JP3147690B2 - 車両のブレーキ制御装置 - Google Patents

車両のブレーキ制御装置

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JP3147690B2
JP3147690B2 JP32768094A JP32768094A JP3147690B2 JP 3147690 B2 JP3147690 B2 JP 3147690B2 JP 32768094 A JP32768094 A JP 32768094A JP 32768094 A JP32768094 A JP 32768094A JP 3147690 B2 JP3147690 B2 JP 3147690B2
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俊哉 大澤
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Nissan Motor Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、運転者によるブレーキ
操作とは別のブレーキ制御、例えば車輪の制動ロックを
防止するアンチスキッド制御や、ホイールスピンを防止
するトラクションコントロール用のブレーキ制御や、追
突防止用の自動ブレーキや、車両の水平面挙動制御のた
めの左右輪ブレーキ制御などをも可能にした車両のブレ
ーキ制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の車両のブレーキ制御装置として
本願出願人は先に、特開平4−87867号公報により
以下のごときブレーキ制御装置を既に提案済みである。
つまり運転者のブレーキ操作に応動するマスターシリン
ダからの圧力を圧力合成器を経由してホイールシリンダ
に供給するようにし、他方で、別の圧力源からの圧力を
入力されて電子制御により任意の制御圧を発生するよう
にした電子制御圧系からの制御圧を上記の圧力合成器に
供給し、この制御圧で圧力合成器からホイールシリンダ
へのブレーキ圧を発生させることにより、上記のごとく
に例示した運転者によるブレーキ操作とは別のブレーキ
制御を可能にしたものである。
【0003】一方で従来は、通常のサービスブレーキ時
において、上記電子制御圧系からの制御圧により圧力合
成器を作動させ、これによりマスターシリンダからホイ
ールシリンダに至るブレーキ液圧を倍力することができ
ることから、電子制御圧系に倍力機能をも持たせてマス
ターシリンダ圧系から倍力装置を省略すると共に、電子
制御圧系の圧力制御弁にマスターシリンダ圧を印加させ
て、当該倍力機能をマスターシリンダ圧に対応した適切
なものとなるようにすることも行われていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、かかる従来の
ブレーキ制御装置にあっては、電子制御圧系に通常のサ
ービスブレーキ時の倍力機能をも持たせていたため、電
子制御圧系に異常が発生してこれから圧力合成器への制
御圧が発生しなくなった時、運転手の踏力の増加を招く
といった問題があった。
【0005】また電子制御圧系に倍力機能を持たせるた
めには、当該電子制御圧系の圧力制御弁にそのための機
構部分を余分に設ける必要があって、この圧力制御弁が
大型になるとった問題も生ずる。
【0006】本発明は、電子制御圧系に倍力機能を持た
せず、この機能を、運転者により操作されるブレーキ操
作圧系に持たせることで、上述の問題を解消し、併せて
この場合、ホイールシリンダに対する接続をブレーキ操
作圧系から電子制御圧系に切り換えることが必要になっ
て、この切り換え時に圧力段差に伴う制動力の急変や、
ブレーキペダルへのキックバックで、運転者に違和感を
与えるとの事実に鑑み、この問題をも解消した車両のブ
レーキ制御装置を提案し、更にこのブレーキ制御装置に
おいては、電子制御圧系に異常を来してその出力圧が発
生しなくなったり、前記別の圧力源からの元圧と同じ高
い値にされたままになっているにもかかわらず、上記の
切り換えがなされると、電子制御圧系の異常な制御圧の
急激な圧力変動をなくした車両のブレーキ制御装置を提
供することを目的とする。
【0007】そこで本発明は、これとは異なる方式によ
り上記の異常対策をなした車両のブレーキ制御装置を提
供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的のため、本発明
の内、請求項1に係る車両のブレーキ制御装置は、運転
者のブレーキ操作力に対応したブレーキ操作圧を発生す
る倍力装置付きのブレーキ操作圧系と、外部圧力源から
の圧力を入力として、外部からの指令値に基づき調圧さ
れたブレーキ制御圧を発生する電子制御圧系と、前記ブ
レーキ操作圧系からのブレーキ操作圧と前記電子制御圧
系からのブレーキ制御圧のうち、どちらか一方を選択し
ホイールシリンダにブレーキ液圧として供給する切り換
え弁と、該切り換え弁により、ブレーキ液圧としてブレ
ーキ操作圧が選択されている位置にある時には、ブレー
キ操作圧に等しくなるような指令値を、又、前記切り換
え弁によりブレーキ液圧としてブレーキ制御圧が選択さ
れている位置にある時には、車両の走行状態に基づいた
指令値を電子制御圧系に出力する電子制御手段と、前記
ブレーキ操作圧および電子制御圧系の出力圧間における
差圧を検出する差圧検出手段と、該手段により検出した
差圧が設定値を越えるとき、前記切り換え弁の常態位置
から制御位置への切換えを禁止する切り換え弁制御禁止
手段とを具えることを特徴とするものである。
【0009】また、本発明の内、請求項2に係る車両の
ブレーキ制御装置において、前記差圧検出手段は前記切
り換え弁およびホイールシリンダ間における圧力と、前
記電子制御圧系の出力圧との間の差圧を検出する構成に
したことを特徴とするものである。
【0010】更に、本発明の内、請求項3に係る車両の
ブレーキ制御装置は、前記差圧検出手段を差圧スイッチ
により構成したことを特徴とするものである。
【0011】加えて、本発明の内、請求項4に係る車両
のブレーキ制御装置においては、ホイールシリンダによ
り制動される車輪の回転変化が前記電子制御圧系への圧
力制御指令に符号しなくなった時をもって該電子制御圧
系が異常であると判別する電子制御圧系異常判別手段を
付加し、前記切り換え弁制御禁止手段は該異常判別にも
応答して、前記切り換え弁の常態位置から制御位置への
切換えを禁止するよう構成したことを特徴とするもので
ある。
【0012】更に加えて、本発明の内、請求項5に係る
車両のブレーキ制御装置において、前記切り換え弁制御
禁止手段は、前記切り換え弁の常態位置から制御位置へ
の切換え禁止を前後輪ブレーキ液圧系の一方のみにおい
て行うと車両挙動に悪影響が及ぶ場合、前後輪ブレーキ
液圧系の双方について該切り換えの禁止を実行するよう
構成したことを特徴とするものである。
【0013】
【作用】本発明の内、請求項1に係る車両のブレーキ制
御装置において、運転者のブレーキ操作力に対応した車
輪制動のみが要求される車両走行状況では、電子制御手
段は、電子制御圧系からの出力圧がブレーキ操作圧系か
らのブレーキ操作圧に等しく保たれるよう電子制御圧系
を制御する。よって、切り換え弁が常態位置である時、
運転者のブレーキ操作力に対応した倍力装置付きブレー
キ操作圧系からのブレーキ操作圧がホイールシリンダに
ブレーキ液圧として供給されることから、通常のサービ
スブレーキ時において要求される通りの制動を得ること
ができる。
【0014】ここで、電子制御圧系の異常によりこれか
らの出力圧が生じなくなったり、前記別の圧力源からの
元圧と同じ高い値にされたままになる場合、この出力圧
と上記ブレーキ操作圧との間の差圧を検出する差圧検出
手段からの信号を受けて切り換え弁制御禁止手段が、上
記切り換え弁の常態位置から制御位置への切り換えを禁
止する。よって当該異常時は、切り換え弁がブレーキ操
作圧をホイールシリンダへ供給することとなり、電子制
御圧系の出力圧がホイールシリンダに供給されたりする
といった問題を解消することができる。しかも上記の差
圧に基づく異常検出を、通常のサービスブレーキ中にお
いてなし得るため、また異常対策が上記切り換え弁の切
り換え禁止であることから、ブレーキ操作圧がホイール
シリンダにブレーキ液圧として供給されることから、通
常のサービスブレーキ時において要求される通りの制動
を得ることができる。
【0015】なお当該異常時には、上記の通りブレーキ
操作圧系からのブレーキ操作圧がホイールシリンダに供
給されることから、そして倍力装置がこのブレーキ操作
圧系に付設されていることから、当該異常時も倍力不能
になることがない。
【0016】加えて、電子制御圧系に倍力機能を持たせ
ないことから、当該電子制御圧系の圧力制御弁にそのた
めの機構部分を余分に設ける必要がなくて、この圧力制
御弁が大型になるといった問題を生ずることもない。
【0017】運転者のブレーキ操作力に対応した制動以
外の車輪制動制御が要求される車両走行状況では、電子
制御手段は、電子制御圧系からの出力圧が該要求される
車輪制動制御に符号する値に調圧されるよう電子制御圧
系を制御する。同時に、切り換え弁を、電子制御圧系か
らの出力圧がホイールシリンダにブレーキ液圧として供
給されるよう制御することで、当該走行状況で要求され
ている通りのブレーキ制御を実現させることができる。
【0018】ところで、切り換え弁の当該切り換え瞬時
においては、上述したところから明らかなように電子制
御圧系からの出力圧がブレーキ操作圧系からのブレーキ
操作圧に等しくされていたことから、当該切り換え瞬時
において圧力段差が存在することがなく、これに伴うブ
レーキペダルへのキックバックをなくすことができる。
【0019】また、本発明の内、請求項2に係る車両の
ブレーキ制御装置においては、前記差圧検出手段が前記
切り換え弁およびホイールシリンダ間における圧力と、
前記電子制御圧系の出力圧との間の差圧を検出する。こ
の場合、切り換え弁の故障をも検出して、同様に対策す
ることができ、異常対策としてより有用なものとなる。
【0020】更に、本発明の内、請求項3に係る車両の
ブレーキ制御装置においては、前記差圧検出手段の機能
を差圧スイッチにより果たす。この場合、異常検出が電
気的となって異常検出システムの簡易化により装置の小
型化を図ることができる。
【0021】加えて、本発明の内、請求項4に係る車両
のブレーキ制御装置においては、ホイールシリンダによ
り制動される車輪の回転変化が前記電子制御圧系への圧
力制御指令に符号しなくなった時、電子制御圧系異常判
別手段は当該電子制御圧系が異常であると判別する。そ
して、前記切り換え弁制御禁止手段は上記以外に該異常
判別にも応答して、前記切り換え弁の常態位置から制御
位置への切換えを禁止する。よって、前記の差圧に基づ
く異常判別および異常対策が所定通りになされなかった
としても、本発明においては、切り換え弁の常態位置か
ら制御位置への切換えを禁止するという異常対策をより
確実にすることができる。
【0022】更に加えて、本発明の内、請求項5に係る
車両のブレーキ制御装置において、前記切り換え弁制御
禁止手段は、前記切り換え弁の常態位置から制御位置へ
の切換え禁止を前後輪ブレーキ液圧系の一方のみにおい
て行うと車両挙動に悪影響が及ぶ場合、前後輪ブレーキ
液圧系の双方について該切り換えの禁止を実行する。こ
の場合、前記の異常対策が前後輪の一方の液圧ブレーキ
系に対しなされたことで、車両挙動に悪影響が及ぶとい
うようなことがなくなる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づき詳細
に説明する。図1は、本発明の車両のブレーキ制御装置
の一実施例で、4輪それぞれに配置した場合を示すもの
である。
【0024】この第1実施例において、参照符号1は、
ブレーキペダル7と、制動倍力装置8とを有するマスタ
ーシリンダで、ポート1Fと1Rのそれぞれが、左右前
輪と左右後輪の制動に供され、さらに2位置3方向出力
切換弁5と1輪ごとに連結している。これが、倍力装置
付きのブレーキ操作圧系に相当する。
【0025】また、参照符号4は、別の圧力源であるポ
ンプ3と開閉切換弁11を介して繋がる電子油圧制御弁
で、2位置3方向出力切換弁5と1輪ごとに連結してい
る。これが、電子制御圧系に相当する。
【0026】そして、この出力切換弁5は、常態でブレ
ーキ操作圧系からのマスターシリンダ圧をホイールシリ
ンダ2にブレーキ液圧として供給し、切り換えによって
電子制御圧系からの出力圧をホイールシリンダ2にブレ
ーキ液圧として供給する。
【0027】参照符号6は、運転者のブレーキペダル7
の踏み込みにより発生するマスターシリンダ圧を検知す
る圧力センサ、9は、出力切換弁5およびホイールシリ
ンダ2間における油圧と、電子油圧制御弁4の出力圧
(電子制御圧系の出力圧)との間の圧力差を検出する差
圧検出手段である差圧スイッチ、10は電子油圧制御弁
4と開閉切換弁12を介して連結するブレーキ液リザー
バである。
【0028】100は、走行中の車両環境状態を検知す
る各種センサや、圧力センサ6および差圧スイッチ9か
らの入力信号により、電子油圧制御弁4と出力切換弁5
および、開閉切換弁11,12を制御するためのコント
ローラである。
【0029】次に、この実施例における作用を説明す
る。
【0030】まず、運転者のブレーキ操作力に対応した
車輪制動のみが要求される車両走行状況では、出力切換
弁5は常態であり、制動倍力装置8により倍力されたマ
スターシリンダ圧が、直接ホイールシリンダ2に、運転
者のブレーキペダル7の踏み込みに対応するブレーキ液
圧として供給されてブレーキ力を確保する。
【0031】同時に、コントローラ100は、圧力検出
手段である圧力センサ6で検出したマスターシリンダ圧
を基に、開閉切換弁11,12を開き、ポンプ3から圧
力を入力された電子油圧制御弁4を制御し、その電子油
圧制御弁の出力圧が、圧力センサ6で検出されたマスタ
ーシリンダ圧に等しく保つようにする。
【0032】ここで、運転者のブレーキ操作力に対応し
た制動以外の車輪制動制御が要求される車両走行状況と
なれば、コントローラ100は、出力切換弁5の切換え
を行うとともに、各種センサに基づき、電子油圧制御弁
4を目標の出力圧になるように制御し、その出力圧を直
接ホイールシリンダ2にブレーキ液圧として供給する。
【0033】以上で説明した一連の制御が、電子制御手
段に相当する。
【0034】このとき、差圧検出手段である差圧スイッ
チ9では、出力切換弁5およびホイールシリンダ2間に
おける油圧と、電子油圧制御弁4の出力圧との間の圧力
差が、予め与えられた設定値Pd以下であると接点はO
FF、逆に圧力差が設定値Pdを越えると接点はONと
なって電子制御圧系の異常と判定され、切り換え弁制御
禁止手段が実施される。
【0035】この差圧スイッチ9のON/OFF信号に
よる切り換え弁制御禁止手段を図面に基づいて説明す
る。
【0036】図2は、電子制御圧系での各種圧力関係を
示すタイムチャートであり、実線aは、運転者のブレー
キペダル7の踏み込みに応じて発生するマスターシリン
ダ圧、2点鎖線bは、予め与えられた設定値Pdを考慮
した圧力で、この2点鎖線b間で示される領域では、切
り換え弁制御禁止手段は実施されない。
【0037】例えば、圧力センサ6を基に制御された電
子油圧制御弁4の出力圧が、点線cのように正常に動作
してほぼマスターシリンダ圧に等しく、この2点鎖線b
間の領域にあれば、差圧スイッチ9はOFF状態のまま
であるため、コントローラ100は、電子油圧制御弁4
が正常な制御状態にあると判断し、運転者のブレーキ操
作力に対応した制動以外の車輪制動制御が要求される車
両走行状況となれば、出力切換弁5の切り換えを行い、
電子油圧制御弁の出力圧をホイールシリンダ2へ加え
る。
【0038】ここで、電子油圧制御弁4の異常により、
ポンプ3からの元圧と同じ高いままの油圧が電子油圧制
御弁の出力圧となる場合、その出力圧は設定値Pdを越
える1点鎖線dを示す状態であるから、差圧スイッチ9
がON状態となり、コントローラ100は、電子油圧制
御弁4(もしくは出力切換弁5)では異常状態にあると
判断し、運転者のブレーキ操作力に対応した制動以外の
車輪制動制御が要求される車両走行状況を要する時で
も、出力切換弁5の切り換えを禁止して、常態である出
力切換弁5を介しマスターシリンダ圧をブレーキ液圧と
してホイールシリンダ2に供給し、ブレーキ力を確保す
る。
【0039】以上が、切り換え弁制御禁止手段に相当す
る。
【0040】こうした構成は、出力切換弁5が常態位置
である時、倍力装置付きブレーキ操作圧系からのマスタ
ーシリンダ圧が、ホイールシリンダにブレーキ液圧とし
て供給されることから、サービスブレーキ時において要
求される通りの制動が得られ、電子制御圧系の異常によ
りこれからの出力圧が生じなくなった場合でも、ブレー
キ操作圧系により倍力機能を確保でき、ブレーキ力の低
下を生じない。
【0041】また、切り換え瞬時においては、電子油圧
制御弁の出力圧がマスターシリンダ圧に等しくされてい
たことから、切り換え瞬時において圧力段差が無く、こ
れに伴う制動力の急変や、ブレーキペダルへのキックバ
ックをなくすことができ、さらに差圧スイッチ9によっ
て、出力切換弁5およびホイールシリンダ2間の圧力
と、電子油圧制御弁4の出力圧との間の差圧を検出する
ことで、この場合電子油圧制御弁4と出力切換弁5の異
常を、ホイールシリンダ2に出力圧を加えることなく検
知できる。
【0042】また、この異常検知と同時に、切り換え弁
制御禁止手段をもって、出力切換弁5の切り換えを禁止
することで、倍力不能によるブレーキ力の低下を生じな
い。
【0043】ところで、上記したように電子油圧制御弁
4に倍力機能を持たせないため電子油圧制御弁4が大型
しないとともに、差圧検出手段として差圧スイッチ9を
具えて故障検出システムも簡易化したから、装置の小型
化を図ることも可能となる。
【0044】しかし、差圧スイッチ9では、電子油圧制
御弁4の出力圧が、図2の1点鎖線eのように0となる
場合、設定値Pdによっては差圧スイッチ9が、OFF
状態のままである。だから、電子油圧制御弁4が異常で
あるにもかかわらず、運転者のブレーキ操作力に対応し
た制動以外の車輪制動制御が要求される車両走行状況で
出力切換弁5を制御位置に切換えてしまうことも起こ
る。
【0045】そこでさらに、コントローラ100は、走
行中の車両環境状態を検知する各種センサのうちの1つ
である車輪回転センサの検出値と、電子油圧制御弁4へ
の圧力制御指令から、電子油圧制御弁4の異常を判別す
る。
【0046】これが電子制御圧系異常判別手段に相当
し、コントローラ100は、ホイールシリンダ2により
制動される車輪の回転変化が電子油圧制御弁4への圧力
制御指令と符号しなくなった時をもって、切り換え弁制
御禁止手段に応答させることによって、運転者のブレー
キ操作力に対応した制動以外の車輪制動制御が要求され
る車両走行状況が必要となっても、出力切換弁5の常態
位置から制御位置への切り換えを禁止する。
【0047】つまり、差圧スイッチ9では判別できない
異常でも、この電子制御圧系異常判別手段により異常を
検知し、切り換え弁制御手段に応答することで、出力切
換弁5の常態位置から制御位置への切り換えを禁止する
という異常対策を保証することができ、安全上大いに有
用である。
【0048】この切り換え弁制御禁止手段は、4輪全体
の制御を禁止できることはもちろん、図3に示す如く、
前輪部と、後輪部とに制御系統を分割して考えることも
できる。
【0049】図3は後輪駆動車(FR車)を例に示した
もので、まず、4輪全体を制御するアンチスキッド(A
BS)制御では、前輪部で異常が発生した場合、異常の
ある前輪部のみでの出力切換弁5の常態位置から制御位
置への切り換えを禁止し、駆動輪である後輪で異常が発
生した場合は、安全性を考えて前・後輪部の4輪全体の
切り換えを禁止する。
【0050】次に、エンジントルクと駆動輪のブレーキ
力とを制御するトラクションコントロールシステム(T
CS)制御では、駆動輪である後輪部で異常が発生した
場合のみ、出力切換弁5の常態位置から制御位置への切
り換えを禁止する。
【0051】左右輪に制動力差をつけて、車両挙動を制
御するアクティブブレーキ制御では、前輪制御時は、前
輪部で異常が発生した場合に、後輪制御時は、後輪部で
異常が発生した場合に、出力切換弁5の切り換えを禁止
する。
【0052】また、障害物センサによりその障害物を発
見し、車両を減速させるような運転者の意志とは無関係
のブレーキ動作を行う自動ブレーキ制御は、前輪部への
制御と後輪部の制御とに分けられ、前輪部制御では、前
輪部で異常が発生した場合のみ、出力切換弁5の切り換
えを禁止し、後輪部制御では、後輪部で異常が発生した
場合のみ出力切換弁5の切り換えを禁止する。
【0053】この場合、電子制御圧系の異常対策が、前
後輪の一方の油圧ブレーキに対しなされたことで、車両
挙動に悪影響が及ぶということがなくなり、安全上有用
である。
【0054】最後に、図4より電子油圧制御弁4の一実
施例について詳細に説明しておく。図4は電子油圧制御
弁4の構成を示すものであり、20は等しい径を有する
スプール、21はスリーブ、22はスプール20を貫通
する断面積A0 の油路、23は油路22に挿入しスリー
ブ21の内壁21aに当接している反力ピン、24はス
プール20と連結するプランジャ、25はソレノイド、
26,27はスプール20を支持するばねである。
【0055】次にこの電子油圧制御弁4の作用を説明す
ると、まず入力ポート4sにポンプ圧を入力し、図1に
示すコントローラ100の指令から、ソレノイド25に
ソレノイド電流が通電され、スプール20がプランジャ
24を介して、図面左方向の力Fs を受ける。また、ス
プール20には、ばね26,27により図面左方向の力
1 と、図面右方向の力F2 が加わる。さらに、スプー
ル20には断面積A0の反力ピン23が挿入してあるた
め、出力ポート4c の出力圧をPc とすると、スプール
20系の力の釣合から、
【数1】Fs +F1 =Pc ・A0 +F2よって、
【数2】Pc =(Fs +F1 −F2)/A0 ここで、ばね26,27が同等のものであるとすると、
力F1 ,F2 は、ほぼ一定のため、
【数3】Pc =Fs /A0 ---- (1) となり、出力圧Pc はソレノイド推力Fs に比例して変
化する。
【0056】つまり、出力圧Pc は、コントローラ10
0からの指令値に比例するということであるから、電子
油圧制御弁4の出力圧Pc とコントローラ100からの
指令値との関係は、ヒステリシスを含め図5に示すもの
になる。
【0057】よって、(1)式からも明らかなように、
ソレノイド推力Fs の増加によりスプール20が図面左
方向に移動した場合、出力圧Pc が大きくなり、逆にソ
レノイド推力Fs の減少によりスプール20が図面右方
向に移動した場合、出力圧P c が小さくなるように制御
される。
【0058】
【発明の効果】本発明の内、請求項1に係る車両のブレ
ーキ制御装置において、運転者のブレーキ操作力に対応
した車輪制動のみが要求される車両走行状況では、電子
制御手段は、電子制御圧系からの出力圧がブレーキ操作
圧系からのブレーキ操作圧に等しく保たれるよう電子制
御圧系を制御する。よって、切り換え弁が常態位置にあ
る時、運転車のブレーキ操作力に対応した倍力位置付き
ブレーキ操作圧系からのブレーキ操作圧がホイールシリ
ンダにブレーキ液圧として供給されることから、通常の
サービスブレーキ時において要求される通りの制動を得
ることができる。
【0059】ここで、電子制御圧系の異常によりこれか
らの出力圧が生じなくなったり、前記別の圧力源からの
元圧と同じ高い値にされたままになる場合、この出力圧
と上記ブレーキ操作圧との間の差圧を検出する差圧検出
手段からの信号を受けて切り換え弁制御禁止手段が、上
記切り換え弁の常態位置から制御位置への切り換えを禁
止する。よって、当該異常時は、切り換え弁がブレーキ
操作圧をホイールシリンダへ供給することとなり、異常
な電子制御圧系の出力圧がホイールシリンダに供給され
て制動不能になったり、急制動により車両挙動が悪影響
を受けるといった問題を解決することができる。しかも
上記の差圧に基づく異常検出を、通常のサービスブレー
キ中においてなし得るため、また異常対策が上記切り換
え弁の切り換え禁止であることから、ブレーキ操作圧が
ホイールシリンダにブレーキ液圧として供給されること
から、通常のサービスブレーキ時において要求される通
りの制動を得ることができる。
【0060】なお当該異常時には、上記の通りブレーキ
操作圧系からのブレーキ操作圧がホイールシリンダに供
給されることから、そして倍力装置がこのブレーキ操作
圧系に付設されていることから、当該異常時も倍力不能
になることがない。
【0061】加えて、電子制御圧系に倍力機能を持たせ
ないことから、当該電子制御圧系の圧力制御弁にそのた
めの機構部分を余分に設ける必要がなくて、この圧力制
御弁が大型になるといった問題を生ずることもない。
【0062】運転者のブレーキ操作力に対応した制動以
外の車輪制動制御が要求される車両走行状況では、電子
制御手段は、電子制御圧系からの出力圧が該要求される
車輪制動制御に符号する値に調圧されるよう電子制御圧
系を制御する。同時に、切り換え弁を、電子制御圧系か
らの出力圧がホイールシリンダにブレーキ液圧として供
給されるよう制御することで、当該走行状況で要求され
ている通りのブレーキ制御を実現させることができる。
【0063】ところで、切り換え弁の当該切り換え瞬時
においては、上述したところから明らかなように電子制
御圧系からの出力圧がブレーキ操作圧系からのブレーキ
操作圧に等しくされていたことから、当該切り換え瞬時
において圧力段差が存在することがなく、これに伴うブ
レーキペダルへのキックバックをなくすことができる。
【0064】また、本発明の内、請求項2に係る車両の
ブレーキ制御装置においては、前記差圧検出手段が前記
切り換え弁およびホイールシリンダ間における圧力と、
前記電子制御圧系の出力圧との間の差圧を検出する。こ
の場合、切り換え弁の故障をも検出して、同様に対策す
ることができ、異常対策としてより有用なものとなる。
【0065】更に、本発明の内、請求項3に係る車両の
ブレーキ制御装置においては、前記差圧検出手段の機能
を差圧スイッチにより果たす。この場合、異常検出が電
気的となって異常検出システムの簡易化により装置の小
型化を図ることができる。
【0066】加えて、本発明の内、請求項4に係る車両
のブレーキ制御装置においては、ホイールシリンダによ
り制動される車輪の回転変化が前記電子制御圧系への圧
力制御指令に符号しなくなった時、電子制御圧系異常判
別手段は当該電子制御圧系が異常であると判別する。そ
して、前記切り換え弁制御禁止手段は上記以外に該異常
判別にも応答して、前記切り換え弁の常態位置から制御
位置への切換えを禁止する。よって、前記の差圧に基づ
く異常判別および異常対策が所定通りになされなかった
としても、本発明においては、切り換え弁の常態位置か
ら制御位置への切換えを禁止するという異常対策をより
確実にすることができ、安全上大いに有用である。
【0067】更に加えて、本発明の内、請求項5に係る
車両のブレーキ制御装置において、前記切り換え弁制御
禁止手段は、前記切り換え弁の常態位置から制御位置へ
の切換え禁止を前後輪ブレーキ液圧系の一方のみによっ
て行うと車両挙動に悪影響が及ぶ場合、前後輪ブレーキ
液圧系の双方について該切換えの禁止を実行する。この
場合、前記の異常対策が前後輪の一方の液圧ブレーキ系
に対しなされたことで、車両挙動に悪影響が及ぶという
ようなことがなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による車両のブレーキ制御装置を例示す
るシステム図である。
【図2】同じくその電子制御圧系が故障した時の各種圧
力関係を示すタイムチャートである。
【図3】前輪側制御圧系および後輪側制御圧系の一方が
故障して、該故障した系による制御を禁止した場合に、
他方の正常な系による制御を禁止するか否かを示す図で
ある。
【図4】図1の電子油圧制御弁4の実施例を示す構成図
である。
【図5】同例における電子油圧制御弁4の特性を示す図
である。
【符号の説明】
1 マスターシリンダ 2 ホイールシリンダ 3 ポンプ 4 電子油圧制御弁 5 2位置3方向出力切換弁 6 圧力センサ 7 ブレーキペダル 8 制動倍力装置 9 差圧スイッチ 10 ブレーキ液リザーバ 11,12 開閉切換弁 20 スプール 21 スリーブ 22 油路 23 反力ピン 24 プランジャ 25 ソレノイド 26,27 ばね 100 コントローラユニット

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 運転者のブレーキ操作力に対応したブレ
    ーキ操作圧を発生する倍力装置付きのブレーキ操作圧系
    と、 外部圧力源からの圧力を入力として、外部からの指令値
    に基づき調圧されたブレーキ制御圧を発生する電子制御
    圧系と、 前記ブレーキ操作圧系からのブレーキ操作圧と前記電子
    制御圧系からのブレーキ制御圧のうち、どちらか一方を
    選択しホイールシリンダにブレーキ液圧として供給する
    切り換え弁と、 該切り換え弁により、ブレーキ液圧としてブレーキ操作
    圧が選択されている位置にある時には、ブレーキ操作圧
    に等しくなるような指令値を、又、前記切り換え弁によ
    りブレーキ液圧としてブレーキ制御圧が選択されている
    位置にある時には、車両の走行状態に基づいた指令値を
    電子制御圧系に出力する電子制御手段と、 前記ブレーキ操作圧および電子制御圧系の出力圧間にお
    ける差圧を検出する差圧検出手段と、 該手段により検出した差圧が設定値を越えるとき、前記
    切り換え弁の常態位置から制御位置への切換えを禁止す
    る切り換え弁制御禁止手段とを具えることを特徴とする
    車両のブレーキ制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記差圧検出手段は
    前記切り換え弁およびホイールシリンダ間における圧力
    と、前記電子制御圧系の出力圧との間の差圧を検出する
    構成にしたことを特徴とする車両のブレーキ制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、前記差圧検
    出手段を差圧スイッチにより構成したことを特徴とする
    車両のブレーキ制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか1項におい
    て、ホイールシリンダにより制動される車輪の回転変化
    が前記電子制御圧系への圧力制御指令に符号しなくなっ
    た時をもって該電子制御圧系が異常であると判別する電
    子制御圧系異常判別手段を付加し、前記切り換え弁制御
    禁止手段は該異常判別にも応答して、前記切り換え弁の
    常態位置から制御位置への切換えを禁止するよう構成し
    たことを特徴とする車両のブレーキ制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれか1項におい
    て、前記切り換え弁制御禁止手段は、前記切り換え弁の
    常態位置から制御位置への切り換え禁止を前後輪ブレー
    キ液圧系の一方のみにおいて行うと車両挙動に悪影響が
    及ぶ場合、前後輪ブレーキ液圧系の双方について該切り
    換えの禁止を実行するよう構成したことを特徴とする車
    両のブレーキ制御装置。
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