JP3148082B2 - ユニット建物 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はユニット建物に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、建物の工場生産化方式として、特
開平3-217531号公報に記載の如くのユニット建物があ
る。このユニット建物は、居室ユニットや屋根ユニット
を予め工場生産し、それらの居室ユニットや屋根ユニッ
トを建築現場に輸送し、予め建築現場に設けてある基礎
の上に複数の居室ユニットを隣接設置して居室構造体を
形成し、該居室構造体を形成している各居室ユニットそ
れぞれの上部に屋根ユニットを搭載して建物屋根を形成
するものである。

【０００３】然るに、上述した従来技術の屋根ユニット
では、屋根を構成する屋根構成部を備えるとともに、屋
根構成部の側方に屋上テラスを形成可能とするように張
り出した床フレームを備えている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】然しながら、従来技術
の屋根ユニットでは、屋根構成部の側方に床フレームを
張り出し設けているだけであるため、屋上テラスを形成
するためには、現地施工にて床フレーム上に床面材を設
け、屋根構成部の屋上テラス側の側面には壁面材を設け
る必要があり、現地施工工数が多い。

【０００５】また、屋上バルコニーを形成する場合に
は、現地施工にて形成した上述の屋上テラス外縁部に、
更に現地施工にて手摺を設ける必要があり、現地施工工
数が更に多くなる。

【０００６】以上のように、屋根ユニットを用いて屋上
テラスや屋上バルコニーを形成するに際しては、現地施
工工数が多くなり、現地での防水施工等による品質上の
問題、屋根上作業の安全性の問題を伴う。

【０００７】本発明は、屋根ユニットを用いて屋上テラ
スや屋上バルコニーを形成するに際し、工場生産化率を
高め、現地施工工数を低減することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】請求項１に記載の本発明
は、複数の居室ユニットを隣接配置して居室構造体を形
成し、この居室構造体を構成する各居室ユニットそれぞ
れの上部に棟側屋根ユニットと軒側屋根ユニットとを搭
載して構築されるユニット建物において、 前記棟側屋根
ユニットおよび軒側屋根ユニットのそれぞれに、屋根構
成部の側方に張り出て屋上床を構成するように床面材を
設けた床構成部を備えるとともに、屋根構成部の屋上床
側の側面に壁面材を設けてなる屋根ユニットを用い、こ
の両屋根ユニットにて屋上テラスまたは屋上バルコニー
を形成してなるようにしたものである。

【０００９】請求項２に記載の本発明は、請求項１に記
載の本発明において更に、軒側屋根 ユニットの床構成部
が構成する屋上床の建物外周に臨む外縁部に手摺を設け
てなるようにしたものである。

【００１０】

【作用】請求項１に記載の本発明によれば下記の作用が
ある。 ユニット建物において、居室構造体を構成する各
居室ユニットそれぞれの上部に屋根ユニットを搭載する
ことにより、建物全体の工場生産化率を高めながら屋上
テラスまたは屋上バルコニーを形成できる。

【００１１】請求項２に記載の本発明によれば下記の作
用がある。 屋根ユニットにおいて、床構成部が構成する
屋上床の建物外周に臨む外縁部に手摺を設けたものとす
ることにより、屋上バルコニーを形成するに際し、建物
の工場生産化率を更に高めることができる。

【００１２】尚、本発明の実施において、居室ユニット
と屋根ユニットは、壁式構法によるものであっても良
く、或いは軸組式構法によるものであっても良い。

【００１３】

【実施例】図１は本発明の一実施例に係るユニット建物
を示す模式図、図２は屋上テラス付屋根ユニットを示す
模式図、図３は屋上バルコニー付屋根ユニットを示す模
式図、図４はユニット建物内での屋上テラス付屋根ユニ
ットと屋上バルコニー付屋根ユニットの接合状態を取出
して示す模式図である。

【００１４】ユニット建物１０は、予め工場生産した居
室ユニット１１、標準屋根ユニット１２、棟側の屋上テ
ラス付屋根ユニット１３、軒側の屋上バルコニー付屋根
ユニット１４を建築現場に輸送し、予め建築現場に設け
てある基礎１５の上に複数の居室ユニット１１を上下左
右に隣接配置して２階建の居室構造体１６を形成し、居
室構造体１６の上部に屋根ユニット１２、１３、１４を
搭載して屋根１７を構成したものである。

【００１５】このとき、ユニット建物１０にあっては、
各屋根ユニット１２、１３、１４の下方に必ず居室ユニ
ット１１を対応配置させてある。

【００１６】屋上テラス付屋根ユニット１３は、屋根１
７を構成する屋根構成部２１と、屋根構成部２１の側方
に張り出る床構成部２２とを有する。屋根構成部２１
は、予め工場にて屋根面材２１Ａを設けられている。床
構成部２２は、屋根構成部２１の側方に張り出て屋上床
２３を構成するように予め工場にて床面材２２Ａを設け
られている。また、屋根ユニット１３は、屋根構成部２
１の屋上床２３側の側面に壁２４を構成するように予め
工場にて壁面材２４Ａを設けられている。そして、屋根
ユニット１３は、壁２４の一部に出入口２５を形成し、
ここに屋上床２３に出入りするための扉２６を設けてあ
る。尚、床構成部２２を構成する屋上床２３は屋根構成
部２１の内部にまで延在されていて、この延在床部分が
屋根構成部２１の屋根裏部屋の床を構成するものであっ
ても良い。また、屋根ユニット１３は、屋根面材２１
Ａ、床面材２２Ａ、壁面材２４Ａの防水も、予め工場に
て施工済としている。

【００１７】また、屋上バルコニー付屋根ユニット１４
は、屋根１７を構成する屋根構成部３１と、屋根構成部
３１の側方に張り出る床構成部３２とを有する。屋根構
成部３１は、予め工場にて屋根面材３１Ａを設けられて
いる。床構成部３２は、屋根構成部３１の側方に張り出
て屋上床３３を構成するように予め工場にて床面材３２
Ａを設けられている。また、屋根ユニット１４は、屋根
構成部３１の屋上床３３側の側面に壁３４を構成するよ
うに予め工場にて壁面材３４Ａを設けられている。更
に、屋根ユニット１４は、床構成部３２が構成する屋上
床３３の建物外周に臨むこととなる外縁部に予め工場に
て手摺３５を設けてある。尚、床構成部３２を構成する
屋上床３３は屋根構成部３１の内部にまで延在されてい
て、この延在床部分が屋根構成部３１の屋根裏部屋の床
を構成するものであっても良い。また、屋根ユニット１
４は、屋根面材３１Ａ、床面材３２Ａ、壁面材３４Ａの
防水も、予め工場にて施工済としている。

【００１８】然るに、ユニット建物１０にあっては、上
述の屋上テラス付屋根ユニット１３により屋上テラス４
１を形成し、上述の屋上バルコニー付屋根ユニット１４
により上記屋上テラス４１に連なる屋上バルコニー４２
を形成するものである。

【００１９】以下、本実施例の作用について説明する。
屋根ユニット１３が屋根構成部２１の他に、屋根構成
部２１の側方に張り出る床構成部２２を備え、かつ床構
成部２２が床面材２２Ａを設けられて屋上床２３を構成
し、更に屋根構成部２１の屋上床２３側の側面に壁面材
２４Ａを設けられる。従って、居室構造体１６の上部に
屋根ユニット１３を搭載して屋上テラス４１を形成する
に際し、工場生産化率を高めることができる。これによ
り、建物の工場生産化率を高め、現地施工工数を低減
し、現地での防水加工等による品質の安定、屋根上作業
の削減による安全性の向上を図ることができる。

【００２０】屋根ユニット１４において、床構成部３
２が構成する屋上床３３の建物外周に臨む外縁部に手摺
３５を設けたものとすることにより、屋上バルコニー４
２を形成するに際し、建物の工場生産化率を更に高める
ことができる。

【００２１】ユニット建物１０において、居室構造体
１６を構成する各居室ユニット１１それぞれの上部に上
記、の屋根ユニット１３、１４を搭載することによ
り、建物全体の工場生産化率を高めながら屋上テラス４
１または屋上バルコニー４２を形成できる。

【００２２】以上、本発明の実施例を図面により詳述し
たが、本発明の具体的な構成はこの実施例に限られるも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変
更等があっても本発明に含まれる。例えば、本発明の屋
根ユニットは、工場生産された居室ユニットにて構築さ
れる居室構造体の上に搭載されるものでなく、当初から
建築現場にて構築された居室構造体の上に搭載されるも
のであっても良い。

【００２３】また、工場生産された屋上テラス付屋根ユ
ニットを現地据付けする際に、その屋上床の外縁部に現
地施工にて手摺を設けバルコニーを形成することもでき
る。

【００２４】また、屋上テラス付屋根ユニット、屋上バ
ルコニー付屋根ユニットは、それらの屋上床部分の一部
を下方居室構造体の外方にオーバーハングさせて設けら
れるものであっても良い。

【００２５】また、複数の屋上テラス付屋根ユニット同
士を左右に連続設置して広い屋上テラスを形成し、或い
は複数の屋上バルコニー付建物ユニット同士を左右に連
続設置して広い屋上バルコニーを形成することもでき
る。

【００２６】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、屋根ユニ
ットを用いて屋上テラスや屋上バルコニーを形成するに
際し、工場生産化率を高め、現地施工工数を低減するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本発明の一実施例に係るユニット建物を
示す模式図である。

【図２】図２は屋上テラス付屋根ユニットを示す模式図
である。

【図３】図３は屋上バルコニー付屋根ユニットを示す模
式図である。

【図４】図４はユニット建物内での屋上テラス付屋根ユ
ニットと屋上バルコニー付屋根ユニットの接合状態を取
出して示す模式図である。

【符号の説明】

１０ ユニット建物 １１ 居室ユニット １２ 標準屋根ユニット １３ 屋上テラス付屋根ユニット １４ 屋上バルコニー付屋根ユニット １６ 居室構造体 １７ 屋根 ２１、３１ 屋根構成部 ２２、３２ 床構成部 ２２Ａ、３２Ａ 床面材 ２３、３３ 屋上床 ２４Ａ、３４Ａ 壁面材 ３５ 手摺 ４１ 屋上テラス ４２ 屋上バルコニー

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】複数の居室ユニットを隣接配置して居室構
   造体を形成し、この居室構造体を構成する各居室ユニッ
   トそれぞれの上部に棟側屋根ユニットと軒側屋根ユニッ
   トとを搭載して構築されるユニット建物において、 前記棟側屋根ユニットおよび軒側屋根ユニットのそれぞ
   れに、屋根構成部の側方に張り出て屋上床を構成するよ
   うに床面材を設けた床構成部を備えるとともに、屋根構
   成部の屋上床側の側面に壁面材を設けてなる屋根ユニッ
   トを用い、この両屋根ユニットにて屋上テラスまたは屋
   上バルコニーを形成してなるユニット建物。
2. 【請求項２】軒側屋根ユニットの床構成部が構成する屋
   上床の建物外周に臨む外縁部に手摺を設けてなる請求項
   １記載のユニット建物。