化の原因が結晶粒径の成長
性不良にあることが分る。
成長性の相違は、低温短時間歪み取り焼鈍においてとく
に結晶粒成長阻害因子であるZrを含む微細析出物の影響
を強く受けたためと考えられる。
すれば、低温短時間歪み取り焼鈍後の鉄損は良好になる
ことが明らかとなったが、0.2wt %超えのAlを含有する
鋼の工場規模での溶製では、Zr濃度を5wtPPm 未満にす
ることは極めて困難である。その理由は、溶鋼に添加さ
れる合金鉄中のZrを低減しても、スラグや耐火物中のZr
化合物がAlによって還元され、鋼中のZr濃度が5wtPPm
以上となってしまうことにある。
短時間の歪み取り焼鈍後の鉄損に及ぼす影響について調
査した。調査結果の1例を以下に記す。
0.55wt%, Ti:5wtPPm およびAl:0.5wt %になる成分
組成にREM を濃度20wtPPm で添加した鋼と無添加の鋼と
について、それぞれ熱間圧延したのち冷間圧延し、その
後、790 ℃・30秒間の仕上げ焼鈍を施し製品板とした。
これらの製品板の結晶粒径は24〜26μm の範囲であっ
た。
歪み取り焼鈍を施したのち鉄損 (W/15/50)を調査した。
それらの調査結果を図3に示す。図3はREM 添加有り無
しにおける725 ℃・1時間の歪み取り焼鈍後の鉄損(W/
15/50)に及ぼすZr濃度の影響を示すグラフである。図3
から明らかなように低温短時間の歪み取り焼鈍であって
も、REM の添加によってZr濃度が80wtPPm まで良好な鉄
損を得ることができた。
M を含有させることにより、低温短時間歪み取り焼鈍後
の鉄損へのZrの悪影響を除くことができることを新規に
知見した。
r:5wtPPm およびAl:0.5wt %になる成分組成にREM
を濃度20wtPPm で添加した鋼と無添加の鋼とについて、
それぞれ熱間圧延したのち冷間圧延し、その後、790 ℃
・30秒間の仕上げ焼鈍を施して製品板とした。これらの
製品板の結晶粒径は23〜27μm の範囲であった。
歪み取り焼鈍を施したのち鉄損(W/15/50)を調査した。
それらの調査結果を図4に示す。図4はREM 添加有り無
しにおける725 ℃・1時間の歪み取り焼鈍後の鉄損(W/
15/50)に及ぼすTi濃度の影響を示すグラフである。図4
から明らかなように、Ti濃度が増加すると鉄損は劣化
し、とくにREM を添加しない場合その傾向は顕著になる
が、REM を添加し、かつTi濃度を15wtPPm 以下、とくに
10wtPPm 以下とすることにより、良好な鉄損が得られる
ことが分る。
Ti:8wtPPm ,Zr :42wtPPm およびAl:0.5wt %を含有
する鋼を熱間圧延したのち冷間圧延し、その後、それぞ
れ790 ℃・30秒間の仕上げ焼鈍を施し製品板とした。こ
れらの製品板の結晶粒径は24〜47μm であった。
歪み取り焼鈍を施したのち鉄損(W15/50)を調査した。そ
れらの結果を図5に示す。図5は725 ℃・1時間の歪み
取り焼鈍後の鉄損(W15/50) に及ぼすREM 濃度の影響を
示すグラフである。図5から明らかなように、REM 濃度
が2〜80wtPPm 、とくに5〜50wtPPm にて著しく良好な
鉄損が得られることが分る。
PPm 、Al:0.5wt %およびREM :20wtPPm になる成分組
成にSbを濃度0.05wt%で添加した鋼と無添加の鋼とにつ
いて、それぞれ熱間圧延したのち冷間圧延し、その後、
790 ℃・30秒間の仕上げ焼鈍を施し製品板とした。
るとともに磁束密度(B50) および鉄損(W15/50) を測定
した。その結果結晶粒径は25〜27μm の範囲にあり、磁
束密度および鉄損は表1に示す値が得られた。
密度(B50) が向上することがわかる。
方向性電磁鋼板において、REM を2〜80wtPPm の範囲で
含有させ、かつTi含有量を15wtPPm 以下とすることによ
り、Zr含有量が80wtPPm まで、低温短時間の歪み取り焼
鈍後にて良好な鉄損が得られることが明らかとなった。
したがって、この発明では、従来不可能であった、低温
短時間歪み取り焼鈍後に優れる鉄損を有す無方向性電磁
鋼板の工業的規模での生産が可能になる。
関係についてその相違を以下に列記する。特開昭51−62
115 号、同55−34675 号、同56−102550号および同57−
192219号公報等は、γ→α変態点の高い(もしくは変態
しない)Si:1.0wt %以上の中高Si鋼における、低S
化、S固定のための希土類成分添加に関する技術であ
る。しかしながら、Tiを15wtPPm 以下とすることと、希
土類成分添加との複合効果により、低温短時間歪み取り
焼鈍に著しく良好な鉄損が得られることは、これら従来
公知技術からは何ら示唆されるものはない。
鋼、同58−164724号公報は4%以下のSi鋼における希土
類成分添加の技術で、γ→α変態点の高い、中高Si鋼に
おける低S化、S固定のための希土類成分添加に関する
技術である。しかしながら、この発明における希土類成
分添加の目的がZrの無害化にあることから、この発明と
は異なる技術であると解される。さらに、Tiを15wtPPm
以下とすることと、希土類成分添加との複合効果によ
り、低温短時間歪み取り焼鈍後に著しく良好な鉄損が得
られることは、これら従来公知技術から示唆されるもの
はない。
%, Al:0.2 %未満の無方向性電磁鋼板における、希土
類成分添加の技術である。これに対し、この発明の特徴
はAlを0.2 〜1.5 wt%とし、Tiを15wtPPm 以下とするこ
とと、希土類成分添加との複合効果により、低温短時間
歪み取り焼鈍時に著しく良好な粒成長性、ならびに良好
な鉄損が得られることであり、その効果は上記特開平3
−215627号公報からは到底示唆されるものではなく、こ
の発明はさらに進んだ技術と云える。
密度の向上)は公知であるが、この発明の成分系でのSb
の集合組織の適正化への寄与はこれまで確認されていな
く、この成分系にてSb添加の効果が現出したのは新規知
見である。
れらの限定理由と好適範囲について述べる。 C:0.01wt%以下 Cは、炭化物の析出により、磁気特性を劣化させるの
で、製品のC含有量は0.01wt%以下とする。
用な成分である。含有量が多ければ多いほど鉄損の低減
には効果があるが、その反面硬度を高め打ち抜き精度を
劣化させる。含有量が1.0wt %未満では鉄損の低下が不
十分であり、2.5wt %を超えると打ち抜き性が劣化す
る。したがって、その含有量は1.0wt %以上、2.5wt %
以下とする。
対し有利な働きがあり、そのために含有量は0.10wt%以
上とするが望ましくは0.5wt %以上がよい。一方、Mn含
有量の増加は磁束密度を劣化させるためその含有量の上
限は、1.5wt %とするが好ましくは1.0wt %である。
劣化ひいては鉄損を著しく劣化させるので、良好な鉄損
を得るためにその含有量は15wtPPm 以下とするが、さら
に良好な鉄損を得るためには10wtPPm 以下とすることが
望ましい。
の効果は小さく、REM の添加を同時に行うことによっ
て、低温短時間歪み取り焼鈍時の粒成長性は良好にな
る。
織として、(110) 方位増、(111) 方位減に寄与する成分
として知られている。この発明の成分系において、磁束
密度の顕著な向上をはかるためには、含有量が0.002wt
%未満ではその効果に乏しく、0.5wt %を超えるとその
効果は飽和する。したがって、その含有量は0.002wt %
以上、0.5wt %以下とする。
びREM の含有量を制御することにより発現するもので、
その理由は明らかでないが、集合組織形成に寄与するSb
が、結晶粒成長性を阻害する因子の働きを抑制すること
により、その潜在効果が顕著になったものと考えられ
る。
させるので、できるだけ低減することが望ましいが、5
wtPPm 以下を工業的に安定して達成することは著しいコ
スト高を招く。そこで、この発明では、工業的に安定し
て達成可能なZr:5〜80wtPPm の範囲においてREM を添
加することによりZrを無害化する。したがって、REM の
添加と併せてZrを80wtPPm 以下にすることにより低鉄損
化の効果が顕著となるのでその含有量は80wtPPm 以下と
する。
成分である。そのため含有量が多ければ多いほど低鉄損
化への寄与も大きくなるが、1.5wt %を超えると磁束密
度や打ち抜き性を劣化させる。また、含有量が0.2wt %
未満では生成するAlN が微細となり、結晶粒の成長性を
劣化させ鉄損の向上がはかれなくなる。したがって、そ
の含有量は0.2wt %以上、1.5wt %以下とする。
計で2〜80wtPPm の範囲で含有させることにより、工業
的規模での製鋼において不可避的に混入するZrの低温短
時間歪み取り焼鈍時の結晶粒の成長性への悪影響を回避
することができる。上記において、REM の含有量は2wt
PPm 以上でその効果が発揮されるが、望ましくは5wtPP
m 以上含有させることがよい。一方、過度の添加は、RE
M が形成する介在物の増加を招き、REM 系介在物そのも
のによる結晶粒成長の阻害が問題となることからその含
有量は80wtPPm 以下とするが、望ましくは50wtPPm 以下
がよい。
限定するものではないが、好適範囲は以下の通りであ
る。
ため添加することができるが、含有量が0.2wt %を超 える添加は冷間圧延性を劣化させるので、その含有量は
0.2wt %以下とすることが望ましい。
の障害となり磁気特性を劣化させる。したがって、その
含有量の上限は0.01wt%とすることが望ましい。
なり磁気特性を劣化させる。したがって、その含有量の
上限は0.01wt%とすることが望ましい。
長の障害となり磁気特性を劣化させる。したがって、そ
の含有量は50wtPPm 以下とすることが好ましい。
らびに好適な製造条件について説明する。
溶製し、連続鋳造あるいは鋳造−造塊法によりスラブと
する。
再加熱したのち熱間圧延する方法、あるいはスラブを再
加熱せずに直接熱間圧延する方法のいずれもが適用でき
る。
うとする場合には、熱延板焼鈍、もしくは熱間圧延後巻
き取り時の自己焼鈍により、熱延板の結晶粒を粗大化さ
せ、集合組織を改善することが有効である。熱延板焼鈍
は、箱焼鈍(例えば850 ℃・1時間)あるいは連続焼鈍
(例えば950 ℃・2分間)のいずれもが適用しうる。
について述べる。表2に示す成分組成のスラブを熱間圧
延し、950 ℃の温度にて種々の均熱時間の熱延板焼鈍を
施したのち冷間圧延し、その後仕上げ焼鈍を施したのち
725 ℃・1時間の歪み取り焼鈍を施した鋼板について磁
束密度を調査した。
た。
系(試料NO.1)においては、歪み取り焼鈍時の結晶粒成
長性に著しくすぐれているため、従来、良好な密束密度
を得るために5分間を要していた熱延板焼鈍を40秒間以
下にできることが分る。その結果低コストで磁束密度、
鉄損ともに優れる製品を得ることができる。
満では熱延板結晶粒の粗大化の効果が小さく、また1100
℃を超えると経済的に不利になるので、その温度は800
℃以上、1100℃以下とすることがよい(第3発明)。
を施し製品板とする。その際、1回の冷間圧延により製
品板厚とし仕上げ焼鈍する方法、中間焼鈍を挟む2回以
上の冷間圧延により製品板厚とし仕上げ焼鈍する方法の
いずれかにより行う。
るが、製品板の結晶粒径が大きすぎると、著しく打ち抜
き精度が損なわれるので、結晶粒径が40μm 未満、好ま
しくは10〜30μm の範囲とする焼鈍条件(温度と時間)
を選択することがよい。また、公知の方法により鋼板表
面に絶縁被膜を被成しても一向に差支えない。
によりそれぞれスラブとし、冷却することなしに直接熱
間圧延を施し熱延板とした。その後、920 ℃・2分間の
熱延板焼鈍ののち、酸洗を経て冷間圧延を行い板厚0.5m
m の冷延板とし、800 ℃・15秒間の仕上げ焼鈍後絶縁被
膜を被成しそれぞれ製品板とした。その際、各製品板の
結晶粒径は全て35μm 以下であった。しかるのち、各製
品板をせん断後、窒素雰囲気中で725 ℃・1時間の歪み
取り焼鈍を施し、得られた焼鈍板について、それぞれ25
cmエプスタイン法により磁気特性を調査した。各製品板
の分析成分ならびに歪み取り焼鈍後の磁気特性の調査結
果を表3にまとめて示す。
(試料NO.1,2) は、打ち抜き精度は良好であり、比較例
に比し磁束密度、鉄損ともに優れている。
によりそれぞれスラブとし、冷却することなしに直接熱
間圧延を施し熱延板とした。その後、酸洗を経て冷間圧
延を行い板厚0.5mm の冷延板としたのち、800 ℃・15秒
間の仕上げ焼鈍を施し、絶縁被膜を被成してそれぞれ製
品板とした。その際、各製品板の結晶粒径は全て35μm
以下であった。しかるのち、各製品板をせん断後、窒素
雰囲気中で725 ℃・1時間の歪み取り焼鈍を施し、得ら
れた焼鈍板について、それぞれ25cmエプスタイン法によ
り磁気特性を調査した。各製品板の分析成分、打ち抜き
精度ならびに歪み取り焼鈍後の磁気特性の調査結果を表
4にまとめて示す。
(試料NO.1,2)は、打ち抜き精度は良好であり、比較例
に比し磁束密度、鉄損ともに優れている。
のTiおよびZrの規制とによって結晶粒成長性を向上さ
せ、かつSb添加による集合組織の改善により、歪み取り
焼鈍後にて低鉄損化、高磁束密度化を達成できるSi:1.
0 wt%以上の無方向性電磁鋼板であって、この発明によ
れば、打ち抜き加工性を阻害することなく、従来から行
われてきた 750℃程度の歪み取り焼鈍の場合はいうまで
もなく、それよりも低温短時間の歪み取り焼鈍でも、高
磁束密度で良好な鉄損が得られ、電気機器類の高効率化
指向に伴い、それらの鉄心材料として用いられる無方向
性電磁鋼板の品質特性向上要請に十分応じることがで
き、かつ、経済性にも優れることから、その工業的効果
は極めて多大である。
り焼鈍後の鉄損(W15/50) に及ぼすZr濃度の影響を示す
グラフである。
り焼鈍後の結晶粒径に及ぼすZr濃度の影響を示すグラフ
である。
み取り焼鈍後の鉄損(W15/50)に及ぼすZr濃度の影響を
示すグラフである。
み取り焼鈍後の鉄損(W15/50)に及ぼすTi濃度の影響を
示すグラフである。
50) に及ぼすREM 濃度の影響を示すグラフである。
Claims (3)
- 【請求項1】 C:0.01wt%以下、 Si:1.0 wt%以上、2.5 wt%以下、 Mn:0.10wt%以上、1.5 wt%以下、 Ti:15 wtppm以下、 Sb:0.002 wt%以上、0.5 wt%以下、 Zr:80 wtppm以下、 Al:0.2 wt%以上、1.5 wt%以下および REM:2 wtppm以上、80 wtppm以下 を含有し、残部は鉄および不可避的不純物の組成になる
ことを特徴とする、低温短時間の歪み取り焼鈍後鉄損に
優れる無方向性電磁鋼板。 - 【請求項2】 C:0.01wt%以下、 Si:1.0 wt%以上、2.5 wt%以下、 Mn:0.10wt%以上、1.5 wt%以下、 Ti:15 wtppm以下、 Sb:0.002 wt%以上、0.5 wt%以下、 Zr:80 wtppm以下、 Al:0.2 wt%以上、1.5 wt%以下および REM:2 wtppm以上、80 wtppm以下 を含有し、残部は鉄および不可避的不純物の組成になる
鋼を鋳造してスラブとなし、直接あるいは冷却後再加熱
したのち熱間圧延し、1回または中間焼鈍を挟む2回以
上の冷間圧延を行ったのち、仕上焼鈍を施すことを特徴
とする、低温短時間の歪み取り焼鈍後鉄損に優れる無方
向性電磁鋼板の製造方法。 - 【請求項3】 C:0.01wt%以下、 Si:1.0 wt%以上、2.5 wt%以下、 Mn:0.10wt%以上、1.5 wt%以下、 Ti:15 wtppm以下、 Sb:0.002 wt%以上、0.5 wt%以下、 Zr:80 wtppm以下、 Al:0.2 wt%以上、1.5 wt%以下および REM:2 wtppm以上、80 wtppm以下 を含有し、残部は鉄および不可避的不純物の組成になる
鋼を鋳造してスラブとなし、直接あるいは冷却後再加熱
したのち熱間圧延し、800 〜1100℃の温度範囲での熱延
板焼鈍を経て、1回または中間焼鈍を挟む2回以上の冷
間圧延を行ったのち、仕上焼鈍を施すことを特徴とす
る、低温短時間の歪み取り焼鈍後鉄損に優れる無方向性
電磁鋼板の製造方法。
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JP13326495A JP3148567B2 (ja) | 1995-05-31 | 1995-05-31 | 低温短時間の歪み取り焼鈍後鉄損に優れる無方向性電磁鋼板およびその製造方法 |
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JP13326495A JP3148567B2 (ja) | 1995-05-31 | 1995-05-31 | 低温短時間の歪み取り焼鈍後鉄損に優れる無方向性電磁鋼板およびその製造方法 |
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