JP3148534B2 - バッキングプレート装置 - Google Patents

バッキングプレート装置

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JP3148534B2
JP3148534B2 JP28492794A JP28492794A JP3148534B2 JP 3148534 B2 JP3148534 B2 JP 3148534B2 JP 28492794 A JP28492794 A JP 28492794A JP 28492794 A JP28492794 A JP 28492794A JP 3148534 B2 JP3148534 B2 JP 3148534B2
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秀機 木下
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  • Constituent Portions Of Griding Lathes, Driving, Sensing And Control (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、棒状ワークを軸芯回り
に回転させながら加工するに際し、その後端面を支持す
るためのバッキングプレート装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光ファイバーを接続する場合、2つの光
ファイバーの端部を棒状のフェルールの中心孔にそれぞ
れ挿通した後、各フェルールを筒状のコネクタに挿入し
てフェルールの端部同士を当接させている。このため、
フェルールの先端面を高精度の球面状に形成することに
より、光ファイバー同士の芯を合致させ、光漏れがない
ように光ファイバーの接続を行えるようにしている。
【0003】従来、前記フェルールのように先端面を球
面状に形成する場合、例えば、図5に示す研削装置を使
用している。この研削装置では、棒状ワークWをダイヤ
フラムチャック1で保持して回転させると共に、傾斜さ
せた研削砥石2を回転させながらその内方傾斜研削面2
aを棒状ワークWの先端面に摺接させて球面研削するよ
うになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記研
削装置では、ダイヤフラムチャック1を使用しているた
め、その回転中心と保持する棒状ワークWの軸芯との間
に若干の芯ずれが発生する。
【0005】そこで、図6に示すように、前記棒状ワー
クWの外周面を1つのシュー4と2つのロール5,6と
で保持し、ロール5,6を回転駆動することにより、棒
状ワークWの外周面で軸芯精度を出すようにする研削装
置が考えられている。この研削装置は、棒状ワークWの
後端面をバッキングプレート7に当接して支持した状態
で、先端面に研削砥石8を摺接させることにより球面研
削するようになっている。
【0006】ところが、シュー4とバッキングプレート
7の取付時に於ける直角度の影響を受けて、前記棒状ワ
ーク(フェルール)Wの後端面の軸芯に対する直角度が
悪いと、棒状ワークWは、図7(a),(b)に示すよ
うに、1回転する間に先端がδの範囲で出入りして振動
したり、棒状ワークWの端面がバッキングプレート7に
部分的に摺接して摩耗したりする。この結果、研削状態
が不安定となり、加工精度が悪化していた。具体的に
は、ワークWの直角度が0.1μm/2.5mmを外れ、
シュー4とバッキングプレート7の直角度が0.1μm
/50mmを外れると、加工精度が悪くなる。
【0007】図8は、平面度検査器を使用した結果、ワ
ークWの先端面に現れた等高干渉縞を示す。図中、20
はワークWの中心に穿設した光ファイバーを挿通するた
めの中心孔、21は干渉縞で、ワークWの先端球面の等
高干渉縞は同芯円上ではなく、精度の良い球面形状にな
っていないことが分かる。
【0008】このため、予め棒状ワークWの端面の軸芯
に対する直角度を高めるように前加工しておくことも考
えられるが、それでは別工程での高精度の加工が必要と
なり、コスト面で問題がある。
【0009】そこで、本発明は前記問題点に鑑み、ワー
クの後端面を高精度に前加工することなく、ワークの先
端面を高精度に研削できるように棒状ワークを支持する
簡単な構造の安価なバッキングプレート装置を提供する
ことを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明では、1つのシューと2つのロ
ールとによって外周面を回転駆動可能に保持された棒状
ワークの後端面を支持するバッキングプレート装置であ
って、ガイド孔を有するハウジングと、該ハウジングの
ガイド孔内に微小間隔を有して配設され、先端面に前記
棒状ワークの一端部が当接すると共に、後端面に保持凹
部が形成されたフローティングプレートと、該フローテ
ィングプレートの保持凹部に位置して、フローティング
プレートを揺動自在に支持する球体と、前記ハウジング
内に配設され、前記球体を前記フローティングプレート
との間に支持する支持部材と、該支持部材の後端部に当
接する当接部材とを備え、前記ロールの回転軸を傾斜さ
せることにより、該ロールで棒状ワークをフローティン
グプレートに付勢可能としたものである。
【0011】請求項2記載の発明では、前記フローティ
ングプレートを前記ハウジングから突出する方向に前記
支持部材を介して付勢するスプリングを前記ハウジング
内に配設したものである。
【0012】請求項3記載の発明では、前記フローティ
ングプレートを小径部と大径部とからなる段付き形状に
形成し、前記当接部材を、球体を介してフローティング
プレートのハウジングに対する軸芯方向への位置関係を
調整する揺動量調整ねじで構成することにより、前記ハ
ウジングのガイド孔が貫通する内面と、前記フローティ
ングプレートの大径部の端面との距離を調整可能とした
ものである。
【0013】
【作用】請求項1記載の発明では、ロールの回転駆動に
より棒状ワークが一端側に付勢されると、その端面がフ
ローティングプレートの先端面に当接する。フローティ
ングプレートは、棒状ワークの端面の直角度に応じて後
端側の球体を中心として揺動する。これにより、フロー
ティングプレートの先端面と棒状ワークの端面とは互い
に面接触し、棒状ワークはフローティングプレートと共
に軸芯を中心として回転する。
【0014】請求項2記載の発明では、フローティング
プレートは、スプリングにより支持部材を介してハウジ
ングから突出する方向に付勢される。押し込まれた棒状
ワークの端面は、前記スプリングの付勢力により早期に
フローティングプレートの先端面と面接触し、迅速に棒
状ワークの回転状態を安定させる。
【0015】請求項3記載の発明では、揺動量調整ねじ
はフローティングプレートの位置すなわちその揺動量を
調整する。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に従って説
明する。
【0017】図1は本発明に係るバッキングプレート装
置を備えた研削装置の一部を示している。この研削装置
では、シュー4、一対のロール5,6及び研削砥石8等
の構成は既に説明しているため、以下、バッキングプレ
ート装置10の構成について詳述する。
【0018】すなわち、このバッキングプレート装置1
0は、大略、ハウジング11と、フローティングプレー
ト12と、球体13と、支持部材14と、スプリング1
5と、調整ねじ16とから構成されている。
【0019】ハウジング11は、先端面から小径孔17
a及び大径孔17bを順次形成してなるガイド孔17を
有している。ハウジング11の先端側の側面には、小径
孔17a近傍の大径孔17bに連通するオイルミストエ
ア供給孔11aが形成されている。また、ハウジング1
1の後端側には、大径孔17bに連通するねじ孔17c
が形成され、下記する調整ねじ16を位置決めするため
の固定ねじ17dが螺合している。
【0020】フローティングプレート12は超硬材料を
小径部12aと大径部12bからなる段付き形状に形成
したもので、前記ガイド孔17の小径孔17a及びこの
小径孔17aに連続する大径孔17bの一部に若干の隙
間が形成されるように配設されている。フローティング
プレート12の小径部12aは、前記小径孔17aより
も長く、大径部12bが端面17eに当接した際、ハウ
ジング11の前面から若干突出するようになっている。
一方、フローティングプレート12の大径部12bの後
端面中央部には球体13が位置決めされる円錐状の第1
保持凹部18が形成されている。
【0021】球体13はセラミックス等で形成されてい
る。この球体13は、前記フローティングプレート12
をあらゆる方向に揺動自在に支持するためのものであ
る。
【0022】支持部材14は鍔部14aと軸部14bと
からなる。鍔部14aは、前記ハウジング11の大径孔
17bの内面にガイドされるようになっており、その中
央部には前記フローティングプレート12の後端面に形
成した第1保持凹部18と同一形状の第2保持凹部19
が形成され、球体13が配設されている。また、軸部1
4bの後端面は球面状に形成され、下記する調整ねじ1
6の端面と点接触するようになっている。
【0023】スプリング15は、支持部材14の鍔部1
4aと下記する調整ねじ16との間に配設され、球体1
3を介してフローティングプレート12を、その先端面
がハウジング11の先端面から突出する方向に付勢する
ようになっている。
【0024】調整ねじ16は、ハウジング11の後端側
から大径孔17bに螺合され、先端面が支持部材14の
軸部14bの球面状端面に圧接するようになっている。
そして、調整ねじ16の螺合位置を調整することによ
り、球体13を介してフローティングプレート12の揺
動量を調整できるようになっている。
【0025】前記構成からなるバッキングプレート装置
10は次のようにして組み立てられる。
【0026】すなわち、ハウジング11の後端面側から
ガイド孔17内に、フローティングプレート12、球体
13、支持部材14及びスプリング15の順で収容し、
大径孔17bに調整ねじ16を螺合する。この状態で
は、フローティングプレート12は、後端面に球体1
3、支持部材14及び調整ねじ16が順次当接すること
によりフローティング不能で、かつ、ハウジング11か
ら突出している(本実施例では、突出量は20μmとし
てある。)。
【0027】次に、調整ねじ16の螺合位置を調整する
ことによりフローティングプレート12の揺動量を調整
する。この調整では、まず、先端を球面に形成した加工
済み棒状ワークWをシュー4及び一対のロール5,6で
保持し、その棒状ワークWの後端面をフローティングプ
レート12に当接する。そして、棒状ワークWの先端球
面にミニテスタ(2μm/1目盛り)を当接し、ロール
5,6を回転駆動しながら調整ねじ16を緩めることに
より、棒状ワークWを後退させる(20μm)。この場
合、後退させる寸法はフローティングプレート12をど
れだけ揺動可能とするのかによって自由に設定できる。
ただし、フローティングプレート12の揺動角度を確保
するために、フローティングプレート12の小径部12
a及び大径部12bと、ハウジング11の小径孔17a
及び大径孔17bとの間にそれぞれ所定の間隙寸法が必
要である。
【0028】その後、フロー12の揺動量が確定すれ
ば、ねじ孔17cに固定ねじ17dを螺合して調整ねじ
16を位置決めする。
【0029】このようにして組み立てられたバッキング
プレート装置10では、フローティングプレート12と
支持部材14との間には球体13によって所定の隙間が
形成され、その隙間にはハウジング11に形成したオイ
ルミストエア供給孔11aを介してオイルが供給され、
フローティングプレート12の揺動が無理なくスムーズ
に行われるようになっている。
【0030】次に、前記バッキングプレート装置10に
よる棒状ワークWの支持状態について説明する。
【0031】まず、供給される未加工の棒状ワークWは
シュー4と一対のロール5,6とで保持される。ロール
5の支軸5aはワークWの軸心に対して若干傾斜して設
けられているため、ロール5,6が回転駆動すると、ロ
ール5から後端側に推力を受けることにより、ワークW
の後端面がフローティングプレート12の先端面に当接
する。
【0032】フローティングプレート12は、図2
(a)に示すように、球体13によってあらゆる方向に
揺動自在に支持されているため、棒状ワークWの端面の
直角度精度に拘わらず必ず面接触するように揺動し、フ
ローティングプレート12と棒状ワークWとは一体的に
回転する。なお、フローティングプレート12は、球体
13を介して支持部材14に支持され、支持部材14は
後端部を調整ねじ15に当接させることにより位置規制
されている。
【0033】この場合、前記フローティングプレート1
2は、スプリング15によって支持部材14及び球体1
3を介してハウジング11から突出する方向に付勢され
ているため、棒状ワークWの端面との面接触状態が即座
に得られ、研削開始までの時間が短縮される。また、揺
動量を大きくとったとしても、棒状ワークWで押し込む
際にフローティングプレート12がハウジング11のガ
イド孔17内でこじれたりすることがなく、常に良好な
状態で揺動させることができる。
【0034】前記フローティングプレート12は棒状ワ
ークWと共に球体13の中心を基準として棒状ワークW
の軸芯回りに回転し、棒状ワークWの先端位置が変化す
ることはない。したがって、棒状ワークWの球面研削を
好ましい状態で行なうことができ、棒状ワークWの先端
面を高精度な球面形状に形成することができた。
【0035】図3は、球面研削を終えた棒状ワーク(フ
ェルール)Wの先端面の等高干渉縞を示す。これによる
と、干渉縞は同芯円であり、ワークWの先端面が高精度
な球面形状になっていることが分かる。これに対し、従
来のバッキングプレートを使用したものでは、図8に示
すように、球面形状が大きくずれていた。
【0036】なお、前記実施例では、フローティングプ
レート12を球体13及び支持部材14を介してスプリ
ング15によって付勢する構成としたが、スプリング1
5はなくてもよい。また、図4に示すように、支持部材
14を中間プレート19を介して直接調整ねじ15で支
持する構成としてもよい。
【0037】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1記載の発明では、棒状ワークの端面が所望の直角度で
形成されていなくても、フローティングプレートが前記
端面の直角度に応じて傾斜し、当接状態で連れ回りする
ことになる。したがって、従来のように、バッキングプ
レートとシューの直角度や棒状ワークの端部がバッキン
グプレートに部分的に摺接することによる摩耗は発生し
ない。このため、棒状ワークの先端面の位置が軸芯方向
に変動することがなくなり、高精度で棒状ワークの先端
球面の研削加工を行なうことができる。
【0038】請求項2記載の発明では、フローティング
プレートをスプリングでバッキングプレート本体から突
出する方向に付勢するようにしたので、フローティング
プレートを早期に棒状ワークの端面と面接触状態とする
ことができ、研削準備時間を短縮可能である。
【0039】請求項3記載の発明では、調整ねじにより
フローティングプレートの揺動量を調整できるようにし
たので、棒状ワークの端面の直角度精度のばらつき具合
に応じて必要最小限の揺動量とすることができ、研削開
始までの時間を短縮できる。特に、スプリングによりフ
ローティングプレートを突出方向に付勢するようにすれ
ば、より研削開始までの時間を短縮できる上、棒状ワー
クに対するフローティングプレートの付勢力を調整する
ことができるので、最適な支持状態を得ることが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施例に係る棒状ワーク用研削装置のフロ
ーティング装置の概略図である。
【図2】 図1のフローティングプレートの揺動状態を
示す正面図である。
【図3】 図1に示す棒状ワーク用研削装置により研削
した棒状ワークの先端球面状態を示す正面図である。
【図4】 他の実施例にかかる棒状ワーク用研削装置の
フローテイング装置の断面図である。
【図5】 従来例に係る棒状ワーク用研削装置の概略図
である。
【図6】 棒状ワーク用研削装置の一部を示す概略斜視
図である。
【図7】 図6のバッキングプレート装置による支持状
態を示す正面図である。
【図8】 図7に示す棒状ワーク用研削装置により研削
した棒状ワークの先端球面状態を示す正面図である。
【符号の説明】
11 ハウジング 12 フローティングプレート 13 球体 14 支持部材 17 ガイド孔 18 第1凹部(保持凹部)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B24B 7/16 B24B 9/00 601 B24B 11/00 B24B 41/06 B24B 19/00 603

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1つのシューと2つのロールとによって
    外周面を回転駆動可能に保持された棒状ワークの後端面
    を支持するバッキングプレート装置であって、 ガイド孔を有するハウジングと、 該ハウジングのガイド孔内に微小間隔を有して配設さ
    れ、先端面に前記棒状ワークの一端部が当接すると共
    に、後端面に保持凹部が形成されたフローティングプレ
    ートと、 該フローティングプレートの保持凹部に位置して、フロ
    ーティングプレートを揺動自在に支持する球体と、 前記ハウジング内に配設され、前記球体を前記フローテ
    ィングプレートとの間に支持する支持部材と、 該支持部材の後端部に当接する当接部材とを備え、 前記ロールの回転軸を傾斜させることにより、該ロール
    で棒状ワークをフローティングプレートに付勢可能とし
    たことを特徴とするバッキングプレート装置。
  2. 【請求項2】 前記フローティングプレートを前記ハウ
    ジングから突出する方向に前記支持部材を介して付勢す
    るスプリングを前記ハウジング内に配設したことを特徴
    とする請求項1記載のバッキングプレート装置。
  3. 【請求項3】 前記フローティングプレートを小径部と
    大径部とからなる段付き形状に形成し、 前記当接部材を、球体を介してフローティングプレート
    のハウジングに対する軸芯方向への位置関係を調整する
    揺動量調整ねじで構成することにより、 前記ハウジングのガイド孔が貫通する内面と、前記フロ
    ーティングプレートの大径部の端面との距離を調整可能
    としたことを特徴とする請求項1又は2に記載のバッキ
    ングプレート装置。
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CN109551330B (zh) * 2019-01-04 2024-02-23 杭州龙盛工贸有限公司 一种压铸件去毛刺专用气压式浮动主轴
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