JP3147004B2 - パイプ製造装置 - Google Patents

パイプ製造装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マンドレル表面に
パイプ組成層を形成することにより、ゴルフクラブシヤ
フトや釣竿等に用いるパイプを得るパイプ製造装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、パイプ製造装置には、マンドレル
を一定速度で送り出すためのマンドレル自動供給装置
と、走行するマンドレルの表面に複数本の組成糸を交差
するように巻き付けてパイプ組成層を形成するためのブ
レイダーユニツトと、パイプ組成層の表面にテープを巻
き付けるためのラツピング装置と、テープが巻き付けら
れたものを引き受けるプリフオーム自動取出し装置とを
順番に直列に配置したものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ラツピング
装置に装着されるテープは、テープリールに巻かれたも
のを用いるため、ラツピングの進行に伴い全部使用する
と無くなつて切れる。この状態で製造を続行すること
は、テープで保護されていないパイプ組成層が得られる
ことになり、パイプ組成層の変形等の不良を招き、歩留
りを著しく低下させることになる。更に、何らかのアク
シデントでテープが途中で切れた場合も、同様である。
【0004】そこで、本発明は、上記問題を解決するた
めに、パイプ組成層に巻き付けるテープの切れを検知す
ることができるパイプ製造装置の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、マンド
レル表面にパイプ組成層を形成する糸を繰り出すための
ブレイダーユニツトと、この組成層の上に巻き付けるテ
ープを繰り出すためのテープラツピング装置とを備えた
パイプ製造装置において、前記組成層の上に巻き付けた
テープに接触するように前記マンドレ表面を押圧する二
本の通電性の振れ防止ローラーと、これら振れ防止ロー
ラー間の通電を検知する通電検知回路とを備えたテープ
切れ検知装置を設けたことである
【0006】イプ組成層を形成する糸に導電性のもの
を用いると共に、テープに絶縁性のものを用いた場合、
組成層の上にテープが巻き付けられている正常のときに
は、二個の通電性の振れ防止ローラーは非通電状態であ
る。これに対して、テープが切れて組成層の上へのテー
プの巻き付けがなくなる異常なときには、導電性の組成
層に通電性の振れ防止ローラーが接触するため、振れ防
止ローラー間の通電状態が通電検知回路で検知される。
従つて、通電検知回路は、テープが巻き付けられていな
い状態を検知して、間接的にテープの切れを検知でき
る。製造装置は、この検知に基づき、停止させることが
可能となる。
【0007】通電性の振れ防止ローラーが接触子を兼用
するため、新たに接触子を設ける必要がなくなり、装置
の簡略が図れる。
【0008】
【0009】
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るパイプ製造装
置を図面に示す実施の形態に基づいて説明する。
【0011】(第1の実施の形態)パイプ製造装置は、
図1に示す如く、マンドレル自動供給装置1と、縦型の
複数のブレイダーユニツト2と、ラツピング装置3と、
振れ防止具4と、プリフオーム自動取出し装置5とを順
番に直列に配置してある。
【0012】上記マンドレル自動供給装置1は、供給す
るマンドレルMの後端を把持して、マンドレルMを前方
の複数のブレイダーユニツト2に送り出すためのチヤツ
ク6を備えている。マンドレルMは、テーパー状等の異
径なもの若しくは円柱状の同径なものであつて、軽金属
素材若しくは耐熱性合成樹脂素材から成形される。マン
ドレルMは、成形後のプリフオームの脱型を容易にする
ために、離型剤が予め塗布される。
【0013】前記ブレイダーユニツト2は、図2に示す
如く、マンドレルMの表面にパイプ組成層Pを形成する
ための糸F,F’を繰り出すものである。ブレイダーユ
ニツト2は、マンドルMが通過する中心孔7aを有し且
つ中心孔7aの外側に形成した波形の環状軌道(図示省
略)の2条を有する垂直な軌道面7と、これら環状軌道
に案内されて相互に逆方向へ走行する2群の多数のボビ
ン・キヤリア8(例えば、2群×8個)と、軌道面7か
ら立設したボビン・スタンド9と、軌道面7の環状軌道
に囲まれた中心から立設した中央糸供給用の筒体10の
複数本とを備えている。
【0014】上記ボビン・キヤリア8は、マンドレルM
の表面で斜め交差する組成糸Fを繰り出すものであり、
組成糸Fを巻いたボビンBがセツトされる。ボビン・ス
タンド9は、マンドレルMの表面にマンドレル長手方向
へ組成糸F’を繰り出すためのものであり、組成糸F’
を巻いたボビンB’がセツトされる。組成糸F,F’
は、熱硬化性の合成樹脂を予め含浸したカーボン繊維、
ガラス繊維、アラミド繊維等よりなるプリプレグドヤー
ンが用いられる。
【0015】マンドレルMは、前記チヤツク6により一
定速度で送られながら、表面に複数本の組成糸F,F’
が交差するように巻き付けられると、パイプ組成層Pが
形成される。
【0016】前記ラツピング装置3は、後端のブレイダ
ーユニツト2の次に縦向きに配置されるものであり、マ
ンドレルMが通過する中心孔11aを形成した大ギヤー
11と、大ギヤー11を回転自在に支持する支持ギヤー
12の複数個と、大ギヤー11を強制回転させるための
ギヤー付きモーター13と、大ギヤー11に取付けたテ
ープ巻出具14とを備えている。テープ巻出具14は、
テープTを巻いたテープリール15が交換可能に装着さ
れる。テープTは、熱収縮性のポリプロピレンフイム等
が用いられ、テープリール15から繰り出され、ガイド
ローラー37,37及びテンシヨンローラ38で案内さ
れてマンドレルMのパイプ組成層Pの表面に巻き付けら
れ、硬化前のパイプ組成層Pを締め付け且つ保護する。
【0017】ラツピング装置3は、パイプ組成層Pの表
面に巻き付けるテープTの張力を調節するために、テン
シヨン調節手段(図示省略)を備えている。このテンシ
ヨン調節手段の一例としては、目盛り調節により磁気的
な回転負荷の調節が可能なギアを、ガイドローラー37
又はテンシヨンローラ38と一体的に形成されたギアに
噛み合わせるようにしたものであつて、目盛り調節でテ
ンシヨン調節を行うものがある。テンシヨン調節手段
は、マンドレルMの外径や送り速度或いはテープTの厚
みや巻き付け速度等の条件が異なる場合でも、適切なテ
ープ張力を維持して、過張力によるテープ切れを極力少
なくすることができる。
【0018】前記振れ防止具4は、前記ラツピング装置
3の次に配置されるものであり、相互に接近する方向へ
押圧された振れ防止ローラー16,16の二組を備えて
いる。振れ防止具4は、各組のローラー16,16でマ
ンドレルMを押圧することにより、マンドレルMの蛇行
を防止する。
【0019】図1に示す前記プリフオーム自動取出し装
置5は、振れ防止具4を出たマンドレルMの先端を把持
しつつ、マンドレルMを前方へ引き出すためのチヤツク
17を備えている。パイプ組成層Pを形成したマンドレ
ルMは、加熱硬化装置(図示省略)へ入れられ、硬化成
形が行われる。硬化したパイプ組成層Pは、マンドレル
Mから分離されパイプとなる。
【0020】本実施の形態における改良は、図3及び図
4に示す如く、前記テープラツピング装置3の次に、テ
ープTが切れたことを検知するテープ切れ検知装置20
を設けた点にある。
【0021】テープ切れ検知装置20は、テープラツピ
ング装置3の次に配置した振れ防止具4を構成する二本
の通電性の振れ防止ローラー16,16を接触子とし、
これらローラ−16,16の間の通電を検知する通電検
知回路21を備えている。振れ防止具4は、固定フレー
ム22と、固定フレーム22にリニアガイド23,23
を介して摺動自在に配置したレバー24,25と、各レ
バー24,25の上端に互いに段違い、且つ直交して回
転可能に片持ち支持したローラ−16,16と、各レバ
ー24,25の下端を互いに連結するリンク26,26
と、各レバー24,25の中間に両端を連結した引張り
ばね27とを備えている。
【0022】レバー24,25は、リニアガイド23,
23及びリンク26,26により、同期して離反又は接
近するように平行移動できる。各レバー24,25に支
持された対峙する一対のローラ−16,16は、引張り
ばね27により、自動調心で通過中のマンドレルMを蛇
行しないように挟圧保持できる。
【0023】通過するテーパー状のマンドレルMの大径
側を挟圧保持する一対のローラー16,16は、導電性
の各ローラー表面16aと各リード線28とが通電接合
されている。この一対のローラー16,16として、マ
ンドレルMの大径側を挟圧保持するものを選択するの
は、マンドレルMのパイプ組成層Pにローラー16,1
6を確実に接触させるためである。リード線28,28
は、上記通電検知回路21に結線されている。通電検知
回路21は、ローラー16,16間の通電状態を検知し
たときには、発音又は発光等で報知すると共に製造装置
を停止するように回路構成してある。
【0024】テープ切れ検知装置20は、マンドレルM
のパイプ組成層Pを形成する糸に導電性のものを用いる
と共に、テープTに絶縁性のものを用いたときに適用で
きる。すなわち、組成層Pの上にテープTが巻き付けら
れている正常のときには、一対のローラー16,16は
非通電状態である。これに対して、テープTが切れて組
成層Pの上へのテープTの巻き付けがない異常なときに
は、導電性の組成層Pに一対のローラー16,16が接
触するため、ローラー16,16間の通電状態が通電検
知回路21で検知される。従つて、通電検知回路21
は、テープTの巻き付けがないことを検知することによ
り、間接的にテープの切れを検知できる。
【0025】なお、接触子は、二本の通電性の振れ防止
ローラー16,16以外に、銅板からなる二枚一組のブ
ラシ等で構成することも可能である。
【0026】(第2の実施の形態) 図5は、本発明外の実施の形態であって、テープラツピ
ング装置3に設けられたテープ切れ検知装置30を示す
ものである。テープ切れ検知装置30は、テープリール
15から繰り出されてマンドレルMのパイプ組成層Pに
巻き付けられるテープTの途中を押圧することができる
移動自在なタツチローラー31と、タツチローラー31
がテープTを押圧する位置Gから押圧しない位置Hへ移
動したことを検知するローラー位置検知具32とを備え
ている。テープTは、テープリール15から繰り出し、
ガイドローラー37,37及びテンシヨンローラー38
に導かれて、マンドレルMのパプ組成層Pの表面に巻き
付けられる。
【0027】ローラー位置検知具32は、テープラツピ
ング装置3の大ギヤー11に中間部を軸支すると共に一
端にタツチローラー31を回転自在に軸支した揺動自在
なレバー33と、レバー33と大ギヤー11との間に配
置された引張りばね34と、レバー33の位置Gから位
置Hに移動した他端33aを検知する固定された近接ス
イツチ35と、近接スイツチ35に結線した制御回路3
6とを備えている。レバー33は、大ギヤー11と共に
矢符C方向へ公転し、位置Gのときには近接スイツチ3
5と離反し、位置Hのときには近接スイツチ35と接近
する。
【0028】近接スイツチ35は、テープTの切れに伴
いレバー33が矢符D方向へ移動して位置Hで停止した
ときには、大ギヤー11が一回転する毎に1パルスを発
信し、レバー33が位置Gに位置するときにはパルスを
発信しない。従つて、ローラー位置検知具32は、近接
スイツチ35が発信する1パルスによりテープの切れを
検知することになる。
【0029】制御回路36は、テープTの切れに伴い近
接スイツチ35がパルスを発信したとき、報知すると共
に製造装置を停止するように回路構成してある。
【0030】テープラツピング装置3に設けたテープ残
量検知具50は、テープリール15に巻き付けられたロ
ール状テープの残量が所定量となつたことを、ロール状
テープ表面にタツチする検知ローラー51の変位で検知
するものである。テープ残量検知具50は、大ギヤー1
1に中間部を軸支すると共に一端に検知ローラー51を
回転自在に軸支した揺動自在なレバー52と、レバー5
2を矢符K方向へ付勢するばね53と、検知ローラー5
1の位置L(テープTの残量が所定量となるときの位
置)へ移動したレバー52の他端52aを検知する固定
された近接スイツチ54と、近接スイツチ54に結線し
た制御回路55とを備えている。
【0031】近接スイツチ54は、テープTの消費に伴
いレバー52が矢符K方向へ移動して位置Lに至つたと
きには、大ギヤー11が一回転する毎に1パルスを発信
する。制御回路55は、このパルスを2〜3回続けて受
信すると、テープ交換を報知する。
【0032】なお、前記テープラツピング装置3は、前
記大ギヤー11を図6に示す円板60に置換することも
可能である。円板60は、固定板62に、その中心部が
中空軸受具61を介して回転自在に支持されている。中
空軸受具61は、円板側61aに歯付きベルト用プーリ
ー63を取付けてある。円板60は、歯付きベルト用プ
ーリー63と駆動モータ(図示省略)に取付けた駆動プ
ーリーとに張架した歯付きベルト64で駆動され、バツ
クラツシユがなく静かに回転することができる。
【0033】(第3の実施の形態) 図7は、本発明外の実施の形態であって、光学式のテー
プ切れ検知装置40を示すものである。このテープ切れ
検知装置40は、パイプ組成層PとテープTとの間に色
彩的差異(例えば、黒色のパイプ組成層Pと白色のテー
プT)があるときに用いられるものである。テープ切れ
検知装置40は、組成層Pの上にテープTが巻き付けら
れた箇所の色彩を監視する検知具41と、検知具41の
検知信号を受ける制御回路42とを備えている。
【0034】検知具41は、テープTが切れてテープT
が巻かれなくなつた監視箇所の色彩が変化すると、検知
信号を制御回路42に発信するように構成してある。制
御回路42は、この検知信号を受けて、報知すると共に
製造装置を停止するように回路構成してある。光学式の
テープ切れ検知装置40は、パイプ組成層PやテープT
と接触することなく、無接触で検知できるため、保守点
検が容易となる。
【0035】
【発明の効果】以上詳述の如く、本発明に係るパイプ製
造装置は、次の如き優れた効果を有する。
【0036】本発明は、テープの切れをテープ切れ検知
装置で確実に検知することができるため、テープの切れ
に伴うパイプ組成層の不良発生量を低減でき、歩留りの
向上が図れる。
【0037】本発明は、テープが巻かれた後の状態によ
りテープ切れを検知することができるため、テープとと
もに回転する検知具を必要としない。その結果、本発明
は、テープとともに回転する回転部が重くなるのを防止
して、回転部を静音な状態で高速回転させることができ
る。
【0038】本発明は、振れ防止ローラーが接触子を兼
用するため、装置の簡略が図れる。
【0039】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示すものであり、
パイプ製造装置の全体の概略を示す左側面図である。
【図2】同実施の形態におけるブレイダーユニツトとテ
ープラツピング装置の概略を示す左側面図である。
【図3】同実施の形態における要部の概略を示す斜視図
である。
【図4】同実施の形態におけるテープ切れ検知装置を備
えた振れ防止装置を示すものであり、(a)は正面図、
(b)は左側面図である。
【図5】本発明外の実施の形態を示すものであり、テー
プ切れ検知装置を備えた振れ防止装置を示す背面図であ
る。
【図6】同実施の形態におけるテープラツピング装置の
別態様を示す断面図である。
【図7】本発明外の実施の形態を示すものであり、要部
の概略を拡大して示す左側面図である。
【符号の説明】
M…マンドレル P…パイプ組成層 F,F’…糸 T…テープ 2…ブレイダーユニツト 3…テープラツピング装置 16…通電性の振れ防止ローラー 20,30,40…テープ切れ検知装置 21…通電検知回路 31…タツチローラー 32…ローラー位置検知具
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D04C 3/00 - 3/48 B29C 67/14 D06H 3/00 D06B 23/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マンドレル表面にパイプ組成層を形成す
    る糸を繰り出すためのブレイダーユニツトと、この組成
    層の上に巻き付けるテープを繰り出すためのテープラツ
    ピング装置とを備えたパイプ製造装置において、前記組
    成層の上に巻き付けたテープに接触するように前記マン
    ドレ表面を押圧する二本の通電性の振れ防止ローラー
    と、これら振れ防止ローラー間の通電を検知する通電検
    知回路とを備えたテープ切れ検知装置を設けたことを特
    徴とするパイプ製造装置。
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