JP3231144U - 卵用包装容器 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の包装容器の安定な積み重ねを可能としつつ、空気の循環性を良くする卵用包装容器を提供する。【解決手段】卵用包装容器1は、卵Eの下半分を収容する下側トレイ2と、卵Eの上半分を収容する上側トレイ3と、を備える。下側トレイ2及び上側トレイ3は、各々の下面22及び上面から凸設された凸設部6を有する。上側トレイ3の上面に下側トレイ2の下面を重ねるようにして複数の卵用包装容器1を積み重ねたときに、上側トレイの凸設部6と下側トレイ2の凸設部6とが互いに噛み合う。これにより、凸設部6によって卵用包装容器1同士の横ずれが防止されると共に、卵用包装容器1同士の間に隙間が形成される。そのため、複数の卵用包装容器1の安定な積み重ねを可能としつつ、卵用包装容器1同士の間を空気が抜けて、空気の循環性が良い。【選択図】図2
Description
本考案は、卵を包装する発泡樹脂製の卵用包装容器に関する。
従来から卵を包装する際に、発泡樹脂製の卵用包装容器が用いられている(例えば、特許文献1参照)。このような卵用包装容器は、例えば、矩形の箱体と、この箱体の開口を塞ぐ蓋体と、を備え、蓋体の外面中央に凹部が設けられ、この凹部に嵌り込む凸部が箱体の外底面に設けられている。一の卵用包装容器の凸部を他の卵用包装容器の凹部に嵌め込むようにして複数の卵用包装容器を互いに積み重ねると、卵用包装容器同士の横ずれを防止した状態で、複数の卵用包装容器を安定に積み重ねることができる。
しかしながら、上述したような卵用包装容器を複数積み重ねた場合には、凹部と凸部とが密着しているので卵用包装容器同士の間を空気が抜けず、空気の循環性が悪い。
本考案は、上記課題を解決するものであって、複数の卵用包装容器の安定な積み重ねを可能としつつ、空気の循環性が良い卵用包装容器を提供することを目的とする。
本考案は、卵の下半分を収容する半球状の収容凹部が上面に形成された下側トレイと、卵の上半分を収容する半球状の収容凹部が下面に形成され前記下側トレイと係合する上側トレイと、を備えた平面視矩形状の卵用包装容器であって、前記下側トレイ及び上側トレイは、各々の下面及び上面から凸設された凸設部を有し、前記凸設部は、前記下側トレイ及び上側トレイの四隅にそれぞれ配置され、前記上側トレイの上面に前記下側トレイの下面を重ねるようにして複数の卵用包装容器を積み重ねたときに、前記上側トレイの凸設部と前記下側トレイの凸設部とが互いに噛み合うことを特徴とする。
前記凸設部は、2x2のマトリクスにおいて対角に配置された第1の突起及び第2の突起から成ることが好ましい。
前記下側トレイ及び上側トレイは、前記収容凹部から前記下側トレイ又は上側トレイの側面へと連通した通気部と、前記通気部から上下方向に亘って前記側面に掘り込まれた鉛直溝と、を有することが好ましい。
前記下側トレイは、その下面と側面とが成す角部が面取りされることで形成された面取り部を有し、前記上側トレイは、その上面と側面とが成す角部が面取りされることで形成された面取り部を有することが好ましい。
本考案の卵用包装容器によれば、凸設部によって卵用包装容器同士の横ずれが防止されると共に、卵用包装容器同士の間に隙間が形成される。そのため、複数の卵用包装容器の安定な積み重ねを可能としつつ、卵用包装容器同士の間を空気が抜けて、空気の循環性が良い。
本考案の実施形態に係る卵用包装容器について図面を参照して説明する。図1及び図2に示すように、卵用包装容器1は、平面視矩形状とされ、卵(主として鶏卵)Eを下側から包装する下側トレイ2と、卵Eを上側から包装する上側トレイ3と、を備える。下側トレイ2及び上側トレイ3は、共に発泡樹脂、例えば、発泡ポリスチレン(EPS(Expanded Polystyrene))により構成されている。
下側トレイ2は、全体として長尺な矩形平板状に形成され、図例では一対の辺S1、S2(図1参照)が他の一対の辺S3、S4よりも長くなっている。下側トレイ2は、その上面に卵Eの下半分を収容する収容凹部4を複数有する。複数の収容凹部4は、図例では5x2のマトリクス状に配置され、合計10個までの卵Eを収納できるようになっている。
また、下側トレイ2は、上側トレイ3との係合に用いられる係合部5を有する。係合部5は、下側トレイ2の上面周縁から上方に凸設された外凸条部51(図1において濃いドットで示す)及び内凸条部52(同図において薄いドットで示す)を含む。外凸条部51は、辺S3の中点Mから辺S3、S1、S4に沿って辺S4の中点Nまで設けられた幅Wの壁により構成されている。内凸条部52は、中点Mから辺S3、S2、S4に沿って中点Nまで設けられ外凸条部51と同じ高さの壁により構成され、下側トレイ2の側面21から幅W+α(αは、例えば、数ミリメートル)だけ内方に入った箇所に設けられている。
また、下側トレイ2は、その下面22(図2参照)の四隅に、一の卵用包装容器1の上面に他の卵用包装容器1の下面が重なるようにして複数の卵用包装容器1を積み重ねたときに、卵用包装容器1同士の横ずれを防止する凸設部6を有する。各々の凸設部6は、互いに同じ形状とされ、下面22から下方に凸設された第1の突起61及び第2の突起62から成る。第1の突起61及び第2の突起62は、それぞれ扁平な楕円柱状とされ、2x2のマトリクスにおいて対角を占めるように配置されている。
また、下側トレイ2は、下面22と側面21とが成す角部が面取りされることで形成された第1の面取り部71と、互い直交した側面21同士が成す角部が面取りされることで形成された第2面取り部72と、を有する。このような第1の面取り部71及び第2面取り部72を設けることで、外部との接触等によって角部に生じた傷が元になって下側トレイ2が割れてしまうのを防止することができる他、下側トレイ2を発泡成型する際に下側トレイ2の金型からの取り出しを容易にすることができる。
また、下側トレイ2は、収容凹部4(図1参照)から側面21へと連通させるための複数の通気部8と、各々の通気部8から上下方向に亘って側面21に掘り込まれた複数の鉛直溝9と、を有する。複数の通気部8は、外凸条部51及び内凸条部52の上端から、例えば、数ミリメートルほど下方に掘り込まれた溝により構成され、各々の収容凹部4の位置に対応して互いに所定の間隔を隔てて配置されている。鉛直溝9は、深さ数ミリメートル程度とされ、側面21の上端から第1の面取り部71に達するまで形成されている。
図3(a)−(e)に示すように、複数の鉛直溝9は、平面視において下側トレイ2の中心Pを基準として点対称となるように配置されている。各々の収容凹部4は、半球面状に形成され開口が上方を向くように配置された湾曲部41(図3(b)参照)と、湾曲部41の底部に設けられた凹部42と、を有する。凹部42は、卵の気室側の端部又はその反対側の鋭端部を収納し、湾曲部41は、卵の曲面に沿うような曲率で形成されている。
上側トレイ3は、上述した下側トレイ2と同形状で、下側トレイ2を上下反転させたものにより構成されている。すなわち、卵用包装容器1は、下側トレイ2と上下反転させた下側トレイ2(=上側トレイ3)とにより、卵を上下方向から挟んで包装するものである。
図4(a)(b)は、下側トレイ2及び上側トレイ3を、各々の外凸条部51の内側に内凸条部52が嵌まり込むようにして係合させた状態を示す。このとき、通気部8が設けられた箇所(図4(a)のE−E断面)では、図4(b)に示すように、通気部8が外凸条部51又は内凸条部52に掘り込み形成された溝により構成されている分だけ、上下方向において係合部5で下側トレイ2と上側トレイ3との間に数ミリメートル程度の隙間Gが形成される(拡大図参照)。また、外凸条部51が幅Wを有し、内凸条部52が側面21から幅W+αだけ内方に入った箇所に設けられているので、横(水平)方向において外凸条部51と内凸条部52との間に隙間αが形成される。
これにより、通気部8は、収容凹部4から水平方向に伸びる第1の通気路81と、第1の通気路81の終端から上下方向に伸びる第2の通気路82と、第2の通気路82の終端から水平方向に伸びて鉛直溝9に繋がる第3の通気路83と、を形成する。第2の通気路82の上下方向における長さは、側面21から第3の通気路83を見たときに、第3の通気路83を通して第1の通気路81が見えないような長さに調節されている。このようにすることで、仮に卵用包装容器1を用いて卵を輸送している際に第3の通気路83に雨水や汚水が入ったとしても、そのような水は、第2の通気路82により遮られて第1の通気路81及び収容凹部4にまで到達し難い。これにより、卵が濡れたり汚染したりするのを抑制することができる。
図5に示すように、下側トレイ2の鉛直溝9と上側トレイ3の鉛直溝9は、それぞれ下側トレイ2及び上側トレイ3の中心を基準として点対称に設けられているので、下側トレイ2と上側トレイ3とを互いに係合させたときに直線状に繋がる。
次に、図6(a)に示すように、一の卵用包装容器1aの上面に他の卵用包装容器1bの下面が重なるようにして、複数の卵用包装容器1から成るタワー10を形成した場合について説明する。このとき、図6(b)に示すように、卵用包装容器1aの上面に設けた第1の突起61及び第2の突起62(共に実線で示す)と卵用包装容器1b(不図示)の下面に設けた第1の突起61及び第2の突起62(共に点線で示す)とが互いに噛み合うことにより、卵用包装容器1a、1bの横ずれが防止される。
図6(a)に戻って、このようなタワー10を複数、各々の側面21が互いに密接した状態で配置すると、他のタワー10と密接している側面21でも鉛直溝9が上下方向で直線状に繋がっているので、上方からの空気(黒矢印で示す)が鉛直溝9を伝って下方の卵用包装容器1まで到達する。また、このようなタワー10の配置では、第2の面取り部72により囲まれた領域が上下方向に生じ、この領域にも上方から空気(白矢印で示す)が流入する。そして、この領域に流入した空気は、下方に進むにつれて第1の面取り部71により囲まれて横方向に伸びる領域へと流入し、この領域に流入した空気の一部は、鉛直溝9を伝って下方へと向かう。
更に、図6(c)に示すように、卵用包装容器1a、1bの間には第1の突起61及び第2の突起62の高さ分だけ隙間Hが形成される。そのため、第1の面取り部71により囲まれた領域に流入した空気や鉛直溝9を伝って上方から下方に向かう空気の一部が、隙間Hに入り込んで卵用包装容器1a、1bの間を通り抜ける。
このように、複数のタワー10の内部において空気が行き渡り易い空気循環性の良い形状となっているので、例えば、複数のタワー10を互いに密接させて段ボール箱に収納した場合であっても、空気が通気部8を介して卵用包装容器1a、1bの内部に多く供給され、卵の呼吸を十分にサポートして卵の鮮度を高く維持することができる。また、仮に隙間Hに水分が入り込んだとしても、そのような水分を空気の通過により蒸発させて乾燥状態を維持することができるので、水分が残ってカビや細菌の温床となるのを防止することができる。
また、下側トレイ2と上側トレイ3が互いに同形状であるので、一つの金型で下側トレイ2と上側トレイ3の両方を成型することができ、低コスト化を図ることができる。また、卵用包装容器1により卵を包装する際に、逐一下側トレイ2か上側トレイ3かを確認する作業が不要となるので、包装スピードが上がって操作性が良い。
なお、本考案に係る卵用包装容器は、上記実施形態に限定されず種々の変形が可能である。例えば、複数の凸設部は、卵用包装容器同士の横ずれを防止できる形状であれば何ら限定されず、必ずしも互いに同じ形状である必要はない。また、鉛直溝は必ずしも設けられる必要はなく、鉛直溝を備えていない構成としてもよい。更に、第1の面取り部も必ずしも設けられる必要はなく、第1の面取り部を備えていない構成としてもよい。
1、1a、1b 卵用包装容器
2 下側トレイ
21 下側トレイの側面
22 下側トレイの下面
3 上側トレイ
4 収容凹部
6 凸設部
61 第1の突起
62 第2の突起
71 (第1の)面取り部
8 通気部
9 鉛直溝
2 下側トレイ
21 下側トレイの側面
22 下側トレイの下面
3 上側トレイ
4 収容凹部
6 凸設部
61 第1の突起
62 第2の突起
71 (第1の)面取り部
8 通気部
9 鉛直溝
Claims (4)
- 卵の下半分を収容する半球状の収容凹部が上面に形成された下側トレイと、卵の上半分を収容する半球状の収容凹部が下面に形成され前記下側トレイと係合する上側トレイと、を備えた平面視矩形状の卵用包装容器であって、
前記下側トレイ及び上側トレイは、各々の下面及び上面から凸設された凸設部を有し、
前記凸設部は、前記下側トレイ及び上側トレイの四隅にそれぞれ配置され、
前記上側トレイの上面に前記下側トレイの下面を重ねるようにして複数の卵用包装容器を積み重ねたときに、前記上側トレイの凸設部と前記下側トレイの凸設部とが互いに噛み合うことを特徴とする卵用包装容器。 - 前記凸設部は、2x2のマトリクスにおいて対角に配置された第1の突起及び第2の突起から成ることを特徴とする請求項1に記載の卵用包装容器。
- 前記下側トレイ及び上側トレイは、前記収容凹部から前記下側トレイ又は上側トレイの側面へと連通した通気部と、前記通気部から上下方向に亘って前記側面に掘り込まれた鉛直溝と、を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の卵用包装容器。
- 前記下側トレイは、その下面と側面とが成す角部が面取りされることで形成された面取り部を有し、前記上側トレイは、その上面と側面とが成す角部が面取りされることで形成された面取り部を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の卵用包装容器。
Priority Applications (1)
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JP2020005615U JP3231144U (ja) | 2020-12-25 | 2020-12-25 | 卵用包装容器 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN113320799A (zh) * | 2021-05-18 | 2021-08-31 | 深圳市国显科技有限公司 | 不防呆的用于装载显示屏模组的托盘 |
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2020
- 2020-12-25 JP JP2020005615U patent/JP3231144U/ja active Active
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