JP3148510U - 自動倉庫システム - Google Patents

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Abstract

【課題】報知手段の報知により、レーザ光が反射体における最適位置に入射しているか否かを容易に確認することができる自動倉庫システムを提供する。【解決手段】コントローラ51は、受光部31bの受光量が所定量である場合、ブザー50に最も高音を発生させることで、レーザ光が反射板32における最適位置に入射していることをブザー50によって報知させる。一方、コントローラ51は、レーザ光が反射板32に入射し、かつ、受光部31bの受光量が所定量未満である場合、ブザー50から発せられる音を低くすることで、レーザ光が反射板32における最適位置以外の位置に入射していることをブザー50によって報知させる。【選択図】図2

Description

本考案は、軌道上を往復移動するスタッカクレーンに設けられた光学式の測距センサと、測距センサのレーザ光を反射させる反射体とを用いて、スタッカクレーン及び昇降キャリッジの停止位置を把握する自動倉庫システムに関する。
自動倉庫におけるスタッカクレーンは、通常、複数の保管棚を有する棚体に沿って敷設された軌道上を往復走行する。スタッカクレーンは、地上制御盤等からの入出庫作業の指示に基づき、目的の保管棚に対応するスタッカクレーンの停止位置に停止される。停止位置では、スタッカクレーンが備える昇降キャリッジを昇降させ、目的の保管棚と昇降キャリッジを対峙させ、フォーク等を用いて目的の保管棚に対する物品の受け渡し作業を行う。スタッカクレーンの走行又は停止は、スタッカクレーンの車輪が備えるエンコーダの情報に基づいて実施される。
ところで、スタッカクレーンを繰り返し作動させていると、スタッカクレーンの車輪のスリップ等により、エンコーダにより検出される走行距離と実際の走行距離との間にずれが生じる場合がある。そこで、スタッカクレーンに設けられた光学式の測距センサと、測距センサからのレーザ光を反射させる地上設置の反射体とを用い、測距センサと反射体との絶対距離を測定することによりスタッカクレーンの停止位置を把握する技術が知られている(例えば特許文献1参照)。
特許文献1において、反射体に対してレーザ光の当たる位置がずれてしまうと、測定される測距センサと反射体との絶対距離の信頼性が低下してしまう。そこで、自動倉庫では、レーザ光が反射体の最適位置に当たるようにするため、レーザ光の光軸調整作業が自動倉庫の稼動前などに行われる。
特開2008−127166号公報
しかしながら、このような測距センサにおける光軸調整作業は、測距センサと反射体との距離が遠いときや、作業環境の中で生じる外乱光の影響を受けるとき等、自動倉庫の設置環境により測距センサからのレーザ光が見づらいことがあり、レーザ光が反射体の最適位置に当たっているか否かを確認し難いという問題があった。
本考案の目的は、報知手段の報知により、レーザ光が反射体における最適位置に入射しているか否かを容易に確認することができる自動倉庫システムを提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の考案は、軌道上を往復移動するスタッカクレーンに昇降キャリッジが設けられ、前記スタッカクレーンに設けられた光学式の測距センサと、前記測距センサのレーザ光を反射させる反射体とを用いて、前記スタッカクレーン及び前記昇降キャリッジの停止位置を把握する自動倉庫システムであって、前記測距センサは、該測距センサの投光部から出射されたレーザ光が前記反射体に入射されるとともに、前記反射体によって反射されたレーザ光が前記測距センサの受光部で受光されると、前記レーザ光の受光量を検出するものであり、さらに、前記レーザ光が前記受光部に受光していることを報知する報知手段と、前記測距センサから得られた受光量に基づき、前記報知手段を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記受光部の受光量が所定量である場合、前記レーザ光が前記反射体における最適位置に入射していることを前記報知手段によって報知させる一方で、前記レーザ光の受光量が前記測距センサで検出され、かつ、前記受光部の受光量が前記所定量未満の場合、前記レーザ光が前記最適位置に入射していないことを前記報知手段によって報知させることを要旨とする。
この考案によれば、制御手段は、受光部の受光量が所定量である場合、レーザ光が反射体における最適位置に入射していることを報知手段によって報知させる。一方、制御手段は、レーザ光の受光量が測距センサで検出され、かつ、受光部の受光量が所定量未満であった場合には、レーザ光が反射体における最適位置に入射していないことを報知手段によって報知させる。よって、作業者は、報知手段の報知により、レーザ光が反射体における最適位置に入射しているか否かを容易に確認することができる。したがって、測距センサと反射体との距離が遠いときや、作業環境の中で生じる外乱光の影響を受けるとき等のように、レーザ光が反射体の最適位置に当たっているか否かを確認し難い状況であっても、報知手段の報知によって、レーザ光が反射体における最適位置に当たっているか否かを容易に確認することができる。
請求項2に記載の考案は、請求項1に記載の考案において、前記報知手段はブザーであるとともに、前記制御手段は、前記受光量が前記所定量である場合、前記ブザーに最も高音を発生させる一方で、前記受光量が前記所定量よりも少ないほど、前記ブザーから発せられる音を低くすることを要旨とする。
この考案によれば、ブザーから発せられる音が最も高音であった場合、作業者は、高音の音を聞くことにより、レーザ光が反射体における最適位置に入射していることを確認することができる。一方、ブザーから発せられる音が低ければ低いほど、作業者は、音の低さによって、レーザ光が反射体における最適位置から離れた位置に入射していることを確認することができる。したがって、作業者は、レーザ光が最適位置に当たっているか否かを目視だけでなく、音を聞き取ることによっても確認することができ、測距センサにおける出射角度の調整作業の効率が向上する。
請求項3に記載の考案は、請求項1又は請求項2に記載の考案において、前記反射体の縁部全体には、前記レーザ光を反射させにくくする被覆材が設けられていることを要旨とする。
この考案によれば、レーザ光が反射体の縁部に入射すると、被覆材によって、反射体から反射される光量が減ることになる。すると、受光部の受光量は確実に所定量より少なくなり、制御手段は、レーザ光が最適位置に当たっていないことを確実に判断できる。よって、報知手段の報知により、レーザ光が最適位置に入射していないことをより明確に判断することができる。
この考案によれば、報知手段の報知により、レーザ光が反射体における最適位置に入射しているか否かを容易に確認することができる。
以下、本考案を自動倉庫システムに具体化した一実施形態を図1〜図5にしたがって説明する。なお、以下の説明において、スタッカクレーンの走行方向を前後方向(図1に示す矢印X1の方向)とし、前後方向と直交する方向を自動倉庫の左右方向(図1に示す矢印Y1の方向)とする。
図1に示すように、自動倉庫11は通路10を挟んで左右両側に一対の棚12a,12bが並設されている。なお、図1では片側(右側)の棚12bを省略して図示しており、棚12bは棚12aと同一構成とされている。各棚12a,12bは、通路10の長手方向(連方向)に沿って配設された複数本の支柱13と、連方向に隣り合う支柱13で対をなすように通路10の高さ方向(段方向)に沿って配設された複数の棚板14とから構成されている。各棚12a,12bには、支柱13と棚板14の枠組みにより荷棚15が連方向及び段方向にそれぞれ複数ずつ区画形成されている。棚12aの荷棚15と棚12bの荷棚15は、それぞれ対向して配置されている。また、自動倉庫11の最外連よりも外側には、自動倉庫11に入庫する荷Wや自動倉庫11か出庫する荷Wを載置する荷受台27が設置されている。
通路10上には、通路10の長手方向(連方向)に沿って軌道としての走行レール16が敷設されている。走行レール16は、一直線に延設されている。そして、走行レール16上を、スタッカクレーン17が走行可能に配置されている。スタッカクレーン17は、予め定めたホームポジションとオポジットポジションとの間を走行するように配置され、両ポジション間を往復動作可能とされている。
スタッカクレーン17は、走行レール16上を走行可能な前後一対の図示しない走行輪を有する走行台18と、走行台18上に立設された一対のマスト19と、一対のマスト19の間に上下動可能に配設された昇降キャリッジ20とを備えている。昇降キャリッジ20上には、荷棚15に対して荷Wを出し入れするためのフォーク装置23が設けられている。そして、昇降キャリッジ20は、図示しないワイヤを介してマスト19間に吊り下げられている。
また、走行台18には、走行用モータM1と昇降用モータM2が設けられている。走行用モータM1と昇降用モータM2には、例えばサーボモータが使用されている。図示しない走行輪は、走行用モータM1により回転駆動される。そして、スタッカクレーン17は、走行輪が走行レール16上を転動することにより走行レール16に沿って走行する。また、昇降キャリッジ20は、図示しない巻上げ装置が昇降用モータM2により駆動されることで、前記巻上げ装置にて昇降キャリッジ20を吊り下げるためのワイヤが巻き上げ及び繰り出しされることによって昇降する。さらに、昇降キャリッジ20のフォーク装置23は、フォーク用モータM3(図2(a)参照)により駆動されることで、昇降キャリッジ20に対して出し入れされるとともに、昇降キャリッジ20から荷Wの入出庫が行われる。
また、スタッカクレーン17には、マスト19の下部と対応する位置にクレーンコントローラ21が配設されている。クレーンコントローラ21は、運行制御コントローラ25からの指令(指示)信号に基づいて走行用モータM1、昇降用モータM2、フォーク用モータM3などを制御するようになっている。また、運行制御コントローラ25には、各種データを作業者の操作により入力するキーボードKYと、各種情報を表示するディスプレイDSが設けられている。
次に、本実施形態の自動倉庫11の電気的構成を図2にしたがって説明する。
図2(a)に示すように、クレーンコントローラ21は、中央演算装置であるCPU(CENTRAL PROCESSING UNIT)21aとメモリ21bとを備えている。メモリ21bには、スタッカクレーン17の走行及び昇降キャリッジ20の昇降を制御するための各種制御用プログラムが記憶されるとともに、各種演算処理結果や、運行制御コントローラ25からの各種制御データなどが記憶される。また、クレーンコントローラ21には、走行用モータM1と、昇降用モータM2と、フォーク用モータM3とが電気的に接続されている。そして、CPU21aは、各種制御用プログラムに基づいて、走行用モータM1と、昇降用モータM2と、フォーク用モータM3とを制御する。
図1及び図2(a)に示すように、スタッカクレーン17及び運行制御コントローラ25は、クレーンコントローラ21と運行制御コントローラ25との間で無線により信号の授受を行う送受信装置24a,24bを備えている。運行制御コントローラ25には、荷棚15に荷Wが収納されているかといった在庫データを記憶保持する図示しない在庫管理コンピュータが接続されている。在庫管理コンピュータは、例えば自動倉庫11が設置された工場内の管理室に設けられている。そして、在庫管理コンピュータは、在庫データに基づいた入出庫指令(指示)を運行制御コントローラ25に送信し、指令を受信した運行制御コントローラ25は、送受信装置24a,24bとの間で無線によりクレーンコントローラ21に入庫先の荷棚15あるいは出庫元の荷棚15の位置を指令する。
図1に示すように、走行台18において、通路10の長手方向(連方向)における走行台18の正面前方(図1において左側)の端面には、光学式の測距センサ31が設けられている。また、通路10の短手方向における走行台18の側面には、光学式の測距センサ41が設けられている。図1に拡大して示すように、測距センサ31は、投受光型の光センサで構成され、投光部31aと受光部31bとを備えている。なお、測距センサ41においても測距センサ31と同様に、投受光型の光センサで構成されており、投光部41aと受光部41bとを備えている(図2(b)参照)。投光部31a,41aと受光部31b,41bとは一体で構成されるとともに、投光部31a,41a及び受光部31b,41bは、適宜、切換可能である。また、測距センサ31のレーザ光における出射方向と対向する位置には反射体としての反射板32が地上側に設けられている。さらに、測距センサ41と対向する位置であるとともに、昇降キャリッジ20の下部には、反射体としての反射板42が設けられている。なお、以下の説明において、測距センサ41に関する説明は、測距センサ31に関する説明と同一の説明となり重複するため、測距センサ41に関する説明は省略する。
投光部31aから出射されたレーザ光は、反射板32に入射するとともに反射板32により反射され、反射板32により反射された一定の方向性を持ったレーザ光が受光部31bへ受光されるようになっている。測距センサ31は、受光部31bでのレーザ光の受光に基づき、測距センサ31と反射板32との距離を計測する機能を有しており、自動倉庫11の稼動中には、測距センサ31と反射板32との距離を計測する。測距センサ31により計測された距離データは、クレーンコントローラ21へ出力されるとともに、送受信装置24a,24bとの間で無線により運行制御コントローラ25へ転送されるようになっている。また、測距センサ31は、反射板32によって反射されたレーザ光が受光部31bへ受光されると、レーザ光の受光量を検出するようになっている。
図2(b)に示すように、測距センサ31,41には制御手段としてのコントローラ51が電気的に接続されるとともに、コントローラ51には報知手段としてのブザー50が電気的に接続されている。コントローラ51は、測距センサ31で検出された受光量に応じて、ブザー50から発生させる音の高低を制御するようになっている。すなわち、ブザー50には、受光量に応じて発生させる音の高低が予め設定されている。
走行レール16には、各荷棚15に対応するスタッカクレーン17の各停止位置と、スタッカクレーン17が荷受台27と対峙する荷積降位置と、各荷棚15に対応するスタッカクレーン17の停止位置を特定するための基準位置と、入出庫等の作業がない場合にスタッカクレーン17が待機する待機位置とが設定されている。基準位置はスタッカクレーン17の走行により移動可能な位置であれば自由に設定できる。また、マスト19には、各荷棚15に対応する昇降キャリッジ20の各停止位置と、停止位置を特定するための基準位置とが設定されている。基準位置は昇降キャリッジ20の昇降可能な位置であれば自由に設定できる。
スタッカクレーン17が基準位置に位置するときの測距センサ31と反射板32との距離を基準距離とすると、運行制御コントローラ25に予め記憶された基準位置と各荷棚15に対応する停止位置までの距離を参照しつつ、走行中のスタッカクレーン17における測距センサ31が、測距センサ31と反射板32との距離を計測する。そして、測距センサ31により計測された距離データは、クレーンコントローラ21へ出力されるとともに、送受信24a,24bとの間で無線により運行制御コントローラ25へ転送される。そして、運行制御コントローラ25は、距離データに基づいて、目的の荷棚15に対応する停止位置へスタッカクレーン17を停止させるようにクレーンコントローラ21へ指令信号を送信する。クレーンコントローラ21は、運行制御コントローラ25から受信した指令信号に基づいて、目的の荷棚15に対応する停止位置へスタッカクレーン17を停止させるように走行用モータM1を制御する。よって、目的の荷棚15に対応する停止位置へのスタッカクレーン17の停止が実現される。
また、昇降キャリッジ20が基準位置に位置するときの測距センサ41と反射板42との距離を基準距離とすると、運行制御コントローラ25に予め記憶された基準位置と各荷棚15に対応する停止位置までの距離を参照しつつ、昇降中の昇降キャリッジ20における測距センサ41が、測距センサ41と反射板42との距離を計測する。そして、測距センサ41により計測された距離データは、クレーンコントローラ21へ出力されるとともに、送受信24a,24bとの間で無線により運行制御コントローラ25へ転送される。そして、運行制御コントローラ25は、距離データに基づいて、目的の荷棚15に対応する停止位置へ昇降キャリッジ20を停止させるようにクレーンコントローラ21へ指令信号を送信する。クレーンコントローラ21は、運行制御コントローラ25から受信した指令信号に基づいて、目的の荷棚15に対応する停止位置へ昇降キャリッジ20を停止させるように昇降用モータM2を制御する。よって、目的の荷棚15に対応する停止位置への昇降キャリッジ20の停止が実現される。
次に、測距センサ31の投光部31aから出射されるレーザ光の反射板32に対する入射領域と、受光部31bの受光量との関係を図3及び図4にしたがって説明する。
図3に示すように、投光部31aから出射されたレーザ光が、反射板32における中央部(図3において一点鎖線で示す領域A)に入射している場合、反射板32におけるレーザ光の受光量が最も多く、かつ、反射板32に対してレーザ光が垂直に入射している。よって、図4に示すように、レーザ光が反射板32における領域Aに入射した場合、受光部31bの受光量は、最も多くなる。本実施形態において、レーザ光が反射板32における領域Aに入射し、かつ、受光部31bの受光量が最も多くなる光量を「所定量」とする。また、反射板32における中央部(領域A)を「最適位置」とする。ここで、「最適位置」とは、投光部31aから出射されたレーザ光を受光部31bで所定量受光させるために、レーザ光が反射板32に入射するときの位置のことをいう。
また、投光部31aから出射されたレーザ光が、反射板32における領域Aよりも外側(図3において二点鎖線で示す領域B)に入射している場合、反射板32における受光量は、レーザ光が領域Aに入射しているときよりも少なく、かつ、反射板32に対して所定の角度を有して入射している。よって、図4に示すように、レーザ光が反射板32における領域Bに入射した場合、受光部31bの受光量は、レーザ光が領域Aに入射しているときと比べて少なくなる。さらに、投光部31aから出射されたレーザ光が、反射板32に対して入射しておらず、反射板32から外れた領域(図3において破線で示す領域C)に出射されている場合、図4に示すように、受光部31bの受光量は「0」となる。すなわち、受光部31bの受光量は、反射板32に対するレーザ光の入射位置が反射板32における領域Aに近づくほど多くなるとともに、反射板32に対するレーザ光の入射位置が反射板32における領域Aから離れるほど少なくなる。
次に、受光部31bの受光量とブザー50から発せられる音の高低(音程)との関係について図5にしたがって説明する。
投光部31aから出射されたレーザ光が、反射板32における領域Aに入射し、受光部31bで所定量のレーザ光が受光されると、その所定量の受光量に対応した信号がコントローラ51へ出力される。すると、コントローラ51は、ブザー50に対して、図5に示すように、最も高音の音程を有した音を発するように指示信号を出力する。コントローラ51からの指示信号を入力したブザー50は、最も高音の音を発する。
また、投光部31aから出射されたレーザ光が、反射板32における領域Bに入射し、受光部31bで所定量未満のレーザ光が受光されると、その受光量に対応した信号がコントローラ51へ出力される。すると、コントローラ51は、ブザー50に対して、図5に示すように、受光量に対応した低い音程を有した音を発するように指示信号を出力する。コントローラ51からの指示信号を入力したブザー50は、低音の音を発する。
さらに、投光部31aから出射されたレーザ光が、反射板32に対して入射しておらず、反射板32から外れた領域Cに出射されている場合は、受光部31bの受光量は「0」であるため、受光部31bからコントローラ51へ受光量に対応した信号は出力されない。したがって、ブザー50からは何も音が発せられない。すなわち、ブザー50から発せられる音は、受光部31bの受光量が所定量に近づくほど高音となるとともに、受光部31bの受光量が「0」に近づくほど低くなっていく。したがって、コントローラ51は、受光部31bの受光量が所定量に近づくほど高音の音を発するようにブザー50を制御するとともに、受光部31bの受光量が「0」に近づくほど低音の音を発するようにブザー50を制御する。
上記実施形態では以下の効果を得ることができる。
(1)自動倉庫システムは、測距センサ31を備え、この測距センサ31には、コントローラ51とブザー50とが設けられている。そして、コントローラ51は、受光部31bの受光量が所定量であると、ブザー50に最も高音の音程を有した音を発生させる。一方、コントローラ51は、レーザ光が反射板32に入射し、かつ、受光部31bの受光量が所定量未満であった場合には、ブザー50から発せられる音を最も高音のときよりも低くする。よって、作業者は、ブザー50から発せられる音が低いことによって、レーザ光が反射板32における領域Aから離れた位置に入射していることを知ることができる。したがって、作業者は、ブザー50から発せられる音の高低によって、レーザ光が、反射板32における領域A(最適位置)に入射しているか否かを容易に確認することができる。よって、測距センサ31と反射板32との距離が遠いときや、作業環境の中で生じる外乱光の影響を受けるとき等、レーザ光が反射板32の最適位置に当たっているかを確認し難い状況であっても、ブザー50から発せられる音の高低を聞き分けることで、レーザ光が反射板32の最適位置に当たっているか否かを容易に確認することができる。
(2)コントローラ51は、受光部31bの受光量が所定量よりも少ないほど、ブザー50から発せられる音を低くする。よって、作業者は、ブザー50から発せられる音が低ければ低いほど、レーザ光が反射板32における領域Aからより大きく離れた位置に入射していることを確認することができる。そして、作業者が測距センサ31の出射角度を手動で調整し、受光部31bの受光量が所定量に近づいていくにつれて、ブザー50から発せられる音が徐々に高くなっていくとともに、受光部31bの受光量が所定量になった場合には、ブザー50から発せられる音が最も高音になる。よって、作業者は、ブザー50から最も高音の音を発したことを聞き取ることで、レーザ光が反射板32における領域A(最適位置)に入射していることを確認することができる。
(3)測距センサ31はブザー50を備え、ブザー50から発せられる音の音程の違いにより、作業者は、レーザ光が反射板32における領域A(最適位置)に当たっているか否かを確認することができる。よって、作業者は、目視だけでなく、音を聞き取ることによってもレーザ光が反射板32における領域A(最適位置)に当たっているか否かを確認することができ、測距センサ31における出射角度の調整作業の効率が向上する。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 実施形態において、反射板32,42の縁部全体に、レーザ光を受光部31b,41bに向かって反射させにくくする被覆材としてのシートを貼付してもよい。これによれば、レーザ光が反射板32,42の縁部に入射すると、シートによって反射板32,42から反射される光量が減ることになる。すると、受光部31b,41bの受光量は確実に所定量より少なくなるとともに、ブザー50から発せられる音の音程は確実に低くなり、作業者は、レーザ光が反射板32,42における領域A(最適位置)に当たっていないことを確実に判断できる。また、反射板32,42における領域A(最適位置)に、投光部31a,41aから出射されるレーザ光が受光部31b,41bに向かって反射されやすいシートを貼付してもよい。
○ 実施形態において、コントローラ51によって、受光部31bの受光量が所定量に近づくほどブザー50から発せられる音の長さを長くするようにブザー50を制御するとともに、受光部31bの受光量が「0」に近づくほどブザー50から発せられる音の長さを短くするようにブザー50を制御するようにしてもよい。これによれば、作業者は、音の高低に加えて音の長さでもレーザ光が反射板32における領域A(最適位置)に入射しているか否かを確認することができ、作業者によるブザー50から発せられる音の聞き取りの間違いを抑制することができる。
○ 実施形態において、報知手段としてブザー50を適用したが、これに限らず、例えば、クレーンコントローラ21に報知手段の一種である表示手段としてのモニターを設け、受光部31b,41bの受光量に応じて、反射板32,42における領域Aにレーザ光が入射しているか否かをモニターに表示させるようにしてもよい。例えば、コントローラ51は、受光部31b,41bの受光量が所定量である場合、レーザ光が反射板32,42における領域Aに入射していることをモニターによって表示させる。一方、レーザ光の受光量が測距センサ31,41で検出され、かつ、受光部31b,41bの受光量が所定量未満の場合、レーザ光が反射板32,42における領域A以外の位置に入射していることをモニターによって表示させる。また、表示手段としては、モニターに限らず、例えば、クレーンコントローラ21にランプを設け、ランプの点灯の仕方を適宜変更することによって、反射板32,42における領域Aにレーザ光が入射しているか否かを作業者に報知させるようにしてもよい。
○ 実施形態において、測距センサ31,41に制御手段としてのコントローラ51を設けずに、クレーンコントローラ21にブザー50を設けるとともに、クレーンコントローラ21のCPU21aを、ブザー50を制御する制御手段として機能させてもよい。
○ 実施形態において、測距センサ31,41に制御手段としてのコントローラ51を設けずに、運行制御コントローラ25にブザー50を設けるとともに、運行制御コントローラ25を、ブザー50を制御する制御手段として機能させてもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(1)前記報知手段は、表示手段であるとともに、前記制御手段は、前記受光量が前記所定量である場合、前記レーザ光が前記最適位置に入射していることを前記表示手段によって表示させる一方で、前記レーザ光の受光量が前記測距センサで検出され、かつ、前記受光量が前記所定量未満の場合、前記レーザ光が前記最適位置以外の位置に入射していることを前記表示手段によって表示させる請求項1に記載の自動倉庫システム。
(2)前記制御手段は、前記受光量が前記所定量である場合、前記ブザーから発せられる音の長さを長くする一方で、前記受光量が前記所定量よりも少ないほど、前記ブザーから発せられる音の長さを短くする請求項2に記載の自動倉庫システム。
実施形態における自動倉庫の概略を示す斜視図。 (a)は自動倉庫の電気的構成を示すブロック図、(b)は測距センサの電気的構成を示すブロック図。 反射板に対するレーザ光の入射領域を示す模式図。 反射板に対するレーザ光の入射領域と受光部の受光量との関係を示すグラフ。 受光部の受光量とブザーの音程との関係を示すグラフ。
符号の説明
11…自動倉庫、17…スタッカクレーン、20…昇降キャリッジ、31,41…測距センサ、31a,41a…投光部、31b,41b…受光部、32,42…反射体としての反射板、50…報知手段としてのブザー、51…制御手段としてのコントローラ。

Claims (3)

  1. 軌道上を往復移動するスタッカクレーンに昇降キャリッジが設けられ、前記スタッカクレーンに設けられた光学式の測距センサと、前記測距センサのレーザ光を反射させる反射体とを用いて、前記スタッカクレーン及び前記昇降キャリッジの停止位置を把握する自動倉庫システムであって、
    前記測距センサは、該測距センサの投光部から出射されたレーザ光が前記反射体に入射されるとともに、前記反射体によって反射されたレーザ光が前記測距センサの受光部で受光されると、前記レーザ光の受光量を検出するものであり、
    さらに、前記レーザ光が前記受光部に受光していることを報知する報知手段と、前記測距センサから得られた受光量に基づき、前記報知手段を制御する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、前記受光部の受光量が所定量である場合、前記レーザ光が前記反射体における最適位置に入射していることを前記報知手段によって報知させる一方で、前記レーザ光の受光量が前記測距センサで検出され、かつ、前記受光部の受光量が前記所定量未満の場合、前記レーザ光が前記最適位置に入射していないことを前記報知手段によって報知させることを特徴とする自動倉庫システム。
  2. 前記報知手段はブザーであるとともに、前記制御手段は、前記受光量が前記所定量である場合、前記ブザーに最も高音を発生させる一方で、前記受光量が前記所定量よりも少ないほど、前記ブザーから発せられる音を低くする請求項1に記載の自動倉庫システム。
  3. 前記反射体の縁部全体には、前記レーザ光を反射させにくくする被覆材が設けられている請求項1又は請求項2に記載の自動倉庫システム。
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