JP3146131B2 - コンバインの排藁処理部 - Google Patents

コンバインの排藁処理部

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JP3146131B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、脱穀後の排藁を細断し
て圃場に放出してゆくよう構成したコンバインの排藁処
理部に関する。
【0002】
【従来の技術】コンバインにおいては、排藁カッターを
機体後端上部に機体後方に突出した状態で設け、排藁カ
ッターからの細断藁の落下経路をリアシュートと左右の
サイドシュートで囲まれた空間として形成している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】細断藁落下経路を形成
するリアシュートと左右のサイドシュートは、風によっ
て細断藁が飛散しないよう、また、安全性を高めるため
に下方に延ばす傾向にあり、リアシュートとサイドシュ
ートの対地高さがかなり低くなっている。このために、
畦超え等のために機体が後ろ下がり傾斜姿勢になった時
に、リアシュートとサイドシュートの下端が地面などに
衝突して損傷しやすくなるものであった。また、コンバ
インを縦列状態でトラック等に積載して運搬する際に、
前のコンバインのリアシュート下端に後のコンバインの
刈取部前端とが接触しないように前後間隔を開けて積載
しなければならず、このために積載空間の前後長さが大
きくなり、大型のトラックが必要となって運搬コストが
高くなるおそれがあり、リアシュートとサイドシュート
の損傷防止及び運搬コスト低減の面から改良の余地があ
った。
【0004】本発明の目的は、リアシュートとサイドシ
ュートを十分に下方に延ばして安全性を高めながら、リ
アシュートとサイドシュートの段部乗り越え時の損傷を
防止でき、しかも、コンバインを縦列状態で積載運搬す
る際の積載空間の前後長さを短縮して運搬コストを低減
できるようにする点にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴構成は、排
藁カッターを機体後端上部に機体後方に突出した状態で
設け、前記排藁カッターからの切断藁落下経路をリアシ
ュートと左右のサイドシュートで形成したコンバインに
おいて、前記排ワラカッターに取付けられる両サイドシ
ュートを、下端の前端側角部付近と上端の後端側角部付
近とを結ぶ折れ線を境にして、前上部位置で前記排ワラ
カッターに固定される固定部分と、前記折れ線箇所で揺
動可能に設けられた揺動部分とから構成し、 前記リアシ
ュートを、前記排ワラカッターに取付けられた上端側を
中心にして前後揺動自在に構成し、 前記両サイドシュー
トの揺動部分を前記折れ線で内側に折り畳み自在に形成
し、リアシュートと両サイドシュートの揺動部分とをそ
れぞれ個別に揺動自在に構成して、 前記両サイドシュー
トが伸張されて前記リアシュートが後方に揺動された使
用状態では、前記リアシュートと前記揺動部分の後端側
とを固定し、かつ、前記両サイドシュートの揺動部分が
折り畳まれて前記リアシュートが前方揺動された格納状
態では、前記リアシュートと前記揺動部分の折れ線側近
くとを固定する固定手段を設けたことにある。
【0006】
【作用】リアシュートとサイドシュートを十分に下方に
延ばしても、両サイドシュートを折り畳んでリアシュー
トを前方揺動させた格納状態にすると、リアシュートと
両サイドシュートの下端側の機体後方への突出量を大幅
に減小できるから、畦超え等のために機体が後ろ下がり
傾斜する際のリアシュートと両サイドシュートの衝突に
よる損傷を十分に防止できる。
【0007】さらに、コンバインを縦列状態でトラック
等に積載して運搬する際に、前のコンバインの両サイド
シュートを折り畳んでリアシュートを前方揺動させた格
納状態にすると、前のコンバインのリアシュートの下方
に後のコンバインの刈取部前端を入り込ませることがで
き、コンバインの積載空間の前後長さを短縮することが
できる、積載台数を増やしたり、同台数のコンバインを
一回り小型のトラックで運搬することができる。
【0008】
【発明の効果】その結果、リアシュートとサイドシュー
トを十分に下方に延ばしても、畦越え時等におけるリア
シュートとサイドシュートの損傷を防止できるととも
に、コンバインの縦列状態での積載運搬に際して運搬コ
ストを低減できる、安全性向上、排藁放出シュートの損
傷防止及び運搬コスト低減において優れたコンバインを
提供できるようになった。
【0009】
【実施例】図1に示すように、クローラ式走行装置9で
走行する車体の前部に、油圧シリンダ1によって支点2
周りで昇降揺動揺自在な刈取部3を連結するとともに、
車体上に脱穀装置5、原動部、および、運転部8、等を
搭載し、刈取部3で刈り取った穀稈を脱穀フィードチェ
ーン4で挟持搬送しながら脱穀し、脱穀後の排藁を排藁
処理部7で細断して圃場に放出してゆく自脱型のコンバ
インを構成してある。
【0010】前記排藁処理部7を構成するに、前後に並
べた高速回転刃14と低速回転刃15で排藁を切断する
円板型排藁カッター10を機体後端上部に機体後方に突
出した状態で設け、排藁カッター10から落下する切断
排藁の放出位置を機体横方向に変更する排藁放出位置変
更装置11を設け、排藁カッター10からの細断藁落下
経路をリアシュート12と左右のサイドシュート13で
囲まれた空間として形成し、リアシュート12とサイド
シュート13を十分に下方に延ばし、細断藁が風によっ
て飛散されにくいように、かつ、シュート下端から回転
刃14,15までの距離を大きくして安全性を高めるよ
うに構成してある。
【0011】図2および図3に示すように、リアシュー
ト12を合成樹脂製で形成するとともに、上端側中心に
前後揺動自在に取付けてある。また、両サイドシュート
13を合成樹脂製で形成するとともに、その内面に金具
16を付設し、金具16に溶接したナット17に蝶ボル
ト18を螺合させて、両サイドシュート13が伸長され
てリアシュート12が後方揺動された使用状態でリアシ
ュート12と両サイドシュート13を固定するように構
成してある。
【0012】両サイドシュート13を、薄肉ヒンジ部分
13aによって下端の前端側角部付近と上端の後端側角
部付近とを結ぶ折れ線Lで内側に折り畳み自在に形成
し、図3及び図4に示すように、サイドシュート13の
揺動部分13bに設けた金具20に蝶ボルト18を螺合
させて、両サイドシュート13が折り畳まれてリアシュ
ート12が前方揺動された格納状態でリアシュート12
と両サイドシュート13を固定するように構成してあ
る。
【0013】また、図4に示すように、コンバインA,
Bを縦列状態でトラック等に積載して運搬する際に、前
のコンバインAの両サイドシュート13を折り畳んでリ
アシュート12を前方揺動させた格納状態にすること
で、前のコンバインAのリアシュート12の下方に後の
コンバインBの刈取部3の前端を入り込ませることがで
き、コンバインA,Bの積載空間の前後長さを短縮で
き、トラック1台当たりのコンバイン積載台数を増やし
たり、同台数のコンバインを一回り小型のトラックで運
搬でき、運搬コスト低減に有効となるのである。
【0014】〔別実施例〕 リアシュート12やサイドシュート13の材質、形
状等は適当に変更でき、また、リアシュート12を上端
側中心に前後揺動自在に取付ける具体構造、及び、両サ
イドシュート13を折れ線Lで折り畳み自在に形成する
具体構造は、例えばヒンジ式などの公知技術に基づいて
適宜設計変更自在である。
【0015】 両サイドシュート13が伸長されてリ
アシュート12が後方揺動された使用状態と、両サイド
シュート13が折り畳まれてリアシュート12が前方揺
動された格納状態とでリアシュート12と両サイドシュ
ート13を固定するための具体構成は公知の固定手段に
基づいて適当に設計変更でき、例えば図5に示すように
リアシュート12に付設した突起19をサイドシュート
13の金具16や揺動部分13bに弾性的に嵌着し、万
一誤ってリアシュート12とサイドシュート13が格納
状態のまま収穫作業が行われた場合に切断藁落下経路に
詰まった細断藁の圧力によって突起19が自動的に外れ
てリアシュート12が後方へ揺動するように構成しても
よい。したがって、それら各種固定構成を固定手段1
8,19と総称する。
【0016】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンバインの全体側面図
【図2】(イ)使用状態でのシュートの斜視図 (ロ)格納状態でのシュートの斜視図
【図3】(イ)使用状態でのシュートの要部横断平面図 (ロ)格納状態でのシュートの要部横断平面図
【図4】コンバインの積載運搬状態説明図
【図5】(イ)別実施例のシュートの使用状態を示す要
部横断平面図 (ロ)別実施例のシュートの格納状態を示す要部横断平
面図
【符号の説明】
10 排藁カッター 12 リアシュート 13 サイドシュート 18,19 固定手段 L 折れ線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01F 12/40

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排藁カッター(10)を機体後端上部に
    機体後方に突出した状態で設け、前記排藁カッター(1
    0)からの切断藁落下経路をリアシュート(12)と左
    右のサイドシュート(13)で形成したコンバインにお
    いて、前記排ワラカッター( 10) に取付けられる両サイドシ
    ュート(13)を、下端の前端側角部付近と上端の後端
    側角部付近とを結ぶ折れ線(L)を境にして、前上部位
    置で前記排ワラカッター(10)に固定される固定部分
    と、前記折れ線(L)箇所で揺動可能に設けられた揺動
    部分(13b)とから構成し、 前記リアシュート(12)を、前記排ワラカッター(1
    0)に取付けられた上端側を中心にして前後揺動自在に
    構成し、 前記両サイドシュート(13)の揺動部分(13b)を
    前記折れ線(L)で内側に折り畳み自在に形成し、リア
    シュート(12)と両サイドシュート(13)の揺動部
    分(13b)とをそれぞれ個別に揺動自在に構成して、 前記両サイドシュート(13)が伸張されて前記リアシ
    ュート(12)が後方に揺動された使用状態では、前記
    リアシュート(12)と前記揺動部分(13b)の後端
    側とを固定し、かつ、前記両サイドシュート(13)の
    揺動部分(13b)が折り畳まれて前記リアシュート
    (12)が前方揺動された格納状態では、前記リアシュ
    ート(12)と前記揺動部分(13b)の折れ線側近く
    とを 固定する固定手段(18,19)を設けてあるコン
    バインの排藁処理部。
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