JP3148296U - 鶏卵トレイ用蓋体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 蓋体の外周壁をトレイの外側面よりも小さくするとともに、外側列鶏卵の外側面よりも小さいものとし、外側列鶏卵の位置相当箇所のみを部分的に外側に向けて突出させて当該部分の鶏卵を保護する構造とし、蓋体の全体を小形化し、使用素材量を軽減化した鶏卵トレイ用蓋体を提案すること。【解決手段】 鶏卵の下半部を収容する多数の個別凹部を備えた鶏卵トレイの上面を覆う蓋であって、平面視における概形が方形状で、天板21の四周に周壁22を備え、閉蓋時に鶏卵トレイにおける個別凹部の間に相当する箇所に、天板21から内面側に向かって凹入する縦横方向の区画壁23が形成され、トレイの外列に収容された鶏卵の外側面を覆う膨出保護部24が周壁22の少なくとも一部に形成されている構成としたもの。【選択図】 図9
Description
本考案は、鶏卵包装用容器の一形態としての、例えば新聞・雑誌・段ボール・OA用紙等の古紙を使用したパルプモールド製の鶏卵トレイや、合成樹脂シート製の鶏卵トレイ等の上面を覆うために使用する鶏卵トレイ用の蓋体に関するものである。
現在、前者の古紙を使用した鶏卵包装用のパルプモールド製トレイは、鶏卵包装用容器の一つの形態として既に多数生産され使用されている。このパルプモールド製トレイは、トレイの面に多数の鶏卵収容用凹部を形成したものであって、例えば、左右方向に5列、前後方向に4段、合計20個の鶏卵収容用の凹部を形成したトレイが知られていて、それぞれの凹部に鶏卵を収容して使用されている。このことは広く一般に知られている。このパルプモールド製トレイは、古紙を原材料としていて何度でもリサイクルが可能であるという利点を備えているので、地球の温暖化防止という環境問題改善の観点から今後も引き続き使用されると思われる。また、後者の合成樹脂シート製のトレイも同様の形状として実施されている。このことも一般に知られている。
ところで、本考案にいうところの鶏卵トレイの上面を覆う蓋体は、鶏卵の輸送に際して鶏卵を並べたトレイを段ボール箱のような梱包用の箱内に所要の複数段積み重ねて収容させ、その最上面の鶏卵の上面を本案にいう蓋体で覆わせて包装するために使用されるものである。したがって、封緘時や開封時に内部鶏卵の状態確認が容易な透明性を備えたものであることが好ましい。この蓋体の素材としては、例えば、リユースが可能で、リサイクルも可能なポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂や、自然循環型またはカーボンニュートラル型素材とされる植物由来の生分解性樹脂等の樹脂シート素材を膨出成形したものが好ましい。
而して、鶏卵容器としてのトレイは、本出願人の出願にかかる先行技術として、後記特許文献1,2によって公開されている。前者は鶏卵保存用容器として、トレー=容器本体Aと、トレーの上部を覆うカバー=蓋体Bとからなる樹脂成形容器として示され、後者は鶏卵収納トレーとして、成形素材に抗菌性素材を練り込んだトレーが示されている。
本考案は、前者の特許文献1にみられる蓋体Bに相当するものであり、使用の対象とするトレーには、合成樹脂素材製のトレイのみならず、前記パルプモールド素材製のトレイにも使用される蓋体である。この成形用素材には、後者の特許文献2にみられるように、素材に抗菌剤を練り込ませて抗菌性を保持させてあるものとして実施してもよい。
特開2002−337969号公報
特開2000−95284号公報
ところで、従来のこの種の鶏卵トレイ用の蓋体にあっては、前記特許文献1に記載の蓋体にみられるように、その形状は、その上面を覆うトレイの外形とほぼ同形・同大に形成されている。このことは、通常一般のトレイ形容器における蓋体の場合も同様である。
しかしながら、本考案が対象としている鶏卵トレイの蓋体の場合には、トレイ上に並べて載置した外側列の鶏卵の外側部分に、更に所定の連続した空間を保持させておくこと、即ち、蓋体を、平面視形状においてトレイと同形・同大に形成して、蓋体の外周壁を、外側列の鶏卵の外側に、所定の間隔を隔てて直線状に形成しておく必要性のないことを確認するに至った。
そこで、本考案者は、このようなトレイ上に載置した外側列の鶏卵の外側部分の全体を所定の間隙を隔てて直線状に覆うことなく、蓋体の外周壁をトレイの外側面よりも小さくし、外側列鶏卵の外側面よりも小さいものとし、外側列鶏卵の位置相当箇所のみを部分的に外側に向けて突出させ、当該部分の鶏卵を保護する構造とすることによって、蓋体の全体を小形化し、使用素材量を軽減化した鶏卵トレイ用蓋体を開発するに至ったのでここに提案するものである。
該目的を達成するために講じた本考案にかかる鶏卵トレイ用蓋体の主たる構成を実施例説明に用いた符号を用いて説明すると、鶏卵の下半部を収容する多数の個別凹部を備えた鶏卵トレイの上面を覆う蓋であって、平面視における概形が方形状で、天板21の四周に周壁22を備え、閉蓋時に鶏卵トレイにおける個別凹部の間に相当する箇所に、天板21から内面側に向かって凹入する縦横方向の区画壁23が形成され、トレイの外列に収容された鶏卵の外側面を覆う膨出保護部24が、周壁22の少なくとも一部に形成されている構成としたものである。
また、請求項2に記載の鶏卵トレイ用蓋体の構成は、請求項1の構成における膨出保護部24が、対向する一対の周壁22a,22aの両端部を除く中央寄り部分に形成されている構成としたものである。
このような構成とした本考案にいうところの鶏卵トレイ用蓋体は、天板の四周に周壁を形成し、閉蓋時に鶏卵トレイにおける個別凹部の間に相当する箇所に、天板から内面側に向かって凹入する縦横方向の区画壁を形成してあるものとして、鶏卵相互の接触による破卵を防止するとともに、トレイの外列に収容されている鶏卵の外側面を覆う膨出保護部を周壁の少なくとも一部に形成してあるものとすることによって、蓋体の周壁をトレイの外形よりも小さいものとすることができ、外側列鶏卵の外側面よりも小さいものとすることができるに至ったので、蓋体の全体を小形化することが可能となり、使用素材量を軽減化することが可能となり、鶏卵トレイ用蓋体を低コストで生産することができるという効果を期待できるに至ったのである。
また、請求項2に記載の鶏卵トレイ用蓋体にあっては、膨出保護部を、対向する一対の周壁の両端部を除く中央寄り部分に形成してあるものとしてあるので、外見が小さくスマートな鶏卵トレイ用蓋体とすることができるという効果を有する。
以下実施例を示す図面に基づいて具体的に説明する。図1乃至8は本考案の第1実施例を説明する鶏卵トレイ用蓋体を示したものであって、図1は蓋体の平面図、図2は同正面図、図3は同側面図、図4乃至図6は図1におけるA−A線切断端面図、B−B線切断端面図、C−C線切断端面図である。また、図7は外面形状を示す斜視図、図8は内面形状を示す斜視図である。
該第1実施例に示した鶏卵トレイ用蓋体は、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂製のシートを被成形素材として、周知の圧空成形手段や真空成形手段もしくはこれらを併用した膨出成形手段によって膨出成形させた蓋体2である。該蓋体2は、使用状態を説明するために概略構造を図9の下側に示した鶏卵トレイ1の上面を覆うために使用するものである。
該トレイ1は、同図9の下側に示したように、鶏卵の下半部を個別に収容する多数の個別凹部11を形成した鶏卵トレイ1である。より具体的には、この鶏卵トレイ1は、前後方向に4列、左右方向に5個、合計20個の鶏卵を個別に収容させるようにしたトレイである。また、このトレイ1は、古紙を漉きあげて成形したパルプモールド製のトレイ1として図示してある。
また、該トレイ1には、前記個別凹部11の4個の凹部に囲まれた中間部に、各凹部間を区画する円錐形状の支柱12が形成され、その外周部には外側面が切断された半円錐形状の半截支柱13が形成され、更に、四隅部分には、外側の両面が切断された4分の1円錐形状の角部支柱14が形成されている構造としてある。
本考案にいうところの蓋体2は、図1及び図7,8にみられるように、平面視形状を図1では、やや横長の長方形状とした天板21の四周から周壁22を垂下させた浅皿形状としたもので、閉蓋時に鶏卵トレイ1において個別凹部11間に形成された前記各支柱12の上部に交差点が位置するように、天板21から内面側に向かって凹入させた縦横方向の区画壁23が形成され、この各交差点部分に略円錐状の凹入支柱25を形成してある。
また、該実施例に示した蓋体2は、四周に形成した周壁22の内、長手方向に沿って配置された一対の周壁22a,22aをトレイ1の外周よりも少許内側に位置するように形成してあり、即ち、図1における前後方向一対の周壁22a,22aの垂下箇所が、トレイ1の同方向の幅よりも細幅となるように形成されているものとし、かつ、それぞれ壁の長手方向における両端部を除く中央寄り部分の3箇所に、トレイ1の外側に収容された鶏卵の外側面を覆うための膨出保護部24を形成してある構造としたものである。
更に、詳述すると、該実施例に示した蓋体2は、図7,8の斜視図及び図4のA−A断面図に示したように、前記区画壁23の内、長手方向の中央側2本の区画壁の、幅方向中央側寄り2箇所の区画壁部分23aを他の区画壁23の凹入深さよりも深く凹入させて、中央部分の鶏卵の安定度を増加するようにしてある。また、幅方向中央部に位置する一列4個の各凹入支柱を先細の円錐柱26として、凹入量の深いものとしてある。このようにして、トレイ1の円錐支柱12の天面に形成した嵌合小孔(図示は省略)と嵌合させて、外嵌姿勢を安定させることができるようにしてもよい。
このように形成した蓋体2を図9に示したパルプモールド製のトレイ1の上面に被せて使用する。この使用は、トレイ一枚の上面にも、複数段積み重ねたトレイの最上部のトレイの上面にも、前記したように、段ボール箱等に箱詰めしたトレイの最上面にも、必要に応じて適宜使用するものである。
図10乃至図12は第2実施例の蓋体を示した図である。図10はその平面図、図11は同正面図、図12は同側面図である。ここに示した鶏卵トレイ用蓋体2は、前記第1実施例において説明した蓋体2の長手方向の対向側面にも、即ち図10における左右の側面にも、短尺方向における両端部を除く中間寄り部分の2箇所に、トレイ1の外側に収容された鶏卵の外側面を覆うための膨出保護部24をそれぞれ形成してある構造としたものである。その他の点は、前記第1実施例の蓋体2に準じた構造としてある。
図13は第3実施例の蓋体を示した平面図である。ここに示した鶏卵トレイ用の蓋体2は、前記第1実施例において説明した蓋体2における、他の区画壁23の凹入深さよりも深く凹入させた区画壁23aと同様に深く凹入させた区画壁23aを、蓋体2の幅方向の両側に偏った部分の区画壁と、中央部分の中央の区画壁とに形成してある構造としたものである。また、該実施例の蓋体2は、前記第1実施例における幅方向中央部の一列4個に実施した先細の円錐柱26と同様に、全ての支柱部分の形状を先細の円錐柱26としたものである。その他の点は、前記第1実施例の蓋体2に準じた構造としたものである。
更に、図14は第4実施例の蓋体を示した平面図であって、この鶏卵トレイ用の蓋体2は、前記第1実施例において説明した蓋体2における凹入深さの浅い区画壁23の場合と同様に、全ての区画壁23の深さを均等深さに形成したものである。ただし、この区画壁23は、全ての区画壁23の深さを、深さの深いものとして実施してもよいことは言うまでもない。
以上、本考案の代表的と思われる実施例について説明したが、本考案にいうところの鶏卵トレイ用蓋体は、鶏卵20個用のトレイの蓋体のみに特定されるものではない。改めて図示するまでもなく、例えば前記特許文献2において実施例として示されている鶏卵収納トレイのように、横方向に8列、縦方向に5段、合計40個の鶏卵収容用凹部を備えたトレイの蓋体の場合には、トレイに対応する大きさのものとして実施するものであることは当然のことであるので、特定形状のトレイのみに対応させる蓋体として限定されるものではなく、本考案にいう前記の目的を達成することができる範囲内において適宜に実施することができるものである。
本考案にいう鶏卵トレイ用蓋体は、鶏卵を収容させたトレイを覆って、外部から鶏卵の状態を目視でき、外観的にスマートに見せることができるので、市場に受け入れられて普及するものと期待される。
1 鶏卵トレイ
11 個別凹部
12 支柱
13 半截支柱
14 角部支柱
2 蓋体
21 天板
22 周壁
22a 周壁
23 区画壁
24 膨出保護部
25 凹入支柱
11 個別凹部
12 支柱
13 半截支柱
14 角部支柱
2 蓋体
21 天板
22 周壁
22a 周壁
23 区画壁
24 膨出保護部
25 凹入支柱
Claims (2)
- 鶏卵の下半部を収容する多数の個別凹部を備えた鶏卵トレイの上面を覆う蓋であって、
平面視における概形が方形状で、天板(21)の四周に周壁(22)を備え、
閉蓋時に鶏卵トレイにおける個別凹部の間に相当する箇所に、天板(21)から内面側に向かって凹入する縦横方向の区画壁(23)が形成され、
トレイの外列に収容された鶏卵の外側面を覆う膨出保護部(24)が、周壁(22)の少なくとも一部に形成されている鶏卵トレイ用蓋体。 - 膨出保護部(24)が、対向する一対の周壁(22a,22a)の両端部を除く中央寄り部分に形成されている請求項1に記載の鶏卵トレイ用蓋体。
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