JP3145496B2 - ベッド装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、たとえば、病人、身
障者、寝たきり老人（以下、単に「病人等」という。）
が使用するのに適したベッド装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】たとえば、特開平２−２１５４６２号公
報において、改良されたベッド装置が提案されている。
このベッド装置は、日本における住宅事情を考慮して、
たとえば６畳または４畳半程度の部屋においても使用す
ることができるようにされており、また、病人等をベッ
ド本体から持上げたり、ベッド本体上へ下ろしたり、ベ
ッド本体の側方にまで移したりすることを行なえる人体
吊上げ装置が付加されている。また、このベッド装置
は、病人等のリハビリテーションの助けとなり得るよう
にも工夫されている。

【０００３】したがって、このベッド装置によれば、そ
こに備える人体吊上げ装置を利用して、病人等を、車椅
子に乗せたり、便器まで運んだり、浴槽に入れたり、さ
らには逆にベッド本体にまで戻したり、といった病人等
の日常生活に必要な動きを与えることができ、便利であ
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たベッド装置は、使用上の便利さをもたらす点で評価さ
れるものであるが、病人等の症状によっては、過剰品質
となることがある。たとえば、病人等の症状は、徐々に
進行することが通常であり、そのため、初期の段階で
は、吊上げ装置を必要としない場合すらある。このよう
な場合において、当初から吊上げ装置を備えたベッド装
置を使用すると、病人等は、それに慣れてしまい、回復
しようとする意思が働かず、回復すべきものも回復しな
いまま、症状がさらに重くなってしまうこともある。ま
た、このように人体吊上げ装置を備えるベッド装置は、
高価にならざるを得ず、そのため経済的負担も無視でき
ない。取り分け、症状の軽い間にベッド装置を購入し、
人体吊上げ装置を本格的に使用しないうちに病人等が幸
いにも回復した場合、この人体吊上げ装置にかかった費
用は、全く無駄になってしまう。

【０００５】また、一般に、ベッドは、使用者の趣味に
応じて、そのデザインを、簡単に、それゆえに安価に変
えられるようになっているものが望ましい。このこと
は、病人等が使用する上述したようなベッド装置につい
ても言える。

【０００６】それゆえに、この発明の目的は、装備を容
易に変更することができるベッド装置を提供しようとす
ることである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】この発明に係るベッド装
置は、ベッド面を与えるベッド本体と、前記ベッド面の
周縁部から立上がるように前記ベッド本体に取付けられ
る複数個のガード部材と、前記ベッド面上にある人体を
吊上げるための人体吊上げ装置とを備える。前記複数個
のガード部材は、前記ベッド本体に対して着脱可能であ
り、かつ、互換性を有する。また、前記人体吊上げ装置
は、前記ベッド本体の長手方向を受入れる間隔を置いて
それぞれ直立する１対の支柱と、前記１対の支柱間を連
結するように延びかつ各前記支柱に沿って移動可能かつ
移動された位置で停止可能とされた支持部材と、前記支
柱の各下端部に取付けられる車輪と、各前記車輪の転動
経路を規定するガイドレールとを備える。これらガイド
レールは、前記ベッド本体の長手方向の両端部に着脱可
能に取付けられる。

【０００８】

【作用】この発明によるベッド装置は、ベッド本体のみ
の状態で使用でき、必要に応じて、ガード部材および人
体吊上げ装置を付加することができる。

【０００９】

【発明の効果】したがって、この発明によれば、まず、
ベッド本体を購入し、病人等の症状の進行に応じて、ガ
ード部材および人体吊上げ装置を買い足し、これらを順
次ベッド本体に簡単に取付けることができる。そのた
め、一時的に必要となる経済的負担が軽減されるととも
に、症状の各段階での過剰品質を避けることができる。
また、本格的に使用されないまま放置される装備に要し
た費用の無駄を省くことができる。

【００１０】また、複数個のガード部材は、ベッド本体
に対して着脱可能であるので、これらを製造業者の段階
または消費者の段階で交換することにより、ベッド装置
全体が与えるデザインを容易に変更することができる。
そのため、多品種少量生産の要望に応じることができる
とともに、消費者側において、長年使用したベッド装置
のデザインを変え、気分転換を図ることができる。

【００１１】また、ガード部材および人体吊上げ装置
は、ベッド本体を購入した後、いくらかの歳月を経た
後、購入されることになるので、これらガード部材およ
び人体吊上げ装置は、最新のものを購入でき、それぞれ
において、最高の品質のものを期待できる。

【００１２】また、複数個のガード部材は互換性を有し
ているので、それらをベッド本体に取付ける際、互いに
区別する必要がなく、誤った場所に取付けることがなく
なるとともに、多種類のガード部材を用意しなければな
らない場合に比べて、コストの低減を期待することがで
きる。

【００１３】

【実施例】図１および図２は、この発明の一実施例によ
るベッド装置１を示す正面図および左側面図である。

【００１４】ベッド装置１は、ベッド面２を与えるベッ
ド本体３と、ベッド面２の周縁部から立上がるようにベ
ッド本体３に取付けられる複数個のガード部材４と、ベ
ッド面２上にある人体を吊上げるための人体吊上げ装置
５とを備える。このベッド装置１は、図３および図４に
示すように、ベッド本体３単独の形態、および、図５お
よび図６に示すように、ベッド本体３にガード部材４が
取付けられた形態等をとることができる。

【００１５】ベッド本体３は、その長手方向の両端部に
脚部材６を備える。脚部材６の下端には、脚座７が設け
られ、これら脚座７には、周知のように、ねじを利用し
た高さの微調整可能な構造が付加されてもよい。また、
脚部材６は、上半部８と下半部９とから構成され、上半
部８と下半部９と互いに重なり合う長さが変更可能とさ
れる。これによって、脚部材６全体が与える長さが変更
され、その結果、ベッド面２の高さが調製可能とされ
る。

【００１６】複数個のガード部材４は、ベッド本体３に
対して着脱可能であり、かつ、互換性を有している。ベ
ッド本体３には、ガード部材４の下端部を受入れる穴
（図示せず）が設けられ、ガード部材４は、これらの穴
に挿入されることによって、取付状態とされる。ガード
部材４の取付に当り、ねじ止めが併用されてもよい、複
数のガード部材４は、前述したように互換性を有してい
るため、すべて同じ形状とされる。

【００１７】人体吊上げ装置５は、ベッド本体３の長手
方向を受入れる間隔を置いてそれぞれ直立する１対の支
柱１０と、１対の支柱１０間を連結するように延びかつ
各支柱に沿って移動可能かつ移動された位置で停止可能
とされた支持部材１１と、支柱１０の各下端部に取付け
られる車輪１２と、各車輪１２の転動経路を規定するガ
イドレール１３とを備える。なお、支持部材１１を支柱
１０に沿って移動可能かつ移動された位置で停止可能と
するための構造としては、たとえば実願平４−４０７５
７号に記載されたものを採用することができる。ガイド
レール１３は、たとえば、ベッド本体３の脚座７の下に
各々の一部が挿入され、床面との間で挟まれることによ
って、ベッド本体３の長手方向の両端部に着脱可能に取
付けられる。

【００１８】このような人体吊上げ装置５において、車
輪１２のガイドレール１３に沿う転動によって、１対の
支柱１０は、ベッド本体３の幅方向寸法内の位置とベッ
ド本体３の幅方向寸法から外れた位置との間で移動可能
である。また、支持部材１１は、支柱１０がどの位置に
あっても、各支柱１０に沿って上下方向に移動可能であ
りかつ移動された位置で停止可能である。その結果、支
持部材１１は、ベッド本体３の上方の空間およびベッド
本体３の側方の空間の範囲内において、任意の位置をと
ることができる。

【００１９】したがって、このような支持部材１１の動
きを利用して、ベッド面２上にある人体をベッド本体３
の側方にまで移動させることができ、また、逆の方向へ
も移動させることができる。そのため、この人体吊上げ
装置５によれば、病人等を、ベッド本体３から下ろし
て、車椅子に乗せたり、排便させたり、入浴させたりす
ることや、逆に、ベッド本体３に戻したりすることを容
易に行なうことができる。なお、上述した病人等の移動
に際して、実際には、病人等の体の下に適当なハンガー
部材（図示せず）を置き、ハンガー部材を支持部材１１
に係合させた状態とされる。したがって、ハンガー部材
の種類を選ぶことにより、病人等を寝たままの姿勢、あ
るいは座った姿勢等、任意の姿勢で移動させることがで
きる。

【００２０】このようなベッド装置１によれば、人体吊
上げ装置５およびガード部材４を必要としない段階で
は、図３および図４に示すように、ベッド本体３のみを
購入して、これを使用することができる。ベッド本体３
のベッド面２は、高さ調整が可能であるため、たとえば
医者による診察等を行なう場合には、ベッド面２を高く
し、他方、通常の使用時には、これを低くすることがで
きる。

【００２１】また、寝具等の転落を防止したい場合な
ど、ガード部材４が必要となったときには、ガード部材
４を買い足し、図５および図６に示すように、これらを
ベッド本体３に容易に取付けることができる。また、こ
の状態において、ガード部材４を他のものと置換えるこ
とも可能である。

【００２２】さらに、病人等が寝たきりまたはそれに近
い状態となったときには、図１および図２に示すよう
に、人体吊上げ装置５が買い足される。この人体吊上げ
装置５をベッド本体３と組合わせて使用するためには、
ガードレール４を、ベッド本体３に取付けるだけでよ
い。

【００２３】なお、図示しなかったが、上述のような考
え方を適用して、浴槽、便器、収納用キャビネットなど
の他の装備を、ベッド本体に後に簡単に取付けられるよ
うにしてもよい。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例によるベッド装置１を示す
正面図である。

【図２】図１に示したベッド装置２の左側面図である。

【図３】図１に示したベッド本体３を単独で示す正面図
である。

【図４】図３に示したベッド本体３の左側面図である。

【図５】図１に示したガード部材４が組合わされたベッ
ド本体３を示す正面図である。

【図６】図５に示したガード部材４が組合わされたベッ
ド本体３を示す左側面図である。

【符号の説明】

１ ベッド装置 ２ ベッド面 ３ ベッド本体 ４ ガード部材 ５ 人体吊上げ装置 １０ 支柱 １１ 支持部材 １２ 車輪 １３ ガイドレール

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ベッド面を与えるベッド本体と、 前記ベッド面の周縁部から立上がるように前記ベッド本
   体に取付けられる複数個のガード部材と、 前記ベッド面上にある人体を吊上げるための人体吊上げ
   装置とを備え、 前記複数個のガード部材は、前記ベッド本体に対して着
   脱可能であり、かつ、互換性を有し、 前記人体吊上げ装置は、前記ベッド本体の長手方向を受
   入れる間隔を置いてそれぞれ直立する１対の支柱と、前
   記１対の支柱間を連結するように延びかつ前記支柱に沿
   って移動可能かつ移動された位置で停止可能とされた支
   持部材と、前記支柱の各下端部に取付けられる車輪と、
   各前記車輪の転動経路を規定するガイドレールとを備
   え、 前記ガイドレールは、前記ベッド本体の長手方向の両端
   部に着脱可能に取付けられる、ベッド装置。