JP3145669B2 - 2重杭による杭基礎 - Google Patents

2重杭による杭基礎

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、2重杭による杭
基礎に関し、さらに詳細には、杭を介して住宅等の構造
物に伝搬する地盤振動の絶縁を図った杭基礎に関する。
【0002】
【従来の技術】構造物の基礎として杭基礎が広く知ら
れ、近年では戸建て住宅等にも適用されている。周知の
ように、杭基礎による支持機構は、杭体の先端に作用す
る地盤抵抗すなわち先端支持力と、杭体の周面に作用す
る摩擦力すなわち周面支持力とで構成されている。
【0003】ところで、地盤振動の大きな場所に住宅を
構築すると、その振動が住宅に伝搬する。地盤振動は、
地表面を伝搬する表面波であり、道路、鉄道などの交通
機関、工場、建設工事などによって発生する。すなわ
ち、打撃式の杭打ち工事のように地盤の深部で振動を発
生させる場合を除いて、地盤振動は主として地表面で発
生し、地表面を伝搬する。
【0004】このような波動は、そのエネルギーが表面
に集中することが特徴であり、地盤の深い位置までは振
動の影響が及ばない。振動が影響する深度は、その波長
の1/4とされており、例えば表面波の伝搬速度を10
0m/s、周波数を3Hzとすると、その深度は約8m
である。
【0005】この事実は、杭基礎の場合、杭体の先端部
が地盤振動の及ぶ深度よりも深い位置にあれば、杭体の
先端部からは振動が伝搬しないということを意味する。
しかしながら、従来の杭基礎では、前記のように、杭体
に先端支持力のほかに周面支持力を期待する支持構造を
採っている。このため、仮に杭体の先端部をそのような
深度位置にしたとしても、周面支持力が作用している以
上、杭体の周面には地盤振動が作用し、その振動は住宅
に伝達することから、結果的に振動の防止とはならな
い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この発明は上記のよう
な技術的背景に基づいてなされたものであって、次の目
的を達成するものである。
【0007】この発明の目的は、地盤振動が杭体を介し
て構造物に伝達するのを防止した杭基礎を提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は上記課題を達
成するために、次のような手段を採用している。
【0009】すなわちこの発明は、中空の外側杭体と、
その内部に間隙が形成されるように収容された内側杭体
とからなり、前記外側杭体の先端部と前記内側杭体との
間に、前記間隙を閉塞しかつ両杭体を軸線方向に相対移
動可能とする弾性材料からなる閉塞部材が配置され、前
記間隙は前記外側杭体の上端部から前記閉塞部材までの
全体に亘って形成され、構造物の鉛直荷重を前記内側杭
体に作用する支持力のみによって支持するようにしたこ
とを特徴とする2重杭による杭基礎にある。
【0010】この発明によれば、構造物の鉛直荷重は内
側杭体の支持力によってのみ支持される一方、該内側杭
体の外側杭体で覆われた部位には周面支持力が作用しな
い。したがって、少なくとも地盤振動の及ぶ深度範囲に
おいて内側杭体を外側杭体の内部に収容すれば、構造物
には地盤振動が伝達されることはない。
【0011】前記2重杭は、さらに具体的には、前記内
側杭体の先端部が前記外側杭体から突出し、該先端部に
先端支持構造体が設けられている。
【0012】
【発明の実施の形態】この発明の実施の形態を図面を参
照しながら以下に説明する。図1は、この発明による杭
基礎に用いられる2重杭の軸線方向断面図である。2重
杭1は、この実施の形態では、中空の外側杭体である外
管2と、その内部に収容された内側杭体である内管3と
の2重管構造となっている。内側杭体2は管に代えて柱
状体としてもよい。また、外管2及び内管3は鋼管やコ
ンクリート管で構成することができるが、その材質は問
われない。
【0013】内管3の先端部4及び杭頭5は、いずれも
外管2から突出し、内管3の先端部4には内管3よりも
大径の支持構造体6が形成されている。支持構造体6は
先端支持力を作用させるための底面を有する構造体であ
って、この実施の形態では外管2とほぼ同径となってい
るが外管2よりも大径としてもよい。
【0014】外管2の先端部と内管3との間には、両者
の間隙10を閉塞するための部材であるリング7が配置
されている。リング7は外管2と内管3との間に土壌が
入るのを防止するとともに、両者間で振動が伝達するの
を防止するためのもので、ゴム等の弾性材料からなって
いる。リング7は内管3に固着され、したがって外管2
及び内管3は軸線方向に相対移動可能であり、両者間で
は相互に軸線方向力が伝達されない。
【0015】図2は上記で説明した2重杭1を戸建て住
宅8の杭基礎に適用し、施工した状態を示す断面図であ
る。2重杭1を施工するにあたっては、外管2及び内管
3の杭頭部分に専用のキャップを被着し、両者間に介在
物が入らないようにする以外は、従来の既製杭と同様の
施工方法により造成することができる。
【0016】図2には地盤振動の影響の及ぶ範囲が地盤
深度に対する振幅aで示され、内管3の支持構造体6は
振動の影響が及ばない深度位置に設置される。すなわ
ち、内管3は、地盤振動の及ぶ深度範囲においては外管
2によって覆われる。また、住宅8の基礎スラブ9は内
管3の杭頭5上に設置される。2重杭1の設置時にはリ
ング7により土壌が外管2と内管3との間に侵入するの
を阻止され、間隙10が保持される。
【0017】その結果、内管3には地盤振動の及ぶ深度
範囲においては周面支持力が作用せず、すなわち住宅8
の鉛直荷重は支持構造体6に作用する地盤抵抗(支持
力)のみによって支持されることになる。したがって、
地盤振動は内管3を介して住宅8に伝達されることがな
い。他方、地盤振動は外管2に作用はするが、外管3は
住宅8の鉛直荷重を負担しておらず、また外管2と内管
3との間には隙10が保持され、この隙10を閉塞
するリング7も弾性材料からなるので、外管2から内管
3に地盤振動が伝達されることはなく、結局のところ、
地盤振動は住宅8には伝達されない。
【0018】なお、原理的には基礎スラブ9が地表面か
ら浮いている状態が、振動を防止する観点からは最も効
果的であるが、住宅の用途として種々の支障が生じる。
このため地表面と基礎スラブ9との間には、プラスチッ
クシートや不織布等からなる緩衝部材11を敷設すると
よい。
【0019】上記のような2重杭1は、先端支持力と地
盤振動影響範囲における周面支持力とを分離し、それぞ
れ内管3及び外管2に受け持たせた杭であるといえる。
外管2に作用する周面支持力は、鉛直支持力としては機
能しないが、水平支持力は発揮する。地震の際に、この
水平支持力が不足すると考えられる場合、図3に示すよ
うに外管2の杭頭にフランジ12を設け、水平支持力を
増大させることができる。
【0020】上記実施の形態では、内管3の先端部の外
管2からの突出長さは短く、したがって内管3に作用す
る周面支持力は小さく、鉛直支持力は主として先端支持
力である。図4に示すように、地盤振動の及ぶ深度範囲
Hにおいて内管3を外管2で覆いつつ、内管3の先端部
の外管2からの突出長さを長くしてもよい。この場合、
内管3には鉛直支持力として、先端支持力と周面支持力
とが作用することになる。
【0021】ところで、杭の載荷試験方法として相反載
荷試験方法や先端載荷試験方法が知られている(例えば
特公平6−58270号公報)。これは杭の先端にジャ
ッキを装着し、杭の設置後にジャッキを作動させ、周面
支持力を反力に利用して先端支持力を測定する方法であ
る。しかしながら、この方法はジャッキが杭先端の地盤
に埋め込まれることになるので、ジャッキを含む測定機
器類が回収不能あるいは回収に困難を伴う。
【0022】上記2重杭の場合もまた、同様の原理によ
り載荷試験を行うことができる。図5は、その載荷試験
の状態を示す模式図である。外管2にキャップ13を被
着し、キャップ13と内管3との間にジャッキ14を設
置する。ジャッキ14を作動させ、外管2に作用する周
面支持力を反力として先端支持力を測定する。この場
合、ジャッキ等の測定機器類は地上に設けられるので、
回収を容易に行うことができ、経済的である。
【0023】上記実施の形態は例示にすぎず、この発明
は種々の改変が可能である。例えば、上記実施の形態で
は内管3の杭頭を外管2から突出させたが、基礎スラブ
9が内管3に支持される構造であれば、必ずしも突出さ
せなくともよい。
【0024】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、構造
物の鉛直荷重を負担する内側杭体には地盤振動影響範囲
において周面支持力が作用せず、したがって地盤振動が
構造物に伝達するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明による杭基礎に用いる2重杭
の軸線方向断面図である。
【図2】図2は、この発明を住宅の杭基礎に適用した例
を示す断面図である。
【図3】図3は、水平支持力を増大させるための構造を
示す図である。
【図4】図4は、別の実施の形態を示す断面図である。
【図5】図5は、載荷試験の状態を示す模式図である。
【符号の説明】
1…2重杭 2…外管 3…内管 4…先端部 5…杭頭 6…支持構造体 7…リング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E02D 27/12 Z E02D 5/60 E02D 27/34 A E02D 31/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】中空の外側杭体と、その内部に間隙が形成
    されるように収容された内側杭体とからなり、前記外側杭体の先端部と前記内側杭体との間に、前記間
    隙を閉塞しかつ両杭体を軸線方向に相対移動可能とする
    弾性材料からなる閉塞部材が配置され、 前記間隙は前記外側杭体の上端部から前記閉塞部材まで
    の全体に亘って形成され、 構造物の鉛直荷重を前記内側杭体に作用する支持力のみ
    によって支持するようにしたことを特徴とする2重杭に
    よる杭基礎。
  2. 【請求項2】前記内側杭体の先端部が前記外側杭体から
    突出し、該先端部に支持構造体が設けられていることを
    特徴とする請求項1記載の2重杭による杭基礎。
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